JPH11227584A - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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JPH11227584A
JPH11227584A JP2992498A JP2992498A JPH11227584A JP H11227584 A JPH11227584 A JP H11227584A JP 2992498 A JP2992498 A JP 2992498A JP 2992498 A JP2992498 A JP 2992498A JP H11227584 A JPH11227584 A JP H11227584A
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JP
Japan
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pressure
input
piston
valve
chamber
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JP2992498A
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English (en)
Inventor
Eiji Yagi
英治 八木
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Publication date
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  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成によりペダル踏力とアクチュエー
タとの2系統の入力に応じてブレーキ圧を高い精度で制
御できるようにして、回生ブレーキ装置を備えた車両に
搭載するのに好適なブレーキ装置を提供すること。 【解決手段】 運転者の制動操作力が入力される入力部
材fと、この入力部材fからバランス部材kへの操作入
力Fpとアクチュエータjからバランス部材kに入力さ
れる駆動力Bとのバランスに基づいて制御圧力Cを形成
する油圧制御バルブrと、シリンダa内を、制御圧力C
が入力される動力室bとホイルシリンダgにブレーキ回
路hを介して接続された圧力室cとに画成してシリンダ
aに摺動自在に設けられたパワーピストンdと、を備
え、このパワーピストンdに離間させてパワーピストン
dを押圧可能に入力部材fを設けた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ装置に関
し、特に、制動時に運動エネルギを電気エネルギに変換
して回収する回生ブレーキを備えた車両に搭載するのに
好適なブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブレーキ装置としては、例えば、
特開昭63−50864号公報記載の倍力比例制御装置
(第1従来技術)や、特開平6−286592号公報記
載のブレーキ装置(第2従来技術)やあるいは特開平4
−87867号公報記載のブレーキ装置(第3従来技
術)のように運転者のブレーキ操作の有無にかかわらず
各輪のブレーキ圧を任意に制御するようにした装置が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、地球
環境の改善策の1つとしてCO2 の排出量の低減が図ら
れており、これを達成するために車両の推進装置として
電力により駆動するものが提案されている。そして、こ
のような電力駆動の車両にあっては、減速時に、回生ブ
レーキ装置により車両の運動エネルギを電気エネルギと
して回収し、駆動力として再利用するることが成されて
いる。
【0004】このような車両にあっては、運転者が減速
にあたり制動操作を行っている時に上記回生ブレーキに
よるエネルギ回収が行われると、実質的な制動力が変化
してしまい、運転者は制動操作量と制動力とが一致しな
い違和感を感じるという問題があった。
【0005】上述の第1従来技術は単なる倍力装置であ
り、上述の問題を解決することはできない。一方、上述
の第2従来技術および第3従来技術は、アクチュエータ
の駆動を制御することによりブレーキ圧を任意に制御す
る技術であるから、この従来技術を用いて、その制御手
段が、回生ブレーキ装置を作動させた時に、回生ブレー
キ装置により得られる制動力の分だけブレーキ圧を減圧
させる制御を実行するようにすれば、制動操作量に対す
るトータルの制動力が変化せず、運転者が違和感を感じ
ないようにすることは可能である。しかしながら、上述
の第2・第3従来技術を用いて、回生ブレーキ装置の作
動時にブレーキ圧を制御する構成としても、以下に述べ
るような解決すべき課題が残るものであった。
【0006】1) 第2・第3従来技術は、各輪のホイル
シリンダに対して複数の制御弁が必要であり構造が複雑
になり、装置の大型化やコストアップを招く。
【0007】2) 第2・第3従来技術は、ブレーキ圧の
制御を行う時にはマスタシリンダとホイルシリンダとを
結ぶブレーキ回路を遮断するため、ホイルシリンダ側の
負荷情報が得られなくなり、ホイルシリンダ側の負荷の
変化に応じた精度の高い制御を行うことができない。
【0008】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、簡単な構成によりペダル踏力とアクチ
ュエータとの2系統の入力に応じてブレーキ圧を高い精
度で制御できるようにして、回生ブレーキ装置を備えた
車両に搭載するのに好適なブレーキ装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明のブレーキ装置は、図1のクレーム対応図に
示すように、シリンダa内を動力室bと圧力室c(1)
とに画成してシリンダaに摺動自在に設けられたパワー
ピストンd(1)と、このパワーピストンdを圧力室拡
大方向に付勢するリターン付勢手段e(1)と、このリ
ターン付勢手段eに抗してパワーピストンdを圧力室縮
小方向に押圧可能にシリンダaに支持され、かつ、運転
者の制動操作力を入力可能であるとともにパワーピスト
ンdから離間して設けられた入力部材fと、前記圧力室
cとホイルシリンダgとを結ぶブレーキ回路h(1)
と、一端側から前記入力部材fへの操作入力が伝達され
る一方で、他端側からアクチュエータjの駆動力が入力
