JP5533096B2 - 駆動装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
従って、感光体ドラムや転写ベルトは、画像形成装置の装置フレームに対して着脱自在に構成されており、かかる装置フレームに装着した際にモータ及び減速ギヤ列等の駆動機構と結合されるようになっている。
画像形成装置は感光体ドラムや転写ベルトの搬送ローラなど、多くの表面移動体としてのローラ部材で構成されており、それらローラ部材を駆動させるモータやギヤ等の駆動機構が装置内で占める割合は大きい。更に、モノクロ並みの出力スピードが得られるタンデム型のカラー画像形成装置では、4色の感光体にそれぞれ駆動機構が必要になるなど、装置内で駆動機構を占める割合は増えている。
特許文献1には、遊星歯車機構を採用することにより、複数個の遊星歯車に荷重を分岐して伝達するため各歯車噛合い部への荷重が遊星数に応じて分散され、歯車を小型化できる構成が開示されている。
この構成によれば、小型化された駆動機構と駆動源であるモータは、感光体ドラムや転写ベルトの搬送ローラであるローラ部材の円筒内部に配置することで、大幅な小型化を実現でき、さらに、ローラ部材は、側板に固定されたモータと駆動機構に対して着脱可能な構成としたことにより、ローラ部材の交換やメンテナンスが容易となっている。
このような着脱対象部材が装置本体に取り付けられた際には、動力の入力側と出力側との位置精度が確保されないと、前述した不具合、つまり、回転ムラによるバンディングなどが発生する。
このため、従来では、動力伝達経路において連結される部分にカップリングを設ける構成が提案されている(例えば、特許文献2)。
(1)駆動モータからの駆動力を被駆動部材に伝達する伝達経路に遊星歯車減速機構を備えた駆動装置において、前記遊星歯車減速機構は、側壁に取り付けられ、少なくとも1段のキャリアとこれに支持される遊星ギヤとが備えられると共に、最終段のキャリアに出力部が設けられ、前記出力部は、被駆動部材への駆動力伝達時、前記キャリアのみで支持され、前記被駆動部材は、前記出力部に対して着脱することにより、前記側壁に対して着脱可能に設けられており、前記出力部は、前記キャリアに対して着脱可能に設けられており、前記被駆動部材を離脱した場合に、前記キャリアから抜けて脱落するのを防止する脱落防止部を備えていることを特徴とする駆動装置。
図1は、本発明による駆動装置を用いる被駆動部材である潜像担持体を備えた画像形成装置を示す図である。
図1は、タンデム方式を用いた電子写真方式のカラー複写機を示しており、乾式二成分系現像剤を用いる二成分現像方式により静電潜像が可視像処理されるようになっている。なお、本発明の実施例では複写機を対象としているが、本発明はこれに限ることなく、プリンタやファクシミリ装置、あるいは印刷機やこれら機能を複合した複合機を対象とすることも可能である。
また、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkの周りには、それぞれ、帯電器2Y,2M,2C,2Bk、各色対応の現像装置9Y,9M,9C,9Bk、クリーニング装置4Y,4M,4C,4Bk、除電ランプ3Y,3M,3C,3Bk等の電子写真プロセス用部材がプロセス順に配設されている。
このY静電潜像は、現像装置9Yにより、現像剤中のYトナーにより現像される。現像時には、現像ローラと感光体ドラム1Yとの間に所定の現像バイアスが印加され、現像ローラ上のYトナーは、感光体ドラム1Y上のY静電潜像部分に静電吸着する。
以下、同様にして、Mトナー像、Cトナー像、Bkトナー像も、中間転写ベルト5上のYトナー像に順次重ね合うように1次転写される。
本発明の特徴は、感光体ドラムを被駆動部材とする駆動装置に特徴があり、具体的には、駆動装置に用いられる遊星歯車減速機構の出力部の支持構造として軸受によるラジアル方向への動きを規制した支持ではなく、ラジアル方向およびスラスト方向に対して自由に動き得る浮動支持構造とした点にある。
図2は、2段の遊星歯車(ピニオンギヤ)およびこれを支持するキャリアが装備されている遊星歯車機構11を要部とするドラム駆動装置10の構成を示す図である。
