JP3251969B2 - 流体圧制御装置 - Google Patents

流体圧制御装置

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JP3251969B2
JP3251969B2 JP00751892A JP751892A JP3251969B2 JP 3251969 B2 JP3251969 B2 JP 3251969B2 JP 00751892 A JP00751892 A JP 00751892A JP 751892 A JP751892 A JP 751892A JP 3251969 B2 JP3251969 B2 JP 3251969B2
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庄平 松田
誠 堀内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前面を圧力室に臨ませ
たピストンが操作部材の操作に応じて前記圧力室の容積
を縮小すべく操作部材に連動、連結されて成る補助流体
圧発生手段と、一定の流体圧を出力可能な流体圧供給源
の出力圧を前記操作部材の操作量に応じて調整して出力
可能な流体圧制御弁と、前記圧力室に接続されるストロ
ークアキュムレータとを備える流体圧制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる流体圧制御装置は、たとえ
ば特開平1−244956号公報、特開平2−1753
61号公報および特開平2−299966号公報等によ
り知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものでは、流体圧供給源の出力圧が正常である場合に
は、操作部材の操作により圧力室で生じる流体圧をスト
ロークアキュムレータで蓄圧することにより操作反力を
発生させるとともに操作部材の操作量に応じて流体圧制
御弁を作動させることにより操作量に応じた流体圧を発
生させ、流体圧供給源の出力圧が何らかの原因により異
常に低下した場合には圧力室で生じた流体圧を用いるよ
うにしている。ところが、流体圧供給源の出力圧異常低
下時には、圧力室で生じた流体圧が不必要にストローク
アキュムレータで消費され、操作部材の操作量が増大す
る。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、流体圧供給源の出力流体圧異常低下時にはス
トロークアキュムレータでの消費流体圧を減少させて操
作部材の操作量が必要以上に増大することを防止すると
ともに、ストロークアキュムレータの組立作業性を向上
させた流体圧制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、ストロークアキュムレータは、ケ
ーシングと、圧力室に通じる蓄圧室を前記ケーシングと
の間に形成してケーシングに摺動自在に嵌合されるアキ
ュムレータピストンと、流体圧供給源に通じるパイロッ
ト室をケーシングとの間に形成するとともにパイロット
室の容積を縮小する側への移動に応じてアキュムレータ
ピストンへ当接するようにケーシングに摺動自在に嵌合
されるバックアップピストンと、このバックアップピス
トンの動きから独立して、蓄圧室の容積を縮小する側に
アキュムレータピストンを弾発付勢するアキュムレータ
ばねと、アキュムレータばねよりも荷重を大にしてパイ
ロット室の容積を縮小する側にバックアップピストンを
弾発付勢するバックアップばねと、バックアップばねの
バックアップピストンとは反対側の端部を保持するリテ
ーナとを備え、前記パイロット室の流体圧が正常なとき
は、その流体圧がバックアップばねの弾発付勢力に抗し
てバックアップピストンをアキュムレータピストンから
離れる側に移動させることにより、アキュムレータピス
トンに対して該バックアップばねの弾発付勢力が不作用
状態となるように、また同パイロット室の流体圧が異常
低下したときは、バックアップばねに弾発付勢されたバ
ックアップピストンがアキュムレータピストンと当接す
ることにより、アキュムレータピストンに対して該バッ
クアップばねの弾発付勢力が作用状態となるように,該
バックアップばねの弾発付勢力が設定されていて、前記
パイロット室の流体圧が異常低下したときにアキュムレ
ータピストンに作用する、蓄圧室の容積縮小側への弾発
付勢力が、同パイロット室の流体圧が正常であるとき
アキュムレータピストンに作用するそれよりも大となる
ようにし、アキュムレータピストンおよびリテーナ間の
最大間隔がアキュムレータピストンおよびリテーナ相互
の係合を可能とする構成で規制され、リテーナおよびバ
ックアップピストン間の最大間隔がアキュムレータピス
トンおよびバックアップピストン相互の係合を可能とす
る構成で規制される。
【0006】
【実施例】以下、図面により本発明を前輪駆動車両のブ
レーキ圧制御装置に適用したときの一実施例について説
明する。
【0007】図1ないし図7は本発明の一実施例を示す
ものであり、図1はブレーキ圧制御装置の流体圧回路
図、図2は流体圧伝達ユニットの構成を示す縦断面図、
図3は流通規制ユニットの構成を示す縦断面図、図4は
制御流体圧出力ユニットの一部構成を示す縦断面図、図
5は制御流体圧出力ユニットの残部構成を示す縦断面
図、図6はストロークアキュムレータの構成を示す縦断
面図、図7は補助流体圧発生手段における入力ピストン
ストロークとばね反力との関係を示す線図である。
【0008】先ず図1において、車両の駆動輪としての
左前輪および右前輪には左前輪用ブレーキ装置BFLおよ
び右前輪用ブレーキ装置BFRがそれぞれ装着され、従動
輪としての左後輪および右後輪には左後輪用ブレーキ装
置BRLおよび右後輪用ブレーキ装置BRRがそれぞれ装着
される。一方、操作部材としてのブレーキペダル1に
は、該ブレーキペダル1の踏込み量に応じて流体圧供給
源3の出力流体圧を制御可能であるとともに流体圧供給
源3の出力圧異常低下時にはブレーキペダル1の踏込み
量に応じた流体圧を出力可能な制御流体圧出力ユニット
2が連結されており、流体圧供給源3の出力流体圧が正
常である通常制動時には、制御流体圧出力ユニット2か
ら出力される増幅流体圧が流体圧伝達ユニット4FL,4
FRを介して各前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに与えられ
るとともに、制御流体圧出力ユニット2からの増幅流体
圧が流体圧伝達ユニット4R および比例減圧弁5を介し
て両後輪用ブレーキ装置BRL,BRRに与えられる。また
