JP3243986B2 - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents

液圧ブレーキ装置

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JP3243986B2
JP3243986B2 JP28621395A JP28621395A JP3243986B2 JP 3243986 B2 JP3243986 B2 JP 3243986B2 JP 28621395 A JP28621395 A JP 28621395A JP 28621395 A JP28621395 A JP 28621395A JP 3243986 B2 JP3243986 B2 JP 3243986B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧ブレーキ装置
に係わり、特に、運転者に違和感を与えることのないペ
ダルの操作感が得られる液圧ブレーキ装置を提供するこ
とを目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両等に用いられるブレーキ
装置として、液圧ブレーキ装置が知られている。液圧ブ
レーキ装置は、マスタシリンダとホイールシリンダとの
間の連通状態を液圧制御装置により制御することによ
り、ホイールシリンダに付与される圧力の制御を行う。
液圧制御装置によりマスタシリンダとホイールシリンダ
との間が遮断された場合には、ブレーキペダルに踏力が
付与されてもマスタシリンダ内のブレーキフルードが消
費されないため、ペダルストロークが生じない。このよ
うなぺダル踏力とペダルストロークとの関係は運転者に
対して違和感を与えるものとなる。従って、運転者に対
して違和感のないペダル操作感を与えるため、液圧ブレ
ーキ装置には、自然なペダル踏力とペダルストロークと
の関係を適切に生成する機構が付与される。
【0003】かかる機能を実現する装置として、従来よ
り特開平6−211124号に開示されるストロークシ
ミュレータが知られている。上記従来のシミュレータは
シリンダと、スプリングにより付勢されるピストンとを
備えている。ピストンとシリンダとの間に形成される液
室と、マスタシリンダとは連通されている。このため、
マスタシリンダ内のブレーキフルードは液室に流出され
ることにより消費される。この際、液室に流出されたブ
レーキフルードの圧力が、スプリングの付勢力より昇圧
されてペダル踏力が生成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のストローク
シミュレータが液圧ブレーキ装置に適用された場合、マ
スタシリンダとホイールシリンダとの連通状態が常に一
定であるとすれば、適切なペダル踏力とペダルストロー
クとの関係を常時維持することが可能である。これに対
して、ペダル踏み込み操作の途中で、液圧制御装置によ
ってマスタシリンダとホイールシリンダとの間の連通状
態が変化されると、マスタシリンダからホイールシリン
ダへ供給されるブレーキフルード量に不連続な変化が生
ずる。上記従来のストロークシミュレータはスプリング
によりペダル反力を生成する構成であるため、液室に流
出されるブレーキフルード量と生成されるペダル反力と
の関係を変化させることはできない。このため、ホイー
ルシリンダで多量のブレーキフルードが消費される場合
には、ペダル反力が上昇され難い状態となり、一方、ホ
イールシリンダで消費されるブレーキフルードが少量で
ある場合は、ペダル反力が上昇され易い状態となる。従
って、上記従来のストロークシミュレータを用いる装置
にあっては、ホイールシリンダでのブレーキフルード消
費量が変化すると生成されるペダル反力に不連続な変化
が生じることとなり、ペダル反力とペダルストロークと
の関係に変化を生じ、運転者に対して違和感のあるペダ
ル操作感を与えることとなる。この点、上記従来のスト
ロークシミュレータは、液圧制御ブレーキ装置に適用す
るには必ずしも最適な構成ではなかったことになる。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、液圧制御装置の制御状態に関わらず、運転者に
対して違和感のないペダルストロークとペダル踏力との
関係を与え得る液圧制御ブレーキを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
記載の如く、ブレーキ操作部材と、前記ブレーキ操作部
材の操作量に応じて加圧される加圧室を有するマスタシ
リンダと、ホイールシリンダに付与される圧力を制御す
る液圧制御手段と、前記加圧室及び前記液圧制御手段か
ら排出されるブレーキフルードを貯蔵するリザーバと、
を有する液圧ブレーキ装置において、前記リザーバと連
通すると共に、ブレーキ操作部材の操作力に応じた圧力
を発生する調圧室と、該調圧室の内圧を操作反力として
前記ブレーキ操作部材に伝達する反力伝達部材と、前記
調圧室とリザーバとを連通する液路に設けられた可変絞
りと、前記ブレーキ操作部材の操作力に対する前記ブレ
ーキ操作部材の操作量が一定となる様に前記可変絞りの
開度を調整する開度調整手段と、を備えることによって
達成される。
【0007】本発明において、ブレーキ操作部材が操作
されると、調圧室にはブレーキ操作部材の操作力に応じ
た圧力が発生される。調圧室の圧力は反力伝達部材によ
りブレーキ操作部材に伝達される。可変絞りの開度が調
整されると、調圧室とリザーバとの間をブレーキフルー
ドが流通する際の流通抵抗が調整される。調圧室の圧力
はかかる流通抵抗に応じて変化する。従って、ブレーキ
操作部材に伝達される反力は可変絞りの開度により調整
される。開度調整手段はブレーキ操作部材の操作力に対
するブレーキ操作部材の操作量が一定となる様に前記可
変絞りの開度を調整する。これにより、ブレーキ操作部
材に伝達される反力に対するブレーキ操作部材の操作量
は一定となる。
【0008】また、上記の目的は請求項2記載の如く、
請求項1記載の発明において、前記開度調整手段は、前
記ブレーキ操作部材の操作量と前記液圧制御手段の制御
状態とに応じて前記可変絞りの開度を調整するものであ
