JP2006265217A - 化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】水性の整髪料でありながら油性ワックス様の質感と整髪力を備え、かつシャンプー時に容易に洗い流すことのできる、使用性に優れた新しいタイプの整髪料を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有することを特徴とする。
(A)カルボキシビニルポリマー、0.05重量%〜2重量%
(B)ポリビニルピロリドン、0.5重量%〜5重量%
(C)ヒドロキシエチルセルロース、0.05重量%〜2重量%
(D)親水性のノニオン性界面活性剤、10重量%〜40重量%
【選択図】なし

Description

本発明は、特異な剤型と触感を有する水性の整髪料でありながら油性ワックス様の質感と整髪力を備え、かつ容易にシャンプー等で洗い流すことのできる、使用性に優れた整髪料に関する。
整髪料にはヘアースタイルの流行や消費者の嗜好性の変遷に伴い様々な形態が存在する。古くはポマード、ヘアスティック(チック)、ヘアオイル等の油性整髪料、ヘアリキッド等のアルコール性整髪料、セットローション等の水性高分子整髪料の他、ヘアクリーム等の乳化性整髪料から始まり、多価アルコール等の配合により、毛髪を常にウェット状態に整髪する水性ジェルタイプのものや、これらをエアゾールやポンプ式容器に充填して泡状やミストスプレー状にしたもの等、液性や剤型も多種多様である。
また、最近ではショート〜ミドルヘアを中心にハードタイプの整髪料の需要が増えてきている。その代表的なものに固形油分が主剤であるハードワックスがあるが、ポマードやヘアスティック同様油性感の強いべたつきを伴う上、シャンプー時に洗い流しにくい欠点があった(特許文献1)。このため容易に洗い流すことができるとされるポリエチレングリコールワックスを基剤とする固形状のヘアワックスも提示されている(特許文献2)が、水性のものほど洗浄性は良くない。
一方、上記油性整髪料以外の整髪料、特に水性、アルコール性及び乳化性の整髪料はシャンプー時に容易に洗い流せるが、油性ワックス様の質感と整髪性は出せない。
また、油性のハードワックス様に固化させたいわゆる水性ワックスがあるが、塗布時の伸びが著しく悪く、使用性が良くなかった。
特開2002−241243号公報 特開2004−161764号公報 特開2004−67678号公報 特開昭63−154613号公報 特開2001−335436号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、水性の整髪料でありながら油性ワックス様の質感と整髪力を備え、かつ容易にシャンプー時に洗い流すことのできる、使用性に優れた新しいタイプの整髪料を提供することにある。
次の成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有することを特徴とする。
(A)カルボキシビニルポリマー、0.05重量%〜2重量%
(B)ポリビニルピロリドン、0.5重量%〜5重量%
(C)ヒドロキシエチルセルロース、0.05重量%〜2重量%
(D)親水性のノニオン性界面活性剤、10重量%〜40重量%
本発明による整髪料は、スライム状(例えばつきたての餅のような物性を有する半固形物状)で、わずかな流動性を示し、指を入れて引っ張ればある程度は伸びるが直ぐにちぎれる特異な剤型と触感を有する新しいタイプの整髪料である。またこのものは、毛髪に塗布した場合はその外観に反して良好な伸びを示し、油性ワックス様の質感と整髪力を備え、かつ容易にシャンプー等で洗い流すことのできる、使用性に優れた整髪料である。
本発明に使用するカルボキシビニルポリマー(別名:CARBOMER)は、整髪用としてはゲル形成基剤として既知のものであり、不飽和カルボン酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等)を主成分とする単量体を、エチレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ポリアリル化合物、ポリエポキサイド等の多官能性化合物で架橋重合させて製造されるポリマーで、その単量体や重合度及びグレード等により種々の商品、例えばカーボポール934、同940、同941、同ULTREZ 10(以上B.F.グッドリッチ社製)、ハイビスワコー103、同104、同104(以上和光純薬社製)、ジュンロンPW−110、同111、同117(以上日本純薬社製)、U−JELLY(昭和電工社製)等として市販されているので、本発明はこれらの市販品を用いて実施することができる。