流体圧供給源3の出力流体圧が異常に低下したときには
ブレーキペダル1の踏込み量に対応して制御流体圧出力
ユニット2から出力される非増幅流体圧が流体圧伝達ユ
ニット4FL,4FRを介して各前輪用ブレーキ装置BFL
FRに与えられるとともに、制御流体圧出力ユニット2
からの前記非増幅流体圧が流体圧伝達ユニット4R およ
び比例減圧弁5を介して両後輪用ブレーキ装置BRL,B
RRに与えられる。さらに各前輪用ブレーキ装置BFL,B
FRに個別に対応した流入弁6FL,6FRおよび流出弁
FL,7FRならびに両後輪用ブレーキ装置BRL,BRR
共通である流入弁6R および流出弁7 R により各ブレー
キ装置BFL,BFR,BRL,BRRの制動流体圧を保持ある
いは減圧してアンチロック制御を行なうことができ、ト
ラクション制御用である常開型電磁弁8および常閉型電
磁弁9の開閉制御により、両前輪用ブレーキ装置BFL
FRの制動流体圧を増大してトラクション制御を行なう
ことができる。
【0009】流体圧供給源3は、リザーバRから作動油
を汲上げる流体圧ポンプ10と、その流体圧ポンプ10
に接続されるアキュムレータ11と、流体圧ポンプ10
の作動を制御するための圧力スイッチ12とを備える。
【0010】流体圧伝達ユニット4FL,4FR,4R は、
基本的に同一の構成を有するものであるので、代表して
流体圧伝達ユニット4FLの構成について次に述べる。
【0011】図2において、流体圧伝達ユニット4
FLは、両端を閉じた円筒状に形成されるハウジング18
と、入力流体圧室19および出力流体圧室20に両端を
臨ませてハウジング18内に摺動可能に嵌合されるフリ
ーピストン21と、フリーピストン21を入力流体圧室
19側に付勢すべく出力流体圧室20内に収納されるば
ね22と、流体圧供給源3の出力流体圧が正常であると
きには通路24および出力流体圧室20間を遮断するが
流体圧供給源3の出力流体圧異常低下に伴って通路24
および出力流体圧室20間を連通すべく構成されてハウ
ジング18内に設けられるバイパス弁23とを備える。
【0012】出力流体圧室20は通路25を介してブレ
ーキ装置BFLに連通される。またフリーピストン21の
外周には、ハウジング18の内面との間に環状室26を
形成する環状凹部が設けられており、前記環状室26お
よび入力流体圧室19間でフリーピストン21の外周に
はシール部材27が、また前記環状室26および出力流
体圧室20間でフリーピストン21の外周にはシール部
材28がそれぞれ装着される。而して、少なくともシー
ル部材28はカップシールであり、環状室26から出力
流体圧室20への作動流体の流通を許容する。しかも前
記フリーピストン21のストロークにかかわらず環状室
26に通じる連通孔29がハウジング18に設けられ、
該連通孔29は解放通路40を介してリザーバRに接続
されており、環状室26はリザーバRに常時連通する。
【0013】バイパス弁23は、円筒状に形成されると
ともにフリーピストン21との間に前記出力流体圧室2
0を画成してハウジング18内に嵌合固定される弁ハウ
ジング30と、出力流体圧室20に連通する弁孔31を
中心部に開口させて弁ハウジング30の出力流体圧室2
0寄りの部分に設けられる弁座32と、前記通路24に
通じる弁室33を前記弁座32との間に画成するととも
に弁室33とは反対側の端部をパイロット室34に臨ま
せて弁ハウジング30内に摺動自在に嵌合される駆動ピ
ストン35と、弁座32への着座を可能として弁室33
に収納されるとともに駆動ピストン35の先端に固着さ
れる球状の弁体36と、駆動ピストン35および弁ハウ
ジング30間に形成されるばね室37に収納されて弁体
36が弁座32から離反する方向の弾発力を駆動ピスト
ン35に与えるばね38とを備え、パイロット室34に
は通路44が連通され、ばね室37は解放通路40を介
してリザーバRに連通される。
【0014】かかるバイパス弁23においては、パイロ
ット室34の流体圧が一定値よりも低いときにはばね3
8のばね力により弁体36が弁孔31を開放する位置ま
で駆動ピストン35が移動して弁室33が出力流体圧室
20に連通し、パイロット室34の流体圧が前記一定値
以上となると、弁体36で弁孔31を閉塞するように駆
動ピストン35が移動して閉弁状態となる。
【0015】このような流体圧伝達ユニット4FLの構成
によれば、バイパス弁23が閉じた状態で入力流体圧室
19に作用する流体圧に応じた流体圧を出力流体圧室2
0から出力することが可能であり、出力流体圧室20の
作動流体が入力流体圧室19側に流れることはない。ま
たバイパス弁23が開弁した状態では、入力流体圧室1
9に流体圧が作用していない状態でも通路24からの流
体圧を出力流体圧室20に導くことができる。
【0016】さらに流体圧伝達ユニット4FL,4FRの出
力流体圧室20はブレーキ装置BFL,BFRに個別にそれ
ぞれ連通され、流体圧伝達ユニット4R の出力流体圧室
20は共通の比例減圧弁5を介してブレーキ装置BRL
RRに接続される。
【0017】前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに対応する
流体圧伝達ユニット4FL,4FRの入力流体圧室19に
は、流入弁6FL,6FRおよび流出弁7FL,7FRが並列し
てそれぞれ接続され、後輪用ブレーキ装置BRL,BRR
対応する流体圧伝達ユニット4 R の入力流体圧室19に
は流入弁6R および流出弁7R が並列に接続される。
【0018】流入弁6FL,6FR,6R は励磁時に閉弁す
る常開型電磁弁であり、流出弁7FL,7FR,7R は励磁
時に開弁する常閉型電磁弁である。而して流出弁7FL
FR,7R は流体圧伝達ユニット4FL,4FR,4R の入
力流体圧室19と、リザーバRに通じる解放通路40と
の間にそれぞれ介設される。また流入弁6FL,6FRは流
体圧伝達ユニット4FL,4FRの入力流体圧室19および
通路41間にそれぞれ介設され、流入弁6R は図1で示
すように流体圧伝達ユニット4R の入力流体圧室19と
通路42との間に介設される。
【0019】比例減圧弁5は、従来周知の構造を有する
ものであり、流体圧伝達ユニット4 R の出力流体圧室2
0から出力される流体圧を比例的に減圧して両後輪用ブ
レーキ装置BRL,BRRに作用せしめる働きをする。
【0020】トラクション制御用の常開型電磁弁8は、
通路43,44間に介設されるものであり、消磁状態で
通路43,44間を連通させる状態と、励磁状態で通路
43,44間を遮断する状態とを切換可能である。また
トラクション制御用の常閉型電磁弁9は、流体圧供給源
