JP4835849B2 - 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びその製造方法 - Google Patents

液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、流動特性に優れる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、及びその製造方法に関するもので、6,6ナイロン、6ナイロン、ポリエステル等の繊維布にシリコーンのゴムコーティング膜を形成した車両等のエアーバッグ、特に運転席や助手席に装着されるエアーバッグとは異なり、フロントピラーからルーフサイドに沿って収納され、衝突時や車両の転倒時に頭部の保護や飛び出しを防ぐためにエアーバッグの一定膨脹時間を維持することが要求されるカーテンエアーバッグを作製するのに好適な液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、及び該組成物の製造方法に関する。
従来、繊維表面へゴム被膜を形成することを目的としたエアーバッグ用のシリコーンゴム組成物としては以下のものが知られている。
例えば、特開平5−214295号公報(特許文献1)では、付加組成に無機質充填剤とシロキサンレジン、エポキシ基含有ケイ素化合物を添加してなる、基布に対する接着性に優れるエアーバッグ用のシリコーンゴム組成物が開示されている。特開2002−138249号公報(特許文献2)には、付加組成に無機質充填剤、シロキサンレジン、有機チタン化合物及びアルキルシリケートを添加してなる、短時間の加熱硬化で基布に対する接着性に優れるエアーバッグ用のシリコーンゴム組成物が開示されている。特開2001−287610号公報(特許文献3)には、ビニル基含有シロキサンの粘度を8000センチポイズ以下に限定した薄膜コート性に優れたエアーバッグ用のシリコーンゴム組成物が開示されている。特開2001−59052号公報(特許文献4)では、ゴムコーティング組成物にBET法による比表面積が平均150〜250m2/gで、平均粒径が20μm以下である湿式シリカを添加してなる、粘着感の低減したゴムコーティング布用コーティング組成物が報告されている。
しかし、これら組成物はカーテンエアーバッグ用途に使用した場合に、いずれもエアーバッグ用基布に対する均一塗工性に劣るために、インフレーターガスの洩れを抑え、膨脹時間の持続性を満足するものではなかった。
均一塗工性に大きく影響する特性は、組成物のチキソ性である。これは、シリカ表面の活性シラノール基が接着性付与剤等の関与により擬似架橋が生じ、粘度が高くなるためである。
なお、本発明の製造工程に最も関わる特許は、米国特許第4,785,047号明細書(特許文献5)である。該特許にはオルガノポリシロキサンとシリカを混練りする際に、シリカの表面処理剤、ヘキサメチルジシラザンを2段階に分けて使用すると組成物の透明性に効果があることを開示している。しかし、該コンパウンドが接着性付与剤との関わりで生じるチキソ性に関しては全く触れられていない。
特開平5−214295号公報 特開2002−138249号公報 特開2001−287610号公報 特開2001−59052号公報 米国特許第4,785,047号明細書
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、流動特性に優れ、エアーバッグ用基布に対する均一塗工性に優れる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、下記(A)〜(G)成分を必須成分とし、下記に示す第一〜第四工程を経て製造されることにより、流動特性に優れる液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が定常的に得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示す液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びその製造方法を提供する。
〔1〕(A)1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上のシリカ微粉末:10〜30質量部、
(C)シリカ表面処理剤:3〜20質量部、
(D)水:0.5〜5質量部、
(E)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の1分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のオルガノポリシロキサンが有するケイ素原子結合アルケニル基1個当たり、1〜10個となる量、
(F)付加反応触媒:有効量、
(G)接着性付与官能基を含有する有機ケイ素化合物:0.1〜10質量部
を必須成分としてなり、
〔i〕上記(A)成分の一部、(B)成分の全部、(C)成分の一部、及び(D)成分の一部又は全部を130℃未満の温度で混練する第一の工程、
〔ii〕この第一の工程で得られた混合物に、(C)成分の残部、(D)成分の残部、及び必要により(A)成分の残部のうち一部を添加し、130℃未満の温度で混練する第二の工程、
〔iii〕この第二の工程で得られた混合物を130〜200℃で熱処理する第三の工程、及び
〔iv〕この熱処理後の混合物に、(A)成分の第二の工程までの残部と上記(E)〜(G)成分の全量とを混練する第四の工程
を経て製造されてなるものであり、該組成物の粘度を25℃で測定した場合、せん断速度0.9/secでの粘度とせん断速度10/secでの粘度との比が1.4〜2.5の範囲のチキソ比を有するカーテンエアーバッグ用の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
