JP4277010B2 - 自動二輪車用エンジン - Google Patents

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Description

本発明はスタータモータから伝動機構及びワンウエイクラッチを介してクランク軸に始動用動力を伝達する自動二輪車用エンジンに関する。
自動二輪車用エンジンに備えられたスタータ装置において、ワンウエイクラッチは、始動用動力の機械ロス低減のため、クランク軸上に配置することが好ましく、通常は、クランク軸の端部に装着されており、また、クランクケース外部に配置されるスタータモータと連動連結する必要性から、クランク軸の軸長方向の最外端に配置されている。
図7は、クランク軸105の端部にスタータ装置のワンウエイクラッチを設けた自動二輪車用エンジンの一例を示しており、クランク軸105の一端部に、パルサーロータ111及びカム駆動用スプロケットホイール110をクランク軸長方向の内方側から順に設けると共に、最外端にスタータ装置101のワンウエイクラッチ102を取り付けており、パルサーロータ111の径方向の外方にはパルサー(パルサーコイル)112を配置し、スタータ用カバー115に固定してある。クランク軸105の他端部には、ゼネレータ103のゼネレータロータ103aを取り付けてある(特許文献1等参照)。
図8は、図7のスタータ装置101の拡大断面図であり、クランクケース及びスタータ用カバーは省略してある。ワンウエイクラッチ102は、クランク軸105の端部に固着(スプライン嵌合)された有底筒型のクラッチアウター116と、該クラッチアウター116のボス部116cにニードル軸受117を介して回転可能に支持されたクラッチインナー(クラッチハブ)118と、前記クラッチアウター116とクラッチインナー118間に配置されたスプラグ等のクラッチ要素119から構成されており、クラッチインナー118からクラッチアウター116へのみ、エンジン正回転方向の動力を伝達するようになっている。
クラッチインナー118のクランク軸105の軸長方向の内方端部にはスタータギヤ120が一体に形成され、該スタータギヤ120は2つの第1、第2アイドラギヤ121、122を介してスタータモータ125の出力ピニオン126に連動連結している。各アイドラギヤ121、122は小径歯部121a、122aと大径歯部121b、122bをそれぞれ備えると共に、アイドラ軸127、128にそれぞれ回転可能に支持されている。前記スタータギヤ120は第1のアイドラギヤ121の小径歯部121aに噛み合い、第1のアイドラギヤ121の大径歯部121bは第2のアイドラギヤ122の小径歯部122aに噛み合い、第2のアイドラギヤ122の大径歯部122bはスタータモータ125の出力ピニオン126に噛み合っている。
特開平8−86223号公報
図8のスタータ装置101のように、クランク軸105上のスタータギヤ120をワンウエイクラッチ102のクランク軸105の軸長方向の内方側に配置してあると、スタータギヤ120の直径が制限されるという不都合が生じる。すなわち、図8のIX矢視図である図9において、車輪駆動力断続用のクラッチを収納するためのクラッチカバーの合わせ面130、パルサー112及びチェーンガイド支持部132等との干渉を避ける必要上、スタータギヤ120の直径が制限され、一方、スタータギヤ120の径を大きくしようとすれば、クランクケース全体が大きくなる。また、図8において、第1のアイドラギヤ121は、小径歯部121aがクラッチアウター116よりもクランク軸105の軸長方向の内方側に位置し、大径歯部121bがクラッチアウター116よりもクランク軸長方向の外方側に位置しているので、大小の歯部121b、121aを結合するためにクランク軸105の軸長方向に一定長さを有するボス部121cが必要になり、これにより第1のアイドラギヤ121が大きくなると共に重量が増加する。
