JP2006321099A - スタンパの搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スタンパに折れや皺を発生させずに搬送するスタンパの搬送方法を提供する。
【解決手段】 ロボットアーム38は、本体61と、この本体61に対して回転自在なアーム部62と、アーム部62の先端に取り付けられた吸着部63とを備えている。吸着部63は、スタンパ52の外形に倣って枠形状にされており、下面63aには、微小孔64が多数形成されている。また、吸着部63の上面には、吸着部63内の空気を吸引するための吸引パイプ65が設けられている。このため、ポンプによって、吸着部63内の空気を吸引すると、スタンパ52が下面63aに真空吸着される。また、吸着部63は、スタンパ52の外周の端部を吸着するので、折れや皺を発生させずにスタンパ52を搬送することができる。
【選択図】 図6
【解決手段】 ロボットアーム38は、本体61と、この本体61に対して回転自在なアーム部62と、アーム部62の先端に取り付けられた吸着部63とを備えている。吸着部63は、スタンパ52の外形に倣って枠形状にされており、下面63aには、微小孔64が多数形成されている。また、吸着部63の上面には、吸着部63内の空気を吸引するための吸引パイプ65が設けられている。このため、ポンプによって、吸着部63内の空気を吸引すると、スタンパ52が下面63aに真空吸着される。また、吸着部63は、スタンパ52の外周の端部を吸着するので、折れや皺を発生させずにスタンパ52を搬送することができる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、表面に凹凸部が形成された機能性シート、及び光メモリを製造する際に、製造ライン内で凹凸部を形成するためのスタンパを搬送するスタンパの搬送方法に関する。
近年、樹脂製のコア層と、このコア層の上下に積層された樹脂製のクラッド層とからなり、コア層とクラッド層との一方の界面に再生像を得るための情報を含む情報用凹凸部を形成したスラブ型の光導波路を、1個又は複数個積層させた光メモリ(情報記録媒体)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような光メモリは、例えば、図14に示すように、コア層101とクラッド層102とが交互に積層されており、光メモリに記録された情報を読み出す際には、光メモリ100の側部に形成された光導入面103に対して、シリンドリカルレンズ104によって縦幅約5μmに絞った光(例えばレーザ光)を入射させ、所望のコア層101に光を導入する。コア層101に導入された光は、コア層101とクラッド層102との界面に形成された情報用凹凸部で回折しながら伝播する。この時、情報用凹凸部で回折された回折光(再生光)は、導波面に対して直交方向(上下方向)に伝播し、光メモリ100内の積層体の上部を透過し、最終的に、同位相の回折光は干渉し合い、イメージセンサ105の表面に再生像を形成する。
この再生像は、イメージセンサ105によって受光される。そして、この再生像を画像補正し、デジタル信号化することで、凹凸パターンによって光メモリに記録された元の情報が復元される。
また、コア層とクラッド層との界面に情報用凹凸部を形成する場合、コア層またはクラッド層を形成する時に、紫外線硬化樹脂を塗布して塗布膜を形成した後、情報用凹凸部に対応する凹凸パターンが形成されたスタンパを塗布膜上にラミネートし、紫外線を照射して硬化させた後、このスタンパを剥離することによって情報用凹凸部を形成する。また、このようなスタンパは、塗布膜から剥離された後も繰り返し使用される。
また、スタンパを塗布膜上にラミネートする時に、空気が入らないようにする必要があり、フレキシブルなシートであるスタンパの裏面をローラで加圧しながら、スタンパの一方の端部から他方の端部に移動させてラミネートする。
特開2002−120286号公報
