JP4229660B2 - エンジンのクランク軸のギヤ取付構造 - Google Patents

エンジンのクランク軸のギヤ取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、エンジンのクランク軸のギヤ取付構造に関し、特にクランク軸にカム駆動用のチェーンスプロケットあるいはオイルポンプ駆動用のチェーンスプロケット等を形成する4サイクルエンジンに適したクランク軸のギヤ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
4サイクルエンジンのクランク軸には、ミッションに動力を伝達するための一次ギヤ(クランクギヤ)の他に、エンジンに装備される各種装置を駆動するための出力用のギヤ又は出力用のチェーンスプロケットが必要に応じて設けられている。たとえば、バランサ駆動ギヤ、カム駆動用のチェーンスプロケット又はオイルポンプ゜駆動ギヤ(あるいはチェーンスプロケット)等が必要に応じて設けられる。
【0003】
各出力用のギヤ及びチェーンスプロケットのクランク軸上の配列は、一例として図7に示すような配列がある(特許文献1参照)。すなわち、図7において、クランク軸101を一対の主軸受102,103により両持ち支持したエンジンにおいて、一方の主軸受103からクラッチ室内に突出したクランク軸部分には、クラッチギヤ115に噛み合う一次ギヤ111が固定され、該一次ギヤ111とクラッチ側の主軸受103の間にカム駆動用のチェーンスプロケット110が固定されている。しかも、カム駆動用のチェーンスプロケット110と一次ギヤ111とは共通のボス113に一体成形され、該ボス113がクランク軸101に固定されている。他方の主軸受102からジェネレータ室に突出した部分にはジェネレータ120が設けられている。しかし、バランサ駆動ギヤ112は、上記ジェネレータ室側の主軸受102とクランクウエブ122の間に設けられ、クランク室内に位置している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−87714号公報(図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
クランク軸の一方の突出部分に出力用のチェーンスプロケットと出力用のギヤを並設する場合において、図7のようにカム駆動用のチェーンスプロケット110と一次ギヤ111とを共通のボス113によりクランク軸101に固定するようにしていると、チェーンスプロケット110の歯底径より小さなボス外径に対しボス肉厚を取らなければならないので、ボス内周のスプライン径も小さくならざるを得ず、クランク軸101の外周スプラインも小径となり、十分な強度及び剛性を確保し難い。逆に、十分な強度及び剛性を確保しようとすると、チェーンスプロケット110の歯底径を大きくするため、歯数の多いスプロケットを使用せざるを得ず、クランク軸101の重量増加のみならず、シリンダヘッドのカムスプロケット部でのエンジンの大型化となる。
【0006】
また、チェーンスプロケット110と一次ギヤ111の各歯を小さなボス113に一体成形加工する作業にも手間がかかる。
【0007】
これに対して、チェーンスプロケットをクランク軸と一体成形することにより、エンジンの小型化とクランク軸の軽量化と歯切り加工の容易化が図れるが、その場合は、出力用のギヤの組付性を考慮して、チェーンスプロケットは上記図7と同様に主軸受側に形成され、出力用のギヤはクランク軸先端側に固定される。
【0008】
ところが、チェーンスプロケットとして、たとえばカム駆動用のチェーンスプロケットをクランク軸に一体成形する場合、その位置は、ボアの肉厚、水通路幅、カムチェーン室内側肉厚及び隙間を重ねることにより決まるため、カム駆動用チェーンスプロケットと主軸受の間には無駄なスペースが存在することになり、クランク軸の軸芯方向寸法が大きくなり、エンジンの大形化の原因になる。しかも、昨今のエンジンはボアが大径化する傾向にあるため、上記無駄なスペースも大きくなり、クランク軸の軸芯方向寸法の大形化を助長する。
【0009】
【発明の目的】
