JP2001264557A - 光メモリ素子 - Google Patents

光メモリ素子

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JP2001264557A
JP2001264557A JP2000079486A JP2000079486A JP2001264557A JP 2001264557 A JP2001264557 A JP 2001264557A JP 2000079486 A JP2000079486 A JP 2000079486A JP 2000079486 A JP2000079486 A JP 2000079486A JP 2001264557 A JP2001264557 A JP 2001264557A
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JP
Japan
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layer
resin
optical memory
core layer
cladding
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Withdrawn
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JP2000079486A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ishihara
啓 石原
Yasutsugu Yamauchi
康嗣 山内
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断加工時及び加工後に層間において剥離す
ることがなく、安価かつ早期に製造できる光メモリ素子
を提供する。 【解決手段】 樹脂製コア層と、該樹脂製コア層の両面
部に積層された樹脂製クラッド層を備えるとともに、該
コア層と該クラッド層との界面の少なくとも一方に情報
用凹凸部が設けられた光導波部材を1又は複数個有する
光メモリ素子であって、該素子の周縁部の、該コア層と
該クラッド層との両界面の少なくとも一方に粗面部が設
けられてなる光メモリ素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光メモリ素子に関
し、特に、光導波路デバイスを用いた光メモリ素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、予め所定の散乱光を生じるように
パターンが刻まれた平面型の光導波路中に光を導入し、
光導波面の外部に画像を結像させる技術が提案されてい
る(IEEE Photon. Technol. Lett., Vol.9, pp.958-96
0, July 1997等参照)。即ち、例えば、図5に模式的に
示すように、光導波路として機能するように、屈折率や
膜厚を調整されたコア層101と、このコア層101を
挟む形でその両側(両面部)に設けられた(第1、第2
の)クラッド層102とを備えてなるカード型スラブ型
光導波路デバイス100において、コア層101とクラ
ッド層102との界面に微細な凹凸が存在していた場
合、コア層(光導波路)101にレンズ103を介して
光(レーザ光)を導入すると、導入光の一部がその凹凸
部分で散乱し、散乱光がクラッド層102を通じて外部
に出てくる。
【0003】従って、光導波面(光導波路101)から
所定距離に特定の画像が結像するような光の散乱強度と
位相とを計算し、その計算に応じた微細な凹凸パターン
を予めコア層101に刻み込んでおけば、光導波面の外
部に所望の画像を結像させることができる。つまり、コ
ア層101は情報の記録層として機能することになる。
【0004】そして例えば、光導波面の外部に出てきた
散乱光を上記所定距離に設置したCCD受像機104に
より受光して、結像画像を2次元のディジタルパターン
(例えば明暗の2値パターン、もしくは明度(グレイス
ケール)による多値のパターン等)化してディジタル信
号化すれば、既存のディジタル画像処理装置(図示省
