JPH10132130A - 液圧制御装置および液圧制御用電磁弁 - Google Patents

液圧制御装置および液圧制御用電磁弁

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JPH10132130A
JPH10132130A JP28866296A JP28866296A JPH10132130A JP H10132130 A JPH10132130 A JP H10132130A JP 28866296 A JP28866296 A JP 28866296A JP 28866296 A JP28866296 A JP 28866296A JP H10132130 A JPH10132130 A JP H10132130A
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JP
Japan
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valve
hydraulic
hydraulic pressure
electromagnetic
seat
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JP28866296A
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Inventor
Masakuni Suzuki
雅邦 鈴木
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は自動車用ブレーキ装置の油圧回路を
構成する要素として好適な液圧制御装置に関し、優れた
省電力特性と安定した作動性とを両立させることを目的
とする。 【解決手段】 マスタシリンダ16とホイルシリンダ5
2との間にボール弁110とアウタシート112を備え
る液圧制御用電磁弁80を配設する。アウタシート11
2はボール弁110のホイルシリンダ52側に配設す
る。貫通穴118はボール弁110がアウタシート11
2に着座することで閉塞される。ボール弁110は第2
スプリング116によって離座方向に付勢される。コア
96およびアウタシート112の外周にバイパス通路を
形成してブレーキフルードの流通に伴ってボール弁16
に作用する流体力を低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧制御装置およ
び液圧制御用電磁弁に係り、特に、自動車用ブレーキ装
置の油圧回路を構成する要素として好適な液圧制御装置
および液圧制御用電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平6−22146
1号に開示される如く、流体の流れを制御する電磁弁が
知られている。上記従来の電磁弁は、励磁電流が供給さ
れることにより所定の電磁力を発生する電磁力発生機構
と、この電磁力により駆動される弁体と、弁体が着座す
ることにより入口ポートと出口ポートとを遮断状態とす
る弁座とを備えている。
【0003】従来の電磁弁において、弁座は、弁体の出
口ポート側に設けられている。弁体は、リターンスプリ
ングによって弁座から離座する方向に付勢されている。
電磁力発生機構は、リターンスプリングの付勢力に抗う
方向の電磁力、すなわち、弁体を弁座に向けて押圧する
方向の電磁力を発生する。上記の構造によれば、電磁力
発生機構に励磁電流を供給することで、入口ポートと出
口ポートとを遮断状態とし、また、その励磁電流の供給
を停止することで、入口ポートと出口ポートとを導通状
態とすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電磁弁にお
いて、電磁力発生機構に対して励磁電流が供給されてい
ない場合は、入口ポートから出口ポートに向けて流体が
流通する。この際、弁体には、流体の流れに伴って弁座
に着座する方向の付勢力(以下、この付勢力を流体力と
称す)が作用する。従って、従来の電磁弁において、開
弁状態を安定に維持するためには、リターンスプリング
のバネ定数を、流体力に抗い得る値に設定することが必
要である。
【0005】従来の電磁弁を閉弁させるのに必要な励磁
電流は、リターンスプリングの発する付勢力が小さいほ
ど、すなわち、リターンスプリングのバネ定数が小さい
ほど小さな値とすることができる。また、従来の電磁弁
においては、リターンスプリングのバネ定数が小さいほ
ど、閉弁時の応答性を高めることができる。従って、電
磁弁の特性上は、リターンスプリングのバネ定数が小さ
いことが好ましい。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、バネ定数の小さなリターンスプリングを用いつ
つ安定した作動状態を実現し得る液圧制御装置を提供す
ることを第1の目的とする。また、本発明は、バネ定数
の小さなリターンスプリングを用いつつ安定した作動状
態を実現し得る液圧制御用電磁弁を提供することを第2
の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、請求
項1に記載する如く、所定の液圧を適宜発生する液圧供
給源と、液圧が供給されることにより所望の機能を実現
する液圧負荷と、前記液圧供給源と、前記液圧負荷との
間に配設される電磁弁とを備える液圧制御装置におい
て、前記電磁弁が、弁体と、前記弁体が着座することに
より閉塞される液圧通路を備え、かつ、前記弁体の前記
液圧負荷側に配設される弁座と、前記弁体を前記弁座に
向けて付勢する電磁力を発生する電磁力発生機構と、前
記弁体を前記弁座から離間する向きに付勢するリターン
スプリングとを備えると共に、前記弁体および前記弁座
をバイパスして前記液圧供給源と前記液圧負荷とを連通
させるバイパス通路を備える液圧制御装置により達成さ
れる。
【0008】また、上記第2の目的は、請求項2に記載
する如く、電磁力により弁体を駆動することにより入口
ポートと出口ポートとを導通状態または遮断状態とする
液圧制御用電磁弁において、前記弁体が着座することに
より閉塞される液圧通路を備え、かつ、前記弁体の前記
出口ポート側に配設される弁座と、前記弁体を前記弁座
に向けて付勢する電磁力を発生する電磁力発生機構と、
前記弁体を前記弁座から離間する向きに付勢するリター
ンスプリングと、前記弁体および前記弁座をバイパスし
て前記入口ポートと前記出口ポートとを連通させるバイ
パス通路と、を備える液圧制御用電磁弁により達成され
る。
【0009】請求項1記載の発明および請求項2記載の
発明において、電磁弁の弁体は、リターンスプリングに
