JP2002200970A - 制動力保持装置 - Google Patents

制動力保持装置

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JP2002200970A
JP2002200970A JP2000401659A JP2000401659A JP2002200970A JP 2002200970 A JP2002200970 A JP 2002200970A JP 2000401659 A JP2000401659 A JP 2000401659A JP 2000401659 A JP2000401659 A JP 2000401659A JP 2002200970 A JP2002200970 A JP 2002200970A
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brake
braking force
engine
vehicle
wheel cylinder
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JP2000401659A
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Kuniaki Kaihara
邦明 貝原
Yuji Yanagawa
祐治 柳川
Kazuteru Kurose
一輝 黒瀬
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、アイドルストップ車両に用いて好
適の制動力保持装置に関し、制動力保持解除時の異音等
の発生を効果的に防止して実用性に優れる制動力保持装
置を提供する。 【解決手段】 ブレーキ装置に付設されたマスタシリン
ダ62とホイルシリンダ63との間において、ブレーキ
装置の作動流体の流通を許容する状態と遮断する状態と
を切り換え可能な第1及び第2の切り換え弁64,67
と、マスタシリンダ62側からホイルシリンダ63側へ
のみ作動流体の流通を許容する逆止弁65と、ホイルシ
リンダ63側からマスタシリンダ62側へのみ作動流体
の流通を許容するとともに、ホイルシリンダ63側の流
体圧が設定圧よりも低圧になると作動流体の流通を遮断
するリリーフ弁66とをそれぞれ並列に配設するととも
に、第2の切り換え弁67にオリフィス68を付設する
ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両停車時に自動
的にエンジンを停止させたり再始動させたりする、アイ
ドルストップ車両に用いて好適の、制動力保持装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車のアイドリング中にエ
ンジンを自動停止(オートストップ又はアイドルストッ
プともいう)させて、燃料消費量を抑制して燃費を向上
させるアイドルストップ車両が開発,提案されている。
このようなアイドルストップ車両として、例えば特開2
000−8905号公報に記載された技術が知られてい
る。この従来例では、自動変速付車両において、ブレー
キペダル操作により車両が移動しないだけの制動力が加
わった時にエンジンを自動停止すると共に車両が移動し
ないように所定の制動力を保持し、ブレーキペダルによ
る制動力の緩和からブレーキペダルを離す間にエンジン
を再始動し、エンジン回転数が所定回転数以上になった
時、あるいはエンジン回転数が所定回転数以上になった
後でアクセルペダルを踏み込んだ時に、保持していた制
動力を解放するものとなっている。
【0003】そして、この従来例の制動力保持装置とし
ては、マスタシリンダとホイルシリンダとの間に、ブレ
ーキ油の流通を許容する状態と遮断する状態とを切換可
能な電磁開閉弁と、マスタシリンダ側からホイルシリン
ダ側へのみブレーキ油の流通を許容する逆止弁とを、並
列に設けた構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の構成では、保持していた制動力を解除する際に電
磁開閉弁を開放することになるが、その際、制動圧力が
急激に減少して乗員に違和感を与えたり、異音等を発生
するという課題がある。このため、本発明は、制動力保
持解除時の異音等の発生を効果的に防止して実用性に優
