JP2015085271A - シリコーンエアーバッグの製造方法及び耐ブロッキング性向上方法 - Google Patents
シリコーンエアーバッグの製造方法及び耐ブロッキング性向上方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015085271A JP2015085271A JP2013226566A JP2013226566A JP2015085271A JP 2015085271 A JP2015085271 A JP 2015085271A JP 2013226566 A JP2013226566 A JP 2013226566A JP 2013226566 A JP2013226566 A JP 2013226566A JP 2015085271 A JP2015085271 A JP 2015085271A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- bonded
- silicon
- organic
- silicon atom
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Air Bags (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
【解決手段】基布の少なくとも一方の表面に、
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有し、分子中に他の官能基を含有しないオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)接着性向上剤: 0.1〜10質量部
を含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を塗布し、30〜300Mradの合計電子ビーム線量を照射することにより、該液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を電子ビームで架橋させて硬化することを特徴とするシリコーンエアーバッグの製造方法。
【選択図】なし
Description
しかし、いずれの組成物も硬化後の作業性は改善されたものの、繊維等からなる基布に対する接着性、ゴム強度等の諸特性を保持しながら、ベタツキ感のない、即ち耐ブロッキング性をも満足する硬化物となるものではなかった。
しかしながら、温風による50〜300℃でのHAV成型では、架橋させたコート布が耐ブロッキング性に劣り、300℃を超える高温でのHAV成型では、耐ブロッキング性にはやや優れるものの十分でなく、逆にエアーバッグ基布が熱で縮んでしまったり、よじれてしまったりする現象が発生し、良好な耐ブロッキング性を有するエアーバッグを得ることは困難であった。
〔1〕
基布の少なくとも一方の表面に、
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有し、分子中に他の官能基を含有しないオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)接着性向上剤: 0.1〜10質量部
を含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を塗布し、30〜300Mradの合計電子ビーム線量を照射することにより、該液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を電子ビームで架橋させて硬化することを特徴とするシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔2〕
(B)接着性向上剤が、ケイ素原子に結合したアルケニル基、炭素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基、炭素原子を介してケイ素原子に結合したアクリロキシ基又はメタクリロキシ基、炭素原子を介してケイ素原子に結合したアルコキシシリル基、ケイ素原子に結合したアルコキシ基、エステル構造、ウレタン構造、エーテル構造、イソシアネート基、及びケイ素原子に結合した水素原子からなる群から選ばれる少なくとも2種の官能基を有するオルガノシラン及びケイ素原子数3〜100の直鎖状、環状又は分岐鎖状のシロキサンオリゴマー、トリアリルイソシアヌレートの(アルコキシ)シリル変性物及びそのシロキサン誘導体から選ばれる窒素含有有機ケイ素化合物、分子中に少なくとも1個のアルケニル基と少なくとも1個のエステル基とを有する有機酸アリルエステルから選ばれる非ケイ素有機化合物、有機チタニウム化合物、及び有機ジルコニウム化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上である〔1〕記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔3〕
(B)接着性向上剤が、エポキシ当量が100〜5,000g/molの有機ケイ素化合物、ケイ素原子結合アルケニル基及び/又はケイ素原子結合水素原子とケイ素原子結合アルコキシ基を1分子中にそれぞれ1個以上有する有機ケイ素化合物、有機チタニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、及び窒素含有有機ケイ素化合物から選ばれる1種又は2種以上である〔2〕記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔4〕
液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が、更に1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有し、分子中に他の官能基を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有してなる〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔5〕
液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が、更に付加反応触媒を含有してなる〔4〕に記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔6〕
液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が、有機溶剤を含まないものである〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔7〕
シリコーンエアーバッグが、カーテンエアーバッグである〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔8〕
