JP2006257927A - 自動二輪車のスタータ装置 - Google Patents

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貴洋 大野
Yoshio Okada
好雄 岡田
Tomohiro Kanazawa
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Abstract

【課題】 自動二輪車のスタータ装置において、スタータ装置をコンパクト化すると共に、エンジン及び車輌のマスの集中化を図ることである。
【解決手段】 スタータ装置は、スタータモータ36から伝動機構及びワンウエイクラッチ30を介してクランク軸5に始動用動力を伝達するようになっており、カム駆動用のカムチェーン24よりもクランク軸長方向の外方のクランク軸部分にスタータギヤ31を設け、該スタータギヤ31に噛み合うアイドラギヤ34のアイドラ軸51を、カムチェーン24で囲まれた範囲内に配置した。
【選択図】図3

Description

本発明は自動二輪車のスタータ装置に関し、特にスタータモータとクランク軸の間に配置される伝動機構のギヤ配置に関する。
自動二輪車において、吸排気弁用のカム軸に動力を伝達する機構としては、複数のギヤよりなるギヤ伝動機構(たとえば特許文献1参照)と、スプロケット及びチェーンよりなるチェーン伝動機構があり、部品点数の節約、軽量化及びレイアウトの自由度等を考慮すると、チェーン伝動機構が有利である。
図5は、後者のカム駆動用チェーン伝動機構及び従来のスタータ装置を備えた自動二輪車用エンジンであり、図6はカバー115等を取り外して示す図5のVI矢視図である。図5において、クランクケース100のクランク軸105の軸長方向の一端部には、カムチェーン室104が形成されると共にスタータ用のカバー115が取り付けられており、クランク軸105の一端部はカムチェーン室104を通ってカバー115内のスタータ室106に延び出し、カムチェーン室104内のクランク軸部分にはカム駆動用スプロケット110が形成され、スタータ室106内のクランク軸105部分には、スタータ用のワンウエイクラッチ102が取り付けられている。クランク軸105の他端部には、ゼネレータ103のゼネレータロータ103aを取り付けてられている。カム駆動用スプロケット110と、シリンダヘッド上の一対のカム用のスプロケット107の間には、カムチェーン108が巻き掛けられている。
前記ワンウエイクラッチ102のクラッチインナーにはスタータギヤ120が設けられており、該スタータギヤ120は、カバー115内に配置された第1、第2アイドラギヤ121、122(ギヤ伝動機構)を介してスタータモータ125の出力ピニオン126に連動連結している。各アイドラギヤ121、122は小径歯部121a、122aと大径歯部121b、122bをそれぞれ備えると共に、アイドラ軸127、128にそれぞれ回転可能に支持されている。前記スタータギヤ120は第1のアイドラギヤ121の小径歯部121aに噛み合い、第1のアイドラギヤ121の大径歯部121bは第2のアイドラギヤ122の小径歯部122aに噛み合い、第2のアイドラギヤ122の大径歯部122bはスタータモータ125の出力ピニオン(ギヤ)126に噛み合っている。
図6において、スタータギヤ120に噛み合う第1のアイドラギヤ121のアイドラ軸127は、カムチェーン108で囲まれた範囲(いわゆるカムチェーンライン)の後側に配置され、第2のアイドラ軸128は第1のアイドラ軸127の後上方に配置され、スタータモータ125は第2のアイドラ軸128の後上方に配置されている。
始動時、スタータモータ125が駆動(回転)すると、出力ピニオン126から第2、第1のアイドラギヤ122、121を介してスタータギヤ120に動力が伝達され、該スタータギヤ120から図5のワンウエイクラッチ102を介してクランク軸105に伝達されるようになっている。
特許第2566398号公報(第1図)