略)で結像画像に対し、所望の画像処理を実施すること
ができる。
【0005】また、例えば、上記のクラッド層102/
コア層101/クラッド層102を繰り返し積層して、
光導波路(記録層)101を複数個積層した場合、或る
光導波路101で散乱した光は、別の光導波路101を
横切ることになるが、通常、コア層101とクラッド層
102の屈折率差が極めて小さいので、その散乱光が別
の光導波路101に形成された凹凸で再散乱することは
殆ど無く、結像画像が乱れることはない。従って、積層
数に比例して数多くの画像やパターンを結像できること
になる。
【0006】つまり、光導波路デバイス100はその積
層数に比例した容量を有する光メモリ素子(ROM等の
記録媒体)として使用できるのである。なお、この光メ
モリ素子は、理論上では、1層で約1ギガバイト程度の
容量を持たせることができ、100層程度まで積層する
ことが可能であるといわれており、将来的には動画像の
記録等に十分対応できる大容量ROMとして使用される
ことが有望視されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、光導
波路デバイス100のコア層101における上記の微細
な凹凸パターンは、例えば、次のような手法で形成され
る。即ち、まず(第1の)クラッド層102となる平板
状のガラス等の上にフォトレジストを塗布し、光あるい
は電子線等の露光とその現象によりそのガラス(クラッ
ド層102)上に、結像させたい像に応じたピット(凹
凸パターン)を形成する。
【0008】その後、その凹凸パターン上にコア層10
1を形成する。これにより、凹凸パターンの形成された
コア層101が作製され、このコア層101上にさらに
第2のクラッド層102を形成することにより、1層分
の光導波路デバイス(光メモリ素子)100が作製され
る。これを繰り返すことによって、多層構造の光メモリ
素子(以下、「多層光メモリ」ということがある。)が
作製される。
【0009】しかしながら、このような露光と現像とを
用いた手法では、1層分の光メモリ素子100の作製に
非常に時間及びコストがかかってしまうので、大容量の
多層光メモリを作成するには、膨大な時間とコストがか
かるという課題がある。本発明はこのような課題に鑑み
創案されたもので、コア層及びクラッド層を樹脂製にす
ることで、上記の凹凸パターンを簡易に形成できるよう
にして、光メモリ素子を容易かつ安価に実現できるよう
にするとともに、限られた体積でより大容量の情報を保
持できる光メモリ素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、樹脂製
コア層と、該樹脂製コア層の両面部に積層された樹脂製
クラッド層を備えるとともに、該コア層と該クラッド層
との界面の少なくとも一方に情報用凹凸部が設けられた
光導波部材を1又は複数個有する光メモリ素子であっ
て、該素子の周縁部の、該コア層と該クラッド層との両
界面の少なくとも一方に粗面部が設けられてなることを
特徴とする光メモリ素子に存する(請求項1)。
【0011】好ましくは該粗面部が剥離防止用凹凸部で
あり(請求項2)、より好ましくは該コア層と該クラッ
ド層との界面のうち、情報用凹凸部が設けられる側に設
けられてなる(請求項3)。最も好ましくは、情報用凹
凸部及び剥離防止用凹凸部が、スタンパからの転写によ
り形成されている(請求項4)。光メモリ素子として好
ましい構成は、光導波部材が2以上積層された光メモリ
素子であって、各光導波部材間に樹脂製基体層が設けら
れてなる(請求項5)。或いは、基体の少なくとも一面
に、樹脂製クラッド層と樹脂製コア層からなりかつ両層
の界面に情報用凹凸部が設けられてなる樹脂製クラッド
/コア部材が2以上積層されてなる光メモリ素子であっ
て、該素子の周縁部の、該コア層と該クラッド層との界
面の少なくとも一方に粗面部が設けられてなる。本構成
は即ち、請求項1に係る光メモリ素子において、隣接す
るコア層の間に一層のクラッド層があり、そのクラッド
層を両コア層が共用している状態を指す。(請求項
6)。
【0012】本発明の光メモリ素子(請求項1)による
