JP2008058530A - 押し出しラミネートによる導波路作製方法および金型の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クラッドフィルム42上に、コア材43を付与し、該コア材43上にソフトスタンパ44の凸部45および凹部46が接触するように配置する。次いで、ソフトスタンパ44における凹凸が形成された面と対向する面について、ソフトスタンパ44とコア材43が接触している領域に対向する位置から、所定の方向に向かって圧力を印加しながらコア形成に余分なコア材を押し出し、クラッドフィルム42と凹部46との間の空間にコア材48を残しながら、押し出しラミネートを行う。次いで、コア材48を硬化して、ソフトスタンパ44をクラッドフィルム42から剥離する。
【選択図】図4
Description
従来では、高分子導波路の作製方法として、直接露光法、ナノインプリント法が挙げられる。
まず、基板1上に、コア材である紫外線硬化型樹脂2を塗布する(図1(a))。紫外線硬化型樹脂2は、後述のように硬化することによってコアとなる。次いで、紫外線硬化型樹脂2上にフォトマスク3を配置して、紫外線4を照射する(図1(b))。すなわち、フォトマスク3を通して紫外線4を紫外線硬化型樹脂2に対して照射する。この照射により、図1(b)に示すように、紫外線硬化型樹脂2のうち、紫外線4が照射された領域は硬化部分5となる。次いで、溶剤により、紫外線硬化型樹脂2のうち未硬化部分を流しとる(現像する)ことによって硬化部分5が残り、硬化部分5は、コア6となる(図1(c))。このようにして直接露光法により高分子導波路が作製される。
一方の面に凹凸部を有する金型22を、該凹凸部が接するようにしてクラッド21に押し当てる(図2(a))。そして、加熱しながら金型22の凹凸部に対向する面の全面から圧力を加えることによって、クラッド21に金型22の凹凸を熱転写する(図2(b))。この熱転写によって、クラッドには凹凸部に対応した凹部23が形成される。次いで、コア材である紫外線硬化型樹脂24をクラッド21の、凹部23が形成された面に塗布して、凹部23に紫外線硬化型樹脂24を流し込み、紫外線を照射することによって紫外線硬化型樹脂24を硬化する(図2(c))。このとき、クラッド21の一面では、凹部23および凹部23以外の領域に紫外線硬化型樹脂24が存在している。
クラッド31上に、コア材となる紫外線硬化型樹脂32を塗布する(図3(a))。次いで、一方の面に凹凸部を有する金型33を、紫外線硬化型樹脂32に圧力をかけて押し当て、金型33の凹凸を転写する(図3(b))。すなわち、紫外線硬化型樹脂32と凹凸部とが接するように金型33を配置してから、金型33の凹凸部に対向する面の全面から圧力をかける。この金型33の全面からの圧力により、金型33の凹部に紫外線硬化型樹脂32が侵入し、それ以外の紫外線硬化型樹脂32はクラッド31外へと押し出される。次いで、紫外線を照射することによって、凹部に存在する紫外線硬化型樹脂34を硬化し、金型33をクラッド31から取り外す。すると、クラッド31上にコア35が形成された高分子導波路が作製される(図3(c))。
本発明の一実施形態では、可撓性を有する金型(以下、ソフトスタンパとも呼ぶ)を用い押し出しラミネートを行うことによって、クラッド上にコアを形成して高分子導波路を作製する。本発明の一実施形態は、主に以下の手順により高分子導波路が作製される。
図4(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る高分子導波路の作製方法を説明する図である。
本工程では、クラッドに対して、後に硬化されてコアとなる、所定の粘性を有するコア材を付与して、該コア材をクラッド上の少なくとも一部に存在させる。
図4(b)において、一方の面に凸部45および凹部46を有するソフトスタンパ44を、凸部45および凹部46がコア材43に接触させるようにしてソフトスタンパ44を配置する。すなわち、ソフトスタンパ44を、コア材43を介してクラッドフィルム42と貼り合わせる。なお、凸部45および凹部46は、後述の押し出しラミネート工程においてソフトスタンパ44をクラッドフィルム42に張り合わせた際に形成されるコア材48が、所望の導波路形状となるようにソフトスタンパ44に形成されている。このとき、後述のローラの移動開始位置において、少なくともソフトスタンパ44の一部とコア材43の一部とが接触していることは言うまでもない。
同様に本明細書において、「凹部」とは、ある面に形成された窪み状のものを含む。また、ある面に形成された凸部以外の領域も含む。すなわち、ある面に凸部が形成されると、凸部から見るとそれ以外の領域は窪んだものと見ることができるからである。