電子線成形装置にて電子ビームを照射するものである〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔9〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の方法によりシリコーンエアーバッグを製造することからなるシリコーンエアーバッグの耐ブロッキング性を向上する方法。
<液状シリコーンゴムコーティング剤組成物>
本発明で使用される液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、以下の(A)、(B)成分を含有してなるものである。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、本発明で使用する液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の主剤(ベースポリマー)となる成分であり、平均で、1分子中に少なくとも2個(通常、2〜50個)、好ましくは2〜20個のケイ素原子に結合したアルケニル基(以下、「ケイ素原子結合アルケニル基」という)を含有すると共に、分子中に他の官能基を含有しないものである。
また(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、上記と同様の理由により、通常、平均重合度が50〜1,500、好ましくは100〜1,100程度であることが望ましい。なお、本発明において、平均重合度(又は平均分子量)は、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)等を展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析における重量平均重合度(又は重量平均分子量)等として測定することができる(以下、同じ)。
R1 aR2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又はハロゲン置換等の置換の一価炭化水素基であり、R2はアルケニル基であり、aは1.7〜2.1の数、bは0.00001〜0.1の数であり、但し、a+bは1.8〜2.2を満たす。)
で表されるものが挙げられる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる(B)接着性向上剤は、エアーバッグ用の合成繊維織物基材、不織布基材、熱可塑性樹脂のシート状基材又はフィルム状基材等に対する、液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の硬化物(ゴムコーティング層)の接着性を向上させるための成分である。この接着性向上剤は、硬化物の自己接着性を向上させることができるものであれば特に限定されない。その具体例としては、ケイ素原子に結合したアルケニル基、炭素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基、炭素原子を介してケイ素原子に結合したアクリロキシ基又はメタクリロキシ基、炭素原子を介してケイ素原子に結合したアルコキシシリル基、ケイ素原子に結合したアルコキシ基、エステル構造、ウレタン構造、エーテル構造、イソシアネート基、及びケイ素原子に結合した水素原子からなる群から選ばれる少なくとも2種の官能基を有するオルガノシラン及びケイ素原子数3〜100の直鎖状、環状又は分岐鎖状のシロキサンオリゴマー、トリアリルイソシアヌレートの(アルコキシ)シリル変性物及びそのシロキサン誘導体から選ばれる窒素含有有機ケイ素化合物などの有機ケイ素化合物や、分子中に少なくとも1個のアルケニル基と少なくとも1個のエステル基とを有する有機酸アリルエステルから選ばれる非ケイ素有機化合物、有機チタニウム化合物、及び有機ジルコニウム化合物等が挙げられ、中でも、1分子中に官能基を少なくとも1種有するものが好ましく、2種以上有するものがより好ましい。
(B)成分の接着性向上剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物には、上記(A)、(B)成分以外にも、必要に応じて、以下の成分を配合してもよい。これらの任意成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分との付加硬化反応において、架橋剤として作用し、更に硬化物に接着性を付与する成分である。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、平均で、1分子中に少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは上限が500個、更に好ましくは上限が200個、特に好ましくは上限が100個のケイ素原子に結合した水素原子(以下、「ケイ素原子結合水素原子」(即ち、SiH基又はヒドロシリル基)という)を有すると共に、分子中に他の官能基を含有しないものであって、特に、分子中に脂肪族不飽和結合を有しないものである。
R3 cHdSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R3は非置換又はハロゲン置換等の置換の一価炭化水素基であり、cは0.7〜2.1の数であり、dは0.001〜1.0の数であり、但し、c+dは0.8〜3.0を満たす。)
で表されるものが挙げられる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
付加反応触媒は、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基とオルガノハイドロジェンポリシロキサン成分中のケイ素原子結合水素原子とのヒドロシリル化反応を、進行・促進させるための成分である。この付加反応触媒としては、特に限定されず、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属;塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物等が挙げられ、好ましくは白金化合物である。
付加反応触媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
反応制御剤は、上記の付加反応触媒に対して硬化反応の反応速度を調節する作用を有する化合物であれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素原子を含有する化合物;硫黄原子を含有する化合物;アセチレンアルコール類等のアセチレン系化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体等が挙げられる。
本発明の組成物には、更に補強性シリカ微粉末が添加されていることが望ましい。補強性シリカ微粉末は、機械的強度の優れたシリコーンゴムを得るために必要とされるものであるが、この目的のためには、BET法による比表面積が100m2/g以上(通常、100〜500m2/g)であることが好ましく、より好ましくは120〜400m2/gである。比表面積が100m2/g未満であると補強性が十分でなく、ゴム強度が低下してしまう場合がある。