前記図8及び図9のようなスタータ装置に対し、図10に示すスタータ装置は、スタータギヤ120の直径をクラッチアウター116よりも小径にすることにより、前記干渉の可能性を排除できるようにした構造である。ところが、スタータギヤ120を小径にすると、強度上、スタータギヤ120の歯幅tを広げなければならず、そうすると、ワンウエイクラッチ102がクランク軸105の軸長方向の外方に張り出し、バンク角θが制限される。また、第1のアイドラギヤ121の小径歯部121aも、スタータギヤ120に合わせて歯幅を広くしなければならず、重量が増加する。さらに、側方(矢印A方向)に見て小径歯部121aはクラッチアウター116と重なるため、クラッチアウター116の外周壁116aのクランク軸105の軸長方向の端面等と第1のアイドラギヤ121の小径歯部121a及びボス部121cとの干渉を避ける必要性が生じ、組立性も低下する。
本発明の目的は、自動二輪車のバンク角を大きく採れるようにすると共に、アイドラギヤを小型及び軽量化できるようにし、また組付け性を向上させることである。
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、スタータモータから伝動機構及びワンウエイクラッチを介してクランク軸に始動用動力を伝達する自動二輪車用エンジンにおいて、前記クランク軸の一端部に前記ワンウエイクラッチを装着し、該ワンウエイクラッチのクラッチアウターは、前記クランク軸の一端部に設けられたカム駆動用スプロケット又はカム駆動用ギヤよりも前記クランク軸の軸長方向の外方側に配置し、前記クラッチアウターよりも前記クランク軸の軸長方向の外方側であって、前記クランク軸の最外方端部に、前記クラッチアウターの外径よりも小径のスタータギヤ又はスタータスプロケットを設けた。
上記構成によると、(1)クランク軸の一端部にワンウエイクラッチのクラッチアウターを装着し、該クラッチアウターよりもクランク軸の軸長方向の外方側にスタータギヤ等を配置し、しかも、該スタータギヤ等の外径をクラッチアウターの外径よりも小径としているので、自動二輪車のバンク角を大きくすることができる。
(2)スタータギヤをクラッチアウターよりもクランク軸の軸長方向の外方側に配置していると、たとえばスタータギヤに噛み合うアイドラギヤのクランク軸の軸長方向の長さ、すなわち小径歯部と大径歯部間のボス部の長さを短くできることにより、アイドラギヤを小型軽量化できる。
(3)クラッチアウターを、カム駆動用のスプロケット等よりもクランク軸の軸長方向の外方側に配置したので、たとえば、カムチェーン及びチェーンガイドと、スタータギヤ又はスタータスプロケットとのクランク軸の軸長方向の間隔を広げることができ、運転中に揺れ動くカムチェーン等とスタータギヤ等との干渉を避けることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の自動二輪車用エンジンにおいて、前記クランク軸の最外方端部には前記スタータギヤを設けており、該スタータギヤの歯部は、前記クランク軸の軸長方向の外方側の端部を傾斜状に切り欠いた
上記構成によると、クラッチアウターよりもクランク軸の軸長方向の外方側に配置されたスタータギヤの歯部の端部を傾斜状に切り欠いたので、自動二輪車におけるバンク角をさらに大きくすることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2の自動二輪車用エンジンにおいて、前記クラッチアウターの半径は、クランクウエブのクランク軸芯からの半径よりも小さく形成した
以上のように本発明によると、クラッチアウターよりもクランク軸の軸長方向の外方側に、クラッチアウターの外径よりも小径のスタータギヤ又はスタータスプロケットを配置しているので、自動二輪車のバンク角を大きくできると共に、アイドラギヤを小型軽量化できる。また、カムチェーン等とスタータギヤ等のクランク軸の軸長方向の間隔を広げることができるので、カムチェーン等とスタータギヤ等の干渉を避けることができる。さらに、スタータギヤの歯部を傾斜状に切り欠くことにより、バンク角をさらに大きくすることができる。
[発明の実施の形態]
(エンジン全体の構成)
図1〜図6は本発明の実施の形態であり、自動二輪車用並列4気筒エンジンに適用した例を示している。エンジン全体の縦断面略図を示す図1において、エンジンの外殻は、周知のようにクランクケース1、シリンダ(シリンダブロック)2及びシリンダヘッド3等から構成されており、クランクケース1内にはクランク軸5が回転可能に支持され、シリンダヘッド3上には、吸、排気弁駆動用のカム軸6が回転可能に支持されている。クランク軸5はコンロッド7を介して各気筒のピストン8に連結している。
