JPH09193772A - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents

液圧ブレーキ装置

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JPH09193772A
JPH09193772A JP526496A JP526496A JPH09193772A JP H09193772 A JPH09193772 A JP H09193772A JP 526496 A JP526496 A JP 526496A JP 526496 A JP526496 A JP 526496A JP H09193772 A JPH09193772 A JP H09193772A
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pressure
hydraulic
control valve
hydraulic control
valve
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JP526496A
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English (en)
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Akihiro Ootomo
昭裕 大朋
Akira Sakai
酒井  朗
Fumiaki Kawabata
文昭 川畑
Masashi Ito
政司 伊藤
Kiyoji Nakamura
喜代治 中村
Katsuyasu Okubo
勝康 大久保
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は液圧ブレーキ装置に関わり、後輪の
ホイールシリンダ圧を左右独立に制御可能な液圧ブレー
キ装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 ホイールシリンダ64の圧力は電磁開閉
弁68及び76のソレノイドを非励磁とすることで油圧
制御バルブ44への供給電流により制御され、電磁開閉
弁68のソレノイドを励磁、かつ、電磁開閉弁76のソ
レノイドを非励磁とすることで保持される。ホイールシ
リンダ66についても同様である。一方のホイールシリ
ンダ圧を保持状態として、他方のホイールシリンダを油
圧制御バルブ44で制御することにより、ホイールシリ
ンダ64、66の圧力をそれぞれ独立に制御することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧ブレーキ装置
に関わり、特に、後輪のホイールシリンダ圧をそれぞれ
独立に制御可能な液圧ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両等に用いられるブレーキ
装置として、液圧ブレーキ制御装置が知られている。液
圧ブレーキ制御装置は、マスタシリンダとホイールシリ
ンダとの間に配設された液圧制御装置を備えている。液
圧ブレーキ制御装置は、マスタシリンダ圧に応じた圧力
がホイールシリンダに付与される通常ブレーキ状態、及
び、電子制御装置から液圧制御装置に供給される制御信
号に応じてホイールシリンダに圧力が付与される制御ブ
レーキ状態のいずれかの状態で動作する。
【0003】かかる機能を有する液圧ブレーキ装置とし
て、特開平6−87417号に開示される液圧ブレーキ
装置が知られている。上記従来の液圧ブレーキ装置は、
ソレノイドに付与される電流に応じて圧力を連続的に制
御可能な比例制御弁を備えている。このため、制御ブレ
ーキ状態において、制動力を連続的に制御することが可
能とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の液圧ブレー
キ装置において上記比例制御弁は、前輪については左右
各輪に設けられているが、後輪については左右輪共通に
設けられている。ABS制御においては走行安定性を確
保するために、左右後輪を同じモードで制御するものと
なっており、上記従来技術によれば、比例制御弁を後輪
の左右各輪に設ける場合に比べて、左右後輪の制動力を
殆ど同一のものとすることができるため、ABS制御時
の走行安定性の確保が容易なものとなっている。しかし
ながら、ABS制御の他にも、後輪のホイールシリンダ
圧を制御したい場合がある。例えば、車両の旋回性能を
確保するために左右輪間に制動力差を積極的に生じさせ
たい制御(ビークル・スタビリティ・コントロール、以
下、VSCと称す)がそれであり、このような場合に
は、たとえ後輪であってもホイールシリンダ圧を左右独
立に制御する必要がある。上記従来技術では後輪のホイ
ールシリンダ圧を制御する手段は、左右輪共通の比例制
御弁のみであり、上記従来の液圧ブレーキ装置は後輪の
ホイールシリンダ圧を左右独立に制御することができな
いという問題を有するものであった。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、後輪のホイールシリンダ圧を左右独立に制御す
ることが可能な液圧ブレーキ装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、後輪共通
に設けられ、後輪のホイールシリンダ圧を共通に制御す
る比例制御弁を有する液圧ブレーキ装置において、前記
比例制御弁と後輪各輪のホイールシリンダとの連通をそ
れぞれ独立に開閉可能な第1の開閉手段と、後輪各輪の
ホイールシリンダとリザーバとの連通をそれぞれ独立に
開閉可能な第2の開閉手段と、を備えた液圧ブレーキ装
置により達成される。
【0007】本発明において、第1の開閉手段によりホ
イールシリンダと比例制御弁との連通が開状態とされ、
かつ、第2の開閉手段によりホイールシリンダとリザー
バとの連通が閉状態とされることにより、ホイールシリ
ンダ圧は比例制御弁により制御される。また、第1の開
閉手段によりホイールシリンダと比例制御弁との連通が
閉状態とされ、かつ、第2の開閉手段によりホイールシ
リンダとリザーバとの連通が閉状態とされることによ
り、ホイールシリンダ圧は保持される。更に、第1の開
閉手段によりホイールシリンダと比例制御弁との連通を
閉状態とし、かつ、第2の開閉手段によりホイールシリ
ンダとリザーバとの連通を開状態とすることによりホイ
ールシリンダは減圧される。これら、第1の開閉手段及
び第2の開閉手段による開閉は後輪の左右輪について独
立に行なわれる。従って、一方のホイールシリンダ圧を
保持した状態で、他方のホイールシリンダ圧を比例制御
弁によって制御又は減圧することにより、後輪のホイー
ルシリンダ圧は左右独立に制御される。
【0008】ここで、「比例制御弁」とは、上流側の油
圧をその油圧よりも低い任意の油圧に減圧して伝達可能
な弁のことである。ここにいう上流側の油圧としては、
マスタシリンダ圧、マスタシリンダとは別の液圧源
の油圧、ホイールシリンダ圧、を選択することができ
る。
【0009】また、上記の目的は、請求項1記載の液圧
ブレーキ装置において、前記比例制御弁をマスタシリン
ダの圧力を比例減圧する比例減圧弁とすることによって
も達成される。本発明において、後輪の各ホイールシリ
ンダにはマスタシリンダ圧が比例減圧されて付与され
る。従って、ABS制御におけるホイールシリンダの増
圧時に、第1の開閉手段及び第2の開閉手段の開閉状態
を切り換えることが不要とされる。これにより、ABS
制御時の動作音が低減される。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である液
圧ブレーキ装置10のシステム構成図を示す。マスタシ
リンダ11はタンデム型シリンダであり、独立した2つ
の加圧室を備えているとともに、非作動状態で加圧室と
連通されてブレーキフルードを加圧室に供給可能なリザ
ーバ24が設置されている。マスタシリンダ11にはブ
レーキペダル12が接続されている。マスタシリンダ1
1の各加圧室には、ブレーキペダル12の踏み込み操作
に応じて、互いに等しい液圧が発生される。マスタシリ
ンダ11の各加圧室はそれぞれ、マスタシリンダ通路1
4、16を介してストロークシミュレータ18、20に
接続されている。マスタシリンダ通路14には圧力計2
2が配設されている。圧力計22によりマスタシリンダ
11の各加圧室の圧力が検出される。なお、圧力計22
の代わりに、踏力センサ等のペダル踏力の検出が可能な
センサを設けてもよい。
【0011】リザーバ24にはポンプ通路26を介して
ポンプ28の吸入口が接続されている。ポンプ通路26
には、リザーバ26からポンプ28へ向かう方向の流れ
のみを許容するチェックバルブ30が配設されている。
ポンプ28の吐出口は高圧通路32を介して油圧制御バ
ルブ34の高圧ポート34aに接続されている。高圧通
路32にはポンプ28から油圧制御バルブ34へ向かう
方向の流れのみを許容するチェックバルブ36が配設さ
れている。高圧通路32のチェックバルブ36と油圧制
御バルブ34との間には圧力計37及びアキュムレータ
38が配設されている。圧力計37による検出圧に基づ
いて、ポンプ28の駆動・非駆動が制御されることによ
り、ブレーキフルードが所定の圧力下でアキュムレータ
38に蓄えられる。高圧通路32のアキュムレータ38
配設部位と油圧制御バルブ34との間には、油圧制御バ
ルブ40の高圧ポート40aに至る高圧通路42、及
び、油圧制御バルブ44の高圧ポート44aに至る高圧
通路46が分岐されている。また、リザーバ24には、
低圧通路48、50を介してそれぞれ油圧制御バルブ3
4、40、及び44の低圧ポート34b、40b及び4
4bが接続されている。油圧制御バルブ34、40の制
御液圧ポート34c、40cはそれぞれ、ホイールシリ
ンダ通路52、54を介してホイールシリンダ56、5
8に接続されている。
【0012】油圧制御バルブ44の制御液圧ポート44
cは、ホイールシリンダ通路63,60、62を介し
て、ホイールシリンダ64、66に接続されている。ホ
イールシリンダ通路60、62にはそれぞれ、常開の電
磁開閉弁68、70が配設されている。ホイールシリン
ダ通路60の電磁開閉弁68とホイールシリンダ64と
の間の部位、及び、ホイールシリンダ通路62の電磁開
閉弁70とホイールシリンダ66との間の部位には、そ
れぞれ、リザーバ24に至るリリーフ通路72、74が
分岐されている。リリーフ通路72、74はリザーバ2
4に至る通路75に統合されている。リリーフ通路7
2、74にはそれぞれ、常閉の電磁開閉弁76、78が
配設されている。なお、ホイールシリンダ56、58、
64、66はそれぞれ、左前輪、右前輪、左後輪、右後
輪に装着されている。
【0013】上述の如く、ホイールシリンダ56、5
8、64、66へは、高圧源であるポンプ28あるいは
低圧源であるリザーバ24からブレーキフルードが供給
