JP5533096B2 - 駆動装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、着脱可能な被駆動部材を対象とした駆動伝達路に遊星歯車機構を用いる伝達機構に関する。
周知のように、複写機やプリンタあるいは印刷機などの画像形成装置においては、潜像担持体である感光体上に形成された静電潜像が現像装置から供給される現像剤によって可視像処理される。可視像処理された画像は、記録紙などに転写され、定着されることで複写出力とされる。
電子写真方式による複写機やプリンタ等の画像形成装置では、回転する円筒状の像担持体(以下感光体ドラムという)の表面に静電潜像を形成し、形成した静電潜像にトナーを付着させて現像し、このトナー画像を無端状ベルト(以下転写ベルトという)に1次転写し、さらに記録紙上に2次転写し、定着して画像を得るようにしている。
ここで、高精度に一定速度で回転するべき感光体ドラムや一定速度に搬送するべき転写ベルトに速度変動が生じると出力された画像にジッタや濃度ムラが生じる。ある周波数で速度変動が継続すると画像全体に周期濃度ムラが生じ、縞模様のバンディングとして目視される。感光体ドラムの速度変動は書き込み系の露光ラインの副走査位置ずれを発生させる。同時に、転写ベルトへの1次転写時の副走査位置ずれを発生させる。転写ベルトの速度変動は、1次転写時と2次転写時の副走査位置ずれを発生させる。この速度変動に起因したバンディングにより画像品質が著しく低下してしまう。
一方、感光体ドラムや転写ベルトは交換やメンテナンスのために画像形成装置の装置フレームに対して着脱自在に構成する必要がある。つまり、感光体ドラムは経時的な使用によって表面の感光層が摩耗してくることから消耗品であり、累積的なプリント量等に応じてメンテナンスや交換が必要とされる。
また、転写ベルトは経時的な使用によって表面上の傷や端部からの亀裂が発生することから消耗品であり、プリント品質の低下や破損に応じて、メンテナンスや交換が必要とされる。
従って、感光体ドラムや転写ベルトは、画像形成装置の装置フレームに対して着脱自在に構成されており、かかる装置フレームに装着した際にモータ及び減速ギヤ列等の駆動機構と結合されるようになっている。
一方、近年の画像形成装置では、フロアからテスクトップへの使用環境の変化により、画像形成装置の省スペース化(占有床面積の低減)や小型化(占有体積の低減)が求められている。
画像形成装置は感光体ドラムや転写ベルトの搬送ローラなど、多くの表面移動体としてのローラ部材で構成されており、それらローラ部材を駆動させるモータやギヤ等の駆動機構が装置内で占める割合は大きい。更に、モノクロ並みの出力スピードが得られるタンデム型のカラー画像形成装置では、4色の感光体にそれぞれ駆動機構が必要になるなど、装置内で駆動機構を占める割合は増えている。
しかし、感光体ドラムや転写ベルトの搬送ローラは、表面移動方向の周長や表面移動方向に直交する幅方向の長さは、画像形成する用紙の出力枚数やサイズなどの使用目的によって決定するものであるため、感光体ドラムや転写ベルト自体を小さくすることは困難である。よって、画像形成装置の小型化のために、表面移動体駆動装置の駆動機構の小型化が望まれる。
従来、このような課題に対し、遊星歯車機構を採用することにより、複数個の遊星歯車に荷重を分岐して伝達するため各歯車噛合い部への荷重が遊星数に応じて分散され、歯車を小型化できる。小型化された駆動機構と駆動源であるモータは、感光体ドラムや転写ベルトの搬送ローラであるローラ部材の円筒内部に配置することで、大幅な小型化を実現する構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、遊星歯車機構を採用することにより、複数個の遊星歯車に荷重を分岐して伝達するため各歯車噛合い部への荷重が遊星数に応じて分散され、歯車を小型化できる構成が開示されている。
この構成によれば、小型化された駆動機構と駆動源であるモータは、感光体ドラムや転写ベルトの搬送ローラであるローラ部材の円筒内部に配置することで、大幅な小型化を実現でき、さらに、ローラ部材は、側板に固定されたモータと駆動機構に対して着脱可能な構成としたことにより、ローラ部材の交換やメンテナンスが容易となっている。
一方、画像形成装置において遊星歯車機構を用いて動力伝達を行う伝達経路には、前述したように、交換の必要な部品や装置が含まれており、これら部品や装置は装置本体に対して着脱可能に設けられている。
このような着脱対象部材が装置本体に取り付けられた際には、動力の入力側と出力側との位置精度が確保されないと、前述した不具合、つまり、回転ムラによるバンディングなどが発生する。
このため、従来では、動力伝達経路において連結される部分にカップリングを設ける構成が提案されている(例えば、特許文献2)。
しかし、特許文献1の駆動装置では、各歯車の偏心や歯累積ピッチ誤差などの製作誤差や組立誤差、ローラ部材を駆動機構に装着した際のモータ軸との同軸誤差などに起因して回転精度が大幅に低下する課題がある。その理由は、各歯車の製作誤差や組立誤差、ローラ部材の同軸誤差により各遊星歯車の荷重配分が不均一になり、かつ、回転に伴い荷重配分状態が変化するため回転変動が発生しやすいためである。
一方、特許文献2に開示されている構成においては、二軸間での偏心と偏角をカップリングにおいて吸収することで偏心や偏角による軸心位置の整合性の狂いがあっても伝達が可能となる反面、駆動装置に遊星歯車機構を用いると、遊星歯車機構による自動調心機能を発揮させにくくなる虞がある。この理由は、遊星歯車機構による自動調心機能は、複数個の遊星歯車に荷重を分岐して伝達するため各歯車噛合い部への荷重が遊星数に応じて分散されることにある。つまり、入力側と出力側とに偏心が生じている場合でも遊星歯車に作用する荷重を均等化するようにこの遊星歯車を支持する出力側のキャリアの偏心を起こさせることで入力側と出力側との回転偏差をなくすことができるが、この作用は、出力側に荷重が作用させないような機構を必要とするため、交換対象となる被駆動部材である感光体さらにはこれに付随するプロセス機構の重量を作用させないことに繋がり、現実的には上述した自動調心機能を有効に得ることができない。
