JP2006266410A - 緩衝装置 - Google Patents

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【課題】低温及び常温の各環境で緩衝性能が劣ることがない緩衝装置を実現する。
【解決手段】シリンダ11内にピストン12を軸方向に移動自在に設け、ピストンに一体的に連結したピストンロッド13をシリンダの開口面から出没させると共に、その開口遮蔽するキャップ14を設ける。キャップのシリンダ内側に設けた円筒部14aにより断面形状がX字形のオイルシール19を保持し、キャップのシリンダ外側にボス部14bを設け、キャップ及びボス部の中心部にピストンロッドを支持する長い軸支孔14cを設ける。シリンダ内に封入される粘性流体に、0度近傍を含む−約30度の低温であっても常温であっても概ね同等の緩衝能力が発揮されるものを用い、温度変化に対して緩衝性能に違いが生じることを防止する。そのような緩衝能力を発揮する粘性流体が低粘度であっても、X字形断面形状のシール部材を設けることにより、その漏れを防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ピストン及びシリンダ構造の緩衝装置に関するものである。
従来、本体に対して開閉する開閉体に、その開閉動作において衝撃力を緩和する目的や緩やかな動作により高級感を出すために緩衝装置を用いているものがある。そのような緩衝装置においてピストン及びシリンダ構造からなり、シリンダ内にシリコーンオイルなどの粘性流体を充填すると共にピストンにオリフィスを設け、ピストンの移動によりオリフィスを通過する粘性流体の抵抗により緩衝性能を発揮させるようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
特許第3465978号公報
一方、机やキャビネットなどにおいてスライド可能な引き出しを設けているものがある。そのような引き出しを本体によりスライドレールを介して支持することにより、引き出しの支持剛性を高めることができるため、引き出しの耐荷重を大きくすることができる。そのようなスライドレールを用いた引き出し構造にあっては、引き出しを本体に戻す場合には、本体の収納位置で引き出しの一部をストッパに当接させて位置決めすることができる。収容物の重量が重たくなった引き出しをスライドさせてストッパに衝当させると、容器全体の重量が大きいため大きな衝撃力が発生する。そのような衝撃力を緩和するためには上記した緩衝装置を用いることが考えられる。
一方、引き出しを設けたものが人間の通常活動が可能な常温で使用されることに限られず、例えば冷寒地における低温環境下で使用されることも考えられる。その場合の低温にあっては、0度近傍はもとより極寒の地では−30度も考えられる。常温で使用されることだけを考えて粘性流体を選択する場合にはその粘度は比較的高いものを選び、低温で使用されることに重きを置いた場合には粘度の低いものを選ぶのが通常である。しかしながら、仕様地向けに粘度を変えた緩衝装置を用意することは組み立てにおいて煩雑化するという問題がある。そのため、常温及び低温のいずれにおいても何ら問題なく性能を発揮し得る緩衝装置が望まれる。
このような課題を解決して、低温及び常温のいずれの環境でも緩衝性能が劣ることがない緩衝装置を実現するために本発明に於いては、粘性流体が封入されたシリンダを、軸方向に連通するオリフィスを備えたピストンで軸方向について2分割すると共に、前記ピストンがシリンダ内を軸方向に移動する際のオリフィスを通過する粘性流体の抵抗によって制動力を発生させる緩衝装置において、前記粘性流体に、少なくとも0度近傍を含む低温と常温との温度差があってもせん断に対する抵抗性が概ね同等となるものを用いると共に、前記ピストンと一体的に移動するようにされたピストンロッドが出没する前記シリンダの軸方向端部に前記粘性流体の漏れを防止するための環状シール部材が設けられているものとした。
特に、前記粘性流体の粘度が1000CST以下であると良く、さらに200〜350CSTであると良い。また、前記シリンダの前記軸方向端部にキャップが設けられ、前記キャップが、前記環状シール部材を同軸的に保持するべく前記ピストンロッドの没入側に設けられたシール部材保持部分と、前記ピストンロッドを前記シリンダに対して同軸的に移動自在に支持するように前記ピストンロッドの突出側に設けられかつ前記ピストンロッドの移動方向に長くされたピストンロッド軸支部分とを一体に有すると良い。また、前記環状シール部材の内周面に、軸方向に離間して配置されかつ半径方向内向きに突出する複数の内周側環状突部が形成されていると良く、さらに前記環状シール部材の外周面に、半径方向外向きに突出する外周側環状突部が設けられていると良い。また、スライド式可動体のスライド停止時における衝撃力の緩和に用いられていると良い。