〔2〕(A)1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上のシリカ微粉末:10〜30質量部、
(C)シリカ表面処理剤:3〜20質量部、
(D)水:0.5〜5質量部、
(E)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の1分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のオルガノポリシロキサンが有するケイ素原子結合アルケニル基1個当たり、1〜10個となる量、
(F)付加反応触媒:有効量、
(G)接着性付与官能基を含有する有機ケイ素化合物:0.1〜10質量部
を必須成分とし、
〔i〕上記(A)成分の一部、(B)成分の全部、(C)成分の一部、及び(D)成分の一部又は全部を130℃未満の温度で混練する第一の工程、
〔ii〕この第一の工程で得られた混合物に、(C)成分の残部、(D)成分の残部、及び必要により(A)成分の残部のうち一部を添加し、130℃未満の温度で混練する第二の工程、
〔iii〕この第二の工程で得られた混合物を130〜200℃で熱処理する第三の工程、及び
〔iv〕この熱処理後の混合物に、(A)成分の第二の工程までの残部と上記(E)〜(G)成分の全量とを混練する第四の工程
を含んでなる、該組成物の粘度を25℃で測定した場合、せん断速度0.9/secでの粘度とせん断速度10/secでの粘度との比が1.4〜2.5の範囲のチキソ比を有するカーテンエアーバッグ用の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の製造方法。

本発明によれば、流動性に優れ、車両等に搭載されるエアーバッグを作製するのに好適な液状シリコーンゴムコーティング剤組成物が得られ、この組成物は、エアーバッグ用基布に対する均一塗工性に優れるものである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、この組成物の主剤であり、1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する。(A)成分のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等の通常、炭素数2〜8、好ましくは2〜4程度のものが挙げられ、特に、ビニル基であることが好ましい。
(A)成分中におけるケイ素原子に結合したアルケニル基の結合位置としては、例えば、分子鎖末端及び/又は分子鎖側鎖が挙げられる。
(A)成分のアルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などの、通常、炭素数1〜12、好ましくは1〜10程度の、非置換又はハロゲン置換1価炭化水素基が挙げられ、特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。
なお、(A)成分中のアルケニル基の含有量は、ケイ素原子に結合した1価の有機基(非置換又は置換1価炭化水素基)全体に対して0.001〜10モル%、特に0.01〜5モル%程度であることが好ましい。
このような(A)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状が挙げられるが、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい(なお、ここでのオルガノ基にはアルケニル基も包含し得る。)。
(A)成分の25℃における粘度は、得られるシリコーンゴムの物理的特性が良好であり、また、組成物の取扱作業性が良好であることから、100〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に300〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計等により測定することができる(以下同じ)。
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、式:R1 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R1 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R1 22SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiOで示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R12SiOで示されるシロキサン単位と式:R1SiO1.5で示されるシロキサン単位もしくは式:R2SiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、及びこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上からなる混合物が挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用して用いることができる。
上記式中のR1はアルケニル基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などが挙げられる。また、上記式中のR2はアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、へプテニル基などが挙げられる。
本発明に用いられる(B)成分の微粉末状シリカは、補強剤として作用する。即ち、本発明の組成物に高引裂き性を付与するもので、微粉末状シリカを補強剤として使用することにより、本発明に必要な引裂き強度特性を満足するコーティング膜を形成することが可能となる。かかる微粉末状シリカは、比表面積(BET法)が50m2/g以上、好ましくは50〜400m2/g、特に好ましくは100〜300m2/gであることが必要であり、比表面積が50m2/g未満では、満足するような引裂き強度特性を付与することができない。
