JP2006258999A - 光メモリの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガラス基板と樹脂シートを接着する紫外線硬化樹脂材が紫外線照射後に未硬化となることを防止する。
【解決手段】 ガラス基板20の表面上にスピンコータによって液状の紫外線硬化樹脂材を塗布して第1接着層12を形成する。第1接着層12の表面と樹脂シート6の間に気泡が入らないようにローラ22で加圧しながら、第1接着層12の上に樹脂シート6を貼着する。この時、ガラス基板20と対向する樹脂シート6の対向面6aが、第1接着層12の上面及び側面からなる露呈面を完全に覆う。そして、大気中で樹脂シート6の上から紫外線を照射すると、露呈面は空気中の酸素と接触していないので第1接着層12は完全に硬化する。従って、第1接着層12に未硬化部分が発生することを防止できる。さらに、ガラス基板20から樹脂シート6を容易に剥離することもできる。
【選択図】 図3
【解決手段】 ガラス基板20の表面上にスピンコータによって液状の紫外線硬化樹脂材を塗布して第1接着層12を形成する。第1接着層12の表面と樹脂シート6の間に気泡が入らないようにローラ22で加圧しながら、第1接着層12の上に樹脂シート6を貼着する。この時、ガラス基板20と対向する樹脂シート6の対向面6aが、第1接着層12の上面及び側面からなる露呈面を完全に覆う。そして、大気中で樹脂シート6の上から紫外線を照射すると、露呈面は空気中の酸素と接触していないので第1接着層12は完全に硬化する。従って、第1接着層12に未硬化部分が発生することを防止できる。さらに、ガラス基板20から樹脂シート6を容易に剥離することもできる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、積層導波路型の光メモリの製造方法に関するものである。
近年、樹脂製のコア層と樹脂製のクラッド層とからなり、コア層とクラッド層との界面に再生像を得るための情報を含む情報用凹凸パターンを形成した平面型の光導波路を、1個又は複数個積層させてなる光メモリ(情報記録媒体)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、図8に示すように、コア層101とクラッド層102とが積層されてなる光メモリ100に記録された情報を読み出す際には、光メモリ100の側部に形成された光導入面103にレンズ104を介して光(例えばレーザ光)を照射し、所望のコア層101に光を導入する。コア層101に導入された光は、界面に形成された凹凸パターンで散乱しながら伝播する。このとき凹凸パターンで散乱された散乱光(再生光)は導入光に対して交差する方向(上下方向)に光メモリ100内を透過し、最終的に光メモリ100の上面及び下面から外部へ放出される。なお、このとき上面及び下面に設けられた樹脂シート107,108は、散乱光の波長に対して透明のものを用いている。
この例では、光メモリ100の上面から放出された散乱光が結像された画像(再生像)をイメージセンサ105で受光するようにしている。そして、この再生像をデジタル信号化し画像処理を行うことで、凹凸パターンによって光メモリ100に記録された元の情報が復元される。
光メモリ100では、コア層101とクラッド層102とからなる3層の光導波路のみを備えるものとして示しているが、これは図示を簡略化するためであり、実際には、100層程度の光導波路が積層されたものが開発されている。100層の光導波路を備える光メモリは、例えば、光導波路を25層積層した積層体を製造し、この積層体の最外層を樹脂シート107、108で挟み込んで、所望の大きさに切り出した直方形状のユニットとし、このユニットを上下に4個重ねて貼り合わせる方法により製造される(特許文献1参照)。
上記のように、積層体を製造する際には、できるだけ積層数を増やすことが望まれている。しかし、積層数を増やしていくと、コア層やクラッド層を構成する樹脂中の内部応力によって反りが生じる。この反りが大きくなると、光導入面から所望のコア層に光を導入する際に、界面に形成された凹凸パターンに光が同時に入射できなくなるので、凹凸パターンに記録されている情報を同時に再生できない。よって、積層体の製造時に反りの発生を抑えるため、硬質のガラス基板に樹脂シートを接着し、この樹脂シートの上にコア層及びクラッド層を積層して積層体を製造している。