本願発明の目的は、クランク軸上に設けられる各種出力用のチェーンスプロケット及び出力用のギヤの配列及び形状を工夫することにより、クランク軸の軽量化及びクランク軸芯方向のコンパクト化を達成できるようにすると共に、出力用のギヤの組付性を向上させることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願請求項1記載の発明は、クランク軸を両持ち支持する一対の主軸受の一方と、該主軸受からクランク室外に突出するクランク軸部分に形成された出力用のチェーンスプロケットとの間に、出力用のギヤを固定しており、前記出力用のギヤは、前記クランク軸のギヤ取付位置に形成された外周スプラインにスプライン嵌合する内周スプラインを有し、該内周スプラインは、前記チェーンスプロケットと同じ歯数に形成されると共に、前記内周スプラインの各歯が前記チェーンスプロケットの各歯間を軸芯方向に通過しうる形状に形成されていることを特徴とするエンジンのクランク軸のギヤ取付構造である。
【0011】
上記構造によると、クランク軸に一体成形された出力用のチェーンスプロケットと主軸受との間のスペースを、出力用のギヤの取付スペースとして有効に利用でき、クランク軸の軽量化並びにエンジンのクランク軸芯方向寸法のコンパクト化を達成できる。また、出力用のギヤを主軸受に隣接して配置することができることにより、出力用のギヤの支持剛性を高めることもできる。
【0012】
また、上記構造によると、主軸受と出力用のチェーンスプロケットとの間のクランク軸部分の径を、チェーンスプロケットの外径よりも大きくする必要はなく、出力用のギヤをギヤ取付位置まで軸芯方向に挿入できる。これにより、クランク軸の軽量化を図りつつ、出力用のギヤの組付性を維持することができる。また、主軸受を大型化する必要もなくなる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエンジンのクランク軸のギヤ取付構造において、上記出力用のチェーンスプロケットは吸排気弁のカム駆動用チェーンスプロケットであり、出力用のギヤはバランサ駆動ギヤである。
【0014】
上記構造によると、ボアの大径化に対応してカム駆動用チェーンスプロケットの形成位置が主軸受から遠くなる場合でも、ギヤ組付性の維持と共にクランク軸のクランク軸芯方向のコンパクト化を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1〜図5は、本願発明が適用された単気筒4サイクルエンジンであり、たとえばモトクロス用オートバイに搭載されており、これら図面に基づいて本願発明の一実施の形態を説明する。なお、説明の都合上、クランク軸芯方向を左右方向として説明する。
【0017】
図1はエンジン内の主な回転軸及びギヤ類の配置を示す左側面略図であり、この図1において、クランクケース2の前半部はクランク軸1を収納するクランク室4となっており、後半部はギヤ式ミッションを収納するミッション室5となっており、クランク室4の上面にはシリンダ6、シリンダヘッド7及びヘッドカバー8が順次締着されている。
【0018】
ミッション室5内には、クランク軸1と平行な変速入力軸10と変速出力軸11が前後に間隔を置いて配置され、周知のギヤ式ミッションと同様に、各軸10,11に装着された入力側変速ギヤ群13と出力側変速ギヤ群14が噛み合っている。変速出力軸11は、図示しないが車輪駆動用のプロペラ軸あるいはチェーン伝導機構等に連動連結している。
【0019】
変速入力軸10の下方には、クランク軸1と平行な左右一対のオイルポンプ軸17,18が配置され、クランク室4の前部にはクランク軸1と平行なバランサ軸19が配置され、シリンダヘッド7の上端には、吸,排気弁駆動用の一対のカム軸21,22がクランク軸1と平行に配置されている。
【0020】
各カム軸21,22にはそれぞれチェーンスプロケット23,24が固着されており、両チェーンスプロケット23,24とクランク軸1に一体成形されたカム駆動用のチェーンスプロケット25に亘ってカムチェーン26が巻き掛けられ、該カムチェーン26を介してクランク軸1から各カム軸21,22にカム駆動用動力が出力されるようになっている。なお、O1はクランク軸芯、O2は変速入力軸芯、O3はポンプ軸芯、O4は変速出力軸芯、O5はバランサ軸芯、Cはシリンダ中心線である。
【0021】
図3は図1のIII-III断面展開図であり、クランクケース2は左右2つ割り構造となっており、シリンダ中心線Cを含みクランク軸芯O1と直角な面を合わせ面として、左右のクランクケース部材2a,2bが結合されている。クランクケース2の左右の側壁34,35にはクランク軸支持孔41,42がそれぞれ形成され、各クランク軸支持孔41,42には主軸受37,38がそれぞれ嵌着され、両主軸受37,38によりクランク軸1を両持ち支持している。
【0022】