図6のように、スタータギヤ120に噛み合う第1のアイドラギヤ121のアイドラ軸127を、カムチェーン108で囲まれた範囲の後側(外側)に配置する構造では、チェーンガイド133及び車輪駆動力断続用のクラッチを収納するためのクラッチカバーの合わせ面130と第1のアイドラギヤ121との干渉を避ける必要性から、クランク軸105の軸芯と第1のアイドラ軸127の軸芯との軸間距離L1が長くなり、それに伴ってクランク軸105の軸芯からスタータモータ125の出力ピニオン126の軸芯までの距離W1も長くなり、スタータギヤ120が大形化すると共にスタータ装置自体も大形化する。また、重量の重いスタータモータ125がクランク軸105から後方に離れて位置することにより、エンジンのマスの集中化が妨げられる。
本発明の目的は、カムチェーンの内側空間をアイドラ軸配置に利用することにより、スタータ装置をコンパクト化すると共に、エンジン及び車輌のマスの集中化を図ることである。また、簡単な構成により、スタータ用のギヤ類の着脱作業を容易にすると共に、スタータ用の伝動機構を収納するカバー内の密封性を維持できるようにすることも目的としている。
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、スタータモータから伝動機構及びワンウエイクラッチを介してクランク軸に始動用動力を伝達するエンジンのスタータ装置において、カムチェーンよりもクランク軸の軸長方向の外方のクランク軸部分に、スタータギヤを設け、該スタータギヤに噛み合うアイドラギヤのアイドラ軸を、カムチェーンで囲まれた範囲内に配置している。
上記構成によると、(1)スタータギヤに噛み合うアイドラギヤのアイドラ軸を、カムチェーンで囲まれた範囲内に配置しているので、スタータモータの取付位置をクランク軸側へ近付けることができ、これにより、エンジン及びスタータ装置のコンパクト化が図れると共に、スタータモータの重心がクランク軸側へ近付くことにより、エンジン及び車輌のマスの集中化を行うことができる。
(2)カムチェーンで囲まれた範囲内には、通常、干渉物が無いため、アイドラ軸の位置決めを容易に行うことができる。
(3)アイドラ軸をカムチェーンで囲まれた範囲内に配置しているので、アイドラギヤがクランクケースのカムチェーン配置範囲から大きくはみ出すことはなく、スタータ装置用のカバーの形成が容易になる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエンジンのスタータ装置において、前記伝動機構を覆う第1カバーをクランクケースに固定し、第1カバーに形成した開口部の周縁のカバー取付面に第2カバーを配置し、前記アイドラ軸の一端部をクランクケースに固定すると共に、他端部を前記第1カバーに当接し、前記アイドラ軸に対応する位置の第1カバー部分及び第2カバー部分を、両カバーに挿通したおねじ部及び該おねじ部に螺合するめねじ部により、前記アイドラ軸の他端面に共締めしている。
上記構成によると、第1カバーに開口部を形成し、該開口部を第2カバーで覆っているので、たとえば第2カバーを取り外して、スタータ室内のアイドラギヤを着脱することが可能となり、伝動機構の組立及びメンテナンスが容易になる。
また、クランクケースに固定されたアイドラ軸の先端に、第1、第2カバーに挿通されたおねじ部及び該おねじ部に螺合するめねじ部により、両カバーを共締めしているので、簡単な構造で、第1カバーと第2カバーの合わせ面のシール圧を維持し、スタータ室内のオイルの漏れを防ぐことができる。
前記のように本発明によると、カムチェーンの内側空間をアイドラ軸配置に利用しているので、スタータ装置をコンパクトにできると共に、スタータモータとクランク軸との距離を短縮でき、エンジン及び車輌のマスを集中化できる。また。第1カバーの開口部に第2カバーを取り付ける簡単な構成により、スタータ用のギヤ類の着脱作業を容易化でき、さらに、第1、第2のカバーを、おねじ部及びめねじ部により共締めしているので、スタータ用の伝動機構を収納するカバー内の密封性を維持できる。
[発明の実施の形態]
(エンジン全体の構成)
図1〜図4は本発明にかかるスタータ装置を備えた自動二輪車のエンジンである。エンジン全体の縦断面略図を示す図1において、エンジンの外殻は、周知のようにクランクケース1、シリンダ(シリンダブロック)2及びシリンダヘッド3等から構成されており、クランクケース1内にはクランク軸5が回転可能に支持され、シリンダヘッド3上には、吸、排気弁駆動用の一対のカム軸6、6が回転可能に支持され、クランク軸5はコンロッド7を介して各気筒のピストン8に連結しており、一般的なDOHCエンジンを示している。