このように本発明によれば、ピストン及びシリンダ構造の緩衝装置において、そのシリンダ内に封入される粘性流体に、少なくとも0度近傍の低温であっても常温であってもせん断に対する抵抗性が概ね同等となるものを用いることにより、上記低温と常温との温度変化に対して緩衝性能に違いが生じることを防止することができる。せん断に対する抵抗性にあっては、その抵抗性が高いと高速度や高荷重でのせん断劣化が起こり難いことを意味する。特に、粘度が1000CST以下であり、さらに粘度が200〜350CSTの粘性流体を用いることにより、上記せん断に対する抵抗性が低温であっても常温であっても概ね同等となり得る。なお、低温の温度としては0度近傍に限られず、−約30度も含めることができる。
特に、シリンダの軸方向端部に設けたキャップにより環状シール部材を保持すると共にピストンロッドを軸支することにより、移動するピストンロッドと環状シール部材との同軸性が確保されるため、ピストンストロークを長くしても何ら問題なく、ピストンストロークを長くした緩衝装置を容易に提供し得る。また、低温時を考慮して選択する粘性流体にあっては、常温時のみに対応させて選択するものよりも粘度が低いものを選ぶことになるため、ピストンと一体的に移動するピストンロッドのシリンダに対する出没部分から粘度の低い粘性流体が漏れる虞がある。その部分に設ける環状シール部材の内周面に軸方向に離間して配置されかつ半径方向内向きに突出する複数の内周側環状突部が形成されていることにより、ピストンロッドに対して軸方向に複数箇所で遮断することができるため、ピストンロッドの外周面が粗くてある箇所で内周側環状突部との間で隙間が生じても、他の箇所での摺接状態が確保されることにより、シール部材としてのシール性が確保されるため、低粘度の粘性流体を用いても何ら問題が無い。さらに、環状シール部材の外周面に半径方向外向きに突出する外周側環状突部が設けられていることにより、例えばシール部材保持部分を円筒状に形成し、その中に環状シール部材を保持するようにした場合にシール部材保持部部の内周面に外周側環状突部を弾発的に当接させることができるため、その部分のシール性を好適に確保することができる。これにより、ピストンロッドの移動によりシール部材の外周部分が半径方向内側に引き込まれるように変形したとしても、外周側環状突部によりシール性を確保することができ、より高いシール性を発揮し得る。
また、本願発明の緩衝装置をスライド式可動体のスライド停止時における衝撃力の緩和に用いると良い。キャビネットの引き出しなどに用いられるスライド式可動体にあっては、そのスライド方向は直線的であり、シリンダの軸方向に移動するピストンにより、好適に衝撃力を緩和し得る。使用環境の違い毎に異なる粘性流体を封入した緩衝装置を用いる必要が無くなるため、製造工程における繁雑さを解消することができる。また、同一のものを用意するだけで良くなり、部品コストを低廉化し得る。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本願発明の緩衝装置としてのダンパ1が用いられたキャビネット2の外観の要部を示す部分斜視図である。図に示されるように、キャビネット2には前方にスライド可能な引き出し3が設けられている。また、キャビネット2の左右の側壁には概ね水平状態にベースレール4が固設され、そのベースレール4により、キャビネット2の前面に対して出没する向きにスライドし得るようにスライドレール5が支持されている。そのスライドレール5により引き出し3が支持されている。
そして、引き出し3のキャビネット2に対する格納時に例えばスライド終端におけるスライド停止時の衝撃力を緩和するために、図示例ではキャビネット2の本体内側面の適所にダンパ1が固設されている。引き出し3の適所には、引き出し3の格納時にダンパ1の後記するピストンロッドに衝当し得るダンパ作動用ストライカ6が設けられている。
図2に本願発明に基づくダンパ1の側断面を示す。なお、このダンパ1はピストンストロークを長くして設計したものであり、図ではシリンダ及びピストンロッドの一部を切除して示している。
シリンダ11は、その軸方向一端部を閉じられた底面とし且つ軸方向他端部を開口面とする有底円筒状に形成されている。シリンダ11内には、小径の円筒状に形成された底面側の小径部11aとその小径部11aより大径の円筒状に形成された開口面側の大径部11bとが互いに同軸に隣接し且つそれぞれ所定の軸方向長さをもって設けられている。小径部11aには、その内周面に摺合するピストン12が同軸的に配設されており、ピストン12にはピストンロッド13の没入方向端部が連結されている。なお、ピストンロッド13の突出方向側はシリンダ11の開口面から外方に延出している。シリンダ11の開口面側の軸方向端部には開口面を塞ぐキャップ14が取り付けられており、シリンダ11内には粘性流体としてシリコーンオイルが封入されている。
