JP4993914B2 - 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物およびカーテンエアーバッグ - Google Patents

液状シリコーンゴムコーティング剤組成物およびカーテンエアーバッグ Download PDF

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Description

本発明は、6,6−ナイロン等の繊維布にシリコーンゴムコーティング膜を形成させたカーテンエアーバッグ等のエアーバック布用として特に有用な液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、および該組成物を用いたカーテンエアーバッグに関する。
従来、繊維表面にゴム被膜を形成させることを目的として、以下のようなエアーバック用シリコーンゴム組成物が提案されている。具体的には、付加硬化型組成物に、無機質充填剤、シロキサンレジンおよびエポキシ基含有ケイ素化合物を添加してなる、基布に対する接着性に優れるエアーバック用液状シリコーンゴム組成物(特許文献1)、付加硬化型組成物に、無機質充填剤、シロキサンレジン、有機チタン化合物およびアルキルシリケートを添加してなる、低温かつ短時間の加熱で基布に対する優れた接着性を発現する液状シリコーンゴムコーティング剤組成物(特許文献2)、ビニル基含有オルガノポリシロキサンの粘度を限定した薄膜コート性に優れたエアーバック用シリコーンゴム組成物(特許文献3)、ならびにゴムコーティング組成物に、BET法による比表面積が平均150〜250m2/gであり平均粒径が20μm以下である湿式シリカを添加してなる、粘着感の低減されたゴムコーティング布用コーティング組成物(特許文献4)が提案されている。
しかし、これらの組成物を、運転席や助手席に装着されるエアーバックとは異なり、フロントピラーからルーフサイドに沿って収納され、衝突時や車両の転倒時に頭部の保護や飛び出しを防ぐためにエアーバッグの一定膨脹時間を維持することが要求されるカーテンエアーバックの作製に用いた場合には、いずれの組成物もインフレーターガスの洩れを抑え、膨脹時間の持続性を十分に満足するものではない。
特開平5−214295号公報 特開2002−138249号公報 特開2001−287610号公報 特開2001−59052号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、インフレーターガスの洩れを抑え、膨脹時間の持続性に優れたカーテンエアーバッグ、およびその製造に有用な液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、本発明を為すに至った。
即ち、本発明は第一に、
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に平均1個以上有するオルガノポリシロキサン: 100質量部、
(B)分子鎖両末端の各々にのみケイ素原子に結合した水素原子を1個有し、分子中に脂肪族不飽和結合を有しない、25℃における粘度が0.001〜1.0Pa・sである、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個有し、その内の少なくとも1個は式:R5HSiO2/2(式中、R5は脂肪族不飽和結合を有しない非置換または置換の1価炭化水素基である)で表されるシロキサン単位として存在する、25℃における粘度が0.001〜10Pa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
[但し、該(B)成分および(C)成分の配合量は、該(B)成分および(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数が、該(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり1〜7個であり、かつ該(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数が、該(B)成分および(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の25〜70%となる量である。]
(D)付加反応触媒: 有効量
(E)BET法による比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ: 50質量部以下、および
(F)接着性付与剤: 0.05〜5質量部
を含有してなる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、
を提供する。
本発明は第二に、前記液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を硬化してなるゴムコーティング層を有するカーテンエアーバッグ、を提供する。
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を適用したエアーバッグ、特にカーテンエアーバッグは、インフレーターガスの洩れが抑制され、膨脹時間の持続性に優れたものである。また、この液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、硬化させて得られる硬化物の硬さ、切断時伸び、引裂強さ等の物理的特性についても良好である。
<液状シリコーンゴムコーティング剤組成物>
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、以下の(A)〜(F)成分を含有してなるものであって、室温(25℃)で液状のものである。以下、各成分について詳細に説明する。
−(A)オルガノポリシロキサン−
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、この組成物の主剤となる成分であって、1分子中に平均1個以上、好ましくは平均2個以上、より好ましくは上限が平均20個、特に好ましくは上限が平均10個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する。
このケイ素原子に結合したアルケニル基は、通常、炭素原子数2〜8、好ましくは2〜4である。その具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。(A)オルガノポリシロキサン分子中における前記ケイ素原子に結合したアルケニル基の結合位置は、分子鎖末端または分子鎖非末端(即ち、分子鎖末端以外の分子鎖側鎖)のいずれであってもよく、それらの両方であってもよい。
前記ケイ素原子に結合したアルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基としては、通常、炭素原子数1〜12、好ましくは1〜10の、脂肪族不飽和結合を有しない、非置換または置換(例えば、ハロゲン置換)の1価炭化水素基等が挙げられる。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;それらの官能基中の水素原子を塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子で置換した、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、フェニル基である。