クランクケース1のクランク軸5の軸長方向の一端部(図1の右端部)に、カムチェーン室9が形成されると共に、スタータ装置用の第1カバー11及び第2カバー12が取り付けられ、両第1、第2カバー11、12によりスタータ室13が形成されている。
クランクケース1のクランク軸5の軸長方向の他端部(図1の左端部)に、ゼネレータカバー15が取り付けられ、該ゼネレータカバー15によりゼネレータ室16が形成され、該ゼネレータ室16には、ゼネレータ20が収納されると共に前記クランク軸5の他端部が突出し、クランク軸5の他端部にゼネレータロータ21が固着されている。
なお、説明の都合上、前記「クランク軸5の軸長方向」は、単に「クランク軸長方向」と称し、また、前記「クランク軸の軸長方向の一端側」と称しているスタータ装置配置側を「右側」と称し、「クランク軸の軸長方向の他端側」と称しているゼネレータ配置側を「左側」と称して、以下説明する。ちなみに、前記左右の設定は、自動二輪車に乗車したライダーから見た左右と一致する。
クランク軸5の右端部は、前記カムチェーン室9を通過してスタータ室13内まで突出しており、カムチェーン室9内のクランク軸5部分にはカム駆動用のスプロケット23が一体に形成されている。該スプロケット23にはカムチェーン24が巻き掛けられ、該カムチェーン24はクランクケース1内のカムチェーン室9並びにシリンダ2及びシリンダヘッド3のカムチェーン室25等を通過してシリンダヘッド3上に至り、前記吸、排気弁用カム軸6に固着されたスプロケット26に巻き掛けられている。
スタータ室13内において、クランク軸5の右端部にはスタータ用ワンウエイクラッチ30及びスタータギヤ31が配置され、スタータギヤ31の上方には第1、第2アイドラギヤ34、35が順次配置され、最上部には、クランクケース1上に配置されたスタータモータ36の出力ピニオン(ギヤ)37が配置されている。信号検出装置として、スタータ用ワンウエイクラッチ30の径方向の外方に信号検出用のセンサー40が配置されている。該センサー40として、該実施の形態ではパルサーコイル等の磁気式センサーを用いているが、受光素子等を利用した光学式センサーあるいは音波を利用したセンサー等、各種センサーを利用することができる。
図4は、図1のIV-IV断面拡大図であって、カムチェーン室9、25内を示しており、前記一対の吸、排気弁用のカム軸6、6は概ね前後に間隔を置いて配置されており、両カム軸6、6のスプロケット26、26と下方のカム駆動用スプロケット23の間に亘って巻き掛けられたカムチェーン24は、両スプロケット26、26から下方にゆくにしたがい、前後のチェーンガイド33、33でガイドされることにより前後間隔を狭め、クランク軸5のカム駆動用スプロケット23に至っている。
(スタータ装置)
図2はスタータ装置の縦断面拡大図(図3のII-II断面図)であり、クランクケース1の右端部には開口部1bが形成され、該開口部1bの周囲にはカバー取付面1aが形成されている。前記スタータ用の第1カバー11は、前記カバー取付面(合わせ面)1aに、位置決めピン42により位置決めされると共に、複数本のボルト43によりガスケット44を介して締結されている。第1カバー11の上半部にも開口部11bが形成され、該開口部11bの周囲にもカバー取付合面(合わせ面)11aが形成されている。第2カバー12は、前記第1カバー11に形成されたカバー取付面11aに、第2のアイドラ軸52により位置決めされると共に、複数本のボルト46によりガスケット44を介して締結されている。該ボルト46の一つは、両カバー11、12を第1のアイドラ軸51に共締めするためのおねじ部として利用されており、筒状の第1のアイドラ軸51の右端に形成されためねじ(めねじ部)51aに螺合している。すなわち、第1のアイドラ軸51の右端部は第1カバー11に形成された凹部53内に嵌合すると共に該凹部53の底面に当接し、第1のアイドラ軸51の右端面と前記ボルト46の頭部の間で、第1カバー11と第2カバー12を左右から挟圧し、カバー取付面11aにおけるシール性を高めている。また、第1のアイドラ軸51の左端部は、カムチェーン室9を通過し、クランクケース1の右端壁に形成された凹部54に嵌着されており、径方向に挿通されたロックピン56により、回転及び軸長方向移動不能にクランクケース1に固定されている。