本発明において、このような微粉末シリカとしては、比表面積が上記範囲内であることを条件として、従来からシリコーンゴムの補強性充填剤として使用されている公知のものでよく、例えば、煙霧質シリカ、沈降シリカなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明に用いられる(B)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜30質量部であり、特に10〜20質量部とすることが好ましい。配合量が少なすぎると、本発明に必要な強度が得られず、配合量が多すぎると、組成物のチキソ性が大きくなり、流動性が低下してコーティング作業が悪くなる。
(C)成分のシリカ表面処理剤は、(B)成分の表面処理を行い、(B)成分の(A)成分に対する濡れ性、分散性を向上させ、且つ(G)成分による(B)成分の擬似架橋を抑制し、組成物を流動化する役割を担うものである。シリカ表面処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ビニルトリシラザン等のオルガノシラザンや、ジメチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルビニルシラン等のオルガノアミノシランやオルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン等のオルガノシラン類などの有機ケイ素化合物が挙げられる。
この(C)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して3〜20質量部であり、好ましくは5〜15質量部である。添加量が3質量部より少ないと(B)成分の表面処理が十分行えず、20質量部より多いと過剰となり、経済上好ましくない。
(D)成分の水は、上記(C)成分の分解を速め、(B)成分の表面処理速度を増大させる役割を担っている。この(D)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.5〜5質量部であり、好ましくは0.5〜2質量部である。添加量が5質量部より多いと、特性の向上にはそれ以上望めず、シリコーンゴム組成物の熱処理後に水を除去する工程が長くなり、生産上好ましいものではない。また、添加量が少ないと(B)成分の表面処理が十分に行えない。
(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、この組成物の架橋剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiHで示されるヒドロシリル基)を含有する。(E)成分のケイ素原子結合水素原子の結合位置としては、例えば、分子鎖末端及び/又は分子鎖側鎖が挙げられる。(E)成分のケイ素原子に結合する有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられ、特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。
このような(E)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、分岐状が挙げられる。(E)成分の25℃における粘度は、得られるシリコーンゴムの物理的特性が良好であり、また、組成物の取扱作業性が良好であることから、1〜1,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に5〜500mPa・sの範囲内であることが好ましい。
このような(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフエニルポリシロキサン、式:R1 3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R1 2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R1 2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:R1HSiOで示されるシロキサン単位と式:R1SiO1.5で示されるシロキサン単位もしくは式:HSiO1.5で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、及び、これらのオルガノポリシロキサンの2種以上からなる混合物が挙げられる。
上記式中のR1はアルケニル基以外の1価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。
(E)成分の配合量は、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して(E)成分中のケイ素原子結合水素原子が1〜10モルの範囲内となる量であり、好ましくは1〜3モルの範囲内となる量である。(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して(E)成分中のケイ素原子結合水素原子が1モル未満であると、組成物は十分に硬化せず、また、これが10モルを超えると、得られるシリコーンゴムの耐熱性が極端に劣る。
本発明に用いられる(F)成分の付加反応触媒としては、(A)成分中のアルケニル基と(E)成分中のSiH基との付加反応を促進するものであればいかなる触媒を使用してもよい。例えば、白金、パラジウム、ロジウム等や塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属又はこれらの化合物などが使用できるが、特に好ましくは白金系化合物である。