特開2003−233991号公報
樹脂シートは、ガラス基板に塗布された紫外線硬化樹脂の上に貼着され、樹脂シートの上から紫外線を照射することで、紫外線硬化樹脂を硬化させて樹脂シートとガラス基板を接着している。しかしながら、樹脂シートの上から紫外線を照射する際に、紫外線硬化樹脂が空気中の酸素と接触していると、この酸素と接触している部分の紫外線硬化樹脂が未硬化となることがある。未硬化部分の紫外線硬化樹脂は、樹脂シートをガラス基板から剥がす際にガラス基板に残ってしまい光メモリの品質に支障をきたす。また、ガラス基板の全面に塗布された紫外線硬化樹脂の塗布面積に対して、樹脂シートが小さい場合には、ガラス基板の周端部で紫外線硬化樹脂が露呈してしまう。露呈している紫外線硬化樹脂は、未硬化となるので、ガラス基板の端部を把持して搬送する場合では、未硬化の紫外線硬化樹脂がロボットアームなどに張り付いてしまう。さらに、樹脂シートをガラス基板から剥離する場合には、樹脂シートを剥離し難いうという問題がある。このような紫外線硬化樹脂の未硬化を防止するには、窒素を充填(窒素パージ)した装置内で紫外線硬化樹脂に紫外線の照射を行うことが有効である。しかし、コア層及びクラッド層を繰り返し積層する積層処理工程以外で窒素を充填した装置を用いることはコストがかかるとともに、装置や製造設備も大型化するという問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、基板と樹脂シートを接着する光硬化樹脂が光の照射後に未硬化となることを防止する光メモリの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光メモリの製造方法は、光硬化樹脂を塗布した基板の表面に樹脂シートを貼着し、前記樹脂シートの上から光を照射することにより前記光硬化樹脂を硬化させて前記基板と前記樹脂シートを接着した後、樹脂製のコア層及びクラッド層を前記樹脂シートの上に交互に積層しながら、これらの一方の界面に情報再生用の凹凸部を形成し、前記樹脂シートを前記基板から剥離して製造する光メモリの製造方法において、前記樹脂シートとして、前記基板の表面より大きい対向面を有する樹脂シートを用い、前記基板に前記樹脂シートを貼着する際に、前記対向面で前記塗布した光硬化樹脂の露出面を完全に覆うものである。また、前記光硬化樹脂はスピンコータによって前記基板の表面に塗布されるようにしてもよい。また、前記光硬化樹脂は、紫外線光を照射することで硬化する紫外線硬化樹脂であることが好ましい。
本発明の光メモリの製造方法によれば、光硬化樹脂を塗布した基板の表面に樹脂シートを貼着し、樹脂シートの上から光を照射することにより光硬化樹脂を硬化させて基板と樹脂シートを接着した後、樹脂製のコア層及びクラッド層を樹脂シートの上に交互に積層しながら、これらの一方の界面に情報再生用の凹凸部を形成し、樹脂シートを基板から剥離して製造する光メモリの製造方法において、樹脂シートとして基板の表面より大きい対向面を有する樹脂シートを用い、基板に樹脂シートを貼着する際に、対向面で塗布した光硬化樹脂の露出面を完全に覆うようにし、光硬化樹脂としては紫外線硬化樹脂を用いたので、空気中で紫外線硬化樹脂に紫外線を照射しても、紫外線硬化樹脂が未硬化となることを防止できる。さらに、樹脂シートを基板から剥離させた際に、基板に紫外線硬化樹脂の未硬化部分が残らないので光メモリの品質や作業性が向上する。また、コストの削減とともに製造設備の小型化を図ることもできる。また、基板の周縁からはみ出した部分を摘めるので樹脂シートを剥がしやすい。
図1において、光メモリ2は、屈折率の異なるコア層3とクラッド層4とを交互に積層した積層体5と、その上下を樹脂シート6,7で挟み込んでなるユニット8を、接着層9を介して上下に貼り合わせて一体化した構成となっている。