(A)成分中におけるケイ素原子に結合したアルケニル基の含有量は、ケイ素原子に結合した全有機基に対して、通常、0.001〜10モル%であり、好ましくは0.01〜5モル%である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状等のいずれであってもよいが、好ましくは、主鎖が実質的にR1 2SiO2/2単位(式中、R1は独立に非置換または置換の1価炭化水素基である)(ジオルガノシロキサン単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がR1 3SiO1/2単位(式中、R1は前記と同じである)(トリオルガノシロキシ単位)で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンである。ここで、「主鎖が実質的にR1 2SiO2/2単位」とは、分子鎖両末端を除く主鎖部分を構成するシロキサン単位のうち、通常、99〜100モル%、好ましくは99.5〜100モル%がR1 2SiO2/2単位であることを意味する。
上記式中、R1で表される非置換または置換の1価炭化水素基は、通常、炭素原子数1〜12、好ましくは1〜10である。その具体例としては、前記のケイ素原子に結合したアルケニル基の具体例として例示したもの、およびケイ素原子に結合したアルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基の具体例として例示したものが挙げられる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、得られる硬化物の硬さ、切断時伸び、引裂強さ等の物理的特性が良好であり、また組成物の取扱い作業性が良好であるので、好ましくは100〜500,000mPa・s、より好ましくは300〜100,000mPa・sである。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、好ましくは、下記平均組成式(1):
2 a3 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を有しない非置換または置換の一価炭化水素基であり、R3は独立にアルケニル基であり、aは1.8〜2.2、好ましくは1.9〜2.0の数であり、bは0.0001〜0.2、好ましくは0.001〜0.1の数であり、但し、a+bは1.85〜2.3、好ましくは1.95〜2.05の数である)
で表されるものである。
上記平均組成式(1)中、R2で表される脂肪族不飽和結合を有しない非置換または置換の一価炭化水素基は、通常、炭素原子数1〜12、好ましくは1〜10である。その具体例としては、前記ケイ素原子に結合したアルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基として例示したものが挙げられる。
上記平均組成式(1)中、R3で表されるアルケニル基は、通常、炭素原子数2〜8、好ましくは2〜4である。その具体例としては、前記ケイ素原子に結合したアルケニル基として例示したものが挙げられる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの具体例としては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、式:R2 3SiO0.5(式中、R2は前記と同じである)で表されるシロキサン単位と式:R2 23SiO0.5(式中、R3は前記と同じである)で表されるシロキサン単位と式:R2 2SiOで表されるシロキサン単位と式:SiO2で表されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R2 3SiO0.5で表されるシロキサン単位と式:R2 23SiO0.5で表されるシロキサン単位と式:SiO2で表されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R2 23SiO0.5で表されるシロキサン単位と式:R2 2SiOで表されるシロキサン単位と式:SiO2で表されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R23SiOで表されるシロキサン単位と式:R2SiO1.5で表されるシロキサン単位もしくは式:R3SiO1.5で表されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体等が挙げられる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
−(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン−
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、得られる組成物の硬化時に、前記(A)成分の分子鎖長を増大させ、またエアーバック膨脹時間の持続性の向上に特に寄与する成分である。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子鎖両末端の各々にのみケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を1個有し、25℃における粘度が0.001〜1.0Pa・s、好ましくは0.01〜0.1Pa・sである直鎖状のものである。なお、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中に脂肪族不飽和結合を有しないものである。
この直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、実質的に直鎖状であればよい。ここで、「実質的に直鎖状」とは、分子鎖両末端を除く主鎖部分を構成するシロキサン単位のうち、通常、99〜100モル%、好ましくは99.5〜100モル%が、R4 2SiO2/2単位(式中、R4は独立に脂肪族不飽和結合を有しない非置換または置換の1価炭化水素基である)であることを意味する。なお、分子鎖両末端は、R4 2(H)SiO1/2単位で表されるジオルガノハイドロジェンシロキシ基で封鎖されていることが好ましい。
上記式中、R4で表される脂肪族不飽和結合を有しない非置換または置換の1価炭化水素基は、通常、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜8である。その具体例としては、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基として例示したものが挙げられる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、好ましくは、下記一般式(2):
Figure 0004993914
(式中、R4は前記と同じであり、nは該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度が0.001〜1.0Pa・s、好ましくは0.01〜0.1Pa・sとなる整数である)