付加反応触媒の配合量は有効量であり、通常、(A)、(B)、(E)成分の合計質量に対して触媒金属元素の量として1〜500ppmの割合であることが好ましく、より好ましくは10〜100ppmの範囲である。配合量が1ppm未満では付加反応が著しく遅くなるか、もしくは硬化しない場合があり、配合量が多すぎると、コスト的に高いものとなり、不経済となる。
本発明に用いられる(G)成分は、エアーバッグ用の合成繊維織物基材、不織布基材、或いは熱可塑性樹脂シート状又はフィルム状基材に対する接着性を向上させるために用いられる成分であり、付加反応型シリコーンゴム組成物に自己接着性を付与する観点から、接着性を付与する官能基を含有するケイ素化合物とするものである。該官能基の具体例としては、ケイ素原子に結合したビニル基、アリル基のようなアルケニル基、炭素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基(例えば、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基など)や(メタ)アクリロキシ基(例えば、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基など)、アルコキシシリル基(例えば、エステル構造、ウレタン構造、エーテル構造を1〜2個含有してもよいアルキレン基を介してケイ素原子に結合したトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基等のアルコキシシリル基など)、SiH基を有するオルガノシラン及びケイ素原子数3〜50、特に5〜20の直鎖状又は環状構造のシロキサンオリゴマーやトリアリルイソシアヌレートの(アルコキシ)シリル変性物やそのシロキサン誘導体などが挙げられる。本発明においては、特に、1分子中にこれらの官能基を2種類以上含有するものが好ましい。このような官能基を含有するケイ素化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 0004835849
(G)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部であり、好ましくは0.1〜5質量部である。0.1質量部未満であると自己接着性を示さず、10質量部を超えると硬化物の物性が低下する。
また、本発明においては、更に(H)成分として縮合触媒を配合することができる。この成分は縮合助触媒として作用するもので、チタニウム化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物が挙げられる。このような成分としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等の有機チタン酸エステル;ジイソプロポキシ(アセチルアセテート)チタン、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセテート)チタン、テトラアセチルアセテートチタン等の有機チタンキレート化合物等のチタン系縮合助触媒;ジルコニウムテトラプロピレート、ジルコニウムテトラブチレート等の有機ジルコニウムエステル;ジルコニウムトリブトキシアセチルアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機ジルコニウムキレート化合物等のジルコニウム系縮合助触媒;アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリ(イソブチレート)等の有機アルミニウムエステル;ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート化合物を例示することができる。これらは1種又は2種以上を併用して用いることができる。
(H)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜2質量部、特に0.2〜1質量部の範囲であることが好ましい。0.1質量部未満であると、高温高湿下での接着耐久性が低下する場合があり、2質量部を超えると硬化物の耐熱性が低下する場合がある。
本発明の組成物において、上記成分以外の任意の成分として、付加反応触媒に対して硬化抑制効果を持つ化合物とされている従来公知の制御剤化合物はすべて使用することができる。このような化合物としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物、トリブチルアミンやテトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物、硫黄含有化合物、アセチレン系化合物、アルケニル基を2個以上含む化合物、ハイドロパーオキシ化合物、マレイン酸誘導体などが例示される。制御剤化合物による硬化遅延効果の度合は、制御剤化合物の化学構造によって大きく異なるため、制御剤化合物の添加量は、使用する制御剤化合物の個々について最適な量に調整することが好ましく、一般には、その添加量が少なすぎると室温での長期貯蔵安定性が得られない場合があり、逆に多すぎるとかえって硬化が阻害されるおそれがある。
その他の任意の成分としては、例えば、結晶性シリカ(通常、比表面積が50m2/g未満)、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機質充填剤、及びこれらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面処理した充填剤等が挙げられる。またシリコーンゴムパウダーやシリコーンレジンパウダーなども挙げられる。
更に、この組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、その他任意の成分として、例えば、官能性基を含有しないオルガノポリシロキサン、有機溶剤、可塑剤、顔料、染料、防かび剤などを配合することもできる。