と、コア層とその両面部に積層されるクラッド層とがい
ずれも樹脂製なので、従来のようにフォトレジストの露
光と現像とを用いることなく、スタンパの転写により凹
凸のついたコア層を簡単に形成することができる。従っ
て、個々の光導波部材を極めて容易に短期間で大量生産
することが可能となり、この光導波部材を多層に積層し
た多層構造の光メモリ素子を安価かつ早期に提供するこ
とができる。
【0013】また、素子の周縁部の、コア層とクラッド
層との界面に粗面部を設けてこの部分での両層の接着力
を強めたので、素子を所定形状に切断する際及び切断後
の界面での剥離を抑えることができる。粗面部を剥離防
止用凹凸部により構成すれば、情報用凹凸と同様の手法
で形成でき、両者を一工程で短時間かつ簡便に形成する
ことができ製造工程上好ましい。また、凹凸形状や領域
を調節することで接着力のコントロールが容易にできる
(請求項2、3、4)。
【0014】また、本発明の光メモリ素子(請求項5)
によると、各光導波部材間に樹脂製基体層を設けたの
で、薄くかつ強度の高い光メモリ素子とすることができ
る。或いは、本発明の光メモリ素子(請求項6)による
と、1層のクラッド層がその両側のコア層のクラッド層
を兼ね、さらに各光導波部材間の接着剤及び基体を不要
としたので、多層光メモリの厚みをさらに薄くして小型
化を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明につ
いて詳細に説明する。本発明の光メモリ素子は、樹脂製
コア層と、該樹脂製コア層の両面部に積層された樹脂製
クラッド層を備えるとともに、該コア層と該クラッド層
との界面の少なくとも一方に情報用凹凸部が設けられた
光導波部材を1又は複数個有する光メモリ素子であっ
て、該素子の周縁部の、該コア層と該クラッド層との両
界面の少なくとも一方に粗面部が設けられてなる。
【0016】粗面部としては、剥離防止用の凹凸部を作
成するほか、層表面の所定部分を化学的にまたは物理的
に粗面化する、或いは所定の型からの転写により粗面化
するなどの方法が用いうる。化学的粗面化手法には例え
ばドライエッチングやウエットエッチングなどがある。
中でも、粗面部を剥離防止用凹凸部により構成するのが
好ましい。情報用凹凸と同様にスタンパーからの転写に
よって形成できるため、両者を一工程で短時間かつ簡便
に形成することができ製造工程上好ましい。また、凹凸
形状や領域を調節することで接着力のコントロールが容
易にできる。
【0017】以下では、剥離防止用凹凸部を形成する態
様についてより具体的に説明する。始めに、図4(A)
に示すように、表面に結像させたい画像(情報)に応じ
た所望の凹凸パターン11(凹凸形状;ピット)の刻ま
れたスタンパ1上に、所定の膜厚となるようにコア剤
(液状コア樹脂)2を塗布する。また、スタンパ上に
は、画像に対応した出力信号用(情報用)凹凸パターン
11以外に、最終的に各素子に切断される部分の周囲に
も剥離防止用凹凸パターン12を設ける。スタンパ上の
剥離防止用凹凸パターン12の作製は、両パターン間の
アライメント精度が許す限り、別々の方法で作製しても
よいが、出力信号用(情報用)凹凸パターン11と同時
に行うことが好ましい。
【0018】このコア剤2には、本実施形態では、紫外
線(UV光)を照射することにより硬化する紫外線硬化
性樹脂剤から成るものを使用し、このようにスタンパ1
へ塗布した後、紫外線を照射して完全に硬化させること
で樹脂製のコア層2を形成する。次に、このようにコア
剤2を完全硬化させた後、図4(B)に示すように、そ
の上に、コア層2よりも屈折率の小さい紫外線硬化性樹
脂剤から成るクラッド剤(液状クラッド樹脂)3を塗布
し、紫外線照射により硬化させてコア層2よりも屈折率
の小さい樹脂製クラッド層3aを形成する。
【0019】その後、図4(C)に示すように、上記の
クラッド層3a上に、クラッド剤3aと同じクラッド剤
3bを塗布し、その上から樹脂製基体層となる樹脂フィ
ルム(樹脂製フィルム部材)4を、例えばローラ等を用
いて加圧しながら貼着(ラミネート)していく。つま
り、クラッド層3aにクラッド剤3bを介して樹脂フィ
ルム4をラミネートする。
