JP2006240792A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 搬送ベルトの送り制御をロータリエンコーダで行なうと、駆動ローラのバラツキ、搬送ベルトの速度変動に影響を受けて、停止位置精度が変動し、画質が劣化する。
【解決手段】 搬送ベルト31に、スリット82を所定間隔で形成した符号発生領域81Aとスリット82の間隔より広い符号非発生領域82Bとを有するエンコーダスケール81を設け、このエンコーダスケール81とスリット82を検出エンコーダセンサ83でリニアエンコーダ84を構成し、リニアエンコーダ84の出力パルスに基づいて印字改行位置を指定しながら搬送ベルト31の移動及び停止を制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に搬送ベルトで用紙を搬送する画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、プリンタ/ファックス/複写機複合機等の各種画像形成装置としては、記録液(例えばインク)の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッドをキャリッジに搭載して、このキャリッジを用紙(材質を紙に限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、記録紙、転写材などとも称されるものを含む意味である。)の搬送方向に対して直交する方向にシリアルスキャンさせるとともに、被記録媒体を記録幅に応じて間歇的に搬送し、搬送と記録を交互に繰り返すことによって被記録媒体に画像を形成(記録、印刷、印字、印写も同義で使用する。)するシリアル型画像形成装置、あるいは、用紙幅相当の長さを有するライン型記録ヘッドを備えたライン型画像形成装置がある。
このようなシリアル型の画像形成装置において、記録ヘッドから記録液の液滴を用紙上の所定の位置に吐出して高画質な画像を形成するためには、用紙を高精度に停止させることが重要である。
そこで、例えば特許文献1には、記録媒体を印字部に搬送する搬送ベルトの縁に沿って設けられたスケール部と、スケール部を読み取るエンコーダセンサとを有し、スケール部は等間隔に設けられたスリットを有する符号発生領域と符号発生部の間に設けられた非符号符号発生領域を有し、エンコーダセンサでスケール部の符号発生部に設けたスリットを検出して出力するパルス数により印字開始位置を指定することを特徴とするインクジェット記録装置が記載されている。
特開2004−17505号公報
また、特許文献2には、搬送ベルトの全周に設けた等間隔のスリットとスリットの間隔を読み取るセンサを有するリニアエンコーダを設け、このエンコーダの信号に同期して印字ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に印字すること、そして印字開始位置は、記録媒体の搬送路上に設けたレジストセンサ等で記録媒体の先端を検知し、この検知信号に基づいてエンコーダが出力するパルス信号を計数し、副走査方向の印字位置を制御するようにすることが記載されている。
特開平11−170623号公報
さらに、特許文献3には、印字記録媒体を搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送される印字記録媒体の搬送速度に応じた印字ヘッド制御用の同期信号を、搬送手段から直接読み取る同期信号読取手段と、該同期信号読取手段により読み取った同期信号により、画像を印刷すべく印字ヘッドを制御する制御手段とを備えるインクジェット記録装置が記載されている。
特開2004−17458号公報
その他、用紙を吸着して搬送する搬送ベルトを使用し、また、搬送ベルトを回転させる搬送ローラに設けたロータリエンコーダで搬送ベルトの移動量を制御する画像形成装置としては、特許文献4ないし7に記載されている。
特開2003−103857号公報 特開2002−205454号公報 特開2004−512191号公報 特開2004−155563号公報
しかしながら、従来、一般に用いられている搬送ベルトを駆動する駆動軸に設けたロータリエンコーダから出力するパルス信号で用紙の副走査方向の印字位置を制御する場合、駆動軸に設けた駆動ローラ等のバラツキにより装置毎に搬送ベルトの搬送速度が異なったり、搬送ベルトの位置により搬送速度が変動したりして、副走査方向で各色を重ね合わせる位置が変動して色ずれが生じ、画質が劣化するという課題がある。
また、印字改行位置を定めるために搬送ベルトを高速で搬送していると、駆動モータの速度により印字改行位置にバラツキが生じ、細かい停止位置制御が困難であるという課題もある。
なお、特許文献1、2に記載されているような画像形成装置にあっては、リニアエンコーダを用いているが、印字開始位置を決定したり、ヘッドからの滴吐出タイミングを決定したりしているだけで、搬送ベルトの送り制御を行なっているものではない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、搬送ベルトの停止位置精度を向上させて画像品質を向上した画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、搬送ベルトに周回方向に沿って符号を発生するスリットが等間隔に形成された符号発生領域とスリットの間隔よりも広い符号非発生領域とを有するエンコーダスケール、及びこのエンコーダスケールを読み取るエンコーダセンサからなるリニアエンコーダを備え、このリニアエンコーダからの符号発生領域のスリットを検出したときの出力に基づいて印字改行位置を指定する構成としたものである。
ここで、エンコーダスケールの符号発生領域と符号非発生領域の境界に設けたスリットを検出した時のリニアエンコーダの出力を基準として搬送ベルトの移動量を指定することが好ましい。また、印字改行位置の直前で搬送ベルトを移動させる駆動モータの速度を一旦低速にすることが好ましい。