3および前記通路44間に介設されるものであり、消磁
状態で流体圧供給源3および通路44間を遮断する状態
と、励磁状態で流体圧供給源3および通路44間を連通
させる状態とを切換可能である。而してトラクション制
御時に両電磁弁8,9は励磁される。
【0021】また通路43から通路44への作動流体の
流通のみを許容する一方向弁45が常開型電磁弁8に並
列に接続され、この一方向弁45は、トラクション制御
実行中にブレーキペダル1によってブレーキ操作を行な
ったときに制御流体圧出力ユニット2から通路43に出
力される流体圧を通路44に導く働きをする。
【0022】さらに通路44,41間には、通路44側
の流体圧が通路41側の流体圧よりも所定値以上大きく
なるのに応じて通路44から通路41への作動流体の流
通を許容する差圧弁46と、通路41側の流体圧が通路
44側の流体圧よりもわずかに大きくなるのに応じて通
路41から通路44への作動流体の流通を許容する一方
向弁としての機能を発揮するカップシール47とを備え
る流通規制ユニット48が介設される。
【0023】図3において、流通規制ユニット48は、
一端を閉塞部材49で閉じた有底円筒状のハウジング5
0を備えるものであり、このハウジング50内には、通
路44に通じる流体室51を前記閉塞部材49との間に
形成してハウジング50内に嵌合される弁ハウジング5
2を備える差圧弁46が設けられ、ハウジング50内面
に摺接するカップシール47が弁ハウジング52の外周
に装着される。また弁ハウジング52および閉塞部材4
9間には弁ハウジング52をハウジング50の他端側に
付勢するばね53が縮設される。
【0024】差圧弁46は、通路41に通じて弁ハウジ
ング52内に形成される弁室54内に、流体室51に通
じる弁孔55を中心部に開口させて弁ハウジング52に
設けられる弁座56に着座可能な弁体57と、該弁体5
7を弁座56に着座させる方向の弾発力を発揮するばね
58とが収納されて成るものであり、通路44に通じて
いる流体室51の流体圧が通路41に通じている弁室5
4の流体圧よりも所定値以上高くなるのに応じて開弁す
る。
【0025】またカップシール47は、流体室51から
通路41への作動流体の流通は阻止するが、通路41の
流体圧が流体室51の流体圧よりも大きくなったときに
は通路41から流体室51への作動流体の流通を許容す
るようにして弁ハウジング52の外周に装着されてい
る。
【0026】上記差圧弁46によると、制動操作初期
に、各流体圧伝達ユニット4FL,4FR,4R におけるバ
イパス弁23がそのパイロット室34の流体圧増加に応
じて閉弁するまで流体圧伝達ユニット4FL,4FRの入力
流体圧室19に通じる通路41への通路44からの作動
流体流通が阻止される。すなわち制動操作初期には、各
バイパス弁23が閉じた後に流体圧伝達ユニット4FL
FRの入力流体圧室19に制動圧が作用することにな
る。また制動操作力を解放したときに通路41の作動流
体は、カップシール47によりリザーバRに逃がされる
ことになる。
【0027】図4および図5において、制御流体圧出力
ユニット2は、ブレーキペダル1による制動操作力に対
応した非増幅流体圧を発生可能な補助流体圧発生手段6
1と、流体圧供給源3の出力圧をブレーキペダル1の操
作量に応じて制御して増幅流体圧を出力可能な流体圧制
御弁62とを備える。
【0028】制御流体圧出力ユニット2のハウジング6
3は、大シリンダ体64と、大シリンダ体64の前端部
内に嵌合固定される小シリンダ体65とから成る。大シ
リンダ体64内には、シリンダ孔66と、該シリンダ孔
66よりも大径にしてシリンダ孔66の前端に同軸に連
なる嵌合孔67と、該嵌合孔67よりも大径にして嵌合
孔67の前端に同軸に連なるねじ孔68とが設けられ
る。また小シリンダ体65は、前記シリンダ孔66およ
び嵌合孔67間の段部69に係合する係合鍔65aを前
端に有して円筒状に形成され、シリンダ孔66に嵌合さ
れる。しかも嵌合孔67には栓部材70が嵌合され、ね
じ孔68に螺合されるねじ部材71を締付けることによ
り、栓部材70および段部69間に係合鍔65aが挟持
され、それにより小シリンダ体65が大シリンダ体64
内で固定される。また小シリンダ体65には、小摺動孔
72と、小摺動孔72の後端に同軸に連なる大摺動孔7
3とが設けられる。
【0029】流体圧制御弁62は、摺動部材としてのス
プール74が小シリンダ体65の小摺動孔72に摺動自
在に嵌合されて成る。小シリンダ体65および栓部材7
0間には、スプール74の前面を臨ませる反力室75が
画成され、該反力室75は通路42に連通される。また
スプール74の前端部には、小シリンダ体65に当接し
てスプール74の後退限を規制する止め輪76が嵌着さ
れており、反力室75内で栓部材70および前記止め輪
76間には、スプール74を後方側に付勢するばね77
が縮設される。
【0030】小シリンダ体65における大摺動孔73に
は、補助流体圧発生手段61の一構成要素たる押圧ピス
トン78が摺動自在に嵌合されており、該押圧ピストン
78は前記スプール74の後端に当接される。また押圧
ピストン78および小シリンダ体65間に画成される解
放室79はリザーバRに連通される。したがって、スプ
ール74には、反力室75の流体圧およびばね77によ
り後方側に向けての力が作用するとともに押圧ピストン
78による前方に向けての力が作用することになり、そ
れらの力のバランスにより小シリンダ体65内のスプー
ル74の位置が定まる。
【0031】ハウジング63を協働して構成する大シリ
ンダ体64および小シリンダ体65には、その軸方向前
方側から後方側に向けて順に間隔をあけて小摺動孔72
内面に開口する入力ポート80、出力ポート81および
解放ポート82が設けられており、入力ポート80は流
体圧供給源3に通じる通路83に連通され、出力ポート
81は通路43に連通され、解放ポート82は解放通路
40を介してリザーバRに連通される。しかもスプール
74の外周には、環状凹部84が設けられており、スプ
ール74の軸線に沿う環状凹部84の長さは、スプール
74が前進位置にあるときには出力ポート81が環状凹
部84を介して入力ポート80に連通するとともに解放
ポート82とは遮断し、スプール74が後退位置にある
ときには出力ポート81が環状凹部84を介して解放ポ
ート82に連通するとともに入力ポート80とは遮断す
るように設定されている。
【0032】ところで、出力ポート81に通じる通路4
3と反力室75との間には、通路43すなわち出力ポー
ト81側の流体圧が反力室75側の流体圧よりも所定値
