JP2006256598A - 電子制御液圧ブレーキシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】電子制御液圧ブレーキシステムにおいて、ペダル開放時のフロント減圧通路とリヤ減圧通路との合流点からリヤ減圧通路への脈動の伝達を抑制する。
【解決手段】減圧リニアバルブ76とリザーバ52とを接続するフロント減圧通路74と減圧リニアバルブ80とリザーバ52とを接続するリヤ減圧通路76とを互いに独立とする。例えば、リヤ減圧通路78を吸引通路60の途中に接続し、フロント減圧通路74をリザーバ52に直接接続するのである。また、フロント減圧通路とリヤ減圧通路とが合流した後にリザーバに接続する形式のブレーキシステムにおいて、リヤ減圧通路の合流点より減圧リニアバルブ側の部分に逆止弁を設けたり、ダンパ装置を設けてもよい。フロントの液圧が低下するまでリヤの減圧リニアバルブ80の作動を禁止し、あるいはフロントの減圧勾配を抑制するように減圧リニアバルブ76を制御しても脈動の伝達を抑制し得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用の液圧ブレーキシステムに関するものであり、特に、車輪の回転を抑制するブレーキのホイールシリンダの液圧が電子制御装置により制御される電子制御液圧ブレーキシステムに関するものである。
電子制御液圧ブレーキシステムの中には、例えば下記特許文献1に記載されているように、ブレーキ操作部材の操作状態が操作状態検出装置により検出され、その検出結果に基づいて、増圧時には、フロント増圧弁およびリヤ増圧弁により動力液圧源のブレーキ液がフロントホイールシリンダおよびリヤホイールシリンダにそれぞれ供給され、減圧時には、フロント減圧弁およびリヤ減圧弁によりフロントホイールシリンダおよびリヤホイールシリンダのブレーキ液がリザーバへそれぞれ流出させられる形式のものがある。
特表2002−541010公報 特開平6−156243号公報
この種の電子制御液圧ブレーキシステムにおいて、ブレーキ操作部材の解放時、特に、急速な解放時に低周波数の異音が発生することがある。この原因を追及した結果、フロント減圧弁とリザーバとを接続するフロント減圧通路の脈動が、リヤ減圧弁とリザーバとを接続するリヤ減圧通路に伝達されるためであることが判明した。この理由は次のように推測される。従来の電子制御液圧ブレーキシステムにおいては、フロント減圧通路とリヤ減圧通路とが合流した後にリザーバに接続されていた。換言すれば、フロント減圧通路とリヤ減圧通路とが共通部分を持っていたのである。そして、フロントブレーキの方がリヤブレーキよりホイールシリンダが大きいので、ブレーキ操作部材の解放により同時に減圧された場合に、フロントホイールシリンダから排出されるブレーキ液の流量がリヤホイールシリンダのそれより多く、リヤホイールシリンダからの排出がフロントホイールシリンダから排出されるブレーキ液により妨げられる。その状態で、フロント減圧通路に存在する絞り部により液圧の脈動が生じさせられると、その脈動が共通部分からリヤ減圧通路に伝達され、異音が発生すると推測される。あるいは、次の場合に脈動がリヤ減圧通路に伝達されるとも推測される。フロント側とリヤ側とにおいて同時に減圧が行われる場合に、リヤ減圧通路のブレーキ液の流れが、フロント,リヤの両減圧通路の接続点において、フロント減圧通路のブレーキ液の流れと合流するが、その際脈動が発生し、その脈動が流量の小さいリヤ側にフロント側より強く伝達されるか、またはフロント減圧通路に発生した脈動が流量の小さいリヤ減圧通路にフロント減圧通路におけるより強く伝達され、リヤ減圧通路において、乗員に不快感を与える異音を発生させる。あるいはまた、脈動はリヤ減圧通路のみならずフロント減圧通路にも伝達されるが、前者において発生する異音の方が後者における異音より大きいか、少なくとも乗員により多くの不快感を与え易いのかも知れない。
いずれにしても、フロント減圧通路とリヤ減圧通路との合流部からブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路内のブレーキ液に伝達されることが、前記異音の発生原因であると推測される。
上記推測に基づいて種々の実験を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、ブレーキ操作部材,操作状態検出装置,フロントおよびリヤのホイールシリンダ,動力液圧源,フロントおよびリヤの増圧弁,フロントおよびリヤの減圧弁を備えた電子制御液圧ブレーキシステムにおいて、フロント減圧通路とリヤ減圧通路との合流部からブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路内のブレーキ液に伝達されることを抑制する伝達抑制手段を設けることを要旨とするものである。
上記伝達抑制手段を設ければ、前述のブレーキ操作部材の解放時における異音の発生を防止し、あるいは低減させることができる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「
本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(5)項が請求項4に、(6)項が請求項5に、(12)項が請求項6に、(13)項が請求項7に、(14)項が請求項8に、(16)項が請求項9にそれぞれ相当する。