で表される。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、後述の(C)成分の項に記載のとおりである。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
−(C)オルガノハイドロジェンポリシロキサン−
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも3個、好ましくは3〜200個、より好ましくは3〜100個のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を有し、その内の少なくとも1個、好ましくは該SiH基の20〜100%、より好ましくは30〜100%(個数基準)は、式:R5HSiO2/2(式中、R5は脂肪族不飽和結合を有しない非置換または置換の1価炭化水素基である)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン単位として存在する、25℃における粘度が0.001〜10Pa・s、好ましくは0.01〜5Pa・sであるものである。なお、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中に脂肪族不飽和結合を有しないものである。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等のいずれであってもよいが、好ましくは、実質的に直鎖状である。また、その分子鎖末端には環状シロキサンが結合していてもよい。ここで、「実質的に直鎖状」とは、分子鎖両末端(環状シロキサンが結合する場合には該環状シロキサン)を除く主鎖部分を構成するシロキサン単位のうち、通常、99〜100モル%、好ましくは99.5〜100モル%が、R6 2SiO2/2単位(式中、R6は独立に水素原子またはR5である)であることを意味する。
前記ケイ素原子に結合した水素原子は、(C)オルガノハイドロジェンポリシロキサン分子中、分子鎖末端に位置しても分子鎖非末端に位置してもよく、それらの両方に位置してもよい。また、分子鎖末端に環状シロキサンが結合している場合には、該環状シロキサン中に位置していてもよい。この(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは分子中のケイ素原子を、通常、3〜200個、好ましくは4〜100個程度有するものが望ましい。
上記式中、R5で表される脂肪族不飽和結合を有しない非置換または置換の1価炭化水素基は、通常、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜8である。その具体例としては、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基として例示したものが挙げられる。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、好ましくは、さらに下記平均組成式(3):
5 efSiO(4-e-f)/2 (3)
(式中、R5は前記と同じであり、eは0.7〜2.1、fは0.001〜1.0、e+fは0.8〜2.7の数であり、好ましくは、eは1.0〜2.0、fは0.01〜1.0、e+fは1.1〜2.5の数である)
で表される。
その具体例としては、R5HSiO2/2単位(式中、R5は前記と同じである)を分子中に含有し、さらにR5 26SiO1/2単位(式中、R6は前記と同じである)および/またはR5 2SiO2/2単位を任意に含有するものが挙げられる。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、具体的には、例えば、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH3)(H)SiO2/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)(H)SiO2/2単位と(CH3)2SiO2/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)(H)SiO2/2単位と(CH3)2(H)SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)(H)SiO2/2単位と(CH3)2(H)SiO1/2単位と(CH3)2SiO2/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体等が挙げられるほか、より好ましくは、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0004993914
Figure 0004993914
Figure 0004993914
Figure 0004993914
Figure 0004993914
Figure 0004993914

(式中、R5は前記と同じであり、p、qおよびrは、独立に1以上の整数であり、但し、p、qおよびrは、該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度が0.001〜10Pa・s、好ましくは0.01〜5Pa・sとなる整数である)
前記(B)成分および(C)成分の配合量は、該(B)成分および(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数が、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり1〜7個(即ち、該モル比が1〜7)、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個であり、かつ該(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数(またはモル数)が、該(B)成分および(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数(またはモル数)の25〜70%、好ましくは30〜60%、より好ましくは30〜50%となる量である。これらの個数(配合量)がかかる範囲を満たさない場合には、エアーバッグ膨張時の気密性に劣る。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
−(D)付加反応触媒−
(D)成分の付加反応触媒は、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と、前記(B)成分および(C)成分中のSiH基との付加反応を促進するものである。この付加反応触媒は、特に限定されず、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属;塩化白金酸;アルコール変性塩化白金酸;塩化白金酸と、オレフィン類、ビニルシロキサンまたはアセチレン化合物との配位化合物;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物等が挙げられ、好ましくは白金族金属化合物である。