る液圧ブレーキ装置によっても達成される。
【0009】本発明において、液圧制御手段の制御状態
に応じてマスタシリンダから消費されるブレーキフルー
ド量が変化する。従って、ブレーキ操作部材に伝達され
る反力とブレーキ操作部材の操作量との関係は、液圧制
御手段の制御状態により変化する。開度調整手段はブレ
ーキ操作部材の操作量と液圧制御手段の制御状態とに応
じて前記可変絞りの開度を調整する。これにより、ブレ
ーキ操作部材に伝達される反力に対するブレーキ操作部
材の操作は一定とされる。
【0010】また、上記の目的は請求項3記載の如く、
請求項1又は2記載の発明において、前記調圧室を加圧
可能な加圧手段を備えた液圧ブレーキ装置によっても達
成される。本発明において、加圧手段によって調圧室を
加圧することにより、ブレーキ操作部材に伝達される反
力が増加される。これにより、ブレーキ操作部材に伝達
される反力の制御範囲が拡大される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である液
圧ブレーキ装置のシステム構成図を示す。マスタシリン
ダ10はシリンダ12の内部に、図1における左方から
順にピストン14、16、18が液密かつ摺動可能に嵌
挿されて構成されている。シリンダ12の一底面(図1
においては左側底面)とピストン14との間には圧力室
20が、ピストン14とピストン16との間には圧力室
22が、ピストン16とピストン18との間には圧力室
24が、それぞれ形成されている。圧力室20、22、
24には、それぞれスプリング26、28、30が配設
されている。スプリング26、28、30はそれぞれ圧
力室20、22、24の容積を拡大させる方向にピスト
ン14、16、18を付勢している。
【0012】ピストン18にはロッド32が固定されて
いる。ロッド32はシリンダ一端面(図1においては右
端面)から外部に突出しており、その先端はブレーキペ
ダル33に接続されている。シリンダ12の、ロッド3
2が突出している部分には、ストロークセンサ34が装
着されている。ストロークセンサ34は、ブレーキペダ
ル33の踏み込みに伴うロッド32の変位量に応じた信
号を出力する。
【0013】シリンダ12の外側面にはリザーバ40が
装着されている。リザーバ40は、シリンダ12の外側
面に設けられたリザーバ穴41及び42を介して、シリ
ンダ12の内部と連通している。リザーバ穴41及び4
2は、図1に示す如くブレーキペダル33が踏み込まれ
ていない状態では、圧力室20及び22が、それぞれリ
ザーバ孔41及び42を介してリザーバ40と連通し、
ブレーキペダル33が踏み込まれて、ピストン14及び
16が図1に示す状態から左方へ所定のストローク以上
変位された際には、リザーバ穴41及び42が、それぞ
れピストン14及び16によって閉鎖されることにより
圧力室20及び22とリザーバ40との連通が遮断され
るように、配置されている。また、圧力室24は、流量
制御通路49を介してリザーバ40に接続されている。
流量制御通路49には流量制御バルブ46及びチェック
バルブ48が並列に接続されて設けられている。
【0014】次に、図2を参照して流量制御バルブ46
の構成について説明する。図2は流量制御バルブ46の
構成図を示す。流量制御バルブ46は、ハウジング8
0、スプール84、及び、リニアソレノイド98を備え
ている。スプール84は、その一端部(図2における左
端部)及び他端部(図2における右端部)に大径部84
a及び84bを備えている。大径部84a及び84bは
円錐台状に形成された中間部84cにより接続されてい
る。中間部84cは大径部84aから大径部84bに向
けて徐々にその径が小さくなるように設けられている。
スプール84は、その大径部84a及び84bが、ハウ
ジング80の内部に形成されたシリンダ部82に液密か
つ摺動可能に嵌挿されることによりシリンダ部82の内
部に配設されている。
【0015】シリンダ部82の内周面には、環状溝85
及び86が形成されている。環状溝85及び86は、ス
プール84がシリンダ部82内の図2における右方に変
位した際には環状溝86がスプール84の大径部84a
に対向して塞がれると共に環状溝85が中間部84cに
対向し、また、スプール84が図2における左方に変位
した際には環状溝85及び86の両方がスプール84の
中間部84cと対向するように、配置されている。環状
溝85には第1ポート87に至る油路88が開口してい
る。また、環状溝86には油路88と連通する油路89
が開口している。更に、環状溝86には、スプール84
を挟んで油路89への開口部と対向する位置に第2ポー
ト93に至る油路94が開口している。
【0016】油路89には小室90が設けられている。
小室90内には、ボール91及びスプリング92が配設
されており、スプリング92がボール91を、油路89
の開口部に向けて押圧することにより、油路89を遮断
している。小室90、ボール91、及びスプリング92
はチェックバルブ48を構成している。
【0017】シリンダ部82とスプール84の大径部8
4a側底面とにより形成される空間には、スプリング9
5が配設されている。スプリング95はスプール84を
図2における右方に向けて押圧している。また、スプー
ル84の大径部84b側の端面にはリニアソレノイド9
8のロッド96が固定されている。リニアソレノイド9
8は、その内部に備えるコイル99に供給される電流I
に応じた力で、プランジャ97を図2中左方へ向けて押
圧する。かかる押圧力はロッド96を介してスプール8
4を図2中左方へ向けて押圧する力として作用する。
【0018】上述した流量制御弁46の構成によれば、
コイル99が通電されない状態では、スプール84がス
プリング95により、図2における右方へ押圧されるこ
とにより、環状溝86はスプール84の大径部84aに
より塞がれる。このため、第1ポ−ト87と第2ポート
93とは油路89のみによって連通されている。この場
合、小室90、ボール91、及びスプリング92からな
るチェックバルブ48により、第1ポート87から第2
ポート93へ向かう方向の流れのみが許容されている。
【0019】一方、コイル99が通電状態とされると、
