JP2008058531A - 光導波路を作製するための金型の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作製コストや作製時間を抑え、大面積化を容易に行える光導波路を作製するための金型の作製方法を提供すること。
【解決手段】一面に凸部42および凹部43が形成された原版40を用意し、該原版40上にシクロオレフィン樹脂44を付与する。このシクロオレフィン樹脂44と接するようにシクロオレフィンフィルム45を配置し、ローラ49を用いて押し出しラミネートを行うことにより、シクロオレフィンフィルム45上に、凸部46および凹部47を形成する。次いで、凸部46のシクロオレフィン樹脂を硬化してから、原版40とシクロオレフィンフィルム45とを剥離して、一次ソフトスタンパ48を作製する。次いで、一次ソフトスタンパ48に対して表面処理して、凸部46および凹部47の表面に形成された、用いる入射光の波長スケールの凹凸を減少させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、高分子導波路などの光導波路を作製するための金型の作製方法に関する。
近年の高度情報化から、大容量の情報を高速に伝送できる通信システムが望まれており、そのような通信システムとして光通信システムの開発がさかんに行われている。このようなシステムとして、波長分割多重(WDM)システム等、様々な光通信システムが開発されているが、光通信システムにおいて、導波路は非常に重要な構成要素である。この導波路として最近では、その柔軟性や強靭性から、高分子導波路が注目されている。
特許文献1では、このような高分子導波路の作製のために、シリコン基板等の、ほとんどたわまない材料からなる金型(本明細書では、「ハードスタンパ」とも呼ぶ)を用いている。
図1は、従来のハードスタンパを用いて高分子導波路を作製する様子を示す図である。
図1において、作業基板1上にクラッド材としての紫外線硬化樹脂2が形成されている。この紫外線硬化樹脂2上には、形成すべきコア形状の凹部(コアを形成するための空間)が形成されている。すなわち、シリコン基板からなり、一方の面に凸部4および凹部5を有するハードスタンパ3を、紫外線硬化樹脂2に圧力をかけて押し当てることにより、凸部4により紫外線硬化樹脂2の一部を溢れ出させて、凸部4の形状を紫外線硬化樹脂2に転写する。よって、凸部4の形状の凹部が紫外線硬化樹脂2上に形成されることになる。
次いで、紫外線硬化樹脂2に紫外線を照射することにより上記樹脂を硬化して、ハードスタンパ3を取り外す。このようにして、表面にコア形状の凹部が形成されたクラッドが形成される。次いで、クラッドの凹部にコアを埋め込み、その上にクラッドをかぶせることにより、高分子導波路が形成される。
特許第3781045号明細書
上述のハードスタンパは、主にシリコン基板によって作製されているが、凹部5を形成するためには、ダイシングソーやエンドミルによる機械加工が用いられている。このような機械加工によりシリコン基板に対して切削加工を行うと、形成された凹部にミクロスケールやサブミクロンスケールの切削痕が残る場合がある。この状態でハードスタンパを用いてクラッド上にコア形成用の凹凸を形成すると、クラッド上には上記切削痕も反映されてしまうため、クラッドに形成された凹凸の表面は望まれた平坦性とはならない。このままコアを形成し、高分子導波路を作製してしまうと導波路の特性を劣化させる恐れがある。
よって、従来では、ハードスタンパに対して機械加工により凹凸部を形成した後に、望まれた平坦性(切削痕を導波路への入射光の波長よりも小さくする)を実現するために、研磨工程やエッチング等の工程を行ったり、機械加工時の加工速度(例えば、ダイシングソーを用いる場合は、ダイシングソーの走査速度など)を遅くする必要があった。よって、作製コストや作製時間の増大に繋がっていた。
また、ハードスタンパを用いる場合は、作製する導波路のサイズは、ハードスタンパのサイズに限定されるため、大面積化には限界があった。すなわち、散乱の要因となる凹凸を減らした導波路を作製するためには、上述の切削痕を導波路への入射光の波長よりも小さくする必要がある。機械加工により高精密な凹部を形成するには、上述のように、加工速度を遅くする必要がある。このように加工速度を低下させると、作製コストや作製時間が増大してしまい、大量生産に向かなくなってしまう。よって、コストや時間を考慮すると、高精密化のための加工速度の低下にも限界があり、作製できる、原版としてのハードスタンパのサイズにも限界が生じることになる。さらに、ハードスタンパの大面積化を行うと、ハードスタンパの重さも増大してしまい、取り扱いが難しくなってしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、作製コストや作製時間を抑え、大面積化を容易に行える光導波路を作製するための金型の作製方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1記載の発明は、光導波路を作製するための金型の作製方法であって、一面に第1の凹凸部が形成された原版を用意する用意工程と、可撓性を有する金型を作製する工程であって、前記原版に形成された第1の凹凸部の形状を前記金型の一面に転写して、該第1の凹凸部を反転した形状の第2の凹凸部を前記一面に形成する形成工程とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第2の凹凸部の表面を表面処理して、該第2の凹凸部の表面に形成された、前記光導波路に用いられる光の波長スケールの凹凸を減少させる表面処理工程をさらに有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記金型に基づいて、可撓性を有する第2の金型を