【0020】かかる状態で、紫外線を照射してクラッド
剤3bを硬化させれば、クラッド層3aと同じ材質のク
ラッド層3bが形成されると共に、樹脂フィルム4の接
着が行われる。ここで、クラッド層3a,3bはいずれ
も同じクラッド剤から成るので、1層分のクラッド層3
として機能する。そして、図4(D)に示すように、樹
脂フィルム4上に、クラッド剤5を塗布し、紫外線照射
により硬化させる。そして図4(E)に示すように、ス
タンパ1から、上記のコア層2とクラッド層3(3a,
3b)と樹脂フィルム4とクラッド層5とを一体に剥離
(分離)する。
【0021】この部材2345を複数個用意し、これら
をクラッド剤を接着剤として互いに積層することによ
り、図4(F)に示すような光メモリ素子用積層体20
が作製される。次に、図2に示すこの光メモリ素子用積
層体20を、仮想的な切断線13に沿って、ダイシング
ソー、打ち抜き機、レーザー等により、各素子のサイズ
に切り出すことによって、図1に示す、実際に使用可能
な光メモリ素子10に加工することができる。図3はこ
のようにして加工形成した光メモリ素子10の断面図で
ある。
【0022】ここで、上記プロセスにおいて、剥離防止
用凹凸パターン12が各素子を切り出す箇所の周囲にな
い場合、各部材の層間の接着力が不十分なため、切断加
工時又は加工後に各層が剥離してしまう。本発明の光メ
モリ素子においては、情報を正確に再生するためにはコ
ア層の膜厚が均一であることが重要であり、このためコ
ア/クラッドの界面はできるだけ平滑としているが、反
面、平滑であるためにコア/クラッド間の接触面積が低
下し、接着強度が不十分となる傾向がある。
【0023】その結果、切断力等の作用により、容易に
層間の剥離が生じてしまう。切断力の作用は切断箇所周
囲が最も大きく、従って、光メモリ素子周縁部のコア/
クラッド間の接着強度を特に高める必要がある。ここ
で、コア/クラッド界面のうち、スタンパからの転写面
ではない面(例えば、図4(E)のコア層2とクラッド
層3の界面)に関しては、クラッド層3aを塗布する前
のコア層2の硬化条件を最適化し、該コア層の硬化状態
を弱めることにより、該コア/クラッド界面の接着強度
を十分に高めることができる。
【0024】しかし、スタンパからの転写パターンの存
する側のコア/クラッド界面では、該コア層2を硬化さ
せた後、(図4(E)において)部材2345を剥離す
るまでの間に複数層のUV樹脂層を硬化させる必要があ
り、硬化条件の変化による接着強度の改善が難しい。従
って、特に、情報用凹凸パターンが設けられる側のコア
/クラッド界面に剥離防止用凹凸パターンを設けること
が好ましい。勿論、必要に応じて、他の層間にも剥離防
止用凹凸パターンを設けてもよい。
【0025】本実施の形態においては、コア/クラッド
界面のスタンパからの転写パターンの存する側に、切断
箇所周囲にも凹凸パターンがあるために、コア/クラッ
ドの接触面積を増加させることができ、切断加工中にも
層間の剥離が生じない十分な接着力を得ることができ
る。また、本実施の形態によれば、スタンパのパターン
を変更するだけで剥離防止効果を得ることができ、製造
工程を複雑にすることがないという利点がある。
【0026】本発明において、粗面部を設ける領域につ
いては、積層体からの素子の切断時に剥離防止効果を得
るためには切断処理によって取り除かれる部分よりも広
くとる必要がある。切断方法によって切りしろの大きさ
や切断条件が異なるため、該領域を設ける好ましい範囲
も各切断方法によって異なるが、一般的には、素子の周
縁部の素子端面から幅0.1mm以上の範囲にわたって
設けることが好ましく、また素子端面から幅1cm以下
が好ましい。
【0027】粗面部は、素子の周縁部(切断部)全域に
設けられていることが望ましいが、間欠的でもよい。こ
の場合、全周の50%以上に凹凸部があることが好まし
い。なお、光メモリ素子へ光を入射する端面(図1参
照)については、粗面部による入射光の散乱を抑制する
ために、粗面部を設けない、もしくは粗面部の範囲をよ
り小さくする、もしくは出力信号用凹凸パターンを該入
射端面からある一定の距離だけ離しておくことが望まし