本発明の目的は、上記従来の駆動装置における問題に鑑み、各遊星歯車への荷重配分を均一とすることが可能で、小型化を実現しつつ、遊星歯車機構による自動調心機能を阻害することなく高精度な駆動が達成され、高画質の画像出力を可能とする構成を備えた駆動装置および画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次の構成よりなる。
(1)駆動モータからの駆動力を被駆動部材に伝達する伝達経路に遊星歯車減速機構を備えた駆動装置において、前記遊星歯車減速機構は、側壁に取り付けられ、少なくとも1段のキャリアとこれに支持される遊星ギヤとが備えられると共に、最終段のキャリアに出力部が設けられ、前記出力部は、被駆動部材への駆動力伝達時、前記キャリアのみで支持され、前記被駆動部材は、前記出力部に対して着脱することにより、前記側壁に対して着脱可能に設けられており、前記出力部は、前記キャリアに対して着脱可能に設けられており、前記被駆動部材を離脱した場合に、前記キャリアから抜けて脱落するのを防止する脱落防止部を備えていることを特徴とする駆動装置。
(2)前記出力部は、軸受を用いて支持されている被駆動部材に対して軸受を用いないで前記キャリアのみで支持されていることを特徴とする(1)に記載の駆動装置。
(3)前記キャリアと出力部とは、回転方向と直角な方向に長手方向を有する凹凸状のスプラインを用いて結合されることを特徴とする(1)または(2)に記載の駆動装置。
(4)前記脱落防止部材が前記スプライン結合部に設けられていることを特徴とする(3)に記載の駆動装置。
(5)(1)乃至4のうちの一つに記載の駆動装置を用いる画像形成装置であって、複数の被駆動部材のそれぞれを対象として前記駆動装置が用いられることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、遊星歯車機構における最終段のキャリアに設けられている出力部が、被駆動部材のように軸受支持ではなくキャリアにより支持されている。これにより、出力部は軸受などにより保持された支持ではなく浮動状態に支持されているので、遊星歯車機構の出力部に対する荷重軽減が図れる。この結果、遊星歯車機構による自動調心機能を損ねないので出力部とこれから動力の伝達を受ける被駆動部材との間で位置ずれによる動力伝達効率の低下を防止することができる。
本発明による駆動装置を備えた被駆動部材である潜像担持体が適用される画像形成装置の一例を示す外観図である。 本発明による駆動装置の要部構成に関する第1実施例を示す図である。 図2に示した要部構成の一態様を示す図である。 遊星歯車機構でのキャリアの変位状態を説明するための図である 軸受を用いた軸支持構造を対象とした場合のトルク変動に関する実験結果を示す線図である。 軸受を用いない浮動支持構造を対象とした場合のトルク変動に関する実験結果を示す線図である。 本発明実施例による浮動支持構造の場合と軸受を用いた場合との回転振動に関する対比結果を示す図である。 スプライン連結部に用いられるインボリュード歯形において、雌側となる内歯と雄側となる外歯との連結関係を示す模式図である。 図8に示したインボリュート歯形の歯車諸元を示す表図である。 軸角設定による噛み合い部中央間距離を設定した場合のスプライン伝達部の模式図である。 傾いたスプライン伝達部材によって連結されたキャリアとドラムフランジとの回転状態を説明するための模式図である。 本発明による駆動装置の第2実施例を示す図である。 図12に示した駆動装置において共通の位置決めユニットを本体側板の基準位置に合わせて取り付ける状態を示す図である。 図12に示した駆動装置に用いられる共通の位置決めユニットを画像形成装置に取り付ける場合の構成を説明するための図でる。 図12に示した駆動装置における被駆動部材の着脱時の状態およびこのときの脱落防止部材の状態を説明するための図である。 図12に示した駆動装置に用いられるスプライン伝達部材のスプライン歯の詳細を示す図である。 図16に示した歯の展開図である。 図12に示した駆動装置に用いられるスプライン伝達部材の構成を示す図である。
以下、図面により本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による駆動装置を用いる被駆動部材である潜像担持体を備えた画像形成装置を示す図である。
図1は、タンデム方式を用いた電子写真方式のカラー複写機を示しており、乾式二成分系現像剤を用いる二成分現像方式により静電潜像が可視像処理されるようになっている。なお、本発明の実施例では複写機を対象としているが、本発明はこれに限ることなく、プリンタやファクシミリ装置、あるいは印刷機やこれら機能を複合した複合機を対象とすることも可能である。
図1に示す複写機は、図示しない画像読取部から画像情報である画像データを受け取って画像形成処理を行う。この複写機には、図に示すように、イエロー(以下、「Y」と省略する。)、マゼンタ(以下、「M」と省略する。)、シアン(以下、「C」と省略する。)、ブラック(以下、「Bk」と省略する。)の各色用の4個の回転体としての潜像担持体である感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkが並設されている。これら感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkは、駆動ローラを含む回転可能な複数のローラに支持された無端ベルト状の中間転写ベルト5に接触するように、そのベルト移動方向に沿って並んで配置されている。
また、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkの周りには、それぞれ、帯電器2Y,2M,2C,2Bk、各色対応の現像装置9Y,9M,9C,9Bk、クリーニング装置4Y,4M,4C,4Bk、除電ランプ3Y,3M,3C,3Bk等の電子写真プロセス用部材がプロセス順に配設されている。