作製する工程であって、前記金型に形成された第2の凹凸部の形状を前記第2の金型の一面に転写して、該第2の凹凸部を反転した形状の第3の凹凸部を前記第2の金型の一面に形成する工程をさらに有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記表面処理が行われた第1の金型を複数枚用意する工程と、前記複数の第1の金型を割付する工程とをさらに有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記第1の金型を複数枚用意する工程は、前記複数枚の第1の金型を切断する工程をさらに有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記形成工程では、前記原版上の少なくとも一端を含む領域に、流動性を有し、硬化することにより、前記第2の凹凸となる第1の材料を付与し、前記第1の金型の基体となる可撓性を有する第2の材料を、前記領域にて前記第1の材料と接するように配置し、該第1の材料と第2の材料とが接している領域から所定の方向に向かって圧力を印加しながら前記転写を行うことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、光導波路を作製するための金型の作製方法であって、一面に凹凸部が形成された原版を用意する用意工程と、可撓性を有する第1の金型を作製する工程であって、前記原版に形成された凹凸部の形状を前記第1の金型の一面に転写して、前記原版に形成された凹凸部を反転した形状の凹凸部を前記一面に形成する形成工程と、可撓性を有する第n(nは2以上の整数)の金型を作製する工程であって、第(n−1)の金型に形成された凹凸部の形状を前記第nの金型の一面に転写して、該第(n−1)の金型に形成された凹凸部を反転した形状の凹凸部を前記第nの金型の一面に形成する形成工程とを有することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記第1〜第nの金型の少なくとも1つに対して表面処理して、該表面処理される金型の表面に形成された、前記光導波路に用いられる光の波長スケールの凹凸を減少させることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項2乃至6、または8のいずれかに記載の発明において、前記表面処理は、熱処理、薬品処理、高圧処理、高湿処理のいずれか1つであることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の発明において、前記金型は、シクロオレフィン系ポリマ、ポリアクリレート、ポリカボーネート、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミド、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、アクリル、エポキシ樹脂を紫外線硬化性にした樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂のいずれか1つであることを特徴とする。
本発明によれば、高分子導波路を作製するために用いる、可撓性を有する金型(例えば、ソフトスタンパ)に対して表面処理を行うようにしたので、作製コストや作製時間を抑え、作製した高分子導波路の平坦性を向上することが可能となる。また、高分子導波路を作製するために可撓性を有する金型を用いるので、低コストで導波路の大面積化を行うことが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の一実施形態は、高分子導波路作製用の金型を作製するための金型を、可撓性を有する金型(以下、ソフトスタンパとも呼ぶ)により作製している。本発明の一実施形態では、上記2つの金型は、ソフトスタンパである。
すなわち、従来では、高分子導波路作製用の金型としてハードスタンパを用いているが、本発明の一実施形態では、高分子導波路作製用の金型としてソフトスタンパを用い、かつ高分子導波路作製用の金型の金型としてもソフトスタンパを用いている。そして、高分子導波路作製用の金型およびその金型の少なくとも一方に対して、コアが形成される凹凸部の表面に残った、入射光の波長と同程度の凹凸を減少させるための化学的・物理的・機械的等の表面処理(熱処理、薬品処理、高圧処理、高湿処理等)を行う。
すなわち、本発明の一実施形態では、原版となる金型(最初に作製されるソフトスタンパ(一次ソフトソフトスタンパとも呼ぶ)を作製するための金型)は、導波路形成のために一面に凹凸部が形成されるが、この凹凸部形成の際に、凹凸部表面に入射光の波長スケール程度またはそれ近傍スケールの凹凸が形成されることがある 。機械加工を用いた際には、上記凹凸は切削痕を含む。上記凹凸は、n次ソフトスタンパ(n;自然数)まで反映することになるので、n次ソフトスタンパが高分子導波路作製用のソフトスタンパである場合、1〜(n−1)次ソフトスタンパの少なくとも1つにおいて、上記凹凸を低減させる必要がある。そこで、本発明の一実施形態では、1〜(n−1)次ソフトスタンパの少なくとも1つに対して、上記表面処理を行うのである。
なお、本発明の一実施形態では、n次ソフトスタンパが高分子導波路作製用のソフトスタンパである場合、1〜(n−1)次ソフトスタンパではなく、n次ソフトスタンパに対して上記表面処理を行っても良い。すなわち、本発明の一実施形態では、1〜n次ソフトスタンパの少なくとも1つに対して表面処理を行えば良いのである。