い。なお、出力信号用凹凸パターンを入射端面から離す
場合、その距離については、5mm以上が望ましい。
【0028】剥離防止用凹凸部のパターン形状について
は、網目模様、縞模様等が挙げられるが、基本的にはど
のようなパターンでも効果を得ることができる。より効
果を上げるためには、凹凸部の深さをより深く、凹凸部
の周期をより短く、凹と凸の面積比を同じにすることが
より望ましい。但し、スタンパ上に剥離防止用凹凸部を
作製する場合、スタンパ作製プロセスの点から、剥離防
止用凹凸部の深さ、パターン幅、周期は情報用凹凸部と
同じ値であることが好ましい。好ましくは、凹凸の深さ
を5nm以上とし、より好ましくは10nm以上とす
る。ただし、コア層又はクラッド層の層の厚さが厚くな
りすぎないよう、500nm以下とするのが好ましい。
より好ましくは200nm以下とする。凹凸の幅及び長
さはいずれも1μm以下が好ましい。ただし、パターン
作成の容易さから、通常、10nm以上とする。
【0029】本実施の形態において、上記のコア剤に
は、塗布時には液体で、その後、硬化させることのでき
る樹脂であればどのような樹脂を適用してもよいが、好
適な物質としては、例えば、紫外線硬化性樹脂などの光
硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等が挙げられる。ただし、上
述のごとくスタンパによる転写を行なう場合には、光硬
化性樹脂を適用するのが好ましく、例えば、アクリル
系,エポキシ系,チオール系の各樹脂などがよい。
【0030】また、上記のクラッド剤は、透明で屈折率
がコア剤よりも僅かに小さい物質(樹脂)であれば何で
も良いが、各種樹脂製のクラッド剤を塗布すると簡便で
ある。光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等から成るクラッド
剤は樹脂フィルムとの接着性に優れ、好適である。ま
た、コア剤、クラッド剤の塗布方法には、例えば、スピ
ンコート法,ブレードコート法,グラビアコート法,ダ
イコート法等があるが、塗布膜厚と均一性を満足すれば
どのような塗布方法を用いてもよい。
【0031】樹脂フィルムには、具体的には、ポリカー
ボネート,アートン(JSR社製),PET(ポリエチ
レンテレフタレート),PEN(ポリエチレンナフタレ
ート)等の光学特性に優れる(PENはさらに耐熱性に
も優れる)熱可塑性の樹脂フィルムが好適(特に、上記
のPETやPENはいずれも均一な厚みのフィルムを得
られやすいので好適)で、これらのいずれかを熱延伸或
いは溶媒キャスト等の方法で、例えば100μm以下の
厚さにしたものがよい。
【0032】コア層,クラッド層の膜厚については、コ
ア層,クラッド層が光導波路として機能するだけの膜厚
であればよく、例えば、使用光波長域が可視光の波長域
であれば、コア層はおおよそ0.5〜3.0μm程度に
なると考えられる。この場合、クラッド層の膜厚に関し
ては特に制限は無いが、全体の厚みを薄くすることを考
慮すれば、100μm以下にするのが好ましい。あえ
て、下限を規定するなら、0.1μm以上になると思わ
れる。
【0033】また、本実施の形態では、積層される各コ
ア/クラッド部材間に樹脂製基体層が設けられている
が、部材間に樹脂製基体層がない構成でもよい。例え
ば、基体の少なくとも一面に、樹脂製クラッド層と樹脂
製コア層からなりかつ両層の界面に情報用凹凸部が設け
られてなる樹脂製クラッド/コア部材が2以上積層され
てなる光メモリ素子にも適用可能である。
【0034】このような光メモリ素子は例えば以下のよ
うに作成できる。まず、出力信号用凹凸パターンと剥離
防止用凹凸パターンを形成したスタンパ上に、所定の膜
厚となるようにコア剤(液状コア樹脂)を塗布する。こ
のコア剤には、例えば紫外線(UV光)を照射すること
により硬化する紫外線硬化性樹脂剤から成るものを使用
し、スタンパへ塗布した後、紫外線を照射して完全に硬
化させることで樹脂製のコア層を形成する。
【0035】次に、コア層上に、コア層よりも屈折率の
小さい紫外線硬化性樹脂剤から成るクラッド剤(液状ク
ラッド樹脂)を塗布し、紫外線照射により硬化させてコ
