JP2001108849A - 光メモリ素子の製造方法 - Google Patents

光メモリ素子の製造方法

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JP2001108849A
JP2001108849A JP29163899A JP29163899A JP2001108849A JP 2001108849 A JP2001108849 A JP 2001108849A JP 29163899 A JP29163899 A JP 29163899A JP 29163899 A JP29163899 A JP 29163899A JP 2001108849 A JP2001108849 A JP 2001108849A
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Hiroshi Ishihara
啓 石原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光メモリ素子を容易且つ安価に実現できるよ
うにするとともに、その製造期間を大幅に短縮できるよ
うにする。 【解決手段】 光メモリ素子の構成要素として樹脂製コ
ア層又は樹脂製クラッド層もしくはその両方を有して成
る樹脂製コア/クラッド部材20を複数個用意し、これ
らの各樹脂製コア/クラッド部材20を、所望の硬化性
樹脂材からなる接着剤8を介しその接着剤8を硬化させ
ずに積層してゆき、各樹脂製コア/クラッド部材20間
の各接着剤8を一括して硬化させて各樹脂製コア/クラ
ッド部材20を接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光メモリ素子の製
造方法に関し、特に、光導波路デバイスを用いて構成さ
れる光メモリ素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、予め所定の散乱光を生じるように
パターンが刻まれた平面(カード)型の光導波路中に光
を導入し、光導波面の外部に画像を結像させる技術が提
案されている(IEEE Photon.Technol.Lett.,vol.9,pp.9
58-960,JULY1997 等参照)。即ち、例えば図28に模式
的に示すように、光導波路として機能するように屈折率
や膜厚を調整されたコア(層)101と、このコア層1
01を挟む形でその両側(両面部)に設けられた(第
1,第2の)クラッド(層)102とをそなえて成るカ
ード型のスラブ型光導波路デバイス100において、コ
ア層101とクラッド層102との界面に微細な凹凸が
存在していた場合、コア層(光導波路)101にレンズ
103を介して光(レーザ光)を導入すると、導入光の
一部がその凹凸部分で散乱し、散乱光がクラッド層10
2を通じて外部に出てくる。
【0003】従って、光導波面(光導波路101)から
所定距離に特定の画像が結像するような光の散乱強度と
位相とを計算し、その計算に応じた微細な凹凸パターン
を予めコア層101に刻み込んでおけば、光導波面の外
部に所望の画像を結像させることができる。つまり、コ
ア層101は情報の記録層として機能することになる。
【0004】そして、例えば、光導波面の外部に出てき
た散乱光を上記所定距離に設置したCCD受像器104
により受光して、結像画像を2次元のディジタルパター
ン〔例えば、明暗の2値のパターン、もしくは、明度
(グレイスケール)による多値のパターン等〕化してデ
ィジタル信号化すれば、既存のディジタル画像処理装置
(図示省略)で結像画像に対し所望の画像処理を実施す
ることができる。
【0005】また、例えば図29に模式的に示すよう
に、上記のクラッド層102とコア層101とを繰り返
し積層して、光導波路(記録層)101を複数個積層し
た場合、或る光導波路101で散乱した光は、別の光導
波路101を横切ることになるが、通常、コア層101
とクラッド層102の屈折率差が極めて小さいので、そ
の散乱光が別の光導波路101に形成された凹凸で再散
乱することは殆ど無く、結像画像が乱れることは無い。
従って、積層数に比例して数多くの画像やパターンを結
像できることになる。
【0006】つまり、光導波路デバイス100はその積
層数に比例した容量を有する光メモリ素子(ROM等の
記録媒体)として使用できるのである。なお、この光メ
モリ素子は、理論上では、1層で約1ギガバイト程度の
容量をもたせることができ、100層程度まで積層する
ことが可能であるといわれており、将来的には、動画像
の記録等に十分対応できる大容量ROMとして使用され
ることが有望視されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光導波路デ
バイス100のコア層101における上記の微細な凹凸
パターンは、例えば、次のような手法で形成される。即
ち、まず、図30(A)に模式的に示すように、(第1
の)クラッド層102となる平板状のガラス等の上にフ
ォトレジストを塗布し、光あるいは電子線等の露光とそ
の現像によりそのガラス(クラッド層102)上に、結
像させたい像に応じたピット(凹凸パターン)を形成す
る。
【0008】その後、その凹凸パターン上にコア層10
1を形成する。これにより、凹凸パターンの形成された
コア層101が作製され、このコア層101上にさらに
第2のクラッド層102を形成することにより、1層分
の光導波路デバイス(光メモリ素子)100が作製され
る。そして、上記と同様に、クラッド層102上に露光
と現像によって凹凸パターンを形成し、その上にコア層
101を形成することを繰り返し行なうことで、図30
(B)に模式的に示すように、多層構造の光メモリ素子
(以下、「多層光メモリ」ということがある)100a
が作製される。
【0009】しかしながら、このような露光と現像とを
用いた手法では、1層分の光メモリ素子100の作製に
非常に時間及びコストがかかってしまうので、大容量の
多層光メモリ100aを作製するには、膨大な時間とコ
ストがかかるという課題がある。本発明は、このような
課題に鑑み創案されたもので、上記のような光メモリ素
子を容易且つ安価に実現できるようにするとともに、そ
の製造期間を大幅に短縮できるようにした、光メモリ素
子の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の光メモリ素子の製造方法(請求項1)
は、樹脂製コア層と、この樹脂製コア層の両面部に積層
された樹脂製クラッド層と、これらの樹脂製コア層と樹
脂製クラッド層との界面の少なくとも一方に設けられた
凹凸部とを有する光導波部材を複数個有して成る光メモ
リ素子の製造方法であって、その光メモリ素子の構成要
素である、樹脂製コア層及び/又は樹脂製クラッド層を
有して成る樹脂製シート状部材を複数個用意し、これら
の各樹脂製シート状部材を、所望の硬化性樹脂材からな
る接着剤を介し該接着剤を硬化させずに積層してゆき、
上記の各樹脂製シート状部材間の各接着剤を一括して硬
化させて上記の各樹脂製シート状部材を接着することを
特徴としている。
【0011】ここで、上記の接着剤としては、光硬化性
樹脂材を用い、この光硬化性樹脂材に光を照射すること
によって、その光硬化性樹脂材を硬化させて上記の各樹
脂製シート状部材の接着を行なうのがよい(請求項
2)。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (A)一実施形態の説明 まず、光メモリ素子用の1層分の積層体(1層積層体)
の製造方法について、図1に示す模式的側面図を用いて
説明する。
【0013】始めに、図1(A)に示すように、結像さ
せたい画像(情報)に応じた所望の凹凸パターン(凹凸
形状;ピット)を表面に刻まれたスタンパ(原盤)1上
に、所定の膜厚となるようにコア剤(液状コア樹脂)2
を塗布する。このコア剤2には、本実施形態では、紫外
線(UV光)を照射することにより硬化する紫外線硬化
性樹脂材から成るものを使用し、このようにスタンパ1
へ塗布した後、紫外線を照射して完全に硬化させること
で樹脂製のコア層2を形成する。
【0014】次に、このようにコア剤2を完全硬化させ
た後、図1(B)に示すように、その上に、コア層2よ
りも屈折率の小さい紫外線硬化性樹脂材から成るクラッ
ド剤(液状クラッド樹脂)3を塗布し、その上から、例
えば図1(C)に示すように、気泡が入らないように静
かに樹脂製基体層となる樹脂フィルム(樹脂製フィルム
部材)4を載置する。つまり、コア層2にクラッド剤3
を介して樹脂フィルム4を貼着(ラミネート)する。
【0015】かかる状態で、コア層2の形成と同様に、
紫外線を照射してクラッド剤3を硬化させれば、コア層
2よりも屈折率の小さい樹脂製の(第1)クラッド層3
が形成されるとともに、樹脂フィルム4とコア層2とが
接着される。そして、図1(D)に示すように、スタン
パ1からコア層2とクラッド層3と樹脂フィルム4とを
一体に剥離(分離)すると、樹脂フィルム4を樹脂製基
体層とし、その上に樹脂製のクラッド層3、さらにその
上にスタンパ1の凹凸パターン(以下、単に「凹凸」と
もいう)が転写(形成)された樹脂製のコア層2が積層
された、光メモリ素子用の1層分の積層体(1層積層
体;樹脂製コア/クラッド部材)20(以下、「1層フ
ィルム20」ともいう)が作成される。
【0016】なお、上記のコア剤2やクラッド剤3に
は、スタンパ1への塗布時には液体でその後、硬化させ
ることのできる樹脂であれば、紫外線硬化性樹脂以外の
光硬化性樹脂や、熱を加えることで硬化する熱硬化性樹
脂等の所望の硬化性樹脂を適用してもよい。ただし、上
述のごとくスタンパ1による転写を行なう場合には、上
記の紫外線硬化性樹脂を適用するのが好ましく、例え
ば、アクリル系,エポキシ系,チオール系の各樹脂など
がよい。
【0017】また、コア剤2やクラッド剤3の塗布方法
には、例えば、スピンコート法,ブレードコート法,グ
ラビアコート法,ダイコート法等があるが、塗布膜厚と
均一性を満足すればどのような塗布方法を用いてもよ
い。さらに、樹脂フィルム4は、使用光波長域(コア層
2を導波させるレーザ光の波長域)で透明で(散乱光を
透過でき)、光学的な特性や膜厚の均一性,力学的な強
度などが許す限り、できるだけ薄い方が良い。これは、
1つには、図4により後述するように樹脂フィルム4が
何層にもわたって積層された状態になっても、上記の凹
凸で散乱した散乱光を最終的に外部へ放出できるように
するためと、上記の1層フィルム20の厚みを薄くする
〔ひいては、最終的に製造される光メモリ素子30(図
2,図3参照)の小型化を図る〕ためであるが、本実施
形態では、それだけでなく、樹脂フィルム4とコア層2
との間にあるクラッド剤3内に気泡を入りにくくするた
めでもある。
【0018】即ち、クラッド剤3の塗布されたコア層2
上に樹脂フィルム4を載置(貼着)する工程で、樹脂フ
ィルム4の厚みが薄いと柔軟性(可塑性)に優れるた
め、樹脂フィルム4を図1(C)中に二点鎖線で示すよ
うに曲げながら少しずつ接触させてゆくことによって、
載置面積をゆっくりと増加させることが可能になり、ク
ラッド剤3内に気泡が混入してその部分の屈折率や膜厚
が変化してしまう等の影響を抑止することができるので
ある。
【0019】このため、樹脂フィルム4には、例えば、
ポリカーボネート,アートン(日本合成ゴム社製)など
の非晶質ポリオレフィンや、PET(ポリエチレンテレ
フタレート),PEN(ポリエチレンナフタレート)等
の光学特性に優れる(PENはさらに耐熱性にも優れ
る)熱可塑性の樹脂フィルム4が好適(特に、上記のP
ETやPENはいずれも均一な厚みのフィルムを得られ
やすいので好適)で、これらのいずれかを熱延伸或いは
溶媒キャスト等の方法で、例えば100μm以下の厚さ
にしたものがよい。
【0020】これ以上厚みが厚いと、樹脂フィルム4の
可塑性が乏しくなり樹脂フィルム4をクラッド剤3に載