(1)ブレーキ操作部材の操作状態が操作状態検出装置により検出され、その検出結果に基づいて、増圧時には、フロント増圧弁およびリヤ増圧弁により動力液圧源のブレーキ液がフロントホイールシリンダおよびリヤホイールシリンダにそれぞれ供給され、減圧時には、フロント減圧弁およびリヤ減圧弁により前記フロントホイールシリンダおよび前記リヤホイールシリンダのブレーキ液がそれぞれフロント減圧通路およびリヤ減圧通路を経てリザーバへそれぞれ流出させられる形式の電子制御液圧ブレーキシステムにおいて、
前記フロント減圧通路と前記リヤ減圧通路との合流部からブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路内のブレーキ液に伝達されることを抑制する伝達抑制手段を設けたことを特徴とする電子制御液圧ブレーキシステム。
(2)前記フロント減圧弁と前記リザーバとを接続する前記フロント減圧通路と、前記リヤ減圧弁と前記リザーバとを接続する前記リヤ減圧通路とが互いに独立に前記リザーバに接続されており、その互いに独立した接続形態が前記伝達抑制手段を構成している(1)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
このように、フロント減圧通路とリヤ減圧通路とを互いに独立にリザーバに接続し、両者が共通部分を備えないようにすれば、もしフロント減圧通路に脈動が発生しても、その脈動はリザーバによって吸収され、リヤ減圧通路には伝達されることはなくなる。また、フロント減圧通路とリヤ減圧通路とのブレーキ液の合流によって脈動が発生する場合には、脈動の発生自体が回避され、結局脈動のリヤ減圧通路への伝達が防止される。
(3)前記フロント減圧通路と前記リヤ減圧通路との一方が、前記動力液圧源の吸引側と前記リザーバとを接続する吸引通路に接続されてその吸引通路を介して前記リザーバに接続され、他方が前記リザーバに直接接続されている(2)項に記載の電子制御液圧ブレーキ
システム。
このように、動力液圧源がブレーキ液を吸引するための吸引通路をフロント減圧通路とリヤ減圧通路の一方に利用すれば、液通路の構成を簡易化し得る。
(4)前記フロント減圧弁と前記リザーバとを接続する前記フロント減圧通路と、前記リヤ減圧弁と前記リザーバとを接続する前記リヤ減圧通路とが合流した後に前記リザーバに接続されているが、それらフロント減圧通路とリヤ減圧通路との合流点より前記フロント減圧弁および前記リヤ減圧弁側の部分の少なくとも一方に、前記脈動が前記リヤ減圧通路に伝達されることを抑制する伝達抑制装置が設けられた(1)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
本態様は、フロント減圧通路とリヤ減圧通路とが共通部分を有する構成は従来と同様としつつ、フロント減圧通路とリヤ減圧通路との合流点よりフロント減圧弁およびリヤ減圧弁側の部分の少なくとも一方に伝達抑制装置を設けることによって、ブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路に伝達されることを抑制するものである。液通路の構成を上記(3)項におけるより簡易にすることができる。
(5)前記伝達抑制装置が、前記リヤ減圧通路に設けられ、前記リヤ減圧弁から前記リザーバに向かうブレーキ液の流れは許容するが逆向きの流れは阻止する逆止弁を含む(4)項
に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
リヤ減圧通路に逆止弁を設ければ、ブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路に伝達されることを抑制することができる。逆止弁は、リヤ減圧通路のフロント減圧通路との合流点に近い位置に設けることが望ましい。リヤ減圧通路の大部分に脈動が伝達されないようにきるからである。なお、逆止弁は、弁子を弁座に向かって付勢するばねを有するものとすることも、ばねを有さず、弁子が自身の重量で弁座に着座するものとすることも可能である。逆止弁の逆流防止機能(脈動伝達抑制機能)を良好に果たすものとする観点からは前者が望ましく、リヤ減圧通路のブレーキ液の流れを妨げることの少ないものとする観点からは後者が望ましい。
(6)前記伝達抑制装置が、前記フロント減圧通路と前記リヤ減圧通路との前記合流点より前記フロント減圧弁および前記リヤ減圧弁側の部分の少なくとも一方に設けられ、その少なくとも一方の脈動を吸収するダンパ装置を含む(4)項または(5)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
ダンパ装置をフロント減圧通路に設ければ、フロント減圧通路に脈動が発生すること自体を回避し、あるいは一旦発生した脈動をいち早く消滅させ、あるいは低減させることができ、リヤ減圧通路への伝達を抑制し得る。また、ダンパ装置をリヤ減圧通路に設ければ、リヤ減圧通路に伝達された脈動を消滅あるいは低減させることができる。したがって、ダンパ装置はリヤ減圧通路のフロント減圧通路との合流点にできる限り近い位置に設けることが望ましい。
(7)少なくとも、前記フロント減圧弁および前記リヤ減圧弁が一体的なブロックに取り付けられ、かつ、前記フロント減圧通路および前記リヤ減圧通路の前記フロント減圧弁および前記リヤ減圧弁側の端部が前記ブロック内に形成された(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
本項以下の各態様によれば、液圧ブレーキシステムを構成する各要素の接続をそれぞれ管路によって行う場合に比較して、構成要素の接続通路を安価に構成することができ、ひいては液圧ブレーキシステムのコスト低減を図り得る。