本発明に係る画像形成装置によれば、リニアエンコーダの出力に基づいて印字改行位置を指定するようにしたので、搬送ベルトを高精度に送ることができて停止位置精度が向上し、色ずれのない高品質の画像を安定して形成することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図2は同じく概略平面説明図、図3は同装置の搬送ベルトの斜視説明図、図4は同搬送ベルトに設けたエンコーダスケールの拡大説明図である。
この画像形成装置は、フレーム1を構成する左右の側板1A、1Bに横架したガイド部材であるガイドロッド2とステー3とでキャリッジ4を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ5によって駆動プーリ6Aと従動プーリ6B間に架け渡したタイミングベルト7を介して図2で矢示方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ4には、例えばイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド11を複数のインク吐出口(ノズル)を形成したノズル面11aのノズル列を主走査方向と直交する方向(副走査方向)に配列し、インク吐出方向を下方に向けて装着している。なお、ここでは独立した液滴吐出ヘッドを用いているが、各色の記録液の液滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。また、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
記録ヘッド11を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
この記録ヘッド11にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)12を介して接続している。
また、キャリッジ4には、記録ヘッド11に各色のインクを供給するための各色のサブタンク15を搭載している。この各色のサブタンク15には各色のインク供給チューブ16を介して、カートリッジ装填部9に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填部9にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット17が設けられ、また、インク供給チューブ16は這い回しの途中でフレーム1を構成する後板1Cに係止部材18にて保持されている。
一方、給紙トレイ20の用紙積載部(圧板)21上に積載した用紙22を給紙するための給紙部として、用紙積載部21から用紙22を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)23及び給紙コロ23に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド24を備え、この分離パッド24は給紙コロ23側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙22を記録ヘッド11の下方側に送り込むために、用紙22を案内するガイド部材25と、カウンタローラ26と、搬送ガイド部材27と、先端加圧コロ29を有する押さえ部材28とを備えるとともに、給送された用紙22を静電吸着して記録ヘッド11に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト31を備えている。
この搬送ベルト31は、無端状ベルトであり、搬送ローラ32とテンションローラ33との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成し、周回移動しながら帯電ローラ34によって帯電(電荷付与)される。
この搬送ベルト31としては、1層構造のベルトでも良く、又は複層(2層以上の)構造のベルトでもよい。1層構造の搬送ベルト31の場合には、用紙32や帯電ロー34に接触するので、層全体を絶縁材料で形成している。また、複層構造の搬送ベルト31の場合には、用紙22や帯電ローラ34に接触する側は絶縁層で形成し、用紙22や帯電ローラ34と接触しない側は導電層で形成することが好ましい。
1層構造の搬送ベルト31を形成する絶縁材料や複層構造の搬送ベルト31の絶縁層を形成する絶縁材料としては、例えばPET、PEI、PVDF、PC、ETFE、PTFEなどの樹脂又はエラストマーで導電制御材を含まない材料であることが好ましく、体積抵抗率は1012Ωcm以上、好ましくは1015Ωcmなるように形成する。また、複層構造の搬送ベルト31の導電層を形成する材料としては、上記樹脂やエラストマーにカーボンを含有させて体積抵抗率が10〜10Ωcmとなるように形成することが好ましい。
この搬送ベルト31には、図3及び図4に示すように、縁部に、周回方向に沿って、エンコーダスケール81を形成している。このエンコーダスケール81は、符号発生領域81Aと非符号符号発生領域81Bとを有し、符号発生領域81Aには原点Aから一定間隔Pでスリット82を形成している。符号発生領域81Aと非符号符号発生領域81Bとの境界にある原点Aの最初のスリッ82をスリット82aという。
そして、この搬送ベルト31のエンコーダスケール81のスリット82を読み取るエンコーダセンサ83を設け、これらのエンコーダスケール81とエンコーダセンサ83によって搬送ベルト31の周回移動に応じたパルス信号を出力するリニアエンコーダ84を構成している。
なお、エンコーダスケール81のスリット82の間隔Pはこの画像形成装置における副走査方向についての解像度と同じにしており、搬送ベルト31の移動量の検出精度が解像度と等しくなるようにしている。この間隔Pは、記録ヘッドとしてライン型ヘッドを用いた場合には非常に密なものとなる。