クランクケース1のクランク軸5の軸長方向の一端部(図1の右端部)に、カムチェーン室9が形成されると共に、スタータ装置用の第1カバー11及び第2カバー12が取り付けられ、両第1、第2カバー11、12によりスタータ室13が形成されている。
クランクケース1のクランク軸5の軸長方向の他端部(図1の左端部)に、ゼネレータカバー15が取り付けられ、該ゼネレータカバー15によりゼネレータ室16が形成され、該ゼネレータ室16には、ゼネレータ20が収納されると共に前記クランク軸5の他端部が突出し、クランク軸5の他端部にゼネレータロータ21が固着されている。
なお、説明の都合上、前記「クランク軸5の軸長方向」は、単に「クランク軸長方向」と称し、また、前記「クランク軸の軸長方向の一端側」と称しているスタータ装置配置側を「右側」と称し、「クランク軸の軸長方向の他端側」と称しているゼネレータ配置側を左側と称して、以下説明する。ちなみに、前記左右の設定は、自動二輪車に乗車したライダーから見た左右と一致する。
クランク軸5の右端部は、前記カムチェーン室9を通過してスタータ室13内まで突出しており、カムチェーン室9内のクランク軸5部分にはカム駆動用のスプロケット23が一体に形成されている。該スプロケット23にはカムチェーン24が巻き掛けられ、該カムチェーン24はクランクケース1内のカムチェーン室9並びにシリンダ2及びシリンダヘッド3のカムチェーン室25等を通過してシリンダヘッド3上に至り、前記吸、排気弁用カム軸6に固着されたスプロケット26に巻き掛けられている。
スタータ室13内において、クランク軸5の右端部にはスタータ用ワンウエイクラッチ30及びスタータギヤ31が配置され、スタータギヤ31の上方には第1、第2アイドラギヤ34、35が順次配置され、最上部には、クランクケース1上に配置されたスタータモータ36の出力ピニオン(ギヤ)37が配置されている。そして、点火信号検出装置として、スタータ用ワンウエイクラッチ30の径方向の外方に点火信号検出用のセンサー40が配置されている。該センサー40として、該実施の形態ではパルサーコイル等の磁気式センサーを用いているが、受光素子等を利用した光学式センサーあるいは音波を利用したセンサー等、各種センサーを利用することができる。
(スタータ装置)
図2はスタータ装置の縦断面拡大図であり、前記スタータ用の第1カバー11は、クランクケース1の右端面に形成された合わせ面(カバー取付面)1aに、位置決めピン42により位置決めされると共に、複数本のボルト43によりガスケット44を介して締結されており、第2カバー12は、第1カバー11に形成された合わせ面11aに、第2のアイドラ軸52により位置決めされると共に、複数本のボルト46によりガスケット45を介して締結されている。該ボルト46の一つは、筒状の第1のアイドラ軸51に形成されためねじ51aに螺合しており、第1のアイドラ軸51の右端部は第1カバー11に形成された凹部53内に嵌合し、第1のアイドラ軸51の右端面と前記ボルト46の頭部の間で、第1カバー11と第2カバー12を左右から挟圧し、両カバー11、12の合わせ面11aにおけるシール性を高めている。また、第1のアイドラ軸51の左端部は、カムチェーン室9を通過し、クランクケース1の右端壁に形成された凹部54に嵌着されており、径方向に挿通されたロックピン56により、回転方向及びクランク軸長方向に移動不能に固定されている。
スタータモータ36は、出力側の小径部36aがOリング57を介して第1カバー11のボス部60に嵌着されている。第2のアイドラギヤ35は、小径歯部35aと大径歯部35bを一体に有すると共に、前記第2のアイドラ軸52に回転可能に支持されており、大径歯部35bはスタータモータ36の出力ピニオン(ギヤ)37に噛み合っている。第1のアイドラギヤ34も小径歯部34aと大径歯部34bを一体に有しており、大径歯部34bは第2のアイドラギヤ35の小径歯部35aに噛み合い、小径歯部34aは前記スタータギヤ31に噛み合っている。前記両アイドラギヤ34,35は、いずれも小径歯部34a、35aと大径歯部34b、35bとが、クランク軸長方向に隣接するように形成されている。いいかえると、左側の小径歯部34a、35aと右側の大径歯部34b、35bは互いにクランク軸長方向に隙間を有することなく位置しており、これにより、アイドラギヤ34,35のクランク軸長方向の寸法がコンパクトになり、軽量化されている。