(8)前記動力液圧源,前記フロント増圧弁および前記リヤ増圧弁が前記ブロックに取り付けられ、それらを接続する液通路がそのブロック内に形成された (7)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
(9)前記フロント減圧弁と前記リザーバとを接続する前記フロント減圧通路と、前記リヤ減圧弁と前記リザーバとを接続する前記リヤ減圧通路とが互いに独立にリザーバに接続されるとともに、前記ブロックと前記リザーバとが排出管と吸引管とにより接続されており、前記フロント減圧通路と前記リヤ減圧通路との一方が、前記ブロック内に形成されて前記吸引管と共同して前記吸引通路を形成する部分に接続され、他方が前記排出管を主体とする (7)項または(8)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
(10)少なくとも、前記フロント減圧弁および前記リヤ減圧弁が一体的なブロックに取り付けられ、かつ、前記フロント減圧通路および前記リヤ減圧通路の前記フロント減圧弁および前記リヤ減圧弁側の端部が前記ブロック内に形成され、そのブロック内に形成された部分に前記逆止弁が設けられた(5)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
ブロック内に逆止弁を設ければ、リヤ減圧通路と逆止弁との接続が容易になる。また、ブロックの一部を逆止弁の本体とする場合には、逆止弁自体も安価に構成し得る。
(11)少なくとも、前記フロント減圧弁および前記リヤ減圧弁が一体的なブロックに取り付けられ、かつ、前記フロント減圧通路および前記リヤ減圧通路の前記フロント減圧弁および前記リヤ減圧弁側の端部が前記ブロック内に形成され、そのブロック内に形成されたフロント減圧通路およびリヤ減圧通路の端部の少なくとも一方に前記ダンパ装置が接続されている(6)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
ブロック内にダンパ装置を設ければ、リヤ減圧通路とダンパ装置との接続が容易になる。また、ブロックの一部をダンパ装置の本体とする場合には、ダンパ装置自体も安価に構成し得る。
(12)前記伝達抑制手段が、前記フロントホイールシリンダの液圧と前記リヤホイールシリンダの液圧とが共に減圧される際に、前記フロント減圧弁と前記リヤ減圧弁との少な
くとも一方の減圧作動を抑制する減圧作動抑制部を含む(1)項ないし(11)項のいずれかに
記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
フロントホイールシリンダの液圧とリヤホイールシリンダの液圧とが共に減圧される際に、それら両液圧の少なくとも一方の減圧を抑制すれば、フロントホイールシリンダから流出するブレーキ液の脈動が、リヤホイールシリンダから流出するブレーキ液に伝達されることを抑制することができる。あるいは、リヤ減圧通路のブレーキ液の流れが、フロント,リヤの両減圧通路の接続点において、フロント減圧通路のブレーキ液の流れと合流する際に脈動が発生する場合には、脈動の発生自体を抑制することができる。
(13)前記減圧作動抑制部が、前記当該電子制御液圧ブレーキシステムが搭載された車両の停止中に作動する(12)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
(12)項の減圧作動の抑制は、車両の走行中においても実施されるようにすることも可能である。しかし、車両の走行フィーリング(減速度の変化)に多少の影響が出ることを避け得ないため、減速度が0であって減圧作動の抑制の影響がなく、しかも暗騒音が少ないために異音が大きく聞こえる停車中にのみ行われるようにすることが望ましい。
(14)前記減圧作動抑制部が、前記フロントホイールシリンダの液圧が前記リヤブレーキシリンダの液圧に応じて決まるしきい液圧以下に低下するまで前記リヤ減圧弁の減圧作動を禁止するリヤ減圧作動禁止部を含む(12)項または(13)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
リヤ減圧弁の減圧作動が禁止されている間は、フロントホイールシリンダから流出するブレーキ液の脈動がリヤホイールシリンダから流出するブレーキ液に伝達されることは少ない。また、リヤ減圧通路のブレーキ液の流れとフロント減圧通路のブレーキ液の流れとの合流によって脈動が発生する場合には、脈動の発生自体を抑制することができる。脈動の伝達により発生する異音は、フロントホイールシリンダの液圧がリヤホイールシリンダの液圧に対して相対的に大きい場合に大きくなるため、フロントホイールシリンダの液圧がリヤブレーキシリンダの液圧に応じて決まるしきい液圧以下に低下するまで、リヤ減圧弁の減圧作動を禁止すれば、効果的に異音の発生を抑制することができる。
しきい液圧は、リヤブレーキシリンダの液圧が大きいほど大きく設定されることが望ましく、後述の(20)項が代表的なものであるが、不可欠ではなく、例えば、リヤブレーキシリンダの液圧の115〜85%の範囲の値から選定することや、フロントホイールシリンダおよびリヤホイールシリンダの液圧の差の20〜5%の範囲から設定される量大きいあるいは小さい値に設定することも可能である。
(15)前記リヤ減圧作動禁止部が、前記ブレーキ操作部材の操作状態に基づいて決まる前記フロントホイールシリンダの目標減圧勾配が設定勾配以上である場合に作動し、設定勾配より小さい場合には作動しない(14)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