これらのシリカは1種単独でも2種以上を併用してもよい。
上記した補強性シリカ以外の充填剤としては、無機充填剤及び有機充填剤が挙げられ、例えば、結晶性シリカ、無機中空フィラー、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機充填剤;これらをオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面疎水化処理した無機充填剤;オルガノシルセスキオキサン微粉末、有機樹脂製中空フィラー、シリコーンゴムパウダー;シリコーンレジンパウダー等の有機充填剤などが挙げられる。
その他の成分として、例えば、分子鎖の一方の末端にケイ素原子結合アルケニル基又はケイ素原子結合水素原子を有し、他方の末端がトリアルキルシロキシ基で封鎖された直鎖状ジオルガノポリシロキサンや、分子鎖両末端がトリアルキルシロキシ基で封鎖された直鎖状ジオルガノポリシロキサン等の、1分子中に1個のケイ素原子結合水素原子又は1個のケイ素原子結合アルケニル基を有し、他の官能基を有しないオルガノポリシロキサン;ケイ素原子結合水素原子及びケイ素原子結合アルケニル基を有しない非反応性のオルガノポリシロキサン;クリープハードニング防止剤、可塑剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、防カビ剤等や、硬化物のゴム強度を向上させるために、例えば、式:R3 3SiO1/2(式中、R3は前記と同じである)で表されるシロキサン単位及び式:SiO4/2で表されるシロキサン単位を含有する、アルケニル基含有あるいは非含有の、三次元網状構造のオルガノポリシロキサンレジン等を配合することができる。
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、上記(A)、(B)成分、及び場合によっては任意成分を混合することにより調製することができる。こうして得られた組成物は、エアーバッグ用のコーティング剤として、特にカーテンエアーバッグタイプのエアーバッグ用のコーティング剤として有用である。
本発明においては、上記液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の硬化方法として、30〜300Mradの合計電子ビーム線量を照射することにより、好ましくは電子線成形装置にて30〜300Mradの合計電子ビーム線量照射によって硬化させることを特徴とする。
電子線硬化手順としてCB−300型の電子線成形装置(Energy Sciencec、Inc)で電子線硬化を実施した。エアーバッグに使用される基布に上記液状シリコーンゴムコーティング剤組成物をコーティングし、装置の不活性化されたチャンバに通過させる(<50ppm酸素)。その後、不活性化されたチャンバ中で、電子線照射に暴露し、30〜300Mrad、特に50〜200Mradの合計電子ビーム線量を与えることで硬化させることができる。30Mrad未満では、硬化が不十分であり、300Mradより大きい合計電子ビーム線量では、不経済となる。
また、電子線硬化は、バッチ式よりもベルトコンベア式が好ましい。バッチ式は架橋対象物を炉の中に入れるときに一時的にチャンバ内酸素濃度が上昇してしまい、表面架橋性が悪化してしまうおそれがある。
本発明の組成物の硬化物からなるゴムコーティング層を有するエアーバッグ、好ましくはカーテンエアーバッグとしては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、ナイロン66、ナイロン6、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維等の合成繊維基材;不織布基材;熱可塑性樹脂シート状又はフィルム状基材等の生地を基布とするエアーバッグ、特にはカーテンエアーバッグ等が挙げられる。
粘度が1,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン40部、粘度が5,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン40部、主鎖のジオルガノシロキサン単位中にビニルメチルシロキサン単位を5モル%とジメチルシロキサン単位を95モル%とを含有し、粘度が700mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体20部、トリメチルシリル基で表面疎水化処理されたBET比表面積120m2/gの疎水性煙霧質シリカ17部、接着性向上剤(i)1.5部、接着性向上剤(ii)0.5部、チタン酸オクチル(チタンテトラオクチルオキシド)0.5部、及びBET比表面積200m2/gであり、かつ平均粒径8μmの沈殿シリカ(東ソー・シリカ製、商品名:NIPSIL LP)10部を均一に混合することにより、組成物1を調製した。
1.スコット揉み(接着性)試験
スコット揉み試験は、スコット揉み試験機を用いて行った。上記のゴムコーティング層を有するカーテンエアーバッグについて、押し圧力5kgfで500回の揉み試験を行った後、コーティング部分の破壊状況を目視で確認し、ゴムコーティング層がコーティング面から剥離していない場合を合格と評価し、剥離している場合を不合格と評価した。結果を表1に示す。
上記のゴムコーティング層を有するカーテンエアーバッグについて、空気圧を690kN/m2として、空気を3秒間吹き込むことにより、該エアーバッグを瞬間的に膨らませ、その気密性を肉眼で観察した。ゴムコーティング層に剥がれが認められない場合を「良」と評価し「A」で示し、ゴムコーティング層に剥がれが認められた場合を「不良」と評価し「B」で示す。
ゴムコーティング層の表面のベタツキ感を評価するための試験として行った。
上記のゴムコーティング層を有するカーテンエアーバッグについて、幅100mm×長さ200mmに切断し、そのゴムコーティング面をガラス板に空気が入らないように密着させた。この被膜形成布が密着したガラス板を垂直に立て、該被膜形成布がガラス板から自然落下するまでの経過時間を計測し、以下の評価基準に従って評価した。前記の通りガラス板を垂直に立ててから、被膜形成布がガラス板から落下するまでの経過時間が、1秒未満であった場合を「良」と評価し「A」と示し、1秒以上3秒未満であった場合を「やや良」と評価し「B」と示し、3秒以上6秒未満であった場合を「可」と評価し「C」と示し、6秒以上10秒未満であった場合を「やや不良」と評価し「D」と示し、10秒以上であった場合を「不良」と評価し「E」と示す。