スタータモータ36は、出力側の小径部36aがOリング57を介して第1カバー11のボス部60に嵌着されている。第2のアイドラギヤ35は、小径歯部35aと大径歯部35bを一体に有すると共に、前記第2のアイドラ軸52に回転可能に支持されており、大径歯部35bはスタータモータ36の出力ピニオン(ギヤ)37に噛み合っている。第1のアイドラギヤ34も小径歯部34aと大径歯部34bを一体に有しており、大径歯部34bは第2のアイドラギヤ35の小径歯部35aに噛み合い、小径歯部34aは前記スタータギヤ31に噛み合っている。前記両アイドラギヤ34、35は、いずれも小径歯部34a、35aと大径歯部34b、35bとが、軸方向に隣接するように形成されている。いいかえると、左側の小径歯部34a、35aと右側の大径歯部34b、35bは互いに軸方向に隙間を有することなく位置しており、これにより、アイドラギヤ34、35の軸方向の寸法がコンパクトになり、軽量化されている。
図3はカバー11、12を取り外して示す図2のIII矢視図であり、スタータモータ36は、クランクケース1のカムチェーン室9の後側に隣接配置され、スタータギヤ31に噛み合う第1のアイドラギヤ34の第1のアイドラ軸51は、カムチェーン24で囲まれた範囲内(カムチェーンラインの内側)に配置されている。具体的には、第1のアイドラ軸51は、前後のカムチェーン間隔Bのほぼ中央部に配置され、かつ、カムチェーン室9の前後方向幅Xの概ね中央部に位置している。
クランクケース1に形成された前記開口部1bは、ワンウエイクラッチ30、スタータギヤ31及び第1のアイドラギヤ34が軸方向に抜き差しできる形状及び大きさに形成されており、図2において、第1カバー11に形成された開口部11bは、第2のアイドラギヤ35が軸方向に抜き差しできる形状及び大きさに形成されている。
(ワンウエイクラッチの構造)
クランク軸5の右端部に装着されたワンウエイクラッチ30は、有底筒形のクラッチアウター62と、筒形のクラッチインナー63と、スプラグ等のクラッチ要素64から構成されている。
クラッチアウター62は、円板状の端壁部62bと、筒形外周壁62aと、内周ボス部62cを一体に備えると共に、スプロケット23の右側(クランク軸長方向の外方側)に配置されており、内周ボス部62cがクランク軸5にスプライン嵌合することにより、常時クランク軸5と一体に回転するようになっている。
クラッチインナー63は、筒形外周壁62aに対して径方向の内方から間隔を置いて対向すると共に、内周面がニードル軸受65を介してクラッチアウター62の内周ボス部62cの外周面に回転可能に嵌合している。
クラッチ要素64は、クラッチアウター62の外周壁62aとクラッチインナー63との間に配置され、クラッチインナー63のエンジン正回転方向の回転により径方向に拡開し、クラッチインナー63とクラッチアウター62を接続するようになっている。すなわち、エンジン始動時、クラッチインナー63側からクラッチアウター62側(クランク軸5側)へのみ、エンジン正回転方向の始動用動力を伝達するようになっている。
クラッチアウター62の内周ボス部62c及びクラッチインナー63は、クランク軸5の右端に螺着された抜け止めボルト67により、抜け止めワッシャ68を介してクランク軸長方向に移動不能に係止されている。
クラッチインナー63の右端部は、クラッチアウター62の外周壁62aよりも右側(クランク軸長方向の外方側)に延び出し、前記右端部に前記スタータギヤ31が一体に形成されている。すなわち、クラッチアウター62の右側(クランク軸長方向の外方側)にスタータギヤ31が配置されている。
該スタータギヤ31は、クラッチアウター62の外周壁62aの外径よりも小径に形成されており、かつ、歯部の右端部には傾斜状の切欠き69が形成され、これらの構成により、水平面(地面)に対するバンク角θを大きく採ることができるようになっている。
(信号検出装置)