しかしながら、n次ソフトスタンパが高分子導波路作製用のソフトスタンパである場合、k次ソフトスタンパ(1≦k<nの整数)に対して上記表面処理を行えば、k〜(n−1)次ソフトスタンパであればいずれも、高分子導波路作製用のソフトスタンパに対する金型とすることができる。従って、1〜(n−1)次ソフトスタンパの少なくとも1つに表面処理を行う形態は、上記k〜(n−1)次ソフトスタンパを、高分子導波路作製用のソフトスタンパに対する金型として繰り返し用いることができるので、より好ましい形態である。
本明細書において、「n次ソフトスタンパ」とは、n次ソフトスタンパを作製するための金型(n=1の場合は、原版となる金型、n≧2の場合は、(n−1)次ソフトスタンパ)によって作製されたソフトスタンパである。
なお、本明細書において、「可撓性を有する金型(ソフトスタンパ)」とは、当接した、ローラ等の押し出し手段の移動に伴ってたわむ樹脂を指す。このソフトスタンパの材料としては、硬化前では流動性を有し、光や熱等によって硬化し、該硬化後に可撓性を有する(たわむ)材料となるものを用いる。本発明の一実施形態では、可撓性を有する金型(ソフトスタンパ)として、シクロオレフィン系ポリマ;、ポリメチルメタクリレートを初めとしたポリアクリレート、ポリカボーネート、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂;、エポキシ樹脂を初めとした熱硬化性樹脂;、アクリル、エポキシ樹脂を紫外線硬化性にした樹脂;、シリコーン樹脂;、フッ素樹脂などを用いることができる。
本発明の一実施形態では、上述のように、高分子導波路作製用の第1のソフトスタンパの金型として、第2のソフトスタンパを用いているので、熱処理、薬品処理、高圧処理、高湿処理等の簡便な方法により、第2のソフトスタンパが有する、コア形成のための凹部や凸部の表面に形成された微小凹凸を、使用する入射光の波長よりも小さくすることができる。従来のように、ハードスタンパによりコア形状を形成する場合は、ハードスタンパに対して研磨やエッチングを用いて平坦性の優れた表面を有するように作り込まなければならない。これに対して本発明では、原版となる、一次ソフトスタンパに対する金型の作製の際には、機械加工により凹部や凸部を形成する場合であっても、平坦性を気にせずに凹部や凸部を形成することができる。これは、本発明では、平坦性を向上させる工程を、従来のように上記一次ソフトスタンパに対する金型を作製する際に行うのではなく、一次ソフトスタンパ以降のソフトスタンパに対して行うからである。すなわち、平坦性向上の加工対象がソフトスタンパであるので、熱処理、薬品処理、高圧処理、高湿処理等の簡便な方法によって上記平坦性を向上することができるのである。
一方、平坦性を向上させるための、上述の熱処理、薬品処理、高圧処理、高湿処理等の簡便な方法を、従来のようにシリコン基板等のハードスタンパに適用したとしても、望ましい平坦性を得ることはできない。シリコン基板等のハードスタンパの平坦性を向上させるためには、上述のように研磨やエッチング等のより複雑で高価なプロセスが必要である。そこで、プロセスの簡便化やコストダウンを図るために、ハードスタンパに対して平坦性の向上プロセスを行うのではなく、簡便で安価な平坦性向上プロセスを適用可能な、ソフトスタンパに対して、平坦性向上プロセスを行う。
さて、本発明の一実施形態では、高分子導波路作製用の金型としてソフトスタンパを用い、押し出しラミネートによりコアを形成している。図2は、押し出しラミネートによりコアを形成する様子を示す図である。
図2において、クラッドフィルム21上の全面にはコア材22が形成されている。このコア材22は、クラッドフィルム21上に付与されることにより形成される。上記コア材22の付与は、コア材22の滴下であっても良いし、スプレーによる吹き付けであっても良い。また、ローラなどによる塗布であっても良い。すなわち、結果として、クラッドフィルム21上にコア材22を配置できればいずれの方法であっても良い。また、コア材22をクラッドフィルム21の一部に付与してから、コア材22を全面に広げる場合は、クラッドフィルム21を傾けることによって広げても良いし、スピンコートなどによって広げても良い。結果としてコア材22を全面に配置できればいずれの方法も用いることができる。
なお、図2では、コア材22をクラッドフィルム21の全面に配置しているが、これに限らない。本発明の一実施形態では、後述するローラなどの押し出し手段による押し出しの開始地点(押し出し手段の移動開始位置)にコア材22が少なくとも配置されていれば、全面にコア材22を配置しなくても良い。
なお、上記コア材は、液体状の材料であっても良いし、ゲル状の材料であっても良い。本発明で重要なことは、後述する押し出しラミネートの際に、クラッドやソフトスタンパ上に存在するコア材が押し出されることである。よって、この押し出しが可能な程度の流動性を少なくとも有し、光や熱などによって硬化し、該硬化後に高分子導波路のコアとして機能する材料であればいずれの材料もコア材として用いることができる。
本発明の一実施形態では、コア材として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂、アクリル樹脂・エポキシ樹脂を紫外線硬化性にした樹脂、ポリシラン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリアミドなどを用いることができる。
図2において、ソフトスタンパ23は、一方の面に凸部24および凹部25を有する。ソフトスタンパ23を、凸部24および凹部25がコア材22に接触させるようにしてソフトスタンパ23を配置する。すなわち、ソフトスタンパ23を、コア材22を介してクラッドフィルム21と貼り合わせる。なお、凸部24および凹部25は、後述の押し出しラミネート工程においてソフトスタンパ23をクラッドフィルム21に張り合わせた際に形成されるコア材27が、所望の導波路形状となるようにソフトスタンパ23に形成されている。このとき、後述のローラの移動開始位置において、少なくともソフトスタンパ23の一部とコア材22の一部とが接触していることは言うまでもない。