スプール84はスプリング95による押圧力に抗して図
2における左方へ変位する。このため、スプール84の
中間部84cが環状溝86に対向する状態となる。この
結果、環状溝86の一端部(図2における右端部)86
aとスプール84の中間部84cとの間に隙間が生じ
て、第1ポート87と第2ポート93とが油路88を介
して連通状態となる。かかる連通の度合はスプール84
の図2における左方への変位量が大きいほど大きくな
る。スプール84の変位量は、コイル99への通電量に
より制御することができる。従って、コイル99への通
電量を制御することにより、第1ポート87と第2ポー
ト93との連通の度合いを制御することができる。この
結果、コイル99への通電量により第1ポート87と第
2ポート93との間に流通する液の流量を制御すること
ができる。
【0020】次に、再び図1を参照すると、マスタシリ
ンダ10の圧力室20には、マスタシリンダ通路50が
接続されている。マスタシリンダ通路50はマスタシリ
ンダ通路51及び52に分岐されている。マスタシリン
ダ通路51及び52はそれぞれ、油圧制御バルブ60及
び62のマスタシリンダ圧ポート60a及び62aに接
続されている。また、圧力室22には、マスタシリンダ
通路53が接続されている。マスタシリンダ通路53は
マスタシリンダ通路54及び55に分岐されている。マ
スタシリンダ通路54及び55はそれぞれ、油圧制御バ
ルブ64及び66のマスタシリンダ圧ポート64a及び
66aに接続されている。油圧制御バルブ60、62、
64、66の高圧供給ポート60b、62b、64b、
66bは高圧通路69を介してポンプ68の吐出口に接
続されている。ポンプ68の吸入口はポンプ通路70を
介してリザーバ40に接続されている。高圧通路69の
ポンプ68の吐出口近傍にはアキュムレータ58が設け
られており、圧力計71の検出圧に基づいて、ポンプ6
8の駆動・非駆動を制御することによって、ブレーキフ
ルードが所定の圧力下でアキュムレータ58に蓄えられ
る。
【0021】油圧制御バルブ60、62、64、66の
制御液圧ポート60c、62c、64c、66cはそれ
ぞれ制御液圧通路72、73、74、75を介して、ホ
イールシリンダ76、77、78、79に接続されてい
る。ホイールシリンダ76、77、78、79はそれぞ
れ、左前輪、右後輪、右前輪、左後輪に装着されてい
る。上述の如く、ブレーキ装置の油圧配管を2系統に分
けることにより、マスタシリンダ10の圧力室20又は
22からの油圧系統の一方に故障が生じた際にも、前輪
左右の少なくとも一方に装着されたホイールシリンダが
正常に動作することが保証されている。これにより、液
圧ブレーキ装置の安全性が向上されている。
【0022】油圧制御バルブ60、62、64、66の
低圧ポート60d、62d、64d、66dはリザーバ
通路80を介してリザーバ40に接続されている。次
に、図3を参照して油圧制御バルブ60、62、64、
66の構成を説明する。尚、油圧制御バルブ60、6
2、64、66は同一の構成を有しており、油圧制御バ
ルブ60の構成を代表的に説明する。
【0023】図3は油圧制御バルブ60の構成図を示
す。油圧制御バルブ60はハウジング100、スプール
104及びフォースモータ124を備えている。スプー
ル104は円筒状の部材であり、軸方向の両端部に設け
られた大径部104a及び104bと中間部に設けられ
た小径部104cとを備えている。スプール104はそ
の大径部104a、104bが、ハウジング104の内
部に形成されたシリンダ部102に液密かつ摺動可能に
嵌挿されることによりシリンダ部102の内部に配設さ
れている。
【0024】シリンダ部102の一端面(図3において
は右端面)には、開口105が設けられている。開口1
05は油路106を介してマスタシリンダ圧ポート60
aに接続されている。シリンダ部102の側面の軸方向
中央部には開口108が形成されている。開口108は
油路110により制御液圧ポート60cに接続されてい
る。
【0025】シリンダ部102には、スプール104を
挟んで開口108と径方向反対側の側面に、開口11
1、112が設けられている。開口111、112は、
スプール104が図3に2点鎖線で示す如く定常位置、
すなわちシリンダ部102内の右方に変位された状態で
は、開口111がスプール104の小径部104cに対
向してシリンダ部102の内部に露出されると共に開口
112がスプール104の大径部104aにより閉鎖さ
れるように、かつ、マスタシリンダ圧ポート60aに圧
力が付与されることによりスプール104が図3に実線
で示す如くシリンダ部102の左方に変位された状態で
は、開口111がスプール104の大径部104bによ
り閉鎖されると共に開口112はスプール104の小径
部104cに対向してシリンダ部102の内部に露出さ
れるように、配置されている。開口111は油路113
を介して低圧ポート60dに接続されている。また、開
口112は油路114を介して高圧供給ポート60bに
接続されている。
【0026】シリンダ部102の他端面(図3において
は左端面)には開口115が設けられている。開口11
5はフィードバック油路116を介して出力油路110
に連通している。開口115には反力ピン118が摺動
可能に嵌挿されている。スプール104の一端面(図3
においては右端面)にはロッド120が固定されてい
る。ロッド120は開口105に挿通され、更に油路1
06に開口する貫通穴122に液密かつ摺動可能に嵌挿
され、その先端部はフォースモータ124のコイル12
5の内側に突出されている。ロッド120の先端部には
マグネット126が固定されている。マグネット126
はフォースモータ124の移動子として機能する。
【0027】マスタシリンダ圧ポート60aと制御液圧
ポート60cとはバイパス油路130により接続されて
いる。バイパス油路130には、マスタシリンダ圧ポー
ト60aから制御液圧ポート60cへ向かう方向の流れ
のみを許容するチェックバルブ132が配設されてい
る。
【0028】上述した油圧制御バルブ60の構成によれ
ば、マスタシリンダ圧ポート60aに常圧が付与され、
かつ、リニアソレノイドが何ら押圧力を発揮しない状態