よって弁座から離座する方向に付勢されている。弁体が
弁座から離座している場合に、弁体の周囲を流通する流
体は、弁体を弁座に着座させる方向の流体力を発生す
る。
【0010】請求項1記載の発明および請求項2記載の
発明において、流体は、弁体の周囲を流れると共にバイ
パス通路の内部を流通する。このため、弁体に作用する
流体力は、バイパス通路が存在しない場合に比して小さ
な値となる。また、流体は、流体力によって弁体が弁座
に着座した後、更にバイパス通路を通って流れることが
できる。流体の流通が継続されることにより弁体の上流
側と下流側との差圧が低下すると、弁体はリターンスプ
リングの付勢力により開弁位置に変位せられる。このた
め、リターンスプリングのバネ定数が小さな値でも、安
定した作動状態が実現される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
液圧制御装置のシステム構成図を示す。本実施例のシス
テムは、ブレーキペダル10を備えている。尚、図1に
は、車両に搭載される液圧制御装置のうち、左前輪FL
および右後輪RRのブレーキ機構を実現する構成要素が
表されている。
【0012】ブレーキペダル10は、ブレーキブースタ
12の作動軸14に連結されている。ブレーキブースタ
12にはマスタシリンダ16が固定されている。マスタ
シリンダ16は、その内部に液圧室を備えている。マス
タシリンダ16の液圧室には、ブレーキペダル10に加
えられたブレーキ踏力に対して所定の倍力比を有するマ
スタシリンダ圧PM/C が発生する。
【0013】マスタシリンダ16の上部には、リザーバ
タンク18が配設されている。リザーバタンク18の内
部には、所定量のブレーキフルードが貯留されている。
ブレーキペダル10の踏み込みが解除されている場合、
マスタシリンダ16の液圧室とリザーバタンク18とは
連通した状態となる。
【0014】マスタシリンダ16の液圧室には、液圧通
路20が接続されている。液圧通路20には、また、第
1補助リザーバ22が連通している。第1補助リザーバ
22の内部にはピストン24とスプリング26とが配設
されている。ピストン24は、スプリング26によっ
て、第1補助リザーバ22の容積が最大となる方向に付
勢されている。第1補助リザーバ22の内部には、その
容積と等量のブレーキフルードが貯留されている。
【0015】液圧通路20は、電磁弁28、逆止弁3
0、および、リリーフ弁32に連通している。電磁弁2
8は、3つのポート(以下、第1乃至第3ポートと称す
34,36,38)を備える2位置の電磁弁である。第
1ポート34、第2ポート36、および、第3ポート3
8は、それぞれ液圧通路20,40,42に連通してい
る。電磁弁28は、第1ポート34と第2ポート36と
を導通させ、かつ、第3ポート38を閉塞する第1の状
態と、第1ポート34と第3ポート38とを導通させ、
かつ、第2ポート36を閉塞する第2の状態とを選択的
に実現する。
【0016】逆止弁30は、液圧通路20から液圧通路
40へ向かう流体の流れのみを許容する一方向弁であ
る。また、リリーフ弁32は、液圧通路40と液圧通路
20との差圧が所定の開弁圧を超える場合に開弁し、液
圧通路40から液圧通路20へ向かう流体の流れのみを
許容する弁機構である。
【0017】液圧通路40には、保持ソレノイド44,
46および逆止弁48,50が連通している。保持ソレ
ノイド44,46は、外部から駆動信号が供給されるこ
とにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。保持ソ
レノイド44および逆止弁48は右後輪RRのホイルシ
リンダ52に連通している。逆止弁48は、ホイルシリ
ンダ52から液圧通路40側へ向かう流体の流れのみを
許容する一方向弁である。また、保持ソレノイド46お
よび逆止弁50は左前輪FLのホイルシリンダ54に連
通している。逆止弁50は、ホイルシリンダ54から液
圧通路40側へ向かう流体の流れのみを許容する一方向
弁である。
【0018】ホイルシリンダ52には、保持ソレノイド
44に加えて減圧ソレノイド56が接続されている。ま
た、ホイルシリンダ54には、保持ソレノイド46に加
えて減圧ソレノイド58が接続されている。減圧ソレノ
イド56,58は、外部から駆動信号が供給されること
により開弁状態となる2位置の電磁弁である。減圧ソレ
ノイド56,58は、共に第2補助リザーバ60に連通
している。第2補助リザーバ60の内部には、ピストン
62およびスプリング64が配設されている。ピストン
62は、スプリング64によって第2補助リザーバ60
の容積が最小となる方向に付勢されている。
【0019】第2補助リザーバ60には、逆止弁66,
68を介してポンプ機構70が連通している。また、ポ
ンプ機構70は、逆止弁72を介して液圧通路40に連
通している。逆止弁66は、第2補助リザーバ60から
流出する流体の流れのみを許容する一方向弁である。ま
た、逆止弁68,72は、それぞれポンプ機構70に流
入する流体の流れのみ、および、ポンプ機構70から液
圧通路40に向かう流体の流れのみを許容する一方向弁
である。逆止弁68,72およびポンプ機構70は、ブ
レーキフルードを逆止弁68側から吸入して逆止弁72
側から吐出するポンプを構成している。
【0020】逆止弁68には、逆止弁66を介して第2
補助リザーバ60が連通していると共に、電磁弁28の
第3ポート38に連通する液圧通路42が接続されてい
る。逆止弁68,72およびポンプ機構70で構成され
るポンプは、第2補助リザーバ60から供給されるブレ
ーキフルード、および、液圧通路42を介して供給され
るブレーキフルードを、液圧通路40に向けて圧送す
る。
【0021】本実施例のシステムは、通常のブレーキ
装置としての機能、アンチロックブレーキシステム
(以下、ABSと称す)の機能、ブレーキアシスト
(以下、BAと称す)の機能、および、車両姿勢制御
(以下、VSCと称す)の機能を実現する。
【0022】通常のブレーキ装置としての機能は、図
1に示す如く、電磁弁34を第1の状態とし、保持ソレ
ノイド44,46および減圧ソレノイド56,58をオ
フ状態とし、かつ、ポンプ機構70を非作動状態とする
ことで実現される。以下、かかる状態を通常モードと称
す。
【0023】本実施例のシステムにおいて通常モードが
実現されると、マスタシリンダ16とホイルシリンダ5
2,54とが導通状態となる。この場合、ホイルシリン
ダ52,54のホイルシリンダ圧PW/C は、マスタシリ
ンダ圧PM/C と等圧に制御される。従って、通常モード