れる制動力保持装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
制動力保持装置では、通常走行時等には第1の切り換え
弁及び第2の切り換え弁を開状態とする。これにより、
ブレーキ装置の作動流体が第1及び第2の切り換え弁を
流通可能な状態となり、ドライバがブレーキ操作を行な
うと、マスタシリンダで加圧された作動流体が第1の切
り換え弁及び逆止弁を介してホイルシリンダ側に供給さ
れ、ドライバのブレーキ操作に応じた制動力が発生す
る。
【0006】また、エンジンの自動停止中に制動力を保
持する場合は、第1の切り換え弁及び第2の切り換え弁
を作動流体の流通を遮断する状態(閉状態)に切り換え
る。これにより、ドライバがブレーキ操作を行なうと、
マスタシリンダで加圧された作動流体は逆止弁を介して
ホイルシリンダ側に供給され、やはりドライバのブレー
キ操作に応じた制動力が発生する。また、ドライバがブ
レーキ操作を解除すると、ホイルシリンダ側の作動流体
はリリーフ弁を介してマスタシリンダ側に戻るが、ホイ
ルシリンダ側の流体圧力がリリーフ弁の設定圧よりも低
圧になると、リリーフ弁が閉じて作動流体の流通が遮断
される。したがって、ドライバがブレーキ操作を解除し
ても、ホイルシリンダにはリリーフ弁の設定圧と等しい
作動流体圧が作用して、制動力が保持される。
【0007】また、保持していた制動力を解放する場合
は、まず第2の切り換え弁を開状態に切り換える。これ
により、ホイルシリンダ側に閉じ込められた作動流体は
第2の切り換え弁及びオリフィスを介してマスタシリン
ダ側に流入する。ここで、作動流体はオリフィスを通っ
てマスタシリンダ側に流れるので、ホイルシリンダの流
体圧が徐々に低下する。これにより作動流体の圧力の急
変が防止でき、圧力が急変する際の異音等の発生を防止
できる。
【0008】また、リリーフ弁の設定圧を比較的低く設
定しておくことにより、制動力を完全解放するまでの時
間を短くすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態にかかる制動力保持装置について説明すると、図
1はその要部機能に着目した模式的なブロック図であ
る。本実施形態の制動力保持装置は、自動変速機をそな
えたアイドルストップ車両に適用されるものであって、
図1に示すように、この車両には、エンジンの自動停止
及び再始動を行なうめの制御手段(ECU)1が設けら
れている。
【0010】また、図示するように、このECU1には
エンジン自動停止手段2と再始動手段3aと強制再始動
手段3bと制動力保持手段41と作動解除手段42とが
それぞれ設けられている。このうちエンジン自動停止手
段2,再始動手段3a及び強制再始動手段3bには、そ
れぞれエンジン自動停止条件,再始動条件及び強制再始
動条件がそれぞれ設定されており、エンジン自動停止条
件が成立するとエンジンが自動的に停止し、エンジンが
上記エンジン自動停止手段2による停止状態(アイドル
ストップ状態)で、再始動条件又は強制再始動条件が成
立すると、エンジンが再始動するようになっている。
【0011】また、ECU1には、車両の車速Vを検出
する車速センサ(車速検出手段)10,アクセルペダル
の踏み込みを検出するアクセルセンサ11,変速機がセ
レクタレバー位置を検出するインヒビタスイッチ12,
エンジン回転速度Neを検出するエンジン回転速度セン
サ(回転速度検出手段)14,イグニッションキーのオ
ンオフを検出するイグニッションキーセンサ22,アイ
ドルストップ機能全体をオンオフするメインスイッチ2
3,ブレーキの作動流体圧(液圧)を検出する液圧セン
サ24及びブレーキランプのオンオフに用いられるブレ
ーキスイッチ25等の種々のセンサ類が接続されてい
る。
【0012】そして、ECU1のエンジン自動停止手段
2,再始動手段3a及び強制再始動手段3bでは、上記
各センサ類からの情報に基づいて、エンジン停止信号及
びエンジン再始動信号を設定し、燃料噴射制御手段30
やスタータモータ31に出力するようになっている。こ
こで、エンジン自動停止手段2に設定された自動停止条
件について説明すると、メインスイッチ23がオン状態
で、セレクターレバーがDレンジにあり、ブレーキスイ
ッチ25がオン状態で、且つ車速センサ10から検出さ
れる車速が0の状態が所定時間以上継続すると、自動停
止条件が成立してエンジンが自動停止するようになって
いる。