図2において遊星歯車機構11は、駆動モータMの出力軸M1に設けられている遊星歯車機構の入力軸M1に一体の太陽歯車12を備え、この太陽歯車12および固定されたケーシング13の内歯歯車13Aに噛み合う1段目の遊星歯車14が1段目のキャリア15により支持されて太陽歯車12の外周を公転するようになっている。
最終段に相当する2段目のキャリア18には、出力部が設けられており、図2に示す場合には、筒状軸19の内面に形成されているスプライン状の内歯19Aに噛み合う係合部材であるスプライン伝達部材20が出力部として用いられている。
上述した駆動モータMの出力軸M1は、2個の軸受M2を介してモータ固定フランジ21により支持されている。
モータMの回転軸M1を支持することでDCブラシレスモータの回転子であるアウター型ロータを支持することになる。モータ固定フランジに21には、図示しないモータの固定子鉄心や駆動回路等も設置されている。
モータ固定フランジ21は、内歯歯車13Aを有するケーシング13に対してネジによって固定されている。
ケーシング13におけるモータ固定フランジ21と反対側の端部には、装置本体に挿通されたネジによりエンドキャップ22が締結されている。
ドラムフランジ1Aは、感光体ドラム1を収容する感光体ドラムユニットDYに設置されたドラム軸受1Bにより回転支持されている。感光体ドラムユニットDYは、本体側板50に対し脱着可能であり、装着の際には、図示しないレースガイドで所定の場所へ誘導される。
モータMに連結される入力軸M1は一端が太陽歯車12となっており、それに噛み合う1段目の遊星歯車14が太陽歯車12の周りをキャリアに支持されて公転する。遊星歯車14は回転バランスとトルク分担のために同心状に2箇所またはそれ以上の複数個が配置される。
本実施例では、周方向で3等分された位置にそれぞれ遊星歯車が配置され、その外周軌道では、固定されて回転不能な内歯歯車13Aと噛合って回転する。
遊星歯車14は、太陽歯車12と内歯歯車13Aとの噛合いにより、自転及び公転回転し、遊星歯車14を支持するキャリア15は、太陽歯車12の回転に対し減速回転し、1段目の減速比が獲得される。
同様に、2段目キャリア18に設けられた遊星歯車17は、その外周軌道で、前記した一段目と共通の固定化された内歯歯車13Aとの噛合い回転により、さらに減速回転して2段目キャリア18の回転、すなわち出力側の回転となる。
2K−H型遊星歯車機構に用いられる一つのユニットは、太陽歯車(sun gear)、遊星歯車(planetary gear)、遊星歯車の公転運動を支持する遊星キャリア(planetary carrier)、内歯歯車(outer gear)の四点の部品から構成されている。
太陽歯車の回転、遊星歯車の公転(キャリアの回転)、外輪歯車の回転の三つの要素の内、一つを固定、一つを入力、一つを出力に接続する。それぞれ、どれを入出力・固定に割り当てるかによって、一つのユニットで複数の減速比や回転方向の切替えが可能である。本実施例において対象とする2K−H型の2段構造は、複合遊星歯車機構(2個以上の2K−H型)に分類され、2個以上の2K−H型のそれぞれの3本の基本軸のうち2本の基本軸同士を結合し、残りの基本軸の1本を固定し、他の1軸を駆動軸または従動軸とする機構となる。
線速比=Za1 /(Za1+Zc1)×Za2 /(Za2+Zc2)
最終段である2段目のキャリア18には、前述したように、筒状軸19内に形成されたスプライン状の内歯19Aが位置しており、感光体ドラム1のドラムフランジ1A側にも同様のスプライン状の内歯1A1が形成されている。
スプライン伝達部材20は、上述した各内歯19A、1A1に対して噛み合うことで遊星歯車機構11からの動力伝達が行われるようになっている。
本実施例では、入力側のキャリア15、出力側のキャリア18、スプライン伝達部材20がそれぞれ回転するが、回転位置を規制する軸受が設けられていない。
このように、軸受を用いないことにより、各歯車部の噛合いが外れることがないように回転領域を規制するための回転支持部S1、S2を有する。
