JP2006242216A - 歯車減速装置及び回転駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】歯車の噛み合いにより駆動軸1の軸回転速度を減速して従動軸3を回転させる歯車減速装置であって、駆動側歯車2と従動側歯車4の噛み合いによる減速比が1/20以上であり、駆動側歯車2と従動側歯車4がはすば歯車で、歯のモジュールを0.15以上0.3未満とした。
【選択図】 図1
Description
しかし、近年の更なる高精度化の要望に答えるために、0.5よりさらに小さいモジュールの歯車を使用すると、環境による寸法変化の影響を無視できなくなる。
これによれば、歯車が熱膨張した場合でも軸間保証部材が同様に線膨張して一対の歯車の軸間距離を広げるため、歯車間のバックラッシュを適切に保つことができる。
あるいは、上記内側部は金属を材料とし、上記外周部は樹脂を材料として上記内側部に対するインジェクション成形により成形されてもよい。
さらに、上記外周部の径方向の最大幅が歯の全歯たけの20倍以下であるとよい。
さらにまた、上記内側部と回転軸とが一体に成形されているとよい。
もしくは、上記内側部と回転軸とが熱嵌合により一体に結合されていてもよい。
あるいは、上記駆動軸と上記従動軸のいずれか一方の回転軸を軸支し、他方の回転軸と接離する方向に移動可能な可動軸支手段と、上記一方の回転軸を上記他方の回転軸に近接させる方向の付勢力をその可動軸支手段に対して付与する付勢手段と、上記一方の回転軸に対して上記他方の回転軸に近接する方向への移動を、周囲温度に応じて伸縮する温度伸縮部材によって規制する移動規制手段とを有するとよい。そして、上記二重構造歯車を有する場合には、上記駆動軸と上記従動軸のいずれか又は両方に上記二重構造歯車を結合し、上記温度伸縮部材は上記駆動軸と上記従動軸のそれぞれに連結する歯車の各ピッチ円半径長さの合計と同じ周囲温度において同じ熱変形量で伸縮することが望ましい。さらに、上記付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段を有しているとよい。
すなわち、上記モータは、800rpm以上で連続駆動回転可能なDCモータである。
あるいは、上記モータは、1ステップの駆動分解能が1.8deg以下で3000PPS以上の駆動周波数で回転可能なパルスモータであってもよい。
〔歯車減速装置の各実施形態に共通の構成〕
まず、この発明による歯車減速装置の各実施形態に共通する構成について説明する。図1は、この発明による歯車減速装置の主要部である一対の歯車を噛み合わせた状態の正面の一部を拡大して示す図である。この図において、上方に位置する小径の歯車は、駆動軸1に結合して回転駆動される駆動側歯車2であり、下方に位置してこの駆動側歯車2に噛み合っている大径の歯車は、従動軸3に結合して駆動側歯車2との噛み合いにより回転駆動され、従動軸3に軸回転を伝達する従動側歯車4である。
そしてこの発明による歯車減速装置では、一対の歯車の噛み合いによる一段減速のみで減速するものとし、この噛み合う一対の歯車(以下、歯車対という)における減速比が1/20以上に設定されている。ここで、減速比が1/20以上であるとは、従動軸3が駆動軸1の1/20以下の回転数で回転するよう設定したことをいう。
さらに、各歯のモジュールは0.15以上0.3未満であって、歯車の直径に対して歯形が小さく形成されている。ここで、歯の大きさを表すパラメータであるモジュールについて説明すると、歯車のピッチ円直径を歯数で除した値であり、このモジュールの値が小さいほど歯の大きさが小さいことを表すパラメータとなっている。
これに対し、従来の複写機やプリンタなどの画像形成装置においては、0.5程度のモジュールの歯車を用いた歯車減速装置により、モータの軸回転を減速して感光体ドラムや搬送ローラなどの回転体を回転駆動していた。
図2に示す画像形成エンジン5は、タンデム方式のものであり、中間転写ベルト6、搬送ローラ7a,7b、2次転写ローラ8、ローラ9、第1〜4画像形成部10,11,12,13を備えている。そして、図3に示すように各画像形成部10〜13は回転駆動モータ14、駆動側歯車2、従動軸3、従動側歯車4、感光体ドラム15を有しており、この画像形成エンジン5の例では、回転駆動モータ14のスピンドル軸14aで構成する駆動軸1と、小径の駆動側歯車2、従動軸3及び大径の従動側歯車4が歯車減速装置101を構成し、さらにこの歯車減速装置に回転駆動モータ14を加えたものが回転駆動装置201を構成する。この場合、感光体ドラム15は回転駆動装置201が駆動する回転体となる。
このとき回転駆動装置201が転写紙Pの搬送速度に合わせて感光体ドラム15を回転駆動しており、図示しない帯電器、露光器及び現像器により感光体ドラム15の表面にイエローのトナー像が形成され、転写紙Pと接触する位置で転写器(不図示)により転写される。そして転写紙Pは、順次第2〜4画像形成部に搬送されて上記と同様な各色のトナー像が重ねて転写され、カラー画像が形成される。
また、モジュールをおよそ0.1より小さくした場合には、プーリなどの他の回転部品との平行精度を極めて高くする必要があり、実際の設置ではわずかな傾き(歯たけに相当)があっても噛み合い外れが生じるため実用的でないことが分かっている。検討の結果、モジュールを0.15以上に設定すればよいことが判明した。