が実現されている場合は、通常のブレーキ装置と同様
に、車両に発生する制動力がブレーキ踏力に応じた力に
制御される。
【0024】ABSの機能は、ポンプ機構70から液
圧通路40に高圧の液圧が供給されている状況下で、保
持ソレノイド44,46および減圧ソレノイド56,5
8を適宜オン・オフさせることにより実現される。以
下、かかる状態をABSモードと称す。
【0025】ポンプ機構70は、電磁弁28が第2の状
態に制御され、かつ、作動状態とされている場合に液圧
通路40に高圧の液圧を供給する。液圧通路40に高圧
の液圧が供給されている状況下で、保持ソレノイド44
および減圧ソレノイド56を共にオフ状態(図1に示す
状態)とすると、ホイルシリンダ52のホイルシリンダ
圧PW/C を増圧することができる。以下、この状態を増
圧モードと称す。また、保持ソレノイド44をオン状態
(閉弁状態)とし、かつ、減圧ソレノイド56をオフ状
態(閉弁状態)とすると、ホイルシリンダのホイルシリ
ンダ圧PW/C を保持することができる。以下、この状態
を保持モードと称す。更に、保持ソレノイド44をオン
状態(閉弁状態)とし、かつ、減圧ソレノイド56をオ
ン状態(開弁状態)とすると、ホイルシリンダのホイル
シリンダ圧PW/C を減圧することができる。以下、この
状態を減圧モードと称す。
【0026】同様に、ホイルシリンダ54についても、
保持ソレノイド46および減圧ソレノイド58を適宜制
御することで、増圧モード、保持モード、および、減圧
モードを実現することができる。本実施例のシステムに
おいては、ホイルシリンダ52,54のホイルシリンダ
圧PW/C が適当な液圧となるように、上述した増圧モー
ド、保持モード、および、減圧モードが適宜実現され
る。このため、ABS制御が開始されると、車輪RR,
FLのロック傾向が収束される。
【0027】ABS制御の実行中に、保持ソレノイド4
4,46が共に閉弁状態となると、ポンプ機構70から
ブレーキフルードが圧送されることにより液圧通路40
の内圧が上昇する。本実施例のシステムにおいては、液
圧通路40の内圧が所定値に到達すると、リリーフ弁3
2が開放状態となり、液圧通路40の内圧が開放され
る。リリーフ弁32を通って開放されるブレーキフルー
ドは、電磁弁28および液圧通路42を介して再びポン
プ機構72に供給される。この場合、液圧通路40の内
圧は、リリーフ弁32の開放圧とほぼ等しい液圧に維持
される。
【0028】BAの機能は、ブレーキペダル10が所
定値を超える操作速度で踏み込まれた場合に、電磁弁2
8を第2の状態とし、保持ソレノイド44,46および
減圧ソレノイド56,58をオフ状態とし、かつ、ポン
プ機構70を作動状態とすることで実現される。以下、
かかる状態をBAモードと称す。
【0029】本実施例のシステムにおいてBAモードが
実現されると、ブレーキペダル10が踏み込まれた直後
に、ホイルシリンダ52,54のホイルシリンダ圧P
W/C を急激に立ち上げることができる。このため、BA
モードが実現されると、ブレーキ操作が開始された後速
やかに、各車輪に発生する制動力を、ABS制御を開始
するのに必要とされるレベルまで急上昇させることがで
きる。
【0030】VSCの機能は、車両に所定の挙動が現
れた場合に、電磁弁28を第2の状態とし、ポンプ機構
70を作動状態とし、かつ、上述した増圧モード、保持
モード、および、減圧モードを適宜実現して、各車輪に
適当な制動力を発生させることにより実現される。以
下、この状態をVSCモードと称す。
【0031】本実施例のシステムにおいてVSCモード
が実現されると、ブレーキペダル10が踏み込まれてい
ると否とに関わらず、各車輪に適当な制動力が発生す
る。各車輪に適当な制動力が発生すると、その後、車両
は減速される。車両が適当に減速されると、やがて全て
の車輪のグリップ状態が適正な状態に復元されて、車両
挙動が安定化する。このため、VSCモードが実現され
ると、車両挙動が乱れが場合に、速やかにその挙動を収
束させることができる。
【0032】ところで、本実施例のシステムは、電磁弁
28および逆止弁30の構造に特徴を有している。以
下、図2を参照して、その特徴部について説明する。図
2は、電磁弁28と逆止弁30とを内蔵する液圧制御用
電磁弁80の断面図を示す。液圧制御用電磁弁80は、
スリーブ82を備えている。スリーブ82は、一端が閉
口端となるように非磁性の材料で構成された筒状の部材
である。スリーブ82の周囲には、電磁コイル84が配
設されている。電磁コイル84は、その断面がC形状と
なるように成形された環状部材86を備えている。環状
部材86は、磁性材料で構成された部材であり、その内
周側の所定の位置にギャップ部分を備えている。
【0033】スリーブ82の内部には、プランジャ88
が挿入されている。プランジャ88は、スリーブ82の
内径に比して僅かに小さな外径を有する可動子90と、
可動子90に固定された可動軸92とを備えている。可
動子90は、磁性材料で構成されている。一方、可動軸
92は、非磁性材料で構成されている。スリーブ82の
閉口端部と可動子90との間には、第1スプリング94
が配設されている。
【0034】スリーブ82には、また、コア96が圧入
されている。コア96は、その中央部に、可動軸92の
外径に比して僅かに大きな径を有する第1貫通穴98を
備えている。プランジャ88の可動軸92は、第1貫通
穴98の内部に摺動可能に保持されている。コア96に
は、第1貫通穴98に比して大きな径を有し、図2に示
すコア96の下端に開口する第2貫通穴100が形成さ
れている。また、コア96には、その径方向に延在し、
第2貫通穴100に開口する2本の液圧通路102,1
04が形成されている。
【0035】コア96の第2貫通穴100には、液圧通
路102と液圧通路104とを隔成する位置にインナシ
ート106が圧入されている。インナシート106に
は、可動軸92に先端部に比して僅かに大きな径を有す
る貫通穴108を備えている。インナシート106の、
図2に於ける下方には、ボール弁110が配設されてい
る。また、ボール弁110の、図2に於ける更に下方に
は、アウタシート112が固定されている。
【0036】ボール弁110は、保持器114により保
持されている。保持器114とアウタシート112との
間には、第2スプリング116が配設されている。第2
スプリング116は、保持器114およびボール弁11
0をインナシート106側に付勢する。ボール弁110
には、可動軸92により図2に於ける下方向きに付与さ
れる押圧力と、第2スプリング116により図2に於け
る上方向きに付与される押圧力とが作用する。