されるバランス部材kを備え、かつ、液圧源mに接続さ
れた圧力供給回路nおよびブレーキ液を排出するドレン
回路pに接続されて、前記バランス部材kに対する前記
操作入力Aと駆動力Bとのバランスに基づき、操作入力
Aが駆動力Bを上回れば増圧し下回れば減圧する特性で
制御圧力を形成可能に構成された油圧制御バルブrと、
この油圧制御バルブrで形成された制御圧力を前記シリ
ンダaの動力室bに導入する出力回路sと、を備えてい
ることを特徴とする。なお、請求項2記載の発明のよう
に、請求項1記載のブレーキ装置において、前記パワー
ピストンとして、前記入力部材fにより入力が可能な第
1ピストンd1と、この第1ピストンd1と直列に離間
して配置された第2ピストンd2とを設け、前記シリン
ダaの圧力室として、第1ピストンd1と第2ピストン
d2との間の第1圧力室c1と、第2ピストンd2とシ
リンダaの端部の間の第2圧力室c2とを形成し、前記
リターン付勢手段として、第1ピストンd1と第2ピス
トンd2との間に設けられた第1リターン付勢手段e1
と、第2ピストンd2を第1ピストンd1の方に押圧す
る第2リターン付勢手段e2とを設け、前記第1圧力室
c1と第2圧力室c2とを、それぞれ第1ブレーキ回路
h1および第2ブレーキ回路h2を介してそれぞれ2つ
のホイルシリンダgに接続した構成としてもよい。ま
た、請求項3記載の発明のように、請求項1または2記
載のブレーキ装置において、前記油圧制御バルブrに
は、前記バランス部材kに対して入力部材fから伝達さ
れる入力と同じ方向に液圧源mの液圧を作用させるよう
導入する入力回路tを接続し、この入力回路tの途中
に、液圧源mの液圧がバランス部材kに作用する状態と
作用しない状態とに切り替える切替弁uを設けてもよ
い。また、請求項4記載の発明のように、請求項1ない
し3記載のブレーキ装置において、前記油圧制御バルブ
rのバランス部材kを、2つのランドを有したスプール
で構成し、このスプールは、ランドに挟まれた制御室と
圧力回路との間に流入側絞りを形成するとともに、前記
制御室とドレン回路との間に流出側絞りを形成し、これ
ら絞りの開口面積の差に基づいて制御室内の圧力が決定
されるよう構成し、この制御室を前記出力回路に接続す
るとともに、前記制御室を挟む2つのランドは、操作入
力が入力される側のランドを他方のランドよりも大径に
形成した構成としてもよい。また、請求項5記載の発明
のように、請求項1ないし3記載の発明において、前記
油圧制御バルブrを、バルブボディ1に穿設されたバル
ブ穴2に摺動自在に挿入されているシリンダ15と、こ
のシリンダ15の摺動穴15aの開口端に第1ボール2
3を着座させて構成された第1バルブ24と、前記第1
ボール23を押圧可能な電磁ソレノイド10と、前記摺
動穴15aに摺動可能に挿入された押圧部材18と、前
記第1ボール23ならびに前記押圧部材18との間に間
隔を有して摺動穴15aの内部に摺動可能に配設された
ピストン17と、このピストン17の連通孔17cの開
口端に第2ボール21を着座させて構成された第2バル
ブ22と、前記第1バルブ24と第2バルブ22との間
の形成された出力室42と、前記圧力供給回路に連通さ
れて形成された高圧ポート4と、前記出力回路に連通さ
れて形成された出力ポート6と、前記ドレン回路に連通
されて形成されたドレンポート8と、前記入力回路に接
続されて形成された入力ポート26と、を備えた構成と
してもよい。また、請求項6記載の発明のように、請求
項1ないし5記載のブレーキ装置において、前記アクチ
ュエータjの駆動力を制御する制御手段は、運転者が制
動操作を行っている時に、同時に回生ブレーキ装置が作
動した場合には、回生ブレーキによる制動力分をホイル
シリンダgにおいて発生している制動力から減じるべく
制御圧力を低減させるようアクチュエータjの駆動力B
を増加させる制御を実行するよう構成してもよい。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明では、運転者が制動操作を
行うと、入力部材fに制動操作力が入力される。この操
作入力Aは、油圧制御バルブrのバランス部材kに入力
される一方、バランス部材kには、その入力と対向する
向きにアクチュエータjからの駆動力Bが入力され、油
圧制御バルブrでは、この操作入力と駆動力とのバラン
スに基づいて制御圧力Cが形成される。
【0011】この油圧制御バルブrで形成された制御圧
力Cは、シリンダaの動力室bに伝達され、この制御圧
力Cによりパワーピストンdが摺動して圧力室cの容積
が縮小され、その容積変化分のブレーキ液がブレーキ回
路hを介してホイルシリンダgに送られ制動力が生じ
る。
【0012】この制動力は、パワーピストンdの摺動量
により決定されものであり、また、この摺動量は、パワ
ーピストンdにおける動力室bの制御圧力Cの受圧力
と、この受圧力に抗する方向に作用するパワーピストン
dにおける圧力室cの圧力(=ホイルシリンダ圧)とリ
ターン付勢手段eの付勢力との合力とのバランスにより
決定される。そして、動力室bの制御圧力Cは、アクチ
ュエータjの駆動力Bと入力部材fから入力される操作
入力Aとのバランスにより決定される。したがって、例
えば、運転者が制動操作時に、同時に回生ブレーキ装置
を作動させた場合、アクチュエータの駆動力Bを増大さ
せれば、制御圧力Cが低下し、ホイルシリンダgにおい
て発生している制動力を低減させて、トータルの制動力
を一定させることが可能である(請求項6)。また、入
力部材fに入力される制動操作力に対してアクチュエー
タjの駆動力をどのように設定するかにより、制動操作
力に応じて発生する制動力の特性を任意に設定すること
ができ、これにより倍力機能を持たせることもできる。
【0013】また、パワーピストンdの一端は常にホイ
ルシリンダ圧と同圧であるため、ホイルシリンダ圧の変
動は、パワーピストンdの摺動として表れ、このパワー
ピストンdの摺動は動力室bに圧力変動を招き、この動
力室bの圧力変動はバランス部材kにおけるアクチュエ
ータjからの駆動力Bと入力部材fからの操作入力Aと
のバランスに影響を与える。したがって、ホイルシリン
ダgにおける負荷の変化は、常時、油圧制御バルブrに
おいてモニタすることができるし、また、この負荷の変
動があってもホイルシリンダ圧を一定に制御することが
できる。
【0014】異常の発生により油圧制御バルブrが機能
しなくなった時には、運転者の制動操作力が入力部材f
に入力されると、入力部材fは、パワーピストンdとの
離間している距離をストロークした後、パワーピストン
dを直接押してストロークさせる。したがって、圧力室