本実施例に示す複写機でフルカラー画像を形成する場合、後述する感光体ドラム駆動装置により、感光体ドラム1Yを図中矢印の方向に回転駆動しながら帯電器2Yで一様帯電した後、図示しない光書込装置からの光ビームLYを照射して感光体ドラム1Y上にY静電潜像を形成する。
このY静電潜像は、現像装置9Yにより、現像剤中のYトナーにより現像される。現像時には、現像ローラと感光体ドラム1Yとの間に所定の現像バイアスが印加され、現像ローラ上のYトナーは、感光体ドラム1Y上のY静電潜像部分に静電吸着する。
このように現像されて形成されたYトナー像は、感光体ドラム1Yの回転に伴い、感光体ドラム1Yと中間転写ベルト5とが接触する1次転写位置に搬送される。この1次転写位置において、中間転写ベルト5の裏面には、1次転写ローラ6Yにより所定のバイアス電圧が印加される。そして、このバイアス印加によって発生した1次転写電界により、感光体ドラム1Y上のYトナー像を中間転写ベルト5側に引き寄せ、中間転写ベルト5上に1次転写する。
以下、同様にして、Mトナー像、Cトナー像、Bkトナー像も、中間転写ベルト5上のYトナー像に順次重ね合うように1次転写される。
このように、中間転写ベルト5上に4色重なり合ったトナー像は、中間転写ベルト5の回転に伴い、2次転写ローラ7と対向する2次転写位置に搬送される。また、この2次転写位置には、図示しないレジストローラにより所定のタイミングで転写紙が搬送される。そして、この2次転写位置において、2次転写ローラ7により転写紙の裏面に所定のバイアス電圧が印加され、そのバイアス印加により発生した2次転写電界及び2次転写位置での当接圧により、中間転写ベルト5上のトナー像が転写紙上に一括して2次転写される。その後、トナー像が2次転写された転写紙は、定着ローラ対8により定着処理がなされた後に装置外に排出される。
以上のような構成の画像形成装置を対象として本発明の特徴を説明すると次の通りである。
本発明の特徴は、感光体ドラムを被駆動部材とする駆動装置に特徴があり、具体的には、駆動装置に用いられる遊星歯車減速機構の出力部の支持構造として軸受によるラジアル方向への動きを規制した支持ではなく、ラジアル方向およびスラスト方向に対して自由に動き得る浮動支持構造とした点にある。
図2は、本発明の第1実施例を示す図であり、同図において浮動支持構造に関して説明する前に、第1実施例として挙げたドラム駆動装置10の構成について説明すると次の通りである。
図2は、2段の遊星歯車(ピニオンギヤ)およびこれを支持するキャリアが装備されている遊星歯車機構11を要部とするドラム駆動装置10の構成を示す図である。
図2において遊星歯車機構11は、駆動モータMの出力軸M1に設けられている遊星歯車機構の入力軸M1に一体の太陽歯車12を備え、この太陽歯車12および固定されたケーシング13の内歯歯車13Aに噛み合う1段目の遊星歯車14が1段目のキャリア15により支持されて太陽歯車12の外周を公転するようになっている。
1段目のキャリア15には、本実施例において最終段に相当する2段目の太陽歯車16が設けられており、2段目の太陽歯車16にはケーシング13の内歯歯車13Aに噛み合う2段目の遊星歯車17が2段目のキャリア17により支持されて2段目の太陽歯車16の外周を公転するようになっている。
最終段に相当する2段目のキャリア18には、出力部が設けられており、図2に示す場合には、筒状軸19の内面に形成されているスプライン状の内歯19Aに噛み合う係合部材であるスプライン伝達部材20が出力部として用いられている。
上述した駆動モータMの出力軸M1は、2個の軸受M2を介してモータ固定フランジ21により支持されている。
モータMの回転軸M1を支持することでDCブラシレスモータの回転子であるアウター型ロータを支持することになる。モータ固定フランジに21には、図示しないモータの固定子鉄心や駆動回路等も設置されている。
モータ固定フランジ21は、内歯歯車13Aを有するケーシング13に対してネジによって固定されている。
ケーシング13は、十分な強度となるように内歯の歯底から外径まで10mm程度の肉厚を有している。モータの回転軸には太陽歯車が歯切りで形成されており、太陽歯車軸と内歯の歯車軸との同軸精度を確保するために、内歯歯車とモータ固定フランジはインローによる嵌合で位置決めされている。
ケーシング13におけるモータ固定フランジ21と反対側の端部には、装置本体に挿通されたネジによりエンドキャップ22が締結されている。
エンドキャップ22は、遊星減速機構を本体側板に組付ける際に、ケーシング13の内歯歯車13A内に設置されている遊星歯車14、17キャリア15、18および、後述するスプライン伝達部材20がケーシング13の内歯歯車13Aから脱落するのを防止するための部材として用いられている。
被駆動部材である感光体ドラム(便宜上、図1において用いた符号1で示す)の端部には、ドラムフランジ1Aが固定されており、感光体ドラム1と一体で回転するようになっている。
ドラムフランジ1Aは、感光体ドラム1を収容する感光体ドラムユニットDYに設置されたドラム軸受1Bにより回転支持されている。感光体ドラムユニットDYは、本体側板50に対し脱着可能であり、装着の際には、図示しないレースガイドで所定の場所へ誘導される。
本体側板50には、ドラム軸受1Bが挿入される浅い嵌合部50Aが設けられており、図示しない位置決めピンの2個所で感光体ドラムユニットDYの位置が決定される。ドラム軸受1Bの支持部と本体側板50とはインローで嵌合されることで、感光体ドラム1とドラム駆動装置10における遊星歯車機構との同軸精度が確保される。
図2に示すドラム駆動装置10に用いられる遊星歯車機構には、2K−H2段型遊星歯車機構が用いられており、その基本構成は次の通りである。
モータMに連結される入力軸M1は一端が太陽歯車12となっており、それに噛み合う1段目の遊星歯車14が太陽歯車12の周りをキャリアに支持されて公転する。遊星歯車14は回転バランスとトルク分担のために同心状に2箇所またはそれ以上の複数個が配置される。