シリンダ11の大径部には、ピストンロッド13を外囲する円筒状の発泡材からなるアキュムレータ15が設けられており、そのアキュムレータ15の内周面とピストンロッド13の外周面との間にはある程度の空間が設けられている。アキュムレータ15は、適度な弾発力を有し且つ所定の圧力が加わると縮むような発泡性合成樹脂材で円筒形に形成されており、大径部11bの内周面にリテーナ16を介して保持されている。
ピストン12は、ピストンロッド13の没入方向端部と実質的に一体をなすインナ部材12aと、インナ部材12aの外周面と所定の空隙Gをおいてインナ部材12aに遊嵌され且つシリンダ11の小径部11aの内周面に摺合したアウタ部材12bとからなり、インナ部材12aとアウタ部材12bとの間には、両者を軸方向について離間させる向きに弾発付勢する圧縮コイルばね17が装着されている。ここでインナ部材12aの外径寸法は、ピストンロッド13の突出側がより大きくなるように段階的に変化しており、圧縮コイルばね17の弾発付勢力に抗してアウタ部材12bの内部へのインナ部材12aの突入量が増えると、インナ部材12aとアウタ部材12bとの間の空隙Gが狭くなるようにしてある。またアウタ部材12bは有底円筒状をなし、その底壁には粘性流体を流過させるための適宜な口径のオリフィス18が形成されている。
粘性流体にあっては、本キャビネット2が種々の環境で使用されても本ダンパ1が何ら問題なく対応し得るように、せん断に対する抵抗性がきわめて高く、高速度や高荷重でのせん断劣化は起こり難く、長超寿命を保つという特性があるシリコーンオイルが適当である。また、使用される環境としては常温から−約30度の低温を想定するものとする。まず常温で適切な(設計通りの)粘性抵抗が得られるものの中から−約30度の低温でも常温と同等の粘性抵抗が得られるものを選定する。そのような条件を満たす粘性流体にあっては、その粘度を1000CST以下にすると良い。
特に、200〜350CSTの粘度とすると良い。シリコーンオイルにあっては、せん断に対する抵抗性が高いため、−30度を含む低温と常温との温度の違いにかかわらず所定の衝撃力緩和性能を発揮し得る。
しかしながら、上記例としてあげた200〜350CSTの粘性流体にあっては通常粘度が低い。粘度が低いとシール部分からの漏れ対策が重要になるため、そのシール構造について以下に示す。
キャップ14のシリンダ11内側には、シール部材保持部分として、ピストンロッド13に対して所定の隙間をもって外囲する内周面を有する円筒部14aが軸方向に突出して形成されている。その円筒部14a内には、ピストンロッド13の外周面に摺接するシール部材としての環状のオイルシール19が装着されている。オイルシール19の断面形状はX字形に形成されている。オイルシール19のX字形の内周側となる両脚部がピストンロッド13にその軸方向について離間した2箇所で摺接することから、その2箇所でピストンロッド13の外周面に付着しているオイルを掻き取ることができる。例えば断面形状が横向きV字形のオイルシールの場合にはその拡開している一方の突出端がピストンロッドに摺接することから、1箇所のみでピストンロッドとの間を遮断することになり、ピストンロッドの外周面が粗いと浮いた時に空気が入り込む虞がある。それに対して、X字形のように2箇所または他の形状によりそれ以上の複数箇所でピストンロッド13に摺接させるオイルシールを用いることにより、1箇所が浮いても他方が摺接していることにより空気の入り込み及びオイル漏れを防止することができる。この様に上記V字形のオイルシールよりも強力なシール性能を発揮することができるため、低粘度の粘性流体を使用しても、その漏れを防止することができる。
キャップ14のシリンダ外側には、ピストンロッド軸支部分として、ピストンロッド13の突出方向に突出するボス部14bが形成されている。キャップ14の端板部分及びボス部14bの中心部には、ピストンロッド13を軸方向に同軸的に移動自在に軸支する軸支孔14cが貫通して形成されている。軸支孔14cの軸方向長さは、ピストンロッド13の移動方向にある程度長くされている。このように軸支孔14cの長さを長くすることによりピストンロッド13のその軸線に対して交差する向きの振れを抑制することができる。それによりピストンロッド13を長く、すなわちダンパ1のピストンストロークを長くすることができるため、ピストンロッド13の長い移動距離に渡って衝撃力を緩和することができ、より大きな衝撃力に適用可能なダンパ1を提供し得る。
