JP5332870B2 - シリコーンエアーバッグの製造方法及び耐ブロッキング性向上方法 - Google Patents
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Description
しかし、いずれの組成物も硬化後の作業性は改善されたものの、繊維等からなる基布に対する接着性、ゴム強度等の諸特性を保持しながら、ベタツキ感のない、即ち耐ブロッキング性をも満足する硬化物となるものではなかった。
しかしながら、温風による50〜300℃でのHAV成型では、架橋させたコート布が耐ブロッキング性に劣り、300℃を超える高温でのHAV成型では、耐ブロッキング性にはやや優れるものの十分でなく、逆にエアーバッグ基布が熱で縮んでしまったり、よじれてしまったりする現象が発生し、良好な耐ブロッキング性を有するエアーバッグを得ることは困難であった。
〔請求項1〕
基布の少なくとも一方の表面に、
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有し、分子中に他の官能基を含有しないオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有し、分子中に他の官能基を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 組成物中のケイ素原子に結合したアルケニル基1モルに対して、組成物中のケイ素原子に結合した水素原子が1〜7モルとなる量、
(C)付加反応触媒: 有効量、及び
(D)接着性向上剤: 0.1〜10質量部
を含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を塗布し、該液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を常圧雰囲気下にて110℃以上300℃以下の過熱水蒸気を用いて熱気架橋することを特徴とするシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔請求項2〕
(D)接着性向上剤が、ケイ素原子に結合したアルケニル基;炭素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基;炭素原子を介してケイ素原子に結合したアクリロキシ基又はメタクリロキシ基;アルコキシ基;エステル構造、ウレタン構造及びエーテル構造を1〜2個有していてもよい、炭素原子を介してケイ素原子に結合したアルコキシシリル基;イソシアネート基;及びケイ素原子結合水素原子からなる群から選ばれる2種以上の官能基を有する、オルガノシラン及びケイ素原子数3〜100の直鎖状又は環状のシロキサンオリゴマーから選ばれる有機ケイ素化合物、トリアリルイソシアヌレートの(アルコキシ)シリル変性物、そのシロキサン誘導体から選ばれるものである請求項1記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔請求項3〕
(D)接着性向上剤が、エポキシ当量が100〜5,000g/molの非ケイ素系有機化合物、エポキシ当量が100〜5,000g/molの有機ケイ素化合物、エポキシ開環触媒、ケイ素原子結合アルケニル基及び/又はケイ素原子結合水素原子とケイ素原子結合アルコキシ基を1分子中にそれぞれ1個以上有する有機ケイ素化合物、炭素原子数12以上の有機チタン化合物、及び窒素原子を1分子中に1個以上含有する有機ケイ素化合物から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔請求項4〕
液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が、有機溶剤を含まないものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔請求項5〕
シリコーンエアーバッグが、織りにより袋部を形成したものである請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔請求項6〕
熱気架橋が、ベルトコンベア式の過熱水蒸気炉を用いて行うものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
〔請求項7〕
請求項1〜6のいずれか1項記載の方法によりシリコーンエアーバッグを製造することからなるシリコーンエアーバッグの耐ブロッキング性を向上する方法。
<液状シリコーンゴムコーティング剤組成物>
本発明で使用される液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、以下の(A)〜(D)成分を含有してなるものである。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、組成物の主剤(ベースポリマー)となる成分であり、平均で、1分子中に少なくとも2個(通常、2〜50個)、好ましくは2〜20個のケイ素原子に結合したアルケニル基(以下、「ケイ素原子結合アルケニル基」という)を含有すると共に、分子中に他の官能基を含有しないものである。
R1 aR2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又はハロゲン置換等の置換の一価炭化水素基であり、R2はアルケニル基であり、aは1.7〜2.1の数、bは0.00001〜0.1の数であり、但し、a+bは1.8〜2.2を満たす。)
で表されるものが挙げられる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分との付加硬化反応において、架橋剤として作用し、更に硬化物に接着性を付与する成分である。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、平均で、1分子中に少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは上限が500個、更に好ましくは上限が200個、特に好ましくは上限が100個のケイ素原子に結合した水素原子(以下、「ケイ素原子結合水素原子」(即ち、SiH基又はヒドロシリル基)という)を有すると共に、分子中に他の官能基を含有しないものであって、特に、分子中に脂肪族不飽和結合を有しないものである。