本実施例では、周方向で3等分された位置にそれぞれ遊星歯車が配置され、その外周軌道では、固定されて回転不能な内歯歯車13Aと噛合って回転する。
遊星歯車14は、太陽歯車12と内歯歯車13Aとの噛合いにより、自転及び公転回転し、遊星歯車14を支持するキャリア15は、太陽歯車12の回転に対し減速回転し、1段目の減速比が獲得される。
次に、このキャリア15の回転中心に設けられた太陽歯車16が2段目減速機構の入力となる。1段目の太陽歯車12と2段目の太陽歯車16とは、クリアランスを有する2箇所の回転支持部S1、S2に支持されて(浮動支持)回転を行うようになっている。
同様に、2段目キャリア18に設けられた遊星歯車17は、その外周軌道で、前記した一段目と共通の固定化された内歯歯車13Aとの噛合い回転により、さらに減速回転して2段目キャリア18の回転、すなわち出力側の回転となる。
2K−H型遊星歯車機構に用いられる一つのユニットは、太陽歯車(sun gear)、遊星歯車(planetary gear)、遊星歯車の公転運動を支持する遊星キャリア(planetary carrier)、内歯歯車(outer gear)の四点の部品から構成されている。
太陽歯車の回転、遊星歯車の公転(キャリアの回転)、外輪歯車の回転の三つの要素の内、一つを固定、一つを入力、一つを出力に接続する。それぞれ、どれを入出力・固定に割り当てるかによって、一つのユニットで複数の減速比や回転方向の切替えが可能である。本実施例において対象とする2K−H型の2段構造は、複合遊星歯車機構(2個以上の2K−H型)に分類され、2個以上の2K−H型のそれぞれの3本の基本軸のうち2本の基本軸同士を結合し、残りの基本軸の1本を固定し、他の1軸を駆動軸または従動軸とする機構となる。
減速比に影響する線速比に関しては、太陽歯車の歯数をZa、遊星歯車の歯数をZb、内歯車の歯数をZcとした場合に、次の式で表される。なお、式中の添え字1,2は1段目、2段目を意味している。
線速比=Za1 /(Za1+Zc1)×Za2 /(Za2+Zc2)
一方、遊星歯車機構の最終段に位置する出力部に用いられるスプライン伝達手段20は、キャリア18のみで支持されている、つまり、感光体ドラム1に用いられるような軸受部材1B1を用いることなく、スラスト方向およびラジアル方向に自由に動ける状態とされている。以下、この構成について説明する。
最終段である2段目のキャリア18には、前述したように、筒状軸19内に形成されたスプライン状の内歯19Aが位置しており、感光体ドラム1のドラムフランジ1A側にも同様のスプライン状の内歯1A1が形成されている。
スプライン伝達部材20は、上述した各内歯19A、1A1に対して噛み合うことで遊星歯車機構11からの動力伝達が行われるようになっている。
スプライン伝達部材20と内歯19A、1A1との嵌合部は、スプライン形状のため、図3に示すように、感光体ドラムユニットDYを感光体ドラム軸方向に本体側板50から引き出すだけで、キャリア18側および感光体ドラム軸(内歯1A1を有する部分)が相当する連結部の切り離しが可能となる。つまり、出力部として用いられるスプライン伝達部材20は、キャリア28に対して容易に着脱できる部材に相当していることになる。
スプライン伝達部材20には、円盤状の脱落防止突起23が形成されており、感光体ドラムユニットDYを引き出した際に、スプライン伝達部材20がドラムフランジ1Aと一緒に抜けて脱落、出力側のキャリア18が軸方向に移動して遊星歯車が脱落する不具合を防止している。
なお、感光体ドラムユニットDYの着脱時に、スプライン嵌合部の連結、切り離しがより円滑に行われるようにするために、出力部側のキャリア18のスプライン状の内歯19A内において、スプライン伝達部材20との間に有する隙間Gに付勢バネ(図示されず)を設置しておくのもよい。
本実施例では、入力側のキャリア15、出力側のキャリア18、スプライン伝達部材20がそれぞれ回転するが、回転位置を規制する軸受が設けられていない。
このように、軸受を用いないことにより、各歯車部の噛合いが外れることがないように回転領域を規制するための回転支持部S1、S2を有する。
この構成により、本実施例では、モータ出力である入力軸M1と感光体ドラムフランジ1Aのみが軸受にて回転支持されていることになる。
スプライン伝達部材20の外歯とキャリア18側とドラムフランジ1A側の内歯の歯形は、噛合い部に約0.1mm程のバックラッシが確保される程度に歯厚減少量か外歯側にマイナス転位で形成されている。このバックラッシによって、出力側キャリアはドラム軸に対してスキューや軸直角平面上を移動することが可能となる。
本実施例では、上述した構成を用いた出力部の浮動支持構造において、次の作用が得られる。
通常、インボリュート歯形で形成された2つの歯車を噛み合わせる歯車対では、噛合い部の噛合い圧力角に応じて、歯車回転方向だけでなく、歯車回転中心方向にも力が発生する。そのため、歯車の回転を支持する軸受が必須である。
しかし、遊星歯車機構では、遊星歯車を均等配置することで、各歯車における噛合い部は回転中心に対して対称に位置するため、歯車回転中心方向の力が相殺される。
従って、遊星歯車の回転軸をもつキャリアは遊星歯車を支持するものではなく、遊星歯車が公転軌道を移動する力を伝達する部材であり、キャリア中心に対し対称に遊星歯車があるため、キャリアの回転支持軸受は必要ない。つまり、本実施形態のようにスプライン伝達部材20で間接的に支持するような浮動支持の構成が可能である。
キャリアは浮動支持状態でも負荷トルクがかかると遊星歯車機構の中央に移動して安定する。しかし、厳密には中央付近で微小距離を移動している。これは、各歯車の偏心や取付誤差に起因して発生する。
キャリア浮動支持構成における遊星歯車偏心時のキャリア中心軸の軌跡を図4に示す。本実施形態で使用している3個の遊星歯車に各約30μmの偏心がある場合のキャリア中心軸の移動軌跡である。減速装置の水平方向へのキャリア中心軸移動量をX軸に、垂直方向をY軸にプロットした。遊星歯車に偏心がある場合には、キャリア中心軸は、図4のように半径40μm程度領域を移動することがわかった。