【0013】次に、再始動手段3aに設定された再始動
条件について説明すると、再始動手段3aには、ドライ
バの車両発進意思を判定する条件として以下の,の
条件が設定されており、これら2つの条件のいずれか一
方が成立すると再始動条件が成立したと判定するように
なっている。 ブレーキの操作解除時にブレーキ操作状態に相関する
パラメータの変化量の大きさが所定値を超えたことを検
出した。 ブレーキの操作解除が検出された。
【0014】上記の条件を具体的に説明すると、本実
施形態では「ブレーキ操作状態に相関するパラメータ」
としてブレーキ液圧(油圧)が適用されており、上記の
条件は、ブレーキを緩める際に、液圧センサ24から
得られるブレーキ液圧の変化率の大きさ(絶対値)が設
定された値(所定値)よりも大きくなったことを検出し
た場合、つまり、ブレーキ液圧の低下速度が所定値より
も大きくなったことを検出した場合を示している。
【0015】また、所定値としては、ドライバが車両発
進時にブレーキペダルから足を離す際の平均的なブレー
キ液圧低下速度よりも僅かに小さい値に設定されてい
る。これにより、ドライバが車両を発進させるべくアク
セルを踏もうとしてブレーキ踏み込みを解除すると、条
件が成立するようになっている。また、上記の条件
の「ブレーキ操作解除が検出されたとき」とは、ブレー
キスイッチ25がオンからオフになったときである。こ
の場合は、ドライバがブレーキペダルから足を離したと
判定して、エンジンを再始動させるようになっている。
【0016】これは、ドライバがゆっくりとブレーキペ
ダルの踏み込みを解除したため条件が成立しなっかた
場合でも、ブレーキペダルから足を離したときに確実に
エンジンを再始動させるためである。また、強制再始動
手段3bには、エンジンの自動停止中にドライバの発進
意思が判定されない場合であっても、車両の安全性や快
適性を確保するために強制的にエンジンを再始動させる
強制再始動条件が設定されている。この場合、例えば電
気負荷が所定値以上となると、バッテリ上がりを防止す
るべく強制再始動が実行される。
【0017】一方、制動力保持手段41は、少なくとも
エンジン自動停止条件が成立してから再始動条件が成立
するまでの間(即ちエンジンの自動停止中)に、車両の
制動力を保持するべく機能するものであり、再始動条件
が成立すると、ブレーキ装置の油圧回路中に設けられた
第1,第2電磁弁64,67を閉じてブレーキ液圧を保
持するようになっている。
【0018】また、ECU1には、上記制動力保持手段
41とともに作動解除手段42が設けられている。この
作動解除手段42は、制動力保持手段41により制動力
が保持されている状態でエンジンが再始動した後の制動
力保持手段41の作動解除タイミングを制御するもので
ある。ここで、図2は本実施形態の装置の要部構成を示
す模式図であって、図中61,62及び63はそれぞれ
ブレーキペダル,マスタシリンダ及びホイルシリンダを
示し、このマスタシリンダ62とホイルシリンダ63と
の間にブレーキ装置の油圧回路(液圧回路)が形成され
ている。
【0019】また、図示するように、マスタシリンダ6
2とホイルシリンダ63との間には、ブレーキオイルの
流通を許容する状態とブレーキオイルの流通を遮断する
状態とを切り換え可能な第1電磁弁(第1の切り換え
弁)64及び第2電磁弁(第2の切り換え弁)67と、
マスタシリンダ62側からホイルシリンダ63側へのみ
ブレーキオイルの流通を許容する逆止弁(チェックバル
ブ)65と、ホイルシリンダ63側からマスタシリンダ
62側へのみブレーキオイルの流通を許容するとともに
ホイルシリンダ63側の液圧が設定圧よりも低くなると
ブレーキオイルの流通を遮断するリリーフ弁(リリーフ
バルブ)66とが設けられており、且つ、これらの第1
電磁弁64,チェックバルブ65,リリーフバルブ66
及び第2電磁弁67がそれぞれ並列に接続されている。
【0020】また、図示するように、第2電磁弁67の
マスタシリンダ62側(上流側)には、オリフィス68
が設けられている。ここで、上記の各電磁弁64,67
は、いずれもオフの時に開状態となってブレーキオイル
を流通させるノーマルオープンの電磁弁であり、オン時
に閉状態に切り換わるようになっている。
【0021】そして、このようなブレーキ回路におい
て、車両の走行時には、第1,第2電磁弁64,67が
オフとなりブレーキオイルが流通可能な状態になってい