cの容積が変化し、その変化に応じた制動力がホイルシ
リンダgにおいて発生する。このように、入力部材fと
パワーピストンdとを必要に応じて直結させることもで
きる。なお、通常時は、入力部材fとパワーピストンd
とは離間しているため、入力部材fがパワーピストンd
に当接する前にパワーピストンdは動力室bの圧力上昇
に応じて摺動する。
【0015】請求項2記載の発明では、パワーピストン
が摺動するときには、第1ピストンd1と第2ピストン
d2とが同期して摺動し、これに伴って、第1圧力室c
1と第2圧力室c2との容積が縮小されてホイルシリン
ダg,gの圧力が上昇して、制動力が発生する。
【0016】請求項3記載の発明では、運転者が制動操
作を行っていない時にあっても、切替弁uを作動させて
入力回路tを液圧源mに連通させると、液圧源mの液圧
によりバランス部材kが押され、バランス部材kがこの
液圧による入力とアクチュエータjの駆動力Bとが釣り
合うのに応じて制御圧力Cが形成される。そして、この
ようにして形成された制御圧力Cが動力室bに入力され
てパワーピストンdが摺動してホイルシリンダ圧が発生
する。本発明では、このように運転者が制動操作を行っ
ていない時にも、自動的に制動力を発生させることがで
きる。
【0017】請求項4記載の発明では、油圧制御バルブ
rにおいて、スプールが一方から操作入力により押さ
れ、他方からアクチュエータjの駆動力に押されること
により摺動し、これにより流入側絞りと流出側絞りとの
開度が変化してランド間の制御室の圧力が決定される。
また、ホイルシリンダ側の負荷に応じて動力室の圧力が
変化した場合、この動力室と出力回路を介して接続され
た制御室の圧力が変化すると、スプールにあってはラン
ドの径差に基づき、制御室の圧力上昇は操作入力に抗す
る方向に作用し、制御圧力低下はアクチュエータの駆動
力に抗する方向に作用する。
【0018】請求項5記載の発明では、油圧制御バルブ
rが以下のように作動する。電磁ソレノイドの推力と操
作入力とが釣り合っている状態では、第1バルブが閉弁
して高圧ポートと出力室との間を遮断しているととも
に、第2バルブが閉弁して出力室と連通孔との間を遮断
している。操作入力が電磁ソレノイドの推力を上回った
場合には、その推力がピストンに入力され、このピスト
ンが第2ボールを押し、さらに、第2ボールが直接ある
いは間接的に第1ボールを押し、第1ボールがシリンダ
から離れて第1バルブが開弁する。したがって、高圧ポ
ートと出力室とが連通され、出力室の圧力が上昇する。
その後、操作入力と電磁ソレノイドの推力とが釣り合う
と、第1バルブが閉弁する。電磁ソレノイドの推力が操
作入力を上回った場合には、シリンダが摺動するととも
にピストン摺動し、このピストンの移動により、第2ボ
ールとピストンとの間に隙間が生じ、すなわち第2バル
ブが開弁して、出力ポートが、連通孔を介してドレンポ
ートと連通され、出力室および出力ポートの液圧が減圧
される。その後、電磁ソレノイドの推力と操作入力との
釣り合いがとれた時点で、第2バルブが閉弁する。切替
弁を作動させて液圧源の液圧を入力ポートに入力し、こ
の液圧による押圧力が電磁ソレノイドの推力を上回った
場合には、上記操作入力が推力を上回った場合と同じ作
動が得られ、出力室および出力ポートの液圧が上昇す
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図2は実施の形態1のブレーキ
装置の全体図である。図において61は、図外のブレー
キペダルに連結された操作検知ロッドであり、この操作
検知ロッド61は、パワーバルブPVのハウジング62
に、図中左右方向に摺動自在に支持されている。
【0020】前記操作検知ロッド61の先端部は、前記
ハウジング62に形成されたシリンダ穴62aに摺動自
在に設けられているパワーピストンとしての第1ピスト
ン63の差込穴63aに、前記ブレーキペダルを操作し
ていない状態では軸方向に隙間を有するように挿入され
ている。前記シリンダ穴62a内には第1ピストン63
と間隔を有して直列に第2ピストン64が摺動自在に設
けられ、前記第1ピストン63とシリンダ穴62aの右
側端面との間には、動力室65が形成され、両ピストン
63,64の間には、第1圧力室66が形成され、第2
ピストン64とシリンダ穴62aの図中左側端面との間
には第2圧力室67が形成されている。そして、前記第
1圧力室66は、第1ブレーキ回路68を介して2つの
ホイルシリンダWCに接続されているとともに、前記第
2圧力室67は、第2ブレーキ回路69を介して残りの
2つのホイルシリンダWCに接続されている。また、こ
の第1ピストン66と第2ピストン67との間にリター
ン付勢手段としての第1リターンスプリング71が介在
されているとともに、第2ピストン64とシリンダ穴6
2aの図中左側端面との間に第2リターン付勢手段とし
ての第2リターンスプリング72が設けられており、前
記操作検知ロッド61が前記隙間を越えるストロークを
行って図中左方向に第1ピストン63を押すと、両ピス
トン63,64が同期して図中左方向にストロークし
て、第1圧力室66および第2圧力室67の容積が縮小
され、この容積変化分のブレーキ液が、それぞれホイル
シリンダWCに供給されるよう構成されている。
【0021】前記操作検知ロッド61には、軸直交方向
にコントロールアーム61aが延在されている。そし
て、コントロールアーム61aには、操作検知ロッド6
1と平行に操作力伝達スプリング73が取り付けられ、
この操作力伝達スプリング73は、コントロールアーム
61a(操作検知ロッド61)への入力を伝達可能に油
圧制御バルブcvの入力ロッド11に連結されている。
【0022】次に、図3に基づいて油圧制御バルブCV
の構成を簡単に説明する。前記入力ロッド11は、押圧
部材18に連結されており、この押圧部材18はシリン
ダ15に形成された摺動穴15aに、ピストン17とと
もに摺動自在に収納されている。前記ピストン17は、
第1ピストンスプリング19により図中右方向に付勢さ
れ、また、ピストン17と押圧部材18との間に設けら
れた中間室43において、両者17,18の間に第2ピ
ストンスプリング20が介在されている。
【0023】前記シリンダ15は、バルブボディ1に形
成されたバルブ穴2に摺動自在に収容され、かつ、シリ
ンダスプリング16によりストッパ段部2cに突き当た
るよう付勢されている。また、バルブ穴2の小径部2a
には、リテーナ13が摺動自在に収容され、このリテー
ナ13は、受具12との間に設けられたリテーナスプリ
ング14により図中右方向に付勢され、かつ、電磁ソレ
