JP5377841B2 - 情報記録用粘着シート - Google Patents
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Description
すなわち、(1)図1及び図2に示すような、粘着用基紙103、粘着剤層104及び剥離紙105からなるタック紙106上に、1又は複数の擬似接着剤層102,102を介して情報記録用基紙101が積層された形態、(2)図3及び図4に示すような、情報記録用基紙101、粘着剤層104及び剥離紙105がこの順に積層され、配達票101b、発店控101cとなる部位の粘着剤層104と剥離紙105との間には糊殺し剤層108が介在された形態、(3)図5及び図6に示すような、情報記録用基紙101の裏面側に粘着剤層104が設けられ、この粘着剤層104が剥離紙105で覆われるが、粘着剤層104が設けられるのは貼付票101aとなる部位及び配達票101bと発店控101cとの間の部位、つまり配達票101bとなる部位の両側部のみとされた形態である。これらの形態は、いずれも前述した貼り付け・持ち帰りが可能になっている。
しかしながら、(1)の形態は、粘着用基紙103を有するため資源の無駄が生じ、また、コスト高となる。さらに、シートの厚さが厚くなるため、カット紙とする場合は給紙枚数の減少やプリンター走行性不良の原因となり、連続紙とする場合は質量増加によるプリンターへの負荷の増加が生じる。一方、(2)及び(3)の形態は、複数の片101a,101b…の一部、例えば、配達票101bが剥離紙105と乖離した状態となっているため、印字工程における紙詰まりの原因となるおそれがあった。特に、近年、情報記録用基紙101に対する印刷方法もインパクトプリント方式からレーザープリント方式が主流に代わってきており、印字処理の高速化が求められていることから、この紙詰まりの問題は、重要性を増している。また、輸送工程においては、配達票101bが被着体に貼り付けられない状態で備え付けられることになるため、剥がれてしまうおそれがあった。
〔請求項1記載の発明〕
複数の片に分離可能な情報記録用基紙と、この基紙の裏面側に設けられた粘着剤層と、この粘着剤層を覆う剥離シートと、を有する情報記録用粘着シートであって、
前記複数の片の一部は、基紙裏面に剥離剤層、擬似接着剤層及び粘着剤層がこの順に積層されて前記剥離剤層と前記擬似接着剤層との間で剥離可能な構造とされ、
前記剥離剤層と前記擬似接着剤層との間の少なくとも一部に、紫外線硬化樹脂を主成分とする第2の擬似接着剤層が積層され、前記擬似接着剤層に積層された前記第2の擬似接着剤層と前記剥離剤層との間で剥離可能な構造とされ、
かつ、前記擬似接着剤層及び前記粘着剤層の少なくとも一方は、所定の温度条件下で可塑性を有する熱可塑性樹脂を主成分とし、
前記複数の片の残部は、基紙裏面に粘着剤層が直接積層され、
前記剥離剤層及び前記擬似接着剤層間の剥離強度が、JIS Z 0237の10の180度引き剥し粘着力の測定において4〜30N/25mmとされている、
ことを特徴とする情報記録用粘着シート。
情報記録用基紙裏面に剥離剤層を設けることにより、温度、塗布厚み等の擬似接着剤の塗布条件が変動しても安定した強度の擬似接着剤層が得られる。また、擬似接着剤層及び粘着剤層の少なくとも一方が熱可塑性樹脂を主成分とすることにより、擬似接着剤層や粘着剤層が柔軟性を持ち基紙と擬似接着剤層間で安定して剥すことができる。さらに、本発明によると、情報記録用基紙と剥離シートの中間に擬似接着剤層を形成させるための中間基材シートを設ける必要がなく、全体のシート厚みを薄くすることが可能となり、プリンターでのシート搬送性、スタック性等の面でメリットが生じる。
熱可塑性樹脂を主成分とする擬似接着剤層や粘着剤層が延伸性を持つことにより、粘着剤層を貼り合せる被着体表面に凹凸がある場合においても安定して剥離剤層と擬似接着剤層間で剥離させることができる。また、この安定した剥離は、当該延伸性が温度20℃の条件下で20〜300%であれば、配送伝票や出荷伝票等としての使用において、確実なものとなる。
剥離剤層と擬似接着剤層間に紫外線硬化樹脂を主成分とする第2の擬似接着剤層を設けることにより、前記剥離剤層に対する剥し易さを部分的に変えることが可能になり、仕様用途に応じた剥離性を選定可能となる。さらに、紫外線硬化樹脂を使用することにより、擬似接着部を一旦剥した後は熱による再貼合ができない特徴を有するようになる。
〔請求項2記載の発明〕
前記複数の片の一部は、相互に隣接する複数の片からなり、当該相互に隣接する片同士の境界に分離手段が形成され、この分離手段が前記剥離剤層にまで及び、
前記複数の片の一部と前記複数の片の残部との境界にも分離手段が形成され、
前記熱可塑性樹脂を主成分とする層は、前記所定の温度条件下で0〜20%の破断性を有する、請求項1記載の情報記録用粘着シート。
ここで、前記破断性は、次式によって得られた値を意味する。
破断性(%)=(下記剥離試験による移転面積/全面積)×100
なお、当該移転面積は5回試験を行った場合の平均値とする。
〔剥離試験〕
基紙裏面に剥離剤層、擬似接着剤層及び粘着剤層がこの順に積層された積層体を溝切りステンレス板に貼り付け、1cm2当たり10gの錘を乗せた環境下に置く。この溝切りステンレス板には、幅6mm、深さ2mmの溝が切られており、相互に隣接する溝間の距離は4mmとされている。この状態で24時間放置した後、溝切りステンレス板から前記積層体を引き剥がす。この際、前記基紙裏面側に残った擬似接着剤層及び粘着剤層の面積を移転面積、溝切りステンレス板の表面積を全面積とする。