【0037】本実施例において、第2スプリング116
は、第1スプリング94に比して大きな付勢力を発生す
る。このため、可動軸92に入力される力が第1スプリ
ング94の付勢力のみである場合は、ボール弁110が
インナシート106に着座する状態が形成される。イン
ナシート106にボール弁110が着座すると、インナ
シート106の貫通穴108は、ボール弁110によっ
て閉塞される。
【0038】アウタシート112には、その中央部を貫
通する貫通穴118が形成されている。貫通穴118
は、ボール弁110がアウタシート112から離座して
いる場合に導通状態となり、一方、ボール弁110がア
ウタシート112に着座することで閉塞される。
【0039】アウタシート112の外周には、カップシ
ール120が装着されている。カップシール120は、
弾性材料で構成された環状の部材である。カップシール
120は、シール部122を備えている。シール部12
2は、図2に於ける下方側が高圧となるようにその両側
に差圧が発生した場合に拡径方向に変形し、一方、図2
に於ける上方側が高圧となるようにその両側に差圧が発
生した場合に縮径方向に変形する。カップシール120
のシール部122は、拡径することによりブレーキフル
ードの流通を阻止し、また、縮径することによりブレー
キフルードの流通を許容する。
【0040】液圧制御用電磁弁80は、ハウジングブロ
ック124に組み込まれている。スリーブ82の開口端
部の外周には、液圧制御用電磁弁80がハウジングブロ
ック124内に挿入された後、環状のリテーナ126が
介装される。液圧制御用電磁弁80は、リテーナ126
の外周側がかしめられることにより、ハウジングブロッ
ク124に固定される。
【0041】ハウジングブロック124には、マスタシ
リンダ16に連通する液圧通路20、ホイルシリンダ5
2,54に連通する液圧通路40、および、ポンプ機構
70に連通する液圧通路42が形成されている。液圧通
路20はコア96の液圧通路104に連通する位置に、
液圧通路40はアウタシート118の下端に開口する位
置に、また、液圧通路42はコア96の液圧通路102
に連通する位置に、それぞれ設けられている。
【0042】ハウジングブロック124とコア96との
間、および、ハウジングブロック124とアウタシート
118との間には、ブレーキフルードが流通し得る程度
のギャップ127が形成されている。コア96の外周に
は、ギャップ127の液圧通路20が開口する部分と液
圧通路42が開口する部分とを隔成するためのOリング
128が介装されている。このため、液圧通路20と液
圧通路42との間、すなわち、マスタシリンダ16とポ
ンプ機構70との間では、コア96の内部空間を介して
のみブレーキフルードの授受が行われる。
【0043】一方、ギャップ127の液圧通路20が開
口する部分と液圧通路40が開口する部分との間には、
カップシール120が配設されている。カップシール1
20のシール部122は、液圧通路20側から液圧通路
40側へ向かう流れのみを許容する逆止弁として、すな
わち、上記図1に示す逆止弁30として機能する。従っ
て、マスタシリンダ16とホイルシリンダ52,54と
の間では、コア96およびアウタシート112の内部空
間に加え、コア96およびアウタシート112の外部空
間を介してブレーキフルードの授受が行われる。
【0044】液圧制御用電磁弁80において、電磁コイ
ル84に励磁電流が供給されていない場合は、プランジ
ャ88に対して電磁力は作用しない。この場合、プラン
ジャ88を図2に於ける下方に向けて付勢する力は、第
1スプリング94の付勢力のみとなる。従って、電磁コ
イル84に励磁電流が供給されていない場合は、ボール
弁110がインナシート106に着座する状態、すなわ
ち、液圧通路104と液圧通路102とが遮断され、か
つ、液圧通路104と貫通穴118とが導通する状態
(上述した第1の状態)が形成される。
【0045】液圧制御用電磁弁80において、電磁コイ
ル84に励磁電流が供給されると、プランジャ88の可
動子90とコア96との間に、両者を引き寄せる電磁力
が発生する。この場合、プランジャ88を図2に於ける
下方に向けて付勢する力は、第1スプリング94の付勢
力と可動子88に作用する電磁力との合力となる。プラ
ンジャ88に対して係る合力が作用すると、可動軸92
がボール弁110を押し下げる力が第2スプリング11
6の付勢力に比して大きくなる。その結果、ボール弁1
10がアウタシート112に着座する状態、すなわち、
液圧通路104と液圧通路102とが導通し、かつ、液
圧通路104と貫通穴118とが遮断される状態(上述
した第2の状態)が形成される。
【0046】ところで、液圧制御用電磁弁80におい
て、ボール弁110がアウタシート112に着座してい
る場合は、マスタシリンダ16から流出するブレーキフ
ルードが、ボール弁110の周囲からインナシート10
6の貫通穴108に流入し、その後、液圧通路102を
通ってポンプ機構70に供給される。この際、ボール弁
110には、ブレーキフルードの流通に伴って、ボール
弁110をインナシート106側へ変位させようとする
流体力が作用する。
【0047】液圧制御用電磁弁80において、プランジ
ャ88に作用する電磁力を大きな値とすることは、種々
の手法により容易に実現することができる。このため、
上記の如くボール弁110がアウタシート112に着座
している場合は、ボール弁110に作用する流体力が実
質的に問題となることはない。
【0048】一方、液圧制御用電磁弁80のボール弁1
10がインナシート106に着座している場合は、マス
タシリンダ16から流出するブレーキフルードが、ボー
ル弁110の周囲からアウタシート112の貫通穴11
8に流入し、その後、液圧通路40に流出する。この
際、ボール弁110には、ブレーキフルードの流通に伴
って、ボール弁110をアウタシート112側へ変位さ
せようとする流体力が作用する。
【0049】液圧制御用電磁弁80において、このよう
な流体力に対向する力を大きくするためには、第2スプ
リング116のバネ定数を大きな値に設定する必要があ
る。しかしながら、第2スプリング116のバネ定数を
大きな値とすると、液圧制御用電磁弁80の駆動に要す
る電力が増大すると共に、液圧制御用電磁弁80の応答
性が悪化する。
【0050】一方、第2スプリング116のバネ定数を
小さな値に設定すると、例えば、ブレーキ操作が開始さ
れた直後等、多量のブレーキフルードがマスタシリンダ
16からホイルシリンダ52,54に向けて流通する際
に、ボール弁110が流体力によりアウタシート112
に着座する事態が生じ得る。このため、液圧制御用電磁
