JP2006269699A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波フリップチップ実装において、超音波振動による半導体素子の電極の破断の広がりを抑制でき、半導体素子の電極の下地(層間膜)にダメージを与えない半導体装置を提供する。
【解決手段】電極7の突起電極3との接合面周縁の超音波振動方向に直行する辺に孔9が形成された半導体素子6を用いて超音波フリップチップ実装を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム状の基板上に半導体素子を搭載したCOF(Chip On Film)のような半導体装置およびその製造方法に関し、特にフリップチップ実装を行うための超音波フリップチップ接合技術に関する。
フィルム基材を使用したパッケージモジュールの一種として、絶縁性のフィルム基材を用いたCOFが知られている。COFは、現在フラットパネルディスプレイの駆動用ドライバとして主に使用されている。
図8は、例えば従来のCOFのような半導体装置の一部を示す断面図である。この半導体装置は、柔軟な絶縁性のテープキャリア基板の上に半導体素子6が搭載され、封止樹脂12により保護された構造をしている。
テープキャリア基板は、主たる要素として、絶縁性のフィルム基材1とその面上に形成された導体配線2を含む。必要に応じて導体配線2上には、金属めっき被膜4および絶縁樹脂であるソルダーレジスト5の層が形成される。一般的に、フィルム基材としてはポリイミドが、導体配線としては銅が使用される。
テープキャリア基板の導体配線2は、突起電極3を介して、半導体素子6の表面に形成された電極7と接続される。導体配線2において、半導体素子の電極7と接続する部分の先端からソルダーレジスト5にいたるまでのソルダーレジスト5に覆われていない領域(金属めっき被膜4に覆われている領域)をインナーリードと呼ぶ。
突起電極は、テープキャリア基板の導体配線上に予め形成しておく方法と、半導体素子の電極上に予め形成しておく方法のいずれかにより設けられる。一般的には、半導体素子の電極上に突起電極を形成する方法が採られるが、テープキャリア基板の導体配線上に突起電極を形成する方法は、半導体素子の電極上に突起電極を形成する方法に比べ、工程数を低減し製造コストを低減できる利点がある(特許文献1参照。)。
以下、テープキャリア基板の導体配線上に突起電極を形成する従来の方法について、図9を参照して説明する。図9は、テープキャリア基板の導体配線上に突起電極を形成する従来の工程を示す図である。図9(a1)〜(f1)は、テープキャリア基板の半導体素子搭載部を平面視した図であり、図9(a2)〜(f2)は各々図9(a1)〜(f1)に対応しており、図9(a1)におけるA−A´位置での断面を表している。
まず、図9(a1)、(a2)に示すように、複数本の導体配線2がテープキャリア基板の半導体搭載部に整列して設けられたフィルム基材1を用意する。そして、このフィルム基材1の導体配線2が設けられた面の全面に、図9(b1)、(b2)に示すように、感光性レジスト13を形成する。
次に、図9(c1)、(c2)に示すように、フィルム基材1に形成された感光性レジスト13の上部に、突起電極形成用の露光マスク14を対向させる。露光マスク14の光透過領域14aは、各導体配線2を横切って各導体配線2の両側の領域に広がる形状となっており、ここでは複数本の導体配線に跨って連続する形状(長孔状パターン)としている。
露光マスク14の光透過領域14aを通して露光し、現像することにより、図9(d1)、(d2)に示すように、感光性レジスト13に、上記の光透過領域14aと同じパターンの孔(開口部13a)が開口される。これにより開口部13a中に導体配線2の一部が露出する。
次に、感光性レジスト13の開口部13aを通して、その開口部13a中に露出した導体配線2に金属めっきを施して、図9(e1)、(e2)に示すように、突起電極3を形成する。感光性レジスト13を除去すれば、図9(f1)、(f2)に示すように、導体配線2上に突起電極3が形成されたテープキャリア基板1aとなる。
続いて、COF等に使用される従来の半導体素子の製造方法について、図10を参照して説明する。図10は、従来の半導体素子の電極を形成する工程を示す図である。図10(a)〜(h)は半導体素子の電極部の断面図であり、図10(i)は、半導体素子の電極部の平面図である。