帯電ローラ34は、搬送ベルト31の表層をなす絶縁層(複層構造のベルトの場合)に接触し、搬送ベルト31の回動に従動して回転するように配置され、軸の両端に加圧力をかけている。この帯電ローラ34は、体積抵抗率が10〜10Ω/□の導電性部材で形成している。この帯電ローラ34には、後述するように、ACバイアス供給部(高圧電源)から例えば2kVの正負極のACバイアス(高電圧)が印加される。このACバイアスは、正弦波や三角波でもよいが、方形波の方がより好ましい。
また、搬送ベルト31の裏側には、記録ヘッド11による印写領域に対応してガイド部材35を配置している。このガイド部材35は、上面が搬送ベルト31を支持する2つのローラ(搬送ローラ32とテンションローラ33)の接線よりも記録ヘッド11側に突出させることで搬送ベルト31の高精度な平面性を維持するようにしている。
さらに、記録ヘッド11で記録された用紙22を排紙トレイ40に排紙するための排紙部として、搬送ベルト31から用紙22を分離するための分離爪41と、排紙ローラ42及び拍車ローラ43とを備えている。なお、拍車ローラ(排紙コロ)43は、ヘッド11の下流側において、用紙のヘッド側の面に係合するものであるが、用紙が通常の普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ、封筒等の厚紙に記録を行なう場合においては、用紙の送りを単に補助するものであり、拍車ローラ43と排紙ローラ42との間に用紙が噛んでいること、すなわち拍車ローラ43が用紙に係合していることによって用紙表面とヘッド11とのギャップを定めるものではない。
図1に戻って、装置本体1の背面部には、両面印刷を行うときに用紙22を反転させる手段である両面ユニット51が着脱自在に装着されている。この両面ユニット51は搬送ベルト31の逆方向回転で戻される用紙22を取り込んで反転させて再度カウンタローラ26と搬送ベルト31との間に給紙する。また、この両面ユニット51の上面は手差しトレイ52としている。
さらに、キャリッジ4の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド11のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構61を配置している。この維持回復機構61には、記録ヘッド11の各ノズル面11aをキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)62a〜62d(区別しないときは「キャップ62」という。)と、ノズル面11aをワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード63と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け64などを備えている。ここでは、キャップ62aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ62b〜62dは保湿用キャップとしている。
また、キャリッジ4の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け68を配置し、この空吐出受け68には記録ヘッド11のノズル列方向に沿った開口69などを備えている。
また、図1に示すように、キャリッジ4の前方側には、スリットを形成したエンコーダスケール72を主走査方向に沿って設け、キャリッジ4の前面側にはエンコーダスケール72のスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ73を設け、これらによって、キャリッジ4の主走査方向位置を検知するためのリニアエンコーダ74を構成している。さらに、キャリッジ4には用紙の先端位置検知などを行なう用紙センサ75を備えている。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙22が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙22はガイド25で案内され、搬送ベルト31とカウンタローラ26との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド27で案内されて先端加圧コロ29で搬送ベルト31に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、後述するACバイアス供給部から帯電ローラ34に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト31が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト31上に用紙32が給送されると、用紙22が搬送ベルト31に静電力で吸着され、搬送ベルト31の周回移動によって用紙22が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ4を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド11を駆動することにより、停止している用紙22にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙22を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙22の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙22を排紙トレイ40に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト31を逆回転させることで、記録済みの用紙32を両面給紙ユニット51内に送り込み、用紙22を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ26と搬送ベルト31との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述したと同様に搬送ベル31で搬送して裏面に記録を行った後、排紙トレイ40に排紙する。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図5のブロック図を参照して説明する。