これらのうち、水分散性及び高粘性のものが好ましく、例えばカーボポールULTREZ 10は0.2重量%水溶液の粘度が約20,000mPa・sを有し、特に好ましい。その配合量は0.05重量%〜2重量%が好ましく、0.2重量%〜1.5重量%がより好ましい。0.05重量%未満であると所望の物性が得難く、2重量%を超えると超高粘性となり製剤化が困難である。なお、カルボキシビニルポリマーは適当な有機又は無機のアルカリ剤で中和して用いる。
本発明に使用するポリビニルピロリドン(別名:PVP)は、ビニルピロリドンの直鎖重合物で古くは代用血漿として医療に用いられ、整髪用としては既知のセット剤(皮膜形成剤)である。このポリビニルピロリドンの具体例としてはPVP K15、30、60、90(以上、ISP社製)、LuviskolK30、60、80、90(以上、BASF社製)等が市販品として入手可能で、本発明においては比較的皮膜が硬い高重合のPVP K90又はLuviskolK90等が好ましいが、所望の物性によりこれらを混合して使用しても良い。
このポリビニルピロリドンの配合量は0.5重量%〜5重量%が好ましく、特に1重量%〜3重量%が好ましい。0.5重量%未満では十分なセット力を得ることができず、また5重量%を超えるとフレーキングを生ずる傾向が強くなる。
本発明に使用するヒドロキシエチルセルロースは、苛性アルカリ存在下でのセルロースとエチレンオキサイドとの反応生成物であり、具体的にはフジケミHECシリーズ(住友精化社製)、HECダイセルSEシリーズ(ダイセル化学工業社製)、Natrosol250HRシリーズ(Hercules社製)等が市販品として入手できる。これらの製品には各種粘度によるグレードがあり、主に反応で用いるセルロースの粘度によるもので、所望の物性により1種又は2種以上を混合して用いる。
本発明における好適なヒドロキシエチルセルロースは、その1重量%水溶液の25℃における粘度が1,000mPa・s以上である高粘度品が好ましく、特に該粘度が約5,000mPa・sであるHECダイセルSE900等が好適である。その配合量は0.05重量%〜2重量%が好ましく、特に0.1重量%〜1重量%がより好ましい。0.05重量%未満であると所望の物性が得られず、2重量%を超えて配合すると高粘性のため使用性が悪くなるうえ、フレーキングを生じやすくなる。
本発明に使用するノニオン性界面活性剤は親水性のもので、例えば親水基がポリオキシアルキレン系のものとソルビタンやグリセリンのようなポリオール系のものに大別される。ポリオキシアルキレン系のものはさらに親油基が、油脂類のもの、高級脂肪酸のもの、脂肪族高級アルコールのもの、脂肪酸アミドのもの等に分けられる。本発明においてはこれらのうち、脂肪族高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物、即ちポリオキシアルキレンアルキルエーテルが、乳化力及びシャンプー時の洗浄性の面で好ましい。さらには本発明による整髪料の、その特異な物性、剤型及び触感を得るには炭素数14〜24の高級アルコールのエチレンオキサイド付加物が特に好ましい。
本発明において該高級アルコールのエチレンオキサイド付加物で親水性のものとしては、エチレンオキサイドの付加モル数が概して20以上のものが挙げられる。具体的にはポリオキシエチレン(20〜50E.O.)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20〜60E.O.)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(20〜40E.O.)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20〜40E.O.)オクチルドデシルエーテル等が挙げられる。これらのうち、親油基が炭素数14〜24の直鎖高級アルコールのもの、即ちポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が特に好ましく、本発明による整髪料の物性、剤型及び触感を得やすい。