以上大きくなるのに応じて通路43から反力室75への
作動流体の流通を許容する差圧弁85と、反力室75側
の流体圧が通路43側の流体圧よりもわずかに大きくな
るのに応じて反力室75から通路43への作動流体の流
通を許容する一方向弁としての機能を発揮するカップシ
ール86とが設けられる。
【0033】ハウジング63における大シリンダ体64
には通路43に通じる導入ポート88が設けられてお
り、この導入ポート88および反力室75間を結んで栓
部材70に設けられる通路89を開閉すべく差圧弁85
が設けられるものであり、該差圧弁85は、通路89に
通じて反力室75に開口する弁座90と、該弁座90へ
の着座を可能として反力室75内に収納される弁体91
と、弁座90に着座する方向に弁体91を付勢するばね
92とを備える。また、カップシール86は、反力室7
5から導入ポート88への作動流体の流通を許容して栓
部材70の外周に装着される。
【0034】上記差圧弁85によると、制動操作初期に
制御流体圧出力ユニット2の出力ポート81から通路4
3に出力される流体圧が或る値に達するまでは反力室7
5に流体圧を発生させないことにより、制動操作初期に
おいて操作反力が生じないうちに通路43に出力される
流体圧を或る値まで増大させる働きをするとともに、流
体圧伝達ユニット4R のバイパス弁23が閉じるまでは
流体圧伝達ユニット4 R における入力流体圧室19に通
じる通路42への流体圧出力を抑えるものである。した
がって制動操作初期には、流体圧伝達ユニット4R のバ
イパス弁23が閉弁した後に、通路42の流体圧が流体
圧伝達ユニット4R の入力流体圧室19に作用する。ま
たカップシール86は制動操作力を解放したときに通路
42の作動流体を通路43から出力ポート81、環状凹
部84および解放ポート82を経てリザーバRに逃がす
働きをする。
【0035】補助流体圧発生手段61は、流体圧制御弁
62におけるスプール74の後端に連動、連結されて大
摺動孔73に摺動自在に嵌合される押圧ピストン78
と、ブレーキペダル1に連動、連結されるとともに押圧
ピストン78の背面との間に画成される圧力室93に前
面を臨ませてシリンダ孔66に摺動自在に嵌合される入
力ピストン94と、両ピストン78,94間に直列に介
設される一対のばね95,96とを備える。
【0036】ハウジング63における大シリンダ体64
の後端開口部には入力ピストン94の後退限を規制する
規制部材97が固定されており、該規制部材97を流体
密にして移動自在に貫通するピストンロッド98が入力
ピストン94に同軸に連設される。一方、ブレーキペダ
ル1には、プッシュロッド99が連結されており、該プ
ッシュロッド99の前端が揺動自在にしてピストンロッ
ド98に連結される。したがってブレーキペダル1の踏
込み操作に応じて入力ピストン94が圧力室93の容積
を縮小する方向に前進作動することになる。
【0037】入力ピストン94の前端部にはカップ状の
リテーナ100が嵌挿され、押圧ピストン78の背面に
は有底円筒状のリテーナ101が当接され、両リテーナ
100,101間に、リテーナ101に摺動自在に嵌合
するガイド部材102を相互間に介在させたばね95,
96が縮設される。しかも押圧ピストン78に対する後
退限位置をリテーナ101で規制されるようにして該リ
テーナ101を移動自在に貫通するロッド103の後端
がリテーナ100に係合される。これにより押圧ピスト
ン78および入力ピストン94間の最大間隔が規制され
る。またばね95のばね定数は比較的大きく、ばね96
のばね定数は比較的小さく設定されている。
【0038】リザーバRに通じて入力ピストン94に設
けられる弁孔104と、前記ロッド103の後端に設け
られる弁体105と、弁体105が弁孔104を閉鎖す
る方向にロッド103を付勢すべく該ロッド103およ
びリテーナ100間に設けられるばね106とで、圧力
室93およびリザーバR間の連通・遮断を切換える遮断
弁107が構成されており、この遮断弁107は、押圧
ピストン78および入力ピストン94間の間隔が最大と
なっている状態では開弁して圧力室93をリザーバRに
連通させており、その状態から入力ピストン94がロッ
ド103に対して前進作動すると閉弁して圧力室93お
よびリザーバR間を遮断する。
【0039】このような制御流体圧出力ユニット2にお
いて、反力室75に臨むスプール74の受圧面積A
1 は、圧力室93に臨む押圧ピストン78の受圧面積A
2 よりも小さく、また圧力室93に臨む入力ピストン9
4の受圧面積A3 は押圧ピストン78の前記受圧面積A
2 よりも大きい。すなわちA1 <A2 <A3 である。
【0040】補助流体圧発生手段61の圧力室93には
通路108が接続されており、この通路108は、図1
で示すように、ストロークアキュムレータ113に接続
される。
【0041】図6において、ストロークアキュムレータ
113は、ケーシング114と、通路108に通じる蓄
圧室115をケーシング114との間に形成してケーシ
ング114に摺動自在に嵌合されるアキュムレータピス
トン116と、流体圧供給源3に通じる通路83に連通
したパイロット室117をケーシング114との間に形
成するバックアップピストン118と、蓄圧室115の
容積を縮小する側にアキュムレータピストン116を弾
発付勢する第1および第2アキュムレータばね119,
120と、両アキュムレータばね119,120による
ばね荷重よりも大きなばね荷重を発揮してパイロット室
117の容積を縮小する側にバックアップピストン11
8を弾発付勢するバックアップばね121とを備える。
【0042】ケーシング114は、一端を閉じた第1シ
リンダ孔122と、第1シリンダ孔122よりも大径で
あって第1シリンダ孔122の他端に段部124を介し
て一端が同軸に連なる第2シリンダ孔123と、第2シ
リンダ孔123よりも大径であって第2シリンダ孔12
3の他端にテーパ状の段部126を介して一端が同軸に
連なる第3シリンダ孔125とを備える段付きの有底円
筒体127の開口端が、閉塞部材128で閉塞されて成
る。
【0043】アキュムレータピストン116は、ケーシ
ング114の一端壁との間に蓄圧室115を形成して第
1シリンダ孔122に摺動自在に嵌合される。またバッ
クアップピストン118は、リザーバRに通じる解放室
129をアキュムレータピストン116との間に画成し
て第2および第3シリンダ孔123,125に摺動自在
に嵌合されるものであり、段部126および第3シリン
ダ孔125の内面と、バックアップピストン118の外
