JP2000081148A - リップシールの構造 - Google Patents

リップシールの構造

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JP2000081148A
JP2000081148A JP10270566A JP27056698A JP2000081148A JP 2000081148 A JP2000081148 A JP 2000081148A JP 10270566 A JP10270566 A JP 10270566A JP 27056698 A JP27056698 A JP 27056698A JP 2000081148 A JP2000081148 A JP 2000081148A
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Japan
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lip
diameter
fitted
ring
piston rod
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JP10270566A
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Mitsuhiro Kashima
光博 加島
Masahide Kanda
政秀 神田
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール部1の寸法のバラ付き、温度による弾
性変化およびクリープ現象等があっても、シール機能を
損なわないとともに、ヒステリシスも小さくすることを
目的にする。 【解決手段】 シール部1の外径D1に対してリング6
の内径D3を小さくするとともに、シール部1の内径D2
をピストンロッド2の外径D4よりもわずかに大きくし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばショック
アブソーバのピストンロッドをシールするのに適したリ
ップシールの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は複筒型のショックアブソーバを示
したもので、このショックアブソーバの構造は、次の通
りである。すなわち、このショックアブソーバは、外筒
50と内筒51とからなり、内筒51にはピストン52
を摺動自在に組み込んでいる。そして、このピストン5
2に設けたピストンロッド2は、ベアリング54で摺動
自在に支持されるとともに、このベアリング54よりも
外方をシール部材Sでシールされている。また、外筒5
0内は油室55として、そこにオイルを封入している。
しかも、この外筒50内であって、ベアリング54とオ
イルシールSとの間にガス室56を形成し、このガス室
56にガスを充満させている。ただし、このガス室56
は、ベアリング54に形成した連通路57を介して油室
55に連通させている。したがって、このガス室56に
充満したガスは、上記連通路57を通って油室55に流
入し、この油室55内のオイルにガス圧を作用させる。
【0003】上記のようにしたショックアブソーバは、
ピストン52が上昇するとき、そのロッド側室58のオ
イルが、ピストン52に形成したオリフィス59を経由
してボトム側室60に流入する。このようにオイルがオ
リフィス59を通過するときに、圧力降下が生じて、そ
のエネルギーを吸収する。なお、上記のようにピストン
52が上昇して、ロッド側室58のオイルがボトム側室
60に流入するとき、ボトム側室60の体積の増加分に
対して、ロッド側室58の体積の減少分の方が、ピスト
ンロッド2の体積分だけ少なくなる。言い換えれば、ロ
ッド側室58からボトム側室60へ流れるオイルの流量
が、ピストンロッド2の体積分だけ不足することにな
る。そこで、上記油室55内のオイルを、ベースバルブ
61を経由してボトム側室60に補給する。
【0004】このときに、油室55内のオイルがボトム
側室60に十分に補給されるようにするために、油室5
5内のオイルに上記したガス室56のガス圧を作用させ
ている。もし、このガス圧を作用させておかないと、ボ
トム側室60に補給されるオイルが不足して、その中に
キャビテーションなどを発生させてしまう。つまり、こ
のようなキャビテーションを防止するために、油室55
のオイルにガス圧を作用させている。なお、ピストン5
2が下降するときには、ボトム側室60のオイルがロッ
ド側室58に流入する。しかし、ロッド側室58の体積
がボトム側室60の体積よりも小さいので、今度は、余