されるものとなっており、ブレーキペダル12が踏み込
まれてもマスタシリンダ11のブレーキフルードはホイ
ールシリンダへは消費されない。そこで、上記液圧ブレ
ーキ装置10においては、マスタシリンダ11の各圧力
室内のブレーキフルードをストロークシミュレータ1
8、20へ消費させることにより、運転者に対して違和
感のないペダル踏力とペダルストロークの関係を得るこ
ととしている。
【0014】油圧制御バルブ34、40、44は、外部
から供給される制御電流に基づいて、高圧ポート及び低
圧ポートと、制御液圧ポートとの間の連通状態を制御す
ることにより、制御液圧ポートに出力される圧力の制御
を行なうものである。かかる機能を有する油圧制御バル
ブを以下、タイプIの油圧制御バルブと称す。タイプI
の油圧制御バルブの構成例については後述する。
【0015】上記した、油圧制御バルブ34、40、4
4、電磁開閉弁68、70、76、78は図示しない電
子制御装置(以下、ECUと称す)により制御される。
液圧ブレーキ装置10はマスタシリンダ圧に応じた圧を
ホイールシリンダに付与する通常ブレーキ状態、及び、
ECUからの指令に基づいてホイールシリンダ圧を制御
する制御ブレーキ状態で動作する。
【0016】ECUは通常ブレーキ時には、電磁開閉弁
68、70、76、78のソレノイドを非励磁状態とす
ることにより、ホイールシリンダ64、66に油圧制御
バルブ44の制御液圧ポートの圧力が付与される状態と
する。なお、ホイールシリンダ56、58については、
常に油圧制御バルブ34、40の制御液圧ポート34
c、40cの圧力が付与される状態とされている。かか
る状態で、圧力計22により検出されるマスタシリンダ
圧に応じた圧力がホイールシリンダ56、58、64、
66に付与されるように、油圧制御バルブ34、40、
44への供給電流を制御する。
【0017】制御ブレーキ時にホイールシリンダ64又
は66を目標圧まで増・減圧させる場合には、電磁開閉
弁68又は70、及び電磁開閉弁76又は78のソレノ
イドを非励磁状態として、ホイールシリンダ64又は6
6に目標圧が付与されるように油圧制御バルブ44への
供給電流を制御する。ABS制御時の如くホイールシリ
ンダ64又は66の圧力を速やかに減少させる必要があ
る場合には、電磁開閉弁68又は70、及び電磁開閉弁
76又は78を励磁状態として、ホイールシリンダ64
又は66のブレーキフルードをリザーバ75へ流出させ
る。
【0018】制御ブレーキ時にホイールシリンダ64又
は66の圧力を保持する場合には、電磁開閉弁68又は
70を励磁状態とし、電磁開閉弁76又は78を非励磁
状態として、ホイールシリンダ64又は66のブレーキ
フルードの流入・流出を遮断する。
【0019】上述したホイールシリンダ64、66の増
圧、減圧、及び圧力保持は、それぞれ独立に実行するこ
とができる。すなわち、一方のホイールシリンダ圧を保
持した状態で、他方のホイールシリンダの増減圧を行な
うことができる。上述の如く、液圧ブレーキ装置10に
よれば、後輪についても前輪と同様に左右輪のホイール
シリンダ圧を独立に制御することができる。このため、
トラクションコントロール(TRC)、VSC等の制御
ブレーキの制御性能を向上させることができる。また、
後輪の左右輪のホイールシリンダ圧を独立に制御できる
ことで、例えば、片輪が脱輪した場合に、脱輪した側の
ホイールシリンダ圧のみを連続的に増圧させることがで
きる。これにより、脱輪したホイールの空転を防止する
ことができる。従って、上記液圧ブレーキ装置10によ
れば、車両の4WD走行時に、片輪の空転に起因する車
両の立ち往生を防止する効果を得ることができる。
【0020】また、電磁開閉弁68〜78が失陥して、
ホイールシリンダ通路60、62の遮断及びリリーフ通
路72、74の導通が不可能となった際にも、油圧制御
バルブ44によりホイールシリンダ64、66の圧力を
制御することができる。更に、油圧制御バルブ44が失
陥して制御液圧ポートの圧力を制御できない状態となっ
た場合にも、電磁開閉弁68〜78の切替えにより、ホ
イールシリンダ64、66の圧力を制御することができ
る。このように、液圧ブレーキ装置10においては、後
輪のブレーキ配管系に液圧制御要素を2重に備えること
により装置の信頼性が向上されている。
【0021】なお、上記実施例においては、油圧制御バ
ルブ44が上記した比例制御弁に、電磁開閉弁68及び
70が上記した第1の開閉手段に、電磁開閉弁76及び
78が上記した第2の開閉手段に、それぞれ相当してい
る。次に、図2を参照して本発明の第2の実施例を説明
する。図2は、本発明の第2の実施例である液圧ブレー
キ装置100のシステム構成図を示す。なお、図2にお
いて、図1の液圧ブレーキ装置10と同様の構成部分に
ついては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0022】液圧ブレーキ装置100は、液圧ブレーキ
装置10の油圧制御バルブ34、40の代わりに、油圧
制御バルブ102、104、及び電磁開閉弁106、1
08を備え、、油圧制御バルブ44の代わりに油圧制御
バルブ110を備えた構成を有している。油圧制御バル
ブ102、104、110は高圧ポート102a、10
4a、110aに高圧が付与された状態で、外部から付
与される制御電流に応じて制御液圧ポート102c、1
04c、110cの圧力を増加させる。ただし、制御液
圧ポート102c、104c、110cの圧力を減少さ
せる機能は有していない。かかる機能を有する油圧制御
バルブを以下、タイプIIの油圧制御バルブと称す。タイ
プIIの油圧制御バルブの構成例については後述する。
【0023】図2において、油圧制御バルブ102、1
04の高圧ポート102a、104aはそれぞれ高圧通
路32、42に接続されている。また、油圧制御バルブ
102、104の制御液圧ポート102c、104cに
はそれぞれホイールシリンダ通路52、54が接続され
ている。また、ホイールシリンダ通路52、54にはそ
れぞれリリーフ通路112、114が分岐されている。
リリーフ通路112、114はその途中でリザーバ24
へ至る通路115に統合されている。リリーフ通路11
2、114にはそれぞれ、常閉の電磁開閉弁106、1
08が配設されている。油圧制御バルブ110の高圧ポ
ート110aは高圧通路46に接続されている。また、
制御液圧ポート110cにはホイールシリンダ通路6
0、62に分岐する通路63が接続されている。ホイー
ルシリンダ通路52、54及び通路63にはそれぞれ、
圧力計53、55、67が配設されている。
【0024】上記した、油圧制御バルブ102、10
4、110、電磁開閉弁68、70、76、78、10
6、108は図示しないECUにより制御される。液圧
ブレーキ装置100はマスタシリンダ圧に応じた圧をホ
イールシリンダに付与する通常ブレーキ状態、及び、E
CUからの指令に基づいてホイールシリンダ圧を制御す
る制御ブレーキ状態で動作する。
【0025】ECUは通常ブレーキ時には、電磁開閉弁
68、70のソレノイドを非励磁状態とする。そして、
ホイールシリンダ圧が増加された場合には、電磁開閉弁
76、78、106、108のソレノイドを非励磁状態
として、圧力計22により検出されるマスタシリンダ圧
に応じた圧力がホイールシリンダ56、58、64、6
6に付与されるように、油圧制御バルブ102、10
4、110への供給電流を制御する。一方、マスタシリ
ンダ圧が減少された場合には、油圧制御バルブ102、
104、110が全閉状態となるように、これらバルブ
への供給電流を制御すると共に、電磁開閉弁76、7
8、106、108のソレノイドを励磁状態とすること
により、ホイールシリンダ56、58、64、66をリ
ザーバ24と連通させる。これにより、ホイールシリン
ダ56、58、64、66を減圧させる。そして、圧力
計53、55、67により測定されるホイールシリンダ
圧がマスタシリンダ圧に応じた目標圧まで減圧された時
点で電磁開閉弁76、78、106、108を非励磁状
態に切り換える。これにより、通常ブレーキ時にマスタ
シリンダ圧が減少された場合にもホイールシリンダ圧を
マスタシリンダ圧に応じた目標圧とすることができる。
【0026】制御ブレーキ時にホイールシリンダ56又
は58を増圧させる場合には、通常ブレーキ時と同様
に、電磁開閉弁106又は108のソレノイドを非励磁
とした状態で、目標圧がホイールシリンダ56又は58
に付与されるように、油圧制御バルブ102又は104
への供給電流を制御する。
【0027】制御ブレーキ時にホイールシリンダ56又
は58を減圧させる場合には、油圧制御バルブ102又
は104が全閉状態となるように、これらバルブへの供
給電流を制御すると共に、電磁開閉弁106又は108
のソレノイドを励磁状態とすることにより、ホイールシ
リンダ56又は58をリザーバ24と連通させる。これ
により、ホイールシリンダ56、58を減圧させる。そ
して、ホイールシリンダ56、58の圧力が目標圧まで
減圧された時点で電磁開閉弁106、108を非励磁状
態に切り換えて減圧を停止する。
【0028】制御ブレーキ時にホイールシリンダ56又
は58の圧力を保持する場合には、油圧制御バルブ10
2又は104が全閉となるように油圧制御バルブ102
又は104への供給電流を制御すると共に、電磁開閉弁
106又は108のソレノイドを非励磁状態とする。こ
れにより、ホイールシリンダ56又は58でのブレーキ
フルードの流入・流出が遮断され、これらのホイールシ
リンダ圧が保持される。
【0029】上記した、ホイールシリンダ56、58の
増圧、減圧、及び圧力保持はそれぞれ独立に実行するこ
とができる。従って、ホイールシリンダ56、58の圧
力をそれぞれ独立に制御することができる。制御ブレー
キ時にホイールシリンダ64又は66を増圧させる場合
には、電磁開閉弁68又は70、及び電磁開閉弁76又
は78のソレノイドを非励磁とすると共に、ホイールシ
リンダ64又は66が目標圧に増圧されるように油圧制
御バルブ44への供給電流を制御する。
【0030】制御ブレーキ時にホイールシリンダ64又
は66を減圧させる場合には、電磁開閉弁68又は70
のソレノイドを励磁すると共に、電磁開閉弁76又は7
8のソレノイドを励磁する。これにより、ホイールシリ
ンダ64又は66のブレーキフルードがリザーバ24へ
流出されて、ホイールシリンダ64又は66は減圧され
る。
【0031】制御ブレーキ時にホイールシリンダ64又
は66の圧力を保持する場合には、電磁開閉弁68又は
70、及び電磁開閉弁76又は78を励磁状態とする。
これにより、ホイールシリンダ64又は66でのブレー
キフルードの流入・流出が遮断され、それぞれのホイー
ルシリンダ圧は保持される。
【0032】上記したホイールシリンダ64、66の増
圧、減圧、及び圧力保持はそれぞれ独立に実行すること
ができる。すなわち、一方のホイールシリンダ圧を保持
した状態で、他方のホイールシリンダを増圧又は減圧さ
せることで、ホイールシリンダ64、66の圧力を互い