クランク軸1も左右2分割構造となっており、クランクピン39により左右のクランク軸部材を結合してある。クランク軸1の右側の端部は、右側主軸受38を貫通して右側のクラッチ室44内に突出し、該右側突出部分には、クランク軸1とは別部材でできた車輪駆動用の一次ギヤ52が固定されると共に、該一次ギヤ52と右側主軸受38との間に、ポンプ駆動用のチェーンスプロケット51がクランク軸1と一体に成形されている。上記一次ギヤ52はクランク軸1にスプライン嵌合すると共にサークリップ53により軸芯方向移動不能に固定されている。
【0023】
クランク軸1の左側の端部は、左側主軸受37を貫通して左側のジェネレータ室45に突出し、左側突出端部にはジェネレータ47のロータ48が固定されている。該ロータ48と左側主軸受37の間のクランク軸1部分に、カム駆動用のチェーンスプロケット25がクランク軸1と一体成形され、該カム駆動用のチェーンスプロケット25と左側主軸受37の間に、クランク軸1とは別部材でできたバランサ駆動ギヤ30がスプライン嵌合している。バランサ駆動ギヤ30の径方向の内方端部には右方へ突出するボス部30aが一体成形されており、該ボス部30aの右端が左側主軸受37に当接し、バランサ駆動ギヤ30の左端はサークリップ65により抜け止めされている。
【0024】
ミッション室5の変速入力軸10は左右一対の軸受を介してクランクケース2の両側壁34,35に支持されると共に、右側の端部がクラッチ室44内に突出し、右側突出部分に多板式摩擦クラッチ50が取り付けられている。
【0025】
多板式摩擦クラッチ50の入力側アウターケース50aの左端面にはクラッチギヤ54が結合されており、該クラッチギヤ54はクランク軸1の一次ギヤ52に噛み合っている。クラッチギヤ54とクランクケース右側壁35の間には、始動ギヤ55がクラッチギヤ54と一体成形されている。
【0026】
バランサ軸19は左右一対の軸受58,59を介してクランクケース2の左右側壁34,35に支持されている。バランサ軸19の右側の端部はクラッチ室44内に突出し、該右側突出部分には右側ウエイト部19aが一体に形成されると共に、継手機構を介して水ポンプ56のポンプ軸57が連結している。バランサ軸19の左側の端部はジェネレータ室45内に突出し、該左側突出部分にはバランサギヤ29が固定され、該バランサギヤ29はクランク軸1のバランサ駆動ギヤ30に噛み合っている。また、バランサギヤ29には、バランサ軸19とは別部材で形成された左側ウエイト部19bが固定されている。
【0027】
図2は図1のII-II断面展開図であり、エンジンには一対のオイルポンプ15,16が備えられており、両オイルポンプ15,16は、クランクケース2の左右側壁34,35に振分け配置されている。左側のオイルポンプ15は、エンジン内の各注油個所からの戻りオイルをミッション室5の下部に形成されたオイルタンク室側へ汲み上げるスカベンジングポンプであり、右側のオイルポンプ16は、エンジン内の各注油個所にオイルを圧送するフィードポンプである。
【0028】
両オイルポンプ15,16のポンプ軸17,18は、クランク軸芯O1と平行な同一軸芯O3上に配置されると共に継手を介して連結されている。右側のポンプ軸18はクラッチ室44内に突出し、該突出部分にチェーンスプロケット31が固定され、該チェーンスプロケット31とクランク軸1に形成されたポンプ駆動用のチェーンスプロケット51に亘ってチェーン32が巻き掛けられ、該チェーン32を介してクランク軸1からオイルポンプ軸17,18へオイルポンプ駆動用動力を出力するようになっている。
【0029】
[バランサ駆動ギヤの取付構造]
図4はバランサ駆動ギヤ30を外した組立前の状態でクランク軸1の左側端部を示す断面図であり、本実施の形態では、クランク軸1の左側端部におけるバランサ駆動ギヤ30とカム駆動用チェーンスプロケット25の配列及び取付構造に、本願発明を適用しており、以下、詳しく説明する。
【0030】
図4において、カム駆動用チェーンスプロケット25は前述のようにクランク軸1と一体成形されており、上記カム駆動用チェーンスプロケット25と左側主軸受37との間がバランサ駆動ギヤ30の取付位置となっている。バランサ駆動ギヤ取付位置には外周スプライン70が形成されており、該外周スプライン70の外径(歯末の径)D1はカム駆動用チェーンスプロケット25の大径(歯末の径)D3と略同じかあるいは若干大きく設定され、外周スプライン70の小径(谷底径)d1は、カム駆動用チェーンスプロケット25の小径(谷底径)d3と略同じかあるいは若干大きく設定されている。外周スプライン70の左端部には、抜け止めクリップ取付用の環状溝66が形成されている。
【0031】