ノイド10の駆動力である推力Fsによっても図中右方
向に付勢されるよう構成されている。
【0024】そして、前記リテーナ13の先端部には第
1ボール23が設けられ、この第1ボール23と前記ピ
ストン17の間に位置して第2ボール21が設けられ、
両ボール21,23の間にはバルブスプリング25が設
けられている。すなわち、前記第1ボール23と前記シ
リンダ15の摺動穴15aの開口端部とで第1バルブ2
4を構成しており、また、第2ボール21とピストン1
7に形成された連通孔17cの開口端とで第2バルブ2
2を形成している。
【0025】前記バルブボディ1には、前記リテーナ1
3の中間に位置して高圧ポート4が形成され、また、シ
リンダ15の左側の段部の位置に出力ポート6が形成さ
れ、シリンダ15の右側の段部の位置にドレンポート8
が形成され、前記中間室43の外側位置に入力ポート2
6が形成されている。前記高圧ポート4は、圧力供給回
路51を介して蓄圧源3およびポンプ9に接続され、前
記出力ポート6は、出力回路52を介して前記動力室6
5に接続され、前記ドレンポート8は、ドレンタンク7
に至るドレン回路53に接続され、前記入力ポート26
は入力回路55に接続されている。また、入力回路55
の途中には、入力回路55を、ドレンタンク7と前記圧
力供給回路51との一方に選択的に接続する自動ブレー
キ用バルブ54が設けられている。この自動ブレーキ用
バルブ54は、非通電時には入力回路55をドレンタン
ク7に接続させ、通電時には入力回路55を圧力供給回
路51に接続させるように構成されている。
【0026】なお、前記受具12の図中右側に形成され
た圧力室41が前記高圧ポート4に連通され、前記出力
ポート6が両バルブ22,24の間に形成された圧力室
42と連通され、前記連通孔17cがドレンポート8と
連通され、前記入力ポート26が中間室43と連通され
ている。なお、図中31〜36はシール材である。
【0027】ここで、上述した油圧制御バルブCVの作
動について説明する。 a)初期状態、あるいは、釣合状態 初期状態は、入力ロッド11からの操作入力Fpが無い
場合であり、この状態では、第1ボール23は、リテー
ナ13を介して入力されるリテーナスプリング14の付
勢力によりシリンダ15の左端に押し付けられており、
一方、シリンダ15は、シリンダスプリング16の付勢
力により図中左方向に付勢されてストッパ段部2cに突
き当てられている。したがって、両スプリング14,1
6の付勢力に基づき、第1バルブ24は閉弁状態となっ
ている。
【0028】また、第2ボール21は、第1ボール2
3、またはバルブスプリング25に押されてピストン1
7の左端に押し付けられており、一方、ピストン17
は、入力ロッド11の位置に対応して配置されていると
ともに、第1・第2ピストンスプリング19,20の付
勢力の関係に基づいて(第1ピストンスプリング19の
付勢力<第2ピストンスプリング20の付勢力)、図示
の静止位置に配置され、よって、第2バルブ22は閉弁
状態となっている。
【0029】このように、第1・第2両バルブ24,2
2が閉じていることから、蓄圧源3につながる高圧ポー
ト4と、出力回路52につながる出力ポート6との間
は、第1バルブ24により遮断されていて、出力回路5
2に圧力が供給されることがないとともに、出力ポート
6と、ドレン回路53につながるドレンポート8との間
は、第2バルブ22により遮断されている。
【0030】また、釣合状態は、操作入力Fpがある場
合であり、この場合、図3の状態のままで、第1ボール
23がソレノイド推力Fsにより図中右方向にさらに強
く付勢され、第2ボール21はロッド入力Fpにより図
中左方向にさらに強く付勢されている。以上から、ホイ
ルシリンダ5の圧力は、下記の圧力式が釣り合う状態の
圧力となって、第1・第2バルブ24,22は閉じてい
る。ちなみに、第2ピストンスプリング20は、ロッド
入力Fpをピストン17に伝達するためのものであり、
かつ、緩衝材としての機能を果たす。 (圧力式)図中右方向に作用する力を左辺に、図中左方
向に作用する力を右辺にまとめると、 F1+Fs+(D−AS)×Pc=F2+Fp+BS×
Pc したがって、 Pc=[1/(D−AS−BS)]×Fp+(F2−F
1−Fs)/(D−AS−BS) なお、Pcはホイルシリンダ5の圧力、Fpはロッド入
力、ASは第2ボールの弁部面積、BSは第1ボールの
弁部面積、Dはピストンの断面積、F1はリテーナスプ
リング14のセット力、F2はシリンダスプリング16
のセット力、Fsはソレノイド推力である。
【0031】なお、上述の初期状態において、電磁ソレ
ノイド10は推力Fsを発生させるようにしても、させ
ないようにしてもよい。すなわち、図5に示すように、
初期状態において推力Fsが0であるように設定する
と、操作入力Fpが少しでも入力されると出力ポート6
において制御液圧が直ちに立ち上がる特性APとなり、
初期状態において推力Fsが発生していると、操作入力
Fpが所定値を越えると出力ポート6において制御液圧
が立ち上がる特性BPとなる。
【0032】また、電磁ソレノイド10の推力Fsは、
図6に示すように通電される電流値に応じて発生する特
性に構成されている。
【0033】b)操作入力Fpの入力による増圧状態 入力ロッド11が図中左方向に押されると押圧部材1
8、第2ピストンスプリング20、ピストン17、第2
ボール21を介して第1ボール23が左方向に押され
る。一方、シリンダ15はストッパ段部2cにより左方
向への摺動を規制されていて上記初期状態の位置にとど
まっているため、第1ボール23がシリンダ15から離
れて第1バルブ24が開弁する。したがって、蓄圧源3
の流体圧が圧力室41からシリンダ15の摺動穴15a
内の出力室42に導入され、さらに、出力ポート6から
出力回路52に供給される。
【0034】以上により、出力回路52の圧力は増圧状
態になり、上記圧力式が釣り合う圧力となったところで
第1ボール23が第2ボール22を押し戻して第1バル
ブ24を閉じる。
【0035】c)推力Fsの変化による減圧および増圧 図3の釣り合い状態で、一定のソレノイド推力Fsが加
わっている状態から、電磁ソレノイド10の推力Fsを
任意に選択することにより、ブレーキペダルからの操作
入力Fpに対するホイルシリンダ圧特性を変更すること
ができる。
【0036】まず、釣り合い状態(図3)から、電磁ソ
レノイド10の推力Fsを増加させると、リテーナ13
を介して第1ボール24が図中右方向に押され、第1ボ
ール24が、シリンダ15を右方向に押し、シリンダス