に独立に制御することができる。
【0033】なお、上記実施例においては、ホイールシ
リンダ64、66を減圧させる場合、ホイールシリンダ
のブレーキフルードを電磁開閉弁76又は78を介して
リザーバ24に流出させているため、ホイールシリンダ
圧が目標値となるように制御することはできない。しか
し、ホイールシリンダ64、66の圧力を測定する圧力
計を設け、これら圧力計による測定値に基づいて電磁開
閉弁76、78の開閉状態を制御することにより、減圧
時においてもホイールシリンダ64、66の圧力を目標
圧に一致するように制御することができる。
【0034】上述の如く、液圧ブレーキ装置100によ
れば、後輪についても前輪と同様に左右輪のホイールシ
リンダ圧を独立に制御することができる。このため、V
SC、TRC等の制御ブレーキの制御性能を向上させる
ことができる。また、後輪の左右輪のホイールシリンダ
圧を独立に制御できることで、上記液圧ブレーキ装置1
0と同様に4WD走行時において片輪の空転に起因する
車両の立ち往生を防止する効果を得ることができる。
【0035】また、本実施例の油圧制御バルブ102、
104、110は2つのポートを有する2方弁であるた
め、3つのポートを有する3方弁である前記第1の実施
例の油圧制御バルブ34、40、44に比して簡単な構
造を有しており、液圧ブレーキ装置100の低コスト化
が可能とされている。
【0036】なお、上記第2の実施例においては、油圧
制御バルブ110が上記した比例制御弁に、電磁開閉弁
68及び70が上記した第1の開閉手段に、電磁開閉弁
76及び78が上記した第2の開閉手段に、それぞれ相
当している。次に、図3を参照して本発明の第3の実施
例を説明する。図3は、本発明の第3の実施例である液
圧ブレーキ装置200のシステム構成図を示す。なお、
図3において、図1の液圧ブレーキ装置10と同一の構
成部分については同一の符号を付してその説明を省略す
る。
【0037】マスタシリンダ11の一方の加圧室には、
油圧制御バルブ220、222のパイロット圧ポート2
20a、222aに至る通路210、212に分岐され
るマスタシリンダ通路211が接続されている。マスタ
シリンダ通路211には圧力計213が設けられてい
る。油圧制御バルブ220、222のパイロット圧ポー
ト側と制御液圧ポート側との間には、それぞれ制御液圧
ポート側からパイロット圧ポート側へ向かう方向の流れ
のみを許容するチェックバルブ224、226が設けら
れている。油圧制御バルブ220、222の制御液圧ポ
ート220c、222cには、それぞれ、ホイールシリ
ンダ56、58へ至るホイールシリンダ通路228、2
30が接続されている。ホイールシリンダ通路228、
230には、それぞれリザーバ232へ至るリリーフ通
路234、236が分岐されている。リリーフ通路23
4、236にはそれぞれ常閉の電磁開閉弁238、24
0が配設されている。リザーバ232にはポンプ242
の吸入口へ至るポンプ通路243が接続されている。ポ
ンプ242の吐出口は再生通路244を介してマスタシ
リンダ通路211に接続されている。ポンプ通路243
にはリザーバ232からポンプ242へ向かう方向の流
れのみを許容するチェックバルブ245が配設されてい
る。また、再生通路244にはポンプ242からマスタ
シリンダ11へ向かう方向の流れのみを許容するチェッ
クバルブ246が配設されている。
【0038】マスタシリンダ11の他方の加圧室には油
圧制御バルブ248のパイロット圧ポート248aに至
るマスタシリンダ通路250が接続されている。油圧制
御バルブ248のパイロット圧ポート側と制御液圧ポー
ト側との間には、制御液圧ポート側からパイロット圧ポ
ート側への流れのみを許容するチェックバルブ252が
配設されている。油圧制御バルブ248の制御液圧ポー
ト248cには通路262が接続されている。通路26
2は、ホイールシリンダ64、66に至るホイールシリ
ンダ通路254、256と、ポンプ258の吐出口に至
る再生通路260とに分岐されている。ホイールシリン
ダ通路254、256にはそれぞれ、常開の電磁開閉弁
264、266が配設されている。ホイールシリンダ通
路254、256の、それぞれ電磁開閉弁264、26
6とホイールシリンダ64、66との間の部位には、リ
ザーバ268へ至るリリーフ通路270、272が分岐
されている。リリーフ通路270、272にはそれぞ
れ、常閉の電磁開閉弁274、276が配設されてい
る。リザーバ268にはポンプ258の吸入口に至るポ
ンプ通路278が接続されている。ポンプ通路278に
はリザーバ268からポンプ258へ向かう方向の流れ
のみを許容するチェックバルブ280が配設されてい
る。また、再生通路260にはポンプ258から油圧制
御バルブ248へ向かう方向の流れのみを許容するチェ
ックバルブ282が配設されている。
【0039】本実施例の油圧制御バルブ220、22
2、248は、外部から付与される制御電流の大きさに
応じた比率で、パイロット圧ポートに付与された圧力を
減圧して制御液圧ポートに出力する機能を有している。
ただし、制御液圧ポートの圧力を低下させる機能は有し
ていない。かかる機能を有する油圧制御バルブを以下、
タイプIII の油圧制御バルブと称す。タイプIII の油圧
制御バルブの構成例については後述する。
【0040】上記した、油圧制御バルブ220、22
2、248、及び電磁開閉弁238、240、264、
266、274、276は図示しないECUにより制御
される。液圧ブレーキ装置200はマスタシリンダ圧に
応じた圧をホイールシリンダに付与する通常ブレーキ状
態、及び、ECUからの指令に基づいてマスタシリンダ
圧を減圧してホイールシリンダ圧に付与する制御ブレー
キ状態で動作する。
【0041】ECUは通常ブレーキ時には、電磁開閉弁
238、240、264、266、274のソレノイド
を非励磁状態とする。かかる状態では、ブレーキペダル
12が踏み込まれてマスタシリンダ圧が増加されると、
ホイールシリンダ56、58へはそれぞれ、油圧制御バ
ルブ220、222により比例減圧されたマスタシリン
ダ圧が付与される。また、ホイールシリンダ64、66
へは、油圧制御バルブ248により減圧されたマスタシ
リンダ圧が、それぞれ電磁開閉弁264、266を介し
て付与される。ブレーキペダル12が戻されてマスタシ
リンダ圧が減少した場合には、ホイールシリンダ圧はマ
スタシリンダ圧に比して高い状態となる。このため、ホ
イールシリンダ56〜66の圧力がマスタシリンダ圧に
一致するまで、ホイールシリンダ56、58のブレーキ
フルードはそれぞれ、チェックバルブ224、226を
介してマスタシリンダ11に流出し、また、ホイールシ
リンダ64、66のブレーキフルードはチェックバルブ
252を介して、それぞれマスタシリンダ11に流出す
る。
【0042】制御ブレーキ時にホイールシリンダ56又
は58を増圧させる場合には、電磁開閉弁238、24
0のソレノイドを非励磁状態とし、ホイールシリンダ5
6又は58にマスタシリンダ圧が所要の比率で減圧され
て付与されるように、油圧制御バルブ220又は222
への供給電流を制御する。
【0043】制御ブレーキ時にホイールシリンダ56又
は58を減圧させる場合は、油圧制御バルブ220又は
222が全閉状態となるように、油圧制御バルブ220
又は222への供給電流を制御すると共に、電磁開閉弁
238又は240のソレノイドを励磁する。これによ
り、ホイールシリンダ56又は58のブレーキフルード
はリザーバ232に流出され、ホイールシリンダ56又
は58が減圧される。
【0044】上述の如く、制御ブレーキ時におけるホイ
ールシリンダ56、58の減圧時にはホイールシリンダ
56、58のブレーキフルードは、それぞれ、リザーバ
232に流出される。そして、次回のホイールシリンダ
増圧時には、ブレーキフルードはポンプ242によりリ
ザーバ232から油圧制御バルブ220、222のパイ
ロット圧ポート220a、222aに供給される。ポン
プ242の吐出がリザーバ24ではなく、マスタシリン
ダ通路211にされることにより、マスタシリンダ11
内のブレーキフルードがリザーバ24に流出し続けて、
マスタシリンダ11内のブレーキフルード量が減少され
ることが防止されている。
【0045】また、制御ブレーキ時にホイールシリンダ
64又は66を増圧させる場合には、電磁開閉弁264
又は266、及び電磁開閉弁274又は276のソレノ
イドを非励磁状態とすると共に、マスタシリンダ圧が所
要の比率で減圧されてホイールシリンダ64又は66に
付与されるように油圧制御バルブ248への供給電流を
制御する。
【0046】制御ブレーキ時にホイールシリンダ64又
は66を減圧させる場合には、電磁開閉弁264又は2
66のソレノイドを励磁すると共に、電磁開閉弁274
又は276のソレノイドを励磁する。これにより、ホイ
ールシリンダ64又は66のブレーキフルードがリザー
バ268へ流出してホイールシリンダ64又は66が減
圧される。
【0047】制御ブレーキ時にホイールシリンダ64又
は66の圧力を保持する場合には、電磁開閉弁264又
は266を励磁し、電磁開閉弁274又は276を非励
磁とする。これにより、ホイールシリンダ64又は66
でのブレーキフルードの流入・流出が遮断され、それぞ
れのホイールシリンダ圧が保持される。
【0048】上記したホイールシリンダ64、66の増
圧、減圧、及び圧力保持はそれぞれ独立に実行すること
ができる。すなわち、一方のホイールシリンダ圧を保持
した状態で、他方のホイールシリンダを増圧又は減圧さ
せることで、ホイールシリンダ64、66の圧力を互い
に独立に制御することができる。
【0049】上記した液圧ブレーキ装置200によれ
ば、後輪についても前輪と同様に左右輪のホイールシリ
ンダ圧を独立に制御することができる。また、ABS制
御時のホイールシリンダ増圧時に、油圧制御バルブ22
0、222、248によりホイールシリンダ圧を連続的
に上昇させることができるため、電磁開閉弁264、2
66、274、276の切替えが不要とされている。こ
れにより、ABS制御時の液圧ブレーキ装置200の動
作音が低減されている。
【0050】また、通常ブレーキ時には、マスタシリン
ダ圧が油圧制御バルブを介してホイールシリンダと直結
される構成であるため、ポンプが失陥した際にも、マス
タシリンダ圧をホイールシリンダに付与することができ
る。これにより、液圧ブレーキ装置200の信頼性が向
上されている。
【0051】また、本実施例の油圧制御バルブ220、
222、248は第2の実施例の油圧制御バルブと同様
に第1の実施例の油圧制御バルブ34、40、44に比
して簡単な構造を有しており、液圧ブレーキ装置200
の低コスト化が可能とされている。
【0052】なお、上記第3の実施例においては、油圧
制御バルブ248が請求項2記載の比例減圧弁に、電磁
開閉弁264及び266が上記した第1の開閉手段に、
電磁開閉弁270及び272が上記した第2の開閉手段