キャリアの浮動支持機構は、遊星歯車減速機構の出力軸の回転精度向上に大きく寄与する。
図5(A)、図6(A)は、本実施例において、遊星歯車に偏心がある場合に、キャリア回転軸を玉軸受で支持した場合(以下、キャリア軸受支持という)と、本実施例のようにキャリア浮動支持した場合の遊星歯車の歯対トルクと回転特性を示す。
図5(A)はキャリア回転軸を玉軸受で支持した構成における、各遊星歯車の噛合い部にかかるトルク(以下、歯対トルクという。)の時間推移を示している。
遊星歯車に偏心があると偏心位相によっては他の遊星歯車の噛合いよりも先行して噛合い始めたり、逆に噛合いが遅れたりする。
この結果、図5(A)に示すように時間0.1から0.18秒の時間帯では2番の遊星歯車が他の遊星歯車よりも先行して噛合いが始まり、負荷トルクも大きくかかる。特に0.11秒から0.17秒の時間帯では、2番の遊星歯車のみがトルク伝達に寄与しており、他の1番と3番の遊星歯車はトルク伝達に寄与していない。遊星歯車の回転に伴い、偏心位相が変化するため、トルク伝達に大きく寄与する遊星歯車は2番から3番、1番へと移っていく。このように遊星歯車の偏心より、各遊星歯車にかかる歯対トルクは大きく変動する。
一方、図6(A)は、キャリアの回転軸を浮動支持した本実施例の構成における、各遊星歯車の歯対トルク推移を示している。
遊星歯車の偏心位相により、各遊星歯車の歯対トルクは変動するものの、ほぼ一定に安定している。これは、各遊星歯車において、均等に歯対トルクがかかるようキャリアが自動で移動するためである。キャリアの移動軌跡は、図4に説明した状態である。
次に、図5(B)、図6(B)は、本実施例において、遊星歯車に偏心がある場合に、キャリア軸受支持した場合と、本実施例のようにキャリア浮動支持した場合におけるキャリア出力回転の速度変動率の周波数解析結果を示している。
図5(B)のキャリア軸受支持においては、キャリア上から見た遊星歯車の回転周期(遊星歯車自転周期)とその高次成分において回転速度変動が発生していることがわかる。220Hz付近の速度変動は1歯ピッチの噛合い周期の回転変動である。
一方、図6(B)のキャリア浮動支持においては、キャリアの自動調心によって歯対トルク変動が大幅に小さくなったため、回転速度変動も大幅に低減されている。また、220Hz付近の1歯ピッチの噛合い周期の回転変動も大幅に低くなっており、減速機の回転精度が大幅に向上することがわかる。
以上のように、遊星歯車の偏心に着目してキャリア浮動支持による回転精度の向上について説明したが、他に太陽歯車や固定内歯歯車に対しても有効である。
図7は、各構成部品の回転周期におけるキャリア浮動支持による速度変動率の低減効果を示している。キャリア浮動支持は、太陽歯車に偏心があった場合も太陽回転周期の速度変動が低減する効果がある(図7中の太陽回転)。
固定内歯歯車に偏心や取付誤差があった場合、固定内歯歯車に対して回転するキャリアの回転周期で速度変動が発生するが、それもキャリア浮動支持によって、低減する効果がある(図7中のキャリア回転)。遊星歯車自転周期の変動は、ほとんどの組付条件で、低減効果が確認される(図7中の遊星自転1)。
しかし、組付条件によっては、低減効果がほとんど得られない場合がある(図7中の遊星自転2)。効果が得られない組付条件とは、各遊星歯車の最大偏心位相を太陽軸に対して放射状に配置して組付けた状態である。
各遊星歯車の偏心位相を放射状に配置して組付けると、3個とも同じ偏心位相で太陽歯車、内歯歯車に噛み合うため、歯対トルクは、図6(A)に示したように各遊星歯車において均等になるが、キャリアの回転速度変動は遊星歯車の偏心量に応じて発生する。
ところで、キャリア浮動支持においても遊星自転周期の変動が低減しない場合がある。
そこで、本実施例では、このような変動の発生に対処するための方法として、感光体ドラム上の潜像書込み部と1次転写部との配置間隔を遊星歯車自転周期で移動する感光体ドラム表面移動距離の整数倍とする。
これによって、潜像書込み時に遊星歯車自転周期の感光体ドラム回転速度変動によって発生した書き込み位置ずれが、転写時には、逆の関係となるためキャンセルされる。
次にスプライン伝達部材2の構成の詳細について説明する。
キャリアの浮動支持する構成で回転伝達するカップリングとしては、インボリュートスプライン形状のギヤカップリングが最適である。他のカップリング方式として、ピン嵌合やオルダム形状の勘合が考えられるが以下の点でインボリュートスプライン形状が優れている。
第1に、感光体ドラムの着脱容易性、キャリアの自動調心移動にともなう可動方向の反力が小さい、キャリアの自動調心移動時の摩擦力が小さいという作用がある。
つまり、スプライン形状であるため、感光体ドラムユニットを回転軸方向に着脱するのは容易である。また、インボリュートスプライン形状のギヤカップリングでは、噛み合う全周のスプライン歯の歯対トルクによって、スプライン伝達部材は中心部へ移動する。中心部からスプライン伝達部材を回転軸垂直平面方向に移動させるには力が必要であると同時に、反力も発生する。
しかし、噛合い部には、着脱性を確保するために、間隙(バックラッシ)が存在しており、バックラッシ分の移動や傾斜においては、小さい力で可動である。バックラッシはインボリュート歯の転位や歯厚減少によって確保される。本実施例ではこの点に鑑み、バックラッシが150μm程度となるように製作している。
一方、キャリアの移動領域は100μm以下であるため、キャリアの自動調心移動が可能である。本実施例では、高い回転精度が要求される感光体ドラム駆動に採用しているため、各歯車はJIS規格のN7級以下で高精度に製作されており、各歯車の偏心量は20μm程度である。したがって、実際のキャリア移動領域は半径50μm円内であった。
本実施例では、スプライン伝達部材20に対するスプライン結合部をキャリア18側の内歯に相当する筒状軸19の内歯19Aとドラム軸の内歯1A1との2段に設定することで軸心が傾いたままでの嵌合であっても、回転が精度良く伝達されるようになっている。以下、その理由を説明する。