本形態の情報印刷用粘着シートを図7から9に示した。本形態の情報記録用粘着シートは、複数の片1a,1b…に分離可能な情報記録用基紙1と、この基紙1の裏面側に設けられた粘着剤層4と、この粘着剤層4を覆う剥離シート5と、を基本構成とする。
この複数の片1a,1b…の分離は、例えば、ハーフスリットやミシン目等の分離手段S,S…によって、行うことができる。
粘着剤層4は、情報記録用基紙1の裏面側全面にわたって設けることもできるが、被着体Dに貼り付ける必要のない部分、本形態では発店控1c、出荷明細、連絡事項等1dの部分を除いた部分(貼付票1a、配達票1bの部分)のみに設けることもできる。本形態では、貼付票1a、配達票1b及び発店控1cの部分に設けている。
剥離シート5の素材、厚さ等も特に限定されない。剥離シート5の素材としては、例えば、紙、織物、プラスチックフィルム等から形成されており、この上面、すなわち粘着剤層4側の面が、シリコーン系離型剤等により剥離処理を施されているものを例示することができる。また、剥離シート5の厚さは、通常30〜150μmである。
(1)本形態において、熱可塑性樹脂を主成分とする擬似接着剤層9Bや粘着剤層4は、温度20℃の条件下で20〜300%の延伸性を有するのが好ましく、50〜150%の延伸性を有するのがより好ましい。このような延伸性を有すると、たとえ粘着剤層4が部分的に被着体Dから浮きがあっていても、剥離に際しては、擬似接着剤層9Bや粘着剤層4が被着体Dに転移しやすい。
ここで、「延伸性」は、次式によって得られた値を意味するものと定義する。
延伸性(%)=((層を引っ張り破断した際の長さ−層を引っ張る前の長さ)/層を引っ張る前の長さ)×100
なお、この延伸性は、例えば、基紙上に樹脂層を擬似接着させ、当該基紙に当該樹脂層まで達しないスリットを入れ、この状態において当該基紙及び当該樹脂層を引っ張る(延伸させる)ことで、測定することができる。
ここで、「破断性」は、次式によって得られた値を意味するものと定義する。
破断性(%)=(下記剥離試験による移転面積/全面積)×100
なお、当該移転面積は5回試験を行った場合の平均値とする。
〔剥離試験〕
まず、図11に示すように、基紙1Xの裏面に図示しない剥離剤層、擬似接着剤層9B及び粘着剤層4がこの順に積層された積層体を用意し、この積層体を溝切りステンレス板Kに貼り付け1cm2当たり10gの錘を乗せ所定の環境下に置く。この溝切りステンレス板Kは、幅6mm、深さ2mmの溝が切られており、相互に隣接する溝間の距離は4mmとされている。この状態で24時間放置した後、溝切りステンレス板Kから積層体を引き剥がす。この際、基紙1Xの裏面側に残った(移転した)擬似接着剤層9B及び粘着剤層4の面積を「移転面積」、溝切りステンレス板Kの表面積を「全面積」とする。なお、図12に、基紙1Xの裏面側に擬似接着剤層9B及び粘着剤層4が全く移転しない場合を「良」として、全て移転した場合を「不良」として、示した。
Claims (2)
- 複数の片に分離可能な情報記録用基紙と、この基紙の裏面側に設けられた粘着剤層と、この粘着剤層を覆う剥離シートと、を有する情報記録用粘着シートであって、
前記複数の片の一部は、基紙裏面に剥離剤層、擬似接着剤層及び粘着剤層がこの順に積層されて前記剥離剤層と前記擬似接着剤層との間で剥離可能な構造とされ、
前記剥離剤層と前記擬似接着剤層との間の少なくとも一部に、紫外線硬化樹脂を主成分とする第2の擬似接着剤層が積層され、前記擬似接着剤層に積層された前記第2の擬似接着剤層と前記剥離剤層との間で剥離可能な構造とされ、
かつ、前記擬似接着剤層及び前記粘着剤層の少なくとも一方は、所定の温度条件下で可塑性を有する熱可塑性樹脂を主成分とし、
前記複数の片の残部は、基紙裏面に粘着剤層が直接積層され、
前記剥離剤層及び前記擬似接着剤層間の剥離強度が、JIS Z 0237の10の180度引き剥し粘着力の測定において4〜30N/25mmとされている、
ことを特徴とする情報記録用粘着シート。 - 前記複数の片の一部は、相互に隣接する複数の片からなり、当該相互に隣接する片同士の境界に分離手段が形成され、この分離手段が前記剥離剤層にまで及び、
前記複数の片の一部と前記複数の片の残部との境界にも分離手段が形成され、
前記熱可塑性樹脂を主成分とする層は、前記所定の温度条件下で0〜20%の破断性を有する、請求項1記載の情報記録用粘着シート。
ここで、前記破断性は、次式によって得られた値を意味する。
破断性(%)=(下記剥離試験による移転面積/全面積)×100
なお、当該移転面積は5回試験を行った場合の平均値とする。
〔剥離試験〕
基紙裏面に剥離剤層、擬似接着剤層及び粘着剤層がこの順に積層された積層体を溝切りステンレス板に貼り付け、1cm2当たり10gの錘を乗せた環境下に置く。この溝切りステンレス板には、幅6mm、深さ2mmの溝が切られており、相互に隣接する溝間の距離は4mmとされている。この状態で24時間放置した後、溝切りステンレス板から前記積層体を引き剥がす。この際、前記基紙裏面側に残った擬似接着剤層及び粘着剤層の面積を移転面積、溝切りステンレス板の表面積を全面積とする。
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