(D)成分の配合量は、触媒としての有効量であればよいが、前記(A)〜(C)成分の合計量に対して、触媒金属元素の質量換算で、好ましくは1〜500ppm、より好ましくは10〜100ppmである。この配合量が少なすぎると付加反応が著しく遅くなったり、組成物が硬化しなかったりすることがあり、この配合量が多すぎると硬化物の耐熱性が低下することがある。
(D)成分の付加反応触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
−(E)微粉末シリカ−
(E)成分の微粉末シリカは、補強剤として作用し、硬化物に高引裂強さを付与するものである。したがって、本成分の使用により、優れた引裂強さを有するコーティング膜を形成することができる。この微粉末シリカは、BET法による比表面積が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは50〜400m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである。かかる比表面積が50m2/g未満の場合には、組成物に十分な引裂強さを付与することができないことがある。
(E)成分の微粉末シリカとしては、BET法による比表面積が上記範囲内であることを条件として、シリコーンゴムの補強性充填剤として従来から使用されてきた公知のものを用いることができる。その具体例としては、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ等が挙げられる。これらの微粉末シリカは、そのまま使用してもよいが、組成物により良好な流動性を付与できることから、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザン等のヘキサオルガノジシラザン;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ジビニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン;トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のメチルクロロシラン等;ケイ素原子に結合したアルケニル基およびケイ素原子に結合した水素原子を有しないジメチルポリシロキサン等の有機ケイ素化合物等で表面疎水化処理することにより、疎水性微粉末シリカとして使用することが好ましい。
本発明に用いられる(E)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して50質量部以下であることが必要であり、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは5〜40質量部である。配合量が少なすぎると、優れた引裂き強度が得られないことがある。配合量が多すぎると、組成物の流動性が低下してコーティング作業が悪くなることがある。
(E)成分の微粉末シリカは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
−(F)接着性付与剤−
(F)成分の接着性付与剤は、エアーバッグ用の合成繊維織物基材、不織布基材、熱可塑性樹脂シート状またはフィルム状基材等に対する組成物の接着性を向上させるためのものである。この接着性付与剤は、組成物の自己接着性を向上させることができるものであれば特に限定されない。例えば、有機ケイ素化合物系接着性付与剤および非ケイ素系有機化合物系接着性付与剤が挙げられる。具体的には、有機ケイ素化合物系接着性付与剤としては、例えば、前記(A)〜(C)成分以外の、オルガノシラン、オルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物からなる接着性付与剤が挙げられ、非ケイ素系化合物系接着性付与剤としては、例えば、有機酸アリルエステル、エポキシ開環触媒または有機チタン化合物からなる接着性付与剤が挙げられる。これらは一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
有機酸アリルエステルは、分子中にケイ素原子を有しないものであって、例えば、一分子中に1個のアルケニル基と少なくとも1個のエステル基を有する有機酸アリルエステルが挙げられる。有機酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸等の不飽和カルボン酸;安息香酸、フタル酸、ピロメリト酸等の芳香族カルボン酸;酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸等の飽和脂肪酸等が挙げられる。これらの有機酸を含む有機酸アリルエステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸等の不飽和カルボン酸等のアリルエステル;安息香酸アリルエステル、フタル酸ジアリルエステル、ピロメリト酸テトラアリルエステル等の芳香族カルボン酸アリルエステル;酢酸アリルエステル、プロピオン酸アリルエステル、酪酸アリルエステル、吉草酸アリルエステル、ラウリン酸アリルエステル等の飽和脂肪酸アリルエステル等が挙げられる。
エポキシ開環触媒は分子中にケイ素原子を有しないものであって、例えば、有機金属キレート、アミン系、アミド系、イミダゾール系、酸無水物系等のエポキシ開環触媒が挙げられる。
有機チタン化合物は、分子中にケイ素原子を有しないものであって、その具体例としては、テトラブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタン、チタニウムステアレート、テトラオクチルオキシチタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコレート、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセトネート、チタニウムラクトネート、これらの縮合反応生成物であるオリゴマーおよびポリマー等が挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、例えば、ケイ素原子に直接結合した、ビニル基、アリル基等のアルケニル基;γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等の、少なくとも1個のエーテル結合性酸素原子を含有してもよいアルキレン基等の炭素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基;γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基等の、アルキレン基等の炭素原子を介してケイ素原子に結合したアクリロキシ基、メタクリロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;エステル構造、ウレタン構造、エーテル構造を1〜2個含有していてもよい、アルキレン基を介してケイ素原子に結合したトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基等のアルコキシシリル基;イソシアネート基;およびSiH基からなる群から選ばれる少なくとも1種、好ましくは2種以上の官能基を有するオルガノシラン、ケイ素原子数3〜100、好ましくは3〜50、より好ましくは5〜20の、前記(A)〜(C)成分以外の、直鎖状または環状のシロキサンオリゴマー、トリアリルイソシアヌレートの(アルコキシ)シリル変性物、そのシロキサン誘導体等が挙げられ、これらの官能基を一分子中に2種以上有するものが好ましい。