フロントホイールシリンダの目標減圧勾配が小さい場合には、フロントホイールシリンダから流出するブレーキ液のリヤホイールシリンダから流出するブレーキ液に対する影響は小さいため、リヤ減圧作動禁止部を作動させない方がよい場合が多い。
(16)前記減圧作動抑制部が、前記フロント減圧弁による減圧勾配を抑制するフロント減圧勾配抑制部を含む(12)項または(13)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
脈動の伝達により発生する異音は、フロントホイールシリンダの液圧の減圧勾配が大きい場合に大きくなるため、フロント減圧勾配抑制部を設ければ、異音の発生を効果的に抑制することができる。
(17)前記フロント減圧勾配抑制部が、前記フロントホイールシリンダの液圧が前記リヤブレーキシリンダの液圧に応じて決まるしきい液圧以下に低下するまで前記フロント減圧弁による減圧勾配を抑制する(16)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
脈動の伝達により発生する異音は、フロントホイールシリンダの液圧が高い場合に大きくなるため、フロントホイールシリンダの液圧がリヤブレーキシリンダの液圧に応じて決まるしきい液圧以下に低下するまで、フロントホイールシリンダの液圧の減圧勾配を抑制すれば、効果的に異音の発生を抑制することができる。
(18)前記フロント減圧勾配抑制部が、前記フロントホイールシリンダの液圧の目標減圧勾配が設定減圧勾配以上である場合に作動する(16)項または(17)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
前述のように、脈動の伝達により発生する異音は、フロントホイールシリンダの液圧の減圧勾配が大きい場合に大きくなるため、フロント減圧勾配抑制部を、フロントホイールシリンダの液圧の目標減圧勾配が設定減圧勾配以上である場合に作動するものとすれば、無用な減圧勾配の抑制を回避することができる。
(19)フロント減圧勾配抑制部が、前記フロントホイールシリンダの減圧勾配の上限を規制する上限規制部を含む(16)項ないし(18)項のいずれかに記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
(20)フロント減圧勾配抑制部が、前記フロント減圧弁を制御する電子制御装置の制御ゲインを低下させるゲイン低下部を含む(16)項ないし(18)項のいずれかに記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
(21)前記しきい液圧が前記リヤホイールシリンダの液圧自体である(14)項または(17)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に、請求可能発明の一実施例としての電子制御液圧ブレーキシステムを示す。図1に示すブレーキシステムは、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル10,マスタシリンダ12,動力液圧源14,左右前後に位置する車輪に対応してそれぞれに設けられたブレーキ16〜19等を含む。ブレーキ16,17が左右前輪のブレーキであり、ブレーキ18,19が左右後輪のブレーキである。ブレーキ16〜19は、ホイールシリンダ(ブレーキシリンダ)20〜23の液圧により作動させられる液圧ブレーキである。
マスタシリンダ12は、2つの加圧ピストンを含むものであり、2つの加圧ピストンそれぞれの前方の加圧室には運転者によるブレーキペダル10の操作によって、その操作力に応じた液圧が発生させられる。マスタシリンダ12の2つの加圧室には、それぞれ、マスタ通路26,27を介して左右前輪のホイールシリンダ20,21が接続される。マスタ通路26,27の途中には、それぞれ、マスタ遮断弁29,30が設けられる。マスタ遮断弁29,30は常開の電磁開閉弁である。
また、動力液圧源14には、4つのホイールシリンダ20〜23が増圧通路36を介して接続される。ホイールシリンダ20〜23には、マスタシリンダ12から遮断された状態で動力液圧源14から液圧が供給されて、液圧ブレーキ16〜19が作動させられる。ホイールシリンダ20〜23の液圧は、マスタ遮断弁29,30等の複数の電磁制御弁を含む液圧制御弁装置38により制御される。
本実施例においては、図2に示すように、動力液圧源14,液圧制御弁装置38等がユニット化されて1つの一体的なブロック39に設けられる。図1の一点鎖線で囲まれた部分が1つのユニット40とされるのであり、ブロック39の内部に液通路が形成され、液通路を介して電磁液圧制御弁、ポンプ等が互いに接続された状態で保持される。ユニット40に含まれる動力液圧源14,液圧制御弁装置38等によりホイールシリンダ20〜23の液圧が制御され、液圧ブレーキ16〜19が作動させられるため、以下、ユニット40を液圧制御アクチュエータ40と称する。
液圧制御アクチュエータ40のポート42,43(図2においてはポート42のみ図示)には、それぞれ、マスタシリンダ12の2つの加圧室が接続され、ポート44〜47にはホイールシリンダ20〜23が接続される。前述の液通路26,27のポート42,43とマスタシリンダ12との間の部分が、マスタ接続通路48FL,48FRであり、前述の増圧通路36のうちのポート44〜47とホイールシリンダ20〜23との間の部分が、ホイールシリンダ接続通路49FL,49FR,49RL,49RRである。リザーバ接続口50にはリザーバホース51を介してリザーバ52が接続される。リザーバ52は、低圧容器であり、作動液を大気圧で