しかしながら、前述したように、スタンパはフレキシブルなシートであり、製造ライン内でスタンパを搬送する時に、スタンパに折れや皺が発生して変形し、スタンパを繰り返し使用することができないという問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、スタンパに折れや皺を発生させずに搬送可能なスタンパの搬送方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のスタンパの搬送方法は、フレキシブルな透明シートの表面に凹凸パターンが形成されたスタンパを液体樹脂の塗布膜上にラミネートし、前記塗布膜を硬化させた後に前記スタンパを剥離することによって、表面に凹凸部が形成された機能性シートを製造する時に、前記機能性シートの製造ライン内で前記スタンパを搬送するスタンパの搬送方法であり、前記スタンパの外形に倣って枠形状にされた吸着部を有する搬送装置を用い、前記吸着部によって前記スタンパの外周部を均一に吸着させた状態で、前記吸着部を移動させて前記スタンパを搬送することを特徴とするものである。
また、本発明のスタンパの搬送方法は、樹脂製のコア層と、樹脂製のクラッド層とが交互に積層され、前記コア層または前記クラッド層を形成する時に、フレキシブルな透明シートの表面に凹凸パターンが形成されたスタンパを液体樹脂の塗布膜上にラミネートし、前記塗布膜を硬化させた後に、前記スタンパを剥離することにより、前記コア層または前記クラッド層の一方の界面に情報再生用の凹凸部が形成された光メモリを製造する時に、前記光メモリの製造ライン内で前記スタンパを搬送するスタンパの搬送方法であり、前記スタンパの外形に倣って枠形状にされた吸着部を有する搬送装置を用い、前記吸着部によって前記スタンパの外周部を均一に吸着させた状態で、前記吸着部を移動させて前記スタンパを搬送することを特徴とするものである。
さらに、前記吸着部は、微小孔が多数形成された吸着面を有し、前記吸着部内の空気を吸引することによって、前記スタンパを前記吸着面に真空吸着させることが好ましい。
また、前記スタンパの前記凹凸パターンが形成された面を上方に向け、前記吸着部によって前記スタンパを上方から吸着させた状態で搬送することが好ましい。さらに、前記吸着部は、前記凹凸パターンよりも外周の端部を吸着することが好ましい。
また、前記スタンパを前記塗布膜にラミネートするラミネート装置は、前記スタンパを所定位置で保持する第1の保持手段を備え、前記スタンパを前記所定位置にセットする時に、前記スタンパが吸着された前記吸着部を前記所定位置の近傍に移動させ、前記第1の保持手段によって前記スタンパが前記所定位置で保持された後、前記吸着部の吸引を停止することが好ましい。
さらに、前記スタンパを収納するスタンパストッカは、前記スタンパを所定の収納位置で保持する第2の保持手段を備え、前記スタンパを前記収納位置にセットする時に、前記スタンパが吸着された前記吸着部を前記収納位置の近傍に移動させ、前記第2の保持手段によって前記スタンパが前記収納位置で保持された後、前記吸着部の吸引を停止することが好ましい。
また、前記第1及び前記第2の保持手段は、前記スタンパを真空吸着によって保持する吸着装置であることが好ましい。
本発明のスタンパの搬送方法によれば、スタンパの外形に倣って枠形状にされた吸着部によって、スタンパの外周部を均一に吸着させた状態で搬送するので、スタンパが折れや皺によって変形することを防止できる。このため、スタンパの損傷を防止して、スタンパを繰り返し使用することが可能である。
また、スタンパの凹凸パターンが形成された面を上方に向け、吸着部によって前記スタンパを上方から吸着させた状態で搬送するので、凹凸パターンを下側に向けて設置する必要がなくなり、凹凸パターンに傷が付くことを防止できる。さらに、凹凸パターンよりも外周の端部を吸着させるので、凹凸パターンに影響を与えずに搬送することができる。
また、スタンパをラミネート装置にセットする時に、所定位置に保持された後に、吸着部による吸引を停止するので、スタンパを正確に所定位置にセットすることができる。
さらに、スタンパをスタンパストッカに収納する時に、収納位置で保持された後に、吸着部による吸引を停止するので、スタンパを収納位置に確実に収納させることができる。
図1に示す積層導波路型の光メモリ(以下、光メモリと称する)10は、2つのユニット11が接着層12を介して上下に貼り合わされた構成となっている。ユニット11は、コア層13とクラッド層14とがフイルム15a上に交互に積層されており、最上層には、フイルム15bが貼着されている。
コア層13及びクラッド層14は、紫外線硬化樹脂で形成されており、この紫外線硬化樹脂としては、アクリル系、エポキシ系などの樹脂が適当である。コア層13の厚さは、1.0〜1.6μm程度が適当であり、例えば、1.4μmにされている。また、クラッド層14の厚さは、7〜9μm程度が適当であり、例えば、8μmにされている。なお、コア層13の屈折率は1.52、クラッド層14の屈折率は1.51にされている。