このような有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、
Figure 0004993914
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Figure 0004993914
Figure 0004993914
(式中、nは1〜98の整数である。)
Figure 0004993914

等が挙げられる。
(F)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.05〜5質量部であり、好ましくは0.1〜2質量部である。この配合量が少なすぎる場合には、得られる組成物が十分な接着力を有しないことがあり、この配合量が多すぎる場合には、コスト的に高いものとなり、不経済となる。
(F)成分の接着性付与剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
−その他の成分−
本発明の組成物には、前記(A)〜(F)成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の任意の成分を配合することができる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのその他の成分は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
・反応制御剤
反応制御剤は、上記(D)成分の付加反応触媒に対して硬化反応抑制作用を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることもできる。その具体例としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素原子を含有する化合物;硫黄原子を含有する化合物;アセチレンアルコール類等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体等が挙げられる。
反応制御剤の配合量は、反応制御剤の有する硬化反応抑制作用の度合いがその化学構造により異なるため、使用する反応制御剤ごとの最適な量に調整することが好ましい。最適な量の反応制御剤を配合することにより、組成物は室温での長期貯蔵安定性および硬化性に優れたものとなる。
・無機充填剤
無機充填剤としては、例えば、結晶性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機充填剤;これらをオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面疎水化処理した無機充填剤;シリコーンゴムパウダー;シリコーンレジンパウダー等が挙げられる。
・その他の成分
その他にも、例えば、1分子中に1個のケイ素原子に結合した水素原子を有し他の官能性基(例えば、前記有機ケイ素系化合物で列挙した官能基等)を含有しないオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子およびケイ素原子に結合したアルケニル基のいずれも含有しないオルガノポリシロキサン、水や有機溶剤等の溶剤、クリープハードニング防止剤、可塑剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、防かび剤等を配合することができる。
−調製条件−
本発明の組成物の硬化方法および硬化条件としては、公知の硬化方法、条件を採用することができ、通常、120〜180℃において1〜10分の硬化条件とすることができる。
<エアーバッグ>
本発明の組成物は、例えば、エアーバッグ、特にカーテンエアーバッグに用いられることが好ましい。前記組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を有するエアーバッグとしては、公知の構成のものが挙げられ、例えば、該シリコーンゴムコーティング層を形成してなる袋織りタイプのものが挙げられる。このようなエアーバッグの具体例としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、ポリエステル繊維、アラミド繊維、各種ポリアミド繊維、各種ポリエステル繊維等の各種合成繊維の織生地を基布とする袋織りタイプのエアーバッグが挙げられる。
このようなエアーバッグの製造において、前記組成物を前記基布にコーティングする方法としては、常法を採用することができる。コーティング層の厚さ(または表面塗布量)は、乾燥状態で、例えば、10〜150g/m2、好ましくは15〜80g/m2、より好ましくは20〜60g/m2となる程度が好ましい。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら制限されるものではない。なお、部は質量部であり、粘度は25℃における値である。
<実施例1>
粘度が約30,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン60部、ヘキサメチルジシロキサン8部、水2部、およびBET法による比表面積が約300m2/gである微粉末シリカ(商品名:アエロジル300、日本アエロジル社製)40部を、ニーダー中で1時間混合した。その後、ニーダー内の温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。次いで、該温度を100℃まで降温した後、粘度が約30,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン30部を添加し、均一になるまで混合することで、ベースコンパウンド(I)を得た。
このベースコンパウンド(I)68部に、粘度が約5,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン23部、粘度が約1,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン23部、(CH3)3SiO1/2単位39.5モル%と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位6.5モル%とSiO2単位54モル%とからなる三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂5部、主鎖のジオルガノシロキサン単位がビニルメチルシロキサン単位5モル%とジメチルシロキサン単位95モル%とからなり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン3部、粘度が18mPa・sの分子鎖両末端にケイ素原子結合水素原子をジメチルハイドロジェンシロキシ基として1個ずつ有するジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.13質量%)4.1部、粘度が10mPa・sの分子鎖両末端および分子鎖非末端にケイ素原子に結合した水素原子を有する、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.31質量%)4.1部、1−エチニルシクロヘキサノール0.09部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.25部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.28部、およびチタン酸オクチル0.17部を混合して、組成物1を調製した。