収容する。
動力液圧源14は、ポンプ56およびそのポンプ56を駆動するポンプモータ58を備えたポンプ装置を含む。ポンプ56は吸引通路60を介してリザーバ接続口50に接続されるとともに、アキュムレータ62が接続される。ポンプ56によってリザーバ52の作動液が汲み上げられてアキュムレータ62に供給され、加圧された状態で蓄えられる。なお、リザーバホース51内の通路も、吸引通路60の一部を構成している。
また、アキュムレータ62とポンプ56の吸入側とはリリーフ通路66によって接続されるが、リリーフ通路66にはリリーフ弁68が設けられる。リリーフ弁68は、高圧側であるアキュムレータ62の液圧あるいはポンプ56から吐出される作動液の液圧が設定圧を越えると閉状態から開状態に切り換わる。
液圧制御弁装置38は、増圧通路36に設けられた前輪側、後輪側の増圧リニアバルブ72,73と、フロント減圧通路74に設けられた前輪側の減圧リニアバルブ76と、リヤ減圧通路78に設けられた後輪側の減圧リニアバルブ80とを含む。フロント減圧通路74は、減圧リニアバルブ76とリザーバ52とを接続するものである。また、リヤ減圧通路78は、減圧リニアバルブ80とリザーバ52とを接続するものであり、本実施例では、動力液圧源14の吸引側とリザーバ52とを接続する前記吸引通路60の途中に接続されている。つまり、リヤ減圧通路78は吸引通路60を介してリザーバ52に接続される一方、フロント減圧通路74は直接リザーバ52に接続されており、それぞれ互いに独立にリザーバ52に接続されているのである。ブロック39には、図2においては図示を省略するが、リザーバ接続口50と同様なリザーバ接続口90が設けられており、リザーバ接続口50が吸引管を構成するリザーバホース51により、また、リザーバ接続口90がフロント減圧通路74の主体を成す排出ホース92により、それぞれリザーバ52に接続されている。
前輪のホイールシリンダ20,21の液圧は、増圧リニアバルブ72、減圧リニアバルブ76によって制御され、後輪のホイールシリンダ22,23の液圧は、増圧リニアバルブ73,減圧リニアバルブ80によって制御される。これら増圧リニアバルブ72,73および減圧リニアバルブ76,80の制御によりホイールシリンダ20〜23の液圧がそれぞれ別個独立に制御される。前輪側、後輪側の増圧リニアバルブ72,73と前輪側の減圧リニアバルブ76は常閉弁であり、後輪側の減圧リニアバルブ80は常開弁である。
一方、マスタ通路26には、ストロークシミュレータ装置180が設けられる。ストロークシミュレータ装置180は、ストロークシミュレータ182と常閉のシミュレータ用開閉弁184とを含み、シミュレータ用開閉弁184の開閉により、ストロークシミュレータ182がマスタシリンダ12に連通させられる連通状態と遮断される遮断状態とに切り換えられる。本実施例においては、液圧ブレーキ16〜19が動力液圧源14からの作動液により作動させられる状態にある場合には開状態とされ、マスタシリンダ12からの作動液により作動させられる状態にある場合には閉状態にされる。
ブレーキ装置は液圧制御装置としてのブレーキECU200の指令に基づいて制御される。ブレーキECU200は、コンピュータを主体とするもので、実行部202,記憶部204,入出力部206等を含む。入出力部206には、ブレーキスイッチ210,ストロークセンサ211,マスタ圧センサ214,ブレーキ液圧センサ216,各車輪の回転速度をそれぞれ検出する車輪速センサ218、液圧源液圧センサ220等が接続されるとともに、増圧リニアバルブ72,73,減圧リニアバルブ76,80,マスタ遮断弁29,30,シミュレータ用開閉弁184等の電磁制御弁、ポンプモータ58等が図示しない駆動回路を介して接続されている。
通常制動時には、マスタ遮断弁29,30が閉状態とされることによりホイールシリンダ20〜23がマスタシリンダ12から遮断されて、動力液圧源14の液圧により液圧ブレーキ16〜19が作動させられる。それとともに、ストロークシミュレータ182がマスタシリンダ12に連通させられて運転者に操作感を付与するようにされる。ストロークセンサ211によって検出された操作ストローク、マスタ圧センサ214によって検出されたマスタシリンダ液圧等に基づいて運転者の要求制動力が求められ、要求制動力が得られるようにホイールシリンダ液圧の目標液圧が決定される。実際のホイールシリンダ液圧が目標液圧と同じになるように、各増圧リニアバルブ72,73,減圧リニアバルブ76,80のソレノイドへの供給電流が制御される。増圧時には、増圧リニアバルブ72,73により動力液圧源14のブレーキ液がホイールシリンダ20〜23にそれぞれ供給され、減圧時には、減圧リニアバルブ76,80によりホイールシリンダ20〜23のブレーキ液がリザーバ52へそれぞれ流出させられる。動力液圧源14においては、液圧源液圧センサ220によって検出された液圧が設定範囲内にあるように、ポンプモータ58が制御され、ポンプ56が作動させられる。
本実施例においては、ストロークセンサ211およびマスタ圧センサ214が操作状態検出装置を構成している。また、増圧リニアバルブ72がフロント増圧弁を、増圧リニアバルブ73がリヤ増圧弁をそれぞれ構成し、減圧リニアバルブ76がフロント減圧弁を、減圧リニアバルブ80がリヤ減圧弁をそれぞれ構成している。さらに、フロント減圧通路74とリヤ減圧通路78とを互いに独立にリザーバ52に接続する形態が伝達抑制手段を構成している。