剰流量が発生する。この余剰流量は、ベースバルブ61
を介して油室55に戻される。
【0005】このようにしたショックアブソーバに用い
られるシール部材Sの構造は次のようにしている。すな
わち、このシール部材Sは、メインのリップシールLS
と、サブリップ23と、ダストシール24とからなる。
そして、上記リップシールLSの構造は次の通りである。
すなわち、このリップシールLSは、そのリップ1の内径
寸法を、ピストンロッド2の外径寸法よりも小さくして
いる。そして、このリップ1をピストンロッド2にはめ
ることによって、リップ1が拡径するとともに、この拡
径したときのリップ1の締め付け力で締め代を確保する
ようにしている。
【0006】上記のようにしたリップ1には、その外周
にコイル状のガータスプリング3をはめて、その締め付
け力を補っているが、このガータスプリング3の機能は
次の通りである。すなわち、シール部材Sは、ゴム製の
ために、温度によってその弾力性が変化してしまう。そ
のために、高温あるいは極低温下でこのゴム製のシール
部材Sを使用すると、リップ1の拡径による締め付け力
が低下して、そのシール機能が損なわれてしまう。この
ように、ゴム製のシール部材Sだけで、すべての条件に
対し、締め付け力を適正に確保することは不可能なの
で、上記したようにガータスプリング3を用いて、その
締め付け力すなわち緊縛力を補うようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにした従来
のリップシールでは、次のような問題点があった。ま
ず、この従来のシール部材Sは、リップ1を拡径してそ
の緊縛力を確保しているが、もともとリップ1のリップ
部1aの内径寸法がシャープエッジになっているので、
その寸法管理が非常に難しいという問題があった。
【0008】なお、このリップ1の緊縛力のバラ付き
は、シールの密封性能を決定するだけでなく、ピストン
ロッド2の摺動抵抗に影響を与える重要なファクターで
もある。例えば、ショックアブソーバなどでは、シール
部材Sの緊縛力のバラ付きが、直接ピストンロッド2に
対するフリクションのバラ付きとなる。このようにフリ
クションにバラ付きが生じると、ショックアブソーバと
しての低速走行域の作動性や、ショックの吸収性などに
影響を及ぼす。そのために、自動車などでは、シール部
材Sの緊縛力を厳密に管理することが求められている。
【0009】また、シール部材Sを広い温度範囲で使用
する場合には、たとえガータスプリングを用いたとして
も、その広い温度範囲においてすべて適正な緊縛力を得
ることはできない。例えば、緊縛力が弱くなる高温およ
び極低温時の状況に合わせて、ガータスプリングのバネ
力を強くすると、常温時の緊縛力が強くなりすぎて、必
要以上のフリクションが発生してしまう。一方、コイル
状のガータスプリングでは、その寸法上の制約から、バ
ネ力をそれほど大きくできないという制限もあった。
【0010】さらに、リップ1のリップ部1aを拡径し
たまま長年使用していると、いわゆるクリープ現象が発
生するので、その緊縛力が低下する。このように緊縛力
が低下したまま、リップ1を使い続けると、それが油漏
れの原因にもなるという問題があった。さらにまた、リ
ップ1を上記のように拡径した状態で使用したとき、こ
のリップ1のリップ部1aの先端部分層bに注目する
と、この層bには2軸応力が作用する。図6はこの2軸
応力が作用している状況を示したもので、リップ部1a
の層bには、方向Xに沿った引っ張り応力4が作用す
る。また、この引っ張り応力4とは別に、方向Yの圧縮
応力5も作用している。この状況をテストピースで示し
たのが、図7である。
【0011】そして、このように粘弾性材であるゴム部
材に2軸の方向に応力が作用している場合の荷重ヒステ
リシスを示したのが図8である。この図8は、図7のテ
ストピースにおいて、垂直荷重Nに対する歪み(%)の
関係を示したもので、1軸応力のみの場合のヒステリシ
スに対して、横歪み4を作用させた2軸応力の方が、ヒ
ステリシスが大きいことを示している。このことは、拡
径して緊縛力を保持している従来のリップ部1aについ
ても全く同様のことがいえる。すなわち、このリップ部
1aの先端部分層bにも、2軸応力が作用しているこ
と、先に説明した通りであるが、このように2軸応力が
作用しているために、このリップ部1aには大きなヒス
テリシスが生じ、ショックアブソーバなどのピストンロ
ッド2の横振動に対するリップ部1aの追従性が悪化す
るという問題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ピストン