次に本ダンパ1の作動要領について説明する。
引き出し3を大きく引き出した状態では図2に示すように、ピストンロッド13はシリンダ11から外に引き出されている。これは、引き出し3を引き出すことによりピストンロッド13が引き出されるようにしておくことで可能である。例えば、ピストンロッド13の突出方向端部に係合部材13aを固着し、引き出し方向には係合部材13aと係合するが、格納方向には係合部材13aに対して自由変位可能となる爪部材をスライドレール6に設けておけば良い。
図2の状態から引き出し3を格納方向に押し込むと、スライド途中でダンパ作動用ストライカ6がピストンロッド13の突出方向端に当接し、さらに引き出し3を押し込むことによりその移動に伴ってシリンダ11の内部へピストンロッド13が没入する。この際、シリンダ11の底面側のシリコーンオイルが、ピストン12のアウタ部材12bのオリフィス18及びアウタ部材12bとインナ部材12aとの空隙Gを経てアキュムレータ15側へ移動し、このときのシリコーンオイルの流動抵抗でピストンロッド13に加わるエネルギが減衰される。
なお、アウタ部材12bとインナ部材12aとが圧縮コイルばね17の弾発力で離間した状態を保持しつつピストン12が移動する場合には、アウタ部材12bとインナ部材12aとの間の空隙Gが広く保持されているので、制動力は低い範囲に保たれる。キャビネット2の引き出し3の格納作動時において比較的緩やかに移動させる場合にはスライド終端に達した時に大きな衝撃力は生じない。そのように緩やかな移動により大きな衝撃力が生じない場合まで大きく緩衝させる必要が無いため、上記ピストン構造にすることが有効である。また、ピストンロッド13のシリンダ11内への没入長さが長くなると、その分シリンダ11の内容積が減少してシリコーンオイルの封入圧が高まるが、これは発泡性合成樹脂材で形成されたアキュムレータ15の圧縮変形で吸収される。
このようにして構成されたダンパ1にあっては、上記したように常温であっても、少なくとも0度近傍でありさらに−約30度を含む低温であっても、概ね同等の緩衝能力が発揮されるので、仕様地向けにダンパ1を付け替えるという手間を省くことができる。また、複数種類のダンパを用意した場合には組み付け間違いを防止するため組み付け作業が煩雑化するのに対して、1種類のダンパ1のみを取り扱えば良いため、そのような煩わしさがなく、作業効率を向上し得る。
なお、シリコーンオイルの流動抵抗はピストン速度に対して累進的に増大するので、例えばある速度以上でピストン12が移動する時のアウタ部材12bに加わるシリコーンオイルの抵抗で圧縮コイルばね17が縮むように設定しておくと、ある速度以上でアウタ部材12bが動き難くなるので圧縮コイルばね17が収縮し、図3に示したように、インナ部材12aがアウタ部材12b内に入り込むことになる。するとインナ部材12aとアウタ部材12bとの間の空隙Gが狭くなるので、シリコーンオイルの流動抵抗による制動力が高まる。このようにして、大きな衝撃力を好適に緩和することができるため、速い移動速度で格納する場合のスライド終端における大きな衝撃力の発生を防止することができる。
このようにして、可変オリフィスによる制動力の切り替えを行う速度検知に圧縮コイルばね17を用いて、雰囲気温度の変化による切り替え速度の変動が比較的少なくて済むように構成することができる。これによっても、常温使用状態と低温使用状態との温度差に対しても概ね同等の緩衝能力が発揮される。
また、本発明に基づく環状シール部材にあっては、上記図示例の断面形状がX字形のものに限られるものではなく、他の例として図4を参照して以下に示す。なお、上記図示例と同様の部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図4に示される環状シール部材21にあっては、その断面形状の全体形状が図に示されるように軸方向に沿ったY字形をなしている。Y字形の2本のアームにおけるピストンロッド13側の内周側アームが半径方向内向きかつ斜めに突出する内周側環状突部21aとして形成されており、他方の外周側アーム21bはY字形の軸となる部分と共に環状シール部材21の外周面を形成している。さらに、Y字形の軸となる部分の内周面には半径方向内向きに突出する第2の内周側環状突部21cが形成されている。このようにして、両内周側環状突部21a・21cが軸方向に離間して配置されている。また、環状シール部材21の外周面には半径方向外向きに突出する外周側環状突部21dが形成されている。なお、各環状突部21a・21c・21dは環状シール部材21の全周に渡って形成されている。