では、スプール104は図3における右方に移動して2
点鎖線で示す状態となる。この場合、低圧ポート60d
と制御液圧ポート60cとが、油路113、シリンダ部
102、及び油路110を介して連通される一方、高圧
供給ポート60bと制御液圧ポート60cとの間の連通
は遮断される。このため、制御液圧ポート60cには低
圧ポート60dに供給される圧力、すなわちほぼ大気圧
に等しい圧力が出力される。
【0029】マスタシリンダ圧ポート60aに常圧を越
える圧力が付与されると、スプール104は図3におけ
る左方へ変位して図中に実線で示す状態となる。この場
合、低圧ポート60dと制御液圧ポート60cとの間が
遮断される一方、高圧供給ポート60bと制御液圧ポー
ト60cとが連通される。このため、油路110の圧力
は上昇され、かかる圧力はフィードバック油路116を
介してピン118への押圧力として作用する。かかる押
圧力により、ピン118はスプール104を図3におけ
る右方向へ向けて押圧する。このため、スプール104
はマスタシリンダ圧ポート60aに供給された圧力によ
り生ずる図3における左方向への押圧力と、前述したピ
ン118による右方向への押圧力が釣り合う位置に静止
する。
【0030】マスタシリンダ圧ポート60aに付与され
る圧力をPi、シリンダ部102の断面積をAs、増圧
出口60cから出力される圧力、すなわち、油路110
の圧力をPo、ピン118の断面積をApとすると、ス
プール104に作用する軸方向の力の釣合いより(1)
式が成立する。 Pi×As=Po×Ap (1) (1)式より(2)式が得られる。 Po=Pi×(As/Ap) (2) (2)式に示す如く、マスタシリンダポート60aに付
与された圧力は(As/Ap)倍に増幅されて制御液圧
ポート60cに出力される。
【0031】マスタシリンダ圧ポート60aが大気圧に
開放された状態で、フォースモータ124が図3中左方
へ向かう押圧力を発揮すると、マスタシリンダ圧が昇圧
された場合と同様に、スプール104は図3中左方へ変
位する。この場合、スプール104は、フォースモータ
124の発する押圧力と、反力ピン118から入力され
る油圧反力とが釣り合う位置に静止する。フォースモー
タ124が発する押圧力をFs とすると、ピン118の
断面関Ap を用いて、油路110の圧力Poは次式の如
く表すことができる。 Po =Fs ×(1/Ap ) (3) (3)式に示す如く、マスタシリンダ圧力が昇圧されて
いない場合においても、ホイールシリンダ圧を昇圧する
ことができる。
【0032】更に、マスタシリンダ圧ポート60aに常
圧を越える圧力が付与された状態で、フォースモータ1
24が図3中右方へ向かう押圧力を発揮すると、マスタ
シリンダ圧に対する抗力を付与することができる。この
場合、スプール104はマスタシリンダ圧ポート60a
に付与されたマスタシリンダ圧に起因する左方向への押
圧力と、前述した反力ピン118による右方向への押圧
力及びフォースモータ124の発する右方向への押圧力
が釣り合う位置に静止する。この場合、油路110の圧
力Po は、マスタシリンダ圧ポート60aに付与される
圧力Pi 、シリンダ部102の断面積As 、反力ピン1
18の断面積Ap 、及び、リニアソレノイドの押圧力F
s を用いて次式の如く表すことができる。 Po =(Pi ×As −Fs )×(1/Ap ) (4) (4)式に示す如く、油圧制御バルブ60によれば、フ
ォースモータ124を駆動することにより、通常時に比
してマスタシリンダ圧に対するホイールシリンダ圧のの
倍力比を下げることができる。
【0033】ところで、油圧制御バルブ60が上記の如
く正常に機能する場合は、マスタシリンダ10から流出
したブレーキフルードがホイールシリンダに流入するこ
とはない。従って、本実施例のブレーキ装置では、通常
状態ではマスタシリンダ10とホイールシリンダ76、
77、78、79とは実質的に遮断されていることにな
る。以下、この状態を遮断状態と称す。
【0034】一方、高圧供給ポート60bに高圧を付与
するポンプの故障等により、高圧供給ポート60bへの
ブレーキフルードの供給が停止されたような場合には、
マスタシリンダ圧が昇圧されて、スプール84が図3中
左方に移動しても制御液圧ポート60cの圧力は昇圧さ
れない。かかる場合には、マスタシリンダ圧ポート60
aに付与された圧力はバイパス通路130を介して制御
液圧ポート60cに出力される。この場合、マスタシリ
ンダ10とホイールシリンダ76、77、78、79と
は実質的に連通状態となる。以下、この状態を連通状態
と称す。
【0035】上述した液圧ブレーキ装置の構成によれ
ば、ブレーキペダル33が、所定のストロークを越える
ペダルストロークで踏み込まれると、圧力室20、2
2、24には互いに等しい圧力が発生する。油圧制御バ
ルブ60、62、64、66がすべて遮断状態にある場
合には、上述の如く、圧力室20、22の圧力に基づき
アキュムレータ58の圧力が油圧制御バルブ60、6
2、64、66により調圧されて、ホイールシリンダに
付与される。
【0036】この場合、圧力室20、22内のブレーキ
フルードは消費されないため、圧力室20、22の容積
に変化は生じない。一方、油圧制御バルブ60、62、
64、66がすべて連通状態にある場合は、圧力室2
0、22のブレーキフルードが直接ホイールシリンダ7
2、74、76、78に供給されるため圧力室20、2
2の容積に変化が生ずる。従って、何らの措置も講じら
れないとすれば、ブレーキ踏力とペダルストロークとの
関係が、連通状態と遮断状態とで大きく異なることとな
り、運転者に対して違和感を与えることになる。本実施
例は流量制御バルブ46の開弁量を制御して、かかる違
和感を解消する点に特徴を有している。図1に示す如
く、ストロークセンサ34、圧力計71、流量制御バル
ブ46のソレノイド98、及び、液圧制御バルブ60、
62、64、66のコイルは電子制御装置(以下、EC
Uと称す)120に接続されている。ECU120は圧
力計71から出力されるポンプ圧計測信号、及び、スト
ロークセンサ34から出力されるペダルストローク量計
測信号に基づいて流量制御バルブ46の開弁量の制御を