さらに、歯車を3つ以上使用した多段減速機構では、環境の温度変化によって寸法変化の生じる箇所が多くなるためそれだけ精度が低下してしまうが、この発明の歯車減速装置のように一対の歯車の噛み合いによる一段減速のみで減速することで温度変化による寸法変動箇所を最少とし、駆動精度を向上させることができる。
そして、本発明による歯車減速装置及び回転駆動装置は、上記のような小モジュールの
歯車の噛み合いを確実に行えるよう構成されたものであり、以下それらの各実施形態を説明する。
まず、本発明による歯車減速装置の第1実施形態について説明する。
図6は、この実施形態の歯車減速装置に用いられる大径小モジュールの歯車を軸方向に沿った断面で示す図である。この図において、歯車21は、歯を含む外周部22(全歯たけ+2,3mm程度の幅の外周側部分)をPOM樹脂で形成し、この外周部22より軸側に位置する内側部23をステンレス鋼で構成した二重構造歯車となっている。そして、内側部23を構成するステンレス鋼は、外周部22のPOM樹脂よりも線膨張係数が低く、2×10−5cm/℃以上6×10−5cm/℃以下である材料を用いている。
なお、上記のステンレス鋼以外で内側部23に適用できる線膨張係数の低い材料としては、例えばゼロ膨張ガラスであるゼロデュア(SiO2+Ti)や、炭化珪素セラミック、窒化珪素セラミック及びアルミナセラミックなどのセラミック材料、あるいは炭素鋼などがある。
以上に説明したような高い中心精度を有する歯車28,29を上記図3に示した画像形成部に用いた場合には、偏心を最小に抑えた感光体ドラム15の回転駆動が可能となり、バンディングの発生を抑えることができる。
次に、本発明による歯車減速装置の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明による歯車減速装置の第2実施形態を、図3の画像形成部に適用した状態を示す平面図である。以下において、前述した部材と同等のものには同じ符号を付し、説明を省略する。この図9において、歯車減速装置102は回転駆動モータ14と感光体ドラム15を接続しており、そして回転駆動モータ14のスピンドル軸(駆動軸1)14aに直接取り付けられている駆動側歯車2と、この駆動側歯車2と噛み合って従動軸3とジョイント41を介し感光体ドラム15に接続されている従動側歯車4と、回転駆動モータ14のスピンドル軸14aと従動軸3の両方を支持するブラケット42とを有している。
次に、本発明による歯車減速装置の第3実施形態について説明する。
図10は、本発明による歯車減速装置の第3実施形態を、図3の画像形成部に適用した状態を示す平面図である。この図において、歯車減速装置103は回転駆動モータ14と感光体ドラム15を接続しており、そして回転駆動モータ14のスピンドル軸(駆動軸)14aに直接取り付けられている駆動側歯車2と、この駆動側歯車2と噛み合って従動軸3とジョイント41を介し感光体ドラム15に接続されている従動側歯車21と、回転駆動モータ14のスピンドル軸14aを支持する駆動側ブラケット51と、この駆動側ブラケット51を固定して回転駆動モータ14とともに平行移動可能に設けられた可動支持台53と、従動軸3を支持する従動側ブラケット52と、駆動側ブラケット51と従動側ブラケット52との間に挟持されるよう設けられた熱変形部材54と、駆動側ブラケット51から見て従動側ブラケット52と反対側の位置に設けられた調整ネジ部55と、この調整ネジ部55と駆動側ブラケット51の間に挟持されるよう設けられた押圧バネ56とを有している。
以上の構成は、近年の機器の小型化が要望されている中で、設置空間の少容積化と小型モータに供給する電流増加が進んでいることにより、モータ発熱が増大して環境温度の変化が著しいことから特に有効である。
次に、本発明による回転駆動装置の実施形態について説明する。
以下においては、回転駆動装置を画像形成部に適用した場合を例に取り説明する。図3において、歯車減速装置101と回転駆動モータ14とを合わせた構成が回転駆動装置201であり、この回転駆動装置201は回転駆動モータ14の軸回転を歯車減速装置101によって減速して回転体である感光体ドラム15を駆動するものである。
そして、この実施形態において、回転駆動モータ14は800rpm以上で連続駆動回転可能なDCモータとなっている。
しかし、発明者のさらなる試験及び検討により、小モジュール化した歯車対において減速比を前述した1/20以上に設定するとともに、連続駆動モータの場合800rpm以上で回転させることで、感光体ドラム15周上の速度変動率を許容値(0.1%)以内に抑えることが可能であることがわかった。
また、回転数の上限については、5000rpm以上で回転させても速度変動率を抑える効果が得られることが予想できるが、実用域としては3500rpm程度を上限とするのが好ましい。
なお、駆動分解能を低くするほど、また駆動周波数を高くするほど、脈動を少なくして滑らかに回転させることができるが、それだけ発生トルクは減少してしまう。したがって減速比と必要トルクのバランスから、駆動分解能と駆動周波数を設定すべきである。
そして、環境の温度変化に対しても常に適切な噛み合い状態を維持して、高精度で安定した駆動伝達ができる。また、回転変動ムラの発生を極めて少なくし、回転体を高精度で回転駆動できる。
5:画像形成エンジン 10:第1画像形成部 14:回転駆動モータ