また、コア層13とクラッド層14との一方の界面には、情報再生用の凹凸部である情報用凹凸部16が形成されている。この情報用凹凸部16の高さ方向の差は、0.1μm程度であり、導波方向への凹凸の配列周期は、コア層13に入射されるレーザ光の波長(660nm)をコア層の屈折率(1.52)で割った値によって決定され、約440nmである。この情報用凹凸部16は、光メモリ10に記録すべき情報を2次元符号化し、その符号化された情報を元に計算機によって合成されたパターン(計算機ホログラムと称される)が転写されたものである。
また、コア層13は、前述したように、上下に積層されたクラッド層14よりも屈折率が高くされており、1つのコア層13と、その上下に積層された2つのクラッド層14とにより、1つの情報再生用の光導波路17が構成される。ただし、ユニット11の最下層のコア層13aには、情報用凹凸部16が形成されていないので、情報再生用の光導波路としては機能しない。一方、各ユニット11の最上層に形成されたコア層13bの上にはクラッド層14が形成されていないが、その上に形成されたフイルム15bがクラッド層14と略同一の屈折率(1.51)で形成されているため、最上層のコア層13bは情報再生用の光導波路として機能する。
また、ユニット11は、光導波路17が一定数積層された積層体の上下をフイルム15a,15bで支持して構成されているが、これは、紫外線硬化樹脂であるコア層13及びクラッド層14のみでは、積層体にカール(反り)が発生するため、フイルム15a,15bによって支持してカールを防止するためである。
また、フイルム15a,15bは樹脂フイルムであり、JSR社製のアートン(登録商標)等の非晶質ポリオレフィン、ポリカーボネート、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などによって形成されている。また、前述したように、フイルム15a,15bの屈折率は、クラッド層14と略同一であり、その厚さは、100〜200μm程度にされている。
また、各ユニット11を接着する接着層12としては、コア層13やクラッド層14に用いられている紫外線硬化樹脂が用いられる。接着層12の屈折率が、フイルム15a,15bの屈折率と大きく異なると、接着層12とフイルム15a,15bとの界面で再生光の再生角や、回折効率が変化するため、光量やS/N比が低下してしまう。このため、接着層12とフイルム15a,15bとの屈折率は略等しくされている。なお、接着層12としては、紫外線硬化樹脂材などの光硬化型のものには限られず、熱硬化型、熱可塑性型などを用いることが可能であり、材質としては、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、オレフィン系などが挙げられる。
各ユニット11の端部に形成された光導入面18からコア層13に光が導入されると、導入光は、クラッド層14との界面で反射されながらコア層13を伝播するとともに、一部が情報用凹凸部16によって回折される。また、光メモリ10を構成するコア層13、クラッド層14、フイルム15a,15b、及び接着層12は、情報用凹凸部16で回折された回折光(再生光)の波長に対して透明である。
このため、各光導波路17から上下に放出される再生光は、光メモリ10内の各層を透過し、光メモリ10の上面及び下面から外部へ放出される。なお、光導波路17から上下に放出された再生光は、別の光導波路17を横切ることになるが、コア層13とクラッド層14との屈折率の差が極めて小さく、さらに、情報用凹凸部16の厚みが極めて小さいため、光路長差が極めて小さいので、この再生光が別の光導波路17に形成された情報用凹凸部16で再度回折されることは殆どなく(10-4未満)、外部に結像される再生像に対する影響は無視できる。
以下に、上記構成の光メモリ10の製造方法について説明する。光メモリ10は、前処理工程と、積層工程と、後処理工程との3つの工程で製造される。
前処理工程では、基板としてガラス基板21を用意する。このガラス基板21は、厚さが約0.5mm〜3mm程度、好ましくは約1mm程度のものを用い、その上面及び下面は凹凸がなく平坦である。なお、基板としては、ガラス基板に限らず、例えば、シリコンウェハーや、金属板や、厚みのあるポリカーボネート等の基板を用いても良い。