一方、バランサ駆動ギヤ30のボス部30aには、前記クランク軸1の外周スプライン70にスプライン嵌合する内周スプライン71が形成されている。該内周スプライン71の小径(歯末の径)d2は、カム駆動用チェーンスプロケット25の小径d3より若干大きく、内周スプライン71の大径(谷底径)D2は、カム駆動用チェーンスプロケット25の大径D3より若干大きく設定されている。
【0032】
図5は図4のV-V断面拡大図であり、バランサ駆動ギヤ30の内周スプライン71とクランク軸1の外周スプライン70は、当然同じ歯数に形成されているが、カム駆動用チェーンスプロケット25も内周スプライン71及び外周スプライン70と同じ歯数に形成されており、しかも、カム駆動用チェーンスプロケット25の各歯間を、バランサ駆動ギヤ30の内周スプライン71の各歯がクランク軸芯O1方向に通過し得る歯形状に形成されている。
【0033】
【作用】
[クランク軸の組付]
(1)図2において、左右のクランク軸部材をクランクピン39で結合することによりクランク軸1を組み立てる。左右のクランクケース2a、2bに主軸受37、38をそれぞれ嵌め込む。
【0034】
(2)クランク軸1の左右両側の端部を、結合前(分割状態)の左右のクランクケース部材2a、2bの軸支持孔41,42に嵌め込まれた主軸受37,38に挿入し、両クランクケース部材2a,2bを結合する。
【0035】
(3)クランク軸1の右側突出部分に一次ギヤ52をスプライン嵌合し、サークリップ53によりクランク軸芯O1方向に固定する。
【0036】
(4)図4において、クランク軸1の左端からバランサ駆動ギヤ30を嵌め、図5のように内周スプライン71の歯をカム駆動用チェーンスプロケット25の歯間に合わせ、バランサ駆動ギヤ30を図4のカム駆動チェーンスプロケット25の右方へ通過させる。そして、クランク軸1の外周スプライン70にスプライン嵌合すると共に、ボス部30aを左側主軸受37に当接させる。しかる後、環状溝66にサークリップ65を嵌着して、クランク軸芯O1方向に固定する。
【0037】
該実施の形態のように、バランサ駆動ギヤ30の内周スプライン71とカム駆動用チェーンスプロケット25の歯数を合わせ、かつ、内周スプライン71の各歯がカム駆動用チェーンスプロケット25の歯間を通過するように形成してあると、カム駆動用チェーンスプロケット25と左側主軸受37の間のクランク軸部分(バランサ駆動ギヤ取付位置)のクランク軸径を大きくすることなく、バランサ駆動ギヤ30を組み付けることができる。すなわち、内周スプライン71の小径d2を、カム駆動用チェーンスプロケット25の外径D3より大きくする必要がなく、クランク軸1の軽量化を達成できる。
【0038】
また、該実施の形態では、クランク軸1のジェネレータ側の突出部分にカム駆動用チェーンスプロケット25及びバランサ駆動ギヤ30を配置していることにより、クランク軸1のクラッチ側の突出部分において、一次ギヤ52の位置をさらに右方に張り出させることなく、右側主軸受38と一次ギヤ52の間にオイルポンプ駆動用チェーンスプロケット51を配置することができ、クランク軸芯方向寸法のコンパクト化ができると共にオイルポンプ15,16等の配置自由度が増える。
【0039】
また、オイルポンプ駆動用のチェーンスプロケット51をクラッチ側に配置してあることにより、クラッチ50とクランクケース右側壁35との間の空間を、ポンプ軸18等のチェーンスプロケット31の配置スペースとして有効利用することができ、この点においてもクランク軸芯方向寸法のコンパクト化になる。
【0040】
【発明のその他の実施の形態】
(1)図6に示す実施の形態は、カムチェーン26がクランク軸芯方向のクラッチ側(右側)に配置されたエンジンにおいて、クランク軸1の右側突出部分に配置される一次ギヤ52及びカム駆動用チェーンスプロケット25の構造に、本発明を適用した例である。
【0041】
図6において、クランク軸1の右側突出部分にカム駆動用のチェーンスプロケット25が一体成形されており、該チェーンスプロケット25と右側主軸受38の間のクランク軸部分に外周スプライン90を形成し、該外周スプライン90に一次ギヤ52の内周スプライン91をスプライン嵌合し、サークリップ92で固定してある。一次ギヤ52の内周スプライン91とカム駆動用チェーンスプロケット25との関係は、図4及び図5で説明したバランサ駆動ギヤ30の内周スプライン71とチェーンスプロケット25との関係と同様であり、同じ歯数を備え、一次ギヤ52がチェーンスプロケット25に対してクランク軸芯方向に挿通可能となっている。
【0042】
なお、ポンプ軸18にはポンプギヤ95が固定され、該ポンプギヤ95はクラッチギヤ54と一体に形成された始動ギヤ55に噛み合っている。
【0043】