弁80を安定に作動させるためには、特に、ボール弁1
10がインナシート106に着座している場合に、ボー
ル弁110に作用する流体力を低減することが重要であ
る。
【0051】本実施例の液圧制御用電磁弁80には、上
述の如く、コア96およびアウタシート112の外部
に、マスタシリンダ16からホイルシリンダ52,54
に向かうブレーキフルードの流れを許容する通路が形成
されている。このため、マスタシリンダ16からホイル
シリンダ52,54に向かって流れるブレーキフルード
は、ボール弁110の周囲を流れる経路と、コア96お
よびアウタシート112の外部を流れる経路とに分散さ
れる。このため、液圧制御用電磁弁80によれば、ボー
ル弁110がインナシート106に着座している場合に
ボール弁110に作用する流体力を、小さな値に抑制す
ることができる。
【0052】また、液圧制御用電磁弁80によれば、イ
ンナシート106に着座していたボール弁110が流体
力によりアウタシート112に着座する位置まで変位さ
せられた場合に、コア96およびアウタシート112の
外部に形成される経路を介して、マスタシリンダ16か
らホイルシリンダ52,54に向けてブレーキフルード
を流し続けることができる。
【0053】マスタシリンダ16からホイルシリンダ5
2,54に向かけてブレーキフルードが流れ続けると、
ホイルシリンダ圧PW/C がを継続的に増圧させることが
できる。また、ホイルシリンダ圧PW/C が継続的に増圧
されると、流通するブレーキフルードの流量が減少して
ボール110に作用する流体力が減少する。
【0054】このため、液圧制御用電磁弁80によれ
ば、ブレーキ操作が開始された後、仮にボール弁110
が不当にアウタシート112に着座しても、その後ブレ
ーキ操作が継続されている間に、ボール弁110を正規
の位置、すなわち、インナシート106に着座する位置
に復帰させることができる。従って、液圧制御用電磁弁
80によれば、第2スプリング116のバネ定数を小さ
な値に設定しても、安定した作動性を得ることができ
る。
【0055】尚、上記の実施例においては、マスタシリ
ンダ16が前記請求項1記載の「液圧供給源」に、ホイ
ルシリンダ52,54が前記請求項1記載の「液圧負
荷」に、液圧制御用電磁弁80により実現される電磁弁
28が前記請求項1記載の「電磁弁」に、ボール弁11
0が前記請求項1記載の「弁体」に、アウタシート11
2が前記請求項1記載の「弁座」に、電磁コイル84、
プランジャ88およびコア96が前記請求項1記載の
「電磁力発生機構」に、第2スプリング116が前記請
求項1記載の「リターンスプリング」に、コア96およ
びアウタシート112とハウジングブロック124との
間に形成されるギャップ127が前記請求項1記載の
「バイパス通路」に、それぞれ相当している。
【0056】また、上記の実施例においては、ボール弁
110が前記請求項2記載の「弁体」に、液圧通路10
4が前記請求項2記載の「入口ポート」に、貫通穴11
8が前記請求項2記載の「出口ポート」に、アウタシー
ト112が前記請求項2記載の「弁座」に、電磁コイル
84、プランジャ88およびコア96が前記請求項2記
載の「電磁力発生機構」に、第2スプリング116が前
記請求項2記載の「リターンスプリング」に、コア96
およびアウタシート112の外部に形成されるブレーキ
フルードの流通経路が前記請求項2記載の「バイパス通
路」に、それぞれ相当している。
【0057】次に、図3を参照して、本発明の第2実施
例について説明する。本実施例の液圧制御装置は、上記
図1に示す電磁弁28および逆止弁30を、図3に示す
液圧制御用電磁弁130で構成することにより実現され
る。図3は、液圧制御用電磁弁130の断面図を示す。
【0058】液圧制御用電磁弁130は、スリーブ13
2を備えている。スリーブ132は、非磁性の材料で構
成された筒状の部材である。スリーブ132の周囲に
は、電磁コイル134が配設されている。電磁コイル1
34は、その断面がC形状となるように成形された環状
部材136を備えている。環状部材136は、磁性材料
で構成された部材であり、その内周側の所定の位置にギ
ャップ部分を備えている。
【0059】スリーブ132の内部には、プランジャ1
38が挿入されている。プランジャ138は、スリーブ
132の内径に比して僅かに小さな外径を有する可動子
140と、可動子140に固定された可動軸142とを
備えている。可動子140は、磁性材料で構成されてい
る。一方、可動軸142は、非磁性材料で構成されてい
る。図2に於けるスリーブ132の上部には、ヨーク1
43が圧入されている。ヨーク143の内部には、プラ
ンジャ138を図2に於ける下方へ付勢するスプリング
144が配設されている。
【0060】スリーブ132の、図2に於ける下端に
は、コア146が圧入されている。コア146は、その
中央部に、可動軸92の外径に比して大きな径を有する
第1貫通穴148を備えている。プランジャ138の可
動軸142は、第1貫通穴148の内部に摺動可能に挿
入されている。コア146には、第1貫通穴148と連
通し、図2に示すコア146の下端に開口する第2貫通
穴150が形成されている。また、コア146には、そ
の径方向に延在し、第1貫通穴148に開口する液圧通
路152、および、第2貫通穴150に開口する液圧通
路154が形成されている。
【0061】コア146の第2貫通穴150には、プラ
ンジャ138の先端に形成された弁体156が収納され
ている。また、第2貫通穴150の、図2に於ける上端
部には、弁体156の弁座として用いられる第1弁座1
58が形成されている。液圧通路152と液圧通路15
4とは、弁体156が第1弁座158に着座することに
より遮断状態とされる。
【0062】第2貫通穴150には、その下端側からア
ウタシート160が圧入されている。アウタシート16
0には、その中央部を貫通する貫通穴162が形成され
ている。また、アウタシート160の上端部には、弁体
158の弁座として用いられる第2弁座164が形成さ
れている。貫通穴162は、弁体156が第2弁座16
4に着座することで閉塞される。
【0063】アウタシート160の外周には、Oリング
166とバックアップリング168とが装着されてい
る。また、コア146の周囲には、弾性材料で構成され
た環状のカップシール170が装着されている。カップ
シール170は、シール部172を備えている。シール
部172は、図2に於ける上方側が高圧となるようにそ
の両側に差圧が発生した場合に拡径方向に変形し、一
方、図2に於ける下方側が高圧となるようにその両側に
差圧が発生した場合に縮径方向に変形する。