ア層よりも屈折率の小さい樹脂製第一クラッド層を形成
する。その後、上記第一クラッド層上に、該クラッド剤
と同じクラッド剤を塗布し、その上から基体となる樹脂
フィルム(樹脂製フィルム部材)を、例えばローラ等を
用いて加圧しながら貼着(ラミネート)していく。つま
り、第一クラッド層にクラッド剤を介して樹脂フィルム
をラミネートする。
【0036】かかる状態で、紫外線を照射してクラッド
剤を硬化させれば、第一クラッド層と同じ材質の第二ク
ラッド層が形成されると共に、樹脂フィルムの接着が行
われる。ここで、第一、第二クラッド層はいずれも同じ
クラッド剤から成るので、1層分のクラッド層として機
能する。そしてスタンパから上記のコア層とクラッド層
と樹脂フィルムとを一体に剥離(分離)する。
【0037】次に、次層の所望の凹凸パターンが刻まれ
た他のスタンパ上に同様にコア層、第一クラッド層をそ
れぞれ塗布、紫外線照射による硬化により形成する。そ
の後、上記第一クラッド層上に同じクラッド剤を塗布
し、その上から、上述のように作成したコア/クラッド
部材を貼着する。紫外線照射により、クラッド剤を硬化
した後、スタンパから、上記のコア層とクラッド層とコ
ア/クラッド部材とを一体に剥離する。
【0038】以上のプロセスを繰り返すことにより、基
体の少なくとも一面に、樹脂製クラッド層と樹脂製コア
層からなり、かつ両層の界面に凹凸部が設けられて成る
樹脂製クラッド/樹脂製コア部材が、2つ以上積層され
てなる光メモリ素子用積層体が作成できる。これを、前
述の切断方法により所望の素子サイズに切断すること
で、光メモリ素子を得ることができる。
【0039】
【実施例】以下に実施例をもって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1 表面に、深さ55nm、幅230nm×230nmの凹
部が周期780nmで設けられた凹凸パターンを全面に
有する、金属ニッケルからなるスタンパ(以下、第一ス
タンパと称する。)上に、クラッド層となるアクリル系
紫外線硬化樹脂(屈折率n=1.4880)を塗布した
後、紫外線を照射して硬化させ、10μm厚のクラッド
層を形成した。なお、形成したクラッド層の屈折率は
1.5225であった。
【0040】このクラッド層上に5μm厚のクラッド剤
を塗布した後、厚さ100μmのアートンフィルム部材
(JSR社製)を、ゴムローラーで圧着しながら、ゆっ
くりと貼着した。この上から紫外線を照射して(800
mJ/cm2)、フィルム部材をクラッド層と接着し
た。さらに該フィルム部材の上にクラッド剤を塗布した
後、紫外線を照射して(800mJ/cm2)硬化さ
せ、10μm厚のクラッド層を形成した。そして、スタ
ンパからクラッド層とアートンフィルムとクラッド層と
を一体に分離した。(これを第1部材と呼ぶ。)次に、
表面にパターンがない、金属ニッケルからなるスタンパ
(以下、第二スタンパと称する。)上に、5μm厚のク
ラッド剤を塗布した後、第1部材を上下反転させ、第1
部材の転写パターンが第二スタンパと対向しない側にな
るようにして、ゴムローラーで圧着しながら、ゆっくり
と貼着した。この上から紫外線を照射(800mJ/c
2)して、第1部材をクラッド層と接着した。
【0041】さらに該第1部材の上にアクリル系紫外線
硬化樹脂からなるコア剤(屈折率n=1.4894)を
塗布した後、紫外線を照射して(2400mJ/c
2)硬化させ、1.8μm厚のコア層を形成した。な
お、形成したコア層の屈折率は1.5300であった。
このコア層上に、5μm厚のクラッド剤を塗布した後、
厚さ100μmのアートンフィルム部材(JSR社製)
を、ゴムローラーで圧着しながら、ゆっくりと貼着し
た。この上から紫外線を照射して(800mJ/c
2)、フィルム部材をクラッド層と接着した。そし
て、第二スタンパからクラッド層と第1部材とコア層と
クラッド層とアートンフィルムとを一体に分離し、光メ
モリ素子積層体を作製した。
【0042】これを、ダイシングソーを用いて、クロス
カットテストを行った。積層体から4mm×5mmのサ
イズに素子を切断したものを20サンプル準備し、それ
ぞれについて、セロハンテープ(ライオン製)を一旦貼