に、それぞれ相当している。次に、図4を参照して本発
明の第4の実施例を説明する。図4は、本発明の第4の
実施例である液圧ブレーキ装置300のシステム構成図
を示す。なお、図4において、図1の液圧ブレーキ装置
10と同一の構成部分については同一の符号を付してそ
の説明を省略する。
【0053】マスタシリンダ11の一方の加圧室にはマ
スタシリンダ通路311が接続されている。マスタシリ
ンダ通路311には圧力計313が配設されている。マ
スタシリンダ通路311はホイールシリンダ56、58
に至るホイールシリンダ通路310、312に分岐され
ている。ホイールシリンダ通路310、312にはそれ
ぞれ常開の電磁開閉弁314、316が配設されてい
る。ホイールシリンダ通路310及び312の、それぞ
れ、電磁開閉弁314とホイールシリンダ56との間の
部位、及び、電磁開閉弁316とホイールシリンダ58
との間の部位には、それぞれ油圧制御バルブ320、3
22の入口ポート320a、322aに至るリリーフ通
路324、326が分岐されている。また、ホイールシ
リンダ通路310、312のそれぞれリリーフ通路32
4、326の分岐部位とホイールシリンダ56、58と
の間の部位にはそれぞれ圧力計57、59が配設されて
いる。油圧制御バルブ320、322の出口ポート32
0c、322cはそれぞれリザーバ328に至るリザー
バ通路327が接続されている。リザーバ328にはポ
ンプ330の吸入口に至るポンプ通路332が接続され
ている。ポンプ330の吐出口には、ホイールシリンダ
通路310、312の電磁開閉弁314、316よりも
マスタシリンダ側の部位と連通する再生通路333が接
続されている。ポンプ通路332にはリザーバ328か
らポンプ330へ向かう方向の流れのみを許容するチェ
ックバルブ334が配設されている。また、再生通路3
33にはポンプ330からホイールシリンダ通路31
0、312へ向かう方向の流れのみを許容するチェック
バルブ335が配設されている。
【0054】マスタシリンダ11の他方の加圧室にはマ
スタシリンダ通路336が接続されている。マスタシリ
ンダ通路336は、ホイールシリンダ64に至るホイー
ルシリンダ通路338とホイールシリンダ66に至るホ
イールシリンダ通路340とに分岐されている。マスタ
シリンダ通路336には常開の電磁開閉弁342が配設
されている。また、ホイールシリンダ通路338、34
0にはそれぞれ、常開の電磁開閉弁344、346が配
設されている。ホイールシリンダ通路338及び340
のそれぞれ電磁開閉弁344とホイールシリンダ64と
の間の部位、及び、電磁開閉弁346とホイールシリン
ダ66との間の部位には、リザーバ348に至るリザー
バ通路350及び352がそれぞれ分岐されている。ホ
イールシリンダ通路338、340のそれぞれリザーバ
通路350、352分岐部位とホイールシリンダ64、
66との間の部位には、それぞれ圧力計65、67が配
設されている。
【0055】リザーバ通路350、352にはそれぞ
れ、常閉の電磁開閉弁351、353が配設されてい
る。リザーバ348には、ポンプ354の吸入口に至る
ポンプ通路355が接続されている。ポンプ通路355
にはリザーバ348からポンプ354に向かう方向の流
れのみを許容するチェックバルブ356が配設されてい
る。ポンプ354の吐出口には、ホイールシリンダ通路
338、340のそれぞれ電磁開閉弁344、346よ
りマスタシリンダ11側の部位と連通する再生通路35
7が接続されている。再生通路357にはポンプ350
からマスタシリンダ11へ向かう方向の流れのみを許容
するチェックバルブ358が配設されている。また、リ
ザーバ348には油圧制御バルブ360の出口ポート3
60cに至るリザーバ通路362が接続されている。油
圧制御バルブ360の入口ポート360aはホイールシ
リンダ通路338、340の電磁開閉弁344、346
よりもマスタシリンダ11側の部位と連通する再生通路
364が接続されている。
【0056】本実施例の油圧制御バルブ320、32
2、360は、外部より付与される電流の大きさに応じ
て、入口ポートに出力される圧力を連続的に減少させる
機能を有している。かかる機能を有する油圧制御バルブ
を以下、タイプIVの油圧制御バルブと称す。タイプIVの
油圧制御バルブの構成例については後述する。
【0057】上記した、油圧制御バルブ320、32
2、360は図示しないECUにより制御される。液圧
ブレーキ装置300はマスタシリンダ圧に応じた圧力を
ホイールシリンダに付与する通常ブレーキ状態、及び、
ECUからの指令に基づいてホイールシリンダ圧を制御
する制御ブレーキ状態で動作する。
【0058】通常ブレーキ時には、ECUは電磁開閉弁
314、316、342、344、346、350、3
52のソレノイドを非励磁状態とし、かつ、油圧制御バ
ルブ320、322、360が全閉状態となるように、
これらバルブへの制御電流を設定する。かかる状態にお
いては、マスタシリンダ10とホイールシリンダ56、
58、64、66とがそれぞれ連通し、ブレーキペダル
12の踏み込み量に応じて発生されるマスタシリンダ圧
が各ホイールシリンダに付与される通常ブレーキが実現
される。
【0059】制御ブレーキ時にホイールシリンダ56又
は58を増圧させる場合には、電磁開閉弁314又は3
16のソレノイドを非励磁とした状態で、油圧制御バル
ブ320又は322が全閉状態となるように油圧制御バ
ルブ320又は322への供給電流を制御すると共に、
ポンプ330を起動して、ホイールシリンダ56、58
にリザーバ328内のブレーキフルードを圧送する。そ
して、圧力計57又は58により測定されるホイールシ
リンダ圧が目標値に達したら電磁開閉弁314又は31
6のソレノイドを励磁状態として、ホイールシリンダ5
6又は58の増圧を停止する。
【0060】制御ブレーキ時にホイールシリンダ56又
は58を減圧させる場合には、電磁開閉弁314又は3
16のソレノイドを励磁した状態で、ホイールシリンダ
圧が目標値となるように油圧制御バルブ320又は32
2への供給電流を制御する。制御ブレーキ時にホイール
シリンダ56又は58の圧力を保持する場合には、電磁
開閉弁314又は316のソレノイドを励磁した状態で
油圧制御バルブ320又は322が全閉となるように油
圧制御バルブ320又は322への供給電流を制御す
る。
【0061】上述した、ホイールシリンダ56、58の
増圧、減圧、及び圧力の保持は、それぞれ独立に実行す
ることができる。従って、ホイールシリンダ56、58
の圧力をそれぞれ独立に制御することができる。制御ブ
レーキ時にホイールシリンダ64又は66を増圧させる
場合には、電磁開閉弁344、351、又は346、3
53のソレノイドを非励磁状態とし、かつ、油圧制御バ
ルブ360を全閉状態として、ポンプ354を起動す
る。これにより、ブレーキフルードはリザーバ348か
らホイールシリンダ64又は66に圧送され、ホイール
シリンダ64又は66が増加される。なおこのとき、電
磁開閉弁342を非励磁状態とすることでマスタシリン
ダ11とポンプ354の双方による増圧が可能であり、
電磁開閉弁342を励磁状態とすることでポンプ354
のみによる増圧が可能である。
【0062】制御ブレーキ時にホイールシリンダ64又
は66を減圧させる場合には、電磁開閉弁344、35
1、又は346、353のソレノイドを非励磁とした状
態で、ホイールシリンダ圧が目標圧まで減少されるよう
に油圧制御バルブ360への供給電流を制御する。この
場合、電磁開閉弁342が開状態であると、マスタシリ
ンダ11が昇圧されている場合にはマスタシリンダ11
内のブレーキフルードは電磁開閉弁342及び油圧制御
バルブ360を経由してリザーバ348に流出する。か
かるブレーキフルードの流出を防止するため、油圧制御
バルブ360が全閉状態でない場合には、電磁開閉弁3
42のソレノイドを励磁して電磁開閉弁342を閉状態
とする。ABS制御時の如くホイールシリンダ圧を速や
かに減少させる場合には、電磁開閉弁344又は346
及び電磁開閉弁351又は353を励磁して、ホイール
シリンダ64又は66のブレーキフルードをリザーバ3
48に流出させる。
【0063】制御ブレーキ時にホイールシリンダ64又
は66の圧力を保持する場合には、電磁開閉弁344又
は346のソレノイドを励磁状態とし、かつ、電磁開閉
弁351又は353のソレノイドを非励磁状態とする。
これにより、ホイールシリンダ64、66でのブレーキ
フルードの流入・流出が遮断される。さらに他方のホイ
ールシリンダの圧力が目標圧に達した時点で、そのホイ
ールシリンダに対応する電磁開閉弁344あるいは34
6のソレノイドを非励磁状態とする。これにより、ホイ
ールシリンダ64、66の圧力はそれぞれ目標圧に設定
される。
【0064】上述したホイールシリンダ64及び66の
増圧、減圧、及び圧力保持は、それぞれ独立に実行する
ことができる。従って、液圧ブレーキ装置300によれ
ば、後輪の左右輪それぞれのホイールシリンダ圧を独立
に制御することができる。また、制御ブレーキ時に電磁
開閉弁351又は353が失陥して、電磁開閉弁351
又は353によるホイールシリンダ64又は66の減圧
を行なえなくなった場合にも、電磁開閉弁344又は3
46のソレノイドを非励磁状態として、ホイールシリン
ダ64又は66と油圧制御バルブ360とを連通させる
ことにより、油圧制御バルブ360によってホイールシ
リンダ64又は66を減圧させることができる。これに
より、液圧ブレーキ装置300の信頼性が向上されてい
る。
【0065】また、本実施例の油圧制御バルブ320、
322、360は2つのポートを有する2方弁であるた
め、3つのポートを有する3方弁である前記第1の実施
例の油圧制御バルブ34、40、44に比して簡単な構
造を有しており、液圧ブレーキ装置300の低コスト化
が可能とされている。
【0066】なお、上記第4の実施例においては、油圧
制御バルブ360が上記した比例制御弁に、電磁開閉弁
344及び346が上記した第1の開閉手段に、電磁開
閉弁351及び353が上記した第2の開閉手段に、そ
れぞれ相当している。なお、上記第1〜第4の実施例に
おいて、それぞれ互いに等しいタイプに属する油圧制御
バルブを用いている。しかし、本発明はこれに限定され
るものではなく、各タイプの油圧制御バルブを表1に示
す如く組み合わせて用いることもできる。この場合、表
1における、組み合わせ1、6、11、及び16が、そ
れぞれ上記第1、第2、第3、及び第4の実施例に対応
している。
【0067】
【表1】
【0068】次に、上記第1〜第4の実施例の液圧ブレ
ーキ装置で用いられるタイプI〜IVの油圧制御バルブの
構成例について説明する。図5に、タイプIの油圧制御
バルブの第1の例である油圧制御バルブ500の構成図
を示す。油圧制御バルブ500はハウジング510、ス
プール512、及び、リニアソレノイド514を備えて
いる。ハウジング510にはその内部にシリンダ部51