置する際に気泡が混入しやすくなってしまう。逆に、樹
脂フィルム4の厚みが極端に薄い場合、例えば1μmよ
りも薄いような場合は、樹脂フィルム4をスタンパ1か
ら剥離する際に破れたりすることがあるので好ましくな
い。
【0021】次に、図1(D)により上述したごとくス
タンパ1から剥離して得られる1層フィルム20を複数
個(枚)用意し、それらの各1層フィルム20を、図2
に模式的に示すように、接着後に樹脂製のクラッド層と
して機能する接着剤8により積層接着する。具体的に
は、例えば、或る1層フィルム20(樹脂フィルム4)
上に接着剤8を塗布し〔図2(A)参照〕、その上に、
気泡が入らないように別の1層フィルム20を(コア層
2を下にして)積層(ラミネート)する〔図2(B)参
照〕。さらに、同様に、最上層の1層フィルム20(樹
脂フィルム4)上に接着剤8を塗布し〔図2(C)参
照〕、その上に、別の1層フィルム20を(コア層2を
下にして)積層する〔図2(D)参照〕。以降、同様の
工程を繰り返すことにより、各1層フィルム20を接着
剤8を介して積層して接着する〔図2(E)参照〕。
【0022】ここで、上記の接着剤8には、屈折率がコ
ア層(コア剤)2よりも僅かに小さくクラッド層(クラ
ッド剤)3と略同一の値をもつ透明なものを用いればよ
いが、使用材料点数の削減を考慮するなら、クラッド剤
3と同様のもの、即ち、紫外線硬化性樹脂材からなるク
ラッド剤を適用し、そのクラッド剤に紫外線を照射して
硬化させることで、クラッド層8を形成しつつ各1層フ
ィルム20の接着を行なうのがよい。
【0023】これにより、樹脂製のコア層2と、このコ
ア層2の両面部に積層された樹脂製の各クラッド層3,
8と、これらのコア層2とクラッド層3,8との界面2
3,28の一方(界面28)に設けられた凹凸とをそな
えて成るスラブ型光導波路デバイス(光導波部材:積層
体)238が、複数個積層されるとともに、これらの各
積層体238間に樹脂製基体層としての樹脂フィルム4
の設けられた、多層構造の光メモリ素子(以下、多層光
メモリともいう)30が製造される。
【0024】ここで、上記の積層接着工程では、1層フ
ィルム20を積層する毎に接着剤8を硬化させると、例
えば100層程度の多層構造の光メモリ素子を構成する
には非常に時間がかかってしまうので、本実施形態で
は、接着剤8の硬化は各1層フィルム20の積層終了後
に一括して行なう。即ち、図2(A)〜図2(D)に示
すような積層工程の途中では、接着剤8を硬化させない
まま各1層フィルム20を積層してゆき、図2(E)に
示すように、各1層フィルム20の積層が終了した後、
各1層フィルム20間の接着剤8に紫外線を照射するこ
とで、それらを一括して硬化させて、各1層フィルム2
0の接着を行なうのである。これにより、上記の積層接
着工程が大幅に短縮される。
【0025】さらに、1層フィルム20の積層毎に接着
剤8を硬化させると、接着剤8の両面部側の層構成が異
なり接着剤8の両面部間に働く張力が異なって反りが生
じ、1層積層毎にこの反りが蓄積されて大きくなると、
最悪の場合、ある程度以上の積層が不可能になるが、上
述したように一括硬化を行なうことで、このような反り
問題も低減できる。即ち、多層光メモリ30の反曲を最
小限に抑制して、高い平面性を得ることができ、情報読
み取り時の信頼度を向上することができる。
【0026】また、紫外線(光)硬化性樹脂材から成る
接着剤8は、通常の接着剤よりも、接着(硬化)時間が
非常に短いので、さらなる積層接着工程の短縮化を図る
ことができる。さらに、例えば、熱硬化性樹脂材のよう
にその硬化に熱を必要としないので、1層フィルム20
に変形や損傷などの悪影響を与える心配もない。なお、
上記の積層接着工程は、例えば、1層フィルム20の積
層毎に、各1層フィルム20間の接着剤8を所定の度合
いだけ硬化(つまり、不完全硬化)させておき、積層終
了後に一括して完全に硬化させるようにしてもよい。
【0027】ところで、上記の1層フィルム20の積層
(接着)工程は、上述したような、最上層の1層フィル
ム20への接着剤8の塗布と、その接着剤8上への1層
フィルム20の積層(ラミネート)とを繰り返す手法以
外にも、例えば、各1層フィルム20の一方の面部にそ
れぞれ接着剤8を塗布しておき、それらを相互に貼り合
わせる手法が考えられる。ただし、いずれの場合も、1
層フィルム20に接着剤8を塗布する必要がある。
【0028】このため、1層フィルム20を、例えば図
4に模式的に示すように、接着剤塗布装置(前記のスピ
ンコート法,ブレードコート法,グラビアコート法,ダ
イコート法等を適用した塗布装置)のシート固定台21
(接着剤8の塗布対象物である1層フィルム20の載置
面21a)に固定する必要があるが、本実施形態で扱う
1層フィルム20は、その厚みが200μm未満と非常
に薄いので、その固定が非常に難しくなる。
【0029】即ち、例えば、既存のフィルム保持アーム
等によって1層フィルム20を把持して1層フィルム2
0に引っ張り張力をかけることで1層フィルム20を固
定することが考えられるが、この場合、1層フィルム2
0が変形したり破れてしまったりする可能性がある。こ
れを防止するためには、1層フィルム20にかかる張力
を調整すればよいのだが、この場合、積層対象の1層フ
ィルム20毎にその引っ張り張力を微調整しなければな
らない可能性があり、製造期間の遅延を招きかねない。
【0030】そこで、本実施形態では、図5に模式的に
示すように、上記のシート固定台21(載置面21a)
と1層フィルム20との間(接触面)に、液体(例え
ば、エタノール)22を保持させることによって、1層
フィルム20をシート固定台21(載置面21a)に固
定する手法をとる。即ち、シート固定台21(載置面2
1a)と1層フィルム20との間に液体22を保持させ
ると、その液体22と固体である1層フィルム20,シ
ート固定台21との接触により毛管現象が生じ、この毛
管現象によって、液体22と1層フィルム20,シート
固定台21との間に接着力(これを「毛管引力」とい
う)が生じて、1層フィルム20がシート固定台21に
固定されるのである。つまり、本実施形態では、1層フ
ィルム20とシート固定台21の載置面21aとの間に
作用させる流体力として毛管引力を作用させるのであ
る。
【0031】ここで、1層フィルム20とシート固定台
21との間に液体22を保持させる手法としては、様々
な手法が考えられるが、例えば、図6(A)〜図6
(C)に示すような手法をとれば、1層フィルム20と
シート固定台21との間に液体22を均一に保持させる
ことが可能である。即ち、まず、シート固定台21(載
置面21a)の端部21b上に液体22を置いておき
〔図6(A)参照〕、その端部21b側から、1層フィ
ルム20を、例えばローラ15等を用いて、一定の圧力
をかけながらシート固定台21に圧着してゆく〔図6
(B)参照〕。これにより、液体22は、ローラ15か
らの一定の圧力によってシート固定台21の載置面21
a上に、順次、広がってゆき、最終的に、載置面21a
上に均一に広がって、1層フィルム20の固定が完了す
る〔図6(C)参照〕。
【0032】この状態で、上記接着剤塗布装置によって
接着剤8を、上述したスピンコート法,ブレードコート
法,グラビアコート法,ダイコート法等によって、1層
フィルム20に塗布すれば、1層フィルム20に変形や
損傷等を生じさせることなく、接着剤8を1層フィルム
20上に所望の膜厚で均一に塗布することが可能とな
る。
【0033】中でも、スピンコート法では1層フィルム
20の保持が特に困難であったため、本手法の適用効果
は非常に大きい。なお、上記の接着剤塗布装置は、シー
ト固定台21(載置面21a)と接着剤供給機構とを有
するのが好ましいが、少なくとも、接着剤塗布対象物
(1層フィルム20)に接着剤8を塗布できる機構を有
していればその構造については不問である。
【0034】以上のように、本実施形態によれば、1層
フィルム20と接着剤塗布装置のシート固定台21の載
置面21aとの間に液体22を保持させるという、極め
て簡単な作業で、しかも、1層フィルム20に傷や変
形,損傷等を生じさせることなく載置面21aに確実に
固定することができるので、接着剤8の塗布工程及び1
層フィルム20の積層接着工程を迅速且つ精度良く行な
うことができて、多層光メモリ30を容易且つ安価に提
供することが可能になる。また、多層光メモリ30の製
造工程(積層接着工程)の信頼度も大幅に向上する。
【0035】また、上記の液体22に、エタノールを適
用しているので、1層フィルム20を溶解させてしまっ
たりすることがない。また、その揮発性が高いことか
ら、シート固定台21からの分離後、1層フィルム20
に付着した液体22を短時間で乾燥させることができ
る。さらに、本実施形態では、コア層2とその両面部に
積層されたクラッド層3,8とがいずれも樹脂製で、し
かも、凹凸の形成されるコア層(コア剤)2に光(紫外
線)(あるいは、熱等)で硬化する硬化性樹脂を用いて
いるので、従来のようにフォトレジストの露光,現像処
理等を用いなくても、スタンパ1からの転写によって、
所望パターンの凹凸(ピット)のついたコア層2を形成
することが可能である。従って、1層フィルム20、ひ
いては、多層光メモリ30を短期間で大量生産すること
が可能となり、安価な光メモリ素子30を早期に提供す
ることができる。
【0036】また、上述した例では、スタンパ1上にコ
ア剤2を塗布し完全に硬化させてコア層2を形成した
後、コア層2への樹脂フィルム4の貼着工程を行なって
いるので、樹脂フィルム4の貼着圧力によるコア層2の
膜厚変動(つまり、光導波条件の変動)が生じない。従
って、光導波路であるコア層2の膜厚制御が容易にな
り、所望の膜厚の光導波条件を有する多層光メモリ30
を精度良く実現することができる。
【0037】また、この多層光メモリ30では、接着剤
8が接着後にクラッド層として機能するので、予めクラ
ッド層6をコア層2上に個別に形成した1層分の光メモ
リ素子を複数個積層する場合に比して、多層光メモリ3
0全体の厚みを薄くすることができ、その小型化を図る
ことができる。なお、上述した実施形態では、クラッド
層3を形成するための工程において、コア層2上にクラ
ッド剤3を塗布し、その上から、樹脂フィルム4を載置
している(図1参照)が、例えば、クラッド剤3を塗布
した樹脂フィルム4をコア層2上に載置(貼着)しても
よいし、樹脂フィルム4とコア層2の双方にクラッド剤
3を塗布した状態でこれらを貼り合わせてもよい。ただ
し、上述したように、コア層2上にクラッド剤3を塗布
し、その上から、気泡が入らないように静かに樹脂フィ
ルム4を載置する方が、クラッド層3の膜厚を均一に保
つことが容易になる。
【0038】また、上述した例では、上記のコア層2や
クラッド層3を紫外線硬化性樹脂の硬化により形成して
いるが、例えば、コア層2やクラッド層3として機能す
る所望の樹脂を溶媒に溶かしたものを塗布した後、乾燥
させることで形成することも可能である。さらに、上述
した1層フィルム(1層積層体)20は、次のような工
程により製造することも可能である。即ち、まず、この
場合も、図7(A)に模式的に示すように、スタンパ1
上に、コア剤2を所定の膜厚となるように塗布するが、
本変形例では、このコア剤2を紫外線照射により完全に
硬化しない程度(接着能力は残る程度)に硬化(不完全
硬化)させておく。
【0039】その一方で、図7(B)に模式的に示すよ
うに、樹脂フィルム4上に紫外線硬化性樹脂材からなる
クラッド剤3を塗布し硬化させることで、クラッド層3
が一方の面部に形成された樹脂フィルム4を作製してお
く。そして、図7(C)に示すように、この樹脂フィル
ム4をクラッド層3とコア層2とが接触するようスタン
パ1上に載置(貼着)し、その後、コア剤2を紫外線照
射により完全に硬化させて、樹脂フィルム4に形成され
たクラッド層3とコア層2とを接着する。そして、これ