これらの親水性のノニオン界面活性剤の配合量としては10重量%〜40重量%が好ましく、特に15重量%〜35重量%が好ましい。10重量%未満であると半固形状とし難く、良好な物性とセット性が得られず、また40重量%を超えて配合すると毛髪への塗布時の伸びが極めて悪くなり使用性が劣る。
本発明における化粧料には、さらに成分(E)としてシリコーンオイルを除く油分を配合する。これは油性ワックス様の質感を補完するためで、油分としては常温で固体又は液体のもの、あるいはこれらの混合物が使用できる。具体的にはステアリン酸等の高級脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピル等の高級脂肪酸の合成エステル、オレイルアルコール等の高級アルコール、オリーブ油やミンク油等の油脂類(高級脂肪酸のトリグリセリド)、ミツロウ等のロウ類(高級脂肪酸の高級アルコールエステル)、ワセリンやスクワレン等のパラフィン類(炭化水素)、コレステロール等の脂環化合物、レシチン等のリン脂質等が挙げられる。
これらの配合量は5重量%未満が好ましく、特に成分(D)の親水性のノニオン性界面活性剤と成分(E)の油分の配合比率が、5:1〜20:1であることがより好ましい。5重量%以上配合すると、油性感が強すぎてべたつきを感じるようになる。なお、すべり感を所望する場合はさらにシリコーンオイル等を配合しても良い。
本発明における整髪料には、目的の効果が損なわれない範囲で通常の整髪料に用いられる任意の成分をさらに配合することができる。例えば、溶剤、保湿剤、防腐剤、着色剤、着香剤等の他、成分(D)以外の界面活性剤等が挙げられる。
本発明による整髪料は、その高粘性のためカップ等の広口の容器やチューブ等に充填するのが好ましい。なお毛髪に適用する場合は予め適量を掌上で伸ばしてから、スタイリングしながら塗布するか、塗布後スタイリングすれば良い。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は重量%とする。
実施例1〜実施例6を表1に、比較例1〜比較例6を表2に示した。なお、実施例及び比較例における各成分は、以下の原料を用いた。
カルボキシビニルポリマー:カーボポール ULTREZ 10(B.F.グッドリッチ社製)
水酸化ナトリウム(中和剤):試薬特級水酸化ナトリウム(和光純薬工業社製)
ポリビニルピロリドン:LuviskolK90(BASF社製)
ヒドロキシエチルセルロース:HECダイセルSE900(ダイセル化学工業社製)
ポリオキシエチレン(40)セチルエーテル:NIKKOL BC−40TX
ポリオキシエチレン(30)セチルエーテル:NIKKOL BC−30TX
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル:NIKKOL BC−20TX
ポリオキシエチレン(50)オレイルエーテル:NIKKOL BO−50V(以上、日光ケミカルズ社製)
ポリオキシエチレン(20)イソステアリルエーテル:EMALEX 1820(日本エマルジョン社製)
ポリオキシエチレン(20)オクチルドデシルエーテル:エマルゲン2020G−HA(花王社製)
ポリオキシエチレン(7)オレイルエーテル:NIKKOL BO−7V(日光ケ光ケミカルズ社製)
高重合ジメチコン(粘度約6万cst):シリコーンSH200−60000CS(東レ・ダウコーニング社製)
流動パラフィン:モレスコホワイトP−70(松村石油研究所社製)
ワセリン:白色ワセリン(小城製薬社製)
メチルパラベン(防腐剤):(クラリアントジャパン社製)
プロピルパラベン(防腐剤):(クラリアントジャパン社製)
青色1号(着色剤):青色1号(葵巳化成社製)
まずカルボキシビニルポリマー及びヒドロキシエチルセルロースを約30〜50%の精製水に分散し、これに約3%の精製水に溶解した水酸化ナトリウムを加えてゲル化した後、約80℃に加温し、これをAとする。別途ポリビニルピロリドンを約80℃に加温した約10%の精製水に溶解してAに加え、これらを水相とする。その他の成分を全て混合して油相とし、約80℃で攪拌均一とした後水相に加えて乳化し、残りの精製水を加えて均一となるように攪拌しながら室温まで放冷して整髪料とした。