まず、図10(a)に示すように、半導体素子の基板であるシリコン基板11上に、電極や配線となるアルミニウムや銅が原料の薄膜15を全面に形成する。次に、図10(b)に示すように、電極となる部分の薄膜15表面に、感光性レジスト16を形成する。
次に、図10(c)に示すように、電極となる領域以外を覆う薄膜15をエッチングにより除去する。そして、図10(d)に示すように、感光性レジスト16を除去する。これにより電極7が形成される。
次に、図10(e)において、化学気相堆積法(CVD法)によって絶縁保護膜8を形成する。次に、図10(f)に示すように、電極7表面の領域が開口され、それ以外の絶縁保護膜8表面を覆う感光性レジスト17を形成する。次に、図10(g)に示すように電極7表面の領域にある絶縁保護膜8をエッチングにより除去する。
そして、図10(h)に示すように、感光性レジスト17を除去する。図10(i)は、半導体素子の電極部を電極7側から見た平面図であり、図10(i)に示すように、従来の半導体素子では絶縁保護膜8の内側にアルミニウムや銅を原料とする電極7が一様に形成されている。
続いて、従来の半導体装置の製造方法について、図11を参照して説明する。図11は、従来の半導体装置の製造装置の一部を示す断面図である。テープキャリ基板への半導体素子の実装時には、テープキャリア基板をステージ18と呼ばれる加熱可能なSUS(Stainless Used Steel)などからなる金属製の固定治具へ吸着するとともに、半導体素子6を超鋼からなるホーン19と呼ばれる接合装置へ吸着し、テープキャリア基板上に半導体素子6を載置して、ホーン19により超音波を印加しながら加熱押圧することにより、突起電極3と半導体素子の電極7とを接合する。なお、ステージ18も加熱した状態で接合する場合もある。
しかしながら、従来の半導体装置の製造装置においては以下の問題が起こる。図12(a)は、従来の半導体素子実装時における突起電極と半導体素子の電極との接合箇所の拡大断面図である。図12(b)は、その接合箇所の平面透視図である。但し、図11に示す金属めっき被膜4は省略している。
図12(a)に示すように、突起電極と半導体素子の電極との接合時に印加する超音波の振動方向20は、導体配線の断線を防ぐために、押圧方向と直交する方向(テープキャリア基板の導体配線が設けられた面と平行な方向)となっている。そのため、突起電極3と電極7の金属間の合金化が進むと、突起電極3と電極7の接合面において、超音波振動による変移によって電極7表面を引っ張る応力(引っ張り応力)が発生する。この引っ張り応力は、半導体素子の電極7の突起電極3との接合面周縁の超音波振動方向20に直交する辺に発生する(図12(b)の破線囲み部B)。
図13に、従来の半導体装置における不具合の事例を示す。図13(a)は、導体配線上に形成された突起電極と半導体素子の電極との接合箇所の拡大断面図である。図13(b)は、その接合箇所の平面透視図である。
図12で示した半導体素子の電極7表面を引っ張る応力が大きい場合、半導体素子の電極7の突起電極3との接合面周縁の超音波振動方向20に直交する辺に破断が起こり(図13(a)の破線囲み部C)、さらにその破断線を基点として、電極7の下層にある層間膜(下地金属)10も破断される。図13(b)に電極および層間膜の破断部23を示す。
従来の半導体装置では、半導体素子の電極の突起電極との接合面周縁の超音波振動方向に直交する辺が直線状に繋がっているため、その辺の一点でも破断すると、次々に隣接点に亀裂が進展し一気に破断部が広がる。電極表面を引っ張る応力は、ホーンによる加圧量、超音波印加時間、超音波振動数に比例するため、接合条件は、各要素を小さい値に設定し電極の破断が起こらないようにしなければならない。しかし、逆に、各要素が小さい値の場合には、突起電極と半導体素子の電極との接合強度が弱くなり、接合界面で剥がれてしまうこともある。よって、断線と剥がれをどちらも起こさない条件を設定することは困難であった。
このように、従来の半導体装置では、超音波接合時に半導体素子にダメージを与えてしまうという問題があり、最適な接合条件を見出すことが困難であった。
