JP2006258256A - 樹脂製分岐管の撤去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本方法では、元管11に向けてカッター21を送り込むことで、元管11と分岐部19との間のある程度のシール状態を確保する。そのため、分岐管13切断前に分岐管13を潰して圧縮する、いわゆるスクイズオフ作業を行うことなく分岐管13を撤去できるので、撤去作業を簡略化でき、作業コストを低くできる。また、分岐管13は、電気融着キャップの融着必要寸法のみを残して撤去できるため、分岐管13の残存部分が短くて済み、その後に行う可能性のある他の工事等により分岐管13の残存部分が損傷する危険を減らすことができる。
【選択図】 図3
Description
都市ガス配管には、近年、ポリエチレンパイプ等の樹脂製配管が多用されるようになってきた。樹脂製配管は、従来のメッキ鋼管と比べて腐蝕や地震に強く、配管工事の施工性にも優れるからである。このような樹脂製配管において、既存の配管に樹脂製分岐管を接続する場合には、電気融着継手を用いているのが一般的である。
図19には、図の表裏方向に延びる樹脂製の元管101と、図の右方向に延びる樹脂製の分岐管103とが、電気融着継手(サービスチー)105を介して接続された状態が示されている。サービスチー105は、ポリエチレン等の熱可塑性プラスチック製である。このサービスチー105は、円筒状の立上り管部105aと、この立上り管部105aの下端に一体化した鞍状のサドル部105bと、立上り管部105aの側面から横方向に分岐した分岐部105cとを備える。
図20〜22は、従来の樹脂製分岐管の撤去方法の概要を示す一部断面側面図である。
(1)図20に示すように、分岐管103の途中をスクイズバー110で挟んで圧縮遮断(スクイズオフ)する。このとき、分岐管103をスクイズオフする位置103xは、ソケット融着部に圧縮による悪影響が及ばないようにするために、ソケット107の端部(図の右端部)から分岐管103の外径Dの3倍以上離れた位置とする必要がある。このスクイズオフを行うことで、分岐管103内部のガス流が遮断される。
(3)図22に示すように、分岐管103の残存部103″をスクイズオフしているスクイズバー110を開放する。スクイズオフを開放すると、樹脂製の分岐管103が弾性変形して、元の状態に復帰する。元管101から分岐管103側へと流れるガスは、キャップ111で遮断されるので、分岐管103の切断後もガスは漏れない。
第1段階:サービスチーの立上り管部に内蔵されたカッターを、元管の側壁の孔(タッピング孔)内に挿入する。
第2段階:カッターの上側でサービスチーの立上り管部の根元を切断した後、この立上り管部とともに分岐管を撤去する。ここで、元管に接続されたサービスチーの根元を切断し、分岐管全体を撤去するため、撤去作業後に分岐管が全く残らず、分岐管を撤去した後の他の工事で、残存した配管が損傷する危険性を低減できる。
第4段階:仮栓の外側から樹脂製の本閉止栓を回転させながら当て、本閉止栓と孔端部との間に生じる摩擦熱で、本閉止栓をサービスチーの切断部に融着する。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、作業の一層の簡略化、低コスト化を実現し、作業バリエーションを増やすことが可能な樹脂製分岐管の撤去方法を提供することを目的とする。
なお、封止作業用具としては、封止作業バッグ(ノーブローバッグ)や継手封止工具等を用いることができる。
この場合、前述と同様に、融着必要寸法のみを残して分岐管を撤去できるため、分岐管残存部分が短くて済み、分岐管残存部分が損傷する危険を減らすことができる。
また、電気融着により前記サービスチーの切断部に前記本栓を取り付けることができる。
さらに、前記サービスチーの切断部に前記本栓を回転させながら当て、これら両者の間に生じる摩擦熱で融着することができる。
これらの融着方法を適宜選択して用いることにより、作業状況等に応じた作業バリエーションを増やすことができる。
以下に述べる各実施例では、都市ガス配管を例に採って説明する。
図1は、本発明の第1実施例に係る樹脂製分岐管の撤去方法における撤去前の状態を示す一部断面側面図である。
図2は、同樹脂製分岐管の撤去方法におけるチーキャップを取り外した状態を示す一部断面側面図である。
図3は、同樹脂製分岐管の撤去方法におけるカッターを押し込んだ状態を示す正面断面図である。
図4は、同樹脂製分岐管の撤去方法における分岐管を切断した状態を示す一部断面側面図である。