なお、本明細書において、「凸部」とは、ある面に形成された突起状のものを含む。また、ある面に形成された凹部以外の領域も含む。すなわち、ある面に凹部が形成されると、凹部から見るとそれ以外の領域は突起したものと見ることができるからである。
同様に本明細書において、「凹部」とは、ある面に形成された窪み状のものを含む。また、ある面に形成された凸部以外の領域も含む。すなわち、ある面に凸部が形成されると、凸部から見るとそれ以外の領域は窪んだものと見ることができるからである。
次いで、ソフトスタンパ23の一方端において、ローラ26をソフトスタンパ23の凹凸が形成されている面と対向する面に押し当てる。次いで、上記一方端から他方端に向かって(図中の矢印方向)、ソフトスタンパ23に対して面ではなく線で圧力印加するように、所定の圧力をかけながら、ソフトスタンパ23との相対速度が0となるように、ローラ26を転がして、押し出しラミネートを行う。
このローラ26の移動に伴って、ローラ26の移動開始位置から順に、凸部24がローラ26の移動方向に向かってコア材22を押し出してクラッドフィルム21と接触することになる。一方、凹部25については、ソフトスタンパ23をクラッドフィルム21に張り合わせた際に凹部25にコア材22が充填されている場合はその状態が維持され、充填されてない場合であっても、上記凸部による押し出しにより、各凹部25にはコア材22が充填される。このようにして、凹部に充填されたコア材27が形成される。
このようにローラ26を他方端まで転がして、凹部25とクラッドフィルム21との間の領域にコア材27を残した状態でソフトスタンパ23とクラッドフィルム21とを貼り合わせて、ソフトスタンパ23の凹凸を、コア材22に転写する。そして、ローラ26を他方端まで転がすと、各凸部24にて押し出された余分なコア材は他方端から外へと押し出され、各凹部25とクラッドフィルム21との間の空間には、コア材27が残ることになる。
本発明の一実施形態では、上述のように可撓性を有するソフトスタンパ23を用いて押し出しラミネートを行うので、凸部24の表面やクラッドフィルム21の表面が粗くても、押し出されるコア材は、ローラ26の移動方向に向かって、凸部24およびクラッドフィルム21の表面に沿ってローラ26の移動による押し出し力により移動するので、残渣として残るコア材の量を低減することができる。すなわち、残渣が残ったとしても、用いる光の波長と同程度かそれ以下のスケールにまでその量を低減することができる。よって、ソフトスタンパおよびクラッドの面精度の要求値を低くすることが可能となり、作製コストや作製時間を低減することができる。
また、本発明の一実施形態では、コア形状の原版となる凹部および凸部が形成されたソフトスタンパを用い、ローラ等の押し出し手段をソフトスタンパと接触させながら所定の方向に移動させているので、上述の面精度の要求値を低く抑えつつ、コア形成に余分なコア材の除去と、コア形成とを同一の工程で行うことができる。
また、本発明の一実施形態では、押し出しラミネートの際に、ローラ26をソフトスタンパ23に対して面ではなく線で圧力印加を行っているので、比較的弱い圧力で転写を行うことが可能である。
本明細書において、「押し出しラミネート」とは、ソフトスタンパやソフトスタンパのベースとなる樹脂フィルムなどの可撓性を有する第1の材料と任意の第2の材料とを貼り合わせながら、第1の材料および第2の材料のいずれか一方が有する凹部および/または凸部を、線で圧力を印加しながら他方の材料に転写する工程である。なお、転写元と転写先との凹凸の形状は反転した関係である。すなわち、第1の材料の一方から他方に向かってローラ等の押し出し手段により圧力を印加しながら移動させることによって、第1の材料を第2の材料に張り合わせながら、余分な材料を除去することを目的とした工程である。
上述の押し出しラミネートは、上述のようにコアを作製する際に用いることもできるし、後述のように、ソフトスタンパを作製する際に用いることもできる。コアを作製する際には、第1の材料は、ソフトスタンパとなり第2の材料はクラッドとなり、ソフトスタンパを作製する際には、第1の材料は、樹脂フィルムとなり第2の材料は原版や樹脂フィルムである。
上述のように、コアを作製する場合は、押し出しラミネートでは、ソフトスタンパが有する凹部にコア材を充填させ、それ以外のコア材を押し出すための工程であって、ソフトスタンパの一端から所定の方向に向かってローラ等の押し出し手段を移動させることによって、ソフトスタンパをクラッドに張り合わせながら、余分なコア材を押し出す。すなわち、この場合の押し出しラミネートは、ソフトスタンパをクラッドにくっ付けることが目的ではなく、高分子導波路のコアを形成するために、余分なコア材を除去することを目的とした工程である。よって、押し出しラミネートの後は、ソフトスタンパはクラッドにくっ付くこともあるし、くっつかないこともあり、ソフトスタンパがクラッドにくっ付くか否かは本質ではない。
また、押し出しラミネート後において、クラッドと凸部との界面において、コア材が完全には押し出されず残渣としてコア材が残る場合があるが、本発明の一実施形態では、上述のようにローラ等の押し出し手段の移動によって余分なコア材が押し出されるので、残ってしまったコア材の量を、用いる光の波長程度またはそれ以下のスケールに抑えることができる。
また、本発明の一実施形態のように、高分子導波路作製用のソフトスタンパに対する金型としてソフトスタンパを用いると、大面積化を低コストで容易に行うことができる。図3は、本発明の一実施形態に係る、大面積化を説明するための図である。