特開2004−327936号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、半導体素子の電極の突起電極との接合面周縁の超音波振動方向に直行する辺に孔を形成することにより、超音波接合時の振動による電極の破断の広がりを抑制でき半導体素子の電極の下地(層間膜)にダメージを与えない半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の半導体装置は、絶縁性基材と前記絶縁性基材上に設けられた導体配線と前記導体配線上に形成された突起電極とを備えた配線基板上に、電極が形成された半導体素子を配置し、前記配線基板の前記導体配線が設けられた面と平行な一定の振動方向の超音波を印加しながら前記半導体素子を押圧して前記突起電極と前記半導体素子の電極とを接合し、前記配線基板に前記半導体素子を実装した半導体装置において、前記半導体素子の電極の前記突起電極との接合面周縁の、前記超音波の振動方向と直行する辺上に、孔が複数形成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項2記載の半導体装置は、請求項1記載の半導体装置において、前記孔の形状が四角形であることを特徴とする。また、本発明の請求項3記載の半導体装置は、請求項1記載の半導体装置において、前記孔の形状が四角形であり、且つ前記各孔の前記超音波の振動方向に直交する辺が同一直線上にないことを特徴とする。
また、本発明の請求項4記載の半導体装置の製造方法は、絶縁性基材と前記絶縁性基材上に設けられた導体配線と前記導体配線上に形成された突起電極とを備えた配線基板に半導体素子を実装するに際し、超音波を印加しながら半導体素子を押圧して、半導体素子に形成された電極を前記突起電極に接合する半導体装置の製造方法において、前記突起電極との接合面周縁の所定の辺上に孔が複数形成された電極を備える半導体素子を前記配線基板上に配置し、前記配線基板の前記導体配線が設けられた面と平行で且つ前記孔が形成された辺と垂直な方向に振動する超音波を印加しながら前記半導体素子を押圧して、前記半導体素子の電極と前記突起電極とを接合することを特徴とする。
本発明によれば、半導体素子の電極の突起電極との接合面周縁の超音波振動方向に直交する辺が直線的に繋がっておらず、その辺上の一部が破断しても、孔が亀裂の進展を妨げ、破断部の進行を防ぐことができる。よって、半導体素子の電極の下地(層間膜)へのダメージをなくすことができる。
また、孔の形状を四角形とすることにより、接合面周縁の超音波振動方向に直交する辺に、明確に超音波振動方向の段差ができるので、亀裂の進展を妨げる効果が大きくなる。また、孔の形状を四角形とし、且つ各孔の超音波振動方向に直交する辺が同一直線上に揃わないようにすることにより、接合面周縁の超音波振動方向に直交する辺に形成された超音波振動方向の段差が一様でなくなるので、単に四角形状にした場合よりも亀裂の進展を妨げる効果が大きくなる。
以下、本発明の実施の形態における半導体装置およびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図8〜図13に基づいて説明した部材に対応する部材には同一の符号を付している。
図1(a)は、本実施の形態における半導体装置の一部を示す断面図である。また、図1(b)は、当該半導体装置における突起電極と半導体素子の電極との接合箇所の拡大断面図である。また、図1(c)は、その接合箇所の平面透視図である。
図1(a)に示すように、当該半導体装置は、柔軟な絶縁性のテープキャリア基板(配線基板)の上に半導体素子6が搭載され、突起電極3の周辺の領域が、半導体素子6の表面保護や半導体装置自身の強度確保のために封止樹脂12で覆われた構成となっている。
テープキャリア基板は、主たる要素として、絶縁性のフィルム基材(絶縁性基材)1とその面上に形成された導体配線2を含む。必要に応じて導体配線2上には、金属めっき被膜4および絶縁樹脂であるソルダーレジスト5の層が形成される。一般的に、フィルム基材としてはポリイミドが、導体配線としては銅が使用される。
図1(b)に示すように、導体配線2上には、半導体素子の電極7と対向する位置に突起電極3が形成されている。半導体素子の電極7の周囲は、絶縁保護膜8で覆われている。また、半導体素子の基板(シリコン基板)11と電極7との間には層間膜10が形成されている。なお、図1(b)では、図1(a)に示す金属めっき被膜4を省略している。