ガラス基板21の表面には、スピンコータによって、硬化後の屈折率が1.51の紫外線硬化樹脂をガラス基板21上に塗布して、図2(A)に示すように、接着層12aを形成する。この接着層12aの厚さは、約3μmにされる。スピンコータとは、円盤上に設置した基板上に塗布液を滴下し、円盤を回転させることにより均一な厚さの塗布膜を形成する塗布装置である。
その後、接着層12aとフイルム15aとの間に気泡が入らないように、図2(B)に示すように、ローラ22によって、一定の圧力でフイルム15aを加圧しながら接着層12a上にフイルム15aをラミネートする。
フイルム15aを接着層12a上にラミネートした後、紫外線照射装置によって、図2(C)に示すように、フイルム15aに向けて紫外線を照射する。この時、接着層12aは、ガラス基板21とフイルム15aとで挟まれており、酸素の影響がないため、紫外線を照射する時に、窒素パージ等によって酸素を遮断する必要はない。また、フイルム15aは、紫外線に対して透過性を有しており、フイルム15aを透過した紫外線が接着層12aに照射されて硬化する。これにより、フイルム15aが、接着層12aによってガラス基板21上に接着されて、前処理工程が終了する。
積層工程では、図3に示す積層ライン30によって、コア層13とクラッド層14とを交互に積層する。この積層ライン30は、スピンコータ31と、紫外線照射装置32と、スピンコータ33と、ラミネート装置34と、紫外線照射装置35と、スタンパ剥離装置36とを備えており、これらが、搬送用コンベア37に沿って配置されている。また、積層ライン30は、ロボットアーム38と、スタンパストッカ39とを備えており、これらがラミネート装置34の近傍に配置されている。
また、積層ライン30の入口には、停止ステージ41aが設けられており、出口には停止ステージ41bが設けられている。停止ステージ41aは、基板ストッカ42を介して、搬入用のコンベア43が接続されており、停止ステージ41bには、搬出用のコンベア44が接続されている。また、停止ステージ41aと停止ステージ41bとの間には、循環用コンベア45が設けられている。また、この循環用コンベア45の中央部には、基板ストッカ46が配置されている。
また、スタンパ剥離装置36には、スタンパ搬送用のコンベア50の一端が接続されており、他端は、ロボットアーム38の近傍に設けられた停止ステージ51に接続されている。このコンベア50は、スタンパ剥離装置36から停止ステージ51にスタンパを搬送する。なお、このコンベア50は、スタンパの裏面側から外周端部を真空吸着させた状態で、スタンパを搬送する。
前述したように、ラミネート装置34の近傍には、ロボットアーム38と、スタンパストッカ39とが配置されている。図4に示すように、スタンパストッカ39は、スタンパ52を収納する収納部53を多数備えている。
このスタンパ52は、紫外線に対して透過性を有し、かつ可撓性を有するフイルム状の樹脂材で形成されており、表面には、クラッド層14の表面に形成する情報用凹凸部16に対応する凹凸パターンが形成されている。なお、このスタンパ52は、例えば、特開2002−120286号公報に記載されているように、情報用凹凸部16に対応する凹凸パターンが表面に刻まれたスタンパ層と、樹脂フイルムと、これらを接着する接着層とで構成すれば良い。また、凹凸パターンの高さは、0.1μm程度にされている。
また、多数の収納部53には、凹凸パターンの異なるスタンパや、凹凸パターンが同一のスタンパが収納される。この収納部53の底部には、図5に示すように、吸着装置(第2の保持手段)54が設けられている。この吸着装置54の上面には、スタンパ52が吸着される吸着板55が設けられており、背面側には、吸着装置54内の空気を吸引するための吸引パイプ56が設けられている。また、吸着板55は、多数の微小孔が形成されている。このため、ポンプ(図示せず)によって、吸着装置54内の空気を吸引することによって、吸着装置54内の気圧が低下して、吸着板55上に載置されたものが真空吸着される。
スタンパ52を収納部53に収納する場合、図5に示すように、凹凸パターン52aが形成された表面を上に向けた状態で、吸着板55上に載置して吸着させる。このため、スタンパ52は、吸着板55上に保持されて収納部53内での移動が防止される。