図3において、10cm四方の原版となる金型31には、機械加工によって文字aの形状の凹部32が形成されている。この金型31に基づいて、10cm四方の一次ソフトスタンパ33が作製される。一次ソフトスタンパ33には、凹部32が転写されているので、文字aを反転させた形状の凸部34が形成されている。本発明の一実施形態では、この凸部34の表面(壁面)を平滑にするための上記表面処理を行う。この表面処理は行わなくても良い。
次いで、一次ソフトスタンパ33に基づいて、10cm四方の二次ソフトスタンパ35が形成される。二次ソフトスタンパ35には、凸部34が転写されているので、文字aの形状の凹部36が形成されている。また、このとき、一次ソフトスタンパ33を9枚用意し、該9枚の一次ソフトスタンパ33を一辺が30cmとなるように3×3で割付する。該割付された一次ソフトスタンパに基づいて二次ソフトスタンパを作製すると、大面積化された二次ソフトスタンパ37が作製される。この二次ソフトスタンパ37には、9個のa形状の凹部38が形成されている。このようにして作製された二次ソフトスタンパ35および37が高分子導波路作製用の金型である場合、二次ソフトスタンパ35および37を用いて上述の押し出しラミネートを行って高分子導波路を作製する。
このように、本発明の一実施形態では、高分子導波路作製用の第1の金型(二次ソフトスタンパ35および37)を作製するための第2の金型(一次ソフトスタンパ33)をソフトスタンパとしているので、複数の第2の金型を割付したり、各第2の金型をダイシングソー、鋏、カッター等の切断工具で簡単に所望のサイズや形に切離して再割付することが可能である。従って、原版31自体を大面積化しなくても、上記一次スタンパ33の割付によって容易に導波路の大面積化を実現することができる。また、導波路の大面積化に原版の大面積化を必要としないので、原版を作製する際に要するコストや時間を低減して導波路の大面積化を行うことができる。
また、従来では、ハードスタンパの大面積化を行う場合、高い精度の平坦性を実現しようとすると、加工速度を遅くする必要があり、作製コストや作製時間が増大してしまうが、本発明の一実施形態では、簡便な方法による表面処理を行うので、従来のように加工速度を低下したり、大面積の金型に対して必要な凹部の形成を行う必要も無いので、コストダウンや作製時間の短縮を図ることができる。さらに、本発明では、原版自体を大面積化せず、一次ソフトスタンパ等の、ソフトスタンパを割付することによって大面積化しているので、重量の増加を抑制することができる。よって、大面積化しても、取り扱いを容易にできる。
(第1の実施形態)
本実施形態では、一次ソフトスタンパが高分子導波路作製用の金型である。
図4(a)〜(e)は、本実施形態に係る、ソフトスタンパの作製方法を説明するための図である。
原版作製工程
図4(a)において、シリコン基板41にダイシングソーを用いて高さ50μm、幅50μm、長さ60mmの形状が浮き彫りで残るようにその両脇を切削する。すなわち、ダイシングソーにより高さ50μm、幅50μm、長さ60mmの形状の凸部42が形成されるように凹部43を形成する。このようにして作製された金型は、最初のソフトスタンパ(一次ソフトスタンパ)のための金型であって原版とも呼ぶ。
本実施形態では、原版を機械加工により作製しているので、凸部42および凹部43表面には、入射光の波長スケールの凹凸が残ることがある。しかしながら、本実施形態では、この原版40作製時には、上記凹凸の除去工程を行わず、上記凹凸が反映されたソフトスタンパに対して、凹凸の除去を目的とした処理を行う。
なお、本実施形態では、原版40を作製するために機械加工を用いているが、これに限らず、エッチング等の化学加工など、原版の一面に導波路作製のための凹凸が形成できればいずれの方法であっても良い。
一次スタンパ作製工程
図4(b)において、上記原版40にシクロオレフィン樹脂44(メシチレン80%溶液)を滴下し、スピンコートにてシクロオレフィン樹脂44を原版40の加工表面全体に広げる。このようにして、原版40の少なくとも一部に、シクロオレフィン樹脂を付与する。
図4(c)において、ラミネータを用い、シクロオレフィンフィルム45(ソフトスタンパの基体となるベースフィルム)を原版40のシクロオレフィン樹脂44塗布面に密着させていく。原版40のシクロオレフィン樹脂40塗布面で凹凸のある外側の部分にシクロオレフィンフィルム45の片端が当たるようにし、フィルムの他方は反らせた状態にしておく。原版40とシクロオレフィンフィルム45が当たっている部分からラミネータのローラ49を押し当て、ローラを転がしつつ強い力(10kg/cm)で押し付ける事で、原版40の凹部43溝内にシクロオレフィン樹脂44を押し込み、かつ余分なシクロオレフィン樹脂および凹部43内の空気を押し出しつつ密着させて、押し出しラミネートを行う。
すなわち、シクロオレフィンフィルム45において、シクロオレフィン樹脂44と接する面と対向する面に円筒形のローラ49を押し当てる。このとき、ローラ49が押し当てられた面と対向する面(ローラの移動開始位置)にシクロオレフィン樹脂44が配置されていることは言うまでも無い。次いで、シクロオレフィンフィルム45の、一方端から他方端に向かって、ローラ接触線のシクロオレフィンフィルム45との相対速度が0となるように、ローラ49を転がしつつ、10kg/cmの圧力で押し付ける。このようにして押し出しラミネートを行うことによって、上記ローラの移動と共に余分なシクロオレフィン樹脂44が押し出される。このようにして、原版40が有する凹凸部(凸部42および凹部43)の形状がシクロオレフィン樹脂44に転写されて、シクロオレフィン樹脂44上に、原版40が有する凹凸部を反転させた形状の凹凸形状が形成される。