クランク軸5の右端部に装着されたワンウエイクラッチ30は、有底筒形のクラッチアウター62と、筒形のクラッチインナー63と、スプラグ等のクラッチ要素64から構成されている。
クラッチアウター62は、円板状の端壁部62bと、筒形外周壁62aと、内周ボス部62cを一体に備えると共に、スプロケット23の右側(クランク軸長方向の外方側)に配置されており、内周ボス部62cがクランク軸5にスプライン嵌合することにより、常時クランク軸5と一体に回転するようになっている。
クラッチインナー63は、筒形外周壁62aに対して径方向の内方から間隔を置いて対向すると共に、内周面がニードル軸受65を介してクラッチアウター62の内周ボス部62cの外周面に回転可能に嵌合している。
クラッチ要素64は、クラッチアウター62の外周壁62aとクラッチインナー63との間に配置され、クラッチインナー63のエンジン正回転方向の回転により径方向に拡開し、クラッチインナー63とクラッチアウター62を接続するようになっている。すなわち、エンジン始動時、クラッチインナー63側からクラッチアウター62側(クランク軸5側)へのみ、エンジン正回転方向の始動用動力を伝達するようになっている。
クラッチアウター62の内周ボス部62c及びクラッチインナー63は、クランク軸5の右端に螺着された抜け止めボルト67により、抜け止めワッシャ68を介してクランク軸長方向に移動不能に係止されている。
クラッチインナー63の右端部は、クラッチアウター62の外周壁62aよりも右側(クランク軸長方向の外方側)に延び出し、前記右端部に前記スタータギヤ31が一体に形成されている。すなわち、クラッチアウター62の右側(クランク軸長方向の外方側)にスタータギヤ31が配置されている。
該スタータギヤ31は、クラッチアウター62の外周壁62aの外径よりも小径に形成されており、かつ、歯部の右端部には傾斜状の切欠き69が形成され、これらの構成により、水平面(地面)に対するバンク角θを大きく採ることができるようになっている。
図3はスタータ用の第1、第2カバー11、12を取り外して示すクランクケース1の右側面図であり、スタータモータ36は、クランクケース1のカムチェーン室9の後側に隣接配置されている。第1のアイドラ軸51は、カムチェーン24で囲まれた範囲内に配置されると共に、前後のカムチェーン間隔Bのほぼ中央部に配置されている。
(点火信号検出装置)
図2において、点火信号検出装置の信号出力部として、該実施の形態では、クラッチアウター62の外周壁62aの外周面に、多数の信号出力用歯71が切削加工より形成されている。信号出力用歯71は、外周壁62aの左端縁(クランク軸長方向の内方端縁)から外周壁62aのクランク軸長方向の途中まで形成されており、外周壁62aの右側開口端部には、信号出力用歯71の歯底(底面)の肉厚よりも厚い環状補強部72が一体に形成されている。なお、信号出力用歯71は、上記切削加工以外に、型加工又は冷鍛造でも形成することが可能である。
図4はクラッチアウター62の左側面図(図2のIV矢視図)であり、信号出力用歯71は、円周方向に等間隔を置いて多数枚(たとえば24枚)形成されているが、矢印Aで示す部分を欠け歯(2枚分の欠け歯)とすることにより、該欠け歯部分Aをパルス信号の基準位置として利用するようになっている。なお、クラッチアウター62の内周部にはスプラインが形成されているが、クランク軸5への組み付け時にクランク角の位置決めを行うために、欠け歯75としている。
図6は図4のVI-VI断面拡大図であり、クラッチアウター62の信号出力用歯71の歯高(深さ)Dは、たとえば外周壁62aの厚みT1の1/2強程度の大きさ(高さ)になっており、また、信号出力用歯71の頂面は、環状補強部72の外周端面と同一面(同一外径)に揃えられている。すなわち、環状補強部72の肉厚は、歯底の肉厚T2よりも大きく(高く)、外周壁62aの肉厚T1と同一厚さになっている。