る。これにより、ドライバがブレーキペダル61を踏み
込むと、この踏み込み力に応じた油圧が発生してホイル
シリンダ63に作用し、踏み込み力に応じた制動力を得
ることができるようになっている。
【0022】また、車両のアイドルストップ時には、上
記制動力保持手段41により各電磁弁64,67がオン
に切り換えられるようになっている。これにより、ドラ
イバがブレーキペダル61を踏み込んでいる間は、チェ
ックバルブ65を介してブレーキオイルがホイルシリン
ダ63に作用して制動力が作用するようになっている。
また、ブレーキペダル61の踏み込みを解除或いは踏み
込み量を低減させた場合には、ホイルシリンダ63側の
高圧のブレーキオイルはリリーフバルブ66を介してマ
スタシリンダ62側に流入し、ホイルシリンダ63側の
液圧がリリーフバルブ66の設定圧以下となるとリリー
フバルブ66が閉じて、ブレーキオイルの液圧が上記設
定圧に保持されるようになっている。
【0023】なお、この設定圧は、クリープ力による車
両の前進を抑制できる程度のブレーキ液圧であって、且
つ坂道でも車両の移動(後退)を防止できる程度のブレ
ーキ液圧に設定されており、本実施形態では、具体的に
は10kg/cm2 に設定されている。また、本実施形
態では、図2に示すように、ホイルシリンダ63の上流
側にはABS回路69が設けられているが、ABS回路
69は本発明の必須の構成要件ではなく、ABS回路6
9を設けなくてもよい。なお、ABS回路69を設けた
場合であっても、ABS機能と、本発明の要部機能であ
る車両停車状態を保持する機能とは何ら干渉しないよう
に構成されている。
【0024】そして、本発明では、アイドルストップ状
態からエンジンが再始動(強制再始動を含む)される
と、エンジンの再始動後も第1,第2電磁弁64,67
がオンの状態に保持されて制動力が保持されるようにな
っている。これは、坂道での車両後退及び強制再始動直
後の車両の動き出しを防止するためである。つまり、坂
道(登坂路)でアイドルストップ後に発進する際には、
エンジンが始動してから自動変速機の油圧が十分に上昇
して車輪に駆動トルクを伝達するまでにタイムラグがあ
り、この間は駆動力が作用しないため制動力を解除する
と車両が後退することが考えられる。
【0025】そこで、このような坂道で後退を防止する
べく、再始動条件又はによりエンジンが再始動した
場合には制動力を保持すべく、作動解除手段42により
エンジンの再始動後も第1,第2電磁弁64,67をオ
ンの状態に保持するようになっているのである。そし
て、エンジン回転速度センサ14によりエンジンの回転
速度が所定回転速度に達したことが検出されるか、又は
車速センサ10により車速の発生が検出されると、作動
解除手段42がオフとなる。このとき、まず第2電磁弁
67が先にオフに切り換わり、ブレーキ圧をオリフィス
68を介して徐々に解放することでブレーキ圧力を一気
に解放することによるショックを低減する。次にブレー
キ圧が略抜けたら第1電磁弁64を切り換えるようにな
っている。ここで、エンジンの所定回転速度とは、エン
ジンが発進に必要なトルクを発生するのに必要な最低限
の回転速度である。
【0026】一方、アイドルストップ中にはクリープ力
が発生しないため、平坦路ではドライバは無意識のうち
に、再始動条件に合致しないような速度でゆっくりと
ブレーキを緩める場合があり、この場合には、ブレーキ
スイッチ25がオンの状態で且つブレーキ液圧が略0に
なることが考えられる。このときは、換言するとブレー
キペダルに軽く足をのせているためブレーキスイッチ2
5はオンになっているものの制動力は発生していない状
態である。
【0027】このような状態において、強制再始動条件
が成立すると、車両に制動力が発生していないため、強
制再始動直後に車両が動き出すことが考えられる。そこ
で、上述のように、アイドルストップ状態では第1,第
2電磁弁64,67を閉じて制動力を保持するととも
に、強制再始動手段3bによりエンジンが再始動して
も、第1,第2電磁弁64,67をオン状態に保持する
ようになっているのである。
【0028】また、この場合には、上述の発明が解決し
ようとする課題で説明した再始動の場合のように、所定
エンジン回転速度で制動力を解除すると車両が意図せず
動き出してしまうし、アクセル操作や車速発生まで制動
力を保持しているとエンジンが回転しているにもかかわ