コア層3及びクラッド層4は、紫外線(UV光)を照射することにより硬化された紫外線硬化樹脂(光硬化樹脂)によって形成されており、コア層3の屈折率(硬化後の屈折率)は、クラッド層4の屈折率(硬化後の屈折率)より僅かに高く設定されている。この紫外線硬化樹脂としては、アクリル系、エポキシ系、チオール系などの樹脂材が適切である。コア層3の厚さは、1.0〜1.5μm程度が適切であり、例えば1.4μmと設定される。クラッド層4の厚さは、8〜9μm程度が適切であり、例えば8μmと設定される。
クラッド層4の上面で、かつコア層3の下面となる界面には、再生像を得るための情報を含む情報用凹凸部10が形成されている。すなわち、この例では、後述するスタンパ23によって、クラッド層4を形成する紫外線硬化樹脂の上面に凹部を形成することで、情報用凹凸部10が形成されている。情報用凹凸部10は、光メモリ2に記録すべき情報(デジタル情報)を2次元符号化し、その符号化された情報を元に計算機によって合成されたパターン(計算機ホログラムと称される)が転写されたものである。
このように、コア層3の上下には、相対的に屈折率の低いクラッド層4が積層されている。1つのコア層3と、この上下の2つのクラッド層4とにより、1つの情報再生用の光導波路11が構成される。ただし、各ユニット8の最下層のコア層3aは、情報用凹凸部10を備えていないため、情報再生用の光導波路11が構成されない(情報再生用の光導波路としては機能しない)。一方、各ユニット8の最上層のコア層3bの上にはクラッド層4が形成されていないが、その上に形成された樹脂シート7がクラッド層4とほぼ同一の屈折率で形成されているため、最上層のコア層3bに関しては情報再生用の光導波路11が構成される(情報再生用の光導波路としては機能する)。
各ユニット8の端部に形成された光導入面15からコア層3(コア層3bも含む)に導入された光は、クラッド層4との界面で反射されながらコア層3を伝播するとともに、一部が情報用凹凸部10によって散乱される。同図において、各ユニット8には、3層の光導波路11が構成されているが、これは図示の簡単化のためであって、光導波路11の積層数は適宜の数でよい。実際には、20層程度の光導波路11を各ユニット8内に積層するのが好適である。
樹脂シート6、7は、例えば、JSR株式会社製のアートン(登録商標)等の非晶質ポリオレフィン、ポリカーボネート、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などによって形成されており、屈折率はクラッド層4とほぼ同一である。例えば、コア層3の屈折率は“1.52”、クラッド層4及び樹脂シート6、7の屈折率は“1.51”に設定される。
各ユニット8を接着して1つの光メモリ2とする接着層9としては、詳しくは後述する樹脂シート6の下面に接着された第1接着層12と樹脂シート7の上面に接着された第2接着層13(図6(B)参照)とによって構成されている。第1及び第2接着層12,13には、コア層3またはクラッド層4を形成している紫外線硬化樹脂のうちどちらか一方が用いられる。つまり、接着層9は、コア層3またはクラッド層4のどちらか一方と同じ屈折率である。例えば、第1及び第2接着層12,13の屈折率が、樹脂シート6、7の屈折率と大きく異なると、第1接着層12と樹脂シート6、及び接着層9(第1及び第2接着層12、13)と樹脂シート6、7の界面で再生光が反射して、光量やS/N比が低下してしまう。そのため、第1接着層12と樹脂シート6、及び接着層9を樹脂シート6、7の屈折率はほぼ等しく設定される。なお、本実施形態では、第1及び第2接着層12,13は、クラッド層4を形成する紫外線硬化樹脂(屈折率、1.51)を用いるものとする。
また、光メモリ2を構成するコア層3(コア層3a,3bを含む)、クラッド層4、樹脂シート6、7、接着層9は、1つの端面(光導入面)15からコア層3に入射され、情報用凹凸部10で散乱された散乱光(再生光)の波長に対して透明である。これにより、各光導波路11から上下に放出された再生光は、光メモリ2内の各層を透過し、光メモリ2の上面及び下面から外部へ放出される。なお、光導波路11から上下に放出された再生光は、別の光導波路11を横切ることになるが、コア層3とクラッド層4との屈折率の差が極めて小さいので、この再生光が別の光導波路11に形成された情報用凹凸部10で再度散乱されることは殆どなく、外部に結像される再生像に乱れは殆ど発生しない。