6が設けられている。シリンダ部516はその左端部の
小径部517、右端部の小径部518、及び中間部の大
径部519を備えている。シリンダ部516の大径部5
19の内周面には環状の突起部522、524が設けら
れている。シリンダ部516の内周面の小径部517と
突起部522との間の部位には低圧ポート526が開口
している。また、シリンダ部516の内周面の小径部5
18と突起部524との間の部位には高圧ポート528
が開口している。更に、シリンダ部516の内周面の突
起部522と突起部524との間の、低圧ポート526
及び高圧ポート528の開口部と径方向に対向する部位
には、制御液圧ポート529が開口している。シリンダ
部516の小径部517の内周面の図5中左端部、及び
右端部には、それぞれ、リザーバポート530、531
が開口している。
【0069】ハウジング510の内部のシリンダ部51
6の図5中右側の部位には反力室532が設けられてい
る。反力室532とシリンダ部516とは貫通孔533
を介して連通している。貫通孔533には反力ピン53
4が摺動可能に嵌挿されている。反力室532と制御液
圧ポート529とはフィードバック通路535を介して
連通している。
【0070】スプール512は略円筒状の部材である。
スプール512には大径部536、537、538、5
39がそれぞれ小径部540、541、542を隔てて
設けられている。スプール512はハウジング510の
シリンダ部516の内部に、スプール512の大径部5
36〜539と、シリンダ部516の小径部517、5
18及び突起部522、524とが液密かつ摺動可能に
係合するように配設されている。図5に示す如く、スプ
ール512がシリンダ部516内の左方に位置する場合
には、シリンダ部516の突起部522とスプール51
2の小径部541とが対向することにより、低圧ポート
526と制御液圧ポート529とが連通すると共に、シ
リンダ部516の突起部524とスプール512の大径
部538とが係合することにより高圧ポート528と制
御液圧ポート529との間が遮断されている。
【0071】ハウジング510の図5中左端部にはリニ
アソレノイド514が設けられている。リニアソレノイ
ド514は、その内部に備えるコイル546に供給され
る電流に応じた力で、プランジャ548を図5中右方へ
向けて押圧する。かかる押圧力はロッド550を介して
スプール512を図5中右方へ向けて押圧する力として
作用する。低圧ポート526にはリザーバ等の低圧源、
高圧ポート528にはポンプ等の高圧源がそれぞれ接続
される。
【0072】上述した油圧制御バルブ500の構成によ
れば、リニアソレノイド514のコイル546に通電さ
れない状態では、上述の如く低圧ポート526と制御液
圧ポート529とが連通する。このため、制御液圧ポー
ト529には低圧ポート526に付与される圧力に等し
い圧力が出力される。
【0073】リニアソレノイド514のコイル546に
通電されると、上述の如くスプール512はロッド55
0により図5中右方へ向けて押圧される。このため、ス
プール512は図5中右方へ移動し、シリンダ部516
の突起部522とスプール512の大径部537とが係
合することにより低圧ポート526と制御液圧ポート5
29との間が遮断される一方、シリンダ部516の突起
部524とスプール512の小径部541とが対向する
ことにより高圧ポート528と制御液圧ポート529と
が連通される状態となる。このため、制御液圧ポート5
29の圧力は上昇される。制御液圧ポート529の圧力
はフィードバック通路535を介して反力ピン534へ
の押圧力として作用する。かかる押圧力により、反力ピ
ン534はスプール512を図5中左方へ向けて押圧す
る。このため、スプール512はロッド550による図
5における右方向への押圧力と反力ピン534による左
方向への押圧力とが釣り合った時、制御液圧ポート52
9が、低圧ポート526及び高圧ポート528のいずれ
とも遮断された位置に静止する。
【0074】リニアソレノイド514が発揮する押圧力
をF、制御液圧ポート529の圧力をP、反力ピン53
4の断面積をApとすると、スプール512に作用する
軸方向の力の釣合いより(1)式が成立する。 F=P×Ap (1) (1)式より、(2)式が得られる。
【0075】 P=F/Ap (2) (2)式に示す如く、リニアソレノイドの発揮する力
F、すなわち、コイル546に供給する電流を制御する
ことにより、制御液圧ポート529の圧力Pを制御する
ことができる。
【0076】次に、図6に、タイプIの油圧制御バルブ
の第2の例である油圧制御バルブ550の構成図を示
す。油圧制御バルブ550は上記した油圧制御バルブ5
00の反力室532、貫通孔533、反力ピン534、
及びフィードバック通路535を廃止した構成を有して
いる。ハウジング560内部のシリンダ部566に設け
られた一方の環状突起574の内径は他方の環状突起5
72の内径に比して大きくされている。これに応じて、
スプール562の図6における右側から2番目の大径部
588の外径が、その他の大径部586、587、58
9に比して小さく設けられている。大径部586、58
7、588、589はそれぞれ、小径部590、59
1、592を隔てて設けられている。また、ハウジング
560はハウジング510に対して反力室532、貫通
孔533、反力ピン534、及びフィードバック通路5
35が省かれている。その他の構成は図5に示す油圧制
御バルブ500の構成と同様であり、同様の構成部分に
は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0077】上述した油圧制御バルブ550の構成によ
れば、リニアソレノイド514のコイル546に通電さ
れない状態では、上述の如く低圧ポート526と制御液
圧ポート529とが連通する。このため、制御液圧ポー
ト529には低圧ポート526に付与される圧力に等し
い圧力が出力される。
【0078】リニアソレノイド514のコイル546に
通電されると、スプール562はロッド550により図
6中右方へ向けて押圧される。このため、スプール56
2は図6中右方へ変位して、シリンダ部566の突起部
572とスプール562の大径部587とが係合するこ
とにより低圧ポート526と制御液圧ポート529との
間が遮断される一方、シリンダ部566の突起部574
とスプール562の小径部591とが対向することによ
り高圧ポート528と制御液圧ポート529とが連通さ
れる状態となる。このため、制御液圧ポート529の圧
力は上昇される。この場合、制御液圧ポート529の圧
力をPとすると、スプール562の大径部587と大径
部588との間の圧力もPとなる。大径部587の径を
A1、大径部588の径をA2とすると、上述の如くA
1>A2であるから、上述の圧力Pに起因して、スプー
ル562には図6中左方に向けてP(A1−A2)なる
力が作用する。このため、スプール562は、ロッド5
50による図6における右方向への押圧力と上述の圧力
Pに起因する左方向への押圧力とが釣り合った時、制御
液圧ポート529が、低圧ポート526及び高圧ポート
528のいずれとも遮断された位置に静止する。
【0079】リニアソレノイド514が発揮する力をF
とすると、スプール562に作用する軸方向の力の釣合
いにより(3)式が成立する。 F=P×(A1−A2) (3) (3)式より、(4)式が得られる。
【0080】 P=F/(A1−A2) (4) (4)式に示す如く、リニアソレノイドの発揮する力
F、すなわち、コイル546に供給する電流を制御する
ことにより、制御液圧ポート529の圧力Pを制御する
ことができる。
【0081】次に、図7にタイプIの油圧制御バルブの
第3の例である油圧制御バルブ600の構成図を示す。
図7に示す油圧制御バルブ600は、図5に示す油圧制
御バルブ500の反力室532、貫通孔533、反力ピ
ン534、及びフィードバック通路535が廃止され、
かつ、図7中右端部に第2のリニアソレノイド614を
備えた構成を有している。リニアソレノイド614はコ
イル646及びプランジャ648から構成されている。
プランジャ648にはロッド650が固定されている。
ロッド650はその先端がシリンダ部516に進入して
スプール512の図7中右端面に当接している。また、
制御液圧ポートには圧力計660が設けられている。そ
の他の構成は、図5の油圧制御バルブ500と同様であ
り、同一の構成部分に同一の符号を付してその説明を省
略する。
【0082】リニアソレノイド514、614それぞれ
のコイル546、646に通電されない状態では、スプ
ール512は図7に示す如くシリンダ部516内部の図
7中左方に位置し、低圧ポート526と制御液圧ポート
529とが連通している。このため、制御液圧ポート5
29には低圧ポート526に付与される圧力に等しい圧
力が出力される。
【0083】リニアソレノイド514のコイル546に
通電されると、上述の如くスプール512はロッド55
0により図7中右方へ向けて押圧される。このため、ス
プール512は図7中右方へ移動する。この場合、突起
部522とスプール512の大径部537とが係合する
ことにより低圧ポート526と制御液圧ポート529と
の間が遮断される一方、突起部524とスプール512
の小径部541とが対向することにより高圧ポート52
8と制御液圧ポート529とが連通される。このため、
制御液圧ポート529の圧力は増加される。一方、リニ
アソレノイド614のコイル646に通電されると、ス
プール512はロッド650により図7中へ向けて押圧
される。このため、スプール512は図7中左方向へ変
位する。この場合、突起部524とスプール512の大
径部538とが係合することにより高圧ポート528と
制御液圧ポート530との間が遮断される一方、突起部
522とスプール512の小径部541とが対向するこ
とにより低圧ポート528と制御液圧ポート529とが
連通される。このため、制御液圧ポート529の圧力は
減少される。従って、圧力計660により測定された制
御液圧ポート529の圧力が、目標とする制御液圧ポー
トの圧力に一致するように、リニアソレノイド614の
コイル646へ供給する電流を制御することにより、制
御液圧ポート529の圧力を制御することができる。
【0084】次に、図8にタイプIの油圧制御バルブの
第4の例である油圧制御バルブ650の構成図を示す。
図8に示す油圧制御バルブ650は、図5に示す油圧制
御バルブ500において、リニアソレノイド514の代
わりにフォースモータ664を備えた構成を有してい
る。その他の構成は図5の油圧制御バルブ500と同様
であり、同一の構成部分に同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0085】フォースモータ664はその内部に備える
マグネット668の磁力とコイル666に供給される電
流に応じた力で移動子669を図8中右方へ向けて押圧