粘度が1,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100部、トリメチルシリル基で表面疎水化処理されたBET比表面積170m2/gの疎水性煙霧質シリカ33部、粘度が45mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.14質量%)2.7部、粘度が12mPa・sの分子鎖両末端及び分子鎖非末端にケイ素原子結合水素原子を有するジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.54質量%)8.3部、1−エチニルシクロヘキサノール0.06部、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体を白金族金属の質量換算で(A)成分とオルガノハイドロジェンポリシロキサン成分の合計量に対して15ppm、接着性向上剤(i)1.5部、接着性向上剤(ii)0.5部、及びチタン酸オクチル0.5部を混合することにより、組成物2を調製した。上記組成物2において、SiH/SiViは3.3モルであった。
この組成物2を実施例1と同様に電子線成形装置にて100Mradの合計電子ビーム線量を照射したカーテンエアーバッグを調製し、接着性、インフレーション、耐ブロッキング性の試験・測定を実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
組成物1を電子線成形装置にて200Mradの合計電子ビーム線量を照射したカーテンエアーバッグを調製し、接着性、インフレーション、耐ブロッキング性の試験・測定を実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
組成物2を電子線成形装置にて200Mradの合計電子ビーム線量を照射したカーテンエアーバッグを調製し、接着性、インフレーション、耐ブロッキング性の試験・測定を実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
組成物1から接着性向上剤(i)1.5部、接着性向上剤(ii)0.5部、チタン酸オクチル0.5部を省いた組成物3を電子線成形装置にて100Mradの合計電子ビーム線量を照射したカーテンエアーバッグを調製し、接着性、インフレーション、耐ブロッキング性の試験・測定を実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
組成物2を電子線成形装置にて20Mradの合計電子ビーム線量を照射した硬化物を調製し、接着性、インフレーション、耐ブロッキング性の試験・測定を実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の要件を満たす電子線成形装置にて30〜300Mradの合計電子ビーム線量を照射した硬化物の実施例1〜4では、得られたカーテンエアーバッグは、測定した全ての特性が優れていた。一方、(B)成分を含まない比較例1及び電子線成形装置にて30〜300Mradの合計電子ビーム線量を満たさない比較例2では、得られたカーテンエアーバッグは、接着性、耐ブロッキング性及びインフレーション試験の結果が劣っていた。
Claims (9)
- 基布の少なくとも一方の表面に、
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有し、分子中に他の官能基を含有しないオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)接着性向上剤: 0.1〜10質量部
を含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を塗布し、30〜300Mradの合計電子ビーム線量を照射することにより、該液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を電子ビームで架橋させて硬化することを特徴とするシリコーンエアーバッグの製造方法。 - (B)接着性向上剤が、ケイ素原子に結合したアルケニル基、炭素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基、炭素原子を介してケイ素原子に結合したアクリロキシ基又はメタクリロキシ基、炭素原子を介してケイ素原子に結合したアルコキシシリル基、ケイ素原子に結合したアルコキシ基、エステル構造、ウレタン構造、エーテル構造、イソシアネート基、及びケイ素原子に結合した水素原子からなる群から選ばれる少なくとも2種の官能基を有するオルガノシラン及びケイ素原子数3〜100の直鎖状、環状又は分岐鎖状のシロキサンオリゴマー、トリアリルイソシアヌレートの(アルコキシ)シリル変性物及びそのシロキサン誘導体から選ばれる窒素含有有機ケイ素化合物、分子中に少なくとも1個のアルケニル基と少なくとも1個のエステル基とを有する有機酸アリルエステルから選ばれる非ケイ素有機化合物、有機チタニウム化合物、及び有機ジルコニウム化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- (B)接着性向上剤が、エポキシ当量が100〜5,000g/molの有機ケイ素化合物、ケイ素原子結合アルケニル基及び/又はケイ素原子結合水素原子とケイ素原子結合アルコキシ基を1分子中にそれぞれ1個以上有する有機ケイ素化合物、有機チタニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、及び窒素含有有機ケイ素化合物から選ばれる1種又は2種以上である請求項2記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が、更に1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有し、分子中に他の官能基を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が、更に付加反応触媒を含有してなる請求項4に記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が、有機溶剤を含まないものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- シリコーンエアーバッグが、カーテンエアーバッグである請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- 電子線成形装置にて電子ビームを照射するものである請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法によりシリコーンエアーバッグを製造することからなるシリコーンエアーバッグの耐ブロッキング性を向上する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013226566A JP6003866B2 (ja) | 2013-10-31 | 2013-10-31 | シリコーンエアーバッグの製造方法及び耐ブロッキング性向上方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013226566A JP6003866B2 (ja) | 2013-10-31 | 2013-10-31 | シリコーンエアーバッグの製造方法及び耐ブロッキング性向上方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015085271A true JP2015085271A (ja) | 2015-05-07 |