また、ロボットアーム38は、図6に示すように、本体61と、この本体61に対して回転自在に取り付けられたアーム部62と、アーム部62の先端に取り付けられた吸着部63とを備えている。吸着部63は、スタンパ52の外形に倣って枠形状にされている。本実施形態では、スタンパ52が正方形状にされているため、吸着部63は、正方形の枠形状にされている。また、吸着部63の下面63aには、図7に示すように、微小孔64が多数形成されている。
さらに、吸着部63の上面には、吸着部63内の空気を吸引するための吸引パイプ65が設けられている。このため、ポンプ(図示せず)によって、吸着部63内の空気を吸引することにより、スタンパ52を下面63aに真空吸着させることができる。この時、吸着部63が、スタンパ52の外形に倣って枠形状にされているので、スタンパ52の外周端部が真空吸着されて、スタンパ52に折れや皺が生じることが防止できる。このため、ロボットアーム38によって、スタンパ52を搬送する時に、スタンパ52が変形して劣化することを防止できる。なお、スタンパ52を搬送する場合、図5に示すように、吸着部63によって、スタンパ52の表面側で凹凸パターン52aよりも外周の端部を吸着して搬送する。
また、ラミネート装置34は、図8に示すように、本体(第1の保持手段)71と、吸着盤72とを備えて構成されている。本体71は、略直方体形状を有する筐体であり、上面は可撓性を有するシート71aで形成されている。このシート71aは、多数の微小孔が形成されてメッシュ状にされている。さらに、本体71の側面には、本体71内の空気を吸引するための吸引パイプ71bが設けられている。このため、ポンプ(図示せず)によって、本体71内の空気を吸引することによって、シート71a上に載置されたものを真空吸着させることができる。
また、本体71内には、ローラ73と、このローラ73を回転自在に保持する保持部材74と、この保持部材74を移動させる移動手機構75とが設けられている。ローラ73は、シート71aの長手方向に対して直交する向きにされ、さらに、外周面がシート71aに対面するように配置されている。また、移動機構75は、シート71aに対して垂直な方向と、シート71aの長手方向と平行な方向とに保持部材75を移動させる。
吸着盤72は、略直方体形状を有する筐体であり、吸着面72aには、微小孔が多数形成されている。さらに、この吸着盤72の側面には、吸着盤72内の空気を吸引するための吸引パイプ72bが設けられている。このため、ポンプ(図示せず)によって、吸着盤72内の空気を吸引することによって、吸着面72aに載置されたものが真空吸着される。
また、この吸着盤72は、吸着面72aがシート71aに対面する対面位置(図8に示す位置)と、吸着面72aがシート71aから退避する退避位置(図9に示す位置)との間で回動自在にされている。さらに、吸着盤72が前述の対面位置にある時に、吸着盤72が上下方向(シート71aに対して垂直な方向)に移動されて、吸着面72aとシート71aとの間隔が調整される。
次に、上記構成の積層ライン30を用いて行う積層工程について説明する。前処理工程にて、フイルム15aが接着されたガラス基板21は、コンベア43によって、基板ストッカ42に搬送されて、この基板ストッカ42によって、一時的に保管される。その後、ガラス基板21は、基板ストッカ42から停止ステージ41aに順次搬出され、さらに、ロボットアーム(図示せず)によって、ガラス基板21がスピンコータ31に移動される。
スピンコータ31は、屈折率が1.52の紫外線硬化樹脂であるコア材(液体コア樹脂)をフイルム15a上に塗布して、図10(A)に示すように、塗布膜(コア層)13aを形成する。この時、塗布膜13aの膜厚は、1.4μm程度にされる。その後、ガラス基板21は、ロボットアーム(図示せず)によって、コンベア37に移動される。コンベア37は、ガラス基板21を紫外線照射装置32に搬送する。紫外線照射装置32は、図10(B)に示すように、塗布膜13aに向けて紫外線を照射する。これにより、塗布膜13aが硬化されて、コア層13aが形成される。なお、この紫外線照射装置32は、窒素パージ式の紫外線照射装置であり、窒素パージによって酸素を遮断した状態で塗布膜13aに紫外線を照射する。
その後、ガラス基板21が、コンベア37によって停止ステージ47に搬送され、さらに、ロボットアーム(図示せず)によって、ガラス基板21がスピンコータ33に移動される。スピンコータ33は、屈折率が1.51である紫外線硬化樹脂であるクラッド材(液体クラッド樹脂)をコア層13a上に塗布して、図10(C)に示すように、塗布膜(クラッド層)14を形成する。この時、クラッド層14の膜厚は、8μm程度にされる。その後、ロボットアーム(図示せず)によって、ガラス基板21が停止ステージ48に移動され、さらに、ラミネート装置34に移動される。