らのコア層2とクラッド層3と樹脂フィルム4とをスタ
ンパ1から一体に剥離(分離)すれば、図1(D)に示
すものと同じ1層積層体(1層フィルム)20が製造さ
れる。
【0040】このように、スタンパ1上にコア剤2を塗
布した後、このコア剤2を不完全硬化させて、コア剤2
に或る程度の硬度をもたせた上で、樹脂フィルム4の貼
着工程を行なうことで、形成されるコア層2の膜厚変動
(光導波条件の変動)を抑制することができる。従っ
て、この場合も、多層光メモリ30を、短期間で大量生
産することが可能となり、安価な光メモリ素子30を早
期に提供することができるほか、所望の光導波条件を有
する光メモリ素子30を精度良く実現することができ
る。
【0041】また、コア剤2を上記のように段階的に硬
化させることで、コア剤2の硬化時の収縮の影響(1層
フィルム20の反曲等)を軽減することもでき、光メモ
リ素子30の平面性を保って、積層工程の簡単化,散乱
光による情報読取の信頼性の向上等を図ることができ
る。ところで、上述した液体22による固定方法が適用
される積層接着対象の1層フィルム(図3に示す各1層
フィルム20;樹脂製コア/クラッド部材)は、必ずし
も図1(D)に示す構造を有している必要はなく、ま
た、積層体である必要もない。つまり、上述したような
液体22による固定方法を適用した積層接着工程によ
り、最終的に、光メモリ素子が構成される構造を有して
いればよい。例えば、下記のいずれかでもよい。
【0042】(1)図8(D)に示す1層積層体(1層
フィルム)20−1 (2)図10に示す1層フィルム20−2 (3)図12に示す1層フィルム20−3 (4)図14(F)に示す1層積層体(1層フィルム)
20−4 (5)図16(E)に示す1層積層体(1層フィルム)
20−5 (6)図18(E),図18(D)に示す1層積層体
(1層フィルム)20−6,20−7 (7)図21(D)に示す1層積層体(1層フィルム)
20−8 (8)図23(H),図23(E)に示す1層積層体
(1層フィルム)20−9,20−10 以下、上記の10種類の各1層フィルム20−i(ただ
し、i=1〜10)の製造方法について詳述する。ただ
し、以下において、既述の符号と同一符号を付したもの
はそれぞれ既述のものと同一もしくは同様のものを表す
ものとする。
【0043】(1)1層フィルム20−1〔図8(D)
参照〕の製造方法の説明 始めに、この場合も、図8(A)に示すように、スタン
パ1上に、コア剤2を所定の膜厚となるように塗布した
後、このコア剤2を紫外線照射により完全に硬化しない
程度に硬化(不完全硬化)させる。次に、図8(B)に
示すように、コア剤2上に、樹脂製のクラッド層として
機能する樹脂フィルム4′を載置(ラミネート)し、そ
の後、コア剤2を完全に硬化させて樹脂製のコア層2を
形成するとともにコア層2と樹脂フィルム4′との接着
を行なう〔図8(C)参照〕。そして、図8(D)に示
すように、これらのコア層2と樹脂フィルム4′とをス
タンパ1から一体に剥離(分離)すると、樹脂フィルム
4′と、スタンパ1の凹凸が転写されたコア層2とから
成る1層積層体(1層フィルム)20−1が得られる。
【0044】なお、この場合の樹脂フィルム4′につい
ても、具体的には、前述したポリカーボネート,アート
ンなどの非晶質ポリオレフィンやPET,PEN等の光
学特性に優れる熱可塑性の樹脂フィルムが好適で、これ
らのいずれかを熱延伸或いは溶媒キャスト等の方法で、
例えば100μm以下の厚さにしたものがよい。そし
て、上述のごとく製造される1層フィルム20−1を複
数個用意し、例えば図9に示すように、これらの各1層
フィルム20−1を、上述した液体22による固定方法
を適用して、接着後に樹脂製のクラッド層として機能す
る接着剤8により積層接着すれば、樹脂製のコア層2
と、その両面部に積層された樹脂製のクラッド層4′,
8と、コア層2とクラッド層4′,8との各界面24,
28の一方(界面28)に設けられた凹凸とを有するス
ラブ型光導波路デバイス(光導波部材:積層体)248
が複数個積層されて成る、多層光メモリ30−1が製造
される。
【0045】なお、この場合も、接着剤8は、各1層フ
ィルム20−1のそれぞれに予め塗布しておいてもよい
し、1層フィルム20−1の積層毎に塗布していっても
よい。このように、スタンパ1上にコア剤2を塗布した
後、このコア剤2を不完全硬化させて、コア剤2に或る
程度の硬度をもたせた上で、樹脂フィルム4′の貼着工
程を行なうことで、形成されるコア層2の膜厚変動(光
導波条件の変動)を抑制することができる。従って、多
層光メモリ30−1を、短期間で大量生産することが可
能となり、安価な多層光メモリ30−1を早期に提供す
ることができるほか、所望の光導波条件を有する多層光
メモリ30−1を精度良く実現することができる。
【0046】また、この場合も、コア剤2の段階的な硬
化によって、コア剤2の硬化時の収縮による影響(反曲
等)を軽減でき、多層光メモリ30−1の平面性を保っ
て、積層工程の簡単化,散乱光による情報読取の信頼性
の向上等を図ることができる。さらに、この場合は、接
着剤8がクラッド層として機能する(兼用になってい
る)ことに加えて、樹脂フィルム4′がクラッド層とし
て機能する(兼用になっている)ので、多層光メモリ3
0−1の厚みをさらに薄くすることができて、光メモリ
素子30−1の小型化にも大きく寄与している。
【0047】(2)1層フィルム20−2(図10参
照)の製造方法の説明 まず、図10(A)に示すように、表面に所望の凹凸
(ピット)の刻まれたスタンパ1と、樹脂製のクラッド
層として機能する樹脂フィルム(1層フィルム:樹脂製
クラッドフィルム部材)20−2とを圧着することによ
り、スタンパ1の凹凸を樹脂フィルム20−2に転写す
る。このとき、例えば、樹脂フィルム20−2を50°
C以上の温度に保った状態で圧着(熱圧着)を行なえ
ば、上記凹凸の転写が容易になる。
【0048】そして、図10(B)に示すように、上記
の樹脂フィルム20−2をスタンパ1から剥離(分離)
すると、表面に凹凸(ピット)を有する樹脂フィルム2
0−2が作製される。この樹脂フィルム20−2を複数
用意し、例えば図11に示すように、各樹脂フィルム2
0−2を、上述した液体22による固定方法を適用し
て、この場合は、接着後に樹脂製のコア層として機能す
る接着剤11により積層接着すれば、樹脂製のコア層1
1と、その両面部に積層された樹脂製のクラッド層20
−2と、これらのコア層11とクラッド層20−2の各
界面111の一方に設けられた凹凸とをそなえて成るス
ラブ型光導波路デバイス(光導波部材:積層体)110
を複数個有する、多層光メモリ30−2が製造される。
【0049】なお、上記の接着剤11としては、例え
ば、紫外線硬化性樹脂材からなるコア剤が好適で、この
コア剤を紫外線照射により硬化させてコア層を形成しつ
つ、各樹脂フィルム20−2の接着を行なうのがよい。
このように、上述した例では、凹凸をもったクラッド層
20−2を形成するのに、例えばスタンパ1に紫外線硬
化性樹脂材からなるクラッド剤を塗布して硬化させると
いった工程が必要ないので、多層光メモリ30−2の製
造工程が大幅に簡素化されて、さらに、短期間で大量に
多層光メモリ30−2を生産することができる。
【0050】また、この場合は、固体である樹脂フィル
ム20−2にスタンパ1の凹凸を直接的に転写するの
で、樹脂フィルム(クラッド層)20−2の膜厚制御が
比較的容易であり、また、樹脂フィルム20−2に紫外
線硬化性樹脂材等の硬化性樹脂材を用いていないので、
硬化性樹脂材の硬化時の収縮による影響(樹脂フィルム
20−2の反曲等)も無い。
【0051】従って、樹脂フィルム20−2の製造およ
び積層が容易になり、より短期間で安価に多層光メモリ
30−2を提供できる。また、製造される多層光メモリ
30−2の平面性も高く保たれるので、散乱光による情
報読取の信頼度も向上する。さらに、樹脂フィルム20
−2自体がクラッド層として機能するので、図11に示
すように、或るクラッド層20−2は他のスラブ型光導
波路デバイス110のクラッド層20−2と兼用になっ
ており、これにより、多層光メモリ30−2の厚みが大
幅に薄くなり、その小型化に大いに寄与している。
【0052】(3)1層フィルム20−3(図12参
照)の製造方法の説明 上記とは逆に、図12(A)に示すように、スタンパ1
と、樹脂製のコア層として機能する樹脂フィルム(1層
フィルム:樹脂製コアフィルム部材)20−3とを圧着
(樹脂フィルム20−3の温度を50°C以上に保った
状態での熱圧着でもよい)したのち、図12(B)に示
すように、樹脂フィルム20−3をスタンパ1から剥離
(分離)すれば、スタンパ1の凹凸が転写された樹脂フ
ィルム20−3が製造される。
【0053】そして、この樹脂フィルム20−3を複数
用意し、例えば図13に示すように、それらの各樹脂フ
ィルム20−3を、上述した液体22による固定方法を
適用して、接着後にクラッド層として機能する接着剤8
により積層接着すれば、樹脂製のコア層20−3と、そ
の両面部に積層された樹脂製のクラッド層8と、これら
のコア層20−3と各クラッド層8との各界面123の
一方に設けられた凹凸とをそなえて成るスラブ型光導波
路デバイス(光導波部材:積層体)120を複数個有す
る多層光メモリ30−3が製造される。
【0054】なお、上述した各例では、樹脂フィルム2
0−2(20−3)にスタンパ1を圧着(もしくは、熱
圧着)することで表面に凹凸を有する樹脂フィルム20
−2(20−3)を成形しているが、例えば、スタンパ
1上に、溶媒に溶解したクラッド剤(コア剤)からなる
樹脂剤を塗布し乾燥させた後、スタンパ1から剥離(分
離)することで成形してもよい。
【0055】そして、このようにして得られる樹脂フィ
ルム20−2(20−3)を、上記と同様に、液体22
による固定方法を適用して、接着後にコア層(クラッド
層)として機能する接着剤11(8)により積層接着す
れば、上記と同様の多層光メモリ30−2(30−3)
が製造される。従って、この場合は、上述のごとく樹脂
フィルム20−2(20−3)をスタンパ1に圧着する
場合に比して、クラッド層(コア層)として機能する樹
脂フィルム20−2(20−3)の膜厚を精度良く制御
できるという利点がさらに得られる。
【0056】(4)1層フィルム20−4〔図14
(F)参照〕の製造方法の説明 始めに、図14(A)に示すように、スタンパ1上に、
所定の膜厚となるようにコア剤2を塗布したのち、紫外
線照射によりして完全に硬化させることで樹脂製のコア
層2を形成する。次に、このようにコア剤2を完全硬化
させた後、図14(B)に示すように、その上に、クラ
ッド剤3を塗布し、その上から、例えば図14(C)に
示すように、気泡が入らないように静かに樹脂製基体層
となる樹脂フィルム4を載置する。つまり、コア層2に
クラッド剤3を介して樹脂フィルム4を貼着(ラミネー
ト)する。そして、コア層2の形成と同様に、紫外線を
照射してクラッド剤3を硬化させれば、コア層2よりも
屈折率の小さい樹脂製のクラッド層3が形成されるとと
もに、樹脂フィルム4の接着が行なわれる。
【0057】さらに、図14(D)に示すように、樹脂
フィルム4上に、上記のクラッド剤3と同じ紫外線硬化
性樹脂材から成るクラッド剤(液状クラッド樹脂)5を
クラッド剤3と同じ膜厚で塗布した後、紫外線照射によ
りそのクラッド剤5を硬化させて、樹脂製のクラッド層
5を形成し、次いで、図14(E)に示すように、この
クラッド層5上に、上記のコア剤2と同じ紫外線硬化性
樹脂材から成るコア剤(液状コア樹脂)6をコア剤2と
同じ膜厚だけ塗布した後、紫外線照射によりこのコア剤
6を硬化させて、樹脂製のコア層6を形成する。
【0058】これにより、樹脂フィルム4を中心とし
て、それぞれ同じ紫外線硬化性樹脂材からなるクラッド
層3,5及びコア層2,6がそれぞれ同じ膜厚で(つま