この制御部100は、この装置全体の制御を司る、本発明に係る搬送ベルトの移動(被記録媒体の搬送)を制御する手段を兼ねたCPU101と、CPU101が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM102と、画像データ等を一時格納するRAM103と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ104と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC105とを備えている。
また、この制御部100は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F106と、記録ヘッド11を駆動するための駆動波形を生成するとともに、記録ヘッド11の圧力発生手段を選択駆動させる画像データ及びそれに伴う各種データをヘッドドライバ108に出力するヘッド制御部107と、主走査モータ5を駆動するための主走査モータ駆動部110と、副走査モータ(搬送モータ)131を駆動するための副走査モータ駆動部111と、帯電ローラ34にACバイアスを供給するACバイアス供給部112と、リニアエンコーダ74、リニアエンコーダ84からの各検出パルス、用紙センサ75からの検知信号、及びその他の各種センサからの検知信号を入力するためのI/O113などを備えている。また、この制御部100には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル114が接続されている。
ここで、制御部100は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト200のプリンタドライバ201が生成した印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F106で受信する。
そして、制御部100のCPU101は、I/F106に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC105にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ってヘッド制御部107に転送し、ヘッド制御部107から所要のタイミングでヘッドドライバ108に画像データや駆動波形を出力する。
ヘッド制御部107の駆動波形生成部は、ROM102に格納されてCPU101で読み出される駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び増幅器等で構成され、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動波形をヘッドドライバ108に対して出力する。
ヘッドドライバ108は、シリアルに入力される記録ヘッド11の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)に基づいてヘッド制御部107の駆動波形生成部から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド11の圧力発生手段に対して印加することで記録ヘッド11を駆動する。なお、このヘッドドライバ108は、例えば、クロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタと、シフトレジスタのレジスト値をラッチ信号でラッチするラッチ回路と、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)と、このレベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含み、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで駆動波形に含まれる所要の駆動パルスを選択的に記録ヘッド11の圧力発生手段に印加する。
主走査モータ駆動部110は、CPU101側から与えられる目標値とリニアエンコーダ74からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値に基づいて制御値を算出して内部のモータドライバを介して主走査モータ5を駆動する。
同様に、副走査モータ駆動制御部111は、CPU101側から与えられる速度・位置プロファイルに基づいた目標値とリニアエンコーダ84からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値、位置検出値に基づいて、用紙の送り量を決定し、この送り量に応じた制御値を算出して内部のモータドライバを介して副走査モータ(搬送モータ)131を駆動する。
次に、この画像形成装置における副走査モータの駆動制御に係わる部分について図6の機能ブロック図を参照して説明する。
まず、搬送ベルト31に形成したエンコーダスケール81とエンコーダセンサ83で構成されるリニアエンコーダ84からの出力信号(出力パルス)は、エンコーダ信号処理部401に与えられ、このエンコーダ信号処理部401で速度及び位置情報に変換される。そして得られた速度及び位置情報を信号処理合成部402にて合成処理した後、比較演算部403に与える。