らずクリープ走行ができなくなってしまう。このため、
エンジンの強制再始動後、ブレーキスイッチ25がオフ
になった(ブレーキ操作が解除された)ことが検出され
ると作動解除手段42がオフとなって、これにより、上
述のように、まず第2電磁弁67がオフに切り換えら
れ、ブレーキ圧が略抜けたら第1電磁弁64がオフに切
り換えられるようになっているのである。
【0029】なお、ブレーキペダルを踏んだままアクセ
ルペダルを踏み込んで車両を発進させる場合もあるの
で、強制再始動後の作動解除条件としては、上記の条件
のほか、アクセルセンサ11によりアクセルペダルの踏
み込みが検出がされることも並列的条件として設定され
ている。本発明の一実施形態としての制動力保持装置
は、上述のように構成されているので、その作動特性を
示すと図3,図4のようになる。
【0030】まず、図3を用いて坂道で停車した場合の
作用を説明する。図3において、縦軸はそれぞれブレー
キ液圧,エンジン回転速度であり、横軸はいずれも時間
を示している。まず、時間t0 においてドライバがブレ
ーキペダルを踏んで車両が時間t1 で停車し、その後時
間t2 で自動停止条件が成立してエンジン自動停止手段
2によりエンジンが停止すると、これと略同時に制動力
保持手段41により第1,第2電磁弁64,67がオン
に切り換えられ、油路が遮断される。
【0031】この場合、図2に示すように、ドライバが
ブレーキを踏み込むと、チェックバルブ65を介してホ
イルシリンダ63側にブレーキオイルが供給され、ドラ
イバのブレーキペダル61の踏み込み量に応じた液圧が
ホイルシリンダ63に作用する。ここで、ドライバがブ
レーキペダル61の踏み込みを緩めると(時間t3 )、
リリーフバルブ66を介してブレーキオイルが抜けてい
き、リリーフバルブ66の設定圧まで液圧が低下する。
また、このとき液圧センサ24により検出されるブレー
キ液圧変化率(絶対値)が設定値よりも大きいと判定さ
れると、ドライバが発進を意図してブレーキペダル操作
を解除しようとしているものとして、再始動条件によ
りエンジンの再始動が行なわれる(時間t4 )。
【0032】この場合には、第1,第2電磁弁64,6
7ともオン(閉)に保持されており、これにより、図3
(a)に示すようにブレーキ液圧がリリーフバルブ66
の設定圧に保持される。なお、時間t4 で第2電磁弁6
7をオフに切り換えた場合は、ブレーキ液圧が設定圧ま
で低下した後、点線で示すようにオリフィス68を介し
てブレーキオイルが抜けていき、エンジンが十分な駆動
トルクを発揮する回転速度Ne1に達する以前にブレー
キ液圧が0となってしまう。したがって、坂道では、十
分なエンジントルクが発生するまでは制動力が作用せず
車両が後退することが考えられた。
【0033】これに対して、本実施形態では、再始動条
件,によりエンジンの再始動が行なわれた場合、エ
ンジンの再始動後も第1,第2電磁弁64,67がオン
に保持されるので、実線で示すように、ブレーキ液圧が
保持される。そして、エンジン回転速度センサ14によ
り、エンジン回転速度Neが十分な駆動トルクを発生す
る回転速度Ne1に達したことが検出される(時間
5 )と、作動解除手段42により第2電磁弁67がオ
フに切り換えられてホイルシリンダ63側のブレーキオ
イルがオリフィス68を介して抜けて液圧が低下する。
このとき、オリフィス68を介してブレーキ液圧が徐々
に低下するので、油圧回路で急激に油圧が変動する際に
発生する異音やショックを防止することができる。ま
た、オリフィス68を介してブレーキ液圧が徐々に低下
するのは、液圧がリリーフバルブ66の設定圧以下とな
ってからであるので、ブレーキ液圧の解放に要する時間
も短くて済む。
【0034】そして、その後ブレーキ液圧が十分に低下
したら第1電磁弁64がオフに切り換えられる(時間t
6 )。したがって、坂道でアイドルストップ状態で停車
している状態であって再始動条件,により車両を発
進させる際には、制動力保持手段41により車両に制動
力が作用しているので、車両の発進時に車両の後退が確
実に防止される。また、エンジンの再始動後、エンジン
の回転速度が所定回転速度以上となったことが検出され
た場合に、制動力保持手段41の作動が解除されるの
で、エンジントルクが十分発生したときに制動力の保持
が解除されることになり、これにより車両の発進応答性
を損なうこともない。