信号検出装置の被検出要素(出力要素)として、クラッチアウター62の外周壁62aの外周面に、前記信号検出用のセンサー40に対向する多数の信号被検出用(信号出力用)歯71が切削加工により形成されている。信号被検出用歯71は、外周壁62aの左端縁(クランク軸長方向の内方端縁)から外周壁62aのクランク軸長方向の途中まで形成されており、外周壁62aの右側開口端部には、信号被検出用歯71の歯底の肉厚よりも厚い環状補強部72が一体に形成されている。信号検出装置は点火時期あるいはエンジン回転数、回転方向その他を検出する信号検出装置である。
図3において、前記センサー40は、クラッチアウター62の外周壁62aの前側に配置されると共に、所定の微小隙間をおいて外周壁62aの信号被検出用歯71に対向しており、クランクケース1の右端壁にボルト49により固定されている。センサー40から延びるパルス信号伝達用の2本のリード線76は、クランクケース1のスタータ室形成壁1cに形成された挿通孔(切欠き)73を通して外部に延び出しているが、前記挿通孔73には、リード線76と挿通孔73との間の密封するために、はと目状のゴム状パッキン74が嵌着され、該ゴム状パッキン74にリード線76が保持されている。
(作用)
エンジンを始動するため、図2のスタータモータ36を駆動(回転)すると、スタータモータ36の出力は、出力ピニオン37から順に、第2のアイドラギヤ35の大径歯部35b、第2のアイドラギヤ35の小径歯部35a、第1のアイドラギヤ34の大径歯部34b、第1のアイドラギヤ34の小径歯部34a、スタータギヤ31、クラッチインナー63、クラッチ要素64及びクラッチアウター62を介してクランク軸5に伝達され、エンジンが始動される。
始動後は、スタータモータ36は停止するが、ワンウエイクラッチ30は、クラッチアウター62のみがクランク軸5と共に回転しており、クラッチアウター62の外周壁62aに形成された信号被検出用歯71により、センサー40内には信号被検出用歯71に対応したパルス信号が発生し、該パルス信号はリード線76を介して制御装置に送られ、演算され、各気筒の点火時期等をコントロールする。
[実施の形態における効果]
(1)図3のようにスタータギヤ31に噛み合う第1のアイドラギヤ34の第1のアイドラ軸51を、カムチェーン24で囲まれた範囲(カムチェーンライン)の内側に配置しているので、クランク軸5と第1のアイドラ軸51の軸間距離L2を短くし、スタータモータ36とクランク軸5の軸芯間距離W2を短くすることができる。すなわち、スタータモータ36の取付位置をクランク軸5側へ近付けることができ、これにより、エンジンのコンパクト化が図れると共に、スタータモータ36の重心がクランク軸5側へ近付くことにより、エンジン及び車輌のマスの集中化を行うことができる。また、カムチェーン2で囲まれる範囲内には、通常、干渉物が無いため、第1のアイドラ軸51の位置決めを容易に行うことができる。
(2)第1のアイドラ軸51を、カムチェーン24で囲まれた範囲内に配置しているので、第1のアイドラギヤ34がクランクケース1のカムチェーン配置範囲から大きくはみ出すことはなく、カバー11、12等の形成が容易になる。
(3)第1カバー11に、第2のアイドラギヤ35が軸方向に抜き差し可能な開口部11bを形成し、該開口部11bに第2カバー12を取り付けているので、第2カバー12を取り外すことにより、第1カバー11を取り外さなくとも、第2のアイドラギヤ35をスタータ室13内に挿入し、取り付けることが可能となり、ギヤ伝動機構の組立及びメンテナンスが容易になる。
(4)クランクケース1に固定された第1のアイドラ軸51の先端にめねじ51aを形成し、該めねじ51aにボルト46を螺着することにより、第1のアイドラ軸51の先端部とボルト46の頭部の間で、第1カバー11と第2カバー12を挟圧しているので、簡単な構造で、第1カバー11と第2カバー12の間(取付面11a)のシール圧を維持し、スタータ室13内のオイルの漏れを防ぐことができる。