この構成により、本実施例では、モータ出力である入力軸M1と感光体ドラムフランジ1Aのみが軸受にて回転支持されていることになる。
通常、インボリュート歯形で形成された2つの歯車を噛み合わせる歯車対では、噛合い部の噛合い圧力角に応じて、歯車回転方向だけでなく、歯車回転中心方向にも力が発生する。そのため、歯車の回転を支持する軸受が必須である。
しかし、遊星歯車機構では、遊星歯車を均等配置することで、各歯車における噛合い部は回転中心に対して対称に位置するため、歯車回転中心方向の力が相殺される。
従って、遊星歯車の回転軸をもつキャリアは遊星歯車を支持するものではなく、遊星歯車が公転軌道を移動する力を伝達する部材であり、キャリア中心に対し対称に遊星歯車があるため、キャリアの回転支持軸受は必要ない。つまり、本実施形態のようにスプライン伝達部材20で間接的に支持するような浮動支持の構成が可能である。
キャリア浮動支持構成における遊星歯車偏心時のキャリア中心軸の軌跡を図4に示す。本実施形態で使用している3個の遊星歯車に各約30μmの偏心がある場合のキャリア中心軸の移動軌跡である。減速装置の水平方向へのキャリア中心軸移動量をX軸に、垂直方向をY軸にプロットした。遊星歯車に偏心がある場合には、キャリア中心軸は、図4のように半径40μm程度領域を移動することがわかった。
図5(A)、図6(A)は、本実施例において、遊星歯車に偏心がある場合に、キャリア回転軸を玉軸受で支持した場合(以下、キャリア軸受支持という)と、本実施例のようにキャリア浮動支持した場合の遊星歯車の歯対トルクと回転特性を示す。
図5(A)はキャリア回転軸を玉軸受で支持した構成における、各遊星歯車の噛合い部にかかるトルク(以下、歯対トルクという。)の時間推移を示している。
遊星歯車に偏心があると偏心位相によっては他の遊星歯車の噛合いよりも先行して噛合い始めたり、逆に噛合いが遅れたりする。
この結果、図5(A)に示すように時間0.1から0.18秒の時間帯では2番の遊星歯車が他の遊星歯車よりも先行して噛合いが始まり、負荷トルクも大きくかかる。特に0.11秒から0.17秒の時間帯では、2番の遊星歯車のみがトルク伝達に寄与しており、他の1番と3番の遊星歯車はトルク伝達に寄与していない。遊星歯車の回転に伴い、偏心位相が変化するため、トルク伝達に大きく寄与する遊星歯車は2番から3番、1番へと移っていく。このように遊星歯車の偏心より、各遊星歯車にかかる歯対トルクは大きく変動する。
遊星歯車の偏心位相により、各遊星歯車の歯対トルクは変動するものの、ほぼ一定に安定している。これは、各遊星歯車において、均等に歯対トルクがかかるようキャリアが自動で移動するためである。キャリアの移動軌跡は、図4に説明した状態である。
図5(B)のキャリア軸受支持においては、キャリア上から見た遊星歯車の回転周期(遊星歯車自転周期)とその高次成分において回転速度変動が発生していることがわかる。220Hz付近の速度変動は1歯ピッチの噛合い周期の回転変動である。
図7は、各構成部品の回転周期におけるキャリア浮動支持による速度変動率の低減効果を示している。キャリア浮動支持は、太陽歯車に偏心があった場合も太陽回転周期の速度変動が低減する効果がある(図7中の太陽回転)。
固定内歯歯車に偏心や取付誤差があった場合、固定内歯歯車に対して回転するキャリアの回転周期で速度変動が発生するが、それもキャリア浮動支持によって、低減する効果がある(図7中のキャリア回転)。遊星歯車自転周期の変動は、ほとんどの組付条件で、低減効果が確認される(図7中の遊星自転1)。
しかし、組付条件によっては、低減効果がほとんど得られない場合がある(図7中の遊星自転2)。効果が得られない組付条件とは、各遊星歯車の最大偏心位相を太陽軸に対して放射状に配置して組付けた状態である。
各遊星歯車の偏心位相を放射状に配置して組付けると、3個とも同じ偏心位相で太陽歯車、内歯歯車に噛み合うため、歯対トルクは、図6(A)に示したように各遊星歯車において均等になるが、キャリアの回転速度変動は遊星歯車の偏心量に応じて発生する。