【0064】液圧制御用電磁弁130は、ハウジングブ
ロック174に組み込まれている。スリーブ132の下
端部の外周には、液圧制御用電磁弁130がハウジング
ブロック174内に挿入された後、環状のリテーナ17
6が介装される。液圧制御用電磁弁130は、リテーナ
176の外周側がかしめられることにより、ハウジング
ブロック174に固定される。
【0065】ハウジングブロック174には、マスタシ
リンダ16に連通する液圧通路20、ホイルシリンダ5
2,54に連通する液圧通路40、および、ポンプ機構
70に連通する液圧通路42が形成されている。液圧通
路20はコア146の液圧通路154に連通する位置
に、液圧通路40はコア146の液圧通路152に連通
する位置に、また、液圧通路42はアウタシート160
の下端に開口する位置に、それぞれ設けられている。
【0066】ハウジングブロック174とコア146と
の間には、ブレーキフルードが流通し得る程度のギャッ
プ177が形成されている。ギャップ177の液圧通路
20が開口する部分と液圧通路42が開口する部分とは
Oリング166により隔成されている。このため、液圧
通路20と液圧通路42との間、すなわち、マスタシリ
ンダ16とポンプ機構70との間では、コア146およ
びアウタシート160の内部空間を介してのみブレーキ
フルードの授受が行われる。
【0067】一方、ギャップ177の液圧通路20が開
口する部分と液圧通路40が開口する部分との間には、
カップシール170が配設されている。カップシール1
70のシール部122は、液圧通路20側から液圧通路
40側へ向かう流れのみを許容する逆止弁として、すな
わち、上記図1に示す逆止弁30として機能する。従っ
て、マスタシリンダ16とホイルシリンダ52,54と
の間では、コア146の内部空間に加え、コア146の
外部空間を介してブレーキフルードの授受が行われる。
【0068】液圧制御用電磁弁130において、電磁コ
イル134に励磁電流が供給されていない場合は、プラ
ンジャ138に対して電磁力は作用しない。この場合、
プランジャ88に作用する力は、スプリング144の付
勢力のみとなる。従って、電磁コイル84に励磁電流が
供給されていない場合は、弁体156がアウタシート1
60の弁座164に着座する状態、すなわち、液圧通路
154と液圧通路152とが導通し、かつ、液圧通路1
54と貫通穴162とが遮断される状態(上述した第1
の状態)が形成される。
【0069】液圧制御用電磁弁130において、電磁コ
イル134に励磁電流が供給されると、プランジャ13
8の可動子140とヨーク143との間に、両者を引き
寄せる電磁力が発生する。この場合、プランジャ138
は、スプリング144の付勢力に抗ってヨーク143側
へ変位する。プランジャ138がヨーク143側へ変位
すると、弁体156がコア146の弁座158に着座す
る状態、すなわち、液圧通路154と液圧通路152と
が遮断され、かつ、液圧通路154と貫通穴162とが
導通する状態(上述した第2の状態)が形成される。
【0070】このように、液圧制御用電磁弁130によ
れば、上記第1実施例の液圧制御用電磁弁80と実質的
に同じ機能を実現することができる。従って、本実施例
の液圧制御用電磁弁130によれば、プランジャ138
を、第1の状態を実現する位置に付勢する付勢力をさほ
ど大きな力とすることなく、すなわち、スプリング14
4のバネ定数を大きな値に設定することなく、安定した
作動性を得ることができる。
【0071】尚、上記の実施例においては、液圧制御用
電磁弁130により実現される電磁弁28が前記請求項
1記載の「電磁弁」に、コア146に形成される弁座1
58が前記請求項1記載の「弁座」に、電磁コイル13
6、プランジャ138およびヨーク96が前記請求項1
記載の「電磁力発生機構」に、スプリング144が前記
請求項1記載の「リターンスプリング」に、コア146
とハウジングブロック174との間に形成されるギャッ
プ177が前記請求項1記載の「バイパス通路」に、そ
れぞれ相当している。
【0072】また、上記の実施例においては、液圧通路
154が前記請求項2記載の「入口ポート」に、液圧通
路152が前記請求項2記載の「出口ポート」に、コア
146に形成される弁座158が前記請求項2記載の
「弁座」に、電磁コイル134、プランジャ138およ
びコア146が前記請求項2記載の「電磁力発生機構」
に、スプリング144が前記請求項2記載の「リターン
スプリング」に、コア146の外部に形成されるブレー
キフルードの流通経路が前記請求項2記載の「バイパス
通路」に、それぞれ相当している。
【0073】次に、図4を参照して、本発明の第3実施
例について説明する。本実施例の液圧制御装置は、上記
図1に示す電磁弁28、逆止弁30、および、リリーフ
弁32を、図4に示す液圧制御用電磁弁180で構成す
ることにより実現される。図4は、液圧制御用電磁弁1
80の断面図を示す。尚、図4において上記図2または
図3に示す構成部分と同一の部分については、同一の符
合を付してその説明を省略または簡略する。
【0074】液圧制御用電磁弁180は、スリーブ18
2を備えている。スリーブ182は、一端が閉口端とな
るように非磁性の材料で構成された筒状の部材である。
スリーブ182の周囲には、電磁コイル134が配設さ
れている。また、スリーブ182の内部には、プランジ
ャ184が挿入されている。
【0075】プランジャ184は、スリーブ182の内
径に比して僅かに小さな外径を有する可動子186と、
可動子186に固定された可動軸188とを備えてい
る。可動子186は、磁性材料で構成されている。一
方、可動軸188は、非磁性材料で構成されている。
【0076】スリーブ82の開口端部には、コア190
が圧入されている。コア190は、その中央部に、可動
軸188の外径に比して僅かに大きな径を有する第1貫
通穴192を備えている。可動軸188は、第1貫通穴
192の内部に摺動可能に保持されている。コア190
には、第1貫通穴192に比して大きな径を有する第2
貫通穴194が形成されている。第2貫通穴194は、
その端面が電磁コイル134の下端面とほぼ高さとなる
ように、かつ、コア190の下端に開口するように形成
されている。
【0077】プランジャ184の可動軸188は、その
下端部が所定長だけ第2貫通穴194に突出するように
設計されている。第2貫通穴194の内部には、可動軸
188の下端部に当接するように保持具196が配設さ
れている。保持部196は、環状の部材であり、その外
周面において、筒部材198に保持されている。筒部材
198の内周側には、リリーフ軸200、および、第1
