JP2006241438A - 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物およびカーテンエアーバッグ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ケイ素原子結合アルケニル基を1分子中に1個以上有するオルガノポリシロキサン、
(B)分子鎖両末端の各々にのみケイ素原子結合水素原子を1個有し、25℃での粘度が0.001〜1.0Pa・sの直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ケイ素原子結合水素原子を1分子中に少なくとも3個有し、25℃での粘度が0.001〜10Pa・sのオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)付加反応触媒、
(E)BET比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ、及び
(F)接着性付与剤
を含有する液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、並びに該組成物を硬化してなるゴムコーティング層を有するカーテンエアーバッグ。
【選択図】なし
Description
即ち、本発明は第一に、
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に平均1個以上有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)分子鎖両末端の各々にのみケイ素原子に結合した水素原子を1個有し、分子中に脂肪族不飽和結合を有しない、25℃における粘度が0.001〜1.0Pa・sである、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個有し、その内の少なくとも1個は式:R5HSiO2/2(式中、R5は脂肪族不飽和結合を有しない非置換または置換の1価炭化水素基である)で表されるシロキサン単位として存在する、25℃における粘度が0.001〜10Pa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
[但し、該(B)成分および(C)成分の配合量は、該(B)成分および(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数が、該(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり1〜7個であり、かつ該(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数が、該(B)成分および(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の25〜70%となる量である。]
(D)付加反応触媒: 有効量
(E)BET法による比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ: 50質量部以下、および
(F)接着性付与剤: 0.05〜5質量部
を含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、
を提供する。
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、以下の(A)〜(F)成分を含有してなるものであって、室温(25℃)で液状のものである。以下、各成分について詳細に説明する。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、この組成物の主剤となる成分であって、1分子中に平均1個以上、好ましくは平均2個以上、より好ましくは上限が平均20個、特に好ましくは上限が平均10個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する。
R2 aR3 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を有しない非置換または置換の一価炭化水素基であり、R3は独立にアルケニル基であり、aは1.8〜2.2、好ましくは1.9〜2.0の数であり、bは0.0001〜0.2、好ましくは0.001〜0.1の数であり、但し、a+bは1.85〜2.3、好ましくは1.95〜2.05の数である)
で表されるものである。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、得られる組成物の硬化時に、前記(A)成分の分子鎖長を増大させ、またエアーバック膨脹時間の持続性の向上に特に寄与する成分である。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子鎖両末端の各々にのみケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を1個有し、25℃における粘度が0.001〜1.0Pa・s、好ましくは0.01〜0.1Pa・sである直鎖状のものである。なお、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中に脂肪族不飽和結合を有しないものである。
で表される。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも3個、好ましくは3〜200個、より好ましくは3〜100個のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を有し、その内の少なくとも1個、好ましくは該SiH基の20〜100%、より好ましくは30〜100%(個数基準)は、式:R5HSiO2/2(式中、R5は脂肪族不飽和結合を有しない非置換または置換の1価炭化水素基である)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン単位として存在する、25℃における粘度が0.001〜10Pa・s、好ましくは0.01〜5Pa・sであるものである。なお、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中に脂肪族不飽和結合を有しないものである。
R5 eHfSiO(4-e-f)/2 (3)
(式中、R5は前記と同じであり、eは0.7〜2.1、fは0.001〜1.0、e+fは0.8〜2.7の数であり、好ましくは、eは1.0〜2.0、fは0.01〜1.0、e+fは1.1〜2.5の数である)
で表される。
(式中、R5は前記と同じであり、p、qおよびrは、独立に1以上の整数であり、但し、p、qおよびrは、該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度が0.001〜10Pa・s、好ましくは0.01〜5Pa・sとなる整数である)
(D)成分の付加反応触媒は、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と、前記(B)成分および(C)成分中のSiH基との付加反応を促進するものである。この付加反応触媒は、特に限定されず、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属;塩化白金酸;アルコール変性塩化白金酸;塩化白金酸と、オレフィン類、ビニルシロキサンまたはアセチレン化合物との配位化合物;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物等が挙げられ、好ましくは白金族金属化合物である。
(E)成分の微粉末シリカは、補強剤として作用し、硬化物に高引裂強さを付与するものである。したがって、本成分の使用により、優れた引裂強さを有するコーティング膜を形成することができる。この微粉末シリカは、BET法による比表面積が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは50〜400m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである。かかる比表面積が50m2/g未満の場合には、組成物に十分な引裂強さを付与することができないことがある。
(F)成分の接着性付与剤は、エアーバッグ用の合成繊維織物基材、不織布基材、熱可塑性樹脂シート状またはフィルム状基材等に対する組成物の接着性を向上させるためのものである。この接着性付与剤は、組成物の自己接着性を向上させることができるものであれば特に限定されない。例えば、有機ケイ素化合物系接着性付与剤および非ケイ素系有機化合物系接着性付与剤が挙げられる。具体的には、有機ケイ素化合物系接着性付与剤としては、例えば、前記(A)〜(C)成分以外の、オルガノシラン、オルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物からなる接着性付与剤が挙げられ、非ケイ素系化合物系接着性付与剤としては、例えば、有機酸アリルエステル、エポキシ開環触媒または有機チタン化合物からなる接着性付与剤が挙げられる。これらは一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物には、前記(A)〜(F)成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の任意の成分を配合することができる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのその他の成分は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
反応制御剤は、上記(D)成分の付加反応触媒に対して硬化反応抑制作用を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることもできる。その具体例としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素原子を含有する化合物;硫黄原子を含有する化合物;アセチレンアルコール類等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体等が挙げられる。
無機充填剤としては、例えば、結晶性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機充填剤;これらをオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面疎水化処理した無機充填剤;シリコーンゴムパウダー;シリコーンレジンパウダー等が挙げられる。