本実施例においては、フロント減圧通路74とリヤ減圧通路78とが互いに独立にリザーバ52に接続されることにより、従来、図3に示すように、ブレーキペダル10の開放によりフロント減圧通路の液圧Pfrとリヤ減圧通路の液圧Prrとが低下させられる際、ブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路に伝達されて生じていた、リヤ減圧通路の液圧Prrの脈動が防止される。
なお、本実施例とは逆に、リヤ減圧通路をリザーバ52に直接接続し、フロント減圧通路を吸引通路60の途中に接続する構成とすることも可能である。
図4に、別の実施例としての電子制御液圧ブレーキシステムを示す。ただし、図1および図2に示す実施例と同じ構成の部分については、同じ符号を付して説明を省略する。図4に示すブレーキシステムの液圧制御弁装置250は、増圧通路36に設けられた前輪側、後輪側の増圧リニアバルブ72,73と、フロント減圧通路252に設けられた前輪側の減圧リニアバルブ76と、リヤ減圧通路254に設けられた後輪側の減圧リニアバルブ80とを含む。フロント減圧通路252とリヤ減圧通路254とはそれぞれ、減圧リニアバルブ76,80とリザーバ52とを接続するものである。本実施例では、フロント減圧通路252とリヤ減圧通路254とが合流した後に、その共通部分が動力液圧源14の吸引側とリザーバ52とを接続する前記吸引通路60の途中に接続されている。
また、リヤ減圧通路254において、上記合流点より減圧リニアバルブ80側の部分に、逆止弁260が設けられている。つまり、逆止弁260は、ブロック39内に設けられていることになる。逆止弁260によって、減圧リニアバルブ80からリザーバ52に向かうブレーキ液の流れは許容されるが、逆向きの流れは阻止されることにより、ブレーキ液の脈動がフロント減圧通路252とリヤ減圧通路254との合流点からリヤ減圧通路254側に伝達されることが防止される。逆止弁260は、リヤ減圧通路254の上記合流点にできる限り近い位置に設けられており、リヤ減圧通路254の大部分への脈動の伝達が防止されている。したがって、減圧リニアバルブ80からのブレーキ液の排出の妨げとなることができる限り回避されている。逆止弁260が伝達抑制装置を構成している。
伝達抑制装置を、図5に示すように、ダンパ装置280により構成することもできる。図示の例では、ダンパ装置280は、リヤ減圧通路254の、フロント減圧通路252ととの合流点より減圧リニアバルブ80側の部分であって、フロント減圧通路252にできる限り近い位置に設けられている。図示のダンパ装置280は、前記ブロック39内に形成されたシリンダボア282にピストン284が液密かつ摺動可能に嵌合され、弾性部材286により液室288の容積が減少する向きに付勢されたものとされているのである。ただし、ゴム製の袋から成り、その袋が弾性的に膨張することにって内部の液室の容積が増加する形式のダンパ装置や、リヤ減圧通路254に連通した液室内に、ゴム製の袋内に圧縮気体が封入されたものが配設され、ゴム製の袋の弾性的な収縮に伴って液室の容積が増大する形式のダンパ装置等の採用も可能である。
いずれにしても、ダンパ装置280によってフロント減圧通路252とリヤ減圧通路254との合流点からリヤ減圧通路254に伝達された脈動を減衰させることができる。
フロント減圧通路252にダンパ装置280を設けることも可能である。
動力液圧源14,液圧制御弁装置38等が1つの一体的なブロックに設けられてユニット化されることは不可欠ではなく、例えば、動力液圧源14と、液圧制御弁装置38とがそれぞれ別個のブロックに設けられた形式や、少なくとも一方がブロックには設けられていない形式のブレーキシステム等に本発明を適用することも可能である。
以上は、異音の発生をハード的に抑制する実施例であるが、ソフト的に、すなわち減圧リニアバルブ76,80の減圧作動の制御の改良により異音の発生を抑制することもできる。その一例を図6に示す。図6は、ストロークセンサ211によって検出された操作ストロークとマスタ圧センサ214によって検出されたマスタシリンダ液圧との少なくとも一方に基づいて運転者の要求制動力を求め、要求制動力が得られるようにホイールシリンダ20〜23の液圧を制御する液圧制御プログラムから、フロント減圧通路74とリヤ減圧通路78との合流点からブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路78へ伝達されることを抑制するための部分のみを取り出して示したものである。液圧制御プログラムは前記ブレーキECU200の記憶部204に記憶されており、実行部202において実行される。