図5はクラッチアウター62の斜視図であり、信号出力用歯71のクランク軸の軸長方向の閉塞側の端面(右端面)71bは半円状に形成されている。これは、前述のように信号出力用歯71は切削加工により形成されるが、たとえばエンドミル等の切削工具80をクラッチアウター62の径方向に配置して、クランク軸長方向に移動することにより信号出力用歯71の溝を切削した結果であり、このように信号出力用歯71の閉塞側の端面71bを半円形に形成することにより、角形に形成する場合に比べて応力の集中を避けることができる。
図3において、前記センサー40は、クラッチアウター62の前側に配置されると共に、所定の微小隙間をおいて外周壁62aの信号出力用歯71に対向しており、クランクケース1の右端壁にボルト49により固定されている。センサー40から延びるパルス信号伝達用の2本のリード線76は、クランクケース1のスタータ室形成壁1cに形成された挿通孔(切欠き)73を通して外部に延び出しているが、前記挿通孔73には、リード線76と挿通孔73との間を密封するために、はと目状のゴム状パッキン74が嵌着され、該ゴム状パッキン74にリード線76が保持されている。
(作用)
エンジンを始動するため、図2のスタータモータ36を駆動すると、スタータモータ36の出力は、出力ピニオン37から順に、第2のアイドラギヤ35の大径歯部35b、第2のアイドラギヤ35の小径歯部35a、第1のアイドラギヤ34の大径歯部34b、第1のアイドラギヤ34の小径歯部34a、スタータギヤ31、クラッチインナー63、クラッチ要素64及びクラッチアウター62を介してクランク軸5に伝達され、エンジンが始動される。
始動後は、スタータモータ36は停止するが、ワンウエイクラッチ30は、クラッチアウター62のみがクランク軸5と共に回転しており、クラッチアウター62の外周壁62aに形成された信号出力用歯71により、パルサー40内には信号出力用歯71に対応したパルス信号が発生し、該パルス信号はリード線76を介して制御装置に送られ、演算され、各気筒の点火時期をコントロールする。
[実施の形態における効果]
(1)クランク軸5の軸長方向の一端部(右端部)において、クランク軸5の軸長方向の内方側から順に、カム駆動用のスプロケットホイール23、ワンウエイクラッチ30及びスタータギヤ31を配置しており、しかも、クランク軸5の軸長方向の最外方に配置されたスタータギヤ31を、ワンウエイクラッチ30のクラッチアウター62の外径よりも小さい外径としているので、図2のように第1のアイドラギヤ34の大小の歯部34b、34aをクランク軸5の軸長方向に隣接した状態で一体成形でき、第1のアイドラギヤ34を小型軽量化できると共に、自動二輪車におけるバンク角θを大きく採ることができる。さらに、スタータギヤ31の歯部に切欠き69を形成することにより、バンク角θを一層大きく採ることができる。
(2)第1のアイドラ軸51をカムチェーンラインの内側に配置しているので、図3のようにスタータモータ36の取付け位置をクランク軸側へ近付けることができ、これにより、エンジンのコンパクト化が図れると共に、スタータモータ36の重心がクランク軸5側へ近付くことにより、エンジン及び車輌のマスの集中化を行うことができる。また、カムチェーンライン内には、通常、干渉物が無いため、第1のアイドラ軸51の位置決めを容易に行うことができる。
(3)第1のアイドラ軸51を、カムチェーンラインの内側に配置しているので、第1のアイドラギヤ34がクランクケース1のカムチェーン配置範囲から大きくはみ出すことはなく、カバー11、12等の形成が容易になる。
(4)図2のように点火信号出力要素として、スタータ装置のワンウエイクラッチ30のクラッチアウター62に信号出力用歯71を形成しているので、従来のパルサーロータのような出力専用部材を備える必要がなく、部品点数を削減できると共にクランク軸の軽量化が行え、しかも、クランクケース1のクランク軸5の軸長方向の寸法をコンパクトにでき、自動二輪車におけるバンク角θを大きく確保することができる。