ロッド等の摺動体にはめるリップを有するシール部材
と、このシール部材のリップ外周部にはめるガータリン
グとを備え、このガータリングをリップの外周部にはめ
たとき、その外周部の外径寸法が、自由時の外径寸法と
同一または縮径される構成にし、かつ、このガータリン
グを摺動体に組み付けたとき、摺動体に対する締め代が
リップ部に確保される構成にした点に特徴を有する。第
2の発明は、リップ部の内径寸法を、摺動体の外径寸法
と同一またはそれよりも大きくした点に特徴を有する。
第3の発明は、リップ部の内径寸法を、摺動体の外径寸
法よりも小さくし、ガータリングによるリップの縮径量
が、摺動体によるリップ部の拡径量よりも大きくなるよ
うにガータリングの内径寸法を特定した点に特徴を有す
る。
【0013】第4の発明は、ガータリング装着径が自由
時のガータリング径より縮径された状態で組み付けた点
に特徴を有する。第5の発明は、ピストンロッド等の摺
動体に装着するとともに外周にリップを有するシール部
材と、このリップの内周部にはめるガータリングとを備
え、このガータリングをリップの内周部にはめたとき、
その内周部の内径寸法が、自由時の内径寸法と同一また
は拡径される構成にし、かつ、このガータリングを摺動
体に組み付けたとき、摺動体に対する締め代がリップ部
に確保される構成にした点に特徴を有する。第6の発明
は、金属または硬質樹脂等の非伸縮性材からなるガータ
リングを用いた点に特徴を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】図1〜図3は第1実施例を示すも
ので、特に図2〜図3は、リップ1の外周溝部の寸法と
リップ部1aの内径寸法、およびガータリング6の内径
寸法とピストンロッド2の外径寸法の関係を説明するた
めに、図1に示したシール部材Sの要部Mのみを抜き出
してモデル化したものである。上記ガータリングは、金
属または硬質合成樹脂等からなる非伸縮性の材質を用い
ている。なお、ここでいう非伸縮性の材質とは、従来の
コイルスプリングのように伸縮するもの以外のものを指
すものである。また、ガータリング6の寸法とリップ1
との関係は次のようにしている。すなわち、リップ1の
自由時の外周溝部の寸法D0をガータリング6の内径寸
法d1よりも大きくしている。したがって、リップ1に
ガータリング6をはめたときには、リップ1が縮径され
ることになる。同じく、リップ1の自由時のリップ部1
aの内径寸法d0は、ピストンロッド2の外径寸法DR
同一またはそれよりも大きくしている。したがって、こ
のリップ1をそのままピストンロッド2に組み付けたの
では、リップ部1aに緊縛力が生じない。
【0015】しかし、ガータリング6をはめたときに
は、リップ1aの内径寸法dRも縮径されるので、リッ
プ1をピストンロッド2に組み付けたとき、図2(c)
に示す締め代δが確保され、緊縛力が発揮される。上記
のようにこの実施例では、自由時のリップ部1aの内径
寸法d0をピストンロッド2の外径寸法DRと同じか少し
大きめにし、そのシール1を縮めて使っているので、リ
ップ1をピストンロッド2に組み付けた状態でも、リッ
プ部1aには拡径による引っ張り応力が発生しない。し
たがって、この場合に、リップ部1aには圧縮応力のみ
が作用することになる。つまり、この実施例のリップ部
1aには、1軸応力しか作用しないので、それだけ荷重
ヒステリシスも小さくなる。
【0016】また、ガータリング6の内径寸法DDを、
リップ部1aの内径寸法d0のバラツキを勘案して、締
め代δを一定にすべく選択管理すれば、ピストンロッド
2に対するリップ1の緊縛力を一定に保つことができ
る。そして、ガータリング6は、金属やプラスチック等
の剛性の高いリング体で製造可能なので、その寸法管理
もかなり楽なものになる。
【0017】さらに、この実施例は、クリープ対策にも
なるが、その理由は次の通りである。まず、このクリー
プとは、長時間一定の荷重を作用させると、その歪みを
増していく現象をいう。そして、従来例では、リップ部
1aの拡径力がクリープによって低減し、その緊縛力が
低下することをすでに説明した。しかし、この実施例で
は、従来例と全く逆になる。すなわち、リップ1はガー
タリング6により縮径されて、リップ1の縮径反力とガ
ータリング6の縮径力が釣合って締め代を発生している
ので、たとえ材料にクリープが発生して縮径反力が減少
しても、ガータリング6の縮径力が上廻り、その分だけ
緊縛力が増加することになり、リップ部1aの摺動摩耗
とゴム厚みの圧縮バネのクリープの合計とが相殺され、
緊縛力の変化は少ない。
【0018】さらにまた、この緊縛力は、ガータリング
6の内径寸法DDで決まるので、ガータリング6の材質