突起電極3は半導体素子の電極7と接合(合金化)されており、これにより導体配線2と半導体素子の電極7が電気的に接続される。テープキャリア基板への半導体素子6の実装は、突起電極3上に半導体素子の電極7を対向配置し、ホーンと呼ばれる接合装置により半導体素子6を加熱押圧することで行われる。またこの際、テープキャリア基板の導体配線2が設けられた面と平行な一定の振動方向の超音波を印加することで、突起電極3と電極7との接合が、半導体素子の電極7上の酸化膜を削りながら行われる。また、図1(c)に示すように、半導体素子の電極7の突起電極3との接合面周縁には、上記した超音波の振動方向と直交する辺上に孔(ここでは円孔)9が複数形成されている。
続いて、本実施の形態における半導体装置に使用されるテープキャリア基板の製造方法について、図2を参照して説明する。図2は、当該テープキャリア基板の導体配線上に突起電極を形成する工程を示す図である。図2(a1)〜(f1)は、テープキャリア基板の半導体素子搭載部を平面視した図であり、図2(a2)〜(f2)は各々図2(a1)〜(f1)に対応しており、図2(a1)におけるA−A´位置での断面を表している。
まず、複数本の導体配線2がテープキャリア基板の半導体搭載部に整列して設けられたフィルム基材1を用意する(図2(a1)、(a2))。そして、このフィルム基材1の導体配線2が設けられた面の全面に、図2(b1)、(b2)に示すように、感光性レジスト13を形成する。
次に、図2(c1)、(c2)に示すように、フィルム基材1に形成された感光性レジスト13の上部に、突起電極形成用の露光マスク14を対向させる。露光マスク14の光透過領域14aは、各導体配線2を横切って各導体配線2の両側の領域に広がる形状となっており、ここでは複数本の導体配線に跨って連続する形状(長孔状パターン)としているが、少なくとも各導体配線の幅方向の両側の所定範囲の領域を含む形状であればよく、例えば各導体配線にそれぞれ対応する孔が離散的に配置されたパターンであってもよい。
露光マスク14の光透過領域14aを通して露光し、現像することにより、図2(d1)、(d2)に示すように、感光性レジスト13に、上記の光透過領域14aと同じパターンの孔(開口部13a)が開口される。これにより開口部13a中に導体配線2の一部が露出する。
次に、感光性レジスト13の開口部13aを通して、その開口部13a中に露出した導体配線2に金属めっきを施して、図2(e1)、(e2)に示すように、突起電極3を形成する。感光性レジスト13を除去すれば、図2(f1)、(f2)に示すように、導体配線2上に突起電極3が形成されたテープキャリア基板1aとなる。
続いて、本実施の形態における半導体装置に使用される半導体素子の製造方法について、図3を参照して説明する。図3は、本実施の形態における半導体素子の電極を形成する工程を示す図である。図3(a)〜(h)は半導体素子の電極部の断面図であり、図3(i)は、半導体素子の電極部の平面図である。
まず、図3(a)に示すように、半導体素子の基板であるシリコン基板11上に、電極や配線となるアルミニウムや銅が原料の薄膜15を全面に形成する。次に、図3(b)に示すように、電極となる部分の薄膜15表面に、突起電極との接合面周縁の所定の辺上に円孔を複数形成するための開口部16aを有する第1の感光性レジスト16を形成する。
次に、図3(c)に示すように、電極となる領域以外を覆う薄膜15(開口部16a中の薄膜15も含む。)をエッチングにより除去する。そして、図3(d)に示すように、感光性レジスト16を除去する。これにより、突起電極との接合面周縁の所定の辺上に円孔が複数形成された電極7が形成される。
次に、図3(e)において、化学気相堆積法(CVD法)により絶縁保護膜8を形成する。次に、図3(f)に示すように、電極7表面の領域が開口され、それ以外の絶縁保護膜8表面を覆う第2の感光性レジスト17を形成する。
次に、図3(g)に示すように電極7表面の領域にある絶縁保護膜8をエッチングにより除去する。そして、図3(h)に示すように、感光性レジスト17を除去する。図3(i)は、半導体素子の電極部を電極7側から見た平面図であり、本実施の形態における半導体素子は、図3(i)に示すように、絶縁保護膜8の内側にアルミニウムや銅を原料とする電極7が、突起電極との接合面周縁の所定の辺上に円孔が開いた状態で形成される。
続いて、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図4を参照して説明する。図4(a)は、本実施の形態における半導体装置の製造装置の一部を示す断面図、図4(b)は半導体素子実装時における突起電極と半導体素子の電極との接合箇所の拡大断面図である。なお、図4(b)では、図4(a)に示す金属めっき被膜4を省略している。