り、硬化時の収縮率がそれぞれ同じ樹脂が)対象に積層
された状態となり、樹脂フィルム4の両面部において、
これらのクラッド層3,5及びコア層2,6の形成時の
収縮力が同等に働くことになる。つまり、クラッド層5
及びコア層6は、樹脂フィルム4の一方の面部に積層さ
れた樹脂層(クラッド層3及びコア層2)に対する収縮
バランス層として機能するのである。
【0059】よって、この状態で、図14(F)に示す
ように、スタンパ1から上記の各コア層2,6と各クラ
ッド層3,5と樹脂フィルム4とを一体に剥離(分離)
すれば、樹脂フィルム4は反曲せず、平面性の高い1層
フィルム(光メモリ素子用積層体)20−4が製造され
る。即ち、樹脂フィルム4と、その両面部に積層され
た、それぞれ同じ樹脂材,同じ膜厚の(つまり、それぞ
れ同等の収縮率を有する)クラッド層3,5と、これら
の各クラッド層3,5のそれぞれに積層された、それぞ
れ同じ樹脂材,同じ膜厚の(それぞれ同等の収縮率を有
する)コア層2,6と、これらの各コア層2,6の一方
(コア層2)の表面に設けられた凹凸(ピット)とをそ
なえて成る、1層フィルム20−4が製造される。
【0060】そして、この1層フィルム20−4を複数
個(枚)用意し、各1層フィルム20−4を前述した液
体22による固定方法を適用して、接着後に樹脂製のク
ラッド層として機能する接着剤8により積層接着、即
ち、或る1層フィルム20−4のコア層2と他の1層フ
ィルム20−4のコア層6とを接着剤8を介して相互に
積層して接着すれば、図15に示すような多層光メモリ
30−4が製造される。
【0061】即ち、樹脂製のコア層2と、その両面部に
積層された樹脂製のクラッド層3,8と、これらのコア
層2とクラッド層3,8との界面23,28の一方(界
面28)に設けられた凹凸とをそなえて成る光導波路デ
バイス238が複数個積層されるとともに、これらの各
光導波路デバイス238間に、積層体456〔一方の面
部にクラッド層3と同じ樹脂製のクラッド層5が積層さ
れるとともに、このクラッド層5にコア層2と同じ樹脂
製のコア層6が積層された樹脂フィルム4〕が設けられ
た、多層光メモリ30−4が作製される。
【0062】なお、上記のコア剤6やクラッド剤5につ
いても、塗布時には液体でその後、硬化させることので
きる樹脂であれば、上記紫外線硬化性樹脂以外の光硬化
性樹脂や、熱を加えることで硬化する熱硬化性樹脂等の
所望の硬化性樹脂を適用してもよい。ただし、使用材料
点数の削減の点から、コア剤6,クラッド剤5にも、上
述のごとく紫外線硬化性樹脂を適用するのが好ましく、
例えば、アクリル系,エポキシ系,チオール系の各樹脂
などがよい。
【0063】また、コア剤6やクラッド剤5の塗布方法
についても、前記と同様に、スピンコート法,ブレード
コート法,グラビアコート法,ダイコート法等がある
が、塗布膜厚と均一性を満足すればどのような塗布方法
を用いてもよい。以上のように、上述した例でも、コア
層2とその両面部に積層された各クラッド層3,8がい
ずれも樹脂製なので、従来のようにフォトレジストの露
光と現像とを用いることなく、上述したごとくスタンパ
1の転写により凹凸のついたコア層2を簡単に形成する
ことができる。また、スタンパ1上に塗布したコア剤2
を硬化させてから、樹脂フィルム4の貼着工程を行なう
ので、貼着圧力によるコア層2の膜厚変動が生じず、光
メモリ素子30−4の光導波条件を決定する上で特に重
要なコア層2の膜厚制御が容易である。
【0064】さらに、樹脂フィルム4を中心として、そ
の両面部側に、それぞれ同じ紫外線硬化性樹脂材からな
る樹脂製のクラッド層3,5とコア層2,6とを同じ膜
厚で対象となるように形成することで、樹脂フィルム4
の両面部側に設けられた各樹脂層2,3,5,6の硬化
時の収縮バランスを確保した上で、スタンパ1からの分
離工程を行なうので、樹脂フィルム4の反曲を最小限に
抑制した1層フィルム(光メモリ素子用積層体)20−
4を極めて容易且つ確実に製造することができる。
【0065】また、このように1層フィルム20−4の
反曲が最小限に抑制されていることから、多層光メモリ
30−4を製造する際の積層(接着)工程が容易にな
り、多層光メモリ30−4を極めて短期間で大量に生産
することが可能となるので、安価な多層光メモリ30−
4を早期に提供することができる。さらに、この場合、
製造される多層光メモリ30−4の反曲も最小限に抑制
されるので、高い平面性を得ることができ、これによ
り、情報読取時の信頼性も向上する。
【0066】また、1層フィルム20−4の積層工程で
使用する接着剤8がクラッド層として機能する(兼用に
なる)ので、多層光メモリ30−4の厚みも薄くするこ
とができ、多層光メモリ30−4の小型化にも寄与す
る。なお、上述した例では、コア層2及びクラッド層3
に対する収縮バランス層を、コア層2と同じ樹脂材(紫
外線硬化性樹脂材),同じ膜厚のコア層6と、クラッド
層3と同じ樹脂材(紫外線硬化性樹脂材),同じ膜厚の
クラッド層5とで形成しているが、コア層2及びクラッ
ド層3の硬化時の収縮バランスをとることができれば、
コア層6,クラッド層5の材質や膜厚はコア層2,クラ
ッド層3の材質や膜厚と異なっていてもよい。
【0067】例えば、コア剤6,クラッド剤5に、同じ
紫外線硬化性樹脂材でも、コア剤2,クラッド剤3より
も硬化時の収縮率が高いものを適用すれば、コア剤6,
クラッド剤5の塗布膜厚は、コア剤2,クラッド剤3の
塗布膜厚よりも薄くすることができ、また、紫外線硬化
性樹脂材以外でも、コア剤2,クラッド剤3と同等の収
縮率をもつ樹脂材を適用すれば、コア層2及びクラッド
層3の硬化時の収縮バランスをとって、樹脂フィルム4
の反曲を防止することができる。
【0068】さらに、上述した例では、樹脂フィルム4
上に、まず、クラッド層5を形成し、このクラッド層5
上にコア層6を形成しているが、これとは逆に、樹脂フ
ィルム4上に、まず、コア層6を形成し、このコア層6
上にクラッド層5を形成しても、コア層2及びクラッド
層3の硬化時の収縮バランスをとって、樹脂フィルム4
の反曲を防止することが可能である。
【0069】また、上述した例では、コア層2上にクラ
ッド剤3を塗布し、その上から樹脂フィルム4を載置す
ることで樹脂フィルム4の貼着を行なっているが、例え
ば、クラッド剤3を予め塗布した樹脂フィルム4をコア
層2に貼着してもよいし、樹脂フィルム4とコア層2と
の双方にクラッド剤3を塗布しておき、これらを貼り合
わせてもよい。さらに、両面部に予めクラッド剤3,5
を塗布した樹脂フィルム4をコア層2に貼着してもよ
い。
【0070】(5)1層フィルム20−5〔図16
(E)参照〕の製造方法の説明 始めに、この場合も、図16(A)に示すように、スタ
ンパ1上に、所定の膜厚となるようにコア剤2を塗布
し、紫外線照射により、このコア剤2を完全に硬化させ
ることで樹脂製のコア層2を形成する。次に、このよう
にコア剤2を完全硬化させた後、図16(B)に示すよ
うに、その上に、コア層2よりも屈折率の小さいクラッ
ド剤3を塗布し、その上から、例えば図16(C)に示
すように、クラッド剤3に気泡が入らないように樹脂製
基体層となる樹脂フィルム4を載置する。つまり、コア
層2にクラッド剤3を介して樹脂フィルム4を貼着(ラ
ミネート)する。
【0071】そして、コア層2の形成と同様に、紫外線
を照射してクラッド剤3を硬化させて、コア層2よりも
屈折率の小さい樹脂製のクラッド層3を形成するととも
に、樹脂フィルム4の接着を行なう。次に、図16
(D)に示すように、樹脂フィルム4上に、或る膜厚
(ただし、コア層2及びクラッド層3の2層分の膜厚よ
りも薄い膜厚が良い)で上記のコア剤2及びクラッド剤
3の硬化時の合成収縮率と同等の収縮率をもつようにそ
の成分を調整された紫外線硬化性樹脂材から成る樹脂剤
(収縮バランス剤)9を上記膜厚で塗布したのち、紫外
線照射によりこの樹脂剤9を硬化させて、樹脂層(収縮
バランス層)9を形成する。なお、上記の「合成収縮
率」とは、コア剤2及びクラッド剤3の硬化時のそれぞ
れの収縮率の合計をいう。
【0072】これにより、樹脂フィルム4の両面部側に
おいて、クラッド剤3及びコア剤2の硬化による収縮力
と、樹脂層9の硬化による収縮力とが同等に働くので、
樹脂フィルム4の両面部間の紫外線硬化性樹脂剤の収縮
バランスがとられる。つまり、本製造方法では、コア剤
2及びクラッド剤3の硬化による収縮力と同等の収縮力
を、コア層2及びクラッド層3の2層分の膜厚よりも薄
い膜厚の1層分の樹脂層9により実現しているのであ
る。
【0073】よって、この状態で、図16(E)に示す
ように、スタンパ1から上記のコア層2と各クラッド層
3と樹脂層9と樹脂フィルム4とを一体に剥離(分離)
しても、樹脂フィルム4は反曲せず、平面性の高い1層
フィルム(光メモリ素子用積層体)20−5が製造され
ることになる。即ち、樹脂フィルム4と、この樹脂フィ
ルム4の一方の面部に積層された樹脂製のクラッド層3
と、このクラッド層3に積層された樹脂製のコア層2
と、このコア層2の表面に設けられた凹凸(ピット)
と、樹脂フィルム4の他方の面部に積層された、コア層
2及びクラッド層3の合成収縮率と同等の収縮率を有す
る樹脂材から成る樹脂層9とをそなえて成る、1層フィ
ルム20−5が製造される。
【0074】そして、この1層フィルム20−5を複数
個(枚)用意し、これらの各1層フィルム20−5を、
前述した液体22による固定方法を適用して、接着後に
樹脂製のクラッド層として機能する接着剤8により積層
接着、即ち、或る1層フィルム20−5のコア層2と他
の1層フィルム20−5の樹脂層9とを接着剤8を介し
て相互に積層して接着すれば、図17に示すような多層
光メモリ30−5が製造される。
【0075】即ち、樹脂製のコア層2と、このコア層2
の両面部に積層された樹脂製のクラッド層3,8と、こ
れらのコア層2とクラッド層3,8との界面23,28
の一方(界面28)に設けられた凹凸とをそなえて成る
光導波路デバイス(光導波部材)238が複数個積層さ
れるとともに、これらの各光導波路デバイス238間
に、積層体49(一方の面部に樹脂層9の積層された樹
脂フィルム4)が設けられた、多層光メモリ30−5が
作製される。
【0076】なお、上記の樹脂剤9には、上述のごとく
コア剤2やクラッド剤3と同じもの(紫外線硬化性樹
脂)を用いることが好ましいが、光学特性を満たしてい
れば、どのようなものを用いてもよい。また、この樹脂
剤9の塗布方法についても、スピンコート法,ブレード
コート法,グラビアコート法,ダイコート法等が適用で
きるが、塗布膜厚と均一性を満足すればどのような塗布
方法を用いてもよい。
【0077】このように、上述した例では、コア層2及
びクラッド層3に対する収縮バランスをコア層2及びク
ラッド層3の2層分の膜厚よりも薄い膜厚の1層分の樹
脂層9によってとるので、樹脂フィルム4(つまり、1
層フィルム10)の反曲を最小限に抑制するとともに、
製造される1層フィルム20−5の厚みも薄くすること
ができる。
【0078】従って、1層フィルム20−5の積層工程
が容易になり、多層光メモリ30−5を極めて短期間で
大量に生産することが可能となり、安価な多層光メモリ
30−5を早期に提供することができるとともに、上述
のごとく1層フィルム20−5自体の厚みが薄くなって
いることに加えて、この場合も、接着剤8がクラッド層
として機能する(兼用になる)ことから、多層光メモリ
30−5の大幅な小型化を図ることが可能である。ま
た、多層光メモリ30−5の平面性も向上しており、情
報読取時の信頼性も向上している。
【0079】なお、上述した例においても、コア層2上
にクラッド剤3を塗布し、その上から樹脂フィルム4を
載置することで樹脂フィルム4の貼着を行なっている
が、例えば、クラッド剤3を予め塗布した樹脂フィルム
4をクラッド剤3の塗布面を介してコア層2に貼着して
もよいし、樹脂フィルム4とコア層2との双方にクラッ