を選定することによって、リップ1の温度による弾性変
化を最小限にとどめることができる。例えば、極低温下
で使用するときには、ガータリング6を膨張率が大きい
アルミ製あるいは樹脂製等にすることによって対応でき
る。なぜなら、アルミ製あるいは樹脂製のガータリング
6を用いれば、その極低温時にリップ1の弾性がなくな
っても、ガータリング6が収縮するので、その緊縛力を
補うことができるからである。
【0019】上記のようにした実施例では、リップ部1
aの内径寸法d0 ピストンロッド2の外径寸法DRより
も少し大きいかあるいはそれと同一にして、それを縮径
するようにしたが、リップ部1aの内径寸法d0をピス
トンロッド2の外径寸法と同じにするかあるいはそれよ
りも少し小さくしてもよい。ただし、このようにリップ
部1aの内径寸法d0の寸法を決めたとしても、その自
由時のリップ1の外周溝部寸法D0は、ガータリング6
の内径寸法DDよりも大きくすることが必要である。つ
まり、リップ1そのものは、ガータリング6で縮径しな
がらピストンロッド2にはめるようにする。
【0020】そして、リップ部1aの内径寸法d0が、
ピストンロッド2の外径寸法DRよりも小さい場合に、
見かけ上は従来と同じようになる。しかし、次の点で従
来と異なる。例えば、上記のようにリップ部1aの内径
寸法d0を、ピストンロッド2の外径寸法DRよりも小さ
くし、それを拡径してピストンロッド2にはめても、こ
のリップ部1aは、ガータリング6で縮径される。した
がって、リップ部1aを拡径以上に縮径して、縮径量を
拡径量よりも大きくしておけば、このリップ部1aに
は、拡径によって発生する引っ張り応力がキャンセルさ
れることになる。このように引っ張り応力がキャンセル
されるので、リップ部1aには、半径方向だけの1軸応
力しか作用しないことになる。したがって、この場合に
も、ヒステリシス特性を小さく抑えることができる。ま
た、この場合のリップ部1aの拡径量は、その締め代δ
以下にすることが望ましい。
【0021】いずれにしても、この実施例では、リップ
1にガータリング6の緊縛力を作用させて、このリップ
部1aに発生する引っ張り応力をキャンセルするように
したので、リップ部1aには1軸応力しか作用しない。
また、ガータリング6の緊縛力はその内径寸法DDで決
まるので、柔軟性を有するゴムのシャープエッジ形状か
らなるリップ部1aの内径寸法を直接管理するよりも、
寸法管理が簡単になる。しかも、リップ部1aの内径寸
法d0のバラツキを勘案して、ガータリング6の内径寸
法DDを選択することによって、摺動摩擦の大きさを自
由に決めることができる。したがって、自動車のショッ
クアブソーバに用いる場合には、その車種・用途に応じ
て、減衰力特性におけるフリクション値を調整すること
ができる。なお、上記実施例はリップシールについて説
明したが、いわゆるリップシールであれば、ダストシー
ルであってもよい。したがって、シールする対象は、必
ずしもピストンロッドでなくてもよく、いわゆる摺動体
であればどのようなものでもよい。
【0022】また、図2からも明らかなように、リップ
部1aの自由時の装着径D0はd0+2H0=D0・・・・
・・(1)式となる。さらに、このガータリングをピス
トンロッドに装着したときの装着径DDはDR+2HR
D・・・・・・(2)式となる。このときの潰し代δ
をδ=H0−HR・・・・・・ (3)式とすれば、
(2)式はDR+2(H0−δ)=DD・・(2′)式と
なる。また、図からDR=dR+2δ・・・・・・
(4)式とすれば、上記(2′)式は dR+2δ+2H0−2δ=DD 故にDR+2H0=DD・・・・・・(5)式となる。こ
れら(1)(5)式よりD0とDDの差はD0−DD=d0
+2H0−dR−2H0=d0−dRとなる。そして、この
実施例では、d0−dRがd0−dR≧0となるようにして
いる。
【0023】図4に示した第2実施例は、この発明のリ
ップシールの構造を、シリンダのピストン側に用いたも
ので、その構造は次の通りである。シリンダCにピスト
ンPを摺動自在に組み込むが、このピストンPは、ピス
トンロッド7に設けたカラー8およびナット9で挟まれ
て固定されている。そして、上記カラー8の外周に、金
属環10を固定するとともに、この金属環10にシール
部材Sを装着している。このシール部材Sは、断面U字
状の溝部11を形成するとともに、この溝11を境にし
た外側には、メインリップ12とサブリップ13とを形
成している。そして、このメインリップ12の内側に
は、それを外側に張り出す力を付与するガータリング1
4を装着している。
【0024】そして、上記メインリップ12は、その外