図5は、同樹脂製分岐管の撤去方法における撤去完了後の状態を示す一部断面側面図である。
本実施例における撤去方法では、最初に、地中に埋設されている配管の周囲を掘削して露出させる。そして、図2に示すように、サービスチー15のチーキャップ18を掴んで回し、立上り管部17から取り外す。次いで、図3に示すように、立上り管部17の開口端部から六角レンチフライ1等の工具を挿入し、カッター21の係合孔21aに係合する。そして、六角レンチフライ1を回してカッター21を元管11側にネジ込むと、カッター21のオネジ21bがサービスチー15の立上り管部17内周面のメネジ17bに沿って下降する。このとき、元管11内部とサービスチー15の分岐部19(及び分岐管13)内部との間は、これらオネジ21bとメネジ17bとの噛み合い部分である程度気密封止されるとともに、カッター21の刃21c内側に保持された切片11′である程度気密封止される。
図6は、本発明の第2実施例に係る樹脂製分岐管の撤去方法における封止作業バッグ取り付け状態を示す一部断面側面図である。
図7は、同樹脂製分岐管の撤去方法における封止作業バッグ内でのカッター取り外し・仮栓取り付け作業を示す一部断面側面図である。
図8は、同樹脂製分岐管の撤去方法における仮栓取り付け状態を示す正面断面図である。
図9は、同樹脂製分岐管の撤去方法を示す分岐管切断部付近の側面断面図である。(A)はバット融着を用いた本栓融着作業を示す図であり、(B)は本栓融着状態を示す図である。
図10(A)〜(C)は、それぞれ同樹脂製分岐管の撤去方法を示す分岐管切断部付近の側面断面図であり、電気融着を用いた本栓融着作業を示す図である。
なお、本実施例では、カッター21をサービスチー15から抜き取った後に仮栓35を押し込むものとしたが、カッター21を元管11側に押し込んだままの状態で、カッター21の上側まで仮栓35を押し込んで配置してもよい。
図11は、本実施例に係る樹脂製分岐管の撤去方法における継手封止工具を用いたカッター取り外し作業を示す一部断面側面図である。
図12は、同樹脂製分岐管の撤去方法における継手封止工具のシャッター閉止状態を示す一部断面側面図である。
図13は、同樹脂製分岐管の撤去方法における継手封止工具を用いた仮栓取り付け作業を示す一部断面側面図である。
図14は、本発明の第3実施例に係る樹脂製分岐管の撤去方法における分岐部を切断する場合を示す一部断面側面図である。
図15は、同樹脂製分岐管の撤去方法における立上り管部を切断する場合を示す一部断面側面図である。
図16は、本実施例に係る本栓を示す図である。(A)は側面図であり、(B)は底面図(下面図)である。
図17は、図15のサービスチーの切断部に図16の本栓を融着する方法を説明する図である。
図18は、本実施例における回転摩擦融着工具を用いて本栓を融着する方法を説明する図である。
回転摩擦融着に用いる本栓71′は、ポリエチレン等の樹脂製であり、下端外周縁にテーパが形成されたものである。回転摩擦融着工具90は、本栓71′を回転可能に取り付けるロッド91を有する。これらの係合は、本栓71′の端面に切られた溝に、ロッド91の先端が係合するもの等、簡易な方法でよい。このロッド91は、ステッピングモータ93で回転駆動する。このステッピングモータ93のケーシングには、図示せぬ基台に固定するための工具固定部95や、人手で把持するための取っ手99を設けることができる。ステッピングモータ93のケーシングとロッド91との間には、ベアリング97が介装されている。ロッド91は、ステッピングモータ93の回転軸に直接結合されており、この回転軸とともに同期回転する。
3 (バット融着機の)ヒータ
11 元管 13 分岐管
15 サービスチー 16 サドル部
17 立上り管部 18 チーキャップ
19 分岐部 21 カッター
23 電気融着ソケット 31 ノーブローガスバッグ
31a 絞り口 31b 防護板
33 バッグ固定治具 35 仮栓
37、41、41′71、71′ 本栓 50 継手封止工具
51 工具本体 53 蓋体
55 クリップ 57 シャッター
59 アダプター 60 切断工具
61 カッター刃 90 回転摩擦融着工具
Claims (8)
- 元管にサービスチーを介して接続された樹脂製分岐管を撤去する方法であって、
前記サービスチーは、
前記元管と連通する貫通孔を有するサドル部と、
該サドル部の貫通孔周囲から立ち上がった立上り管部と、
該立上り管部から分岐して延び出た分岐部と、
前記立上り管部の上端に着脱可能に設けられたチーキャップと、
前記立上り管部の管内に内蔵された、前記サドル部の貫通孔内を挿通可能なカッターと、を備え、