R3 cHdSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R3は非置換又はハロゲン置換等の置換の一価炭化水素基であり、cは0.7〜2.1の数であり、dは0.001〜1.0の数であり、但し、c+dは0.8〜3.0を満たす。)
で表されるものが挙げられる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(C)成分の付加反応触媒は、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と(B)成分中のケイ素原子結合水素原子とのヒドロシリル化反応を、進行・促進させるための成分である。この付加反応触媒としては、特に限定されず、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属;塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物等が挙げられ、好ましくは白金化合物である。
(C)成分の付加反応触媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる(D)接着性向上剤は、エアーバッグ用の合成繊維織物基材、不織布基材、熱可塑性樹脂のシート状基材又はフィルム状基材等に対する、硬化物(ゴムコーティング層)の接着性を向上させるための成分である。この接着性向上剤は、硬化物の自己接着性を向上させることができるものであれば特に限定されない。その具体例としては、(A)成分及び(B)成分以外の有機ケイ素化合物、非ケイ素系有機化合物、エポキシ開環触媒、有機チタン化合物等が挙げられ、中でも、1分子中に官能基を少なくとも1種有するものが好ましく、2種以上有するものがより好ましい。
(D)成分の接着性向上剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物には、上記(A)〜(D)成分以外にも、必要に応じて、以下の成分を配合してもよい。これらの任意成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
反応制御剤は、上記(C)成分の付加反応触媒に対して硬化反応の反応速度を調節する作用を有する化合物であれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素原子を含有する化合物;硫黄原子を含有する化合物;アセチレンアルコール類等のアセチレン系化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体等が挙げられる。
本発明の組成物には、更に補強性シリカ微粉末が添加されていることが望ましい。補強性シリカ微粉末は、機械的強度の優れたシリコーンゴムを得るために必要とされるものであるが、この目的のためには、BET法による比表面積が100m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは200〜500m2/gである。比表面積が100m2/g未満であると補強性が十分でなく、ゴム強度が低下してしまう場合がある。
これらのシリカは1種単独でも2種以上を併用してもよい。
上記した補強性シリカ以外の充填剤としては、無機充填剤及び有機充填剤が挙げられ、例えば、結晶性シリカ、無機中空フィラー、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機充填剤;これらをオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面疎水化処理した無機充填剤;オルガノシルセスキオキサン微粉末、有機樹脂製中空フィラー、シリコーンゴムパウダー;シリコーンレジンパウダー等の有機充填剤などが挙げられる。但し、上記充填剤は、前記(D)成分以外のものである。
その他の成分として、例えば、分子鎖の一方の末端にケイ素原子結合アルケニル基又はケイ素原子結合水素原子を有し、他方の末端がトリアルキルシロキシ基で封鎖された直鎖状ジオルガノポリシロキサンや、分子鎖両末端がトリアルキルシロキシ基で封鎖された直鎖状ジオルガノポリシロキサン等の、1分子中に1個のケイ素原子結合水素原子又は1個のケイ素原子結合アルケニル基を有し、他の官能基を有しないオルガノポリシロキサン;ケイ素原子結合水素原子及びケイ素原子結合アルケニル基を有しない非反応性のオルガノポリシロキサン;クリープハードニング防止剤、可塑剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、防カビ剤等や、硬化物のゴム強度を向上させるために、例えば、式:R3 3SiO1/2(式中、R3は前記と同じである)で表されるシロキサン単位及び式:SiO4/2で表されるシロキサン単位を含有する、アルケニル基含有あるいは非含有の、三次元網状構造のオルガノポリシロキサンレジン等を配合することができる。
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、上記(A)〜(D)成分、及び場合によっては任意成分を混合することにより調製することができる。こうして得られた組成物は、エアーバッグ用のコーティング剤として、特に袋織りタイプのエアーバッグ用のコーティング剤として有用である。
本発明においては、上記液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の加熱方法として、常圧過熱水蒸気による加熱によって硬化、発泡させることを特徴とする。