その他にも、例えば、1分子中に1個のケイ素原子に結合した水素原子を有し他の官能性基(例えば、前記有機ケイ素系化合物で列挙した官能基等)を含有しないオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子およびケイ素原子に結合したアルケニル基のいずれも含有しないオルガノポリシロキサン、水や有機溶剤等の溶剤、クリープハードニング防止剤、可塑剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、防かび剤等を配合することができる。
本発明の組成物の硬化方法および硬化条件としては、公知の硬化方法、条件を採用することができ、通常、120〜180℃において1〜10分の硬化条件とすることができる。
本発明の組成物は、例えば、エアーバッグ、特にカーテンエアーバッグに用いられることが好ましい。前記組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を有するエアーバッグとしては、公知の構成のものが挙げられ、例えば、該シリコーンゴムコーティング層を形成してなる袋織りタイプのものが挙げられる。このようなエアーバッグの具体例としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、ポリエステル繊維、アラミド繊維、各種ポリアミド繊維、各種ポリエステル繊維等の各種合成繊維の織生地を基布とする袋織りタイプのエアーバッグが挙げられる。
粘度が約30,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン60部、ヘキサメチルジシロキサン8部、水2部、およびBET法による比表面積が約300m2/gである微粉末シリカ(商品名:アエロジル300、日本アエロジル社製)40部を、ニーダー中で1時間混合した。その後、ニーダー内の温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。次いで、該温度を100℃まで降温した後、粘度が約30,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン30部を添加し、均一になるまで混合することで、ベースコンパウンド(I)を得た。
実施例1で得られたベースコンパウンド(I)98部に、粘度が約5,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン23部、(CH3)3SiO1/2単位39.5モル%と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位6.5モル%とSiO2単位54モル%とからなる三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂4.0部、主鎖のジオルガノシロキサン単位がビニルメチルシロキサン単位5モル%とジメチルシロキサン単位95モル%とからなり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン3部、粘度が18mPa・sの分子鎖両末端にケイ素原子結合水素原子をジメチルハイドロジェンシロキシ基として1個ずつ有するジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.13質量%)6部、粘度が20mPa・sの分子鎖非末端にケイ素原子に結合した水素原子を有する、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.72質量%)0.56部、下記構造式:
実施例1で得られたベースコンパウンド(I)78部に、粘度が約5,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン35部、粘度が約1,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン15部、(CH3)3SiO1/2単位39.5モル%と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位6.5モル%とSiO2単位54モル%とからなる三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂5.0部、主鎖のジオルガノシロキサン単位がビニルメチルシロキサン単位5モル%とジメチルシロキサン単位95モル%とからなり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン3部、粘度が12mPa・sの分子鎖両末端および分子鎖非末端にケイ素原子に結合した水素原子を有する、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.55質量%)10部、粘度が50mPa・sの分子鎖非末端にケイ素原子に結合した水素原子を有する、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量=1.12質量%)1.5部、1−エチニルシクロヘキサノール0.09部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.25部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3部、およびチタン酸オクチル0.17部を混合して組成物C1を調製した。
実施例1で得られたベースコンパウンド(I)68部に、粘度が約5,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン23部、粘度が約1,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン23部、(CH3)3SiO1/2単位39.5モル%と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位6.5モル%とSiO2単位54モル%とからなる三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂5.0部、主鎖のジオルガノシロキサン単位がビニルメチルシロキサン単位5モル%とジメチルシロキサン単位95モル%とからなり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン3部、粘度が18mPa・sの分子鎖両末端にケイ素原子に結合した水素原子をジメチルハイドロジェンシロキシ基として1個ずつ有するジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子含有量=0.13重量%)2.8部、粘度が10mPa・sの分子鎖両末端および分子鎖非末端にケイ素原子に結合した水素原子を有する、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.31質量%)4.6部、1−エチニルシクロヘキサノール0.09部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.25部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.28部、およびチタン酸オクチル0.17部を混合して、組成物C2を調製した。
Claims (7)
- (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に平均1個以上有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)分子鎖両末端の各々にのみケイ素原子に結合した水素原子を1個有し、分子中に脂肪族不飽和結合を有しない、25℃における粘度が0.001〜1.0Pa・sである、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個有し、その内の少なくとも1個は式:R5HSiO2/2(式中、R5は脂肪族不飽和結合を有しない非置換または置換の1価炭化水素基である)で表されるシロキサン単位として存在する、25℃における粘度が0.001〜10Pa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
[但し、該(B)成分および(C)成分の配合量は、該(B)成分および(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数が、該(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり1〜7個であり、かつ該(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数が、該(B)成分および(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の25〜70%となる量である。]
(D)付加反応触媒: 有効量
(E)BET法による比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ: 50質量部以下、および
(F)接着性付与剤: 0.05〜5質量部
を含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。 - カーテンエアーバッグに用いられる請求項1に係る組成物。
- 前記(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記平均組成式(3):
R5 eHfSiO(4-e-f)/2 (3)
(式中、R5は前記と同じであり、eは0.7〜2.1の数であり、fは0.001〜1.0の数であり、e+fは0.8〜2.7の数である)
で表される請求項1〜3のいずれか一項に係る組成物。 - 前記(B)成分および(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数が、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり1〜5個である請求項1〜4のいずれか一項に係る組成物。
- 前記(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数が、前記(B)成分および(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の30〜60%である請求項1〜5のいずれか一項に係る組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を硬化してなるゴムコーティング層を有するカーテンエアーバッグ。
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