(5)クランク軸5の一端部(右端部)において、クランク軸長方向の内方側から順に、カム駆動用のスプロケット23、ワンウエイクラッチ30及びスタータギヤ31を配置しており、しかも、クランク軸長方向の最外方に配置されたスタータギヤ31を、ワンウエイクラッチ30のクラッチアウター62の外径よりも小さい外径としているので、図2のように第1のアイドラギヤ34の大小の歯部34b、34aを軸方向に隣接した状態(隙間を有しない状態)で一体成形でき、第1のアイドラギヤ34を小型軽量化できると共に、自動二輪車におけるバンク角θを大きく採ることができる。さらに、スタータギヤ31の歯部に切欠き69を形成することにより、バンク角θを一層大きく採ることができる。
(6)図2のように信号被検出要素(信号出力要素)として、スタータ装置のワンウエイクラッチ30のクラッチアウター62に信号被検出用歯71を形成しているので、従来のパルサーロータのような被片出専用(出力専用)部材を備える必要がなく、部品点数を削減できると共にクランク軸5を短く、かつ、軽量化でき、しかも、クランクケース1のクランク軸長方向の寸法をコンパクトにでき、自動二輪車におけるバンク角θを大きくすることができる。
(9)筒形の外周壁62aに信号被検出用歯71を形成しているので、従来のディスク状のパルサーロータに比べ、信号被検出用歯71の幅を広くすることができ、それにより、信号検出性能を向上させることができる。すなわち、センサー40によるピックアップ漏れを防止することができる。
[その他の実施の形態]
(1)図2は、アイドラ軸51の右端面に第1、第2カバー11、12を共締めする構造として、アイドラ軸51の右端面にめねじ(めねじ部)51aを形成し、頭部を有するボルト(おねじ部)46を第1、第2カバー11、12に外側(右側)から挿通し、前記めねじ51aに螺合しているが、めねじ部とおねじ部を逆に設けることも可能である。すなわち、アイドラ軸51の右端面に右方に突出するおねじ部を一体に形成し、該おねじ部を第1、第2カバー11、12に挿通し、第2カバー12から右方に突出するおねじ部の先端部分に、めねじ部としてナットを螺合する構造とすることもできる。
(2)図2において、第1カバー11と第2カバー12の間にガスケット44を介在させずに、両カバー11、12を直接結合する構造とすることも可能である。
本発明にかかるスタータ装置を備えた自動二輪車のエンジンの縦断面略図である。 図1のスタータ装置の縦断面拡大図(図3のII-II断面図)である。 スタータ用の各カバーを取り外して示す図2のスタータ装置のIII矢視図である。 図1のIV-IV断面拡大図である。 従来の自動二輪車のエンジンの縦断面略図である。 図5のスタータ装置のカバー等を取り外して示すVI矢視図である。
符号の説明
1 クランクケース
5 クランク軸
6 カム軸
9 カムチェーン室
11、12 スタータ装置の第1、第2カバー
11a 取付面
11b 開口部
23 カム駆動用のスプロケット
24 カムチェーン
26 カム軸のスプロケット
30 スタータ用ワンウエイクラッチ
31 スタータギヤ
34、35 第1、第2のアイドラギヤ
36 スタータモータ
37 出力ピニオン(ギヤ)
44 ガスケット
46 ボルト(おねじ部の一例)
51、52 第1、第2のアイドラ軸
51a めねじ(めねじ部の一例)

Claims (2)

  1. スタータモータから伝動機構及びワンウエイクラッチを介してクランク軸に始動用動力を伝達する自動二輪車のスタータ装置において、
    カムチェーンよりもクランク軸の軸長方向の外方のクランク軸部分に、スタータギヤを設け、
    該スタータギヤに噛み合うアイドラギヤのアイドラ軸を、前記カムチェーンで囲まれた範囲内に配置したことを特徴とする自動二輪車のスタータ装置。
  2. 請求項1記載の自動二輪車のスタータ装置において、
    前記伝動機構を覆う第1カバーをクランクケースに固定し、
    前記第1カバーに形成した開口部の周縁のカバー取付面に第2カバーを配置し、
    前記アイドラ軸の一端部をクランクケースに固定すると共に、他端部を前記第1カバーに当接し、
    前記アイドラ軸に対応する位置の第1カバー部分及び第2カバー部分を、両カバーに挿通したおねじ部及び該おねじ部に螺合するめねじ部により、前記アイドラ軸の他端面に共締めしたことを特徴とする自動二輪車のスタータ装置。
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