なお、組成物1において、前記(B)成分および前記(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数は、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり1.6個であり、該(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数は、該(B)成分および該(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の30%となる量であった。
この組成物1を150℃で5分間加熱して硬化させた後、JIS K 6249に従って、試験シートを作製し、該試験シートを用いて、硬さ、切断時伸びおよび引裂強さの測定を行った。
また、この組成物をコーターで塗りむらなく均一にコーティング可能な最小量となるように、袋織りエアーバッグ基布にコーティングし(80g/m2)、塗工性を確認すると共に、オーブン中で、170℃で1分間加熱して硬化させて袋織りエアーバッグを作製した。このエアーバッグを用いて、気密性試験を行った。気密性試験は、エアーバッグを100kPaの圧力で膨張させ、30秒後の残存圧力を測定し、この値により評価した。
以上で得られた結果は、H/Vおよびリニアー架橋率と共に表1に示す。H/Vとは、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基に対する(B)成分および(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計のモル比である。リニアー架橋率とは、(B)成分および(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比を百分率としたものである。
<実施例2>
実施例1で得られたベースコンパウンド(I)98部に、粘度が約5,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン23部、(CH3)3SiO1/2単位39.5モル%と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位6.5モル%とSiO単位54モル%とからなる三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂4.0部、主鎖のジオルガノシロキサン単位がビニルメチルシロキサン単位5モル%とジメチルシロキサン単位95モル%とからなり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン3部、粘度が18mPa・sの分子鎖両末端にケイ素原子結合水素原子をジメチルハイドロジェンシロキシ基として1個ずつ有するジメチルポリシロキサン(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.13質量%)6部、粘度が20mPa・sの分子鎖非末端にケイ素原子に結合した水素原子を有する、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.72質量%)0.56部、下記構造式:
Figure 0004993914
で表される粘度が3,000mPa・sのオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.035質量%)12部、1−エチニルシクロヘキサノール0.08部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.22部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.2部、チタン酸オクチル0.13部を混合して組成物2を調製した。
なお、組成物2において、前記(B)成分および前記(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数は、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり2.2個であり、該(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数は、該(B)成分および該(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の49%となる量であった。
実施例1と同様にして、試験シートおよび袋織りエアーバッグを作製し、各種測定を行った。これらの結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1で得られたベースコンパウンド(I)78部に、粘度が約5,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン35部、粘度が約1,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン15部、(CH3)3SiO1/2単位39.5モル%と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位6.5モル%とSiO2単位54モル%とからなる三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂5.0部、主鎖のジオルガノシロキサン単位がビニルメチルシロキサン単位5モル%とジメチルシロキサン単位95モル%とからなり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン3部、粘度が12mPa・sの分子鎖両末端および分子鎖非末端にケイ素原子に結合した水素原子を有する、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.55質量%)10部、粘度が50mPa・sの分子鎖非末端にケイ素原子に結合した水素原子を有する、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量=1.12質量%)1.5部、1−エチニルシクロヘキサノール0.09部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.25部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3部、およびチタン酸オクチル0.17部を混合して組成物C1を調製した。