スプリング202が配設されている。リリーフ軸200
は、筒部材198および保持部196によって摺動可能
に保持されている。リリーフ軸200は、第1スプリン
グ202によって、図4に於ける下方側の変位端に向け
て付勢されている。
【0078】コア190には、上記図2に示すコア96
と同様に、第2貫通穴194に連通する液圧通路10
2,104が形成されていると共に、液圧通路102と
液圧通路104とを隔成する位置にインナシート106
が圧入されている。リリーフ軸200の下端部は、イン
ナーシート106の貫通穴108に挿入されている。ま
た、液圧制御用電磁弁80は、プランジャ184が下方
側の変位端に位置し、かつ、リリーフ軸200が下方側
の変位端に位置する場合に、リリーフ軸200の下端部
がインナシート106の貫通穴108から下方側に、所
定距離だけ突出することができるように設計されてい
る。
【0079】インナシート106の下方には、上記図2
に示す液圧制御用電磁弁80の場合と同様に、ボール弁
110、保持器114、第2スプリング116が配設さ
れている。また、コア190の下端部には、ボール弁1
10の弁座として機能するアウタシート112が固定さ
れている。
【0080】液圧制御用電磁弁180は、ハウジングブ
ロック124に組み込まれている。ハウジングブロック
124と、コア190およびアウタシート112との間
には、ブレーキフルードが流通し得る程度のギャップ2
03が形成されている。そして、ギャップ203の液圧
通路20が開口する部分と液圧通路42が開口する部分
との間にはOリング128が、また、ギャップ203の
液圧通路20が開口する部分と液圧通路40が開口する
部分との間には、それぞれOリング128またはカップ
シール120が配設されている。
【0081】このため、液圧通路20と液圧通路42と
の間、すなわち、マスタシリンダ16とポンプ機構70
との間では、コア190の内部空間を介してのみブレー
キフルードの授受が行われる。一方、液圧通路20と液
圧通路40との間、すなわち、マスタシリンダ16とホ
イルシリンダ52,54との間では、コア190および
アウタシート112の内部空間に加え、コア190およ
びアウタシート112の外部空間を介してブレーキフル
ードの授受が行われる。
【0082】第2スプリング116の付勢力は、保持器
114を介してボール弁110に伝達される。また、ボ
ール弁110に伝達される付勢力は、リリーフ軸200
を介して第1スプリング202に伝達される。電磁コイ
ル134に励磁電流が供給されていない場合は、プラン
ジャ184を図4に於ける下方に付勢する電磁力は発生
しない。従って、この場合は、ボール弁110がインナ
シート106に着座するまでプランジャ184、リリー
フ軸200、および、ボール弁110が図4に於ける上
方に変位する。液圧制御用電磁弁180において、ボー
ル弁110がインナシート106に着座すると、液圧通
路104と液圧通路102とが遮断され、かつ、液圧通
路104と貫通穴118とが導通する状態、すなわち、
上述した第1の状態が形成される。
【0083】液圧制御用電磁弁180において、電磁コ
イル134に励磁電流が供給されると、プランジャ18
4を下方に向けて付勢する電磁力が発生する。この電磁
力は、可動軸188から保持具196に伝達され、更
に、第1スプリング202を介してリリーフ軸200に
伝達される。
【0084】プランジャ184に作用する電磁力は、第
2スプリング116が発生する付勢力に比して十分に大
きな値に設定されている。また、第1スプリング202
は、第2スプリング116に比して大きな付勢力を発生
するように構成されている。このため、プランジャ18
4に電磁力が作用すると、ボール弁110は、アウタシ
ート112に着座するまで押し下げられる。その結果、
液圧通路104と液圧通路102とが導通し、かつ、液
圧通路104と貫通穴118とが遮断される状態、すな
わち、上述した第2の状態が形成される。
【0085】このように、液圧制御用電磁弁180によ
れば、上記第1実施例の液圧制御用電磁弁80および第
2実施例の液圧制御用電磁弁130と実質的に同じ機能
を実現することができる。従って、本実施例の液圧制御
用電磁弁180によれば、プランジャ184を、第1の
状態を実現する位置に付勢する付勢力をさほど大きな力
とすることなく、すなわち、第2スプリング116のバ
ネ定数を大きな値に設定することなく、安定した作動性
を得ることができる。
【0086】ところで、液圧制御用電磁弁180のボー
ル弁110がアウタシート112に着座している場合、
リリーフ軸200には、液圧通路40の液圧に応じた反
力が伝達される。この反力が第1スプリング202の付
勢力を上回る値となると、第1スプリング202に縮小
方向の弾性変形を生じさせながらボール弁110がアウ
タシート112から離座する状態が実現される。
【0087】ボール弁110がアウタシート112から
離座すると、液圧通路40と液圧通路20と液圧通路4
2とが全て導通する状態が実現される。かかる状態が実
現されると、ホイルシリンダ52,54側に発生する液
圧をマスタシリンダ16側、および、ポンプ機構70の
吸入側に開放することができ、ホイルシリンダ52,5
4側に過大な液圧が発生するのを防止することができ
る。このように、液圧制御用電磁弁180によれば、上
記図1に示す電磁弁28の機能と、逆止弁30の機能と
に加え、リリーフ弁32の機能を実現することができ
る。
【0088】液圧制御用電磁弁180において、リリー
フ弁32の機能は、第2貫通穴194の内部にリリーフ
軸200、第1スプリング202等の構成要素を内蔵さ
せることで実現されている。従って、液圧制御用電磁弁
180によれば、液圧制御用電磁弁180をハウジング
ブロック124に組み込む以前にリリーフ弁32の性能
を検査することができる。このため、液圧制御用電磁弁
180によれば製造ラインにおける性能検査を簡易に行
うことができる。
【0089】また、液圧制御用電磁弁180において、
リリーフ弁32の構成要素を内蔵する第2貫通穴194
は、電磁コイル134の下端面から下方に延在するよう
に形成されている。このため、コア190は、電磁コイ
ル134に取り囲まれる部位において、上記図2に示す
コア96と、すなわち、リリーフ弁32の構成要素を内
蔵しないコア96と、同等の肉圧を有している。
【0090】電磁コイル134の内外を取り巻く磁気回
路の磁気抵抗は、コア190が電磁コイル134に取り
囲まれる部分において大きな肉圧を有しているほど小さ
な値となる。また、プランジャ184に作用する電磁力
は、電磁コイル134の内外を取り巻く磁気回路の磁気