そこで、本実施例では、このような変動の発生に対処するための方法として、感光体ドラム上の潜像書込み部と1次転写部との配置間隔を遊星歯車自転周期で移動する感光体ドラム表面移動距離の整数倍とする。
これによって、潜像書込み時に遊星歯車自転周期の感光体ドラム回転速度変動によって発生した書き込み位置ずれが、転写時には、逆の関係となるためキャンセルされる。
キャリアの浮動支持する構成で回転伝達するカップリングとしては、インボリュートスプライン形状のギヤカップリングが最適である。他のカップリング方式として、ピン嵌合やオルダム形状の勘合が考えられるが以下の点でインボリュートスプライン形状が優れている。
第1に、感光体ドラムの着脱容易性、キャリアの自動調心移動にともなう可動方向の反力が小さい、キャリアの自動調心移動時の摩擦力が小さいという作用がある。
本実施例では、スプライン伝達部材20に対するスプライン結合部をキャリア18側の内歯に相当する筒状軸19の内歯19Aとドラム軸の内歯1A1との2段に設定することで軸心が傾いたままでの嵌合であっても、回転が精度良く伝達されるようになっている。以下、その理由を説明する。
一般的には、インボリュート歯形のスプライン継手やセレーション継手において、歯の圧力角は25〜45°が用いられているが、本実施例では、圧力角が20°に設定されている。これは、圧力角を低くすることにより、雄側歯車に働く中心方向への噛み合い圧力を低減し、スプライン伝達部材の軸角の変動を容易するためである。また、同じトルクを伝達する場合においても、歯面接触圧力が低減されるため、伝達剛性が高いという利点がある。
歯面隙間においてスプライン伝達部材20は、図10に示すように、軸角の変動ができる。図8において、外歯車である雄側の軸線をXeとし、内歯車である雌側の軸線をXiとし、雄側が雌側に対して嵌合部中央Opを回転中心に軸角δだけ傾斜していることを示している。
本実施例では、歯面隙間が80μm以上に設定され、歯幅が10mmに設定されているので、軸角変動δとしては、約0.5°程度まで傾斜が可能となっている。
つまり、軸角ゼロでは噛み合い歯数は多いが、軸角変動δが大きくなると急激に噛み合い歯数が少なくなり、負荷伝達能力の低下をきたし、噛み合い歯数によって伝達剛性が大きく変化するため騒音や振動が発生することになる。
軸角変動が約3°以内であれば歯部の変形により連結部の全歯が噛み合う状態となり、各歯対の接触面積も十分であるため、安定した負荷伝達が可能となる。
許容軸角δが約3°でスプライン伝達部材20の各噛み合い部中央間距離Lspが30mmの場合、許容される偏心量を次の式で割り出すと、157μmであった。
0.157(mm)=tan(0.3deg)×30(mm)
傾いたスプライン伝達部材によって連結されたキャリアとドラムフランジとの回転状態の概略を図11に示す。
Vd1(t)=r0*ω0 (1)
また,キャリアとスプライン伝達部材とは,その当接箇所では線速度が等しい。
そこで,そのときの嵌合状態での,基準半径r0に相当するスプライン伝達部材の回転半径をr1(t)とすると,スプライン伝達部材の角速度ω1(t)は,次の(2)式で与えられる。
ω1(t)=Vd1(t)/r1(t)・・・(2)
さらに,この(2)式のVd1(t)に(1)式の右辺を代入すると,次の(3)式が得られる。
ω1(t)=r0*ω0/r1(t)・・・(3)
一方,ドラムフランジ側においても,スプライン伝達部材の角速度はω1(t)であり,その当接箇所ではスプライン伝達部材とドラムフランジとの線速度が等しい。
従って,スプライン伝達部材の回転半径r1(t)位置でのドラムフランジの線速度Vd2(t)は,次の(4)式で与えられる。
Vd2(t)=r1(t)*ω1(t)・・・(4)
この中のω1(t)に(3)式の右辺を代入すると,次の(5)式が得られる。Vd2(t)=r1(t)*r0*ω0/r1(t)=r0*ω0・・・(5)
一方,ドラムフランジの角速度ω2(t)は,ドラムフランジとスプライン伝達部材との当接箇所でのドラムフランジの回転半径がr0なので,次の(6)式で与えられる。
Vd2(t)=r0*ω2(t)・・・(6)
従って,(5)式と(6)式とから,次の(7)式が得られる。