ラミネート装置34は、塗布膜14上にスタンパ52をラミネートする。このスタンパ52は、ロボットアーム38によって、スタンパストッカ39から搬送される。ロボットアーム38が、スタンパストッカ39からスタンパ52を搬出する場合、最初に、所望のスタンパ52が収納されている収納部53に、吸着部63を移動させて、図5に示すように、吸着部63の下面63aをスタンパ52の外周の端部に対面させる。
その後、ポンプ(図示せず)によって、吸着部63内の空気を吸引してスタンパ52を吸着させた後、収納部53の吸着装置54による吸引を停止する。このように、スタンパ52が吸着部63に吸着された後に、吸着装置54による吸引を停止するので、スタンパ52が変形することなく、吸着部63に確実に吸着させることができる。その後、吸着部63にスタンパ52が吸着された状態でアーム部62を移動させて、スタンパ52をラミネート装置34に搬送する。
スタンパ52をラミネート装置34にセットする場合、ロボットアーム38は、図9に示すように、スタンパ52が吸着された吸着部63をラミネート装置34のシート71a上に移動させ、スタンパ52の裏面をシート71aに近接させる。その後、ポンプ(図示せず)によって、本体71内の空気を吸引することによって、シート71a上にスタンパ52を吸着させる。その後、ロボットアーム38の吸着部63による吸引を停止する。このように、スタンパ52がシート71a上に吸着された後に、吸着63による吸引を停止するので、スタンパ52の変形や位置ずれの発生を防止することができるので、スタンパ52をシート71a上の所定位置に確実にセットすることができる。その後、ロボットアーム38は、ラミネート装置34から退避する。
また、ガラス基板21は、吸着盤32の所定位置にセットされて真空吸着される。スタンパ52を塗布膜14上にラミネートする場合、図11に示すように、吸着盤32を回動させて、塗布膜14とスタンパ52と対面させる。その後、ローラ73によってシート71aを介してスタンパ52を一定の圧力で押圧しながら、ローラ73を左右方向に移動させることにより、塗布膜14上にスタンパ52をラミネートする。また、塗布膜14の膜厚が変動しないように、ローラ73によってスタンパ52の裏面へ与える圧力を一定に保ちながらラミネートを行う。
その後、ガラス基板21は、クラッド層14上にスタンパ52がラミネートされたまま、ロボットアーム(図示せず)によって、停止ステージ49に移動され、さらに、コンベア37によって紫外線照射装置35に搬送される。紫外線照射装置35は、図12(A)に示すように、スタンパ52の裏面側から紫外線を照射する。スタンパ52は紫外線を透過させるので、紫外線が塗布膜14に照射されて硬化する。なお、塗布膜14は、コア層13aとスタンパ52との間で挟まれており、酸素の影響を受けないので、紫外線を照射する時に、窒素パージ等によって酸素を遮断する必要はない。
その後、ガラス基板21は、コンベア37によってスタンパ剥離装置36に搬送され、スタンパ52が塗布膜14から剥離されて、図12(B)に示すように、クラッド層14が形成される。このクラッド層14の表面には、スタンパ52の凹凸パターン52aが転写されて情報用凹凸部16が形成される。この情報用凹凸部16の高さは、0.1μm程度にされている。
以上の工程によって、コア層13とクラッド層14とが積層されて、1回の積層工程が終了する。その後、スタンパ52が剥離されたガラス基板31は、停止ステージ41bに搬送され、循環用コンベア45によって、基板ストッカ46に搬送されて、ガラス基板21が一時的に保管される。
その後、ガラス基板21が、循環用コンベア45によって、基板ストッカ46から停止ステージ41aに順次搬送される。その後、前述と同様の積層工程が繰り返し行われて、図12(C)に示すように、光導波路17が複数積層される。その後、ガラス基板21は、コンベア44によって搬出される。
また、スタンパ剥離装置36によって剥離されたスタンパ52は、スタンパ搬送用のコンベア50によって停止ステージ51に搬送される。この時、スタンパ52は、凹凸パターン52aが形成された面を上方に向けた状態でコンベア50上に設置されて搬送される。このため、凹凸パターン52aに傷が付くことを防止できる。