なお、本実施形態では、シクロオレフィン樹脂44を原版40の凹凸が形成された面(加工表面)の全面に配置しているが、少なくともローラの移動開始位置にシクロオレフィン樹脂44を配置していれば良い。こうすることによって、ローラ49の移動に共なって、移動開始位置にあるシクロオレフィン樹脂44は広がり、凹部43に充填されていくからである。すなわち、少なくともローラの移動開始位置にシクロオレフィン樹脂44を配置すれば良いのである。なお、このとき、ローラ49が他方端まで移動した後に、凹部43にシクロオレフィン樹脂44が十分に充填されるような量のシクロオレフィン樹脂を移動開始位置に付与することは言うまでも無い。
図4(d)において、押し出しラミネートを行った原版40をホットプレート上に配置して、シクロオレフィン樹脂44を加熱硬化する。次いで、原版40からシクロオレフィンフィルム45を剥離する。このようにして、原版40の凹凸が反転した形状を持つ硬化したシクロオレフィン樹脂(凸部46)が付いたシクロオレフィンシートが作製される。これが一次ソフトスタンパ48である。この一次ソフトスタンパ48は、原版40が有する凸部42および凹部43が転写された形状、すなわち硬化したシクロオレフィン樹脂である凸部46と、凸部42の形状の凹部47とが形成されている。
表面処理工程
図4(e)において、一次ソフトスタンパ48に対して熱処理を行う。すなわち、一次ソフトスタンパ48をオーブンで加熱し、そのまま冷却する。凸部46および凹部47においてシクロオレフィン樹脂が熱で膨張、収縮する事により、原版40から転写された微小な凹凸(0.5μm〜5μmサイズの凹凸)の量が低減される。このように、本実施形態では、簡単な熱処理によってソフトスタンパの凹凸部表面の平坦性を向上することができる。
本実施形態では、一次ソフトスタンパ48が高分子導波路作製用の金型となる。
高分子導波路作製工程
図5(a)〜(d)は、本実施形態に係る、高分子導波路の作製方法を説明するための図である。
図5(a)において、ガラス基板51上に、クラッドフィルムとしてのアートンフィルム52を接着し、アートンフィルム52上にコア材としての紫外線硬化型エポキシ樹脂53を滴下する。次いで、紫外線硬化型エポキシ樹脂53をアートンフィルム52の全面に広げるようにガラス基板51を傾ける。このガラス基板51の傾けにより、アートンフィルム52全面に紫外線硬化型エポキシ樹脂53が配置される。
図5(b)において、熱処理を施した一次ソフトスタンパ48をラミネータを用いてガラス基板51の紫外線硬化型エポキシ樹脂53塗布面に密着させていく。一次ソフトスタンパ48の凹凸がある部分の外側部分の片端がガラス基板51の紫外線硬化型エポキシ樹脂53塗布面に当たるようにし、他端は反らせた状態にしておく。ガラス基板51と一次ソフトスタンパ48が当たっている部分の一次ソフトスタンパ48側からラミネータのローラ54を押し当て、ローラ54を転がしつつ強い力で押し付ける事で、一次ソフトスタンパ48の凹部47内に紫外線硬化型エポキシ樹脂53を押し込み、かつ余分な紫外線硬化型エポキシ樹脂53および凹部47内の空気を押し出しつつ密着させて、押し出しラミネートを行う。
すなわち、一次ソフトスタンパ48において、紫外線硬化型エポキシ樹脂53と接する面(凸部46および凹部47とが形成された面)に対向する面における一方端に円筒形のローラ54を押し当てる。このとき、ローラ54が押し当てられた面と対向する面(ローラの移動開始位置)に紫外線硬化型エポキシ樹脂53が配置されていることは言うまでも無い。次いで、一次ソフトスタンパ48の、一方端から他方端に向かって、ローラ接触線の一次ソフトスタンパ48との相対速度が0となるように、ローラ54を転がしつつ、10kg/cmの圧力で押し付ける。このようにして押し出しラミネートを行うことによって、上記ローラ54の移動と共に余分な紫外線硬化型エポキシ樹脂が押し出される。このローラ54の移動が終了すると、コア形成に余分な紫外線硬化型エポキシ樹脂が除去され、凹部47に紫外線硬化型エポキシ樹脂が残った状態となる。
図5(c)において、一次ソフトスタンパ48側から紫外光を照射した後、加熱処理を行って紫外線硬化型エポキシ樹脂を完全に硬化させる。次いで、ガラス基板51から一次ソフトスタンパ48を剥離する。一次ソフトスタンパ48の凹凸が反転した形状を持つ硬化したエポキシ樹脂が形成されたアートンフィルム52が作製される。すなわち、クラッドとしてのアートンフィルム52上にコア55が形成される。このコア55は、原版40とほぼ同じ形状の凹凸形状であるが、機械加工によって生じた微小な凹凸が減少された状態、すなわち、少なくとも、入射光の波長スケールの凹凸を減少することができる。
図5(d)において、上記方法で作製したコア55を覆うようにして、コア55とは屈折率の異なるエポキシ樹脂56を塗布して埋込高分子導波路を形成する。この高分子導波路の伝搬損失は0.1dB/cmであった。
なお、本実施形態では、ダイシングで溝加工を行ったシリコン基板を原版に用いたが、ポリマや金属、セラミックを用いた原版、さらにはエンドミルで溝加工を行った上記材料の原版を用いても同様の効果が得られる事は言うまでもない。
(第2の実施形態)
本実施形態では、二次ソフトスタンパが高分子導波路作製用の金型であり、一次ソフトスタンパにて表面処理を行う。
原版作製工程、一次ソフトスタンパ作製工程、および表面処理工程を第1の実施形態と同様に行って一次ソフトスタンパを作製することができる。このようにして得られた一次ソフトスタンパ48は、切断工具により所望の形やサイズに簡単に切断することができ、かつ所望な配置に簡単に割付することができるので、大面積化を容易に行うことができる。また、本実施形態では一次ソフトスタンパ48に対して表面処理を行うので、一次ソフトスタンパ48を一度作製すれば、高分子導波路作製用の金型(二次ソフトスタンパ)を作製するための金型を作製する際に繰り返し用いることができる。
二次ソフトスタンパ作製工程
図6(a)および(b)は、本実施形態に係る、二次ソフトスタンパの作製方法を説明するための図である。