【0035】なお、第1電磁弁64をオフに切り換える
タイミングとしては、上述のものに限定されず、第2電
磁弁67をオフに切り換えてから所定時間経過後、又は
ブレーキ液圧が略0になったとき若しくは液圧が0にな
ってから所定時間後、又は車速を検出したとき等種々の
変形例が考えられる。さらに、第2電磁弁67をオフに
切り換えるタイミングとしては、車速が検出されたとき
としてもよく、その後第1電磁弁64をオフに切り換え
てもよい。
【0036】次に、図4を用いて平坦路で停車した場合
の作用を説明すると、図中縦軸はブレーキ液圧を、横軸
は時間をそれぞれ示している。まず、車両がアイドルス
トップにより停止すると、制動力保持手段41により、
第1,第2電磁弁64,67がオンになる。そして、こ
のときドライバが無意識のうちに徐々にブレーキペダル
61の踏み込みを緩めていくとリリーフバルブ66から
ブレーキオイルが抜けていき、図4に示するように、液
圧が徐々に低下する。このときブレーキ液圧の低下速度
がゆっくりであると、再始動条件を満たさないためエ
ンジンの停止状態が保持されたままとなる。
【0037】なお、このときにはすでに制動力保持手段
41により第1,第2電磁弁64,67がオンになって
いるため、リリーフバルブ66の設定圧以下まで液圧が
低下することがない。したがって、ドライバが無意識の
うちにブレーキを緩めた状態で、ドライバの意思に関係
なく強制再始動手段3bによりエンジンが再始動した場
合でも、第1,第2電磁弁64,67がオン状態に保持
されているので車両の停止状態が保持され、これによ
り、車両の動き出しが防止される。
【0038】また、その後ブレーキスイッチ25がオフ
になるか又はアクセルセンサ11によりアクセル操作が
検出されると、作動解除手段42により第2電磁弁67
がオフに切り換えられ、ホイルシリンダ63側のブレー
キオイルがオリフィス68を介して抜けて、この結果液
圧が低下する。このとき、オリフィス68を介してブレ
ーキ液圧が徐々に低下するので、やはり、油圧回路で急
激に油圧が変動する際に発生する異音やショックを防止
することができる。また、オリフィス68を介してブレ
ーキ液圧が徐々に低下するのは、液圧がリリーフバルブ
66の設定圧以下となってからであるので、ブレーキ液
圧の解放に要する時間も短くて済む。
【0039】そして、その後ブレーキ液圧が十分に低下
したら第1電磁弁64がオフに切り換えられる。したが
って、エンジンがアイドルストップ状態であって、ブレ
ーキスイッチ25がオンとなっているもののブレーキを
緩めていて実際にはほとんどブレーキを踏んでいない状
態のときに、強制再始動手段3bによりエンジンが再始
動しても、車両に制動力が作用してドライバの意図しな
いエンジン始動時に車両の動き出しを確実に防止するこ
とができる。
【0040】また、エンジンの強制再始動後、ブレーキ
操作解除が検出される又はアクセル操作が検出されると
制動力の保持が解除されるので、ドライバに確実に発進
意思がある場合には速やかに制動保持が解除され、クリ
ープ走行を行なうことができるし、発進応答性を損なう
こともないという利点がある。なお、この場合、第1電
磁弁64をオフに切り換えるタイミングとしては、上述
のものに限定されず、第2電磁弁67をオフに切り換え
てから所定時間経過後、又はブレーキ液圧が略0になっ
た時若しくは液圧が0になってから所定時間後、又は車
速を検出したとき等種々の変形例が考えられる。
【0041】また、本発明の実施の形態としては上述の
ものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲で種々の変形が可能である。たとえば、本実施
形態では、ブレーキ操作状態に相関するパラメータとし
てブレーキ液圧を用いたが、これ以外にも、ブレーキペ
ダルの踏み込み量や踏み込み力をパラメータとしてもよ
い。
【0042】また、オリフィス68は、第2電磁弁67
のホイルシリンダ側に設けてもよいし、第2電磁弁の6
7の開放側の油路に内蔵して構成してもよい。また、ブ
レーキ液圧が十分に高い状態で強制再始動条件が成立し
た場合には、作動解除手段42は作動せずにドライバの
ブレーキペダル操作により速やかに制動力の保持が解除
されるように構成してもよい。このような強制再始動時
には、ドライバのブレーキ操作により、すでに十分な制
動力が作用しているので、作動解除手段42が作動しな