本発明においては、上記(A)〜(G)成分を必須成分とする液状シリコーンゴム組成物を製造するに際し、
〔i〕(A)成分の一部、(B)成分の全部、(C)成分の一部、及び(D)成分の一部又は全部を130℃未満の温度で混練する第一の工程、
〔ii〕この第一の工程で得られた混合物に、(C)成分の残部、(D)成分の残部、及び必要により(A)成分の残部のうちの一部を添加し、130℃未満の温度で混練する第二の工程、
〔iii〕この第二の工程で得られた混合物を、130〜200℃で熱処理する第三の工程、及び
〔iv〕この熱処理後の混合物に、(A)成分の第二の工程までの残部、上記(E)〜(G)成分、及び必要により(H)成分或いは任意の成分の全量を混練する第四の工程
を採用して、均一塗工性に優れたカーテンエアーバッグ用の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物を製造する。
かかる第一工程において、混練りされるコンパウンド中の(A)成分の割合は、40〜70質量%、特に50〜60質量%の範囲が好ましい。(A)成分が40質量%未満であると混練り中の発熱が大きくなる場合があり、70質量%を超えるとコンパウンド粘度が高くなる場合がある。
また、第一工程において使用される(A)成分の量は、(A)成分の全量に対して20〜60質量%とすることが好ましい。
第一工程において使用される(C)成分の量は、(C)成分の全量に対して通常30〜70質量%、好ましくは40〜60質量%、特に50質量%とすることが好ましい。
なお、(D)成分は全量を第一工程の混練に供することが好ましいが、(C)成分の割合に比例して使用してよい。
この場合、第一工程において、(A)〜(D)成分は130℃未満、好ましくは100℃以下の温度で混練する。特に、外部より加熱する必要はなく、室温(例えば10〜30℃)で混練することができ、混練中に生じる摩擦抵抗による系内の発熱を130℃未満、特に100℃以下に調整することでよい。130℃以上で混練が行われると、(C)成分、(D)成分が揮発し、有効に作用しなくなる。
また、混練時間は特に限定されないが、0.5〜5時間、特に1〜3時間とすることが好ましい。
第二工程は、本発明の特徴をなすもので、第三工程の熱処理前にシリカの分散を均一にすることを目的とするものであり、第一工程にて得られた混練物に、(C)成分の残部及び(D)成分の残部、必要により(A)成分の残部のうちの一部を添加して130℃未満の温度で混練するものである。
(A)成分の残部のうち、第二工程に供されるのは、該残部のうちの0〜20質量%、特に0〜10質量%程度が好ましい。
第二工程も第一工程と同じ理由にて130℃未満、特に100℃以下の温度で混練する必要がある。なお、この場合も、混練を室温にて行うことができる。混練時間は特に限定されないが、0.5〜5時間、特に1〜3時間とすることが好ましい。
第三工程は、(C)成分の分解残渣や(D)成分の除去のための熱処理工程であり、130〜200℃、好ましくは150〜180℃で熱処理する。なお、処理時間は混練り装置及びスケールに大きく依存するもので一概には規定できないが、通常1〜4時間、特に2〜3時間程度が好ましい。
熱処理後は、降温して、通常室温にて(A)成分の第二工程までの残部や(E)成分〜(G)成分、必要によりその他任意の成分の全量を混練する(第四工程)。
この場合の混練時間は特に限定されないが、0.5〜2時間、特に0.5〜1時間とすることが好ましい。
本発明の製造方法において、混練を行うために使用される混練機としては、例えばプラネタリーミキサー、ニーダー等が挙げられるが、特に限定されない。
このようにして得られた本発明のシリコーンゴムコーティング剤組成物は、チキソ比が1.4〜2.5、好ましくは1.5〜2.2の範囲のものである。なお、チキソ比は、該組成物の25℃における粘度を、Haake社製のロトビスコRV1装置にて測定したせん断速度0.9/secでの粘度(I)と、せん断速度10/secでの粘度(II)との比((II)/(I))である。
上記コーティング剤組成物の硬化方法、条件としては、公知の硬化方法、条件を採用することができ、通常、120〜180℃において1〜10分の硬化条件とすることができる。
本発明の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物は、繊維布に該組成物のゴムコーティング膜を形成した車両等のエアーバッグ布用のゴムコーティング剤組成物として有用であり、特には、運転席や助手席に装着されるエアーバッグとは異なり、フロントピラーからルーフサイドに沿って収納され、衝突時や車両の転倒時に頭部の保護や飛び出しを防ぐためにエアーバッグの一定膨脹時間を維持することが要求されるカーテンエアーバッグを作製するのに好適である。
本発明において、上記組成物によるシリコーンゴムのコーティング層が形成されるエアーバッグとしては、公知の構成のものが用いられ、具体的には6,6ナイロン、6ナイロン、ポリエステル繊維、アラミド繊維、各種ポリアミド繊維、各種ポリエステル繊維などの各種合成繊維の織生地を基布とする、内面にゴムコーティングされた2枚の平織り基布の外周部同士を接着剤で張り合わせ、且つその接着剤層を縫い合わせて作製されているタイプ(以後、平織りタイプと略す)、織りにより袋部を形成した袋織りタイプのエアーバッグが挙げられる。
このようなエアーバッグに対し、上記組成物をコーティングする方法は、常法を採用することができるが、コーティング層の厚さ(又は表面塗布量)は、例えば10〜150g/m2、好ましくは15〜80g/m2、より好ましくは20〜60g/m2程度とすることが好ましい。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、室温は20±10℃を意味する。
[実施例1]