図6(a)において、二次ソフトスタンパのベースフィルムとしてのシクロオレフィンフィルム61上に、シクロオレフィン樹脂62(メシチレン80%溶液)を滴下し、スピンコートにてシクロオレフィン樹脂62をシクロオレフィンフィルム61の表面全面に広げる。
図6(a)において、ラミネータを用い、一次ソフトスタンパ48をシクロオレフィンフィルム61のシクロオレフィン樹脂62塗布面に密着させていく。シクロオレフィンフィルム61のシクロオレフィン樹脂62塗布面の一方端で一次ソフトスタンパ48の片端が当たるようにし、一次ソフトスタンパ48の他方は反らせた状態にしておく。シクロオレフィンフィルム61と一次ソフトスタンパ48が当たっている部分からラミネータのローラ63を押し当て、ローラを転がしつつ強い力(10kg/cm)で押し付ける事で、一次ソフトスタンパ48の凹部47内にシクロオレフィン樹脂62を押し込み、かつ余分なシクロオレフィン樹脂および凹部47内の空気を押し出しつつ密着させて、押し出しラミネートを行う。
図6(b)において、押し出しラミネートを行ったシクロオレフィンフィルム61をホットプレート上に配置して、シクロオレフィン樹脂62を加熱硬化する。次いで、シクロオレフィンフィルム61から一次ソフトスタンパ48を剥離する。このようにして、一次ソフトスタンパ48の凹凸が反転した形状を持つ硬化したシクロオレフィン樹脂(凸部64)が付いたシクロオレフィンシートが作製される。これが二次ソフトスタンパ66である。この二次ソフトスタンパ66は、硬化したシクロオレフィン樹脂である凸部64と凹部65とが形成されている。
このようにして作製された二次ソフトスタンパ66を用い、第1の実施形態にて説明した高分子導波路作製工程を行うことによって、高分子導波路が作製される。
(第3の実施形態)
本実施形態では、一次ソフトスタンパに対する表面処理として、薬品処理を行う。
本実施形態において、原版作製工程および一次ソフトスタンパ作製工程を第1の実施形態と同様に行って一次ソフトスタンパを作製することができる。本実施形態では、一次ソフトスタンパの表面処理工程として、一次ソフトスタンパ48の凹凸面上にスポイトを用いてアセトンを流し、上面のシクロオレフィン樹脂が若干溶け出す事により、原版40から転写された微小な凹凸(0.5μm〜5μmサイズの凹凸)の量が低減される。このように、本実施形態では、簡単な薬品処理によってソフトスタンパの凹凸部表面の平坦性を向上することができる。
上述のようにして表面処理工程が終了すると、第1の実施形態と同様にして高分子導波路作製工程を行う。
(第4の実施形態)
本実施形態では、一次ソフトスタンパに対する表面処理として、高圧処理を行う。
本実施形態において、原版作製工程および一次スタンパ作製工程を第1の実施形態と同様に行って一次ソフトスタンパを作製することができる。本実施形態では、一次ソフトスタンパ48を真空炉内に配置して該真空炉内において1.0×10‐3Pa以下の高圧状態まで真空引きを行い、その後圧力を戻す事で、原版40から転写された微小な凹凸(0.5μm〜5μmサイズの凹凸)の量が低減される。このように、本実施形態では、簡単な高圧処理によってソフトスタンパの凹凸部表面の平坦性を向上することができる。
上述のようにして表面処理工程が終了すると、第1の実施形態と同様にして高分子導波路作製工程を行う。
(第5の実施形態)
本実施形態では、高分子導波路の大面積化を行うために、複数の一次ソフトスタンパを用意し、互いに貼り付けている。
本実施形態において、原版作製工程、一次ソフトスタンパ作製工程、および表面処理工程を第1の実施形態と同様に行って一次ソフトスタンパを4枚作製する。次いで、アートンシートに接着剤を塗り、作製した4枚の一次ソフトスタンパ48を貼り付け、大きなサイズのソフトスタンパを作製する。作製した大きなサイズのソフトスタンパを一次ソフトスタンパとして用いて、第1の実施形態と同様にして高分子導波路作製工程を行う。このようにして作製された高分子導波路は、原版の4倍サイズとなる。
(第6の実施形態)
本実施形態では、高分子導波路の大面積化を行うために、複数の一次ソフトスタンパを用意し、それぞれの一次ソフトスタンパを所望のサイズや形に切り出し、該切り出された一次ソフトスタンパを互いに貼り付けている。
本実施形態において、原版作製工程、一次ソフトスタンパ作製工程、および表面処理工程を第1の実施形態と同様に行って一次ソフトスタンパを4枚作製する。次いで、作製された4枚の一次ソフトスタンパ48をそれぞれダイシングソーで必要な大きさに切り出す。次いで、アートンシートに接着剤を塗り、切り出された4枚の一次ソフトスタンパを貼り付け、割付を行った大きなサイズのソフトスタンパを作製する。作製した割付後の大きなサイズのソフトスタンパを一次ソフトスタンパとして用いて、第1の実施形態と同様にして高分子導波路作製工程を行う。このようにして作製された高分子導波路は、原版と比べて大きなサイズとなる。
(その他の実施形態)
第1〜第6の実施形態では、各ソフトスタンパを作製する際に、押し出しラミネートを用いているがこれに限らない。例えば、図4において、原版40に基づいて一次ソフトスタンパ28を作製する場合、シクロオレフィン樹脂44とシクロオレフィンフィルム45とが接するようにシクロオレフィン樹脂45を配置してから、シクロオレフィンフィルム45の、シクロオレフィン樹脂44に接する面に対向する面の全面から圧力をかけるようにしてもよい。この全面からの圧力により、余分なシクロオレフィン樹脂44は押し出される。次いで、紫外線を照射することによって、残ったシクロオレフィン樹脂44を硬化すれば良い。
(さらにその他の実施形態)