行う。
【0037】以下、図4を参照して、ECU120が実
行する流量制御バルブ46の開弁量制御ルーチンの内容
について説明する。図4はECU120が実行する流量
制御バルブ46の開弁量制御ルーチンのフローチャート
を示す。本ルーチンは所定時間間隔で繰り返し起動され
る。本ルーチンは油圧制御バルブ60、62、64、6
6のソレノイドへの通電がすべて停止された状態で起動
されてもよく、あるいは、これらソレノイドの一部又は
全部が通電された状態で起動されてもよい。
【0038】図4に示すルーチンが起動されると、先ず
ステップ201において、ブレーキペダルの踏み込み量
xが読み込まれる。次に、ステップ202において、x
が0より大きいか否かが判別される。ステップ202に
おいて、xが0以下であると判別された場合には、ブレ
ーキペダルは踏み込まれておらず、従ってペダル踏力の
制御は不要であると判断されて、今回のルーチンは終了
される。
【0039】ステップ202においてx>0が成立する
と判別されると、ブレーキペダルが踏み込まれており、
従って、ペダル踏力の制御が必要であると判断される。
この場合、次に、ステップ203において、ポンプ68
のポンプ圧Pが読み込まれた後、続くステップ204に
おいてPと所定のしきい値P0との大小関係が判別され
る。ステップ204において、P≧P0が成立すると判
別された場合には、油圧制御バルブ60、62、64、
66にはポンプ68により所定の高圧が付与され、従っ
て、これらのバルブは遮断状態にあると判断される。こ
の場合、次に、ステップ205において、ペダルストロ
ークxに応じた開弁指令信号f(x)が流量制御バルブ
46に対して発せられる。
【0040】本実施例においては、開弁指令信号f
(x)は、運転者に対して違和感のないペダル操作感を
与えるような、ブレーキペダルの踏力とペダルストロー
クとの関係が得られるように決定される。すなわち、図
5に示す如く、ペダルストロークが増加するにつれてペ
ダル踏力の増大の度合いが増加するような関係となるよ
うに、ペダルストロークxに対してペダル踏力の制御が
行われる。ペダル踏力と流量制御バルブ46の開弁量と
の関係は、予め実験的に求めることができる。そこで本
実施例においては、図5に示すペダルストロークとペダ
ル踏力との関係、及び、実験的に求められたペダル踏力
と開弁量との関係から、ペダルストロークxに対する開
弁量f(x)を図6に示す如く予め求めておく。そして
関数f(x)をECU120内に記憶させておき、ステ
ップ205の実行時にはかかる記憶値を開弁量指令値と
して用いることとしている。ステップ205の処理が終
了されると今回のルーチンは終了される。
【0041】一方、ステップ204において、P<P0
が成立すると判別された場合には、油圧制御バルブ6
0、62、64、66には所定の高圧が付与されておら
ず、従って、これらのバルブは連通状態にあると判断さ
れる。上述の如く、油圧制御バルブ60、62、64、
66が連通状態にある場合には、圧力室20、22内の
ブレーキフルードはホイールシリンダ76、77、7
8、79に流出することにより消費される。従って、圧
力室24内のブレーキフルードが消費されない状態にお
いても、ブレーキペダル33のペダル踏力とペダルスト
ロークとの関係は運転者に対して違和感を与えないもの
となる。そこで、ステップ204においては、流量制御
バルブ46に対して開弁量をゼロとする旨の指令が発せ
られる。
【0042】上述の如く、本実施例の液圧ブレーキ装置
によれば、油圧制御バルブ60、62、64、66の動
作状態に関わらず、運転者に対して違和感のないペダル
ストロークとペダル踏力との関係を得ることができる。
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施例について
説明する。図7において、図1と同一の構成部分には同
一の符号を付してその説明を省略する。本実施例は、油
圧制御バルブ60、62、64、66のマスタシリンダ
圧ポート側及び、制御液圧ポート側に圧力計を設け、こ
れら圧力計の計測値に基づいて、油圧制御バルブ60、
62、64、66の動作状態の判別を行う点に特徴を有
している。
【0043】図7において、マスタシリンダ通路50及
び53にはそれぞれ、圧力計150及び152が配設さ
れている。また、制御圧力通路72、73、74、75
にはそれぞれ、圧力計154、156、158、160
が配設されている。圧力計150、152、154、1
56、158、160はECU120に接続されてい
る。
【0044】油圧制御バルブ60が遮断状態にある場合
には、上述の如く制御圧力通路72の圧力はマスタシリ
ンダ通路50の圧力が所定の倍率に増圧された値とな
る。一方、油圧制御バルブ60が連通状態にある場合に
は、制御圧力通路72の圧力はマスタシリンダ通路50
の圧力に等しい値となる。したがって、圧力計154に
よる測定値と圧力計150による測定値との比を求める
ことにより、油圧制御バルブ60が遮断状態にあるか連
通状態にあるかを判別することができる。油圧制御バル
ブ62、64、66についても同様に、圧力計150、
152、156、158、160による測定値から、マ
スタシリンダ通路側の圧力と制御液圧通路側の圧力との
比を求めることにより、遮断状態にあるか連通状態にあ
るかを判別することができる。
【0045】上述の如く、油圧制御バルブが連通状態に
ある場合には、対応する圧力室のブレーキフルードは対
応するホイールシリンダに流出することにより消費され
る。従って、圧力室20及び22から消費されるブレー
キフルードの量は、油圧制御バルブ60、62、64、
66のうち連通状態にあるものの個数nに応じて変化す
る。そこで、本実施例においては、上記した個数nに応
じて流量制御バルブ46の開弁量を制御することとして
いる。
【0046】以下、図8を参照して、ECU120が実
行する流量制御バルブ46の開弁量制御ルーチンの内容
について説明する。図8はECU120が実行する流量
制御バルブ46の開弁量制御ルーチンのフローチャート
を示す。尚、本ルーチンにおいて、図4に示すルーチン
と同様のステップには同一の符号を付してその説明を省