図4(c)において、ソフトスタンパ44の一方端において、ローラ47をソフトスタンパ44の凹凸が形成されている面と対向する面に押し当てる。次いで、上記一方端から他方端に向かって(図中の矢印方向)、ソフトスタンパ44に対して面ではなく線で圧力印加するように、所定の圧力をかけながら、ソフトスタンパ44との相対速度が0となるように、ローラ47を転がして、押し出しラミネートを行う。
図4(d)において、紫外線を照射することによって、コア材48を硬化して、コア49を形成する。このとき、ソフトスタンパ44または作業基板41のうち、紫外線に対して透明な材料である方から紫外線をコア材48に照射するようにすれば良い。上記硬化が終了したら、ソフトスタンパ44をクラッドフィルム42から剥離する。このようにして、クラッドフィルム42上にコア49を形成して、リッジ型の高分子導波路を作製する。
図6は、本実施形態に係る、ソフトスタンパを作製するための金型を示す図である。
ソフトスタンパ用の金型(grandmather(GM)とも呼ぶ)作製工程
図6において、硬質ポリイミドを材料とする板61に、エンドミルおよびテーパー付回転歯にて溝加工と傾斜面加工とを行い、コア形状の凸部62、凹部63、および傾斜面64を形成する。すなわち、領域65を縁として残すように凹部63を形成し、かつ凹部63内に凸部62を形成する。この板61に形成された凸部62、凹部63、傾斜面64が後にクラッド上に転写されることになる。
このようにして、GM60が作製される。
作製されたGM60の凹部63にシクロオレフィン樹脂(メシチレン80%溶液)を滴下し、スピンコートにてGMの加工表面全体に広げる。シクロオレフィン樹脂の硬化(自然乾燥)後、接着剤をスピンコートし、シクロオレフィンフィルムを接着し、GMから剥離する。この剥離したものが、図7に示すソフトスタンパ70である。上記接着剤は硬化されたシクロオレフィン樹脂とシクロオレフィンフィルムとを接着する目的で塗布される。
作業基板としてのガラス基板上に、クラッドフィルムとしてのアートンフィルムを接着し、アートンフィルム上にコア材としての紫外線硬化型エポキシ樹脂を滴下する。次いで、紫外線硬化型エポキシ樹脂をアートンフィルムの全面に広げるようにガラス基板を傾ける。このガラス基板の傾けにより、アートンフィルム全面に紫外線硬化型エポキシ樹脂が配置される。
また、本実施形態では、コア材として紫外線硬化型の樹脂を用いているが、これに限らず、熱硬化型の樹脂を用いても良い。
上記アートンフィルム上の紫外線硬化型エポキシ樹脂上に、ソフトスタンパ70を、凸部72および凹部73が紫外線硬化型エポキシ樹脂と接するように、かつ気泡が入らないようにラミネートする。すなわち、ソフトスタンパ70は可撓性を有するので、ガラス基板の一方端から接触させ、曲げながら徐々に他方端に向かって張り合わせていくことによって、気泡の混入を低減させながら、ソフトスタンパ70を紫外線硬化型エポキシ樹脂を介してアートンフィルムに貼り合わせることができる。
ソフトスタンパ70において、紫外線硬化型エポキシ樹脂と接する面(凸部72および凹部73とが形成された面)に対向する面における一方端に円筒形のローラを押し当てる。このとき、ローラが押し当てられた面と対向する面(ローラの移動開始位置)に紫外線硬化型エポキシ樹脂が配置されていることは言うまでも無い。次いで、ソフトスタンパ70の、一方端から他方端に向かって、ローラ接触線のソフトスタンパ70との相対速度が0となるように、ローラを転がしつつ、10kg/cmの圧力で押し付ける。このようにして押し出しラミネートを行うことによって、上記ローラの移動と共に余分な紫外線硬化型エポキシ樹脂が押し出される。このローラの移動が終了すると、コア形成に余分な紫外線硬化型エポキシ樹脂が除去され、凹部73に紫外線硬化型エポキシ樹脂が残った状態となる。
次いで、紫外線を照射して、上記凹部73に残った紫外線硬化型エポキシ樹脂を硬化させ、ソフトスタンパ73をアートンフィルムから剥離する。この剥離した状態を図8に示す。
図8において、ガラス基板81上にアートンフィルム82が形成されており、アートンフィルム82上に、硬化後の紫外線硬化型エポキシ樹脂83、およびコア84が形成されている。コア84は硬化後の紫外線硬化型エポキシ樹脂からなり、ミラー面85が形成されている。
第1の実施形態では、コア材を、クラッドの全面に配置している。本実施形態では、コア材をクラッドの全面に配置しない形態について説明する。