する。かかる押圧力はロッド670を介して、スプール
512を図8中右方へ向けて押圧する力として作用す
る。油圧制御バルブ650の動作・機能は図5に示す油
圧制御バルブ500の動作・機能と全く同様であるた
め、その説明を省略する。
【0086】次に、図9にタイプIの油圧制御バルブの
第5の例である油圧制御バルブ700の構成図を示す。
図9に示す油圧制御バルブ700は、図5に示す油圧制
御バルブの反力室532、貫通孔533、反力ピン53
4、フイードバック通路535、リザーバポート53
0、531を廃止し、シリンダ部の図9中右端部と制御
液圧ポート529とを、及びシリンダ部の図9中左端部
と制御液圧ポート529とを、それぞれ連通するフィー
ドバック通路765、767を備えた構成を有してい
る。また、油圧制御バルブ700のスプール712は、
図5に示す油圧制御バルブ500のスプール512と同
様に4つの大径部を備えているが、一端(図9中右端)
側の大径部739の径が、他の大径部736〜738に
比して大きく設けられている。これに応じて、シリンダ
部の図9中右端側の小径部717の径は図9中左端側の
小径部718に比して大きく設けられている。
【0087】かかる油圧制御バルブ700の構成によれ
ば、リニアソレノイド514のコイル546に通電され
ない状態では、低圧ポート526と制御液圧ポート52
9とが連通する。このため、制御液圧ポート529には
低圧ポート526に付与される圧力に等しい圧力が出力
される。
【0088】リニアソレノイド514のコイル546に
通電されると、スプール712はロッド550により図
9中右方へ向けて押圧される。このため、スプール71
2は図6中右方へ変位する。この場合、突起部522と
スプール712の大径部737とが係合することにより
低圧ポート526と制御液圧ポート529との間が遮断
される一方、突起部524とスプール712の小径部7
41とが対向することにより高圧ポート528と制御液
圧ポート529とが連通される。このため、制御液圧ポ
ート529の圧力は上昇される。この場合、シリンダ部
716内のスプール712の両端部にはフィードバック
通路765、767を介して制御液圧ポート529の圧
力Pが作用する。スプール712の図9中左端部の断面
積をS1、図9中右端部の断面積をS2とすると、上述
の如く、S2>S1であるから、上述したシリンダ部7
16内のスプール712両端側での圧力Pに起因して、
スプール712には図9中左方向に向けてP(S2−S
1)なる力が作用する。このため、スプール712は、
ロッド550による図9における右方向への押圧力と上
述の圧力Pに起因する左方向への押圧力とが釣り合った
時、制御液圧ポート529が、低圧ポート526及び高
圧ポート528のいずれとも遮断された位置に静止す
る。
【0089】リニアソレノイド514が発揮する図9中
右向きの力をFとすると、スプール712に作用する軸
方向の力の釣合いにより(5)式が成立する。 F=P×(S2−S1) (5) (5)式より、(6)式が得られる。
【0090】 P=F/(S2−S1) (6) (6)式に示す如く、リニアソレノイドの発揮する力
F、すなわち、コイル546に供給する電流を制御する
ことにより、制御液圧ポート529の圧力Pを制御する
ことができる。
【0091】次に、図10にタイプIの油圧制御バルブ
の第6の例である油圧制御バルブ750の構成図を示
す。図10に示す油圧制御バルブ750は、図7に示す
油圧制御バルブ600において、リニアソレノイド51
4、614の代わりに、ポペット弁764、766を備
えた構成を有している。図10において図7の油圧制御
バルブ600と同様の構成部分については同一の符号を
付してその説明を省略する。
【0092】ポペット弁764のポペット弁ハウジング
770は両端が球面状に閉塞された円筒状の部材であ
る。ポペット弁ハウジング770の外周にはコイル77
2が配設されている。また、ポペット弁ハウジング77
0の内部にはプランジャ774が配設されている。コイ
ル772とプランジャ774はリニアソレノイド775
を構成しており、コイル770に通電されることによ
り、プランジャ774には図10中左方向の押圧力が作
用する。プランジャ774には、その中心を貫通するロ
ッド776が固定されている。ロッド776の一端(図
10中右端)には弁体778が固定されている。ポペッ
ト弁ハウジング770の弁体778に対向する位置に
は、出口管780の一端(図10中左端)がポペット弁
ハウジング770の内部に突出している。プランジャ7
74がスプリング782により図10中右方向に付勢さ
れることにより、ロッド776は出口管780の端面に
向けて押圧されている。即ち、出口管780の一端面
(図10中左端面)はポペット弁764の弁座として機
能している。出口管780の他端(図10中右端)はハ
ウジング510のシリンダ部516の一端面(図10中
左端面)に開口している。これにより、ポペット弁ハウ
ジング770の内部と、ハウジング510のシリンダ部
516のスプール512の図10中左側の空間(以下、
左側調圧室と称す)593とが連通している。ポペット
弁ハウジング770の側面部に高圧供給管781が開口
している。また、ハウジング510のシリンダ部516
の左側調圧室593には低圧源に接続される絞り管59
4が開口している。
【0093】コイル772に通電されて、リニアソレノ
イド775の発揮する力がスプリング782によるプラ
ンジャ774への付勢力を越えると、弁体778は図1
0中左方向へ移動して、弁体778と出口管780の端
面との間に隙間が生じる。すなわち、ポペット弁764
が開弁状態となる。このため、ポペット弁ハウジング7
70内の高圧液体はかかる隙間を介してハウジング51
0のシリンダ部516の左側調圧室593に流入され、
左側調圧室593の圧力が増加される。ポペット弁76
4の開弁量はコイル772への通電量により制御するこ
とができ、従って、ハウジング510のシリンダ部51
6の左側調圧室593の圧力はコイル772への通電量
により制御することができる。左側調圧室593に流入
した液体は絞り管594を介して低圧源へ排出される。
【0094】図10中右側のポペット弁766の構成・
機能は、向きが図10中において左右逆向きである点を
除いて、ポペット弁764と全く同一である。すなわ
ち、ポペット弁766のコイル790への通電量により
シリンダ部516のスプール512の右側の空間(右側
調圧室)595の圧力を制御することができる。この場
合、右側調圧室595に流入した液体は絞り管596を
介して低圧源に排出される。
【0095】左側調圧室の圧力をP1、右側調圧室の圧
力をP2、スプール512の大径部536〜539の断
面積をAとすると、スプール512に作用する力は右方
向を正としてA(P1−P2)となる。従って、圧力計
660により測定される制御液圧ポート529の圧力と
目標値との偏差に基づいてコイル772及び790への
通電量を制御することにより、図7の油圧制御バルブ6
00の場合と同様の原理で、制御液圧ポート529の圧
力の制御を行なうことができる。
【0096】次に、図11にタイプIの油圧制御バルブ
の第7の例である油圧制御バルブ800の構成図を示
す。図11に示す油圧制御バルブ800は、図5に示す
油圧制御バルブ500の反力室532、反力ピン53
4、フィードバック通路535の代わりに、スプール5
12を図11中左方向へ押圧するスプリング806を備
え、更に、制御液圧ポート529に圧力計808を備え
た構成を有している。図11において、図5の油圧制御
バルブ500と同様の構成部分には同一の符号を付して
その説明を省略する。
【0097】リニアソレノイド514のコイル546に
通電されない状態では、スプール512はスプリング8
06により押圧されて、シリンダ部516内の図11中
左方に位置する。この場合、低圧ポート526と制御液
圧ポート529とが連通するため、制御液圧ポート52
9には低圧ポート526に付与される圧力に等しい圧力
が出力される。
【0098】リニアソレノイド514のコイル546に
通電されると、スプール512はロッド550により図
5中右方へ向けて押圧される。このため、スプール51
2は図11中右方へ移動する。この場合、高圧ポート5
28と制御液圧ポート529とが連通し、制御液圧ポー
ト529の圧力は上昇される。従って、圧力計808に
より測定された制御液圧ポート529の圧力が、目標と
する制御液圧ポートの圧力に一致するように、コイル5
46への通電量を制御することにより、制御液圧ポート
529の圧力を目標圧に一致するように制御することが
できる。
【0099】次に、図12にタイプIの油圧制御バルブ
の第8の例である油圧制御バルブ850の構成図を示
す。図12に示す油圧制御バルブ850は、図11に示
す油圧制御バルブ800において、ソレノイド514の
代わりにステップモータ864及びボールネジ865を
備えた構成を有している。ステップモータ864はコイ
ル866とロータ868とから構成されている。コイル
866への通電によりその励磁状態を制御することによ
り、ロータ868の回転角度を制御することができる。
ロータ868の内周面はボールネジ865のナットとし
て機能しており、ロータ868の回転によりボールネジ
865は図12中左右方向に変位する。ボールネジ86
5の一端(図12中右端)はスプール512の一端面
(図12中左端面)に当接しており、ボールネジ865
の変位量によりスプール512の位置を制御することが
できる。従って、ステップモータ864のロータ868
の回転角度を圧力計808により測定される制御液圧ポ
ート529の圧力に基づいて制御することにより、図1
1の油圧制御バルブ800の場合と同様に、制御液圧ポ
ート529の圧力を目標値に一致するように制御するこ
とができる。
【0100】次に、タイプII〜IVの油圧制御バルブの構
成の例について説明する。なお、タイプII〜IVの油圧制
御バルブは、同一の構成で実現される。図13にタイプ
II〜IVの油圧制御バルブの第1の例である油圧制御バル
ブ900の構成図を示す。油圧制御バルブは図11に示
す油圧制御バルブ800から高圧供給ポート528を廃
止すると共に、低圧供給ポート526を高圧ポート92
6とした構成を有している。更に、スプール912は3
つの大径部936、937、938が、それぞれ小径部
940、941を隔てて設けられている。ハウジング9
10の内部に設けられたシリンダ部916は、図11の
シリンダ部516と同様に、その両端部の小径部91
7、918と中間部の大径部919とを備えている。シ
リンダ部916の大径部919の内周面には、環状の突
起部922が設けられている。シリンダ部916の小径
部917、918及び突起部922は、スプール912
の大径部936、937、938と液密かつ摺動可能に
係合するように設けられている。
【0101】シリンダ部916の内周面の図13中左側
の小径部917と突起部922との間の部位には高圧ポ