同図では2つのユニット8が上下に積重され貼り合わされているが、これは図示の簡単化のためであって、ユニット8の積層数は適宜の数でよい。実際には、4個程度のユニット8を積層するのが好適である。本実施形態では、光メモリ2はユニット8を上下に積重して構成している。これは、光導波路11が一定数積層された各積層体5の上下を比較的高剛性の樹脂シート6、7で支持することによって、光が入射されるコア層3の反りや撓みを抑えることを目的としている。なお、光メモリ2としては、ユニット8を上下に積重したものでなくてもよく、1つのユニット8で構成したものであってもよい。
ユニット8を上下に積重して光メモリ2を構成する場合には、各ユニット8の光導入面15が一致するように位置合わせされている。光導入面15の面精度を高く(表面粗さを小さく)することで、コア層3に導入されるべき入射光の一部が散乱損失することを防ぎ、結合効率や反射率が低下する。
次に、光メモリ2の製造方法について説明する。光メモリ2は、前処理工程、積層処理工程、後処理工程の各種工程を経て製造される。前処理工程について説明する。光メモリ2を製造する基板として、例えば、一辺が200mmの正方形で、厚さ数mmの板形状の硬質のガラス基板20(図2参照)を用意する。ガラス基板20の強度が十分でないと、後述するようにコア層3及びクラッド層4を積層していくと、コア層3及びクラッド層4の内部応力によって反りが生じてしまう。そのため、ガラス基板20の厚さとしては、0.1〜3.0mm程度が適切であり、例えば1.0mmに設定する。なお、本実施形態では、ガラス基板20を用いたが、これに限らず、ポリカーボネートやJSR株式会社製のアートン(商標登録)などの非晶質ポリオレフィンからなる硬質の基板を用いてもよい。
図2(A)に示すように、ガラス基板20の表面上にスピンコータによって液状の紫外線硬化樹脂を塗布して第1接着層12を形成する。第1接着層12の厚みとしては、例えば約3μmが適当である。第1接着層12が形成された際に、第1接着層12の上面と側面には露出面12aが形成されている。なお、スピンコータとは、円盤上に設置した基板上に塗布液を滴下し、円盤を回転させることにより均一な厚さの塗布層を形成する塗布装置である。本実施形態においては、ガラス基板20の下面を真空吸着によって円盤上に固定して、ガラス基板20を回転させる。
そして、第1接着層12の上面と樹脂シート6の間に気泡が入らないようにローラ22で加圧しながら、第1接着層12の上に樹脂シート6を貼着(ラミネート)する。このとき、第1接着層12の厚さが変動しないように、樹脂シート6の上面に与えるローラ22の圧力を一定に保ちながら、第1接着層12上に樹脂シート6を貼着する。
第1接着層12に貼着された樹脂シート6は、例えば一辺が220mmの正方形状をしており、厚みを150μmである。樹脂シート6は、ガラス基板20の表面より大きいので、樹脂シート6の4辺はいずれもガラス基板20の周縁から約10mmはみ出してガラス基板20の下方に垂れ下がった状態となる。そのため、図2(B)に示すように、樹脂シート6が第1接着導12に貼着されると、ガラス基板20と対向する樹脂シート6の対向面6aが第1接着層12の露出面12a(図2(A)参照)を完全に覆う状態となる。そして、大気中で紫外線を照射するUV照射装置(図示せず)によって、樹脂シート6の上から紫外線の照射が行われ、第1接着層12を硬化させる。
このとき、図3にも示すように、第1接着層12の厚みは3μmととても薄いので樹脂シート6がガラス基板20の周縁からはみ出して下方に垂れ下がった状態になると、第1接着層12の露出面12a(上面及び側面)は樹脂シート6の対向面6aによって完全に覆われるので、紫外線硬化樹脂が空気中の酸素と接触することを防止できる。そのため、大気中で樹脂シート6の上から紫外線を照射しても、第1接着層12の露出面12aは未硬化とならずに完全に硬化する。このように、樹脂シート6がガラス基板20に完全に接着されると、前処理工程は終了する。なお、樹脂シート6がガラス基板20の周縁からはみ出して下に垂れ下がった状態でも、第1接着層12の厚みに比べて樹脂シート6の厚みがとても厚いので、ガラス基板20に接着された部分の樹脂シート6の上面(対向面6aと反対の面)は平面状態を保っている。