ド剤3を塗布しておき、これらを貼り合わせてもよい。
また、予め一方の面部に予めクラッド剤3を塗布し、他
方の面部に樹脂剤9を塗布した樹脂フィルム4をコア層
2に貼着してもよい。
【0080】(6)1層フィルム20−6,20−7
(図18参照)の製造方法の説明始めに、図18(A)
に示すように、スタンパ1上に、所定の膜厚となるよう
にクラッド剤3を所定の膜厚となるように塗布し、その
上から、図18(B)に示すように、クラッド剤3に気
泡が入らないように樹脂製基体層となる樹脂フィルム4
を載置する。つまり、スタンパ1にクラッド剤3を介し
て樹脂フィルム4を貼着(ラミネート)する。
【0081】その後、紫外線照射により、クラッド剤3
を硬化させて樹脂製のクラッド層3を形成するととも
に、樹脂フィルム4の接着を行ない、次に、図18
(C)に示すように、樹脂フィルム4上に、クラッド剤
3と同じ紫外線硬化性樹脂材からなるクラッド剤5をク
ラッド剤3と同じ膜厚で塗布した後、紫外線照射によ
り、このクラッド剤5を硬化させて樹脂製のクラッド層
5を形成する。
【0082】これにより、樹脂フィルム4の両面部にそ
れぞれ同じ樹脂材,同じ膜厚のクラッド層3,5が形成
され、樹脂フィルム4の両面部側において、各クラッド
層(クラッド剤)3,5の硬化時の収縮力が同等に働
き、樹脂フィルム4の両面部間の紫外線硬化性樹脂によ
る収縮バランスがとられた状態となる。よって、図18
(D)に示すように、スタンパ1から上記の各クラッド
層3,5と樹脂フィルム4とを一体に剥離(分離)して
も、樹脂フィルム4は反曲せず、平面性の高い1層フィ
ルム20−7、即ち、樹脂フィルム4と、この樹脂フィ
ルム4の両面部に積層された、それぞれ同じ樹脂材から
なる(つまり、同等の収縮率を有する)クラッド層3,
5と、これらの各クラッド層3,5の一方(クラッド層
3)の表面に設けられた凹凸とをそなえて成る、1層フ
ィルム(光メモリ素子用積層体)20−7が製造され
る。
【0083】そして、図18(E)に示すように、この
1層フィルム20−7の上下を反転して、凹凸のついた
クラッド層3上に、さらに、樹脂製のコア層2を形成す
ると、樹脂フィルム4と、その両面部に積層された、同
じ樹脂材からなるクラッド層3,5と、これらのコア層
2とクラッド層3との界面23に設けられた凹凸(ピッ
ト)とを有して成る、1層フィルム(光メモリ素子用積
層体)20−6が製造される。
【0084】なお、このときのコア層2の形成手法は、
紫外線硬化性樹脂材からなるコア剤をクラッド層3上に
塗布し硬化させてもよいし、溶媒に溶解したコア剤をク
ラッド層3上に塗布し乾燥させてもよいが、1層フィル
ム20−6の反曲の抑制を考慮するなら、後者の手法を
採った方がよい。次に、上述のごとく製造される1層フ
ィルム20−6を複数枚用意し、これらの各1層フィル
ム20−6を、前述した液体22による固定方法を適用
して、接着後に樹脂製のクラッド層として機能する接着
剤8により積層接着、即ち、或る1層フィルム20−6
のコア層2と他の1層フィルム20−6のクラッド層5
とを接着剤8を介して相互に積層して接着すれば、図1
9に示すような多層光メモリ30−6が製造される。な
お、この場合、接着剤8がクラッド層として機能するの
で、図19中に示すように、クラッド層5と接着剤8と
が1層分のクラッド層58として機能することになる。
【0085】即ち、樹脂製のコア層2と、このコア層2
の両面部に積層された樹脂製のクラッド層3,58と、
これらのコア層2とクラッド層3,58との界面23,
28の一方(界面23)に設けられた凹凸とをそなえて
成る光導波路デバイス(光導波部材)2358が複数個
積層されるとともに、これらの各光導波路デバイス23
58間に樹脂フィルム4の設けられた、多層光メモリ3
0−6が製造される。
【0086】このように、樹脂フィルム4の両面部に、
それぞれ同じ紫外線硬化性樹脂材からなるクラッド層
3,5を同じ膜厚で形成することで、樹脂フィルム4の
両面部に設けられた各クラッド層3,5の硬化時の収縮
バランスを確保した上で、スタンパ1からの分離工程を
行なったのち、クラッド層3上へのコア層2の形成を行
なうので、平面性の高い1層フィルム20−6を極めて
容易且つ確実に製造することができる。
【0087】また、このように1層フィルム20−6の
反曲が最小限に抑制されていることから、多層光メモリ
30−6を製造する際の積層工程が容易になり、多層光
メモリ30−6を極めて短期間で大量に生産することが
可能となり、安価な多層光メモリ30−6を早期に提供
することができる。さらに、製造される多層光メモリ3
0−6の反曲も最小限に抑制されるので、高い平面性を
得ることができ、これにより、情報読取時の信頼性も向
上する。
【0088】また、この場合も、1層フィルム20−6
の積層工程で使用する接着剤8がクラッド層として機能
する(兼用になる)ので、多層光メモリ30−6の厚み
も薄くすることができ、多層光メモリ30−6の小型化
にも寄与する。なお、上述した例では、スタンパ1上に
クラッド剤3を塗布し、その上から樹脂フィルム4を載
置することで樹脂フィルム4の貼着を行なっているが、
例えば、クラッド剤3を予め塗布した樹脂フィルム4を
スタンパ1上に貼着してもよいし、樹脂フィルム4とス
タンパ1との双方にクラッド剤3を塗布しておき、これ
らを貼り合わせてもよい。また、予め両面部にクラッド
剤3,5を塗布した樹脂フィルム4をスタンパ1に貼着
してもよい。
【0089】また、図18(D)に示す1層フィルム2
0−7を複数個用意し、これらの各1層フィルム20−
7を、前述した液体22による固定方法を適用して、接
着後にコア層として機能する接着剤11により積層接着
すれば、図20に示すような多層光メモリ30−7が製
造される。即ち、樹脂製のコア層11と、このコア層1
1の両面部に積層された樹脂製のクラッド層3,5と、
これらのコア層11とクラッド層3,5との界面11
3,115の一方(界面113)に設けられた凹凸とを
そなえて成る光導波路デバイス1135が複数個積層さ
れるとともに、これらの各光導波路デバイス1135間
に樹脂フィルム4が設けられた、多層光メモリ30−7
が製造される。
【0090】この多層光メモリ30−7は、上述した多
層光メモリ30−6(図19参照)におけるクラッド層
8が不要な構造になるので、上記の多層光メモリ30−
6と同等の容量をもった多層光メモリ30−7を、上述
した多層光メモリ30−6よりも薄く実現することがで
きる。また、スタンパ1からの分離時の反曲を最小限に
抑制した平面性の高い1層フィルム20−7を、複数
個、クラッド層3上にコア層2を形成せずにそのまま、
接着剤11を介して積層接着するので、より短期間で多
層光メモリ30−7を製造することが可能である。
【0091】なお、上述した例では、各クラッド層3,
5の材質及び膜厚をそれぞれ同じにすることで、樹脂フ
ィルム4の両面部間の収縮バランスをとっているが、少
なくとも、この収縮バランスをとることができれば、各
クラッド層3,5の材質や膜厚はそれぞれ異なっていて
もよい。例えば、クラッド剤5に、同じ紫外線硬化性樹
脂材でも、クラッド剤3よりも硬化時の収縮率が高いも
のを適用すれば、クラッド剤5の塗布膜厚は、クラッド
剤3の塗布膜厚よりも薄くすることができ、また、紫外
線硬化性樹脂材以外でも、クラッド剤3と同等の収縮率
をもつ樹脂材を適用すれば、上記の収縮バランスをとっ
て、樹脂フィルム4の反曲を防止することができる。
【0092】(7)1層積層体(1層フィルム)20−
8〔図21(D)参照〕の製造方法の説明 まず、図21(A)に示すように、スタンパ1上に、所
定の膜厚となるようにコア剤2を塗布し、その上から、
図21(B)に示すように、樹脂製のクラッド層として
機能する樹脂フィルム(樹脂製フィルム部材)4′を載
置する。つまり、スタンパ1に、コア剤2を介して、樹
脂製のクラッド層として機能する樹脂フィルム4′をラ
ミネート(貼着)する。
【0093】次に、上記のコア剤2を、紫外線照射によ
り硬化させてコア層2を形成するとともに、樹脂フィル
ム4′の接着を行ない、その後、図21(C)に示すよ
うに、樹脂フィルム4′上に、さらに、コア剤2と同じ
紫外線硬化性樹脂材からなるコア剤6をコア剤2と同じ
膜厚で塗布し、紫外線照射により硬化させて樹脂製のコ
ア層6を形成する。
【0094】これにより、樹脂フィルム4′の両面部側
において、各コア層(コア剤)2,6の硬化時の収縮力
が同等に働き、樹脂フィルム4′の両面部間の紫外線硬
化性樹脂による収縮バランスがとられた状態となる。よ
って、図21(D)に示すように、各コア層2,6及び
樹脂フィルム4′をスタンパ1から一体に剥離(分離)
しても、樹脂フィルム4′は反曲せず、平面性の高い1
層フィルム(光メモリ素子用積層体)20−8、即ち、
樹脂フィルム(クラッド層)4′と、このクラッド層
4′の両面部に積層された、それぞれ同じ樹脂材,同じ
膜厚(つまり、同等の収縮率を有する)樹脂製のコア層
2,6とをそなえるとともに、これらの各コア層2,6
の一方(コア層2)の表面に凹凸の設けられた、1層フ
ィルム20−8が製造される。
【0095】そして、この1層フィルム20−8を複数
枚用意し、各1層フィルム20−8を前述した液体22
による固定方法を適用して、接着後に樹脂製のクラッド
層として機能する接着剤8により積層接着、即ち、或る
1層フィルム20−8のコア層2と他の1層フィルム2
0−8のコア層6とを接着剤8を介して相互に積層して
接着すれば、図22に示すような多層光メモリ30−8
が製造される。
【0096】即ち、樹脂製のコア層2と、このコア層2
の両面部に積層された樹脂製のクラッド層4′,8と、
これらのコア層2とクラッド層4′,8の界面24,2
8の一方(界面28)に設けられた凹凸とをそなえて成
る光導波路デバイス(光導波部材)248が複数個積層
されるとともに、これらの各光導波路デバイス248間
に、コア層2と同じ樹脂材,同じ膜厚の(つまり、コア
層2と同等の収縮率を有する)コア層6が設けられた、
多層光メモリ30−8が製造される。
【0097】このように、樹脂フィルム4′の両面部
に、それぞれ同じ紫外線硬化性樹脂材からなるコア層
2,6を同じ膜厚で形成することで、樹脂フィルム4′
の両面部に設けられた各コア層2,6の硬化時の収縮バ
ランスを確保した上で、スタンパ1からの分離工程を行
なうので、平面性の高い1層フィルム20−8を極めて
容易且つ確実に製造することができる。
【0098】また、このように1層フィルム20−8の
反曲が最小限に抑制されていることから、多層光メモリ
30−8を製造する際の積層工程が容易になり、多層光
メモリ30−8を極めて短期間で大量に生産することが
可能となり、安価な多層光メモリ30−8を早期に提供
することができる。さらに、製造される多層光メモリ3
0−8の反曲も最小限に抑制されるので、高い平面性を
得ることができ、これにより、情報読取時の信頼性も向
上する。
【0099】また、本実施形態では、樹脂フィルム4′
がクラッド層として機能するとともに、1層フィルム2
0−8の積層工程で使用する接着剤8がクラッド層とし
て機能する(兼用になる)ので、多層光メモリ30−8
の厚みがさらに薄くなり、その大幅な小型化が図られて
いる。なお、上述した例では、スタンパ1上にコア剤2
を塗布し、その上から樹脂フィルム4を載置することで
樹脂フィルム4′の貼着を行なっているが、例えば、コ
ア剤2を予め塗布した樹脂フィルム4′をスタンパ1上
に貼着してもよいし、樹脂フィルム4′とスタンパ1と
の双方にコア剤2を塗布しておき、これらを貼り合わせ
てもよい。また、予め両面部にコア剤2,6を塗布した
樹脂フィルム4′をスタンパ1に貼着してもよい。
【0100】(8)1層積層体(1層フィルム)20−
9〔図23(H)参照〕,20−10〔図23(E)参
照〕の製造方法の説明 まず、図23(A)に示すように、スタンパ1上に、所