プリング16の短縮分だけシリンダ15が図中右方向に
摺動する。これに伴い、シリンダ15の段部が第1ピス
トンスプリング19を介してピストン17を押すことに
なり、これによりピストン17が右に摺動すると、第2
ボール21を右方向に押していた第1ボール23の力、
あるいは両ボール23,21間のバルブスプリング25
の付勢力が弱まり、第2ボール21とピストン17との
間に隙間が開く、すなわち、第1バルブ22が開弁す
る。
【0037】したがって、出力回路52のブレーキ液
が、出力ポート6,第2バルブ22,連通孔17cを経
てドレンポート8からドレン回路53へ流れて減圧され
る。その後、上記減圧により出力回路52の圧力が、上
記圧力式において釣り合う値まで低下したら、第2ボー
ル21とピストン17が当接して、第2バルブ11が閉
弁する。
【0038】上記とは逆に、釣り合い状態から電磁ソレ
ノイド10の推力Fsが減ると、第1ボール23を図中
右方向に押し付けていた力が減り、これにより、バルブ
スプリング25および第1・第2ピストンスプリング1
9,20は、推力Fsにより撓んでいた状態から、推力
低下に対応して伸びることで第1ボール23が図中左方
向に移動し、第1バルブ24が開弁する。この第1バル
ブ24を通って、蓄圧源3の流体圧が出力回路52に供
給されて出力回路52の圧力が上昇する。その後、出力
回路52の圧力が上述の圧力式の釣り合いのとれる圧力
まで上昇すると、第1ボール23がシリンダ15に当接
し第1バルブ24が閉弁する。
【0039】e)自動ブレーキ時 後述する自動ブレーキ時にあっては、自動ブレーキ用バ
ルブ54に通電して入力回路55を圧力供給回路51に
連通させる。この場合、入力ポート26に蓄圧源3の圧
力が供給され、この圧力は、第2ボール21を図中左側
に押圧して、第2バルブ22を開弁するとともに、第1
ボール23も図中左側に押して第1バルブ21も開弁
し、ブレーキ液が圧力室42から出力回路52に供給さ
れて増圧される。その後、出力回路52の圧力が上述の
圧力式の釣り合いのとれる圧力まで上昇すると、第1バ
ルブ24ならびに第2バルブ22が閉弁する。図5にお
いて特性CPが自動ブレーキ時を示しており、この自動
ブレーキ時には、入力Fpに関係なく出力圧が立ち上が
る。
【0040】ここで、図2に戻り構成の説明を続ける
と、前記電磁ソレノイド10ならびに自動ブレーキ用バ
ルブ54は、コントロールユニット80に接続されてい
る。そして、このコントロールユニット80は、入力手
段として前記コントロールアーム61aへの入力である
操作入力Fpを検出する入力センサ81と、車輪の車輪
速を検出する車輪速センサ82とが設けられているとと
もに、電磁ソレノイド10への駆動電流を検出するよう
に構成されている。
【0041】前記コントロールユニット80は、ホイル
シリンダ圧を制御すべく前記電磁ソレノイド10ならび
に自動ブレーキ用バルブ54の作動を制御するブレーキ
制御部83と、少なくとも電力により駆動する推進装置
を含む駆動源の駆動をコントロールする部分であって、
減速時に運動エネルギを電気エネルギとして回収する回
生ブレーキをコントロールする駆動制御部84とを有し
ている。
【0042】以下に、図4のブロック図に基づいて前記
コントロールユニット80の構成を説明する。前記駆動
制御部84は、車輪速センサ82からの信号に基づいて
減速度を検出する減速度演算部84aと、この減速度演
算部84aで得られた減速度ならびに後述するブレーキ
圧力に基づいて目標とする回生量を演算する回生制動力
演算部84bと、を備えている。
【0043】また、前記ブレーキ制御部83は、入力セ
ンサ81において検出される運転者によるブレーキペダ
ル踏力に応じたブレーキ圧力を演算するブレーキ圧力演
算部83aと、電磁ソレノイド10における駆動電流検
出に基づいて電磁ソレノイド10における推力Fsを演
算するソレノイド推力演算部83bと、このソレノイド
推力演算部83bで得られたソレノイド推力Fsおよび
回生制動力演算部84bで得られた目標回生量に基づい
て、運転者の制動操作に応じた制動力から回生ブレーキ
により生じる制動力に相当する分を減らす量である目標
減圧量(目標電流)を演算する減圧演算部83cと、現
在の電磁ソレノイド10における駆動電流と目標電流と
の差を求める目標電流計算部83dと、この目標電流計
算部83dにおいて得られた電流差に応じて電磁ソレノ
イド10を駆動させるソレノイド駆動回路83eとを備
えている。
【0044】次に、実施の形態の作動を説明する。 イ)運転者による制動操作時 運転者がブレーキペダルを踏むと、操作検知ロッド61
ならびにコントロールアーム61aが一体的に図2にお
いて左方向にスライドし、この入力が操作力伝達スプリ
ング73を介して油圧制御バルブCVの入力ロッド11
に操作入力Fpとして入力される。油圧制御バルブCV
では、この操作入力Fpに応じた制御圧力が出力ポート
6に形成され、この制御圧力が出力回路52を介して動
力室65に入力される。
【0045】したがって、パワーバルブPVでは、操作
検知ロッド61が第1ピストン63を押す前にこの第1
ピストン63が動力室65の圧力により図中左方向に移
動するとともに、第1リターンスプリング71を介した
押圧力の伝達により第2ピストン64も図中左方向に移
動する。これにより第1圧力室66ならびに第2圧力室
67内のブレーキ液が、第1ブレーキ回路68ならびに
第2ブレーキ回路69を介して各ホイルシリンダWCに
送られ、運転者のブレーキペダルの踏力に応じた制動力
が発生する。
【0046】なお、このブレーキペダルの踏力に応じた
制動力の特性は、電磁ソレノイド10における推力Fs
の設定により任意に設定できるものであり、倍力装置の
機能を得ることができる。
【0047】ロ)回生ブレーキ時 エンジンブレーキ時や上記ブレーキ操作時には、駆動系
の回転エネルギにより図外の発電機を作動させて運動エ
ネルギを電気エネルギに変換して回収する回生ブレーキ
作動を行う。そして、この時、上記イ)のブレーキ操作
を行っている時には、回生ブレーキで得られる制動力分
をホイルシリンダWCで発生している制動力から減じる
ことで運転者に違和感を与えないようにする制御を実行
する。
【0048】この時、コントロールユニット80では、
回生制動力演算部84bで演算した目標回生量、および
現在の電磁ソレノイド10における推力Fsとに基づい
て、ブレーキ制御部83において電磁ソレノイド10の
目標電流(目標減圧量)を演算し、この演算結果に基づ
き電磁ソレノイド10における推力Fsを増加させ、こ