ート926が開口している。また、シリンダ部916の
内周面の突起部922と図13中右側の小径部918と
の間の、高圧ポート926と径方向に対向する部位には
制御液圧ポート929が開口している。油圧制御バルブ
900のその他の部分の構成については図11の油圧制
御バルブ800の構成と同じであり、同様の構成部分に
は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0102】油圧制御バルブ900においては、コイル
546が通電されない状態では図13に示す如くスプー
ル912はシリンダ部916の内部の図13中左方に位
置している。この場合、高圧ポート926と制御液圧ポ
ート929とは連通するため、制御液圧ポート929に
は高圧ポート926に付与された圧力がそのまま出力さ
れる。
【0103】コイル546が通電され、スプール912
がロッド550により図13中右方向に押圧されると、
スプール912は図13中右方向へ変位され、高圧ポー
ト926と制御液圧ポート929との間が遮断された状
態となる。かかる状態では、制御液圧ポート929の圧
力は増圧されない。従って、圧力計808により測定さ
れた制御液圧ポート929の圧力に基づいて、コイル5
46への通電量によりスプール912の変位量を制御す
ることによって、制御液圧ポート929を目標値に一致
するように制御することができる。
【0104】油圧制御バルブ900が図2に示す液圧ブ
レーキ装置100の油圧制御バルブ102、104、1
10として用いられる際には、図2に示す圧力計53、
55、67をそれぞれ圧力計808として用いることが
できる。油圧制御バルブ900が図3に示す液圧ブレー
キ装置200の油圧制御バルブ220、222、248
として用いられる際には、高圧ポート926がパイロッ
ト圧ポートとして機能する。また、油圧制御バルブ90
0が図4に示す液圧ブレーキ装置300の油圧制御バル
ブ320、322、360として用いられる際には、制
御液圧ポート929が出口ポートとして機能し、また、
高圧ポート926が入口ポートとして機能する。この場
合、図4に示す圧力計57、59、及び65又は67を
それぞれ圧力計808として用いることができる。
【0105】次に図14にタイプII〜IVの油圧制御バル
ブの第2の例である油圧制御バルブ950の構成図を示
す。油圧制御バルブ950はハウジング952、ニード
ル954、及びソレノイド956から構成されている。
ハウジング952には、その内部に円筒状のシリンダ部
958が設けられている。シリンダ部958の一端面
(図14中左端面)958aは円錐面状に形成されてい
る。端面958aの頂部には高圧ポート960の一端
(図14中右端)が開口している。高圧ポート960の
他端(図14中左端)はハウジング952の一端面(図
14中左端面)に開口している。高圧ポート960はシ
リンダ部958の端面958aに近づくほど、その径が
小さくなるような円錐面状に形成されている。シリンダ
部958の内周面の端面958aの近傍には制御液圧ポ
ート961が開口している。制御液圧ポート961には
圧力計962が配設されている。
【0106】シリンダ部958の内部にはニードル95
4が配設されている。ニードル954は、その一端(図
14中左端)部の針状部954a、中央部のボール部9
54b、及び、他端(図14中右端)部のプランジャ部
954cから構成されている。ニードル954は、針状
部954aが高圧ポート960に進入するように配置さ
れている。シリンダ部958内部の、ニードル954の
ボール部954bとシリンダ部958の図14中右端面
との間にはスプリング963が配設されている。スプリ
ング963はニードル954のボール部954bを図1
4中左方向へ付勢している。これにより、ニードル95
4の針状部954aの側面部は、高圧ポート960の端
面958aへの開口部のエッジに向けて押圧されてい
る。
【0107】ハウジング952の外周部には、ニードル
954のプランジャ部954cを囲むようにコイル96
4が配設されている。コイル964とニードル954の
プランジャ部954cとはリニアソレノイド956を構
成しており、コイル964に通電されることにより、ニ
ードル954には図14中右方向の力が作用する。
【0108】高圧ポート960に高圧が付与された状態
でコイル964が通電されると、ニードル954に作用
する軸方向の力の釣合いより(7)式が成立する。 PH ・A+F=f+P・A (7) ただし、PH は高圧ポート960に付与された圧力、F
はリニアソレノイド956が発生する力、Aはニードル
954の針状部954aの高圧ポート960の開口部と
係合する部位の径、fはスプリング963による付勢
力、Pはシリンダ部958内の圧力、即ち、制御液圧ポ
ート961の圧力である。(7)式より(8)式が得ら
れる。
【0109】 P=PH +(F−f)/A (8) (8)式に示す如く、リニアソレノイド956が発生す
る力により制御液圧ポート961の圧力を制御すること
ができる。従って、圧力計962により測定される制御
液圧ポート961の圧力に基づいてコイル964への通
電量を制御することにより、制御液圧ポート961の圧
力を制御することができる。
【0110】油圧制御バルブ950が図2に示す液圧ブ
レーキ装置100の油圧制御バルブ102、104、1
10として用いられる際には、図2に示す圧力計53、
55、67をそれぞれ圧力計962として用いることが
できる。油圧制御バルブ900が図3に示す液圧ブレー
キ装置200の油圧制御バルブ220、222、248
として用いられる際には、高圧ポート926がパイロッ
ト圧ポートとして機能する。また、油圧制御バルブ90
0が図4に示す液圧ブレーキ装置300の油圧制御バル
ブ320、322、360として用いられる際には、制
御液圧ポート961が出口ポートとして機能し、また、
高圧ポート960が入口ポートとして機能する。この場
合、図4に示す圧力計57、59、及び65又は67を
それぞれ圧力計962として用いることができる。
【0111】次に、図15にタイプII〜IVの油圧制御バ
ルブの第3の例である油圧制御バルブ1000の構成図
を示す。油圧制御バルブ1000は図14に示す油圧制
御バルブ950において、ニードル954の代わりにポ
ペット1054を備えた構成を有している。また、高圧
ポート1060は一様な径を有する円筒状の通路とされ
ている。油圧制御バルブ1000のその他の部分の構成
は油圧制御バルブ950の構成と同様であり、同様の構
成部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0112】ポペット1054は、その一端部(図15
中左端部)にポペット部1054a、中央部に球状部1
054b、他端部(図15中右端部)にプランジャ部1
054cを、それぞれ備えている。スプリング963は
ポペット1054の球状部1054bを図15中左方向
へ付勢している。これにより、ポペット部1054aは
端面958aの高圧ポート1060の開口部周辺に向け
て押圧されている。ポペット部1054aと端面958
aとの接触部の径をAとすると、図14の油圧制御バル
ブ950の場合と同様に(7)、(8)式が成立し、コ
イル964への通電量を制御することにより液圧制御ポ
ート961の圧力を目標値に一致するように制御するこ
とができる。
【0113】油圧制御バルブ1000が図2に示す液圧
ブレーキ装置100の油圧制御バルブ102、104、
110として用いられる際には、図2に示す圧力計5
3、55、67をそれぞれ圧力計962として用いるこ
とができる。油圧制御バルブ000が図3に示す液圧ブ
レーキ装置200の油圧制御バルブ220、222、2
48として用いられる際には、高圧ポート1060がパ
イロット圧ポートとして機能する。また、油圧制御バル
ブ1000が図4に示す液圧ブレーキ装置300の油圧
制御バルブ320、322、360として用いられる際
には、制御液圧ポート961が出口ポートとして機能
し、また、高圧ポート1060が入口ポートとして機能
する。この場合、図4に示す圧力計57、59、及び6
5又は67をそれぞれ圧力計962として用いることが
できる。
【0114】次に図16にタイプII〜IVの油圧制御バル
ブの第4の例である油圧制御バルブ1100の構成図を
示す。油圧制御バルブ1100は図14に示す油圧制御
バルブ950において、ニードル954の代わりにポペ
ット1154を備えた構成を有している。また、図17
に拡大して示す如く、高圧ポート1160は、シリンダ
部958側から順にスリーブ部1160a、通路部11
60b、入口部1160cを備えている。油圧制御バル
ブ1100のその他の部分の構成は油圧制御バルブ95
0の構成と同様であり、同様の構成部分には同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0115】ポペット1154は、その中央部に球状部
1154b、球状部1154bより図16中左側にはポ
ペット部1154a、球状部1154bより図16中右
側にはプランジャ部1154cを、それぞれ備えてい
る。ポペット部1154aは棒状の部位であり、図17
に示す如く、ポペット1154aの先端部には球面状の
ポペット面1154dが形成されている。高圧ポート1
160のスリーブ部1160aの径は通路部1160b
の径に比して大きく設けられており、その接続部には円
錐面状のポペット弁座面1160dが形成されている。
また、スリーブ部1160aの径はポペット1154の
ポペット部1154aの径に比して僅かに大きく設けら
れている。ポペット1154のポペット部1154aは
高圧ポート1160のスリーブ部1160aに進入して
いる。そして、ポペット1154がスプリング963に
より図16、図17中左方向へ付勢されることにより、
ポペット面1154dはポペット弁座面1160dに向
けて押圧されている。ポペット面1154dとポペット
弁座面1160dとの接触部の径をAとすると、図14
の油圧制御バルブ950の場合と同様に(7)、(8)
式が成立し、コイル964への通電量を制御することに
より液圧制御ポート961の圧力を目標値に一致するよ
うに制御することができる。
【0116】油圧制御バルブ1100においては、高圧
ポート1160にスリーブ部1160aを設けることに
より、ポペット1154の変位量に対する開弁量の変化
が緩やかにされている。これにより、油圧制御バルブ1
100の制御液圧ポート961の圧力の制御性が向上さ
れている。
【0117】油圧制御バルブ1100が図2に示す液圧
ブレーキ装置100の油圧制御バルブ102、104、
110として用いられる際には、図2に示す圧力計5
3、55、67をそれぞれ圧力計962として用いるこ
とができる。油圧制御バルブ1100が図3に示す液圧
ブレーキ装置200の油圧制御バルブ220、222、
248として用いられる際には、高圧ポート1160が