このスタンパ52を繰り返して使用する場合、ロボットアーム38によって、再びラミネート装置34に搬送される。また、スタンパストッカ39に、同じ凹凸パターン形状のスタンパ52が収納されている場合、スタンパ剥離装置36からスタンパ52が戻ってくるのを待たずに、ロボットアーム38によって、スタンパストッカ39から同じ凹凸パターンを有するスタンパ52をラミネート装置34に搬送しても良い。この場合、光メモリの製造効率を向上させることができる。
また、スタンパ52を変更する場合、ロボットアーム38によって、スタンパストッカ39からラミネート装置34に、凹凸パターンの異なるスタンパを搬送する。また、コンベア50によって、変更前のスタンパ52が停止ステージ51に搬送された時に、ロボットアーム38が、このスタンパ52を対応する収納部53に搬送する。この時、ロボットアーム38は、スタンパ52が収納部53の吸着装置54に吸着された後、吸着部63による吸引を停止する。
次に、後処理工程について説明する。後処理工程では、最初に、クラッド層14上に、コア材を塗布して塗布膜13bを形成する。この塗布膜13b上には、前述のフイルム15aと同様のフイルム15bがラミネートされる。このフイルム15bには、図13(A)に示すように紫外線が照射され、塗布膜13bが硬化してコア層13bが形成される。フイルム15bは、コア層13bによって接着される。このフイルム15b上には、硬化後の屈折率が1.51である紫外線硬化樹脂が塗布されて接着層12bが形成され、さらに、図13(B)に示すように、紫外線が照射されて接着層12bが硬化される。これにより、ユニット11が作製される。
その後、図13(C)に示すように、ユニット11がガラス基板21から剥離され、さらに、ユニット11の側端部(4面)が切断される。なお、この切断は、ダイシング加工によって行う。これは、レーザ光(入射光)が、所望のコア層13に確実に入射されるように、光導入面18の平面粗さを小さくするためである。その後、2つのユニット11を積重して、加圧及び加熱を施すことにより、接着層12を介して互いのユニット11が接着され、図1に示す光メモリ10が完成する。
前述したように、スタンパを搬送する時に、ロボットアームの吸着部によって、スタンパの外周を真空吸着させて移動させるので、フレキシブルなシート状のスタンパに折れや皺が発生して、スタンパが変形することを防止できる。
また、スタンパをスタンパストッカの収納位置にセットする時や、ラミネート装置の所定位置にセットする時に、収納位置または所定位置に吸着させた後に、ロボットアームの吸着部による吸引を停止するので、スタンパを収納位置または所定位置に確実に保持させることができる。
なお、上記実施形態において、各ユニット11が3層の光導波路17で構成される場合を例に説明したが、光導波路17の積層数は3層に限るものではなく、例えば、1層や2層でも良いし、4層以上でも良い。20層積層した場合、ユニット11の厚さは、0.4mm程度となる。
また、上記実施形態において、吸着部を正方形の枠形状にする場合を例に説明したが、これに限るものではなく、スタンパの外形に沿うように枠形状にされていれば良く、例えば、スタンパが円形の場合には、吸着部を円形の枠形状にすれば良い。
さらに、上記実施形態において、スタンパストッカの収納部、及びラミネート装置のシート71aに、スタンパ52が真空吸着される場合を例に説明したが、これに限るものではなく、スタンパ52の端部を保持部材で保持しても良い。
また、上記実施形態において、光メモリを製造する際に、光メモリの製造ライン内でスタンパ52を搬送する場合を例に説明したが、これに限るものではなく、表面に凹凸部が形成された機能性シート(例えば、電子ディスプレイ材料等)を製造する時に用いられるスタンパの搬送に本発明を適用しても良い。
10 光メモリ
13 コア層
14 クラッド層
16 情報用凹凸部
17 光導波路
21 ガラス基板
30 積層ライン
34 ラミネート装置
38 ロボットアーム
39 スタンパストッカ
52 スタンパ
53 収納部
54 吸着装置
63 吸着部
71 本体
72 吸着盤
13 コア層
14 クラッド層
16 情報用凹凸部
17 光導波路
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30 積層ライン
34 ラミネート装置
38 ロボットアーム
39 スタンパストッカ
52 スタンパ