ω2(t)=ω0・・・(7)
従って,このスプライン伝達部材によれば,スプライン伝達部材とドラムフランジとの互いの軸芯が合っていなくても,そのままで嵌合されて回転方向の駆動伝達は確実に行われる。
この現像ギャップの設定は、通常、上記像担持体としての感光体に対する、上記現像剤担持体としての現像スリーブを固定保持する現像ホルダの固定位置を調整することで行っている。
この現像ギャップの調整範囲は、一例をあげると、0.4±0.05mmといったように、調整値も狭いが調整誤差も0.05mmというように、非常に高精度な調整が要求されている。
キャリア浮動支持によるキャリア回転軸の移動振動が感光体ドラムへ伝達すると現像濃度ムラが発生するという新たな課題が発生する。それを解決する点でも、軸直角平面方向の移動摩擦の少ないスプラインカップリングを採用することは効果を発揮することになる。
第2実施例は、遊星歯車機構の出力部としてキャリア18に一体化されている出力軸に噛み合うスプライン伝達部材が設けられている。さらに、本実施例では、遊星歯車機構の組み付けに際して被駆動部材に相当する感光体ドラム軸との軸心整合が可能な構成を備えている。以下、その構成について図12以降の図面を用いて説明する。
図12において、駆動装置100は、図2に示した場合と同様に2段の遊星歯車およびキャリアを備えた遊星歯車機構(便宜上、図2において用いた符号11で示す)の最終段に位置するキャリア(便宜上、図2に用いた符号18で示す)には、出力部の一構成部品として出力軸101が一体化されている。
出力部は、上述した出力軸101に加えて、図2において説明した構成と同様な原理構成からなるスプライン伝達部材20’が用いられている。
遊星歯車機構11での出力部を構成している出力軸101およびスプライン伝達部材20’は、出力軸101と反対方向で着脱可能に支持される感光体ドラムと共に、共通な位置決めユニット102内に配置されている。
軸心位置決め孔102A1,102B1は、端板102A,102Bの中心を貫通する孔で構成されており、その内径は、遊星歯車機構11側のエンドプレート(図2に用いた符号22で示す)に固定されている位置決め用突起22Aおよび感光体ドラム1のドラム軸受1B1を嵌合できる寸法とされている。
なお図12において符号201は、位置決めユニット102を本体側板50に締結するためのブラケットを示している。
さらに装置組み付け時に前記二体の同軸精度を得るための直角精度は、減速機構取り付けのA面、および本体側板50における取り付けのB面の加工精度で簡単に得ることができる。
伝達系の剛性としてみる場合も、回転伝達体はこの様な一体型のブロック構造をなす位置決めユニット102が上記各取り付け面に固定された状態で駆動させる方が、一般に行われているところの、本体側板50にスタッドを立てて、ブラケットに固定する方法よりも高い剛性が得られるため、ここでの振動発生が抑制されることになる。
同図においてY,M,C,Bk色の現像剤を用いるタンデム方式の画像形成装置の構成における、色ずれやバンディング(色むら)を少なくするためには、回転系の高精度支持駆動とともに、それらのステーションを構成するモジュール間の位置精度を確保しなければならない。4色のユニットの軸心の平行度や整列度は、いずれも数十μm以下にする必要がある。
また、組み付けや装置のメンテナンスを簡易に行えるように、共通の位置決めユニット102は、図14に示すように、装置の本体側板50に対して装置外側からの取り付け(ネジ締め)により、取り外しが可能な構造としてある。
図15は、被駆動部材に相当する感光体ドラム1の着脱状態を示す図であり、同図において、遊星歯車機構11の出力部に用いられるスプライン伝達部材20’には、共通の位置決めユニット102における一方の端板に基端を支持されている脱落防止部材103が設けられている。
脱落防止部材103は、軸方向への変位が生じない状態でスプライン伝達部材20’の位置保持を行い、そして、両軸を繋いで回転駆動時での保持も行うようになっている。