り付けたのち剥がす剥離試験を行った。結果、20サン
プル中、剥離したものは0サンプルであった。
【0043】次に、同積層体からさらに20サンプルを
切り出し、同様に剥離試験を行ったところ、20サンプ
ル中、剥離したものは0サンプルであった。比較例1第
一スタンパに代えて表面にパターンのない金属ニッケル
からなるスタンパ(以下、第三スタンパと称する。)を
用いたこと以外は、実施例1と同様に第一部材を作製
し、光メモリ素子積層体を作製した。
【0044】これを、ダイシングソーを用いて、クロス
カットテストを行った。積層体から4mm×5mmのサ
イズに素子を切断したものを20サンプル準備し、それ
ぞれについて、セロハンテープ(ライオン製)を一旦貼
り付けたのち剥がす剥離試験を行った。その結果、20
サンプル中、剥離したものは8サンプルであった。
【0045】次に、同積層体からさらに20サンプルを
切り出し、同様に剥離試験を行ったところ、20サンプ
ル中、剥離したものは8サンプルであった。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の光メモリ素
子によれば、切断加工時及び加工後に層間において剥離
することがないので、光メモリ素子を切断加工すること
が可能となり、多層構造の実用的な光メモリ素子を安価
にかつ容易に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光メモリ素子の模式図
【図2】本発明の光メモリ素子の切断方法を説明するた
めの模式図
【図3】本発明の光メモリ素子の模式的側面図
【図4】本発明の実施形態としての光メモリ素子の製造
方法を説明するための模式的側面図
【図5】従来の光メモリ素子の動作原理を説明するため
の模式的斜視図
【符号の説明】
1 スタンパ 2 コア剤(液状コア樹脂;コア層) 3、3a、3b クラッド剤(液状クラッド樹脂;ク
ラッド層) 4 樹脂フィルム(樹脂製基体層) 5 クラッド剤[液状クラッド樹脂;クラッド層(収
縮バランス用)] 2345 積層体 10 光メモリ素子 11 出力信号用(情報用)凹凸パターン 12 剥離防止用凹凸パターン 13 切断線 20 光メモリ素子用積層体 100 光導波路デバイス 101 コア層 102 クラッド層 103 レンズ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製コア層と、該樹脂製コア層の両面
    部に積層された樹脂製クラッド層を備えるとともに、該
    コア層と該クラッド層との界面の少なくとも一方に情報
    用凹凸部が設けられた光導波部材を1又は複数個有する
    光メモリ素子であって、該素子の周縁部の、該コア層と
    該クラッド層との両界面の少なくとも一方に粗面部が設
    けられてなることを特徴とする光メモリ素子。
  2. 【請求項2】 該粗面部が剥離防止用凹凸部である請求
    項1に記載の光メモリ素子。
  3. 【請求項3】 該コア層と該クラッド層との界面のう
    ち、情報用凹凸部が設けられる側に粗面部が設けられて
    なる請求項1又は2に記載の光メモリ素子。
  4. 【請求項4】 上記情報用凹凸部及び剥離防止用凹凸部
    が、スタンパからの転写により形成されている請求項1
    乃至3のいずれかに記載の光メモリ素子。
  5. 【請求項5】 光導波部材が2以上積層された光メモリ
    素子であって、各光導波部材間に樹脂製基体層が設けら
    れてなる請求項1乃至4のいずれかに記載の光メモリ素
    子。
  6. 【請求項6】 光メモリ素子が、樹脂製クラッド層と樹
    脂製コア層からなりかつ両層の界面に情報用凹凸部が設
    けられてなる樹脂製クラッド/コア部材を、基体の少な
    くとも一面に、2以上積層してなる光メモリ素子であっ
    て、該素子の周縁部の、該コア層と該クラッド層との界
    面の少なくとも一方に粗面部が設けられてなる請求項1
    乃至4のいずれかに記載の光メモリ素子。
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