すなわち、本実施形態では、少なくとも、ソフトスタンパ70の張り合わせと共に広げた際に、凹部73に充填される程度の量の紫外線硬化型エポキシ樹脂を、アートンフィルムの一方端近傍に配置し(少なくともローラの移動開始位置に配置し)、ソフトスタンパ70を上記一方端から他方端に向かってローラを移動させることにより、アートンフィルムにソフトスタンパ73を張り合わせながら、紫外線硬化型エポキシ樹脂をアートンフィルム上に広げ、かつ凹部73に紫外線硬化型エポキシ樹脂を充填していく。
図9(a)に示すように、ガラス基板91上に形成されたアートンフィルム92の一方端に紫外線硬化型エポキシ樹脂93を配置する。この位置は、押し出しラミネートに用いるローラの移動開始位置である。次いで、上記一方端にソフトスタンパ70の一方端を接するようにし、該ソフトスタンパ70が接する面と対向する面にローラ94を押し当てる。すなわち、このローラ94を上記移動開始位置で押し当てる。このようにして、ソフトスタンパ70の一部を紫外線硬化型エポキシ樹脂93と接触させ、ソフトスタンパ70の、該接触した領域に対向する面にローラ94を当接させる。
上述の実施形態では、導波路作製時のハンドリングの点からガラス基板上にクラッドフィルムを接着する等して、基板上にクラッドを形成しているが、このような基板を用いず、クラッドフィルム等、クラッド単体上にコアを形成するようにしても良い。
42 クラッドフィルム
43、48 コア材
44 ソフトスタンパ
45 凸部
46 凹部
47 ローラ
51 コア
52 ミラー
60 GM
61 板
62 凸部
63 凹部
64 傾斜面
70 ソフトスタンパ
71 シクロオレフィンフィルム
72 凸部
73 凹部
74 傾斜面
81、91 ガラス基板
82、92 アートンフィルム
83、93 紫外線硬化型エポキシ樹脂
84 コア
85 ミラー面
94 ローラ
Claims (8)
- クラッド上の少なくとも一部に、流動性を有し、硬化することによりコアとなる材料を付与する付与工程と、
一方の面に凸部および凹部が形成された、可撓性を有する金型の、前記一方の面の少なくとも一部を、前記材料に接触させる接触工程と、
前記金型における前記一方の面と対向する面について、前記金型と前記材料が接触している領域に対向する位置から、所定の方向に向かって圧力を印加しながら前記コア形成に余分な前記材料を押し出し、前記クラッドと前記凹部との間の空間に前記材料を残しながら、前記金型を前記クラッドに貼り合わせる押し出し工程と、
前記空間に残った材料を硬化する硬化工程と、
前記金型を前記クラッドから剥離する剥離工程と
を有することを特徴とする導波路作製方法。 - 前記付与工程では、前記クラッドの全面に前記材料を配置することを特徴とする請求項1記載の導波路作製方法。
- 前記接触工程では、前記一方の面の全部を前記材料に接触させることを特徴とする請求項1または2記載の導波路作製方法。
- 前記押し出し工程では、ローラを前記対向する位置に接触させ、前記所定の方向に向かって前記圧力を印加しながら前記金型との相対速度が0となるように移動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の導波路作製方法。
- 前記凹部の端面は、前記金型の面内に対して所定の角度をなす端面であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の導波路作製方法。
- 前記凹部の一部には、前記金型の面内に対して所定の角度をなす端面が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の導波路作製方法。
- 前記金型は、シクロオレフィン系ポリマ、ポリアクリレート、ポリカボーネート、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミド、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、アクリル、エポキシ樹脂を紫外線硬化性にした樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂のいずれか1つであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の導波路作製方法。
- 高分子導波路の作製に用いる金型の作製方法であって、
一方の面に、所望のコア形状となるように凸部および凹部が形成された板を用意する工程と、
流動性を有し、硬化することによって可撓性を有する樹脂となる材料を、前記板の一方の面に付与する工程と、
前記材料を硬化する工程と、
前記硬化して樹脂となった材料を、前記板から剥離する工程と
を有することを特徴とする金型の作製方法。
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