図8は、本実施例におけるスプライン伝達部材20に適用されるインボリュート歯形を持つ内歯のうちで雌側となる内歯(図2において、符号19A、1A1で示す部分)と雄側となる外歯(スプライン伝達部材2に有する歯)との関係を示しており、本実施例では、オス側となるスプライン伝達部材20の外歯が樽形外歯車とされている。
スプライン連結部の雄側、雌側の歯車諸元は図9に示す通りとされている。
一般的には、インボリュート歯形のスプライン継手やセレーション継手において、歯の圧力角は25〜45°が用いられているが、本実施例では、圧力角が20°に設定されている。これは、圧力角を低くすることにより、雄側歯車に働く中心方向への噛み合い圧力を低減し、スプライン伝達部材の軸角の変動を容易するためである。また、同じトルクを伝達する場合においても、歯面接触圧力が低減されるため、伝達剛性が高いという利点がある。
本実施例では、法線歯厚減少量を40μm以上としている。スプライン連結部において、歯のバックラッシュに相当する歯面隙間は、スプライン連結部に用いられる材質が金属で切削加工される場合には80〜100μm、スプライン連結部に用いられる材質が樹脂で射出成形される場合には80〜150μmとなる。
歯面隙間においてスプライン伝達部材20は、図10に示すように、軸角の変動ができる。図8において、外歯車である雄側の軸線をXeとし、内歯車である雌側の軸線をXiとし、雄側が雌側に対して嵌合部中央Opを回転中心に軸角δだけ傾斜していることを示している。
本実施例では、歯面隙間が80μm以上に設定され、歯幅が10mmに設定されているので、軸角変動δとしては、約0.5°程度まで傾斜が可能となっている。
しかし、軸角変動δが大きいと、振動や騒音が発生する。これは、軸角変動による連結部での噛み合い状態の変化に起因する。
つまり、軸角ゼロでは噛み合い歯数は多いが、軸角変動δが大きくなると急激に噛み合い歯数が少なくなり、負荷伝達能力の低下をきたし、噛み合い歯数によって伝達剛性が大きく変化するため騒音や振動が発生することになる。
本実施例においては、実験解析したところ、軸角変動δが約3°までが許容軸角であることが判明した。
軸角変動が約3°以内であれば歯部の変形により連結部の全歯が噛み合う状態となり、各歯対の接触面積も十分であるため、安定した負荷伝達が可能となる。
許容軸角δが約3°でスプライン伝達部材20の各噛み合い部中央間距離Lspが30mmの場合、許容される偏心量を次の式で割り出すと、157μmであった。
0.157(mm)=tan(0.3deg)×30(mm)
本実施例では、遊星歯車機構を構成する各歯車の製造誤差に起因するキャリアの自動調心移動量は、50μm以内であり、ドラムフランジ(図2において符号1Aで示す部材)側のスプライン連結部(図1において負号1A1で示す部分)と遊星歯車機構との同軸誤差が50〜100μmであるので、スプライン連結部での許容軸角変動量においてキャリア移動と同軸誤差の補正が可能となる。
ちなみに、キャリアの自動調心移動量とドラムフランジ1A側と遊星歯車機構との同軸誤差の合計が150μmを越える場合には、スプライン伝達部材20の長さ(Lsp)を長くすることで対応することができる。または、スプライン連結部の噛み合いピッチ円直径を大きく(歯数を多く)変更して、許容軸角δを大きくするようにしても良い。
本実施例では、スプライン伝達部材20に対してキャリア18の内歯18Aと感光体ドラム軸側の内歯との2段の噛み合いとすることで、2段のインボリュートカップリング構成としている。これにより、互いに軸心が傾いたままでの嵌合であっても、回転が精度良く伝達される。この理由を図11により説明すると次の通りである。
傾いたスプライン伝達部材によって連結されたキャリアとドラムフランジとの回転状態の概略を図11に示す。
まず,キャリアの角速度をω0,基準半径をr0とすると,キャリアの基準半径位置での線速度Vd1(t)は,次の(1)式で与えられる。
Vd1(t)=r0*ω0 (1)
また,キャリアとスプライン伝達部材とは,その当接箇所では線速度が等しい。
そこで,そのときの嵌合状態での,基準半径r0に相当するスプライン伝達部材の回転半径をr1(t)とすると,スプライン伝達部材の角速度ω1(t)は,次の(2)式で与えられる。
ω1(t)=Vd1(t)/r1(t)・・・(2)
さらに,この(2)式のVd1(t)に(1)式の右辺を代入すると,次の(3)式が得られる。
ω1(t)=r0*ω0/r1(t)・・・(3)
一方,ドラムフランジ側においても,スプライン伝達部材の角速度はω1(t)であり,その当接箇所ではスプライン伝達部材とドラムフランジとの線速度が等しい。
従って,スプライン伝達部材の回転半径r1(t)位置でのドラムフランジの線速度Vd2(t)は,次の(4)式で与えられる。
Vd2(t)=r1(t)*ω1(t)・・・(4)
この中のω1(t)に(3)式の右辺を代入すると,次の(5)式が得られる。Vd2(t)=r1(t)*r0*ω0/r1(t)=r0*ω0・・・(5)
一方,ドラムフランジの角速度ω2(t)は,ドラムフランジとスプライン伝達部材との当接箇所でのドラムフランジの回転半径がr0なので,次の(6)式で与えられる。
Vd2(t)=r0*ω2(t)・・・(6)
従って,(5)式と(6)式とから,次の(7)式が得られる。
ω2(t)=ω0・・・(7)
これより,ドラムフランジの回転角速度は,キャリアの回転角速度と等しく,定常回転となることが分かる。
従って,このスプライン伝達部材によれば,スプライン伝達部材とドラムフランジとの互いの軸芯が合っていなくても,そのままで嵌合されて回転方向の駆動伝達は確実に行われる。
ところで、従来、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置においては、装置本体の筺体に対して回転自在に軸支された像担持体(感光体ドラム)と、該筺体に支持された現像装置のケーシングに対して回転自在に軸支された現像剤担持体との、最も近接した部位の間隙である所謂現像ギャップが、画質の良否に大きな影響を及ぼすことが知られている。