上述の実施形態では、ソフトスタンパの表面処理を行っているが、この表面処理を行わなくても良い。上述の表面処理を行わなくても、本発明では、可撓性を有するソフトスタンパを用いることで押し出しラミネートを行うことができるので、ソフトスタンパの凹凸部が粗くても、残渣として残るコア材の量を低減することができる。よって、上述のように、余分なコア材の除去と、コア形成とを同一に行うことができ、作製時間やコストの短縮を図ることができる。
従来の、ハードスタンパを用いて高分子導波路を作製する様子を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、押し出しラミネートを説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る、大面積化を説明するための図である。 (a)〜(e)は、本発明の一実施形態に係る、ソフトスタンパの作製方法を説明するための図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る、高分子導波路の作製方法を説明するための図である。 (a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る、二次ソフトスタンパの作製方法を説明するための図である。
符号の説明
21 クラッドフィルム
22、27 コア材
23 ソフトスタンパ
24 凸部
25 凹部
26 ローラ
31 原版となる金型
32、36、38 凹部
33 一次ソフトスタンパ
34 凸部
35、37 二次ソフトスタンパ
41 シリコン基板
42、46 凸部
43、47 凹部
44 シクロオレフィン樹脂
45 シクロオレフィンフィルム
49 ローラ
51 ガラス基板
52 アートンフィルム
53 紫外線硬化型エポキシ樹脂
54 ローラ
55 コア
56 エポキシ樹脂
61 シクロオレフィンフィルム
62 シクロオレフィン樹脂
63 ローラ
64 凸部
65 凹部
66 二次ソフトスタンパ

Claims (10)

  1. 光導波路を作製するための金型の作製方法であって、
    一面に第1の凹凸部が形成された原版を用意する用意工程と、
    可撓性を有する金型を作製する工程であって、前記原版に形成された第1の凹凸部の形状を前記金型の一面に転写して、該第1の凹凸部を反転した形状の第2の凹凸部を前記一面に形成する形成工程と
    を有することを特徴とする作製方法。
  2. 前記第2の凹凸部の表面を表面処理して、該第2の凹凸部の表面に形成された、前記光導波路に用いられる光の波長スケールの凹凸を減少させる表面処理工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の作製方法。
  3. 前記金型に基づいて、可撓性を有する第2の金型を作製する工程であって、前記金型に形成された第2の凹凸部の形状を前記第2の金型の一面に転写して、該第2の凹凸部を反転した形状の第3の凹凸部を前記第2の金型の一面に形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の作製方法。
  4. 前記表面処理が行われた第1の金型を複数枚用意する工程と、
    前記複数の第1の金型を割付する工程と
    をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の作製方法。
  5. 前記第1の金型を複数枚用意する工程は、前記複数枚の第1の金型を切断する工程をさらに有することを特徴とする請求項4記載の作製方法。
  6. 前記形成工程では、前記原版上の少なくとも一端を含む領域に、流動性を有し、硬化することにより、前記第2の凹凸となる第1の材料を付与し、前記第1の金型の基体となる可撓性を有する第2の材料を、前記領域にて前記第1の材料と接するように配置し、該第1の材料と第2の材料とが接している領域から所定の方向に向かって圧力を印加しながら前記転写を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の作製方法。
  7. 光導波路を作製するための金型の作製方法であって、
    一面に凹凸部が形成された原版を用意する用意工程と、
    可撓性を有する第1の金型を作製する工程であって、前記原版に形成された凹凸部の形状を前記第1の金型の一面に転写して、前記原版に形成された凹凸部を反転した形状の凹凸部を前記一面に形成する形成工程と、
    可撓性を有する第n(nは2以上の整数)の金型を作製する工程であって、第(n−1)の金型に形成された凹凸部の形状を前記第nの金型の一面に転写して、該第(n−1)の金型に形成された凹凸部を反転した形状の凹凸部を前記第nの金型の一面に形成する形成工程と
    を有することを特徴とする作製方法。
  8. 前記第1〜第nの金型の少なくとも1つに対して表面処理して、該表面処理される金型の表面に形成された、前記光導波路に用いられる光の波長スケールの凹凸を減少させることを特徴とする請求項7記載の作製方法。
  9. 前記表面処理は、熱処理、薬品処理、高圧処理、高湿処理のいずれか1つであることを特徴とする請求項2乃至6、または8のいずれかに記載の作製方法。
  10. 前記金型は、シクロオレフィン系ポリマ、ポリアクリレート、ポリカボーネート、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミド、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、アクリル、エポキシ樹脂を紫外線硬化性にした樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂のいずれか1つであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の作製方法。
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