なお実施例及び比較例における評価は、次の基準に基づき目視及び手触りによる官能試験を実施する。
物性(指による取り易さ)
○:適度な弾力性と伸ばした時のちぎれ具合が良い
△:弾力性又は伸ばした時のちぎれ具合がやや劣る
×:弾力性又は伸ばした時のちぎれ具合が劣る
塗布性(毛髪への伸び)
○:軽く均一に伸びて塗布しやすい
△:やや伸びにくく少し塗布しにくい
×:非常に伸びにくく塗布が困難
セット性(整髪力)
○:優れている
△:やや劣るが許容範囲内である
×:劣る
洗浄性(温水による落ち易さ)
○:完全に洗い落とされ毛髪に残らない
△:ほぼ洗い落とされべたつくほどには残らない
×:かなり残留し、べたつきを感じる
また、製剤経時安定性(分離等)は各試料180gを容量220mLの無色透明ガラス瓶に入れ、密栓して45℃の恒温槽に1ヶ月保存した後、目視により分離等の外見を評価する。なお、評価基準は以下に基づくものとする。
○:分離等の外見変化が見られない。
△:分離等の外見変化がかすかに見られる。
×:分離等の外見変化が顕著に見られる。
実施例1〜6は、成分(D)の親水性のノニオン性界面活性剤の種類を変えたもので、いずれも良好な結果を示したが、親油基が分枝状のアルキル基である実施例5及び実施例6は、直鎖アルキル基の実施例1〜4に比べて、物性及びセット性が若干劣った。また配合量が10%である実施例2は、物性がやや劣り40%配合した実施例3は塗布性が若干悪かった。
比較例1及び比較例2は、それぞれ実施例1及び実施例5の界面活性剤を5%に減じたもので、物性及びセット性において満足できるものではなかった。また比較例3は、実施例2の界面活性剤を50%に増量したもので、硬くなりすぎて塗布が困難であった。
比較例4は、実施例1の成分(A)カルボキシビニルポリマーを0.02%に減じたもので、物性としては軟らかすぎてスライム状とはならず、経時変化で分離傾向があり、またセット性も若干ではあるが劣るものであった。
比較例5は、実施例1の成分(B)ポリビニルピロリドンを0.2%に減じたもので、物性が若干悪くセット性がかなり悪かった。
比較例6は、実施例1の成分(C)ヒドロキシエチルセルロースを0.02%に減じたもので、柔軟に伸びず早くちぎれ、塗布性及びセット性も若干劣り、さらに製剤経時安定性もやや悪かった。
以上のように本発明による整髪料は、スライム状の新しいタイプの整髪料で、わずかな流動性を示し、指を入れて引っ張ればある程度は伸びるが直ぐにちぎれる特異な剤型と触感を有し、良好な伸びを示し、油性ワックス様の質感と整髪力を備え、かつ容易にシャンプー時に洗い流すことのできる、使用性に優れた整髪料であった。
Figure 2006265217
Figure 2006265217

Claims (5)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有することを特徴とする整髪料。
    (A)カルボキシビニルポリマー、0.05重量%〜2重量%
    (B)ポリビニルピロリドン、0.5重量%〜5重量%
    (C)ヒドロキシエチルセルロース、0.05重量%〜2重量%
    (D)親水性のノニオン性界面活性剤、10重量%〜40重量%
  2. さらに成分(E)としてシリコーンオイルを除く油分を5重量%未満含有することを特徴とする請求項1に記載の整髪料。
  3. 成分(D)の親水性のノニオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は請求項2に記載の整髪料。
  4. 成分(D)の親水性のノニオン性界面活性剤が、炭素数14〜24の高級アルコールのエチレンオキサイド付加物から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜請求項3に記載の整髪料。
  5. 成分(D)の親水性のノニオン性界面活性剤と成分(E)の油分の配合比率が、5:1〜20:1である請求項1〜請求項4に記載の整髪料。
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