くても何ら問題はなく、その後ブレーキ操作を解除して
も、エンジンの回転速度が上昇して十分な駆動トルクを
発揮しているので、ブレーキオフ後速やかに車両を発進
させることができる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の制動力保
持装置によれば、上述のような簡素な構成で、エンジン
の自動停止時に第1及び第2の切り換え弁を閉状態に切
り換えることで、ドライバがブレーキ操作を解除して
も、ホイルシリンダにはリリーフ弁の設定圧と等しい作
動流体圧が作用して、確実に制動力を保持することがで
きるという利点がある。
【0044】したがって、坂道に停車している状態でド
ライバがブレーキ操作を緩めても車両の移動(後退)が
確実に防止できる。また、ドライバがブレーキを弱めて
いる状態でドライバの意思によらないエンジンの強制始
動が行なわれても車両の動き出しを確実に防止できると
いう利点がある。さらに、エンジンの再始動時には、ま
ず第2の切り換え弁を開状態に切り換えてホイルシリン
ダ側の作動流体をオリフィスを介して開放することによ
り、ホイルシリンダの流体圧が緩やかに低下して、作動
流体の圧力の急変を防止することができる利点があるほ
か、圧力が急変する際の異音等の発生を防止できる利点
がある。この場合、オリフィスを介して作動流体が開放
されるのは、作動流体圧がリリーフ弁の設定圧以下とな
ってからであるので、ホイルシリンダの流体圧の開放に
要する時間が極端に長くなるようなことも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる制動力保持装置の
要部機能に着目した模式的なブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる制動力保持装置の
要部構成を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる制動力保持装置の
作用を説明するためのタイムチャートである。
【図4】本発明の一実施形態にかかる制動力保持装置の
作用を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 制御手段(ECU) 2 エンジン自動停止手段 3a 再始動手段 3b 強制再始動手段 10 車速センサ(車速検出手段) 11 アクセルセンサ 12 ニュートラルスイッチ(ニュートラル検出手段) 14 エンジン回転速度センサ(回転速度検出手段) 22 イグニッションキーセンサ 23 メインスイッチ 24 液圧センサ 25 ブレーキスイッチ 41 制動力保持手段 42 作動解除手段 61 ブレーキペダル 62 マスタシリンダ 63 ホイルシリンダ 64 第1電磁弁(第1の切り換え弁) 65 逆止弁(チェックバルブ) 66 リリーフ弁(リリーフバルブ) 67 第2電磁弁(第2の切り換え弁) 68 オリフィス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒瀬 一輝 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3D046 BB02 BB07 CC02 EE01 GG01 HH02 HH05 HH07 HH13 HH16 HH17 HH22 LL02 LL23 LL29 LL30 LL33

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ装置に付設されたマスタシリン
    ダとホイルシリンダとの間に、 該ブレーキ装置の作動流体の流通を許容する状態と該作
    動流体の流通を遮断する状態とを切り換え可能な第1の
    切り換え弁及び第2の切り換え弁と、 該マスタシリンダ側から該ホイルシリンダ側へのみ該作
    動流体の流通を許容する逆止弁と、 該ホイルシリンダ側から該マスタシリンダ側へのみ該作
    動流体の流通を許容するとともに、該ホイルシリンダ側
    の流体圧が設定圧よりも低圧になると該作動流体の流通
    を遮断するリリーフ弁とがそれぞれ並列に配設されると
    ともに、 該第2の切り換え弁が設けられる流体路にオリフィスが
    付設されていることを特徴とする、制動力保持装置。
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