面との間に流体圧供給源3に通じるパイロット室117
が画成される。
【0044】バックアップピストン118は円筒状に形
成されるものであり、その前端部すなわちアキュムレー
タピストン116寄りの部分には、半径方向内方に張出
す受け鍔130が設けられる。
【0045】第1および第2アキュムレータばね11
9,120は、相互間にガイド部材131を介在させて
リテーナ132,133間に直列に介装されて成るもの
である。而してアキュムレータピストン116に同軸に
連なるピストンロッド134の中間部には半径方向外方
に張出す鍔部134aが設けられており、リテーナ13
2は、鍔部134aに係合されるべくピストンロッド1
34を囲繞する円盤状に形成される。またリテーナ13
3は、開口端を閉塞部材128に当接させる有底円筒状
に形成される。さらにガイド部材131はピストンロッ
ド134に摺動自在に嵌挿されるものであり、第1アキ
ュムレータばね119はピストンロッド134の鍔部1
34aに係合したリテーナ132とガイド部材131と
の間に、また第2アキュムレータばね120はガイド部
材131と閉塞部材128で支承されるリテーナ133
との間に配設される。而して両アキュムレータばね11
9,120の荷重特性は、蓄圧室115の容積を増大す
る側にアキュムレータピストン116が移動する途中
で、そのアキュムレータピストン116を蓄圧室115
側に付勢するばね荷重特性が変化するように、相互に異
なって設定される。
【0046】バックアップばね121は、解放室129
内でバックアップピストン118の受け鍔130および
リテーナ133間に縮設される。
【0047】このようなストロークアキュムレータ11
3においては、流体圧供給源3が正常に作動していてパ
イロット室117に流体圧供給源3からの正常な流体圧
が作用している状態では、図6で示すようにバックアッ
プピストン118はバックアップばね121の付勢力に
抗してパイロット室117の容積を増大する側すなわち
アキュムレータピストン116から離反する側に移動し
ている。しかるに、流体圧供給源3の作動が不調とな
り、パイロット室117の流体圧が異常に低下すると、
バックアップピストン118はバックアップばね121
のばね力によりパイロット室117の容積を縮小する側
すなわちアキュムレータピストン116に近接する側に
移動し、バックアップピストン118の受け鍔130が
リテーナ132に当接する。したがってアキュムレータ
ピストン116には、第1および第2アキュムレータば
ね119,120に代わってバックアップばね121の
大きなばね荷重が作用することになる。
【0048】このストロークアキュムレータ113にお
いて、アキュムレータピストン116およびリテーナ1
33間の最大間隔はアキュムレータピストン116に連
設されたピストンロッド134にリテーナ133が係合
することで規制され、リテーナ133およびバックアッ
プピストン118間の最大間隔はバックアップピストン
118がアキュムレータピストン116に係合すること
で規制される。すなわちピストンロッド134の鍔部1
34aに係合するリテーナ132にバックアップピスト
ン118が係合することによりリテーナ133およびバ
ックアップピストン118間の最大間隔が規制される。
したがって、アキュムレータピストン116、リテーナ
132、両アキュムレータばね119,120、リテー
ナ133、バックアップピストン118およびバックア
ップばね121を内装組立体としてケーシング114と
は別に組立てることが可能であり、内装組立体をケーシ
ング114の有底円筒体127内に挿入した後に、有底
円筒体127に閉塞部材128を組付けるだけでストロ
ークアキュムレータ113の組立が完了するので、スト
ロークアキュムレータ113の組立作業性が向上する。
【0049】ところで、ストロークアキュムレータ11
3には、蓄圧室115の流体圧が通路24の流体圧より
も所定値以上大きくなったときに蓄圧室115から通路
24への作動流体の流通を許容する差圧弁136と、通
路24の流体圧が蓄圧室115の流体圧よりも大きくな
るのに応じて通路24から蓄圧室115への作動流体の
流通を許容する一方向弁としての機能を発揮するカップ
シール137と、通路24が減圧されたときにリザーバ
Rに通じている解放室129から通路24への作動流体
の流通を許容する一方向弁としての機能を発揮するカッ
プシール138とが設けられる。
【0050】アキュムレータピストン116の外周に
は、ケーシング114の第1シリンダ孔122内面との
間に環状室139を形成する環状凹部が設けられてお
り、ケーシング114の有底円筒体127には環状室1
39に通じる接続孔140が穿設され、該接続孔140
に通路24が接続される。したがって環状室139は通
路24に連通される。
【0051】差圧弁136は、環状室139に連通して
アキュムレータピストン116に設けられる弁室141
内に、蓄圧室115に通じる弁孔142を中心部に開口
させるとともに弁室141内に臨んでアキュムレータピ
ストン116に設けられる弁座143に着座可能な弁体
144と、該弁体144を弁座143に着座させる方向
の弾発力を発揮するばね145とが収納されて成るもの
であり、各流体圧伝達ユニット4FL,4FR,4R におけ
るバイパス弁23の弁室33に通路24および環状室1
39を介して通じる弁室141の流体圧が蓄圧室115
の流体圧よりも一定値以上低いときに開弁して蓄圧室1
15の流体圧を前記各流体圧伝達ユニット4FL,4FR
R の弁室33に作用させる働きをする。
【0052】またカップシール137は、環状室139
および蓄圧室115間でアキュムレータピストン116
の外周に装着され、カップシール138は、環状室13
9および解放室129間でアキュムレータピストン11
6の外周に装着される。
【0053】上記差圧弁136によると、ブレーキペダ
ル1の制動操作に伴って制御流体圧出力ユニット2にお
ける補助流体圧発生手段61の圧力室93で発生する流
体圧が或る値以上となるまで、補助流体圧発生手段61
の出力圧が各流体圧伝達ユニット4FL,4FR,4R にお
けるバイパス弁23の弁室33に作用することが回避さ
れ、バイパス弁23がパイロット室34のパイロット圧
増大に応じて閉弁した後に差圧弁136が開弁可能とな
る。また各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,B RRにおけ
るブレーキパッドの摩耗による制動ピストンの前進や温
度変化等による通路24の呼吸が、圧力上昇時にはカッ
プシール137を介して、圧力減少時にはカップシール