径寸法がシリンダCの内径寸法よりも小さいかあるいは
それと同じにしている。その上で、ガータリング14が
このメインリップ12に外側に張り出す力を作用させ、
その作用力でメインリップ12がシリンダCの内面に接
触し、前記第1実施例と同様の締め代δを確保するよう
にしている。したがって、この第2実施例においても、
第1実施例と全く同様の作用・効果を期待できる。
【0025】
【発明の効果】第1の発明のリップシールの構造によれ
ば、ガータリングの内径寸法でシール部材の緊縛力が決
まるので、その寸法管理が簡単になる。また、温度によ
るシール部材の弾性変化があっても、その緊縛力に与え
る影響を少なくできる。しかも、シール部材がクリープ
現象を起こしても、そのシール部材の緊縛力もそれほど
弱くならない。
【0026】第2、4の発明によれば、シール部材に
は、1軸応力しか作用しないので、その荷重ヒステリシ
スを最小限に抑えることができる。しかも、ガータリン
グの内径寸法を変えることによって、摺動摩擦の大きさ
を自由に調整できる。第3の発明によれば、シール部材
の緊縛力を十分に維持しながらも、このシール部材には
1軸応力だけが作用する。したがって、その荷重ヒステ
リシス特性を最小限に抑えることができるとともに、リ
ップの横振動追従性を向上させ、密封性を高めることが
できる。第5の発明によれば、ピストンをシールするた
めにも使用できる。第6の発明によれば、ガータリング
の内径寸法さえ正確に決めれば、シャープエッジのリッ
プ部の内径寸法をある程度厳密に管理することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のリップシールのリップをピストン
ロッドに組み付けた状態のモデル化断面図である。
【図2】第1実施例のリップの要部Pの断面図で、
(a)は自由時のリップの断面図、(b)はガータリン
グを装着した状態の断面図、(c)はピストンロッドの
装着した状態の断面図である。
【図3】第1実施例のガータリングの断面図である。
【図4】第2実施例の断面図である。
【図5】従来のリップシールをショックアブソーバに組
み付けた状態の概略断面図である。
【図6】従来のリップの正面図である。
【図7】2軸応力の作用状況を示すゴム材のテストピー
スの斜視図である。
【図8】ゴム材のテストピースの作用荷重を示す説明図
である。
【符号の説明】
S シール部材 1 リップ 1a リップ部 2 ピストンロッド P ピストン 6 ガータリング

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンロッド等の摺動体にはめるリッ
    プを有するシール部材と、このシール部材のリップ外周
    部にはめるガータリングとを備え、このガータリングを
    リップの外周部にはめたとき、その外周部の外径寸法
    が、自由時の外径寸法と同一または縮径される構成に
    し、かつ、このガータリングを摺動体に組み付けたと
    き、摺動体に対する締め代がリップ部に確保される構成
    にしたリップシールの構造
  2. 【請求項2】 リップ部の内径寸法を、摺動体の外径寸
    法と同一またはそれよりも大きくした請求項1記載のリ
    ップシールの構造。
  3. 【請求項3】 リップ部の内径寸法を、摺動体の外径寸
    法よりも小さくするとともに、ガータリングによるリッ
    プの縮径量が、摺動体によるリップ部の拡径量よりも大
    きくなるようにガータリングの内径寸法を特定した請求
    項1記載のリップシールの構造。
  4. 【請求項4】 ガータリング装着径が自由時のガータリ
    ング径より縮径された状態で組み付けられる請求項1記
    載のリップシールの構造。
  5. 【請求項5】 ピストンロッド等の摺動体に装着すると
    ともに外周にリップを有するシール部材と、このリップ
    の内周部にはめるガータリングとを備え、このガータリ
    ングをリップの内周部にはめたとき、その内周部の内径
    寸法が、自由時の内径寸法と同一または拡径される構成
    にし、かつ、このガータリングを摺動体に組み付けたと
    き、摺動体に対する締め代がリップ部に確保される構成
    にしたリップシールの構造。
  6. 【請求項6】 金属または硬質樹脂等の高剛性材からな
    る非伸縮型ガータリングを用いた請求項1〜4のいずれ
    かに記載のリップシールの構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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