略する。
【0047】図8に示すルーチンは図4に示すルーチン
と同様に所定の時間間隔で繰り返し実行される。本ルー
チンでは、ステップ210において圧力計150、15
2、154、156、158、160の出力信号が読み
込まれた後、ステップ211の処理が実行される。
【0048】ステップ211においては、上述の如く、
各油圧制御バルブに対応する制御液圧通路の圧力とマス
タシリンダ通路の圧力との比から、各油圧制御バルブが
遮断状態にあるか連通状態にあるかが判別され、連通状
態にある油圧制御バルブの個数nが求められる。ステッ
プ211の処理が終了されると、次にステップ212の
処理が実行される。
【0049】ステップ212においては、ステップ21
1において求められた連通状態にある油圧制御バルブの
個数n、及びペダルストロークxに基づいて、流量制御
バルブ46に対して開弁量指令gn (x)が発せられ
る。gn (x)は第1の実施例の場合と同様に、図5に
示す如きペダルストロークxとペダル踏力との関係が得
られるように決定される。この場合、nの各値に対する
ペダル踏力と流量制御バルブ46の開弁量との関係は、
予め実験的に求めることができ、かかる関係を用いて、
nの各値に対するストロークxと開弁量との関係g
n (x)が図9に示す如く決定される。
【0050】図9において、n=0が成立する場合に
は、すべての油圧制御バルブが遮断状態にあることにな
るため、gn (x)は上記した第1の実施例における関
数f(x)と一致する。nの値が増加するにつれて、所
要のペダル踏力を得るのに必要な開弁量は減少する。そ
して、n=4が成立する場合には、すべての油圧制御バ
ルブが連通状態にあることとなるため、gn (x)はス
トロークxに関わらず0となる。本実施例においては、
図9に示すgn (x)の値を予めECU120内に記憶
させておき、ステップ212の実行時には、かかる記憶
値を開弁量指令値として用いることとしている。ステッ
プ212の処理が終了されると、今回のルーチンは終了
される。
【0051】上述の如く、本実施例の液圧ブレーキ装置
によれば、油圧制御バルブ60、62、64、66の各
々の動作状態に応じてペダル踏力の制御が行われる。こ
のため、油圧制御バルブ60、62、64、66の動作
状態が一様でない状況においても、運転者に対して違和
感を与えない、ペダルストロークとペダル踏力との関係
を得ることができる。
【0052】次に、図10を参照して本発明の第3の実
施例について説明する。図10は本発明の第3の実施例
に係る液圧制御ブレーキの構成を示す。図10におい
て、図1と同一の構成部分には同一の符号を付してその
説明を省略する。本実施例は切替バルブによりマスタシ
リンダ10の圧力室20及び22が対応するホイールシ
リンダに直接接続された状態と、圧力室20及び22が
油圧制御バルブを介して対応するホイールシリンダに接
続された状態とが選択され得る点に特徴を有している。
【0053】図10において、マスタシリンダ通路5
1、52、54、55にそれぞれ切替バルブ170、1
72、174、176が配設されている。切替バルブ1
70、172、174、176は、それぞれのソレノイ
ドが励磁されない状態では、図中に示す如くマスタシリ
ンダ通路51、52、54、55がそれぞれホイールシ
リンダ72、74、76、78に接続され、一方、各ソ
レノイドが励磁された状態では、マスタシリンダ通路5
1、52、54、55がそれぞれ油圧制御バルブ60、
62、64、66のマスタシリンダ圧ポートに接続され
るように配設されている。
【0054】切替バルブ170、172、174、17
6の各ソレノイドはECU120に接続されている。E
CU120は、公知のABS、TRC、VSC等の液圧
制御を実行する必要のない状況下では、切替バルブ17
0、172、174、176を非駆動状態とする。この
場合、図10に示すブレーキ装置は通常のブレーキ装置
として機能する。また、ECU120は、液圧制御を実
行する必要がある場合は、切替バルブ170、172、
174、176に励磁信号を供給し、液圧制御が可能な
状態を形成する。本実施例においては、切替バルブ17
0、172、174、176のうちECU120から励
磁信号が付与されないものの個数を計数することによ
り、ホイールシリンダ72、74、76、78のうちマ
スタシリンダ10の圧力室20又は22と連通状態にあ
るものの個数が求められる。本実施例においても上記し
た第2の実施例と同様、圧力室20又は22と連通状態
にあるホイールシリンダの個数に応じてぺダルストロー
クに対する流量制御バルブ46の開弁量が決定される。
【0055】以下、図11を参照して、本実施例におい
てECU120が実行する流量制御バルブ46の開弁量
制御ルーチンの内容について説明する。図11はECU
120が実行する流量制御バルブ46の開弁量制御ルー
チンのフローチャートを示す。尚、本ルーチンにおい
て、図8に示すルーチンと同様のステップには同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0056】図11に示すルーチンは図8に示すルーチ
ンと同様に所定の時間間隔で繰り返し実行される。本ル
ーチンでは、ステップ202においてx>0が成立する
と、次にステップ220の処理が実行される。ステップ
220では、切替バルブ170、172、174、17
6の各々への励磁信号の出力状態を調べることにより、
励磁されていない切替えバルブの個数nが求められる。
そして、次にステップ212において、上記した第2の
実施例の場合と同様に予めECU120内に記憶された
関数gn (x)を用いて決定された開弁量指令値が流量
制御バルブ46に対して発せられる。ステップ212の
処理が終了されると今回のルーチンが終了される。
【0057】上述の如く、本実施例の液圧ブレーキ装置
によれば、マスタシリンダ10とホイールシリンダ7
2、74、76、78との連通状態を、切替バルブ17
0、172、174、176を切り換えることにより制
御することができる。この場合、かかる連通状態に応じ
て、流量制御バルブ46の開弁量を制御することによ
り、運転者に対して違和感を与えない、ペダルストロー