138を介して可能となる。
【0054】次にこの実施例の作用について説明する
と、先ず流体圧供給源3が正常に作動している状態での
通常の制動操作時を想定すると、流入弁6FL,6FR,6
R および流出弁7FL,7FR,7R は消磁状態(図1の状
態)にあり、またトラクション制御用の常開型電磁弁8
および常閉型電磁弁9も消磁状態(図1の状態)にあ
る。したがって制御流体圧出力ユニット2の出力ポート
81から増幅流体圧を導く通路43は、各流体圧伝達ユ
ニット4FL,4FR,4R におけるバイパス弁23のパイ
ロット室34に通路44を介して連通し、また差圧弁4
6および通路41を介して流体圧伝達ユニット4FL,4
FRの入力流体圧室19に接続された状態にあるととも
に、差圧弁85、反力室75および通路42を介して流
体圧伝達ユニット4R の入力流体圧室19に接続された
状態にある。
【0055】この状態でブレーキペダル1を踏込むと、
制御流体圧出力ユニット2では、入力ピストン94が前
進作動し、ばね95,96を介して押圧ピストン78に
前進力を与えることにより流体圧制御弁62のスプール
74がばね77を縮小しながら前進作動する。
【0056】スプール74が、入力ポート80を出力ポ
ート81に連通させるとともに解放ポート82とは遮断
させる位置まで前進して通路43の出力圧が或る値に達
するまでは差圧弁85の働きにより反力室75の流体圧
すなわちスプール74を後退方向に付勢する流体圧は発
生せず、制動操作初期に通路43には急激に増大する流
体圧が出力される。これにより各流体圧伝達ユニット4
FL,4FR,4R におけるバイパス弁23が閉弁し、次い
で差圧弁46の開弁により流体圧伝達ユニット4FL,4
FRの入力流体圧室19に通路41からそれぞれ流体圧が
作用するとともに、差圧弁85の開弁により流体圧伝達
ユニット4R の入力流体圧室19に通路42から流体圧
が作用することになる。
【0057】而して流体圧制御弁62において、ばね7
7のばね力と、反力室75の流体圧をスプール74の断
面積に乗じて得られる力との和である後退方向の力が、
ばね95,96のばね荷重よりも大きくなると、ばね9
5,96を縮小させながら入力ピストン94が押圧ピス
トン78に対して前進作動し、遮断弁107が閉弁して
圧力室93がリザーバRから遮断され、圧力室93の容
積が縮小することにより該反力室93に流体圧が発生す
る。
【0058】したがって、操作ストロークを確保するた
めのストロークアキュムレータ113の蓄圧室115が
圧力室93に連通されているにもかかわらず、初期の操
作ストロークがストロークアキュムレータ113で吸収
されて無効ストロークとなることもない。
【0059】その後、圧力室93の流体圧はストローク
アキュムレータ113の蓄圧室115に蓄圧されること
になり、アキュムレータピストン116に作用するアキ
ュムレータばね119,120の付勢力に対抗する操作
力により入力ピストン94がさらに前進し、ストローク
アキュムレータ113により操作ストロークを確保する
ことができる。
【0060】圧力室93での流体圧発生後、流体圧制御
弁62におけるスプール74は反力室75側からの後退
方向の力と、圧力室93側からの前進方向の力とが均衡
するように前後に移動し、それにより流体圧供給源3の
出力圧が制御され、制御流体圧出力ユニット2から通路
43にブレーキペダル1の操作量に応じた増幅流体圧が
出力され、各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRで増
幅流体圧による制動力が得られることになる。而して流
体圧伝達ユニット4FL,4FR,4R のフリーピストン2
1によって、流体圧供給源3側の流体圧回路と、各ブレ
ーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRとの間が隔絶されるの
で、流体圧供給源3側で作動流体に混入する可能性のあ
るガスが各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに悪影
響を及ぼすことが防止される。
【0061】ところで、反力室75に流体圧が発生して
いてスプール74が出力ポート81および入力ポート8
0間を遮断している状態で、ブレーキペダル1をさらに
操作して入力ピストン94をさらに前進させるときに
は、押圧ピストン78の圧力室93に臨む受圧面積A2
が入力ピストン94の圧力室93に臨む受圧面積A3
りも小さい(A2 <A3 )ので、入力ピストン94の前
進量に比べて押圧ピストン78すなわちスプール74の
前進量が大であり、入力ポート80および出力ポート8
1間を連通させるまでスプール74を前進させるのに要
する操作力が比較的小さくてすむ。
【0062】かかる制動時に、ブレーキペダル1による
踏力が過大となり、車輪がロックしそうになったときに
は、ロックしそうになっている車輪に対応する流入弁6
FL,6FR,6R を励磁して、通路41および流体圧伝達
ユニット4FL,4FR間、ならびに通路42および流体圧
伝達ユニット4R 間を遮断する。これにより車輪がロッ
ク状態になることを回避すべく制動力の増大が抑えられ
る。これでも車輪がロック状態に入りそうであるときに
は、対応する流出弁7FL,7FR,7R を励磁して流体圧
伝達ユニット4FL〜4R の入力流体圧室19をリザーバ
Rに連通し、制動圧を低下させることにより車輪のロッ
ク傾向を解消することができる。
【0063】このようなアンチロック制御を実行する
と、反力室75の流体圧変動に伴いスプール74が前後
に摺動するが、反力室75に臨むスプール74の受圧面
積A1 と、圧力室93に臨む押圧ピストン78の受圧面
積A2 と、圧力室93に臨む入力ピストン94の受圧面
積A3 との間には、A1 <A2 <A3 なる関係があるの
で、スプール74の前後摺動に伴う圧力室93の容積変
動が比較的小さく、したがって反力室75の流体圧変動
に伴ってブレーキペダル1に作用するキックバックを比
較的小さく抑えることができる。
【0064】上記制動時に流体圧ポンプ10等の故障に
より流体圧供給源3の出力圧が異常に低下した場合を想
定する。この場合、制御流体圧出力ユニット2から通路
43に出力される流体圧の低下に応じて各流体圧伝達ユ
ニット4FL,4FR,4R におけるバイパス弁23がそれ
ぞれ開弁する。したがってブレーキペダル1の踏込み操
作による入力ピストン94の前進作動に応じて圧力室9
3で生じた流体圧が通路108、差圧弁136、環状室
139および通路24を介して流体圧伝達ユニット