(5)筒形の外周壁62aに信号出力用歯71を形成しているので、従来のディスク状のパルサーロータに比べ、信号出力用歯71の幅を広くすることができ、それにより、信号検出性能を向上させることができる。すなわち、パルサーによるピックアップ漏れを防止することができる。
(6)図2において、前記信号出力用歯71が形成されるクラッチアウター62の外周壁62aには、信号出力用歯71の歯底の厚みよりも厚肉(厚さT1)の環状補強部72を形成しているので、クラッチ接続時に径方向の内方からクラッチ要素64の荷重がかかった場合でも、外周壁62aの径方向外方への撓みを阻止することができ、ワンウエイクラッチ30の性能を維持することができる。
(7)また、前記環状補強部72を、クラッチアウター30の外周壁62aの開口端部に形成しているので、前記クラッチ要素64による径方向外方への荷重に対して最も撓み易い箇所を環状補強部72で補強することになり、効率的に筒形外周壁62aの撓みを抑制することができる。
(8)パルサー40をクランクケース1に装着しているので、たとえばカバー側に装着する場合に比べ、カバー着脱時において、リード線76の処理に困ることはなく、製造組立及びメンテナンスの点で有利である。
[その他の実施の形態]
図1及び図2では、カム駆動用の回転部材として、クランク軸にカムチェーン用のスプロケットホイールを設けているが、通常の噛み合いギヤを設けている構造の自動二輪車用エンジンにも、本発明は適用可能である。
また、スタータモータとワンウエイクラッチの間の伝動機構として、スプロケットとチェーンからなるチェーン伝動機構を備えた自動二輪車用エンジンにも、本発明は適用可能である。
本発明を適用した自動二輪車用エンジンの縦断面略図である。 図1の自動二輪車用エンジンのスタータ装置の縦断面拡大図(図3のII-II断面図)である。 スタータ用の各カバーを取り外して示す図2のスタータ装置のIII矢視図である。 クラッチアウターの図2のIV矢視図である。 クラッチアウターの斜視図である。 図4のVI-VI断面拡大図である。 従来の自動二輪車用エンジンの縦断面略図である。 図7の自動二輪車用エンジンのスタータ装置の縦断面拡大図である。 図8のIX矢視図である。 別の従来例であって、図8と同様の縦断面拡大図である。
符号の説明
1 クランクケース
5 クランク軸
6 カム軸
9 カムチェーン室
11、12 スタータ装置の第1、第2カバー
23 カム駆動用のスプロケット
24 カムチェーン
30 スタータ用のワンウエイクラッチ
31 スタータギヤ
34、35 第1、第2のアイドラギヤ
36 スタータモータ
37 出力ピニオン(ギヤ)
51、52 第1、第2のアイドラ軸
62 クラッチアウター
62a 外周壁
63 クラッチインナー
64 クラッチ要素

Claims (3)

  1. スタータモータから伝動機構及びワンウエイクラッチを介してクランク軸に始動用動力を伝達する自動二輪車用エンジンにおいて、
    前記クランク軸の一端部に前記ワンウエイクラッチを装着し、
    該ワンウエイクラッチのクラッチアウターは、前記クランク軸の一端部に設けられたカム駆動用スプロケット又はカム駆動用ギヤよりも前記クランク軸の軸長方向の外方側に配置し、
    前記クラッチアウターよりも前記クランク軸の軸長方向の外方側であって、前記クランク軸の最外方端部に、前記クラッチアウターの外径よりも小径のスタータギヤ又はスタータスプロケットを設けたことを特徴とする自動二輪車用エンジン。
  2. 前記クランク軸の最外方端部には前記スタータギヤを設けており、該スタータギヤの歯部は、前記クランク軸の軸長方向の外方側の端部を傾斜状に切り欠いたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車用エンジン。
  3. 前記クラッチアウターの半径は、クランクウエブのクランク軸芯からの半径よりも小さく形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車用エンジン。
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