テープキャリア基板への半導体素子の実装時には、テープキャリア基板をステージ18と呼ばれる加熱可能なSUSなどからなる金属製の固定治具へ吸着するとともに、半導体素子6を超鋼からなるホーン19と呼ばれる接合装置へ吸着し、テープキャリア基板上に半導体素子6を載置して、ホーン19により加熱押圧することにより、突起電極3と半導体素子の電極7とを接合する(図4(a))。なお、ステージ18も加熱した状態で接合してもよい。
その際、ホーン19を介して超音波を印加する。超音波の振動方向20は、導体配線の断線を防ぐために、押圧方向と直交する方向(テープキャリア基板の導体配線が設けられた面と平行な方向)となっている(図4(b))。この超音波接合により、突起電極3の上面が、半導体素子の電極7の表面層の酸化膜に当接して振動するため、酸化膜を破砕する効果が顕著になる。
突起電極3と半導体素子の電極7が接合された後は、突起電極3と半導体素子の電極7との接合部分と、半導体素子6の回路が存在する表面部分とを保護し、半導体装置全体の強度を確保するために、封止樹脂をフィルム基材1と半導体素子6の隙間に樹脂供給ノズルを使用して注入する(図示せず)。
なお、図5に示すような方法で、突起電極3と半導体素子の電極7とを接合することもできる。すなわち、図5(a)に示すように、まず、突起電極3が形成された領域を覆う封止樹脂12を形成した後、半導体素子6とテープキャリア基板を対向させ、両者を互いに向かって押圧して、図5(b)に示すように、突起電極3と半導体素子の電極7とを当接させる。その際、突起電極3の上面により、封止樹脂12が両脇に効果的に排除される。なお、封止樹脂としては、例えばNCP(Non Conductive Resin Paste)樹脂などを用いる。この方法によれば、加熱加圧しながら超音波を印加する過程において、封止樹脂12の仮硬化も完了する。
突起電極3と半導体素子の電極9との接合後、封止樹脂12を硬化度90%以上に本硬化させるために、さらに150〜200°Cの雰囲気中で数分間加熱する。その後、捺印、検査を行い半導体装置が完成する。
本実施の形態によれば、半導体素子の電極7の突起電極3との接合面周縁の超音波振動方向20に直交する辺が直線状に繋がっておらず、その辺上の一部が破断しても、円孔9が亀裂の進展を妨げるので、破断部の進行を防ぐことがきる。よって、半導体素子の電極7の下地(層間膜10)へのダメージをなくすことができる。
したがって、テープキャリア基板上に半導体素子を搭載したCOFと呼ばれる半導体装置の製造装置は、超音波フリップチップ実装において、超音波振動による半導体素子の電極の破断の広がりを抑制でき、半導体素子の電極の下地にダメージを与えることなく半導体素子の電極と突起電極とを接合させることが可能となり、接続信頼性の高い半導体装置を製造することができるようになる。
なお、本実施の形態では、半導体素子の電極表面に、同一形状の円孔を中心を揃えて形成したが、これに限らず、例えば図6に示すように、四角形状の孔21を形成してもよい。孔の形状を四角形とすることにより、接合面周縁の超音波振動方向20に直交する辺に、明確に超音波振動方向20の段差ができるので、円孔と比べて亀裂の進展を妨げる効果が大きくなる。
また、図7に示すように、孔22の形状を四角形とし、かつ各孔22の超音波振動方向に直行する辺が同一直線状に揃わないようにしてもよい。このようにすれば、接合面周縁の超音波振動方向20に直交する辺に形成された段差が一様でなくなるので、単に四角形状にした場合よりも亀裂の進展を妨げる効果が大きくなる。
本発明にかかる半導体装置およびその製造方法は、超音波フリップチップ実装時に、超音波振動による電極の破断の広がりを抑制でき半導体素子の電極の下地(層間膜)にダメージを与えないので、COF等の半導体装置を製造する装置などに有用である。