JP6003866B2 JP6003866B2 (ja) | 2016-10-05 |
Family
ID=53048671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013226566A Active JP6003866B2 (ja) | 2013-10-31 | 2013-10-31 | シリコーンエアーバッグの製造方法及び耐ブロッキング性向上方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6003866B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019208021A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2019-10-31 | 信越化学工業株式会社 | エアーバッグ用付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びエアーバッグ |
JP2021181522A (ja) * | 2020-05-18 | 2021-11-25 | 信越化学工業株式会社 | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物 |
JP2021181641A (ja) * | 2020-05-18 | 2021-11-25 | 信越化学工業株式会社 | シリコーンコーティングエアーバッグ基布の製造方法 |
CN114341272A (zh) * | 2019-09-09 | 2022-04-12 | 信越化学工业株式会社 | 气囊用加成固化型液体硅橡胶组合物及气囊 |
JP7465846B2 (ja) | 2021-04-16 | 2024-04-11 | 信越化学工業株式会社 | 樹脂コーティングエアーバッグ用基布の製造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019031890A1 (ko) * | 2017-08-10 | 2019-02-14 | 주식회사 케이씨씨 | 실리콘 코팅용 조성물 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08283578A (ja) * | 1995-04-18 | 1996-10-29 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 導電性ゴムロールおよびその製造方法 |
JP2000191915A (ja) * | 1998-12-22 | 2000-07-11 | Dow Corning Corp | 織布コ―ティング用組成物 |
JP2000290410A (ja) * | 1999-04-08 | 2000-10-17 | Nok Corp | 加硫ゴム成形品の表面処理方法 |
JP2006241438A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-09-14 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物およびカーテンエアーバッグ |
JP2013527335A (ja) * | 2010-04-29 | 2013-06-27 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 電子ビームで硬化されるシリコーン処理された繊維状ウェブ |
-
2013
- 2013-10-31 JP JP2013226566A patent/JP6003866B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08283578A (ja) * | 1995-04-18 | 1996-10-29 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 導電性ゴムロールおよびその製造方法 |
JP2000191915A (ja) * | 1998-12-22 | 2000-07-11 | Dow Corning Corp | 織布コ―ティング用組成物 |
JP2000290410A (ja) * | 1999-04-08 | 2000-10-17 | Nok Corp | 加硫ゴム成形品の表面処理方法 |
JP2006241438A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-09-14 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物およびカーテンエアーバッグ |
JP2013527335A (ja) * | 2010-04-29 | 2013-06-27 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 電子ビームで硬化されるシリコーン処理された繊維状ウェブ |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019208021A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2019-10-31 | 信越化学工業株式会社 | エアーバッグ用付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びエアーバッグ |
JPWO2019208021A1 (ja) * | 2018-04-27 | 2021-05-13 | 信越化学工業株式会社 | エアーバッグ用付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びエアーバッグ |
JP7047901B2 (ja) | 2018-04-27 | 2022-04-05 | 信越化学工業株式会社 | エアーバッグ用付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びエアーバッグ |
CN114341272A (zh) * | 2019-09-09 | 2022-04-12 | 信越化学工业株式会社 | 气囊用加成固化型液体硅橡胶组合物及气囊 |
CN114341272B (zh) * | 2019-09-09 | 2023-10-20 | 信越化学工业株式会社 | 气囊用加成固化型液体硅橡胶组合物及气囊 |