パイロット圧ポートとして機能する。また、油圧制御バ
ルブ1100が図4に示す液圧ブレーキ装置300の油
圧制御バルブ320、322、360として用いられる
際には、制御液圧ポート961が出口ポートとして機能
し、また、高圧ポート1160が入口ポートとして機能
する。この場合、図4に示す圧力計57、59、及び6
5又は67をそれぞれ圧力計962として用いることが
できる。
【0118】次に図18にタイプII〜IVの油圧制御バル
ブの第5の例である油圧制御バルブ1200の構成図を
示す。図18において、高圧ポート1210と制御液圧
ポート1212との間は、互いに並列に設けられた通路
1214、1216、1218、1220により接続さ
れている。制御液圧ポート1212には圧力計1213
が配設されている。通路1214〜1220にはそれぞ
れ、常開の電磁開閉弁1222、1224、1226、
1228が配設されている。また、通路1214〜12
20にはそれぞれ、絞り1230、1232、123
4、1236が配設されている。絞り1230〜123
6の絞り径はそれぞれ、0.3φ、0.4φ、0.4
φ、0.5φである。通路1214の電磁開閉弁122
2と絞り1230との間の部位には電磁2位置弁123
8が配設されている。電磁2位置弁1238は、ソレノ
イドが非励磁状態では絞り径が0.1mmの絞り、励磁
状態では開状態となるように切り換えられる。絞り径
0.1mmの絞りを電磁2位置弁1238に設けたの
は、径0.1mmの絞りを単独の部品として形成するの
が困難であるのに対して、チェックバルブを備える2位
置弁には、該チェックバルブの弁座に微小な溝を設ける
ことにより、絞り径0.1mmに相当する絞りを容易に
形成することができるからである。
【0119】かかる構成の油圧制御バルブ1200によ
れば、電磁開閉弁1214〜1228及び電磁2位置弁
1238のソレノイドの励磁状態を切り換えることによ
り、高圧ポート1210と制御液圧ポート1212との
間の絞りの度合いを変化させることができ、これによ
り、制御液圧ポート1212の圧力を制御することがで
きる。
【0120】なお、上記した絞り1230〜1236の
径は一例であり、他の適当な任意の径の組み合わせが可
能である。また、並列に配置される通路1214〜12
20の数を増減することも任意である。油圧制御バルブ
1200が図2に示す液圧ブレーキ装置100の油圧制
御バルブ102、104、110として用いられる際に
は、図2に示す圧力計53、55、67をそれぞれ圧力
計1213として用いることができる。油圧制御バルブ
1200が図3に示す液圧ブレーキ装置200の油圧制
御バルブ220、222、248として用いられる際に
は、高圧ポート1210がパイロット圧ポートとして機
能する。また、油圧制御バルブ1200が図4に示す液
圧ブレーキ装置300の油圧制御バルブ320、32
2、360として用いられる際には、制御液圧ポート1
212が出口ポートとして機能し、また、高圧ポート1
210が入口ポートとして機能する。この場合、図4に
示す圧力計57、59、及び65又は67をそれぞれ圧
力計1213として用いることができる。
【0121】次に、図19及び図20を参照して、タイ
プIIとしてのみ用いられる油圧制御バルブの構成を説明
する。図19はタイプIIの油圧制御バルブ1300の構
成図を示す。図19に示す如く低圧ポート1310と制
御液圧ポート1320との間にポンプ1325が、その
吸入口が低圧ポート1310に、吐出口が制御液圧ポー
トに接続されるように配設されている。ポンプ1325
の吸入口側には高圧ポート1310からポンプ1325
へ向かう方向の流れのみを許容するチェックバルブ13
27が配設されている。ポンプ1325の吐出口側には
ポンプ1325から制御液圧ポート1320へ向かう方
向の流れのみを許容するチェックバルブ1328が配設
されている。また、チェックバルブ1327の低圧ポー
ト1310側の部位と、チェックバルブ1328の制御
液圧ポート1320側の部位との間には可変オリフィス
1330が配設されている。制御液圧ポート1320に
は圧力計1335が配設されている。
【0122】かかる構成によれば、ポンプ1325は低
圧ポート1310に供給されたブレーキフルードを吐出
口側へ汲み上げる。ポンプ1325の吐出口側へ汲み上
げられたブレーキフルードの一部は可変オリフィス13
30を介して低圧ポート1310へ環流される。ポンプ
1325により汲み上げられるブレーキフルードの流量
をQ、可変オリフィス1330を介して環流されるブレ
ーキフルードの流量をQ2とすると、制御液圧ポート1
320から流出されるブレーキフルードの流量Q1は
(Q−Q2)となる。流量Q2の制御は、可変オリフィ
ス1330のソレノイドへの供給電流を制御して、可変
オリフィス1330の開度を調整することにより行なう
ことができる。制御液圧ポート1320の圧力は流量Q
1に応じて変化する。従って、圧力計1335により測
定される制御液圧ポートの圧力に基づいて可変オリフィ
ス1330のソレノイドへの供給電流を制御することに
より、制御液圧ポート1320の圧力を制御することが
できる。油圧制御バルブ1300が図2の油圧制御バル
ブ102、104、110として用いられる場合、油圧
制御バルブ1300は図2に示すポンプ28、アキュム
レータ38、及びチェックバルブ30、36、圧力計3
7を含んだ構成を有しているため、ポンプ28及びアキ
ュムレータ38及びチェックバルブ30、36、圧力計
37は省略される。この場合、低圧ポート1310が図
2に示すリザーバ24に接続され、制御液圧ポート13
20が図2に示すホイールシリンダ56、58、66に
接続される。また、図2に示す圧力計53、55、67
を圧力計1335として用いることができる。
【0123】次に、図20に、タイプIIの油圧制御バル
ブ1400の構成図を示す。油圧制御バルブ1400は
図19に示す油圧制御バルブ1300の可変オリフィス
1330としてポペットバルブ1340を備えたもので
あり、油圧制御バルブ1300と同様の構成部分につい
ては同一の符号を付してその説明を省略する。また、ポ
ペットバルブ1340は図15に示す油圧制御バルブ1
000と同一の構成を有しているため、油圧制御バルブ
1000と同様の部分に同一の符号を付してその説明を
省略する。ただし、ポペットバルブ1340においては
図15に示す圧力計962は設けられていない。
【0124】油圧制御バルブ1400の動作・機能は油
圧制御バルブ1300と全く同様であり、その説明を省
略する。
【0125】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、開閉手段を設けることにより後輪各輪のホイールシ
リンダ圧を左右独立に制御することができる。また、請
求項2記載の発明によれば、後輪のホイールシリンダ圧
の増圧を連続的に行なうことができるため、ABS制御
時の作動音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である液圧ブレーキ装置のシ
ステム構成図である。
【図2】本発明の第2の実施例である液圧ブレーキ装置
のシステム構成図である。
【図3】本発明の第3の実施例である液圧ブレーキ装置
のシステム構成図である。
【図4】本発明の第4の実施例である液圧ブレーキ装置
のシステム構成図である。
【図5】タイプIの油圧制御バルブの第1の実施例の構
成図である。
【図6】タイプIの油圧制御バルブの第2の実施例の構
成図である。
【図7】タイプIの油圧制御バルブの第3の実施例の構
成図である。
【図8】タイプIの油圧制御バルブの第4の実施例の構
成図である。
【図9】タイプIの油圧制御バルブの第5の実施例の構
成図である。
【図10】タイプIの油圧制御バルブの第6の実施例の
構成図である。
【図11】タイプIの油圧制御バルブの第7の実施例の
構成図である。
【図12】タイプIの油圧制御バルブの第8の実施例の
構成図である。
【図13】タイプII〜IVの油圧制御バルブの第1の実施
例の構成図である。
【図14】タイプII〜IVの油圧制御バルブの第2の実施
例の構成図である。
【図15】タイプII〜IVの油圧制御バルブの第3の実施
例の構成図である。
【図16】タイプII〜IVの油圧制御バルブの第4の実施
例の構成図である。
【図17】図16の油圧制御バルブの部分拡大図であ
る。
【図18】タイプII〜IVの油圧制御バルブの第5の実施
例の構成図である。
【図19】タイプIIとしてのみ用いられる油圧制御バル
ブの一実施例の構成図である。
【図20】タイプIIとしてのみ用いられる油圧制御バル
ブの第2の実施例の構成図である。
【符号の説明】
10、100、200、300 液圧ブレーキ装置 11 マスタシリンダ 34、40、44、102、104、110、220、
222、248、320、322、360、500、5
50、600、650、700、750、800、85
0、900、950、1000、1100、1200、
1300、1400 油圧制御バルブ 56、58、64、66 ホイールシリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 政司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中村 喜代治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大久保 勝康 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪共通に設けられ、後輪のホイールシ
    リンダ圧を共通に制御する比例制御弁を有する液圧ブレ
    ーキ装置において、 前記比例制御弁と後輪各輪のホイールシリンダとの連通
    をそれぞれ独立に開閉可能な第1の開閉手段と、 後輪各輪のホイールシリンダとリザーバとの連通をそれ
    ぞれ独立に開閉可能な第2の開閉手段と、を備えたこと
    を特徴とする液圧ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記比例制御弁はマスタシリンダの圧力
    を比例減圧する比例減圧弁であることを特徴とする請求
    項1記載の液圧ブレーキ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002514546A (ja) * 1998-05-12 2002-05-21 コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー 制御されたおよび制御可能なブレーキ操作用の液圧ブレーキシステム
JP2006256598A (ja) * 2005-02-17 2006-09-28 Toyota Motor Corp 電子制御液圧ブレーキシステム
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