上記現像ギャップは、昨今の高画質化のために、より狭く、また調整誤差もより少なくすることが望まれている。
この現像ギャップの設定は、通常、上記像担持体としての感光体に対する、上記現像剤担持体としての現像スリーブを固定保持する現像ホルダの固定位置を調整することで行っている。
この現像ギャップの調整範囲は、一例をあげると、0.4±0.05mmといったように、調整値も狭いが調整誤差も0.05mmというように、非常に高精度な調整が要求されている。
キャリア浮動支持によるキャリア回転軸の移動振動が感光体ドラムへ伝達すると現像濃度ムラが発生するという新たな課題が発生する。それを解決する点でも、軸直角平面方向の移動摩擦の少ないスプラインカップリングを採用することは効果を発揮することになる。
次に本発明の第2実施例について説明する。
第2実施例は、遊星歯車機構の出力部としてキャリア18に一体化されている出力軸に噛み合うスプライン伝達部材が設けられている。さらに、本実施例では、遊星歯車機構の組み付けに際して被駆動部材に相当する感光体ドラム軸との軸心整合が可能な構成を備えている。以下、その構成について図12以降の図面を用いて説明する。
図12は、本発明による駆動装置の第2実施例である駆動装置の要部構成を示す図である。
図12において、駆動装置100は、図2に示した場合と同様に2段の遊星歯車およびキャリアを備えた遊星歯車機構(便宜上、図2において用いた符号11で示す)の最終段に位置するキャリア(便宜上、図2に用いた符号18で示す)には、出力部の一構成部品として出力軸101が一体化されている。
出力部は、上述した出力軸101に加えて、図2において説明した構成と同様な原理構成からなるスプライン伝達部材20’が用いられている。
本実施例では、スプライン伝達部材20’に有するスプラインが雌(メス)側とされ、出力軸101側および感光体ドラム軸側が雄(オス)側とされている。
遊星歯車機構11での出力部を構成している出力軸101およびスプライン伝達部材20’は、出力軸101と反対方向で着脱可能に支持される感光体ドラムと共に、共通な位置決めユニット102内に配置されている。
共通な位置決めユニット102は、出力軸101および感光体ドラム軸を挿通できる貫通孔が中心部に形成され、出力軸101側および感光体ドラム側に対向する端板102A、102Bには、対向する位置に、軸心位置を整合させて形成された軸心位置決め孔102A1、102B1が設けられている。
軸心位置決め孔102A1,102B1は、端板102A,102Bの中心を貫通する孔で構成されており、その内径は、遊星歯車機構11側のエンドプレート(図2に用いた符号22で示す)に固定されている位置決め用突起22Aおよび感光体ドラム1のドラム軸受1B1を嵌合できる寸法とされている。
なお図12において符号201は、位置決めユニット102を本体側板50に締結するためのブラケットを示している。
これにより、スプライン伝達部材20’に対して着脱可能な出力軸101および感光体ドラム軸1A0は、軸心位置決め孔内に位置決め用突起102A2およびドラム軸受1B1を挿嵌することにより軸心位置が整合された状態で配置されることになる。なお、感光体ドラム軸1A0側には、ドラム軸受1B1の外周位置にドラム軸受1B1と同一中心を持たせて共通の位置決めユニット102側に向けて突出する突状部1Cが設けられており、この突状部1Cを共通の位置決めユニット102側の端板に形成されて凹状部(図示されず)に嵌合されるようにしても出力軸101との軸心整合性が得られる。
一方、スプライン伝達部材20’に着脱可能な出力軸101および感光体ドラム軸1A0を共通に支持する共通の位置決めユニット102は、樹脂成型、アルミダイキャスト、あるいはそれら材料を使った切削加工により一体構成とされている。これにより、高精度な穴位置の同軸精度が得られるようになっている。
さらに装置組み付け時に前記二体の同軸精度を得るための直角精度は、減速機構取り付けのA面、および本体側板50における取り付けのB面の加工精度で簡単に得ることができる。
伝達系の剛性としてみる場合も、回転伝達体はこの様な一体型のブロック構造をなす位置決めユニット102が上記各取り付け面に固定された状態で駆動させる方が、一般に行われているところの、本体側板50にスタッドを立てて、ブラケットに固定する方法よりも高い剛性が得られるため、ここでの振動発生が抑制されることになる。
図13は、上述した位置決めユニット102を本体側板50に取り付ける際の構成を示している。
同図においてY,M,C,Bk色の現像剤を用いるタンデム方式の画像形成装置の構成における、色ずれやバンディング(色むら)を少なくするためには、回転系の高精度支持駆動とともに、それらのステーションを構成するモジュール間の位置精度を確保しなければならない。4色のユニットの軸心の平行度や整列度は、いずれも数十μm以下にする必要がある。
本実施例では、図13に示すように、共通の位置決めユニット102が、本体側板50のうちで後方に位置する後方側板に形成された取り付け開口部501およびこの開口近傍に設けた2箇所の位置出し基準(X方向基準とY方向基準)にあわせて固定するだけで、再現性のある位置決めができるようにしている。これにより各ユニット間の位置精度を容易に確保することができる。
また、組み付けや装置のメンテナンスを簡易に行えるように、共通の位置決めユニット102は、図14に示すように、装置の本体側板50に対して装置外側からの取り付け(ネジ締め)により、取り外しが可能な構造としてある。
一方、遊星歯車機構11における出力部には、着脱時に脱落するのを防止する構成が設けられている。
図15は、被駆動部材に相当する感光体ドラム1の着脱状態を示す図であり、同図において、遊星歯車機構11の出力部に用いられるスプライン伝達部材20’には、共通の位置決めユニット102における一方の端板に基端を支持されている脱落防止部材103が設けられている。