クとペダル踏力との関係を得ることができる。
【0058】次に、図12を参照して本発明の第4の実
施例について説明する。図12は本発明の第4の実施例
に係る液圧制御ブレーキの構成を示す。図12におい
て、図1と同一の構成部分には同一の符号を付してその
説明を省略する。本実施例は図1に示す液圧制御ブレー
キに、ペダル踏力を検出する踏力センサ182を設け
て、ペダル踏力を直接制御する点に特徴を有している。
【0059】本実施例においては、図5に示すペダルス
トロークxとペダル踏力yとの関係を関数h(x)とし
てECU120内に記憶している。以下、図13を参照
して、本実施例においてECU120が実行する流量制
御バルブ46の開弁量制御ルーチンの内容について説明
する。図13はECU120が実行する流量制御バルブ
46の開弁量制御ルーチンのフローチャートを示す。
尚、本ルーチンにおいて、図4に示すルーチンと同様の
ステップには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0060】本ルーチンではステップ202においてx
>0が成立すると判別されると、次にステップ230に
おいてペダル踏力yの読み込みが行われた後、ステップ
231の処理が実行される。ステップ231において
は、ペダル踏力の目標値であるh(x)と、現在のペダ
ル踏力yとの偏差Δyが求められる。ステップ231の
処理が終了されると、次にステップ232の処理が実行
される。
【0061】ステップ232においては、偏差Δyと0
との大小関係が判別される。ステップ232においてΔ
y=0が成立すると判別されると、現在のペダル踏力y
は目標ペダル踏力に一致しており、従って、ペダル踏力
を変化させる必要はないと判断される。この場合、次に
ステップ233において開弁量を維持すべき旨の指令が
流量制御バルブ46に対して発せられた後、今回のルー
チンが終了される。ステップ232において、Δy>0
が成立すると判別されると、現在のペダル踏力yは目標
ペダル踏力に達しておらず、従って、ペダル踏力を増加
させるべきと判断される。この場合、次にステップ23
4において開弁量を減少すべき旨の指令が流量制御バル
ブ46に対して発せられた後、今回のルーチンが終了さ
れる。ステップ232において、Δy<0が成立すると
判別されると、現在のペダル踏力yは目標ペダル踏力を
上回っており、従って、ペダル踏力を減少させるべきと
判断される。この場合、次にステップ235において開
弁量を増加すべき旨の指令が流量制御バルブ46に対し
て発せられた後、今回のルーチンが終了される。
【0062】上述の如く、本実施例の液圧ブレーキ装置
によれば、ペダル踏力を検出することにより、ペダル踏
力が直接制御される。このため、ペダルストロークに対
するペダル踏力の制御を、より高精度に行うことができ
る。なお、本実施例において、踏力センサ182を設け
ることによりペダル踏力yを検出することとしたが、本
実施例はこれに限定されるものではなく、流量制御通路
49の流量制御バルブ46とマスタシリンダ10との間
の部位に圧力計を設けることにより圧力室24の圧力を
検出し、かかる圧力にマスタシリンダ10の断面積を乗
じて得られた値をペダル踏力yとして用いてもよい。
【0063】次に、図14を参照して本発明の第5の実
施例について説明する。図14は本発明の第5の実施例
に係る液圧制御ブレーキの構成を示す。図14におい
て、図12と同一の構成部分には同一の符号を付してそ
の説明を省略する。本実施例はマスタシリンダ10の圧
力室24の圧力を増圧させる手段を設けることにより、
ペダル踏力を増大させることができる点に特徴を有して
いる。
【0064】図14において、流量制御通路49のチェ
ックバルブ48とリザーバ40との間の部位において、
ポンプ190の吐出口に至る増圧通路191が分岐され
ている。ポンプ190の吸入口はポンプ通路192を介
してリザーバ40に接続されている。また、流量制御通
路49の、増圧通路191分岐部とリザーバ40との間
には、リザーバ40からマスタシリンダ10に向かう方
向の流れのみを許容するチェックバルブ193が配設さ
れている。チェックバルブ193により、ポンプ190
により増圧されたフルードがリザーバ40に環流するこ
とが防止されている。
【0065】本実施例の液圧制御ブレーキによれば、ポ
ンプ190を停止させた状態で流量制御バルブ46の開
度を制御することにより、上記した第1〜第5の実施例
と同様にペダル踏力を減少させることができる。また、
流量制御バルブ46を閉じた状態でポンプ190を作動
させることにより、圧力室24の圧力を増圧させること
ができ、これにより、ペダル踏力を増加させることがで
きる。このように、本実施例の液圧ブレーキ装置によれ
ば、ペダル踏力の増加・減少が共に可能とされることに
より、ペダルストロークに対するペダル踏力の制御範囲
を拡大することができる。
【0066】なお、上記した第1〜第5の実施例におい
ては、シリンダ12内に圧力室20、22に設けた圧力
室24の圧力を流量制御バルブ46の開度を調整するこ
とにより変化させてペダル踏力の制御を行っているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、図15に示す
如く、マスタシリンダ通路50及び53にそれぞれ連通
する液室200、202を設け、液室200、202と
リザーバ40とをそれぞれ連通する通路204、206
に流量制御バルブ208、210及びチェックバルブ2
12、214を設けた構成としてもよい。この場合、ペ
ダル踏力は液室200、202の圧力に応じて変化す
る。従って、流量制御バルブ208、210の開弁量を
調整して液室200、202の圧力を変化させることに
よりペダル踏力の制御を行うことができる。
【0067】また、図16に示す如く、圧力室20、2
2とリザーバ40とを常に連通させる通路220、22
2を設け、通路220、222にそれぞれ流量制御バル
ブ224及び226、及びチェックバルブ228、23
0を設けた構成としてもよい。この場合、ペダル踏力は
圧力室20、22の圧力に応じて変化する。従って、流
量制御バルブ224、226の開弁量を調整して液室2