上記したように形成された環状シール部材21は、その外周面が円筒部14aの内周面に密着した状態で円筒部14aに装着される。その装着状態では外周側環状突部21dが図の二点鎖線で示されるように半径方向内側に押し込まれるため、外周側アーム21bの弾発復元力により外周側環状突部21dの突出端(エッジ)が円筒部14aの内周面に弾発的に当接する。
また、環状シール部材21の内周側の形状にあっては、Y字形の軸部の内周面がピストンロッド13の外周面に対して隙間を有して対峙することにより、各内周側環状突部21a・21cが図の二点鎖線で示されるようにピストンロッド13の外周面に弾発的に摺接するようにされている。これによりピストンロッド13の外周面に対して軸方向に離間した2箇所で各内周側環状突部21a・21cの突出端(エッジ)が弾発的に摺接することになる。これにより、上記オイルシール19と同様にピストンロッド13の外周面が粗くて一方が浮いた場合でも他方が摺接していることにより、ピストンロッド13の軸方向移動による空気の入り込み及びオイル漏れを防止することができる。
また、ピストンロッド13の軸方向移動により環状シール部材21全体が移動方向に引きずられて外周側アーム21bが半径方向内側に変形するようになっても、円筒部14aの内周面に対する外周側環状突部21dの弾発的当接状態が保持されることにより、その部分のシール性が確保されるため、接着剤などを使用することなくオイル漏れを確実に防止し得る。
本発明にかかる緩衝装置は、低温と常温との温度変化に対して概ね同等の緩衝能力を発揮し得るものであり、そのような温度変化があり得る環境で使用される製品に緩衝装置が取り付けられる場合に有用である。
本発明が適用されたキャビネットの要部斜視図である。 本発明に基づくダンパを示す側断面図である。 高速作動時のダンパを示す図2に対応する図である。 シール部材の他の例を示す拡大側断面図である。
符号の説明
1 ダンパ
11 シリンダ
12 ピストン
13 ピストンロッド
14 キャップ、14a 円筒部、14b ボス部、14c 軸支孔
19・21 オイルシール

Claims (7)

  1. 粘性流体が封入されたシリンダを、軸方向に連通するオリフィスを備えたピストンで軸方向について2分割すると共に、前記ピストンがシリンダ内を軸方向に移動する際のオリフィスを通過する粘性流体の抵抗によって制動力を発生させる緩衝装置において、
    前記粘性流体に、少なくとも0度近傍を含む低温と常温との温度差があってもせん断にタイする抵抗性が概ね同等となるものを用いると共に、
    前記ピストンと一体的に移動するようにされたピストンロッドが出没する前記シリンダの軸方向端部に前記粘性流体の漏れを防止するための環状シール部材が設けられていることを特徴とする緩衝装置。
  2. 前記粘性流体の粘度が1000CST以下であることを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
  3. 前記粘性流体の粘度が200〜350CSTであることを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
  4. 前記シリンダの前記軸方向端部にキャップが設けられ、
    前記キャップが、前記環状シール部材を同軸的に保持するべく前記ピストンロッドの没入側に設けられたシール部材保持部分と、前記ピストンロッドを前記シリンダに対して同軸的に移動自在に支持するように前記ピストンロッドの突出側に設けられかつ前記ピストンロッドの移動方向に長くされたピストンロッド軸支部分とを一体に有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の緩衝装置。
  5. 前記環状シール部材の内周面に、軸方向に離間して配置されかつ半径方向内向きに突出する複数の内周側環状突部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の緩衝装置。
  6. 前記環状シール部材の外周面に、半径方向外向きに突出する外周側環状突部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の緩衝装置。
  7. スライド式可動体のスライド停止時における衝撃力の緩和に用いられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の緩衝装置。
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