FL,4FRのバイパス弁23から両前輪用ブレーキ装置
FL,BFRにそれぞれ与えられるとともに流体圧伝達ユ
ニット4R のバイパス弁23および比例減圧弁5を介し
て後輪用ブレーキ装置BRL,BRRに与えられることにな
る。したがって流体圧供給源3の出力圧が異常に低下し
た状態でも、補助流体圧発生手段61の圧力室93で発
生させた流体圧を各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,B
RRに作用させることができる。しかも圧力室93に臨む
押圧ピストン78の受圧面積A 2 は、圧力室93に臨む
入力ピストン94の受圧面積A3 よりも小さいので、押
圧ピストン78の前進に伴う圧力室93の容積変化量を
比較的小さくし、ブレーキペダル1の無効ストロークを
低減することができる。
【0065】この際、ストロークアキュムレータ113
では、流体圧供給源3の出力流体圧低下に伴ってパイロ
ット室117の流体圧が異常に低下し、それによりバッ
クアップピストン118が前進作動してリテーナ132
に当接し、さらに該リテーナ132がピストンロッド1
34の鍔部134aに当接することにより、ばね荷重が
大であるバックアップばね121がアキュムレータピス
トン116に作用することになる。したがって、流体圧
供給源3の出力流体圧異常低下時に、圧力室93で生じ
た流体圧がストロークアキュムレータ113で不必要に
消費されることはなく、ブレーキペダル1の踏込みスト
ロークが必要以上に大きくなることはない。
【0066】ところで、制御流体圧出力ユニット2の補
助流体圧発生手段61において、入力ピストン94およ
び押圧ピストン78間には、ばね荷重の大きなばね95
と、ばね荷重の小さなばね96とが直列に介装されてい
る。このため、入力ピストン94のストロークに対する
ばね反力は図7で示すようになる。すなわち、入力ピス
トン94が前進し始めてからストローク量SA に達する
まではばね反力は所定値PA に達するまで緩やかに増加
し、入力ピストン94のストロークがストローク量SA
を超えるとばね反力が急激に増大する。このようにする
と、流体圧供給源3の出力圧が正常である状態で圧力室
93に通じる流体圧系統で失陥が生じたときには、比較
的大きなばね反力を入力ピストン94に作用させること
によりブレーキペダル1のペダルストローク増加がスト
ローク量SA をわずかに超える程度に抑えられ、また圧
力室93に通じる流体圧系統が正常であって流体圧供給
源3の出力圧が異常に低下したときには、入力ピストン
94からブレーキペダル1に作用するばね反力増加が所
定値PA をわずかに超える程度に抑えられる。
【0067】さらに非制動時に、エンジンの駆動力が過
大となり、駆動輪が過剰スリップを生じそうになると、
トラクション制御用の常開型電磁弁8および常閉型電磁
弁9が励磁される。これにより流体圧供給源3の出力流
体圧が流体圧伝達ユニット4 FL,4FRの入力流体圧室1
9に作用し、駆動輪である左右前輪のブレーキ装置
FL,BFRで制動力が発生し、過剰スリップの発生が回
避される。この後は、前述のアンチロック制御時と同様
に、流入弁6FL,6FRおよび流出弁7FL,7FRの励磁お
よび消磁制御により、制動力を制御可能である。
【0068】かかるブレーキ圧制御装置において、制動
操作初期に、制御流体圧出力ユニット2の出力ポート8
1から出力される流体圧が或る値に達するまでは、反力
室75に流体圧を作用させないようにすなわちブレーキ
ペダル1に操作反力が作用しないようにするための差圧
弁85が、制御流体圧出力ユニット2の一構成要素たる
栓部材70に設けられるので、コンパクトな構成とする
ことができる。
【0069】また各流体圧伝達ユニット4FL,4FR,4
R における出力流体圧室20の呼吸作用は、フリーピス
トン21の外周に装着されたシール部材28によって可
能であり、各バイパス弁23の弁室33に通じる通路2
4の呼吸はストロークアキュムレータ113におけるア
キュムレータピストン116の外周に装着されているカ
ップシール137,138によって可能であるので、呼
吸作用を生じさせるための一方向弁をフリーピストン2
1およびアキュムレータピストン116にそれぞれ有機
的に統合して、コンパクトな構成とすることができる。
さらにアキュムレータピストン116には、圧力室93
の圧力が所定値以上となるまではバイパス弁23に前記
圧力室93の流体圧が作用しないようにするための差圧
弁136が設けられるので、さらにコンパクトな構成と
することができる。
【0070】本発明は、ブレーキペダル1の踏込み操作
に応じて各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに倍力
ブレーキ圧を作用させるようにした車両用ブレーキ圧制
御装置だけでなく、一定の流体圧を出力可能な流体圧供
給源の出力圧を操作部材の操作量に応じて調整して出力
可能にした流体圧制御装置に関連して広く適用可能であ
る。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ストロー
クアキュムレータは、ケーシングと、圧力室に通じる蓄
圧室をケーシングとの間に形成してケーシングに摺動自
在に嵌合されるアキュムレータピストンと、流体圧供給
源に通じるパイロット室をケーシングとの間に形成する
とともにパイロット室の容積を縮小する側への移動に応
じてアキュムレータピストンへ当接するようにケーシン
グに摺動自在に嵌合されるバックアップピストンと、
のバックアップピストンの動きから独立して、蓄圧室の
容積を縮小する側にアキュムレータピストンを弾発付勢
するアキュムレータばねと、アキュムレータばねよりも
荷重を大にしてパイロット室の容積を縮小する側にバッ
クアップピストンを弾発付勢するバックアップばねと、
バックアップばねのバックアップピストンとは反対側の
端部を保持するリテーナとを備え、パイロット室の流体
圧が正常なときは、その流体圧がバックアップばねの弾
発付勢力に抗してバックアップピストンをアキュムレー
タピストンから離れる側に移動させることにより、アキ
ュムレータピストンに対して該バックアップばねの弾発
付勢力が不作用状態となるように、また同パイロット室
の流体圧が異常低下したときは、バックアップばねに弾
発付勢されたバックアップピストンがアキュムレータピ
ストンと当接することにより、アキュムレータピストン
に対して該バックアップばねの弾発付勢力が作用状態と
なるように,該バックアップばねの弾発付勢力が設定さ
れていて、パイロット室の流体圧が異常低下したときに