常圧過熱水蒸気(以下、過熱水蒸気と称する)とは、100℃で蒸発した飽和水蒸気を常圧のまま更に高温度に加熱した無色透明のH2Oガスのことである。従来、100℃以上の水蒸気といえば密閉容器中の高圧水蒸気のことを指すが、雰囲気温度を上げるためには圧力を高める必要があり、例えば、200℃の釜内温度を得るためには16kgf/cm2の圧力が必要であり、装置も大型なものが必要であった。これに対して、この過熱水蒸気は大気圧(常圧)で加熱対象物に熱を加えることが可能であり、加熱温度は任意に100〜800℃に加熱することが可能であり、装置も簡易的で、過熱水蒸気炉による、ベルトコンベアを備えた連続加熱やチューブ等の押出し連続加熱ラインをつくることができる。
本発明の組成物の硬化物からなるゴムコーティング層を有するエアーバッグ、好ましくは袋織りタイプのエアーバッグとしては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、ナイロン66、ナイロン6、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維等の合成繊維基材;不織布基材;熱可塑性樹脂シート状又はフィルム状基材等の生地を基布とするエアーバッグ等が挙げられる。
粘度が1,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン40部、粘度が5,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン40部、主鎖のジオルガノシロキサン単位中にビニルメチルシロキサン単位を5モル%とジメチルシロキサン単位を95モル%とを含有し、粘度が700mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体20部、トリメチルシリル基で表面疎水化処理された比表面積120m2/gの疎水性シリカ17部、粘度が50mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.45質量%)1.0部、粘度が25mPa・sの分子鎖両末端及び分子鎖非末端にケイ素原子結合水素原子を有するジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.54質量%)2.2部、1−エチニルシクロヘキサノール0.05部、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体を白金金属の質量換算で(A)成分と(B)成分との合計量に対して30ppm、接着性付与剤(i)1.5部、接着性付与剤(ii)0.5部、チタン酸オクチル0.5部、及び比表面積200m2/gであり、かつ平均粒径8μmの沈殿シリカ(東ソー・シリカ製、商品名:NIPSIL LP)10部を均一に混合することにより、組成物1を調製した。上記組成物1において、組成物中のケイ素原子結合ビニル基1モルに対する組成物中のケイ素原子結合水素原子(以下、「SiH/SiVi」という)は、3.9モルであった。
1.ゴム物性の測定
液状シリコーン組成物を2mm厚の金属製型枠に流し込み、平坦となるまで放置後、150℃に加熱したベルトコンベア式過熱水蒸気炉に入れて10分間加熱硬化させ、シートを作製した。次に、成型シートの一般物性(硬度、引張強度、切断時伸び、引裂強さ(アングル))をJIS K6249に準じて測定した。
調製した液状シリコーン組成物を塗工ムラなく均一になるようコーターを用いて、袋織りタイプのエアーバッグの基体にコーティングした。コート厚みは布平坦部分の膜厚が加熱硬化後に約60μmになるように調整した。その後、該未硬化エアーバッグを170℃に加熱したベルトコンベア式過熱水蒸気炉に入れ、1分間加熱することにより硬化させ、ゴムコーティング層を有する袋織りエアーバッグを作製した。このエアーバッグに、空気圧を690kN/m2として、空気を3秒間吹き込むことにより、該エアーバッグを瞬間的に膨らませ、その気密性を肉眼で観察した。ゴムコーティング層に剥がれが認められない場合を「良」と評価し「A」で示し、ゴムコーティング層に剥がれが認められた場合を「不良」と評価し「B」で示す。
ゴムコーティング層の表面のベタツキ感を評価するための試験として行った。
一方の布面に乾燥状態での厚さが0.2mmの層となるように液状シリコーン組成物を塗布し、170℃に加熱したベルトコンベア式過熱水蒸気炉にて1分間加熱してシリコーン被膜形成布を得た。得られたシリコーン被膜形成布を幅100mm×長さ200mmに切断し、そのゴムコーティング面をガラス板に空気が入らないように密着させた。この被膜形成布が密着したガラス板を垂直に立て、該被膜形成布がガラス板から自然落下するまでの経過時間を計測し、以下の評価基準に従って評価した。前記の通りガラス板を垂直に立ててから、被膜形成布がガラス板から落下するまでの経過時間が、1秒未満であった場合を「良」と評価し「A」と示し、1秒以上3秒未満であった場合を「やや良」と評価し「B」と示し、3秒以上6秒未満であった場合を「可」と評価し「C」と示し、6秒以上10秒未満であった場合を「やや不良」と評価し「D」と示し、10秒以上であった場合を「不良」と評価し「E」と示す。
粘度が1,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100部、トリメチルシリル基で表面疎水化処理された比表面積170m2/gの疎水性シリカ33部、粘度が45mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.14質量%)2.7部、粘度が12mPa・sの分子鎖両末端及び分子鎖非末端にケイ素原子結合水素原子を有するジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.54質量%)8.3部、1−エチニルシクロヘキサノール0.06部、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体を白金金属の質量換算で(A)成分と(B)成分の合計量に対して15ppm、接着性付与剤(i)1.5部、接着性付与剤(ii)0.5部、及びチタン酸オクチル0.5部を混合することにより、組成物2を調製した。上記組成物2において、SiH/SiViは3.3モルであった。