まず、S11において、車輪速センサ218により検出された前後左右の車輪の回転速度に基づいて求められる車速Vが0であるか否かにより車両が停止中であるか否か、およびマスタ圧センサ214により検出されたマスタシリンダ液圧Pmが減少中であるか否かが判定され、いずれかの判定結果がNOであれば、S12〜14の実行がスキップされて、図示しないメインルーチンへ戻る。上記両方の判定結果がYESであれば、S12が実行され、フロントのホイールシリンダ20,21の液圧Pfwc(具体的にはホイールシリンダ20,21に対応する2つのブレーキ液圧センサ216の検出値の平均値)がリヤのホイールシリンダ22,23の液圧Prwc(具体的にはホイールシリンダ22,23に対応する2つのブレーキ液圧センサ216の検出値の平均値)より大きいか否か、および、フロントのホイールシリンダ20,21の液圧Pfwcの減圧勾配|ΔPfwc/ΔT|が設定減圧勾配αより大きいか否かが判定される。両判定の結果がYESであれば、S13においてリヤの減圧リニアバルブ80が閉状態あるいは閉に近い状態にされる。「閉に近い状態」とは、リヤの減圧リニアバルブ80の開度が30%以下あるいは20%以下にされること(例えば、丁度閉じる電流である閉弁電流の80%の電流が供給されて開度が20%にされること)である。フロントのホイールシリンダ20,21の減圧勾配が設定減圧勾配αより大きく、かつ、フロントのホイールシリンダ20,21の液圧がリヤのホイールシリンダ22,23の液圧より大きい間は、リヤのホイールシリンダ22,23の減圧が禁止あるいは少なくとも強く抑制されるのである。
それに対して、上記判定のいずれかの結果がNOであれば、S14において、リヤの減圧リニアバルブ80が開状態にされる。フロントのホイールシリンダ20,21の液圧Pfwcがリヤのホイールシリンダ22,23の液圧Prwcより小さくなれば、フロント減圧通路74とリヤ減圧通路78との合流点からブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路78に伝達される可能性が低く、また、フロントのホイールシリンダ20,21の減圧勾配|ΔPfwc/ΔT|が設定減圧勾配αより小さくても、脈動伝達の可能性が低いため、リヤのホイールシリンダ22,23の減圧が許容されるのである。
本実施例においては、フロント減圧通路74とリヤ減圧通路78との合流点からブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路78へ伝達されることが良好に回避され、異音の発生が防止される。
本実施例においては、ブレーキECU200のS11〜S13を実行する部分が、フロントホイールシリンダ20,21の液圧がリヤホイールシリンダ22,23の液圧に応じて決まるしきい液圧(本実施例においてはリヤホイールシリンダの液圧自体)以下に低下するまでリヤのリニア減圧バルブ80の減圧作動を禁止するリヤ減圧作動禁止部を構成している。そして、このリヤ減圧作動禁止部は、S11を含むことにより、車両の停止中に作動するものとされており、かつ、S12におけるフロント減圧勾配に関する条件の設定により、フロントホイールシリンダ20,21の液圧の目標減圧勾配が設定減圧勾配以上である場合に作動するものとされている。
なお、図6のフローチャートにおいて、S12の判定結果が一旦YESとなったならば、一定時間の間、例えば、予め設定された回数のサイクル、脈動抑制ルーチンが実行される間、S12の実行が継続され、その一定時間経過後にS13の実行が終了させられて、リヤの減圧リニアバルブ80が「開」とされるように変更することも可能である。
ソフト的に異音の発生を抑制する別の実施例を図7に示す。本脈動抑制ルーチンも、記憶部204に記憶されており、実行部202において実行される液圧制御プログラムから、フロント減圧通路74とリヤ減圧通路78との合流点からブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路78へ伝達されることを抑制するための部分のみを取り出して示したものである。
まず、S21およびS22において、前記S11およびS12におけると同様の判定が行われる。そして、S21,S22の判定結果が共にYESであれば、S23において、フロントのホイールシリンダ20,21の目標減圧勾配にガードがかけられる。ストロークセンサ211によって検出された操作ストロークとマスタ圧センサ214によって検出されたマスタシリンダ液圧との少なくとも一方に基づいて求められた運転者の要求制動力の変化に対応するホイールシリンダ20,21の暫定目標減圧勾配がガード勾配βより大きい場合には、最終目標減圧勾配がガード勾配βに決定され、暫定目標減圧勾配がガード勾配βより小さい場合には、暫定目標減圧勾配がそのまま最終目標減圧勾配とされるのである。また、S22の判定結果がNOの場合には、S24において、減圧勾配に対するガードが解除される。暫定目標減圧勾配がガード勾配βより小さい場合や、フロントのホイールシリンダ20,21の液圧Pfwcがリヤのホイールシリンダ22,23の液圧Prwcより小さい場合には、フロント減圧通路74とリヤ減圧通路78との合流点からブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路78へ抑制伝達される可能性が低いため、通常の減圧制御が行われるようにされるのである。
本実施例においても、フロント減圧通路74とリヤ減圧通路78との合流点からブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路78へ伝達されることが良好に回避され、異音の発生が抑制される。
本実施例においては、ブレーキECU200のS21〜S23を実行する部分が、フロントホイールシリンダの減圧勾配の上限を規制する上限規制部を構成しており、S22を含むことにより、フロントホイールシリンダの液圧がリヤブレーキシリンダの液圧に応じて決まるしきい液圧(本実施例においてはリヤホイールシリンダの液圧自体)以下に低下するまでフロント減圧弁による減圧勾配を抑制するものとされている。また、本上限規制部は、S21を含むことにより、車両の停止中に作動するものとされており、かつ、S22におけるフロント減圧勾配に関する条件の設定により、フロントホイールシリンダの液圧の目標減圧勾配が設定減圧勾配以上である場合に作動するものとされている。そして、本上限規制部は、フロント減圧弁による減圧勾配を抑制するフロント減圧勾配抑制部の一例である。