れにより、出力ポート6、すなわちパワーバルブPVの
動力室65の圧力を減圧させ、ホイルシリンダWCの圧
力を減圧させる。
【0049】したがって、運転者の制動操作に応じた制
動力が、ホイルシリンダWCにおける制動力と回生ブレ
ーキによる制動力とのトータルで得られることになり、
運転者が制動操作を行った時に、回生ブレーキによる制
動力が急に増加して、運転者が違和感を感じるという不
具合が生じない。
【0050】ハ)自動ブレーキ時 ブレーキ制御部83において、図示はしていないが、例
えば、自動追尾制御などに伴う制動時、あるいは、駆動
輪がスリップした時に駆動輪のスリップを防止する駆動
スリップ防止制御に伴う制動時、あるいは、車両が過オ
ーバステアや過アンダステア状態となった時にこれを抑
える方向にヨーモーメントを発生させるヨーモーメント
制御に伴う制動時、などには、運転者が制動操作を行っ
ていないのに制動力を発生させる自動ブレーキを行う。
【0051】この時には、ブレーキ制御部83は、自動
ブレーキ用バルブ54を切り替えて入力回路55を蓄圧
源3(圧力供給回路51)と接続させるとともに、必要
な制動力に応じた電流を電磁ソレノイド10に通電す
る。
【0052】これにより、油圧制御バルブCVでは、中
間室43に圧力が導入され、この圧力によりピストン1
7を図中右方向に押す入力ロッド11からの入力Fpと
同方向に作用する押圧力と、電磁ソレノイド10の推力
Fsとが釣り合う圧力が出力ポート6において形成さ
れ、この圧力に基づいてパワーバルブPVからホイルシ
リンダWCにブレーキ液が供給されて制動力が発生す
る。
【0053】ニ)フェイルセーフ時 各センサ81,82やコントロールユニット80、ある
いは各油路に異常が検出された時には、制御を中止し、
ポンプ9の駆動も停止させる。この場合、上述の制御は
実行できず、上記イ)の倍力機能も得られないが、運転
者のブレーキペダルの操作に応じた制動力は発生する。
すなわち、運転者がブレーキペダルを操作すると、操作
検知ロッド61が、図2において左方向に移動し、その
移動量が第1ピストン63における差込穴63aとの隙
間の間隔を越えると、操作検知ロッド61が直接第1ピ
ストン63を押し、さらに、第1リターンスプリング7
1を介して第2ピストン64を押すことになる。したが
って、各圧力室66,67の容積が縮まり、その容積変
化分のブレーキ液が各ホイルシリンダWCに送られて制
動力が発生する。この場合の出力圧特性は、図5におい
てDPで示す特性となり、正常時よりも出力圧が低い特
性となる。
【0054】以上説明した実施の形態にあっては、上述
のように構成したことで、以下に列挙する効果が得られ
る。 a) 運転者が制動操作を行ったのに連動して、回生ブレ
ーキをかけて運動エネルギを電気エネルギに変換した時
に、回生ブレーキの状態に応じてホイルシリンダWCに
おける圧力を減圧し、トータルの制動力が変化しないた
め、制動操作に対応した制動力が一定に保たれ、運転者
が違和感を感じることがなく、操作感に優れている。
【0055】b) ホイルシリンダWCにおける負荷変動
は、ホイルシリンダ圧の変動として表れ、この圧力変動
は、常にブレーキ回路68,69および両圧力室66,
67から両ピストン63,64を介してパワーバルブP
Vの動力室65に伝達され、さらに出力回路52を介し
て油圧制御バルブCVの出力ポート6に伝達され、入力
ロッド11における操作入力Fpと電磁ソレノイド10
における推力Fsとのバランスにフィードバックされる
ものであり(ホイルシリンダWCの圧力上昇は操作入力
Fpに抗する方向、すなわち減圧方向に作用し、ホイル
シリンダWCの圧力低下は推力Fsに抗する方向、すな
わち増圧方向に作用する)、このようにホイルシリンダ
WCにおける負荷変動が、常時フィードバックされる構
造であるため、制御圧力を一定に保つことができ制御性
に優れる。
【0056】c) 油圧制御バルブCVが故障した場合の
ようなフェイル時には、ブレーキペダルの踏力が操作検
知ロッド61に入力され、この操作検知ロッド61が直
接第1・第2ピストン63,64を動かしホイルシリン
ダ圧を発生させることができるため、フェイルセーフ性
が高い。
【0057】d) 上述のような効果を有した4輪のホイ
ルシリンダ圧制御が、1つのパワーバルブPVと1つの
油圧制御バルブCVと1つの自動ブレーキ用バルブ54
から成る構成により達成できるため、装置を安価かつコ
ンパクトに構成できる。
【0058】さらに、本実施の形態の油圧制御バルブC
Vにあっては、流量制御時に脈動が生じたり作動音が発
生したりすることがなくホイルシリンダ圧を制御できる
という効果と、低コストの手段により倍力機能と増減圧
機能とを両立できるという効果と、第1バルブ24と第
2バルブ22とを閉じている状態では、漏れは殆ど生じ
ることがなく、しかも、これらバルブ部分は、弁体とし
ての各ボール21,23を穴に着座させただけの構造で
あるため、高度な加工を必要とすることなく漏れが生じ
ないようにすることができ、低コストの手段により通過
流量を充分に低減させて、ホイルシリンダ圧の精度の高
い制御が可能となるという効果と、ゴミ詰まりが生じ難
いという効果とを有している。
【0059】次に、他の実施の形態について説明する
が、これら実施の形態を説明するにあたり、実施の形態
1との相違点のみを説明する。
【0060】図7は実施の形態2における油圧制御バル
ブCV2を示す。この油圧制御バルブCV2は、2つの
ランド91a,91bを有したスプール91と、高圧ポ
ート4、出力ポート6、ドレンポート8、入力ポート2
6が形成されたシリンダ92と、前記スプール91を所
定の中立位置に付勢すべくスプール91の両端に設けら
れたセンタリングスプリング93,94とを備え、前記
スプール91の一端に電磁ソレノイド10の推力Fsが
入力され、スプール91の他端に入力ロッド11から操
作入力Fpが入力されるよう構成されている。
【0061】この油圧制御バルブCV2によれば、ラン
ド91bと高圧ポート4との間に形成されている流入側
絞り95の面積と、ランド91aとドレンポート8との
間に形成されている流出側絞り96の面積との関係に基
づいて両ランド91a,91bの間の圧力室97、すな
わち出力ポート6の液圧が決定されるものであり、操作
入力Fpと推力Fsとのバランスにおいて、操作入力F
pの方が大きい時は、流入側絞り95の面積が拡大され
るのに対して流出側絞り96の面積が縮小されるために
圧力室97(出力ポート6)の液圧が上昇し、一方、推
力Fsの方が大きくなると、これとは逆に、流入側絞り
95の面積が縮小されるのに対して流出側絞り96の面
積が拡大されるために圧力室97(出力ポート6)の液
圧が低下する。したがって、実施の形態1と同様の作用
効果が得られる。
【0062】図8は実施の形態3におけるコントロール
ユニット80を示すブロック図である。この実施の形態
3では、入力センサ81からの入力信号をバンドパスフ
ィルタ83mならびに位相進角シフト部83nを介して
入力し、かつ、ソレノイド駆動電流の入力信号を、バン
ドパスフィルタ83pを介して入力するよう構成されて
いる。これらのバンドパスフィルタ83m,83pを設
けたことにより、例えば、入力センサ81から入力され
る高周波ノイズを除去したり、ホイルシリンダWCの負
荷を反映する高周波ノイズあるいはパルス的なショック
を除去したり、操作感に影響の大きい操作入力Fpの特
定周波数範囲を選択的に通過させ、制御精度や操作感を
向上させることができる。また、位相進角シフト部83
nにより操作入力Fpの入力位相を進めることにより制
御応答性や操作感の向上を図ることができる。
【0063】以上、図面に基づいて本発明の実施の形態
について説明してきたが、本発明はの構成は、この実施
の形態に限定されるものではない。例えば、実施の形態
では、駆動手段として電磁ソレノイド10を用いたが、
モータや流体アクチュエータなどの他の手段を用いても
よい。また、付勢手段としてコイルスプリングを示して
いるが、それぞれ所期の付勢力が得られるものであれ
ば、ゴム・樹脂などの弾性体やあるいは磁力を用いるも
のなど他の手段を用いてもよい。また、実施の形態で
は、弁体としてボール状のものを示したが、ポペットな
ど他の形状の弁体を用いてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、運転
者の制動操作力が入力される入力部材と、この入力部材
からバランス部材へ伝達される操作力とアクチュエータ
からバランス部材に入力される駆動力とのバランスに基
づいて制御圧力を形成する油圧制御バルブと、シリンダ
内を、油圧制御バルブが形成した制御圧力が入力される
動力室とホイルシリンダにブレーキ回路を介して接続さ
れた圧力室とに画成してシリンダに摺動自在に設けられ
たパワーピストンと、を備え、このパワーピストンに離
間させてパワーピストンを押圧可能に前記入力部材を設
けた構成としたため、運転者が制動操作を行った時に、
同時に回生ブレーキ装置が作動した場合、アクチュエー
タの駆動制御に基づいて、回生ブレーキによる制動力に
相当する分をホイルシリンダで発生している制動力から
減じて、運転者が制動操作に違和感を感じないようにす
ることが可能なブレーキ装置を提供することができると
いう効果が得られるものであり、さらに、この効果に加
えて以下に列挙する効果を有している。 1) 上述の効果を有したブレーキ装置が、上記の簡単な
構成により得られることで、装置のコンパクト化ならび
にコストダウンを図ることが可能である。
【0065】2) ホイルシリンダ側の負荷の変化を常時
モニタできるとともに、負荷が変化してもホイルシリン
ダ圧を一定に保つことができ、さらに、この効果に基づ
いて制御精度の向上を図ることができる。
【0066】3) 倍力装置および自動ブレーキ装置とし
て機能させることができる。
【0067】4) 異常発生時には、制動操作力を入力部
材から直接パワーピストンに入力させて制動力を発生可
能であり、フェイルセーフ性に優れる。
【0068】請求項2記載の発明では、ブレーキ回路が
2系統に別れたブレーキ装置にあっても、単に、パワー
ピストンとして直列に第2ピストンを追加するととも
に、リターン付勢手段を直列に追加させるだけの簡単な
構成により対応することができる。請求項3記載の発明
では、運転者が制動操作を行っていない時にあっても、
制動力を発生させる自動制動装置の機能も有するという
効果が得られる。請求項5記載の発明では、第1バルブ
と第2バルブが閉弁している時には、油圧制御バルブに
流量が生じないため、脈動や作動音が生じることなく、
駆動手段の出力に応じた流量に制御できるという効果が
得られる。請求項6記載の発明では、運転者が制動操作
を行った時に、同時に回生ブレーキ装置が作動して新た
に制動力が加わっても、その分の制動力がホイルシリン
ダ側で減じられて、運転者の操作に対する制動力が変化
することがなく、運転者が違和感を感じることのないブ
レーキ装置を提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーキ装置を示すクレーム対応図で
ある。
【図2】本発明実施の形態1のブレーキ装置の全体図で
ある。
【図3】実施の形態1の要部の断面図である。
【図4】実施の形態1のコントロールユニットのブロッ
ク図である。
【図5】実施の形態1の油圧制御バルブの出力特性図で
ある。
【図6】実施の形態の電磁ソレノイドの推力特性図であ
る。
【図7】実施の形態2の要部である油圧制御バルブを示
す断面図である。
【図8】実施の形態3の要部であるコントロールユニッ
トを示すブロック図である。
【符号の説明】
a シリンダ b 動力室 c 圧力室 c1 第1圧力室 c2 第2圧力室 d パワーピストン d1 第1ピストン d2 第2ピストン e リターン付勢手段 e1 第1リターン付勢手段 e2 第2リターン付勢手段 f 入力部材 g ホイルシリンダ h ブレーキ回路 h1 第1ブレーキ回路 h2 第2ブレーキ回路 j アクチュエータ k バランス部材 m 液圧源 n 圧力供給回路 p ドレン回路 r 油圧制御バルブ s 出力回路 t 入力回路 u 切替弁 1 バルブボディ 2 バルブ穴 2c ストッパ段部 3 蓄圧源 4 高圧ポート 5 ホイルシリンダ 6 出力ポート 7 ドレンタンク 8 ドレンポート 9 ポンプ 10 電磁ソレノイド(アクチュエータ) 11 入力ロッド 12 受具 13 リテーナ 14 リテーナスプリング 15 シリンダ 15a 摺動穴 16 シリンダスプリング 17 ピストン 17c 連通孔 18 押圧部材 19 第1ピストンスプリング(第1リターン付勢手
段) 20 第2ピストンスプリング(第2リターン付勢手
段) 21 第2ボール 22 第2バルブ 23 第1ボール 24 第1バルブ 25 バルブスプリング 26 入力ポート 31〜36 シール材 41 圧力室 42 圧力室 43 中間室 51 圧力供給回路 52 出力回路 53 ドレン回路 54 自動ブレーキ用バルブ(切替弁) 55 入力回路 61 操作検知ロッド 61a コントロールアーム 62 ハウジング 62a シリンダ穴 63 第1ピストン 63a 差込穴 64 第2ピストン 65 動力室 66 第1圧力室 67 第2圧力室 68 第1ブレーキ回路 69 第2ブレーキ回路 71 第1リターンスプリング 72 第2リターンスプリング 73 操作力伝達スプリング 80 コントロールユニット 81 入力センサ 82 車輪速センサ 83 ブレーキ制御部 83a ブレーキ圧力演算部 83b ソレノイド推力演算部 83c 減圧演算部 83d 目標電流計算部 83e ソレノイド駆動回路 83m バンドパスフィルタ 83n 位相進角シフト部 83p バンドパスフィルタ 84 駆動制御部 84a 減速度演算部 84b 回生制動力演算部 91 スプール 91a,91b ランド 92 シリンダ 93,94 センタリングスプリング 95 流入側絞り 96 流出側絞り 97 圧力室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内を動力室と圧力室とに画成し
    てシリンダに摺動自在に設けられたパワーピストンと、 このパワーピストンを圧力室拡大方向に付勢するリター
    ン付勢手段と、 このリターン付勢手段に抗してパワーピストンを圧力室
    縮小方向に押圧可能にシリンダに支持され、かつ、運転
    者の制動操作力を入力可能であるとともにパワーピスト
    ンから離間して設けられた入力部材と、 前記圧力室とホイルシリンダとを結ぶブレーキ回路と、 一端側から前記入力部材への操作入力が伝達される一方
    で、他端側からアクチュエータの駆動力が入力されるバ
    ランス部材を備え、かつ、液圧源に接続された圧力供給
    回路およびブレーキ液を排出するドレン回路に接続され
    て、前記バランス部材に対する前記操作入力と駆動力と
    のバランスに基づき、操作入力が駆動力を上回れば増圧
    し下回れば減圧する特性で制御圧力を形成可能に構成さ
    れた油圧制御バルブと、 この油圧制御バルブで形成された制御圧力を前記シリン
    ダの動力室に導入する出力回路と、を備えていることを
    特徴とするブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記パワーピストンとして、前記入力部
    材により入力が可能な第1ピストンと、この第1ピスト
    ンと直列に離間して配置された第2ピストンとが設けら
    れ、 前記シリンダの圧力室として、第1ピストンと第2ピス
    トンとの間の第1圧力室と、第2ピストンとシリンダの
    端部の間の第2圧力室とが形成され、 前記リターン付勢手段として、第1ピストンと第2ピス
    トンとの間に設けられた第1リターン付勢手段と、第2
    ピストンを第1ピストンの方に押圧する第2リターン付
    勢手段とが設けられ、 前記第1圧力室と第2圧力室とが、それぞれ第1ブレー
    キ回路および第2ブレーキ回路を介してそれぞれ2つの
    ホイルシリンダに接続されていることを特徴とする請求
    項1記載のブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記油圧制御バルブには、前記バランス
    部材に対して入力部材から伝達される入力と同じ方向に
    液圧源の液圧を作用させるよう導入する入力回路が接続
    され、 この入力回路の途中には、液圧源の液圧がバランス部材
    に作用する状態と作用しない状態とに切り替える切替弁
    が設けられていることを特徴とする請求項1または2記
    載のブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記油圧制御バルブのバランス部材が、
    2つのランドを有したスプールであり、 このスプールは、ランドに挟まれた制御室と圧力回路と
    の間に流入側絞りを形成するとともに、前記制御室とド
    レン回路との間に流出側絞りを形成し、これら絞りの開
    口面積の差に基づいて制御室内の圧力が決定されるよう
    構成され、 この制御室が前記出力回路に接続されているとともに、
    前記制御室を挟む2つのランドは、操作入力が入力され
    る側のランドが他方のランドよりも大径に形成されてい
    るていることを特徴とする請求項1ないし3記載のブレ
    ーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記油圧制御バルブが、 バルブボディ1に穿設されたバルブ穴2に摺動自在に挿
    入されているシリンダ15と、 このシリンダ15の摺動穴15aの開口端に第1ボール
    23を着座させて構成された第1バルブ24と、 前記第1ボール23を押圧可能な電磁ソレノイド10
    と、 前記摺動穴15aに摺動可能に挿入された押圧部材18
    と、 前記第1ボール23ならびに前記押圧部材18との間に
    間隔を有して摺動穴15aの内部に摺動可能に配設され
    たピストン17と、 このピストン17の連通孔17cの開口端に第2ボール
    21を着座させて構成された第2バルブ22と、 前記第1バルブ24と第2バルブ22との間の形成され
    た出力室42と、 前記圧力供給回路に連通されて形成された高圧ポート4
    と、 前記出力回路に連通されて形成された出力ポート6と、 前記ドレン回路に連通されて形成されたドレンポート8
    と、 前記入力回路に接続されて形成された入力ポート26
    と、を備えていることを特徴とする請求項1ないし3記
    載のブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 前記アクチュエータの駆動力を制御する
    制御手段は、運転者が制動操作を行っている時に、同時
    に回生ブレーキ装置が作動した場合には、回生ブレーキ
    による制動力分をホイルシリンダにおいて発生している
    制動力から減じるべく制御圧力を低減させるようアクチ
    ュエータの駆動力を増加させる制御を実行するよう構成
    されていることを特徴とする請求項1ないし5記載のブ
    レーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019127211A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 株式会社Subaru 車両用制御装置
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