この組成物2を実施例1と同様にベルトコンベア式過熱水蒸気炉にて架橋、成型し、ゴム物性、インフレーション、耐ブロッキング性の試験・測定を実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
組成物1をあらかじめ余熱しておいたバッチ式過熱水蒸気炉に入れ、加熱硬化させた以外は実施例1と同様の条件でゴムシート、エアーバッグ、被膜形成布を成型した。得られた成型物の一般物性、インフレーション、耐ブロッキング性の試験・測定を実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
組成物2をあらかじめ余熱しておいたバッチ式過熱水蒸気炉に入れ、加熱硬化させた以外は実施例1と同様の条件でゴムシート、エアーバッグ、被膜形成布を成型した。得られた成型物の一般物性、インフレーション、耐ブロッキング性の試験・測定を実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
組成物1をあらかじめ余熱しておいた通常の循環型常圧熱風乾燥機にてHAV加熱硬化させた以外は実施例1と同様の温度、及び時間条件でゴムシート、エアーバッグ、被膜形成布を成型した。得られた成型物の一般物性、インフレーション、耐ブロッキング性の試験・測定を実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
組成物2をあらかじめ余熱しておいた通常の循環型常圧熱風乾燥機にてHAV加熱硬化させた以外は実施例2と同様の温度、及び時間条件でゴムシート、エアーバッグ、被膜形成布を成型した。得られた成型物の一般物性、インフレーション、耐ブロッキング性の試験・測定を実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の要件を満たす過熱水蒸気架橋を実施した実施例1〜4では、得られた硬化物(ゴムコーティング層)及びエアーバッグは、測定した全ての特性が優れていた。一方、通常のHAV架橋を行った比較例1,2では、該硬化物及びエアーバッグは、引張強度、切断時伸び、引裂強さ、耐ブロッキング性の少なくとも一項目が劣っていたり、インフレーション試験の結果が劣っていた。
Claims (7)
- 基布の少なくとも一方の表面に、
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有し、分子中に他の官能基を含有しないオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有し、分子中に他の官能基を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン: 組成物中のケイ素原子に結合したアルケニル基1モルに対して、組成物中のケイ素原子に結合した水素原子が1〜7モルとなる量、
(C)付加反応触媒: 有効量、及び
(D)接着性向上剤: 0.1〜10質量部
を含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を塗布し、該液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を常圧雰囲気下にて110℃以上300℃以下の過熱水蒸気を用いて熱気架橋することを特徴とするシリコーンエアーバッグの製造方法。 - (D)接着性向上剤が、ケイ素原子に結合したアルケニル基;炭素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基;炭素原子を介してケイ素原子に結合したアクリロキシ基又はメタクリロキシ基;アルコキシ基;エステル構造、ウレタン構造及びエーテル構造を1〜2個有していてもよい、炭素原子を介してケイ素原子に結合したアルコキシシリル基;イソシアネート基;及びケイ素原子結合水素原子からなる群から選ばれる2種以上の官能基を有する、オルガノシラン及びケイ素原子数3〜100の直鎖状又は環状のシロキサンオリゴマーから選ばれる有機ケイ素化合物、トリアリルイソシアヌレートの(アルコキシ)シリル変性物、そのシロキサン誘導体から選ばれるものである請求項1記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- (D)接着性向上剤が、エポキシ当量が100〜5,000g/molの非ケイ素系有機化合物、エポキシ当量が100〜5,000g/molの有機ケイ素化合物、エポキシ開環触媒、ケイ素原子結合アルケニル基及び/又はケイ素原子結合水素原子とケイ素原子結合アルコキシ基を1分子中にそれぞれ1個以上有する有機ケイ素化合物、炭素原子数12以上の有機チタン化合物、及び窒素原子を1分子中に1個以上含有する有機ケイ素化合物から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が、有機溶剤を含まないものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- シリコーンエアーバッグが、織りにより袋部を形成したものである請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- 熱気架橋が、ベルトコンベア式の過熱水蒸気炉を用いて行うものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコーンエアーバッグの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の方法によりシリコーンエアーバッグを製造することからなるシリコーンエアーバッグの耐ブロッキング性を向上する方法。
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