分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるシリカ微粉末(Aerosil 300、日本アエロジル社製)40質量部をニーダー中に投入し、室温にて1時間混合した。更に、ヘキサメチルジシラザン8質量部を投入し、室温にて1時間混合した。その後温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。
この後、室温まで降温して分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン24質量部、ビニルメチルシリル基単位を5モル%含有し、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部を添加して均一になるまで混合し、ベースコンパウンド(I)を得た。
このベースコンパウンド(I)の128質量部に、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン62質量部、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、25℃での粘度が約100,000mPa・sのジメチルポリシロキサン70質量部、25℃における粘度が5mPa・sの分子鎖側鎖にケイ素原子結合水素原子を有するジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量=1.45質量%)3.3質量部、1−エチニルシクロヘキサノール0.22質量部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.6質量部、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン0.55質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.35質量部、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート0.8質量部を室温にて混合して組成物Aを調製した。
この組成物を150℃/5分でプレスキュアーし、次に150℃/1時間ポストキュアーを行うことで、JIS K 6249に従ってシートを作製し、硬度、引張り強度、切断時伸び、引裂き強度を測定した。
また下記の測定・評価方法に従って、チキソ比、塗工性を評価し、インフレーション試験を行った(以下、一般物性、チキソ比、塗工性、及びインフレーション試験の測定・評価を単に「特性の評価」という)。得られた結果を表1に示す。
[実施例2]
分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるシリカ微粉末(Aerosil 300、日本アエロジル社製)40質量部をニーダー中に投入し、室温にて1時間混合した。更に、ヘキサメチルジシラザン12質量部を投入し、室温にて1時間混合した。その後温度を150℃に昇温し、引き続き3時間混合した。
この後、室温まで降温して分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン24質量部、ビニルメチルシリル基単位を5モル%含有し、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部を添加して均一になるまで混合し、ベースコンパウンド(II)を得た。
このベースコンパウンド(II)の128質量部に、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、25℃での粘度が約1,000mPa・sのジメチルポリシロキサン15質量部、分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、25℃での粘度が約10,000mPa・sのジメチルポリシロキサン37質量部、25℃における粘度が50mPa・sの分子鎖側鎖にケイ素原子結合水素原子を有するジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量=1.08質量%)6.4質量部、1−エチニルシクロヘキサノール0.12質量部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するジメチルポリシロキサン溶液0.38質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.4質量部、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート0.8質量部を室温にて混合して組成物Bを調製した。
実施例1と同じにして、組成物Bから作製した試験シートを用いて、その特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部、ヘキサメチルジシラザン16質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるシリカ微粉末(Aerosil 300、日本アエロジル社製)40質量部をニーダー中に投入し、室温にて1時間混合した。その後温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。
この後、室温まで降温して分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン24質量部、ビニルメチルシリル基単位を5モル%含有し、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部を添加して均一になるまで混合し、ベースコンパウンド(III)を得た。
このベースコンパウンド(III)を128質量部使用した以外は実施例1に従って組成物(C)を調製した。