53 収納部
54 吸着装置
63 吸着部
71 本体
72 吸着盤
Claims (8)
- フレキシブルな透明シートの表面に凹凸パターンが形成されたスタンパを液体樹脂の塗布膜上にラミネートし、前記塗布膜を硬化させた後に前記スタンパを剥離することによって、表面に凹凸部が形成された機能性シートを製造する時に、前記機能性シートの製造ライン内で前記スタンパを搬送するスタンパの搬送方法において、
前記スタンパの外形に倣って枠形状にされた吸着部を有する搬送装置を用い、前記吸着部によって前記スタンパの外周部を均一に吸着させた状態で、前記吸着部を移動させて前記スタンパを搬送することを特徴とするスタンパの搬送方法。 - 樹脂製のコア層と、樹脂製のクラッド層とが交互に積層され、前記コア層または前記クラッド層を形成する時に、フレキシブルな透明シートの表面に凹凸パターンが形成されたスタンパを液体樹脂の塗布膜上にラミネートし、前記塗布膜を硬化させた後に、前記スタンパを剥離することにより、前記コア層または前記クラッド層の一方の界面に情報再生用の凹凸部が形成された光メモリを製造する時に、前記光メモリの製造ライン内で前記スタンパを搬送するスタンパの搬送方法において、
前記スタンパの外形に倣って枠形状にされた吸着部を有する搬送装置を用い、前記吸着部によって前記スタンパの外周部を均一に吸着させた状態で、前記吸着部を移動させて前記スタンパを搬送することを特徴とするスタンパの搬送方法。 - 前記吸着部は、微小孔が多数形成された吸着面を有し、前記吸着部内の空気を吸引することによって、前記スタンパを前記吸着面に真空吸着させることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスタンパの搬送方法。
- 前記スタンパの前記凹凸パターンが形成された面を上方に向け、前記吸着部によって前記スタンパを上方から吸着させた状態で搬送することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載のスタンパの搬送方法。
- 前記吸着部は、前記凹凸パターンよりも外周の端部を吸着することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載のスタンパの搬送方法。
- 前記スタンパを前記塗布膜にラミネートするラミネート装置は、前記スタンパを所定位置で保持する第1の保持手段を備え、前記スタンパを前記所定位置にセットする時に、前記スタンパが吸着された前記吸着部を前記所定位置の近傍に移動させ、前記第1の保持手段によって前記スタンパが前記所定位置で保持された後、前記吸着部の吸引を停止することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか記載のスタンパの搬送方法。
- 前記スタンパを収納するスタンパストッカは、前記スタンパを所定の収納位置で保持する第2の保持手段を備え、前記スタンパを前記収納位置にセットする時に、前記スタンパが吸着された前記吸着部を前記収納位置の近傍に移動させ、前記第2の保持手段によって前記スタンパが前記収納位置で保持された後、前記吸着部の吸引を停止することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか記載のスタンパの搬送方法。
- 前記第1及び前記第2の保持手段は、前記スタンパを真空吸着によって保持する吸着装置であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか記載のスタンパの搬送方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005145774A JP2006321099A (ja) | 2005-05-18 | 2005-05-18 | スタンパの搬送方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013041947A (ja) * | 2011-08-12 | 2013-02-28 | Canon Inc | リソグラフィ装置及び物品の製造方法 |
-
2005
- 2005-05-18 JP JP2005145774A patent/JP2006321099A/ja active Pending
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