定の膜厚となるようにコア剤2を塗布し、紫外線を照射
して完全に硬化させることで樹脂製のコア層2を形成す
る。次に、このようにコア剤2を完全硬化させた後、図
23(B)に示すように、その上に、クラッド剤3を塗
布し硬化させて、樹脂製のクラッド層3を形成する。
【0101】さらに、図23(C)に示すように、この
クラッド層3上に、クラッド層3よりも僅かに屈折率の
高い紫外線硬化性樹脂材から成る樹脂剤(屈折率調整用
の樹脂剤:例えば、コア剤)4Aを塗布し、その上に、
図23(D)に示すように、気泡が入らないように静か
に樹脂製基体層となる樹脂フィルム(樹脂製フィルム部
材)4を載置する。つまり、クラッド層3に樹脂剤4A
を介して樹脂フィルム4を貼着(ラミネート)する。
【0102】そして、上記の樹脂剤4Aを紫外線照射に
より硬化させて、クラッド層3よりも僅かに屈折率の高
い樹脂層(屈折率調整用の樹脂層)4Aを形成するとと
もに、樹脂フィルム4の接着を行なう。さらに、図23
(E)に示すように、樹脂フィルム4上に上記の樹脂剤
4Aと同じ樹脂剤4B、即ち、クラッド層3よりも僅か
に屈折率の高い樹脂剤(例えば、コア剤)4Bを塗布し
硬化させて、クラッド層3よりも僅かに屈折率の高い樹
脂層(屈折率調整用の樹脂層)4Bを形成する。
【0103】次に、図23(F)に示すように、この樹
脂層4B上に、さらに、クラッド剤3と同じ紫外線硬化
性樹脂材からなるクラッド剤5をクラッド剤3の塗布膜
厚と同じ膜厚で塗布し硬化させて樹脂製のクラッド層5
を形成し、このクラッド層5上に、図23(G)に示す
ように、さらに、コア剤2と同じ紫外線硬化性樹脂材か
らなるコア剤6をコア剤2の塗布膜厚と同じ膜厚で塗布
し硬化させて樹脂製のコア層6を形成する。
【0104】以上の工程により、樹脂フィルム4の屈折
率がクラッド層3の屈折率よりも低い場合でも、コア層
2と樹脂フィルム4の間に、クラッド層3の屈折率より
も屈折率の高い樹脂層4Aが介装されているので、コア
層2に光を入力した際、コア層2の凹凸パターン(以
下、単に「凹凸」ともいう)で散乱した光は、樹脂層4
Aを通じて樹脂フィルム4側へ透過することになる。つ
まり、上記の凹凸による散乱光がクラッド層3で導波し
てしまうことが無い。
【0105】また、この場合は、樹脂フィルム4の両面
部側に、同じ樹脂材からなる樹脂剤4A,4B,クラッ
ド剤3,5,コア剤2,6をそれぞれ対象に同じ膜厚で
塗布し硬化させるので、これらの樹脂剤4A,4B,ク
ラッド剤3,5,コア剤2,6を硬化させたときの収縮
力が樹脂フィルム4の両面部間に同等に働くことにな
る。つまり、樹脂フィルム4の両面部間の収縮バランス
がとられた状態になっている。
【0106】よって、この状態で、図23(H)に示す
ように、スタンパ1から上記の各コア層2,6,クラッ
ド層3,5及び樹脂層4A,4Bを一体に剥離(分離)
しても、樹脂フィルム4はカール(反曲)せず、これに
より、平面性が高く、しかも、クラッド層3への散乱光
の導波を防止した1層フィルム(光メモリ素子用積層
体)20−9が製造される。
【0107】即ち、樹脂製のコア層2と、このコア層2
の一方の面部に積層された樹脂製のクラッド層3と、コ
ア層2の他方の面部に設けられた凹凸と、クラッド層3
に積層された、クラッド層3よりも屈折率の高い樹脂層
4Aと、この樹脂層4Aに積層された樹脂フィルム4
と、この樹脂フィルム4に積層された、クラッド層3よ
りも屈折率の高い樹脂層4Bと、この樹脂層4Bに積層
された、クラッド層3と同じ樹脂材,同じ膜厚の(つま
り、クラッド層3と同等の収縮率を有する)樹脂製のク
ラッド層5と、このクラッド層5に、コア層2と同じ樹
脂材,同じ膜厚の(つまり、コア層2と同等の収縮率を
有する)樹脂製のコア層6とをそなえて成る、1層フィ
ルム20−9が製造される。
【0108】そして、この1層フィルム20−9を複数
個(枚)用意し、これらの各1層フィルム20−9を、
前述した液体22による固定方法を適用して、接着後に
クラッド層として機能する接着剤8により積層接着すれ
ば、図24に示すような多層光メモリ30−9が製造さ
れる。即ち、樹脂製のコア層2と、このコア層2の両面
部に積層された樹脂製のクラッド層3,8と、これらの
コア層2とクラッド層3,8との界面23,28の一方
(界面28)に設けられた凹凸とをそなえて成る光導波
路デバイス238が、複数個積層されるとともに、これ
らの光導波路デバイス238間に、積層体4AB〔クラ
ッド層3(5)よりも屈折率の高い樹脂層4A,4Bを
両面部に有する樹脂フィルム4〕と、積層体56(収縮
バランス用のクラッド層5及びコア層6)とが設けられ
た、多層光メモリ30−9が製造される。
【0109】なお、上記の樹脂剤4A,4Bについて
も、塗布時には液体でその後、硬化させることのできる
樹脂であれば、上記紫外線硬化性樹脂以外の光硬化性樹
脂や、熱を加えることで硬化する熱硬化性樹脂等の所望
の硬化性樹脂を適用してもよい。ただし、使用材料点数
の削減の点から、これらの樹脂剤4A,4Bにも、上述
のごとく紫外線硬化性樹脂を適用するのが好ましく、例
えば、アクリル系,エポキシ系,チオール系の各樹脂な
どがよい。
【0110】さらに、これらの樹脂剤4A,4Bの塗布
方法についても、例えば、スピンコート法,ブレードコ
ート法,グラビアコート法,ダイコート法等が適用でき
る。そして、上述のごとく構成された多層光メモリ30
−9では、例えば、或る光導波路デバイス238のコア
層2に光を入力すると、その入力光がクラッド層3,8
との界面23,28の一方(界面28)に設けられた凹
凸(ピット)で散乱し、その散乱光が上下方向のそれぞ
れに伝播する。
【0111】このとき、クラッド層3や5に着目する
と、樹脂層4A,4Bを両面部に有する樹脂フィルム4
(積層体4AB)の存在により、それぞれの両面部が、
自身の屈折率よりも高い屈折率を有するコア層2及び樹
脂層4A、或いは、コア層6及び樹脂層4Bによって挟
まれた構造になっているので、先にも述べたように、樹
脂フィルム4の屈折率がクラッド層3や5の屈折率より
も低い場合でも、ピットによる散乱光がクラッド層3や
5で導波してしまうことは無い。また、クラッド層8に
ついても、その両面部がそれぞれ自身の屈折率よりも高
いコア層2及び6に挟まれた構造になっているので、散
乱光がクラッド層8で導波することも無い。従って、散
乱光は、正常に、多層光メモリ30−9の両面部から外
部へ放出される。
【0112】このように、光導波路デバイス238間
に、屈折率調整用の樹脂層4A,4Bを両面部に有する
樹脂フィルム4(積層体4AB)を設けることで、樹脂
フィルム4の屈折率がクラッド層3や5の屈折率よりも
低い場合でも、クラッド層3や5での散乱光の導波を防
止することができるので、クラッド層3や5での散乱光
の導波によって多層光メモリ30−9としての本来の機
能(動作)が妨げられるようなことが無い。
【0113】従って、膜厚や強度等が適しているフィル
ム材料であっても、その屈折率がクラッド層3や5より
も低いという理由だけで、多層光メモリ30−9の構成
要素として使用できないといった不具合が解消される。
この結果、樹脂フィルム4として適用可能な材質の選択
肢が広がり、多層光メモリ30−9の実現性に大きく寄
与する。
【0114】また、上述した例でも、コア層2とその両
面部に積層された各クラッド層3,8がいずれも樹脂製
なので、従来のようにフォトレジストの露光と現像とを
用いることなく、上述したごとくスタンパ1の転写によ
り凹凸のついたコア層2を簡単に形成することができ
る。さらに、スタンパ1上に塗布したコア剤2を硬化さ
せてから、樹脂フィルム4の貼着工程を行なうので、貼
着圧力によるコア層2の膜厚変動(つまり、光導波条件
の変動)が生じず、光導波路として機能する凹凸のつい
たコア層2の膜厚制御、即ち、光導波条件の制御が容易
である。
【0115】また、樹脂フィルム4を中心として、その
両面部側に、それぞれ同じ紫外線硬化性樹脂材からなる
コア層2,6とクラッド層3,5と樹脂層4A,4Bと
を同じ膜厚で対象となるように形成することで、樹脂フ
ィルム4の両面部側に設けられた各樹脂層2,3,4
A,4B,5,6の硬化時の収縮バランスを確保した上
で、スタンパ1からの分離工程を行なうので、樹脂フィ
ルム4の反曲を最小限に抑制した1層フィルム20−9
を極めて容易且つ確実に製造することができる。
【0116】また、このように1層フィルム20−9の
反曲が最小限に抑制されていることから、多層光メモリ
30−9を製造する際の積層(接着)工程が容易にな
り、多層光メモリ30−9を極めて短期間で大量に生産
することが可能となり、安価な多層光メモリ30−9を
早期に提供することができる。さらに、この場合、製造
される多層光メモリ30−9の反曲も最小限に抑制され
るので、高い平面性を得ることができ、これにより、情
報読取時の信頼性も向上する。
【0117】また、1層フィルム20−9の積層工程で
使用する接着剤8がクラッド層として機能する(兼用に
なる)ので、コア層2上に樹脂製のクラッド層8を個別
に形成して1層分の光メモリ素子(1層メモリ)を製造
し、この1層メモリを複数個、単なる接着剤で積層接着
する場合に比して、多層光メモリ30−9の厚みも薄く
することができ、多層光メモリ30−9の小型化にも寄
与する。
【0118】なお、上述した例では、コア層2及びクラ
ッド層3に対する収縮バランスを、コア層2と同じ樹脂
材,同じ膜厚のコア層6と、クラッド層3と同じ樹脂
材,同じ膜厚のクラッド層5とでとっているが、コア層
2及びクラッド層3の硬化時の収縮バランスをとること
ができれば、コア層6,クラッド層5の材質や膜厚はコ
ア層2,クラッド層3の材質や膜厚と異なっていてもよ
い。
【0119】例えば、コア剤6,クラッド剤5に、同じ
紫外線硬化性樹脂材でも、コア剤2,クラッド剤3より
も硬化時の収縮率が高いものを適用すれば、コア剤6,
クラッド剤5の塗布膜厚は、コア剤2,クラッド剤3の
塗布膜厚よりも薄くすることができ、また、紫外線硬化
性樹脂材以外でも、コア剤2,クラッド剤3と同等の収
縮率をもつ樹脂材を適用すれば、コア層2及びクラッド
層3の硬化時の収縮バランスをとって、樹脂フィルム4
の反曲を防止することができる。
【0120】また、屈折率調整用の樹脂層4A,4Bの
材質や膜厚についても、樹脂フィルム4の両面部間の収
縮バランスがとれれば、それぞれ異なっていてもよい。
さらに、上述した例では、まず、クラッド層5を形成
し、このクラッド層5上にコア層6を形成しているが、
これとは逆に、まず、コア層6を形成し、このコア層6
上にクラッド層5を形成しても、コア層(剤)2及びク
ラッド層(剤)3の硬化時の収縮バランスをとって、樹
脂フィルム4の反曲を防止することは可能である。
【0121】また、上述した例では、クラッド層3上に
樹脂剤4Aを塗布し、その上から樹脂フィルム4を載置
することで樹脂フィルム4の貼着を行なっているが、例
えば、樹脂剤4Aを予め塗布した樹脂フィルム4をクラ
ッド層3に貼着してもよいし、樹脂フィルム4とクラッ
ド層3との双方に樹脂剤4Aを塗布しておき、これらを
貼り合わせてもよい。
【0122】なお、上述した1層フィルム20−9は、
次のようにして製造することも可能である。即ち、ま
ず、図25(A)に示すように、樹脂フィルム4の一方
の面部に上記の樹脂剤4Aを塗布し硬化させて屈折率調
整用の樹脂層4Aを形成し、さらに、図25(B)に示
すように、その反対面(樹脂フィルム4の他方の面部)
に、上記の樹脂剤4Bを塗布し硬化させて屈折率調整用
の樹脂層4Bを形成する。つまり、樹脂フィルム4の両
面部に上記の樹脂層4A,4Bを形成して、上記の積層
体4ABを予め作製しておくのである。
【0123】一方で、図25(C)に示すように、スタ
ンパ1上にコア剤2を塗布し硬化させてコア層2を形成
し、その上に、図25(D)に示すように、クラッド剤