次に積層処理工程について説明する。積層処理工程では、前処理工程によってガラス基板20に接着された樹脂シート6の上にコア層3及びクラッド層4をガラス基板20の幅で交互に積層する。なお、この積層処理工程で用いられるUV照射装置は、前処理工程で使用されるUV照射装置(大気中で紫外線を照射する装置)とは異なる。積層処理工程で使用されるUV照射装置は、装置内に窒素が充填された状態で紫外線を照射する窒素パージ式である。本実施形態では、大気中で紫外線の照射を行う装置をUV照射装置とし、窒素が充填している中で紫外線の照射を行う装置を窒素パージ式UV照射装置とする(図示せず)。
図2(C)に示すように、樹脂シート6の表面上(対向面6aの反対の面)に、スピンコータによって液状の紫外線硬化樹脂を塗布し、窒素パージ式UV照射装置で紫外線を照射して完全に硬化させる。これにより、最下層のコア層3aを形成する。このコア層3aは、前述のように情報再生用の光導波路11を構成するものではない。
続いて、図4(A)に示すように、最下層のコア層3aの表面上に、スピンコータによって液状の紫外線硬化樹脂を所定の厚さで塗布し、塗布された紫外線硬化樹脂の表面上に、記録すべき情報に応じた凹凸パターンが表面に刻まれた光透過性スタンパ23をローラ22で加圧しながら貼着(ラミネート)する(凹凸パターンに与えるローラ22の圧力は一定)。光透過性スタンパ23は、紫外線に対する透過性を有し、かつ可撓性のあるフイルム状の樹脂材で形成されている。なお、光透過性スタンパ23は、光メモリ2の製造に用いられるのと同じ樹脂材を用いて形成することができ、材料の共通化を図ることができる。
図4(B)において、最下層のコア層3aに塗布された紫外線硬化樹脂の表面上に光透過性スタンパ23を貼着した状態で、窒素パージ式UV照射装置によって光透過性スタンパ23の上方から紫外線を照射する。光透過性スタンパ23を透過した紫外線によって液状の紫外線硬化樹脂が硬化された後、図4(C)に示すように、光透過性スタンパ23を剥離することで、表面に上記凹凸パターンが転写され、情報用凹凸部10を有したクラッド層4が形成される。なお、このとき、紫外線硬化樹脂を完全に硬化させると光透過性スタンパ23が剥がしにくくなるため、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を不完全に硬化させた状態で光透過性スタンパ23を剥離し、その後再び紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を完全に硬化させるようにしてもよい。
続いて、図5(A)に示すように、クラッド層4の表面上に、クラッド層4よりも屈折率の大きい液状の紫外線硬化樹脂をスピンコータによって塗布した後、窒素パージ式UV照射装置によって紫外線を照射して完全に硬化させることでコア層3を形成する。以後、図4(A)〜図5(A)に示した積層処理を繰り返し実施することで、樹脂シート6の上に、コア層3及びクラッド層4を所望の積層数になるまで積層する。
そして、図5(B)に示すように、コア層3及びクラッド層4が所望の積層数だけ積層されると、積層された最上層のクラッド層4の上に、コア層3bを形成するための液状の紫外線硬化樹脂をスピンコータによって塗布する。そして、図6(A)に示すように、この上に樹脂シート6と同じ材質の樹脂シート7をローラ22で加圧しながら貼着(ラミネート)する(樹脂シート7に与えるローラ22の圧力は一定)。樹脂シート7の形状としては、例えば厚みが150μmで一辺が200mmである。そして、樹脂シート7の上から窒素パージ式UV照射装置によって紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を完全に硬化させると、コア層3bが形成されるとともに、コア層3bと樹脂シート7とが接着される。
その後、図6(B)に示すように、樹脂シート7の上にスピンコータによって紫外線硬化樹脂が塗布され、窒素パージ式UV照射装置によって紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を完全に硬化させる。これにより、樹脂シート7とほぼ同一の屈折率を有する第2接着層13を形成する。この第2接着層13は、各ユニット8同士を接着するためのものである。この第2接着層13が形成されると、積層処理工程が終了して次に後処理工程に移行する。