なお、組成物C1において、前記(B)成分および前記(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数は、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり6.2個であり、該(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数は、該(B)成分および該(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の0%となる量であった。
実施例1と同様にして、試験シートおよび袋織りエアーバッグを作製し、各種測定を行った。これらの結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1で得られたベースコンパウンド(I)68部に、粘度が約5,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン23部、粘度が約1,000mPa・sの分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン23部、(CH3)3SiO1/2単位39.5モル%と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位6.5モル%とSiO単位54モル%とからなる三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂5.0部、主鎖のジオルガノシロキサン単位がビニルメチルシロキサン単位5モル%とジメチルシロキサン単位95モル%とからなり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された、粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン3部、粘度が18mPa・sの分子鎖両末端にケイ素原子に結合した水素原子をジメチルハイドロジェンシロキシ基として1個ずつ有するジメチルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子含有量=0.13重量%)2.8部、粘度が10mPa・sの分子鎖両末端および分子鎖非末端にケイ素原子に結合した水素原子を有する、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子に結合した水素原子の含有量=0.31質量%)4.6部、1−エチニルシクロヘキサノール0.09部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.25部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.28部、およびチタン酸オクチル0.17部を混合して、組成物C2を調製した。
なお、組成物C2において、前記(B)成分および前記(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数は、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり1.5個であり、該(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数は、該(B)成分および該(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の20%となる量であった。
実施例1と同様にして、試験シートおよび袋織りエアーバッグを作製し、各種測定を行った。これらの結果を表1に示す。
Figure 0004993914

Claims (3)

  1. (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に平均1個以上有する、25℃における粘度が300〜100,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン: 100質量部、
    (B)下記一般式(2):
    Figure 0004993914

    (式中、R4は独立に脂肪族不飽和結合を有さない、炭素原子数1〜10の非置換またはハロゲン置換の1価炭化水素基であり、nは該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度が0.001〜1.0Pa・sとなる整数である)で表される、分子鎖両末端の各々にのみケイ素原子に結合した水素原子を1個有し、分子中に脂肪族不飽和結合を有しない、25℃における粘度が0.001〜1.0Pa・sである、直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (C)下記平均組成式(3):
    5 efSiO(4-e-f)/2 (3)
    (式中、R5は脂肪族不飽和結合を有さない、炭素原子数1〜10の非置換またはハロゲン置換の1価炭化水素基であり、eは0.7〜2.1の数であり、fは0.001〜1.0の数であり、e+fは0.8〜2.7の数である)
    で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個有し、その内の少なくとも1個は式:R5HSiO2/2(式中、R5は脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の非置換またはハロゲン置換の1価炭化水素基である)で表されるシロキサン単位として存在する、25℃における粘度が0.001〜10Pa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    [但し、該(B)成分および(C)成分の配合量は、該(B)成分および(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数が、該(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり1〜7個であり、かつ該(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数が、該(B)成分および(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の30〜60%となる量である。]
    (D)付加反応触媒: 有効量
    (E)BET法による比表面積が50m2/g以上の微粉末シリカ: 5〜50質量部、および
    (F)接着性付与剤: 0.05〜5質量部
    を含有してなるカーテンエアーバッグ用液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
  2. 前記(B)成分および(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数が、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり1〜5個である請求項に係る組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を硬化してなるゴムコーティング層を有するカーテンエアーバッグ。
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