さらに、上記リヤ減圧作動禁止部およびフロント減圧勾配抑制部は、それぞれ減圧作動抑制部の一例である。
請求可能発明の一実施例である電子制御液圧ブレーキシステムの回路図である。 上記電子制御液圧ブレーキシステムの構成要素である液圧制御アクチュエータの外観を示す斜視図である。 従来発生していたリヤ減圧通路の脈動を概念的に示すグラフである。 別の実施例である電子制御液圧ブレーキシステムの回路図である。 さらに別の実施例である電子制御液圧ブレーキシステムの回路図である。 さらに別の実施例である電子制御液圧ブレーキシステムにおいて実施される脈動抑制ルーチンを表すフローチャートである。 さらに別の実施例である電子制御液圧ブレーキシステムにおいて実施される脈動抑制ルーチンを表すフローチャートである。
符号の説明
10:ブレーキペダル 12:マスタシリンダ 14:動力液圧源 16,17,18,19:ブレーキ 20,21,22,23:ホイールシリンダ 38:液圧制御弁装置 39:ブロック 40:ユニット 51:リザーバホース 52:リザーバ 60:吸引通路 72,73:増圧リニアバルブ 74:フロント減圧通路 76:減圧リニアバルブ 78:リヤ減圧通路 80:減圧リニアバルブ
92:排出ホース 211:ストロークセンサ 214:マスタ圧センサ 250:液圧制御弁装置 252:フロント減圧通路 254:リヤ減圧通路 260:逆止弁 280:ダンパ装置

Claims (9)

  1. ブレーキ操作部材の操作状態が操作状態検出装置により検出され、その検出結果に基づいて、増圧時には、フロント増圧弁およびリヤ増圧弁により動力液圧源のブレーキ液がフロントホイールシリンダおよびリヤホイールシリンダにそれぞれ供給され、減圧時には、フロント減圧弁およびリヤ減圧弁により前記フロントホイールシリンダおよび前記リヤホイールシリンダのブレーキ液がそれぞれフロント減圧通路およびリヤ減圧通路を経てリザーバへそれぞれ流出させられる形式の電子制御液圧ブレーキシステムにおいて、
    前記フロント減圧通路と前記リヤ減圧通路との合流部からブレーキ液の脈動がリヤ減圧通路内のブレーキ液に伝達されることを抑制する伝達抑制手段を設けたことを特徴とする電子制御液圧ブレーキシステム。
  2. 前記フロント減圧弁と前記リザーバとを接続する前記フロント減圧通路と、前記リヤ減圧弁と前記リザーバとを接続する前記リヤ減圧通路とが互いに独立に前記リザーバに接続されており、その互いに独立した接続形態が前記伝達抑制手段を構成している請求項1に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
  3. 前記フロント減圧弁と前記リザーバとを接続する前記フロント減圧通路と、前記リヤ減圧弁と前記リザーバとを接続する前記リヤ減圧通路とが合流した後に前記リザーバに接続されているが、それらフロント減圧通路とリヤ減圧通路との合流点より前記フロント減圧弁および前記リヤ減圧弁側の部分の少なくとも一方に、前記脈動が前記リヤ減圧通路に伝達されることを抑制する伝達抑制装置が設けられた請求項1に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
  4. 前記伝達抑制装置が、前記リヤ減圧通路に設けられ、前記リヤ減圧弁から前記リザーバに向かうブレーキ液の流れは許容するが逆向きの流れは阻止する逆止弁を含む請求項3に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
  5. 前記伝達抑制装置が、前記フロント減圧通路と前記リヤ減圧通路との前記合流点より前記フロント減圧弁および前記リヤ減圧弁側の部分の少なくとも一方に設けられ、その少なくとも一方の脈動を吸収するダンパ装置を含む請求項3または4に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
  6. 前記伝達抑制手段が、前記フロントホイールシリンダの液圧と前記リヤホイールシリンダの液圧とが共に減圧される際に、前記フロント減圧弁と前記リヤ減圧弁との少なくとも一方の減圧作動を抑制する減圧作動抑制部を含む請求項1ないし5のいずれかに記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
  7. 前記減圧作動抑制部が、当該電子制御液圧ブレーキシステムが搭載された車両の停止中に作動する請求項6に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
  8. 前記減圧作動抑制部が、前記フロントホイールシリンダの液圧が前記リヤブレーキシリンダの液圧に応じて決まるしきい液圧以下に低下するまで前記リヤ減圧弁の減圧作動を禁止するリヤ減圧作動禁止部を含む請求項6または7に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
  9. 前記減圧作動抑制部が、前記フロント減圧弁による減圧勾配を抑制するフロント減圧勾配抑制部を含む請求項6または7に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
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