JP2021181522A (ja) * | 2020-05-18 | 2021-11-25 | 信越化学工業株式会社 | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物 |
JP2021181641A (ja) * | 2020-05-18 | 2021-11-25 | 信越化学工業株式会社 | シリコーンコーティングエアーバッグ基布の製造方法 |
JP7353236B2 (ja) | 2020-05-18 | 2023-09-29 | 信越化学工業株式会社 | シリコーンコーティングエアーバッグ基布の製造方法 |
JP7353235B2 (ja) | 2020-05-18 | 2023-09-29 | 信越化学工業株式会社 | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物 |
JP7465846B2 (ja) | 2021-04-16 | 2024-04-11 | 信越化学工業株式会社 | 樹脂コーティングエアーバッグ用基布の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6003866B2 (ja) | 2016-10-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7608657B2 (en) | Liquid silicone rubber coating agent composition and air bag using the composition | |
JP6003866B2 (ja) | シリコーンエアーバッグの製造方法及び耐ブロッキング性向上方法 | |
TWI683868B (zh) | 以矽氧橡膠被覆之布基材成形物之製造方法及人工皮革狀片材成形物 | |
JP4883258B2 (ja) | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びエアーバッグ | |
JP2007186596A (ja) | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、カーテンエアーバッグ及びその製造方法 | |
JP4878162B2 (ja) | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物および該組成物を用いたエアーバッグ | |
JP2013087203A (ja) | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、カーテンエアーバッグ及びその製造方法 | |
US20050267257A1 (en) | Liquid silicone rubber coating composition and air bag | |
JP2018003194A (ja) | エアーバッグ用シリコーンゴムコーティング基布の製造方法、紫外線硬化型エアーバッグコーティング剤及びエアーバッグ用基布 | |
JP5397326B2 (ja) | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、カーテンエアーバッグ及びその製造方法 | |
JP7226529B2 (ja) | エアーバッグ用付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びエアーバッグ | |
JP5761103B2 (ja) | カーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びその製造方法 | |
CN110892022A (zh) | 加成固化型硅橡胶组合物及安全气囊 | |
JP2008013752A (ja) | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、カーテンエアーバッグ及びその製造方法 | |
JP7353235B2 (ja) | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物 | |
JP5332870B2 (ja) | シリコーンエアーバッグの製造方法及び耐ブロッキング性向上方法 | |
JP2018080421A (ja) | エアーバッグ用付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びエアーバッグ布 | |
JP4738890B2 (ja) | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物およびエアーバッグ | |
JP2014136722A (ja) | カーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びその製造方法 | |
JP2006241438A (ja) | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物およびカーテンエアーバッグ | |
JP7353236B2 (ja) | シリコーンコーティングエアーバッグ基布の製造方法 | |
JP2006063208A (ja) | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物およびエアーバッグ | |
KR102430709B1 (ko) | 부가 경화형 실리콘 고무 조성물 및 에어백 | |
JP5110292B2 (ja) | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びエアーバッグ | |
JP4608373B2 (ja) | ガラス繊維製品処理剤組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151027 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160628 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160630 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160721 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160809 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160822 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6003866 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |