JP2006241365A - 導電性接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】IC等の半導体素子およびチップ抵抗、チップLED等のチップ部品をリ−ドフレ−ムや放熱板等に接着する際に使用され、フレキシブルプリント基板(FPC基板)に対応しうる応力緩和性を備え、かつ導電性、接着性、耐熱性、耐湿性、可燒性、作業性に優れた硬化物を与えることができる導電性接着剤を提供する。
【解決手段】導電性フィラー(A)と、樹脂バインダー(B)と、有機溶剤(C)とを含む導電性接着剤において、樹脂バインダー(B)は、エポキシ樹脂(b1)を主成分とし、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(b2)を含有していることを特徴とする導電性接着剤などによって提供。導電性フィラー(A)としては銀粉が好ましく、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(b2)としては特定の構造を有する熱可塑性樹脂が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は導電性接着剤に関し、より詳しくは、IC等の半導体素子およびチップ抵抗、チップLED等のチップ部品をリ−ドフレ−ムや放熱板等に接着する際に使用され、フレキシブルプリント基板(FPC基板)に対応しうる応力緩和性を備え、かつ導電性、接着性、耐熱性、耐湿性、可燒性、作業性に優れた硬化物とすることができる導電性接着剤に関するものである。
近年、半導体素子やチップ部品を組込んだ電子製品は、高性能かつ小型化しており、部品などの実装には高密度化、小型化、さらに低価格化が求められている。また、部品が実装される基板の材料は多種多様になり、3次元曲面も簡単に作られるポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等、フレキシビリティのあるプラスティック製のフレキシブルプリント基板(FPC基板)が用いられる機会が多くなっている。
このようなFPC基板に部品を実装する際には、基板の耐熱性が低いことから、ハンダによる場合では使用しうる基板が限られていたが、硬化温度が低い導電性接着剤を使うことにより、多くの種類の基板を適用できるという利点から、導電性接着剤の使用が主流になりつつある。導電性接着剤には、導電性、接着性はもとより、耐熱性、応力緩和性、可撓性、作業性、耐湿性などの特性が要求されている。
導電性接着剤は、一般的に導電性粉体、有機樹脂(バインダー)、溶剤、触媒などから構成される。導電性粉体には金、銀、銅、カーボン等が用いられ、有機樹脂にはエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられている。触媒は、熱硬化性樹脂の熱硬化反応を促進するものであり、溶剤は、前記有機樹脂と相溶性のあるものが使用されている。
しかし、導電性接着剤において、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いた場合、FPC基板に対応できる応力緩和性が無く、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いた場合、応力緩和性はあるが耐熱性が弱い等の欠点がある。
このようなことから、有機樹脂を改良して熱硬化性有機バインダーにポリビニルアセタールを混合することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ここに開示された導電性ペーストは、回路基板の電磁波ノイズ対策用もしくは回路基板の配線用導体などとしては十分な密着性と導電性を有するが、FPC基板に対応しうるほどの応力緩和性を発揮するものではなかった。
また、熱硬化性有機バインダーとして、末端がカルボキシル化又はアミノ化されたブタジエン−ニトリル共重合ゴムで変性されたエポキシ樹脂に、付加反応型シリコーン樹脂を混合することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。ところが、こうして得られた導電性ペーストは、比較的剛直な回路基板に対しては十分な接着強度と導電性を有し保存安定性を備えているが、ポリエステルなどの柔軟なFPC基板では満足すべき応力緩和性が得られなかった。
このような状況下、チップ部品などをFPC基板に実装する際に、応力緩和性と耐熱性の両特性を発揮する有機樹脂を含んだ導電性接着剤が強く望まれている。
特開平4−139267号公報 特開平5−314812号公報
本発明の目的は、IC等の半導体素子およびチップ抵抗、チップLED等のチップ部品をリ−ドフレ−ムや放熱板等に接着する際に使用され、FPC基板に対応しうる応力緩和性を備え、かつ導電性、接着性、耐熱性、耐湿性、可撓性、作業性に優れた硬化物とすることができる導電性接着剤を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、導電性フィラーである銀粉と、20℃で液状のエポキシ樹脂からなる有機バインダーと、有機バインダーを希釈する溶剤とを含んだ導電性接着剤をベースとして、この有機バインダー中にスチレン−主鎖がエポキシ化されたブタジエン−スチレン共重合体を配合させることで、接着強度や電気抵抗等の諸特性を損なうことなく、応力緩和性を発揮させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、導電性フィラー(A)と、樹脂バインダー(B)と、有機溶剤(C)とを含む導電性接着剤において、樹脂バインダー(B)は、エポキシ樹脂(b1)を主成分とし、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(b2)を含有していることを特徴とする導電性接着剤が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、導電性フィラー(A)が、銀粉であることを特徴とする、導電性接着剤が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、導電性フィラー(A)の含有量が、組成物全体に対して70〜85重量%であることを特徴とする、導電性接着剤が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、エポキシ樹脂(b1)が、20℃で液状であることを特徴とする、導電性接着剤が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(b2)が、下記一般式(1)で表される熱可塑性樹脂であることを特徴とする導電性接着剤が提供される。なお、式(1)中、m、nは各ブロックの構成比であって、n=1としたとき、m=0.1〜20である。
Figure 2006241365
また、本発明の第6の発明によれば、第1又は5の発明において、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(b2)の含有量が、樹脂バインダー(B)に対して25重量%以下であることを特徴とする、導電性接着剤が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、樹脂バインダー(B)の含有量が、組成物全体に対して4〜30重量%であることを特徴とする、導電性接着剤が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1の発明において、有機溶剤(C)の含有量が、組成物全体に対して1〜20重量%であることを特徴とする、導電性接着剤が提供される。
本発明の導電性接着剤は、IC等の半導体素子、あるいはチップ抵抗、チップLED等のチップ部品とリ−ドフレ−ムや放熱板等の接着に用いることで、可撓性が得られるため、柔軟性のある基板上にも接着でき、かつ導通の安定性、高い接着強度を確保することができる。また、樹脂バインダーを構成する双方の樹脂(エポキシ樹脂とエポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体)が実装作業時に反応するために、高い熱時強度も得られる。
以下、本発明の導電性接着剤について詳細に説明する。
1.導電性接着剤
本発明の導電性接着剤は、導電性フィラー(A)と、樹脂バインダー(B)と、有機溶剤(C)とを含む導電性接着剤において、樹脂バインダー(B)は、エポキシ樹脂(b1)を主成分とし、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(b2)を含有していることを特徴とする。
(A)導電性フィラー
導電性フィラーは、本発明において必須成分であり、例えば銀、金、銅、カーボンなど導電性を有する金属粉末などである。これらの形状は特に制限されず、フレーク状、球状、あるいは不定形状でよい。
本発明における導電性を有する金属粉末のなかでは、特に銀粉が好ましい。銀粉には、鱗粉状(フレーク状)と球状の単体、又は、これらの混合物を用いることができる。球状銀粉とフレーク状銀粉との混合物を配合した導電性接着剤であれば、印刷性に優れるだけでなく、接着膜の電気抵抗(シート抵抗値)を例えば300mΩ以下に低下できる場合がある。
銀粉は、通常、鉛を含まない純粋な銀を用いるが、スズ、ビスマス、インジウム、パラジウムなどとの合金を採用してもよい。ただし、これらスズなどの第二成分は5重量%以下であることが望ましい。
銀粉の平均粒径は、特に制限されないが、例えば、半導体等の回路基板用であれば、平均粒径は30μm以下、好ましくは20μm以下、特に5μm以下が望ましい。細かい球状銀粉を用いると、チクソ比が上昇するので、印刷機には適したものとなるが、自動塗布装置には不向きである。しかし、球状銀粉に鱗粉状銀粉を混合すると、チクソ比は適度に下がり、自動塗布装置に適した導電性接着剤になる。よって、導電性接着剤の塗布方法によって銀粉を適宜選択することが好ましい。
また、銀粉など導電性フィラーの配合割合は、組成物全量に対して70〜85重量%の範囲内に設定される。銀粉が70重量%未満であると十分な電気伝導性を得ることができず、85重量%を超えると接着強度が著しく低下し、接着剤としての役割を果たさなくなる。好ましい銀粉の配合割合は、72〜83重量%、特に75〜80重量%の範囲である。
(B)樹脂バインダー
樹脂バインダーは、本発明において上記導電性フィラーを分散して基板などに接着し、硬化物を形成するために用いられる必須成分である。本発明においては、エポキシ樹脂(b1)を主成分として、これにエポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(b2)が含有される。
また、樹脂バインダーの配合割合は、組成物全量に対して4〜30重量%の範囲内に設定される。樹脂バインダーが4重量%未満であると十分な接着性を得ることができず、30重量%を超えると電気伝導性が著しく低下してしまう。特に好ましい樹脂バインダーの配合割合は、10〜25重量%の範囲である。
(b1)エポキシ樹脂
本発明においてエポキシ樹脂には、公知のエポキシ樹脂全てが使用でき、特に制限はない。エポキシ樹脂としては、例えば、主に電子材料の注型や接着に使用されているビスフェノールAジグリシジルエーテルをはじめ、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチルカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等の構造を有するエポキシ樹脂が挙げられる。形状は常温で固体のものでも使用できるが、導電性接着剤であるために20℃で液状のものが望ましい。また、これらのエポキシ樹脂は、単独でも複数種を混合して用いても差し支えない。
また、接着の対象が電子材料であれば、塩素イオンをはじめとするイオン性不純物などが800ppm以下であることが望ましい。また、これらのエポキシ樹脂は、単独でも複数種を混合して用いても差し支えない。なお、エポキシ樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲内で、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など公知の熱硬化性樹脂を配合してもよい。
エポキシ樹脂の硬化剤(硬化促進剤)としては、加熱時(60〜300℃)にエポキシ樹脂と速やかに硬化反応を起こし、かつ室温で長期間の貯蔵安定性を満足できるものであれば特に制限はない。
一般的には、イミダゾール類の2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールや、フェノールノボラック化合物、ジシアンジアミド、酸無水物系のテトラヒドロメチル無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、ルイス酸錯体のBF塩等を用いることができる。これらは単独でも複数種混合して用いても良い。これらの硬化剤(硬化促進剤)は、種類によって性能が異なるので、添加量を規定できないが、エポキシ樹脂と化学量論組成を勘案して適宜決定される。
例えば、エポキシ樹脂と2−エチル−4−メチルイミダゾールの硬化反応は、下記化学反応式で表されることが知られており、2−エチル−4−メチルイミダゾールを単独で硬化(促進)剤として用いる場合、その量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、2〜6重量部が適しているとされている。この他に、本発明では硬化促進作用が認められるもの、例えば、アミン塩、ブロックイソシアネ−ト等も使用できる。
Figure 2006241365
(b2)エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体
本発明に用いるエポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(以下、単に共重合体ともいう)は、ハードセグメントがビニル芳香族化合物の重合体ブロックで、ソフトセグメントがジエン成分の重合体ブロックであるスチレン系熱可塑性エラストマーであり、ソフトセグメントのジエン成分に含まれる不飽和二重結合をエポキシ化したものである。
共重合体のハードセグメントを構成するビニル芳香族化合物としては、スチレンが好ましいが、そのほかに、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−ジフェニルスチレン等が挙げられ、これらから1種または2種以上が選択できる。
また、共重合体のソフトセグメントを構成するジエン化合物としては、ブタジエンが好ましいが、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、このうち1種、または2種以上が選ばれる。そして、共重合体のジエン部分に含まれる不飽和二重結合の少なくとも一部がエポキシ化されている。さらに、ジエン部分の不飽和結合は、部分的に水素添加したものでもよい。
共重合体の分子構造は、通常、直鎖状であるが、分岐状、放射状であってもよい。ビニル芳香族化合物を主体とするハードセグメントを重合体ブロック(X)とし、ジエン化合物(ブタジエン)を主体とするソフトセグメントを重合体ブロック(Y)とすれば、直鎖状のエポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体の基本骨格は、X−Y−Xの構造で示すことができる。
ビニル芳香族化合物とジエン化合物の重量比、すなわち共重合体を構成する各重合体ブロックの重量比(X/Y)は、5/95〜90/10であり、特に10/90〜80/20の重量比が好ましい。ブロックXが5重量%未満で、ブロックYが95重量%を超えた場合には、結晶性のブロックセグメントが不足し、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体とエポキシ樹脂によってもたらされる硬化物の強度が低下するために好ましくない。また、ブロックXが90重量%を超え、ブロックYが10重量%未満の場合には、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体の硬度が上昇し、硬化物の基板に対する応力緩和性が改善されないので好ましくない。
また、共重合体の数平均分子量は、5,000〜500,000、好ましくは10,000〜300,000の範囲であり、分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は10以下である。
エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体の主鎖のエポキシ基は、導電性接着剤として基板に塗布されて加熱されると、上記エポキシ樹脂に配合された硬化剤と反応して、硬化物を形成する。樹脂バインダーが硬化しても、共重合体のソフトセグメントは、エポキシ樹脂硬化物中で柔軟性を維持する。
このためには共重合体のエポキシ当量は、200〜10,000であり、好ましくは300〜5,000の範囲であることが望ましい。この範囲は、共重合体中のエポキシ基の量が、共重合体を構成するジエン分子に対して、2〜90%、好ましくは5〜70%となる量である。エポキシ基の量が2%未満では、エポキシ樹脂と相溶せず相分離が起こることがあり、しかもソフトセグメントとしての機能が期待できなくなる。一方、エポキシ基の量が90%を超えるものは、共重合体の合成時にゲル化などの副反応を起こすことがあり好ましくない。
本発明において好ましい共重合体は、下記一般式(1)で表されるスチレン主鎖がエポキシ化されたブタジエン−スチレン共重合体である。式(1)中、m、nは各ブロックの構成比であって、n=1としたとき、m=0.1〜20である。特に、n=1としたとき、m=0.5〜15であることが好ましい。
Figure 2006241365
上記好ましい共重合体としては、例えば、ダイセル化学工業株式会社で製造されているスチレン系熱可塑性エラストマー、商品名:エポフレンドAT501、エポフレンドCT310などが挙げられる。これは、耐衝撃性改良剤、相溶化剤などの樹脂改質剤として、あるいはゴム系接着剤の代替、ホットメルト接着剤などとして知られている。
エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体の含有量は、樹脂バインダー(B)に対して25重量%以下であることが望ましい。エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体の量が25重量%を超えると、十分な接着強度を得ることができなくなる。ただし、共重合体が5重量%未満であると所望の応力緩和性が得られない場合がある。特に好ましい共重合体の量は、5〜20重量%である。
(C)有機溶剤
本発明において有機溶剤は、希釈剤として機能する成分であり、導電性接着剤の印刷性、塗布性を向上させるために樹脂バインダーに配合される。
この有機溶剤は、エポキシ樹脂とエポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体との双方に相溶性があるものが好ましいが、エポキシ樹脂又はエポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体のいずれかと相溶性があり、しかも互いの溶剤同士に相溶性があるものの混合物でもよい。例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル(別名ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−ヒドロオキシプロパン酸エチル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。そのほかに、エポキシ樹脂の溶剤として使われるモノエポキシ化合物も使用できる。
有機溶剤は、全量に対して1〜20重量%、特に3〜10重量%配合する。有機溶剤が1重量%未満であると導電性接着剤の粘度が高くなって、印刷性、塗布性を悪化させる場合があり、逆に、20重量%を超えて配合すると粘度が低すぎて、印刷時および塗布時にダレや接着力の低下などを引き起こすことがある。
2.導電性接着剤の調製
本発明の導電性接着剤は、導電性フィラー(A)、エポキシ樹脂(b1)とエポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(b2)とを混合した樹脂バインダー(B)、及び有機溶剤(C)を用意し、これを混合し均一に混練することで製造される。
各成分を混合するには、例えば、セラミック製3本ロール型混練装置など公知の混練装置を用いて、比較的低温で均一な組成物が得られるまで攪拌すればよい。硬化剤、硬化促進剤の種類にもよるが、50℃を超える温度ではエポキシ樹脂の硬化反応が進行してしまう。
この接着剤を使用する方法は、特に限定されず、樹脂バインダー中の硬化剤の種類によっても異なるが、例えば、基板の上にこの接着剤組成物を塗布し、半導体チップなどの部品を載せてから、50〜300℃のオーブン中に20〜180分間放置し硬化させればよい。50℃未満或いは20分間未満では接着剤の硬化が不十分となり、一方、300℃を超えるか180分間を超えると樹脂成分が分解する恐れが生じる。
以下に、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例1〜8、比較例1〜4の各試料は、次の材料を混合し混練して調製した。得られた導電性接着剤の試料は、下記に示す方法で評価を行った。
[材料]
(A)導電性フィラー(銀粉)
鱗粉状銀粉(商品名:TC−25A、株式会社徳力化学研究所製、平均粒径:1.45μm)
(B)樹脂バインダー
(b1)エポキシ樹脂
ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テル型エポキシ樹脂(商品名:エピコート828、ジャパンエポキシレジン株式会社製)
(b2)エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体
(商品名:エポフレンドAT501、ダイセル化学工業株式会社製、エポキシ当量約1000)
(C)有機溶剤
(c1)トリエチレングリコールジメチルエーテル(鹿特級、関東化学株式会社製)、 (c2)2−n−ブトキシエタノール(鹿特級、関東化学株式会社製)
(c3)グリシジルフェニルエーテル(鹿1級、関東化学株式会社製)
[試料の評価]
(1)シ−ト抵抗値の測定
アルミナ基板上の2mm離れた電極間に、該電極に重ねて幅2mm、長さ5mmの長方形状に導電性接着剤をスクリーン印刷で塗布した。150℃のオ−ブン中に30分間放置して試料(導電性接着剤)を硬化させ、室温まで冷却し電極間の抵抗値を測定した。10点測定した平均値が、500mΩ未満であれば良(○)とし、500mΩ以外であれば不可(×)とした。
(2)接着強度の測定
2.5cm角の銅基板上に試料(導電性接着剤)をスクリーン印刷で塗布した。1.5mm角のシリコンチップを載せ、150℃のオ−ブン中に30分間放置して導電性接着剤を硬化させ、室温まで冷却した。その後、基板に対し、水平方向からシリコンチップに力を加え、シリコンチップがはがれたときの力を接着強度として測定した。10点測定した平均値が25N(ニュートン)以上であれば良(○)とし、25N未満であれば不可(×)とした。
(3)耐熱強度の測定
2.5cm角の銅基板上に試料(導電性接着剤)をスクリーン印刷で塗布した。1.5mm角のシリコンチップを載せ、150℃のオ−ブン中に30分間放置して導電性接着剤を硬化させ、室温まで冷却した。その後、260℃に加熱してあるホットプレ−ト上に上記基板を30秒間放置し、加熱しながら基板に対し、水平方向からシリコンチップに力を加え、シリコンチップが剥がれたときの力を耐熱強度として測定した。10点測定した平均値が5N以上であれば良(○)とし、5N未満であれば不可(×)とした。
(4)応力緩和性
5cm角のポリエステル製のフレキシブル基板上に試料(導電性接着剤)を2.5mm離して2カ所塗布し、その上にチップ抵抗を接着し、180℃のオーブン中に60分間放置し、硬化した。その後室温に戻し、断面の円の半径が10mmの円筒上に上記ポリエステル基板を徐々に巻き付け、その際にチップ抵抗が該ポリエステル基板から全く剥がれなかったら良(○)、1カ所でも剥がれたら不可(×)とした。
(5)総合評価
上記の4項目がすべて良(○)であれば合格(○)とし、1つでも条件が満たさないものは不合格(×)とした。
(実施例1〜8)
前記の銀粉成分、エポキシ樹脂成分、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体成分及び有機溶剤成分を原料として用い、表1中の重量割合に従って配合し、接着剤組成物を調製し、3本ロール型混練機を使用して混練し、本発明の導電性接着剤を得た。なお、エポキシ樹脂には、硬化剤として、ノボラック型フェノール樹脂、その他に硬化促進剤として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾ−ルを配合した。
得られた接着剤組成物を試料として、前記の方法で、シート抵抗値、接着強度、耐熱強度を測定し、応力緩和性を判定し総合評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例1〜4)
エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体成分を用いないか増量し、あるいは銀粉成分の配合量を実施例よりも減らすか増やした以外は上記実施例と同様にして、表2中の重量割合に従って各成分を配合し、比較用の導電性接着剤を得た。
得られた接着剤組成物を試料として、前記の方法で、シート抵抗値、接着強度、耐熱強度を測定し、応力緩和性を判定し総合評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2006241365
Figure 2006241365
Figure 2006241365
Figure 2006241365
「評価」
比較例1は、銀粉の配合量が70重量%と少なかったためにシート抵抗値が大きくなってしまい、比較例4は、銀粉の配合量が90重量%と多すぎたためにシート抵抗値は小さくなったが、接着強度、耐熱強度が低下してしまい、いずれも導電性接着剤として使用できないものとなった。
また、比較例2は、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体成分を配合しなかったために、応力緩和性が不合格となり、比較例3は、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体成分の量を多くしすぎたために、接着強度、耐熱強度が低下してしまい、いずれも導電性接着剤として使用できないものとなった。
これに対して、実施例1〜8は、銀粉、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体成分はじめ、各成分の配合量が本発明の範囲であるため、シート抵抗値、接着強度、耐熱強度、応力緩和性のいずれも良好であり、総合評価も優れた導電性接着剤となった。

Claims (8)

  1. 導電性フィラー(A)と、樹脂バインダー(B)と、有機溶剤(C)とを含む導電性接着剤において、
    樹脂バインダー(B)は、エポキシ樹脂(b1)を主成分とし、エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(b2)を含有していることを特徴とする導電性接着剤。
  2. 導電性フィラー(A)が、銀粉であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
  3. 導電性フィラー(A)の含有量が、組成物全体に対して70〜85重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性接着剤。
  4. エポキシ樹脂(b1)が、20℃で液状であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
  5. エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(b2)が、下記一般式(1)で表される熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤。
    Figure 2006241365
    (式中、m、nは各ブロックの構成比であって、n=1としたとき、m=0.1〜20である。)
  6. エポキシ化ブタジエン−スチレン共重合体(b2)の含有量が、樹脂バインダー(B)に対して25重量%以下であることを特徴とする、請求項1又は5に記載の導電性接着剤。
  7. 樹脂バインダー(B)の含有量が、組成物全体に対して4〜30重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
  8. 有機溶剤(C)の含有量が、組成物全体に対して1〜20重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着剤。
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