(a)は本発明の実施形態における半導体装置の一部を示す断面図、(b)はその半導体装置における突起電極と半導体素子の電極との接合箇所の拡大断面図、(c)はその接合箇所の平面透視図 本発明の実施の形態における半導体装置に使用されるテープキャリア基板の導体配線上に突起電極を形成する工程を示す図であり、(a1)〜(f1)はそのテープキャリア基板の半導体素子搭載部を平面視した図、(a2)〜(f2)は各々(a1)〜(f1)に対応しており、(a1)におけるA−A´位置での断面を表す図 本発明の実施の形態における半導体装置に使用される半導体素子の電極を形成する工程を示す図であり、(a)〜(h)はその半導体素子の電極部の断面図、(i)はその半導体素子の電極部の平面図 (a)は本発明の実施の形態における半導体装置の製造装置の一部を示す断面図、(b)は半導体素子実装時における突起電極と半導体素子の電極との接合箇所の拡大断面図 本発明の他の実施の形態における半導体装置の製造工程を説明するための断面図 本発明の他の実施の形態における半導体装置を説明するための図であり、(a)は半導体素子実装時における突起電極と半導体素子の電極との接合箇所の拡大断面図、(b)はその接合箇所の平面透視図 本発明の他の実施の形態における半導体装置を説明するための図であり、(a)は半導体素子実装時における突起電極と半導体素子の電極との接合箇所の拡大断面図、(b)はその接合箇所の平面透視図 従来の半導体装置の一部を示す断面図 従来の半導体装置に使用されるテープキャリア基板の導体配線上に突起電極を形成する工程を示す図であり、(a1)〜(f1)はそのテープキャリア基板の半導体素子搭載部を平面視した図、(a2)〜(f2)は各々(a1)〜(f1)に対応しており、(a1)におけるA−A´位置での断面を表す図 従来の半導体装置に使用される半導体素子の電極を形成する工程を示す図であり、(a)〜(h)はその半導体素子の電極部の断面図、(i)はその半導体素子の電極部の平面図 従来の半導体装置の製造装置の一部を示す断面図 (a)は従来の半導体素子実装時における突起電極と半導体素子の電極との接合箇所の拡大断面図、(b)はその接合箇所の平面透視図 従来の半導体装置における不具合の事例を示す図であり、(a)は突起電極と半導体素子の電極との接合箇所の拡大断面図、(b)はその接続箇所の平面透視図
符号の説明
1 フィルム基材
1a テープキャリア基板
2 導体配線
3 突起電極
4 金属めっき被膜
5 ソルダーレジスト
6 半導体素子
7 半導体素子の電極
8 絶縁保護膜
9、21、22 半導体素子の電極に形成された孔
10 層間膜
11 シリコン基板
12 封止樹脂
13、16、17 感光性レジスト
13a、16a 開口部
14 露光マスク
14a 光透過領域
15 薄膜
18 ステージ
19 ホーン
20 超音波の振動方向
23 破断部

Claims (4)

  1. 絶縁性基材と前記絶縁性基材上に設けられた導体配線と前記導体配線上に形成された突起電極とを備えた配線基板上に、電極が形成された半導体素子を配置し、前記配線基板の前記導体配線が設けられた面と平行な一定の振動方向の超音波を印加しながら前記半導体素子を押圧して前記突起電極と前記半導体素子の電極とを接合し、前記配線基板に前記半導体素子を実装した半導体装置において、
    前記半導体素子の電極の前記突起電極との接合面周縁には、前記超音波の振動方向と直行する辺上に孔が複数形成されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、前記孔の形状は四角形であることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1記載の半導体装置において、前記孔の形状は四角形であり、且つ前記各孔の前記超音波の振動方向に直交する辺が同一直線上にないことを特徴とする半導体装置。
  4. 絶縁性基材と前記絶縁性基材上に設けられた導体配線と前記導体配線上に形成された突起電極とを備えた配線基板に半導体素子を実装するに際し、超音波を印加しながら半導体素子を押圧して、半導体素子に形成された電極を前記突起電極に接合する半導体装置の製造方法において、
    前記突起電極との接合面周縁の所定の辺上に孔が複数形成された電極を備える半導体素子を前記配線基板上に配置し、
    前記配線基板の前記導体配線が設けられた面と平行で且つ前記孔が形成された辺と垂直な方向に振動する超音波を印加しながら前記半導体素子を押圧して、前記半導体素子の電極と前記突起電極とを接合する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。


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