(2)前記各実施の形態は、クランク軸に固定される出力用のギヤとして、バランサ駆動ギヤ又は一次ギヤを適用し、クランク軸と一体成形されるチェーンスプロケットとして、カム駆動用のチェーンスプロケットを適用してあるが、オイルポンプ用のポンプ駆動ギヤとカム駆動用のチェーンスプロケットとの関係、またはポンプ駆動用チェーンスプロケットと他の出力用のギヤとの関係において、本願を適用することも可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本願発明によると、(1)クランク軸を両持ち支持する一対の主軸受の一方(たとえば左側主軸受37)と、該主軸受からクランク室外に突出するクランク軸部分に形成された出力用のチェーンスプロケット(たとえばカム駆動用チェーンスプロケット25)との間に、出力用のギヤ(たとえばバランサ駆動ギヤ30)を固定してあるので、出力用のチェーンスプロケットと主軸受との間のスペースを、出力用のギヤの取付スペースとして有効に利用でき、エンジンのクランク軸芯方向寸法をコンパクトに保つことができる。また、上記出力用のギヤを主軸受に隣接配置できることにより、出力用のギヤの支持剛性を高くすることができる。また、主軸受の大形化も防ぐことができる。
【0045】
(2)出力用のギヤは、クランク軸のギヤ取付位置に形成された外周スプラインにスプライン嵌合する内周スプラインを有し、該内周スプラインは、上記チェーンスプロケットと同じ歯数に形成されると共に、内周スプラインの各歯がチェーンスプロケットの各歯間を軸芯方向に通過しうる形状に形成されていると、主軸受と出力用のチェーンスプロケットとの間のクランク軸部分の径をチェーンスプロケットの外径よりも大きくする必要がなく、出力用のギヤを軸芯方向に取付位置まで挿入し、固定することができる。すなわち、クランク軸芯方向のエンジンのコンパクト化を図りながらも、出力用のギヤの組付性向上とクランク軸の軽量化を達成することができる。
【0046】
(3)上記出力用のチェーンスプロケットとして、カム駆動用のチェーンスプロケットを配置し、出力用のギヤとしてバランサ駆動ギヤを配置してあると、ボアの大径化に対応してカム駆動用チェーンスプロケットの形成位置が主軸受から遠くなる場合でも、ギヤ組付性とクランク軸の軽量化を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明を適用した4サイクルエンジンの主な軸配置を示す左側面簡略図である。
【図2】 図1のII-II断面展開図である。
【図3】 図1のIII-III断面展開図である。
【図4】 バランサ駆動ギヤを外して示すクランク軸の左側部分の拡大断面図である。
【図5】 図4のV-V断面図である。
【図6】 本願発明の別の実施の形態を示しており、前記図2と同じ切断面での断面展開図である。
【図7】 従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 クランク軸
2 クランクケース
2a 左側クランクケース部材
2b 右側クランクケース部材
4 クランク室
5 ミッション室
19 バランサ軸
21,22 カム軸
25 カム駆動用チェーンスプロケット(出力用のチェーンスプロケットの一例)
26 カムチェーン
30 バランサ駆動ギヤ(出力用のギヤの一例)
34 クランクケース左側壁
35 クランクケース右側壁
37 左側主軸受
38 右側主軸受
44 クラッチ室
45 ジェネレータ室
52 一次ギヤ(出力用のギヤの別の例)
70 外周スプライン
71 内周スプライン
90 外周スプライン
91 内周スプライン

Claims (2)

  1. クランク軸を両持ち支持する一対の主軸受の一方と、該主軸受からクランク室外に突出するクランク軸部分に形成された出力用のチェーンスプロケットとの間に、出力用のギヤを固定しており、
    前記出力用のギヤは、前記クランク軸のギヤ取付位置に形成された外周スプラインにスプライン嵌合する内周スプラインを有し、該内周スプラインは、前記チェーンスプロケットと同じ歯数に形成されると共に、前記内周スプラインの各歯が前記チェーンスプロケットの各歯間を軸芯方向に通過しうる形状に形成されていることを特徴とするエンジンのクランク軸のギヤ取付構造。
  2. 上記出力用のチェーンスプロケットは吸排気弁のカム駆動用チェーンスプロケットであり、出力用のギヤはバランサ駆動ギヤであることを特徴とする請求項記載のエンジンのクランク軸のギヤ取付構造。
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