前記サドル部が前記元管の外面に当てられて融着されているとともに、前記分岐部が継手を介して前記樹脂製分岐管と接続されており、
前記サービスチーの前記立上り管部から前記チーキャップを取り外し、
前記元管側に向けて前記カッターを送り込んで、該カッターを前記元管と前記分岐部との間に位置させ、
前記継手の下流側で、融着必要寸法のみを残して前記樹脂製分岐管を切断し、
該樹脂製分岐管の切断部に電気融着キャップを融着することを特徴とする樹脂製分岐管の撤去方法。 - 元管にサービスチーを介して接続された樹脂製分岐管を撤去する方法であって、
前記サービスチーは、
前記元管と連通する貫通孔を有するサドル部と、
該サドル部の貫通孔周囲から立ち上がった立上り管部と、
該立上り管部から分岐して延び出た分岐部と、
前記立上り管部の上端に着脱可能に設けられたチーキャップと、
前記立上り管部の管内に内蔵された、前記サドル部の貫通孔内を挿通可能なカッターと、を備え、
前記サドル部が前記元管の外面に当てられて融着されているとともに、前記分岐部が継手を介して前記樹脂製分岐管と接続されており、
前記サービスチーの前記立上り管部から前記チーキャップを取り外し、
前記立上り管部の前記チーキャップの取付部に封止作業用具を取り付け、
前記封止作業用具の内側で、前記立上り管部内において前記元管側に向けて仮栓を入れて、前記元管と前記分岐部との間を封止し、
前記サービスチーの立上り管部(前記仮栓の下流側)若しくは分岐部又は前記樹脂製分岐管を切断し、
切断した部分に本栓を取り付けることを特徴とする樹脂製分岐管の撤去方法。 - 前記継手が電気融着ソケットであり、
前記仮栓を入れた後、前記電気融着ソケットの下流側で、融着必要寸法のみを残して前記樹脂製分岐管を切断することを特徴とする請求項2記載の樹脂製分岐管の撤去方法。 - 元管にサービスチーを介して接続された樹脂製分岐管を撤去する方法であって、
前記サービスチーは、
前記元管と連通する貫通孔を有するサドル部と、
該サドル部の貫通孔周囲から立ち上がった立上り管部と、
該立上り管部から分岐して延び出た分岐部と、
前記立上り管部の上端に着脱可能に設けられたチーキャップと、
前記立上り管部の管内に内蔵された、前記サドル部の貫通孔内を挿通可能なカッターと、を備え、
前記サドル部が前記元管の外面に当てられて融着されているとともに、前記分岐部が継手を介して前記樹脂製分岐管と接続されており、
前記サービスチーの前記立上り管部から前記チーキャップを取り外し、
前記立上り管部の前記チーキャップの取付部に封止作業用具を取り付け、
前記封止作業用具の内側で、前記立上り管部内において前記元管側に向けて仮栓を入れて、前記元管と前記分岐部との間を封止し、
前記サービスチーの前記分岐部の根元付近を切断し、
この切断した分岐部の端部に本栓を取り付けることを特徴とする樹脂製分岐管の撤去方法。 - 元管にサービスチーを介して接続された樹脂製分岐管を撤去する方法であって、
前記サービスチーは、
前記元管と連通する貫通孔を有するサドル部と、
該サドル部の貫通孔周囲から立ち上がった立上り管部と、
該立上り管部から分岐して延び出た分岐部と、
前記立上り管部の上端に着脱可能に設けられたチーキャップと、
前記立上り管部の管内に内蔵された、前記サドル部の貫通孔内を挿通可能なカッターと、を備え、
前記サドル部が前記元管の外面に当てられて融着されているとともに、前記分岐部が継手を介して前記樹脂製分岐管と接続されており、
前記サービスチーの前記立上り管部から前記チーキャップを取り外し、
前記立上り管部の前記チーキャップの取付部に封止作業用具を取り付け、
前記封止作業用具の内側で、前記立上り管部内において前記元管側に向けて仮栓を入れて、前記元管側と前記立上り管部との間を封止し、
前記仮栓の下流側で前記サービスチーの前記立上り管部の根元付近を切断し、
この切断した立上り管部の端部に本栓を取り付けることを特徴とする樹脂製分岐管の撤去方法。 - バット融着により前記サービスチーの切断部に前記本栓を取り付けることを特徴とする請求項4又は5記載の樹脂製分岐管の撤去方法。
- 電気融着により前記サービスチーの切断部に前記本栓を取り付けることを特徴とする請求項4又は5記載の樹脂製分岐管の撤去方法。
- 前記サービスチーの切断部に前記本栓を回転させながら当て、これら両者の間に生じる摩擦熱で融着することを特徴とする請求項4又は5記載の樹脂製分岐管の撤去方法。
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