脱落防止部材103は、基端から延長された先端部がフォーク状に形成されている板バネ部材が用いられ、スプライン伝達部材20’に形成されている嵌合溝20A’にフォーク部が嵌合している。
脱落防止部材103は、軸方向への変位が生じない状態でスプライン伝達部材20’の位置保持を行い、そして、両軸を繋いで回転駆動時での保持も行うようになっている。
脱落防止部材103は、感光体ドラム軸1A0がスプライン伝達部材20’内に挿入されると感光体ドラム軸がスプライン結合部を押し動かす方向の負荷を受けることによりスラスト方向に撓み変形することで負荷を逃がすようになる。これにより、スプライン伝達部材20’のスプライン歯や感光体ドラム1あるいは共通な位置決めユニット102に対して過剰な負荷や衝撃力を与えないようにして部品の変形や破壊を防止できるようになっている。
脱落防止部材103は、感光体ドラムの取り外しの際の感光体ドラム軸の抜き取りに際してスプライン係合部に抵抗があるとスプライン伝達部材20’が感光体ドラム軸と共に引き摺られてスラスト方向に揺動し、板バネの変形領域を越えると脱落するのを防止されるようになっている。つまり、図15(A)に示すように、共通の位置決めユニット103内には、感光体ドラムの抜き取り側の端板にストッパー部材104が設けられており、スプライン伝達部材20’が脱落防止部材103の変形領域を越えて移動するのを衝止するようになっている。これにより、スプライン伝達部材20’は、感光体ドラム軸が完全に抜き取られると、脱落防止部材103の復帰動作に連動して初期位置に戻るので、再度感光体ドラム軸が挿入される際の軸心位置を所定位置に維持することになる。
次に、スプライン伝達部材20’の要部変形例について説明する。
図16は、スプライン伝達部材20’のスプライン歯部の詳細を示す図であり、図17はそのスプラインの展開図である。
図16および図17において、スプライン歯は、周方向で噛み合い開始点において互いに対向する歯の端部をR形状または先端を尖らした三角形状にされることで、スムースな噛み合いに移行させることが可能となる。
一方、上述したスプライン歯のうちで、略180°の位相位置にある一対の歯SP1を他の歯形SP2よりも若干長くして構成し、しかも、弾性的に微少変形する用にしてある。これにより、長くした歯SP1の端部に、感光体ドラム軸1A0のインボリュート歯形端部が接触すると、歯の頂点は、接触圧を受けつつ微少に変形移動して、突き当てが逃げつつ進行し、その後は矢印で示す軌跡で移動をしながら噛み合いがスムースに行われることになる。
次に、本実施例に用いられるスプライン伝達部材20’の構成について、図18を用いて説明する。
本実施例に用いられるスプライン伝達部材20’は、歯形部に相当する樹脂材料とその外周を包み込む金属リングの2層構造となっている。
一般に量産品は成型加工により作られるので、金属リング体との一体成型が可能である。金属リング体としてAl(アルミニウム)または、Al合金等の軽量で高剛性材料が用いられている。
全てを樹脂で形成すると、肉厚が大きくなり、樹脂のひけ現象で歯型精度が劣化する原因となり、リブ構造で均一化した場合でも大型化(大径化)の問題が発生する。
従って、金属リングの内面に形成した凹凸、あるいは抜き穴に樹脂を流れ込ませて固定する方法が用いられる。
樹脂材料は、基本的には回転振動の伝達特性から選択するが、歯部のスムースな噛み合いのために、低摩擦性の考慮や成型性なども考慮して、ポリアセタールやポリカーボネイト、ナイロン系などを選択し、場合によってはさらに高剛性のエンプラを採用する。
歯型部に樹脂材料で形成した場合、直径方向の肉厚部を厚く大型化することなく、剛性を確保して、伝達トルクが作用したときの、余計な振動成分を発生しない様にすることが可能である。このような構成においては、噛み合う歯部以外の剛性(ヤング率)確保が可能となり、この部分での発生振動抑制となる。
1 感光体ドラム
1A 端板
1A1 内歯
10 ドラム駆動装置
11 遊星歯車機構
14 遊星歯車
18 最終段のキャリア
18A 内歯
20、20’ 出力部を構成するスプライン伝達部材
23、103 脱落防止部材
M 駆動モータ
M1 遊星歯車機構の入力側に位置する軸
特開2008−151868号公報 特開2009−271380号公報

Claims (5)

  1. 駆動モータからの駆動力を被駆動部材に伝達する伝達経路に遊星歯車減速機構を備えた駆動装置において、
    前記遊星歯車減速機構は、側壁に取り付けられ、少なくとも1段のキャリアとこれに支持される遊星ギヤとが備えられると共に、最終段のキャリアに出力部が設けられ、前記出力部は、被駆動部材への駆動力伝達時、前記キャリアのみで支持され、前記被駆動部材は、前記出力部に対して着脱することにより、前記側壁に対して着脱可能に設けられており、
    前記出力部は、前記キャリアに対して着脱可能に設けられており、前記被駆動部材を離脱した場合に、前記キャリアから抜けて脱落するのを防止する脱落防止部を備えていることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記出力部は、軸受を用いて支持されている被駆動部材に対して軸受を用いないで前記キャリアのみで支持されていることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  3. 前記キャリアと出力部とは、回転方向と直角な方向に長手方向を有する凹凸状のスプラインを用いて結合されることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 前記脱落防止部材が前記スプライン結合部に設けられていることを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
  5. 請求項1乃至4のうちの一つに記載の駆動装置を用いる画像形成装置であって、複数の被駆動部材のそれぞれを対象として前記駆動装置が用いられることを特徴とする画像形成装置
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