実施例1と同じにして、組成物Cから作製した試験シートを用いて、その特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
<測定・評価方法>
1.チキソ比
組成物の25℃における粘度を、Haake社製のロトビスコRV1装置にて、直径20mmのコーンプレート(アングル:2deg)を使用し、ギャップ0.1mmにて、せん断速度0.9/secでの粘度を測定した後にせん断速度10/secでの粘度を測定し、チキソ比を算出した。
チキソ比=(せん断速度10/secでの粘度)/(せん断速度0.9/secでの粘度)
2.塗工性
袋織りタイプのエアーバッグへのコーティングは、コーターを用いて、調製した組成物が塗工ムラなく均一に、かつ該組成物の使用量が最小となるように行った。この際に塗工性を肉眼で確認し、塗りムラなく均一に塗工できた場合を「良」と評価して「○」で示し、塗りムラが生じ均一に塗工できなかった場合を「不良」と評価して「×」で示す。その後、組成物をコーティングしたエアーバッグをオーブンに入れ、170℃で1分間加熱することにより硬化させ、袋織りエアーバッグを作製した。
3.インフレーション試験
上記「塗工性」において作製した袋織りタイプのエアーバッグに対して、空気圧を690kN/m2で3秒間吹き込むことにより、該エアーバッグを瞬間的に膨らませ、その気密性を肉眼で観察した。ゴムコーティング層に剥がれが認められない場合を「良」と評価して「○」で示し、ゴムコーティング層に剥がれが認められた場合を「不良」と評価して「×」で示す。
Figure 0004835849

Claims (4)

  1. (A)1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)比表面積が50m2/g以上のシリカ微粉末:10〜30質量部、
    (C)シリカ表面処理剤:3〜20質量部、
    (D)水:0.5〜5質量部、
    (E)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の1分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のオルガノポリシロキサンが有するケイ素原子結合アルケニル基1個当たり、1〜10個となる量、
    (F)付加反応触媒:有効量、
    (G)接着性付与官能基を含有する有機ケイ素化合物:0.1〜10質量部
    を必須成分としてなり、
    〔i〕上記(A)成分の一部、(B)成分の全部、(C)成分の一部、及び(D)成分の一部又は全部を130℃未満の温度で混練する第一の工程、
    〔ii〕この第一の工程で得られた混合物に、(C)成分の残部、(D)成分の残部、及び必要により(A)成分の残部のうち一部を添加し、130℃未満の温度で混練する第二の工程、
    〔iii〕この第二の工程で得られた混合物を130〜200℃で熱処理する第三の工程、及び
    〔iv〕この熱処理後の混合物に、(A)成分の第二の工程までの残部と上記(E)〜(G)成分の全量とを混練する第四の工程
    を経て製造されてなるものであり、該組成物の粘度を25℃で測定した場合、せん断速度0.9/secでの粘度とせん断速度10/secでの粘度との比が1.4〜2.5の範囲のチキソ比を有するカーテンエアーバッグ用の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
  2. シリカ表面処理剤が、ヘキサメチルジシラザンであることを特徴とする請求項1に記載の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
  3. 更に、(H)チタニウム化合物、ジルコニウム化合物及びアルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の縮合触媒を添加する請求項1又は2に記載の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物。
  4. (A)1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)比表面積が50m2/g以上のシリカ微粉末:10〜30質量部、
    (C)シリカ表面処理剤:3〜20質量部、
    (D)水:0.5〜5質量部、
    (E)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の1分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分のオルガノポリシロキサンが有するケイ素原子結合アルケニル基1個当たり、1〜10個となる量、
    (F)付加反応触媒:有効量、
    (G)接着性付与官能基を含有する有機ケイ素化合物:0.1〜10質量部
    を必須成分とし、
    〔i〕上記(A)成分の一部、(B)成分の全部、(C)成分の一部、及び(D)成分の一部又は全部を130℃未満の温度で混練する第一の工程、
    〔ii〕この第一の工程で得られた混合物に、(C)成分の残部、(D)成分の残部、及び必要により(A)成分の残部のうち一部を添加し、130℃未満の温度で混練する第二の工程、
    〔iii〕この第二の工程で得られた混合物を130〜200℃で熱処理する第三の工程、及び
    〔iv〕この熱処理後の混合物に、(A)成分の第二の工程までの残部と上記(E)〜(G)成分の全量とを混練する第四の工程
    を含んでなる、該組成物の粘度を25℃で測定した場合、せん断速度0.9/secでの粘度とせん断速度10/secでの粘度との比が1.4〜2.5の範囲のチキソ比を有するカーテンエアーバッグ用の液状シリコーンゴムコーティング剤組成物の製造方法。
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