後処理工程を説明する。図7(A)に示すように、ガラス基板20上で積層体5(コア層3a、3b、3及びクラッド層4が積層したもの)の最外層を樹脂シート6、7で挟み込んだユニット8をガラス基板20から剥離(分離)する。このとき、ガラス基板20と樹脂シート6を接着している第1接着層12は完全に硬化しているので、樹脂シート6に接着した状態でガラス基板20から完全に剥離する。そのため、未硬化の第1接着層12がガラス基板20に残ることはない。さらに、ガラス基板20の周縁から下方に垂れ下がっている樹脂シート6の端部をロボットアーム等で摘むことができるので、ユニット8の剥離が容易にできる。
その後、ガラス基板20から剥離されたユニット8は、図7(B)に示すように切断処理が行われる。切断処理では、ダイシングブレード30(円盤状のダイアモンドホイール)を備えたダイシング装置(図示せず)を用いてユニット8の外形を切断加工する。この切断加工では、ダイシングブレード30を積層体5の積層方向に対して垂直にして配置し、予め設定された各切断ラインに沿って切断を行う。これにより、ユニット8に光導入面15を含む4つの端面を形成する。
そして、切断された各ユニット8を積重して接着する際には、各ユニット8の光導入面15を同一方向に向け、第2接着層13の上に第1接着層12を載置する。このようにして、所望の数だけ上下にユニット8を積み重ねて加圧及び加熱を行う。これにより、第1及び第2接着層12,13が接着層9となって各ユニット8同士が接着するので、図1に示す光メモリ2が形成されて後処理工程が終了する。
本実施形態では、紫外線硬化樹脂を塗布する際に、スピンコータを用いる場合を説明したが、これに限るものではなく、ブレードコート法、グラビアコート法、ダイコート法などの塗布方法を用いてもよい。
さらに、上記実施形態において、クラッド層4の上面に情報用凹凸部10を形成する場合を例に説明したが、これに限るものではなく、コア層3の上面に情報用凹凸部10を形成してもよい。また、樹脂シート6をガラス基板20から約10mm程度はみ出させ、樹脂シート6の対向面6aで第1接着層12の露出面12aを完全に覆うようにしたが、ガラス基板20の周縁からはみ出させる樹脂シート6の長さは、適宜に設定することが好ましい。
また、本実施形態では、紫外線硬化樹脂を用いたが、これに限らず、光を照射することで硬化する光硬化樹脂であればよい。
2 光メモリ
3 コア層
4 クラッド層
6 樹脂シート
6a 対向面
10 情報用凹凸部
11 光導波路
12 第1接着層
12a 露出面
15 光導入面
20 ガラス基板
23 スタンパ
3 コア層
4 クラッド層
6 樹脂シート
6a 対向面
10 情報用凹凸部
11 光導波路
12 第1接着層
12a 露出面
15 光導入面
20 ガラス基板
23 スタンパ
Claims (3)
- 光硬化樹脂を塗布した基板の表面に樹脂シートを貼着し、前記樹脂シートの上から光を照射することにより前記光硬化樹脂を硬化させて前記基板と前記樹脂シートを接着した後、樹脂製のコア層及びクラッド層を前記樹脂シートの上に交互に積層しながら、これらの一方の界面に情報再生用の凹凸部を形成し、前記樹脂シートを前記基板から剥離して製造する光メモリの製造方法において、
前記樹脂シートとして、前記基板の表面より大きい対向面を有する樹脂シートを用い、前記基板に前記樹脂シートを貼着する際に、前記対向面で前記塗布した光硬化樹脂の露出面を完全に覆うことを特徴とする光メモリの製造方法。 - 前記光硬化樹脂はスピンコータによって前記基板の表面に塗布されることを特徴とする請求項1記載の光メモリの製造方法。
- 前記光硬化樹脂は、紫外線光を照射することで硬化する紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の光メモリの製造方法。
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