アキュムレータピストンに作用する、蓄圧室の容積縮小
側への弾発付勢力が、同パイロット室の流体圧が正常で
あるときにアキュムレータピストンに作用するそれより
も大となるようにしたので、流体圧供給源の出力流体圧
が異常に低下したときのストロークアキュムレータのば
ね荷重を大にして作動流体圧のストロークアキュムレ
ータでの消費量を低減することができる。
【0072】またアキュムレータピストンおよびリテー
ナ間の最大間隔がアキュムレータピストンおよびリテー
相互の係合を可能とする構成で規制され、リテーナお
よびバックアップピストン間の最大間隔がアキュムレー
タピストンおよびバックアップピストン相互の係合を可
能とする構成で規制されるので、アキュムレータピスト
ン、アキュムレータばね、リテーナ、バックアップピス
トンおよびバックアップばねを内装組立体としてケーシ
ングとは別に組立てることが可能であり、その内装組立
体をケーシング内に挿入することを可能としてストロー
クアキュムレータの組立作業性を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキ圧制御装置の流体圧回路図である。
【図2】流体圧伝達ユニットの構成を示す縦断面図であ
る。
【図3】流通規制ユニットの縦断面図である。
【図4】制御流体圧出力ユニットの一部構成を示す縦断
面図である。
【図5】制御流体圧出力ユニットの残部構成を示す縦断
面図である。
【図6】ストロークアキュムレータの構成を示す縦断面
図である。
【図7】補助流体圧発生手段における入力ピストンスト
ロークとばね反力との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1・・・操作部材としてのブレーキペダル 3・・・流体圧供給源 61・・・補助流体圧発生手段 62・・・流体圧制御弁 93・・・圧力室 94・・・ピストン 113・・・ストロークアキュムレータ 114・・・ケーシング 115・・・蓄圧室 116・・・アキュムレータピストン 117・・・パイロット室 118・・・バックアップピストン 119,120・・・アキュムレータばね 121・・・バックアップばね 133・・・リテーナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 龍二 長野県上田市大字国分840番地 日信工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−274958(JP,A) 特開 平3−45459(JP,A) 特開 平2−193756(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 13/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面を圧力室(93)に臨ませたピスト
    ン(94)が操作部材(1)の操作に応じて前記圧力室
    (93)の容積を縮小すべく操作部材(1)に連動、連
    結されて成る補助流体圧発生手段(61)と、一定の流
    体圧を出力可能な流体圧供給源(3)の出力圧を前記操
    作部材(1)の操作量に応じて調整して出力可能な流体
    圧制御弁(62)と、前記圧力室(93)に接続される
    ストロークアキュムレータ(113)とを備える流体圧
    制御装置において、 ストロークアキュムレータ(113)は、ケーシング
    (114)と、圧力室(93)に通じる蓄圧室(11
    5)を前記ケーシング(114)との間に形成してケー
    シング(114)に摺動自在に嵌合されるアキュムレー
    タピストン(116)と、流体圧供給源(3)に通じる
    パイロット室(117)をケーシング(114)との間
    に形成するとともにパイロット室(117)の容積を縮
    小する側への移動に応じてアキュムレータピストン(1
    16)へ当接するようにケーシング(114)に摺動自
    在に嵌合されるバックアップピストン(118)と、
    のバックアップピストン(118)の動きから独立し
    て、蓄圧室(115)の容積を縮小する側にアキュムレ
    ータピストン(116)を弾発付勢するアキュムレータ
    ばね(119,120)と、アキュムレータばね(11
    9,120)よりも荷重を大にしてパイロット室(11
    7)の容積を縮小する側にバックアップピストン(11
    8)を弾発付勢するバックアップばね(121)と、バ
    ックアップばね(121)のバックアップピストン(1
    16)とは反対側の端部を保持するリテーナ(133)
    とを備え、前記パイロット室(117)の流体圧が正常なときは、
    その流体圧がバックアップばね(121)の弾発付勢力
    に抗してバックアップピストン(118)をアキュムレ
    ータピストン(116)から離れる側に移動させること
    により、アキュムレータピストン(116)に対して該
    バックアップばね(121)の弾発付勢力が不作用状態
    となるように、また同パイロット室(117)の流体圧
    が異常低下したときは、バックアップばね(121)に
    弾発付勢されたバックアップピストン(118)がアキ
    ュムレータピストン(116)と当接することにより、
    アキュムレータピストン(116)に対して該バックア
    ップばね(121)の弾発 付勢力が作用状態となるよう
    に,該バックアップばね(121)の弾発付勢力が設定
    されていて、前記パイロット室(117)の流体圧が異
    常低下したときに アキュムレータピストン(116)に
    作用する、蓄圧室(115)の容積縮小側への弾発付勢
    力が、同パイロット室(117)の流体圧が正常である
    ときにアキュムレータピストン(116)に作用するそ
    よりも大となるようにし、 アキュムレータピストン(116)およびリテーナ(1
    33)間の最大間隔がアキュムレータピストン(11
    6)およびリテーナ(133)相互の係合を可能とする
    構成で規制され、リテーナ(133)およびバックアッ
    プピストン(118)間の最大間隔がアキュムレータピ
    ストン(116)およびバックアップピストン(11
    8)相互の係合を可能とする構成で規制されることを特
    徴とする流体圧制御装置。
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