3を塗布しておく。そして、図25(E)に示すよう
に、このクラッド剤3上に、上記の積層体4AB(両面
部に屈折率調整用の樹脂層4A,4Bを有する樹脂フィ
ルム4)をクラッド剤3内に気泡が入らないように静か
に載置してラミネート(貼着する)。つまり、積層体4
ABをクラッド剤3を介してスタンパ1上に形成された
コア層2に貼着する。
【0124】そして、上記のクラッド剤3を紫外線照射
により硬化させてクラッド層3を形成するとともに積層
体4ABとコア層2とを接着する。ここまでの工程で、
図23(E)に示すものと同じ1層フィルム20−10
が得られることになり、以後は、図23(F)〜図23
(H)により前述したのと同様の工程により、1層フィ
ルム20−9が製造される。
【0125】即ち、樹脂層4B上に、さらに、上記のク
ラッド剤5をクラッド剤3の塗布膜厚と同じ膜厚で塗布
し硬化させてクラッド層5を形成し〔図23(F)参
照〕、このクラッド層5上に、図23(G)に示すよう
に、さらに、上記のコア剤6をコア剤2の塗布膜厚と同
じ膜厚で塗布し硬化させてコア層6を形成する。そし
て、最後に、図23(H)に示すように、スタンパ1か
ら上記の各コア層2,6,クラッド層3,5及び樹脂層
4A,4Bを一体に剥離(分離)すればよい。
【0126】このように、上述した例では、積層体4A
Bを作製するプロセスと、スタンパ1上にコア層2を形
成してその上にクラッド剤3を塗布するプロセスとを並
行して行なうことができるので、前述した製造方法に比
して、より効率良く、短期間に1層フィルム20−9を
製造することができ、これにより、多層光メモリ30−
9も短期間で製造することが可能となる。
【0127】ただし、この製造方法では、積層体4AB
を作製する過程(樹脂フィルム4の両面に樹脂層4A,
4Bを形成する過程)で、樹脂フィルム4(積層体4A
B)に反曲が生じる可能性があるので、反曲低減効果を
重視するなら前述した製造方法を適用した方が良い。つ
まり、製造期間の短縮効果を重視するか反曲低減効果を
重視するかで、以上の2種の製造方法のいずれかを選ぶ
ことができる。
【0128】ただ、上記の積層体4ABを次のように作
製すれば、本例の製造方法でも反曲低減効果を得ること
は可能である。即ち、まず、図26(A)に模式的に示
すように、ガラス基板等の平板状の基板1′上に、上記
の樹脂剤4Aを所定膜厚で塗布し、図26(B)に模式
的に示すように、その上から、樹脂フィルム4をラミネ
ートする。そして、樹脂材4Aを硬化させて樹脂層4A
を形成するとともに樹脂フィルム4の接着を行なう。
【0129】次いで、図26(C)に模式的に示すよう
に、樹脂フィルム4上に、樹脂剤4Bを樹脂剤4Aと同
じ膜厚で塗布し硬化させて樹脂層4Bを形成する。そし
て、これらの樹脂フィルム4,樹脂層4A,4Bを基板
1′から一体に剥離(分離)すれば、樹脂フィルム4の
両面部に樹脂層4A,4Bの設けられた前記と同一の積
層体4ABが得られる。
【0130】このとき、樹脂フィルム4の両面部には、
それぞれ樹脂剤4A,4Bを硬化したときの収縮力が均
等に働いているので、樹脂フィルム4の両面部間の収縮
バランスがとられており、基板1′から剥離しても積層
体4ABはカール(反曲)せず、高い平面性が保たれ
る。従って、図25(E)により前述したごとく積層体
4ABをクラッド剤3にラミネートする工程(プロセ
ス)が容易になり、全体のプロセスの効率化,迅速化を
図ることができるとともに、高い反曲低減効果が得られ
る。
【0131】なお、上述した例では、樹脂フィルム4の
反曲を防止するために、樹脂層4B上にさらにクラッド
層5及びコア層6を形成しているが、これらのクラッド
層5及びコア層6の形成工程を省略しても、クラッド層
3や8への散乱光の導波防止構造を有する多層光メモリ
を製造することは可能である。即ち、図23(A)〜図
23(E)や図25(A)〜図25(E)により前述し
た各工程の後、クラッド層5及びコア層6を形成せず
に、コア層2,クラッド層3,樹脂フィルム4,樹脂層
4A,4Bを一体に剥離(分離)する。これにより、樹
脂製のコア層2と、このコア層2の一方の面部に積層さ
れた樹脂製のクラッド層3と、コア層2の他方の面部に
設けられた凹凸と、クラッド層3に積層された、クラッ
ド層3よりも屈折率の高い樹脂層4Aと、この樹脂層4
Aに積層された樹脂フィルム4と、この樹脂フィルム4
に積層された、クラッド層3よりも屈折率の高い樹脂層
4Bとをそなえて成る、1層フィルム20−10が製造
される。
【0132】そして、この1層フィルム20−10を複
数個、前述した液体22による固定方法を適用して、ク
ラッド層として機能する接着剤8により積層接着すれ
ば、図24において、クラッド層5及びコア層6(積層
体56)の省略された多層光メモリ(説明の便宜上、以
降、多層光メモリ30−10と表記する)が製造される
ことになる。
【0133】なお、このように積層体56が省略されて
いても、クラッド層3の両面部がそれぞれ自身の屈折率
よりも高い屈折率を有するコア層2及び樹脂層4Aに挟
まれ、クラッド層8の両面部がそれぞれ自身の屈折率よ
りも高い屈折率を有するコア層2及び樹脂層4Bに挟ま
れた構造になるので、クラッド層3や8で散乱光が導波
してしまうことは無い。
【0134】(B)その他上述した実施形態では、液体
22としてエタノールを適用しているが、本発明はこれ
に限定されず、1層フィルム20(20−i)等の樹脂
製コア/クラッド部材と載置面21aとの間に保持する
ことで毛管引力でその樹脂製コア/クラッド部材を固定
することができ、且つ、樹脂製コア/クラッド部材に対
して溶解性が無いものであればどのようなものを適用し
てもよい。例えば、メタノールやイソプロピルアルコー
ル(IPA)を適用することも可能であるし、勿論、水
を適用してもよい。ただし、好ましくは、揮発性が高
く、シート固定台21から外した後の樹脂製コア/クラ
ッド部材の乾燥が容易なものがよい。
【0135】また、上述した例では、1層フィルム20
(20−i)とシート固定台21との間に液体22を保
持させる手法として、ローラ15を用いているが、勿
論、本発明はこれに限定されず、最終的に、1層フィル
ム20(20−i)とシート固定台21との間に液体2
2を保持させることができれば、どのような手法を適用
してもよい。例えば、液体22をシート固定台21上に
均一に噴霧してもよいし、静置した液体22上にローラ
15等を用いずに1層フィルム20(20−i)を載置
してもよい。
【0136】さらに、接着剤塗布装置のシート固定台2
1と1層フィルム20(20−i)との間に作用させる
流体力として、液体22の毛管引力を適用しているが、
本発明はこれに限定されず、他の流体力を適用すること
も可能である。例えば、シート固定台21の載置面21
a上に微小な〔例えば、直径100μm(即ち、樹脂フ
ィルム4の膜厚程度)以下の〕吸引穴を無数に設け、そ
の吸引穴を通じて載置面21aと1層フィルム20(2
0−i)との間の圧力(空気圧)を低下させることで、
1層フィルム20(20−i)を載置面21aに吸着さ
せて固定することも可能である。また、このような流体
力以外にも、例えば、静電気を作用させることで1層フ
ィルム20(20−i)を載置面21aに固定すること
も考えられる。
【0137】また、多層光メモリ30(30−i)を製
造する際の1層フィルム20(20−i)を貼り合わせ
る(積層する)向きは同一方向でもよいし、互い違い等
のように違った向きでもよい。また、物理的な強度を確
保するために支持基板となる平板等を一緒に貼り合わせ
ても良い。例えば、多層光メモリ30(30−i)の表
面或いは内部に適宜数の平板を積層接着しても良い。た
だし、スラブ型光導波路デバイスの一部が平板に両側か
ら挟み込まれる場合は、少なくとも一方(散乱光の外部
放出面)が使用光波長領域で透明でなければならない。
【0138】さらに、上述した例では、全て同じ1層フ
ィルム20(20−i)を積層することで、1つの多層
光メモリ30(30−i)を製造しているが、例えば、
異なる1層フィルム20(20−i)を適宜の組み合わ
せで積層することで、1つの多層光メモリを製造するこ
とも可能である。また、上述した実施形態では、それ自
体では光メモリ素子としては機能しない1層フィルム2
0(20−i)を複数個積層することで、多層光メモリ
30(30−i)を製造しているが、本発明はこれに限
定されず、それ自体で光メモリ素子として機能する1層
フィルム(1層光メモリ)を複数積層することで多層光
メモリを製造してもよい。
【0139】例えば、図1(D)に示す1層フィルム2
0を例にすると、この1層フィルム20の凹凸のついた
コア層2上に、さらに、樹脂製のクラッド層8を個別に
形成すれば光導波路デバイス238を有する1層光メモ
リが製造されるので、この1層光メモリを複数個、単な
る接着剤(ただし、使用光波長域で透明なもの)により
積層接着すれば、図3に示す多層光メモリ30と同等の
容量を有する多層光メモリを製造することができる。
【0140】さらに、上述した多層光メモリ30,30
−iでは、いずれも、凹凸(ピット)がコア層と各クラ
ッド層の界面の一方に設けられているが、本発明はこれ
に限定されず、例えば、他方の界面に設けられていても
よいし、各界面の双方に設けられていてもよい。つま
り、コア層を伝播(導波)する入力光を散乱させること
ができる構造になっていればよい。
【0141】また、上述した実施形態では、樹脂フィル
ム4や4′,積層体4AB等をラミネートする際、気泡
の混入を防止するために、樹脂フィルム4,4′,積層
体4ABをいずれの場合も静置しているが、この際に、
例えば、ローラ等を用いて樹脂フィルム4,4′,積層
体4ABに一定の圧力を加えておけば、気泡混入(接着
むら)防止効果がより高くなる。ただし、この場合、加
圧により樹脂フィルム4や4′,積層体4ABの被ラミ
ネート対象層(クラッド層3やコア層2,樹脂層4A
等)の膜厚が変動してしまう可能性が高い。
【0142】そこで、例えば、被ラミネート対象層を形
成する際、その層を2層に分けて塗布・硬化させること
で、これを防止することが考えられる。例えば、図1
(A)〜図1(C)により前述した各工程を例にする
と、次のような代替工程が考えられる。即ち、まず、図
27(A)に示すように、スタンパ1上にコア剤2を塗
布し硬化させてコア層2を形成した後、図27(B)に
示すように、その上に、紫外線硬化性樹脂材からなるク
ラッド剤(液状クラッド樹脂)3aを塗布し硬化させて
クラッド層3aを形成する。
【0143】その後、図27(C)に示すように、上記
のクラッド層3a上に、クラッド剤3aと同じクラッド
剤(液状クラッド樹脂)3bを塗布し、その上から、例
えば図27(D)に示すように、ローラ等を用いて加圧
しながら樹脂フィルム4をラミネートする。このとき、
コア剤2及びクラッド剤3aはそれぞれ硬化してコア層
2及びクラッド層3aとなっているので、いずれの層
2,3aの膜厚は変動しない(必要なコア膜厚,クラッ
ド膜厚が確保される)。
【0144】かかる状態で、クラッド剤3bを硬化させ
れば、クラッド層3aと同じ材質のクラッド層3bが形
成されるとともに、樹脂フィルム4の接着が行なわれ
る。ここで、クラッド層3a,3bは、いずれも同じ材
質から成るので、1層分のクラッド層3として機能す
る。そして、図27(E)に示すように、コア層2,ク
ラッド層3(3a,3b),樹脂フィルム4をスタンパ
1から一体に剥離すれば、図1(D)に示したものと同
じ1層フィルム20が作製される。
【0145】このように、被ラミネート対象層(この例
ではクラッド層3)を段階的に形成することで、コア層
2だけでなく被ラミネート対象層の膜厚制御も容易にな
るので、所望の光導波条件をもった光メモリ素子(1層
光メモリ,多層光メモリ)を確実に実現することができ
る。なお、上記のラミネート時の加圧値は、具体的に
は、例えば、単位長さ当たりの圧力(線圧力)で、0.