抵抗が小さいほど大きな力となる。このため、液圧制御
用電磁弁180の省電力化を図るうえでは、電磁コイル
134に取り囲まれる部分におけるコア190の肉圧が
大きいほど好ましい。
【0091】本実施例の液圧制御用電磁弁180によれ
ば、リリーフ弁32の機能を実現しつつ、かかる要求を
満たすことができる。従って、液圧制御用電磁弁180
によれば、電磁弁28としての機能、逆止弁30として
の機能、および、リリーフ弁32としての機能を実現し
つつ、優れた省電力特性を実現することができる。
【0092】尚、上記の実施例においては、液圧制御用
電磁弁180により実現される電磁弁28が前記請求項
1記載の「電磁弁」に、ボール弁110が前記請求項1
記載の「弁体」に、アウタシート112が前記請求項1
記載の「弁座」に、電磁コイル134、プランジャ18
4およびコア190が前記請求項1記載の「電磁力発生
機構」に、第2スプリング116が前記請求項1記載の
「リターンスプリング」に、コア190およびアウタシ
ート112とハウジングブロック124との間に形成さ
れるギャップ203が前記請求項1記載の「バイパス通
路」に、それぞれ相当している。
【0093】また、上記の実施例においては、ボール弁
110が前記請求項2記載の「弁体」に、液圧通路10
4が前記請求項2記載の「入口ポート」に、貫通穴11
8が前記請求項2記載の「出口ポート」に、アウタシー
ト112が前記請求項2記載の「弁座」に、電磁コイル
134、プランジャ184およびコア190が前記請求
項2記載の「電磁力発生機構」に、第2スプリング11
6が前記請求項2記載の「リターンスプリング」に、コ
ア190およびアウタシート112の外部に形成される
ブレーキフルードの流通経路が前記請求項2記載の「バ
イパス通路」に、それぞれ相当している。
【0094】ところで、上記の実施例においては、プラ
ンジャ184の可動軸とリリーフ軸200との相対変位
を許容することで油圧のリリーフ機構を実現している
が、リリーフ機構を実現する構造はこれに限定されるも
のではない。すなわち、上記のリリーフ機構は、ボール
弁110のアウターシート112側に所定値を超える液
圧が生じた際に、軸長を縮小させることによりボール弁
110の変位を許容する調整機構を、ボール弁110を
アウターシート112に向けて押圧する部材に付与する
ことでも達成することができる。尚、この場合、制御液
圧弁180の磁気特性を低下させないためには、上記の
調整機構を、制御液圧弁180の磁気回路の外部、すな
わち、電磁コイル134に取り囲まれる部分の外部に設
けることが適切である。
【0095】また、上述した各実施例においては、ハウ
ジングブロック124,174の内部に液圧制御弁8
0,130,180と一体的にバイパス通路を設けるこ
ととしているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、ハウジングブロック124,174の内部に、液圧
制御弁80,130,180と別個に、独立したバイパ
ス通路を設けることとしてもよい。
【0096】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明および
請求項2記載の発明によれば、リターンスプリングのバ
ネ定数が小さな値であっても、安定した作動状態を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である液圧制御装置のシステ
ム構成図である。
【図2】本発明の第1実施例に用いられる液圧制御用電
磁弁の断面図である。
【図3】本発明の第2実施例に用いられる液圧制御用電
磁弁の断面図である。
【図4】本発明の第3実施例に用いられる液圧制御用電
磁弁の断面図である。
【符号の説明】
16 マスタシリンダ 20,40,42,102,104,152,154
液圧通路 28 電磁弁 30 逆止弁 32 リリーフ弁 52,54 ホイルシリンダ 70 ポンプ機構 80,130,180 液圧制御用電磁弁 88,138,184 プランジャ 110 ボール弁 116 第2スプリング 118,162 貫通穴 120,170 カップシール 124,174 ハウジングブロック 144 スプリング 156 弁体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の液圧を適宜発生する液圧供給源
    と、液圧が供給されることにより所望の機能を実現する
    液圧負荷と、前記液圧供給源と、前記液圧負荷との間に
    配設される電磁弁とを備える液圧制御装置において、 前記電磁弁が、弁体と、前記弁体が着座することにより
    閉塞される液圧通路を備え、かつ、前記弁体の前記液圧
    負荷側に配設される弁座と、前記弁体を前記弁座に向け
    て付勢する電磁力を発生する電磁力発生機構と、前記弁
    体を前記弁座から離間する向きに付勢するリターンスプ
    リングとを備えると共に、 前記弁体および前記弁座をバイパスして前記液圧供給源
    と前記液圧負荷とを連通させるバイパス通路を備えるこ
    とを特徴とする液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 電磁力により弁体を駆動することにより
    入口ポートと出口ポートとを導通状態または遮断状態と
    する液圧制御用電磁弁において、 前記弁体が着座することにより閉塞される液圧通路を備
    え、かつ、前記弁体の前記出口ポート側に配設される弁
    座と、 前記弁体を前記弁座に向けて付勢する電磁力を発生する
    電磁力発生機構と、 前記弁体を前記弁座から離間する向きに付勢するリター
    ンスプリングと、 前記弁体および前記弁座をバイパスして前記入口ポート
    と前記出口ポートとを連通させるバイパス通路と、 を備えることを特徴とする液圧制御用電磁弁。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100423646B1 (ko) * 2000-07-18 2004-03-22 주식회사 만도 안티록 브레이크 시스템용 노말 오픈형 솔레노이드밸브
EP3053792B1 (en) * 2013-09-30 2020-11-11 Autoliv Nissin Brake Systems Japan Co., Ltd. Brake fluid pressure control system for vehicle

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