脱落防止部材103は、感光体ドラム軸1A0がスプライン伝達部材20’内に挿入されると感光体ドラム軸がスプライン結合部を押し動かす方向の負荷を受けることによりスラスト方向に撓み変形することで負荷を逃がすようになる。これにより、スプライン伝達部材20’のスプライン歯や感光体ドラム1あるいは共通な位置決めユニット102に対して過剰な負荷や衝撃力を与えないようにして部品の変形や破壊を防止できるようになっている。
図16は、スプライン伝達部材20’のスプライン歯部の詳細を示す図であり、図17はそのスプラインの展開図である。
図16および図17において、スプライン歯は、周方向で噛み合い開始点において互いに対向する歯の端部をR形状または先端を尖らした三角形状にされることで、スムースな噛み合いに移行させることが可能となる。
一方、上述したスプライン歯のうちで、略180°の位相位置にある一対の歯SP1を他の歯形SP2よりも若干長くして構成し、しかも、弾性的に微少変形する用にしてある。これにより、長くした歯SP1の端部に、感光体ドラム軸1A0のインボリュート歯形端部が接触すると、歯の頂点は、接触圧を受けつつ微少に変形移動して、突き当てが逃げつつ進行し、その後は矢印で示す軌跡で移動をしながら噛み合いがスムースに行われることになる。
本実施例に用いられるスプライン伝達部材20’は、歯形部に相当する樹脂材料とその外周を包み込む金属リングの2層構造となっている。
一般に量産品は成型加工により作られるので、金属リング体との一体成型が可能である。金属リング体としてAl(アルミニウム)または、Al合金等の軽量で高剛性材料が用いられている。
全てを樹脂で形成すると、肉厚が大きくなり、樹脂のひけ現象で歯型精度が劣化する原因となり、リブ構造で均一化した場合でも大型化(大径化)の問題が発生する。
従って、金属リングの内面に形成した凹凸、あるいは抜き穴に樹脂を流れ込ませて固定する方法が用いられる。
樹脂材料は、基本的には回転振動の伝達特性から選択するが、歯部のスムースな噛み合いのために、低摩擦性の考慮や成型性なども考慮して、ポリアセタールやポリカーボネイト、ナイロン系などを選択し、場合によってはさらに高剛性のエンプラを採用する。
1A 端板
1A1 内歯
10 ドラム駆動装置
11 遊星歯車機構
14 遊星歯車
18 最終段のキャリア
18A 内歯
20、20’ 出力部を構成するスプライン伝達部材
23、103 脱落防止部材
M 駆動モータ
M1 遊星歯車機構の入力側に位置する軸
Claims (5)
- 駆動モータからの駆動力を被駆動部材に伝達する伝達経路に遊星歯車減速機構を備えた駆動装置において、
前記遊星歯車減速機構は、側壁に取り付けられ、少なくとも1段のキャリアとこれに支持される遊星ギヤとが備えられると共に、最終段のキャリアに出力部が設けられ、前記出力部は、被駆動部材への駆動力伝達時、前記キャリアのみで支持され、前記被駆動部材は、前記出力部に対して着脱することにより、前記側壁に対して着脱可能に設けられており、
前記出力部は、前記キャリアに対して着脱可能に設けられており、前記被駆動部材を離脱した場合に、前記キャリアから抜けて脱落するのを防止する脱落防止部を備えていることを特徴とする駆動装置。 - 前記出力部は、軸受を用いて支持されている被駆動部材に対して軸受を用いないで前記キャリアのみで支持されていることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
- 前記キャリアと出力部とは、回転方向と直角な方向に長手方向を有する凹凸状のスプラインを用いて結合されることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。
- 前記脱落防止部材が前記スプライン結合部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
- 請求項1乃至4のうちの一つに記載の駆動装置を用いる画像形成装置であって、複数の被駆動部材のそれぞれを対象として前記駆動装置が用いられることを特徴とする画像形成装置。
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