01〜10〔N(ニュートン)/cm〕の範囲の値が好
ましく、より好ましくは、0.1〜1(N/cm)の範
囲の値がよい。
【0146】また、上述した実施形態では、成形済の樹
脂フィルム4(4′)の貼着(ラミネート)による積層
を行なっているが、例えば、乾燥後に樹脂フィルム4
(4′)として機能する樹脂材を溶媒に溶解したもの
(樹脂フィルム剤)を塗布し乾燥させることで、樹脂フ
ィルム4(4′)の積層(形成と接着)を行なうように
してもよい。
【0147】さらに、上記の多層光メモリ30,30−
iは、接着剤8(11)の硬化後、例えば、その上下両
面部側から平面基板等を用いて圧力を加え、一定時間、
所定温度(例えば、50°C以上)の状態におく(つま
り、所定温度で一定時間加圧する)ことで、その反曲や
変形を修正して平面性を向上させるようにしてもよい。
【0148】また、多層光メモリ30,30−iや1層
光メモリを切断する必要がある場合(例えば、情報読取
(再生)用のレーザ光を面部に対して垂直方向から照射
してコア層2にそのレーザ光を導波させるために、側面
を45°の角度で切断する場合等)、その切断方法とし
ては、例えば、レーザ光や圧水,回転刃,打ち抜き等に
よるものが挙げられる。また、切断後の切断端面を鏡面
化する方法としては、機械的研磨や熱したガラス,金属
等を切断端面に押し付ける等の方法が考えられる。
【0149】そして、本発明は上述した各実施形態に限
定されるものではなく、上記以外にも、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0150】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の光メモリ
素子の製造方法によれば、光メモリ素子の構成要素であ
る樹脂製のコア層及び/又はクラッド層を有して成る複
数の樹脂製コア/クラッド部材(以下、単に「部材」と
いう)を、所望の硬化性樹脂材からなる接着剤を介し
て、その接着剤を硬化させずに積層してゆき、上記の各
部材間の各接着剤を一括して硬化させて上記の各部材の
接着を行なうので、次のような利点が得られる(請求項
1)。
【0151】(1)各部材の積層毎に接着剤を硬化させ
て接着を行なう場合に比して、接着剤硬化時の張力によ
る部材の反曲問題を大幅に低減して平面性の高い光メモ
リ素子を製造することができる。 (2)各部材の積層毎に接着剤を硬化させて接着を行な
う場合に比して、各部材の積層接着工程が大幅に短縮さ
れて、光メモリ素子の製造期間の大幅な短縮化を図るこ
とができる。
【0152】(3)光メモリ素子の構成要素としての各
部材が樹脂製なので、スタンパの転写によりコア層を導
波する光を散乱させるための凹凸をもった部材を簡単に
形成することができ、従来のようにフォトレジストの露
光と現像とを用いることなく、光メモリ素子を極めて容
易に製造することができる。ここで、上記の接着剤とし
て、光硬化性樹脂材を用い、この光硬化性樹脂材に光を
照射することによって、その光硬化性樹脂材を硬化させ
て上記の各部材の接着を行なえば、上記の一括硬化を容
易に実施できる。また、通常の接着剤に比して硬化時間
が短いので、さらに、上述した積層接着工程が大幅に短
縮される(請求項2)。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(D)はいずれも本発明の一実施形態
にかかる光メモリ素子用の1層分の積層体(1層積層
体;1層フィルム)の製造方法を説明するための模式的
側面図である。
【図2】(A)〜(E)はいずれも本実施形態にかかる
多層構造の光メモリ素子(多層光メモリ)の製造方法を
説明するための模式的側面図である。
【図3】本実施形態にかかる多層構造の光メモリ素子
(多層光メモリ)の構成を示す模式的側面図である。
【図4】本実施形態の1層フィルムを接着剤塗布装置の
シート固定台に載置した状態を示す模式的側面図であ
る。
【図5】本実施形態にかかる1層フィルムを接着剤塗布
装置のシート固定台に載置した状態を示す模式的側面図
である。
【図6】(A)〜(C)はいずれも本実施形態にかかる
接着剤塗布装置のシート固定台への1層フィルムの固定
方法(液体保持方法)を説明するための模式的側面図で
ある。
【図7】(A)〜(C)はいずれも図1(D)に示す1
層フィルムの他の製造方法を説明するための模式的側面
図である。
【図8】(A)〜(D)はいずれも図2に示す1層フィ
ルムの他の製造方法(1)を説明するための模式的側面
図である。
【図9】図8に示す製造方法で製造された1層フィルム
を複数個積層接着して構成される多層光メモリを示す模
式的側面図である。
【図10】(A)及び(B)はいずれも図2に示す1層
フィルムの他の製造方法(2)を説明するための模式的
側面図である。
【図11】図10に示す製造方法で製造された1層フィ
ルムを複数個積層接着して構成される多層光メモリを示
す模式的側面図である。
【図12】(A)及び(B)はいずれも図2に示す1層
フィルムの他の製造方法(3)を説明するための模式的
側面図である。
【図13】図12に示す製造方法で製造された1層フィ
ルムを複数個積層接着して構成される多層光メモリを示
す模式的側面図である。
【図14】(A)〜(F)はいずれも図2に示す1層フ
ィルムの他の製造方法(4)を説明するための模式的側
面図である。
【図15】図14に示す製造方法で製造された1層フィ
ルムを複数個積層接着して構成される多層光メモリを示
す模式的側面図である。
【図16】(A)〜(E)はいずれも図2に示す1層フ
ィルムの他の製造方法(5)を説明するための模式的側
面図である。
【図17】図16に示す製造方法で製造された1層フィ
ルムを複数個積層接着して構成される多層光メモリを示
す模式的側面図である。
【図18】(A)〜(E)はいずれも図2に示す1層フ
ィルムの他の製造方法(6)を説明するための模式的側
面図である。
【図19】図18(A)〜図18(E)に示す製造方法
で製造された1層フィルムを複数個積層接着して構成さ
れる多層光メモリを示す模式的側面図である。
【図20】図18(A)〜図18(D)に示す製造方法
で製造された1層フィルムを複数個積層接着して構成さ
れる多層光メモリを示す模式的側面図である。
【図21】(A)〜(D)はいずれも図2に示す1層フ
ィルムの他の製造方法(7)を説明するための模式的側
面図である。
【図22】図21に示す製造方法で製造された1層フィ
ルムを複数個積層接着して構成される多層光メモリを示
す模式的側面図である。
【図23】(A)〜(H)はいずれも図2に示す1層フ
ィルムの他の製造方法(7)を説明するための模式的側
面図である。
【図24】図23に示す製造方法で製造された1層フィ
ルムを複数個積層接着して構成される多層光メモリを示
す模式的側面図である。
【図25】(A)〜(E)はいずれも図23(H)に示
す1層フィルムの他の製造方法を説明するための模式的
側面図である。
【図26】(A)〜(C)はいずれも図25(B)に示
す積層体の他の製造方法を説明するための模式的側面図
である。
【図27】(A)〜(E)はいずれも図1(D)に示す
積層体(1層フィルム)の他の製造方法を説明するため
の模式的側面図である。
【図28】従来の光メモリ素子の動作原理を説明するた
めの模式的斜視図である。
【図29】従来の光メモリ素子の動作原理を説明するた
めの模式的斜視図である。
【図30】(A),(B)は従来の光メモリ素子の製造
方法を説明するための模式的斜視図である。
【符号の説明】 1 スタンパ 1′ 基板 2,6 コア剤(液状コア樹脂;コア層) 3,3a,3b,5 クラッド剤(液状クラッド樹脂;
クラッド層) 4 樹脂フィルム(樹脂製フィルム部材;樹脂製基体
層) 4′ 樹脂フィルム(兼クラッド層;樹脂製フィルム部
材) 4A,4B 屈折率調整用の樹脂剤(樹脂層) 4AB,49,56,456 積層体 8 接着剤(クラッド層) 9 樹脂剤(層)〔収縮バランス剤(層)〕 11 接着剤(コア層) 15 ローラ 20,20−1,20−4〜20−10 光メモリ素子
用の積層体〔1層積層体;1層フィルム(樹脂製コア/
クラッド部材)〕 20−2 1層フィルム〔樹脂フィルム(兼クラッド
層)〕 20−3 1層フィルム〔樹脂フィルム(兼コア層)〕 21 接着剤塗布装置のシート固定台 21a 載置面 22 液体(エタノール,流体) 23,24,28,111,113,115,123
界面 30,30−1〜30−10 多層構造の光メモリ素子
(多層光メモリ) 110,120,238,248,1135 光導波路
デバイス(積層体)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製コア層と、該樹脂製コア層の両面
    部に積層された樹脂製クラッド層と、該樹脂製コア層と
    該樹脂製クラッド層との界面の少なくとも一方に設けら
    れた凹凸部とを有する光導波部材を複数個有して成る光
    メモリ素子の製造方法であって、 該光メモリ素子の構成要素である、樹脂製コア層及び/
    又は樹脂製クラッド層を有して成る樹脂製コア/クラッ
    ド部材を複数個用意し、 上記の各樹脂製コア/クラッド部材を、所望の硬化性樹
    脂材からなる接着剤を介し該接着剤を硬化させずに積層
    してゆき、 上記の各樹脂製コア/クラッド部材間の各接着剤を一括
    して硬化させて上記の各樹脂製コア/クラッド部材を接
    着することを特徴とする、光メモリ素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 該接着剤として光硬化性樹脂材を用い、
    該光硬化性樹脂材に光を照射することによって、該光硬
    化性樹脂材を硬化させて上記の各樹脂製コア/クラッド
    部材の接着を行なうことを特徴とする、請求項1記載の
    光メモリ素子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007017522A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Lintec Corp 平面型光導波路作製用樹脂シート
JP2010139483A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Synergy Optosystems Co Ltd 光導波路の検査システム及び検査方法
KR100966771B1 (ko) 2006-02-28 2010-06-29 히로세덴끼 가부시끼가이샤 광 배선 적층체의 제조 방법 및 광 배선 적층체

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