0、22の圧力を変化させることによりペダル踏力の制
御を行うことができる。
【0068】なお、上記した第1〜第5の実施例におい
ては、ブレーキペダル33が上記したブレーキ操作部材
に、圧力室24が上記した調圧室に、ピストン18及び
ロッド32が上記した反力伝達部材に、流量制御バルブ
46が前記した可変絞りに、油圧制御バルブ60、6
2、64、66が上記した液圧制御手段に、ECU12
0が上記した開度調整手段に、ポンプ190が上記した
加圧手段に、それぞれ相当している。ただし、上記した
液圧制御手段は、油圧制御バルブ60、62、64、6
6に限定されるものではなく、マスタシリンダとは異な
る液圧源の液圧を調圧してホイールシリンダに供給する
液圧制御弁であればよい。
【0069】また、上記した第1の実施例においては、
液圧制御手段が正常状態か失陥状態かが上記した液圧制
御手段の制御状態に相当している。また、上記した第2
〜第5の実施例においては、マスタシリンダとホイール
シリンダとが遮断され液圧制御手段によってホイールシ
リンダ圧が制御されている制御状態か、マスタシリンダ
がホイールシリンダに連通されマスタシリンダによって
もホイールシリンダが制御されている制御状態かがが、
上記した液圧制御手段の制御状態に相当している。
【0070】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ブレーキ操作部材の操作力に対する、ブレーキ操作
部材の操作量を一定とすることができる。従って、つね
に、運転者に対して違和感を与えないブレーキ部材の操
作量と操作力との関係を得ることができる。
【0071】また、請求項2記載の発明によれば、ブレ
ーキ操作部材の操作量と液圧制御手段の制御状態とに応
じてペダル反力を制御することができる。従って、液圧
制御手段の制御状態に関わらず、つねに、運転者に対し
て違和感を与えないブレーキ部材の操作量と操作力との
関係を得ることができる。
【0072】また、請求項3記載の発明によれば、加圧
手段により調圧室を加圧することにより、ブレーキ操作
部材に伝達される反力を増加させることができる。この
結果、ブレーキ操作部材の操作量に対するペダル反力の
制御範囲を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である液圧ブレーキ装置のシ
ステム構成図である。
【図2】本実施例の液圧ブレーキ装置の流量制御バルブ
の構成図である。
【図3】本実施例の油圧制御バルブの構成図である。
【図4】本実施例で流量制御バルブの開度を制御するた
めに実行される開度制御ルーチンのフローチャートであ
る。
【図5】本実施例の液圧ブレーキ装置により実現される
ペダルストロークとペダル踏力との関係を示す図であ
る。
【図6】本実施例の開度制御ルーチンで用いられるペダ
ルストロークと開弁量との関係を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例である液圧ブレーキ装置の
システム構成図である。
【図8】本実施例で流量制御バルブの開度を制御するた
めに実行される開度制御ルーチンのフローチャートであ
る。
【図9】本実施例の開度制御ルーチンで用いられるペダ
ルストロークと開弁量との関係を示す図である。
【図10】本発明の第3実施例である液圧ブレーキ装置
のシステム構成図である。
【図11】本実施例で流量制御バルブの開度を制御する
ために実行される開度制御ルーチンのフローチャートで
ある。
【図12】本発明の第4実施例である液圧ブレーキ装置
のシステム構成図である。
【図13】本実施例で流量制御バルブの開度を制御する
ために実行される開度制御ルーチンのフローチャートで
ある。
【図14】本発明の第5実施例である液圧ブレーキ装置
のシステム構成図である。
【図15】本発明の第6実施例である液圧ブレーキ装置
のシステム構成図(部分図)である。
【図16】本発明の第7実施例である液圧ブレーキ装置
のシステム構成図(部分図)である。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ 12 シリンダ 14、16、18 ピストン 20、22、24 圧力室 32 ロッド 33 ブレーキペダル 40 リザーバ 48 流量制御バルブ 60、62、64、66 油圧制御バルブ 68、190 ポンプ 71、150、152、154、156、158、16
0 圧力計 76、77、78、79 ホイールシリンダ 120 ECU 170、172、174、176 切替バルブ 182 踏力センサ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作部材と、前記ブレーキ操作
    部材の操作量に応じて加圧される加圧室を有するマスタ
    シリンダと、ホイールシリンダに付与される圧力を制御
    する液圧制御手段と、ブレーキフルードを貯蔵するリザ
    ーバと、を有する液圧ブレーキ装置において、 前記リザーバと連通すると共にブレーキ操作部材の操作
    力に応じた圧力を発生する調圧室と、 該調圧室の内圧を操作反力として前記ブレーキ操作部材
    に伝達する反力伝達部材と、 前記調圧室と前記リザーバとを連通する液路に設けられ
    た可変絞りと、 前記ブレーキ操作部材の操作力に対する前記ブレーキ操
    作部材の操作量が一定となる様に前記可変絞りの開度を
    調整する開度調整手段と、を備えたことを特徴とする液
    圧ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記開度調整手段は、前記ブレーキ操作
    部材の操作量と液圧制御手段の制御状態とに応じて前記
    可変絞りの開度を調整するものであることを特徴とする
    請求項1記載の液圧ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記調圧室を加圧可能な加圧手段を備え
    たことを特徴とする請求項1又は2記載の液圧ブレーキ
    装置。
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