14a:スピンドル軸(駆動軸) 15:感光体ドラム(回転体)
21:従動側歯車(二重構造歯車) 22:外周部 23:内側部 24:中心孔25:回転軸 42:ブラケット 51:駆動側ブラケット
52:従動側ブラケット 53:可動支持台(可動軸支手段)
54:熱変形部材(温度伸縮部材) 55:調整ネジ部(付勢力調整手段)
56:押圧バネ(付勢手段) 57:基台 58:レール 59:ベース
60:蝶ネジ 61:接触板 P:転写紙
101,102,103:歯車減速装置 201:回転駆動装置
Claims (13)
- 歯車の噛み合いにより駆動軸の軸回転速度を減速して従動軸を回転させる歯車減速装置であって、
減速比が1/20以上の一段減速であり、前記歯車がはすば歯車で、歯のモジュールが0.15以上0.3未満であることを特徴とする歯車減速装置。 - 請求項1記載の歯車減速装置であって、
前記歯車の少なくとも1つが、歯を含む外周部と、該外周部より軸側に位置する内側部とを互いに異なる材料で一体に成形した二重構造歯車であり、前記内側部に線膨張係数が2×10−5cm/℃以上6×10−5cm/℃以下の材料を用い、前記外周部に線膨張係数が前記内側部の材料より大きい材料を用いたことを特徴とする歯車減速装置。 - 請求項2記載の歯車減速装置であって、
前記外周部と前記内側部はそれぞれ樹脂を材料とし、それらはダブルインジェクション成形により成形されることを特徴とする歯車減速装置。 - 請求項2記載の歯車減速装置であって、
前記内側部は金属を材料とし、前記外周部は樹脂を材料として前記内側部に対するインジェクション成形により成形されることを特徴とする歯車減速装置。 - 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の歯車減速装置であって、
前記外周部の径方向の最大幅が歯の全歯たけの20倍以下であることを特徴とする歯車減速装置。 - 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の歯車減速装置であって、
前記内側部と回転軸とが一体に成形されていることを特徴とする歯車減速装置。 - 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の歯車減速装置であって、
前記内側部と回転軸とが熱嵌合により一体に結合されていることを特徴とする歯車減速装置。 - 請求項1記載の歯車減速装置であって、
前記歯車は全て同じ材料からなり、該材料の線膨張係数の±10%以内の線膨張係数の材料からなる単体のブラケットにより前記駆動軸と前記従動軸の両方が軸支されていることを特徴とする歯車減速装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の歯車減速装置であって、
前記駆動軸と前記従動軸のいずれか一方の回転軸を軸支し、他方の回転軸と接離する方向に移動可能な可動軸支手段と、前記一方の回転軸を前記他方の回転軸に近接させる方向の付勢力を該可動軸支手段に対して付与する付勢手段と、前記一方の回転軸に対して前記他方の回転軸に近接する方向への移動を、周囲温度に応じて伸縮する温度伸縮部材によって規制する移動規制手段とを有することを特徴とする歯車減速装置。 - 請求項2乃至7のいずれか一項に記載の歯車減速装置であって、
前記駆動軸と前記従動軸のいずれか一方の回転軸を軸支し、他方の回転軸と接離する方向に移動可能な可動軸支手段と、前記一方の回転軸を前記他方の回転軸に近接させる方向の付勢力を該可動軸支手段に対して付与する付勢手段と、前記一方の回転軸に対して前記他方の回転軸に近接する方向への移動を、周囲温度に応じて伸縮する温度伸縮部材によって規制する移動規制手段とを有し、前記駆動軸と前記従動軸のいずれか又は両方に前記二重構造歯車を結合し、前記温度伸縮部材は前記駆動軸と前記従動軸のそれぞれに連結する歯車の各ピッチ円半径長さの合計と同じ周囲温度において同じ熱変形量で伸縮することを特徴とする歯車減速装置。 - 請求項9又は10記載の歯車減速装置であって、
前記付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段を有していることを特徴とする歯車減速装置。 - 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の歯車減速装置とモータとを備え、該モータの軸回転を前記歯車減速装置によって減速して回転体を駆動する回転駆動装置であって、
前記モータは、800rpm以上で連続駆動回転可能なDCモータであることを特徴とする回転駆動装置。 - 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の歯車減速装置とモータとを備え、該モータの軸回転を前記歯車減速装置によって減速して回転体を駆動する回転駆動装置であって、
前記モータは、1ステップの駆動分解能が1.8deg以下で3000PPS以上の駆動周波数で回転可能なパルスモータであることを特徴とする回転駆動装置。
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JP2007107697A (ja) | 低振動歯車及び低振動歯車を用いた複写機、撮像装置 |
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