一方、この比較演算部403には速度・位置プロファイル格納部404に格納されている速度・位置プロファイルの情報が与えられており、比較演算部403はこれらの信号処理合成部402から与えられる速度及び位置情報(の合成情報)と速度・位置プロファイル格納部404に格納されている速度・位置プロファイルの情報とを比較して、偏差を演算する。
そして、この比較演算部403で得られた偏差に基づいてPID制御演算部405はPID演算を行ってPWM信号を生成する。つまり、PID制御演算部405は、比較演算部403からの偏差に対してPID(比例、積分、微分)制御(又はPI制御でも良い。)を行って制御値を演算する。ここでは、副走査モータ131をPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御で駆動するものとして、PID制御演算部405は偏差に対してPID制御を行ってPWMのデューティ比を求め、このPWMのデューティ比をモータドライバ406に与えてPWM制御で副走査モータ131を駆動させることにより、搬送ベルト31を目標とする速度で目標とする位置に駆動するようにしている。
そこで、この画像形成装置における副走査制御について説明する。
制御部100は、給紙動作によって搬送される用紙22の先端を用紙センサ75で検知すると同時にリニアエンコーダ84からの信号の読取りを開始し、リニアエンコーダ84がエンコーダスケール81の符号発生領域81Aの原点Aのスリット82aを検出してパルス信号の出力を開始すると、制御部100(エンコーダ信号処理部401)はリニアエンコーダ84から各スリット82が検出する度に出力されるパルス信号をカウントする。
そして、このカウントしたパルス数に基づいて、記録ヘッド11から液滴の吐出を開始する副走査方向の印字開始位置を決定し、以後リニアエンコーダ84からのパルス数に同期して記録ヘッド11から液滴を吐出させる。つまり、印字改行位置をリニアエンコーダ84から各スリット82が検出する度に出力されるパルス信号のカウント値に基づいて定めることにより、搬送ベルト31の移動量を直接検出することができて、搬送ベルト31の印字改行量に対応する送り精度及び停止位置精度が向上する。この場合、この記録ヘッド11から液滴の吐出を開始するパルス数は印字する画像データに応じて任意に可変することができる。
なお、リニアエンコーダ84から出力するパルス数は、スリット82の間隔Pが副走査方向についての解像度と同じになっているので、副走査方向の解像度と等しいから、このパルス数に同期してヘッド制御部107によってヘッドドライバ108を駆動することにより、記録ヘッド11に画像信号に対応した滴吐出信号を送ることができる。つまり、リニアエンコーダ84からの検出パルスをヘッドドライバ108に対して画像データをシリアル転送するクロックとして使用することができる。
このように記録ヘッド11から液滴を吐出する副走査方向の位置(搬送ベルト31の送り量)を符号発生領域81Aと符号非発生領域81Bの境界にある原点Aのスリット82aを検出したパルスを基準として定めることによって、副走査方向の印字位置ずれを防ぐことができ、カラー画像を形成するときの色ずれを防止して良質な画像を形成することができる。
次に、制御部100は、リニアエンコーダ84のエンコーダスケール81の符号発生領域81Aの原点Aのスリット82aを検出したときに出力されるパルス信号を原点検知信号として読み込む。このリニアエンコーダセンサ84からは、A相とB相の位相がずれたパルス信号が出力される。このパルス信号により副走査方向の印字位置を制御する場合、通常はA相の出力信号を基に制御し、B相の信号は回転方向を検出するときに使う。このリニアエンコーダ84から出力するパルス信号に同期して印字トリガを生成し、記録ヘッド11から液滴を吐出するタイミングを生成する。
このリニアエンコーダ84でエンコーダスケール81のスリット82を検出して出力されるパルス信号に基づいて搬送ベルト31の速度を制御するための速度プロファイルを図7に示している。
この速度プロファイルにおいては、時点t0で副走査モータ131の駆動を開始して時点t1まで所定の速度に加速した後等速移動させ、時点t2からt3までの間で立ち下げて一旦低速に減速させ、更に時点t3から時点t4で立ち下げて減速した後、副走査モータ131を停止させる。
このように、印字改行位置の手前で搬送ベルト31を駆動するモータ131を一旦低速にすることにより、印字改行位置までの送り量に影響されず常に印字改行位置の手前で低速にして停止させるため、副走査方向の印字改行時の停止位置精度を向上させることができ、ずれのない良好な画像を形成することができる。
なお、上記実施形態においてはシリアル型画像形成装置の副走査駆動について説明したが、ライン型画像形成装置において被記録媒体を間歇的に搬送駆動する場合にも同様に適用することができる。
本発明に係る画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図である。 同機構部の要部平面説明図である。 同装置の搬送ベルトの斜視説明図である。 同搬送ベルトのエンコーダスケールの詳細を示す拡大説明図である。 同装置の制御部の概略ブロック説明図である。 同装置における副走査制御に係わる部分を機能的に示すブロック説明図である。 同じく速度プロファイルの一例を示す説明図である。
符号の説明
3…キャリッジ
4…主走査モータ
11…記録ヘッド
31…搬送ベルト
32…搬送ローラ
81…エンコーダスケール
82…スリット
83…エンコーダセンサ
84…リニアエンコーダ
131…副走査モータ
111…副走査モータ駆動部

Claims (3)

  1. 記録液の液滴を吐出する記録ヘッドと、この記録ヘッドで画像が形成される被記録媒体を間歇的に搬送する無端状の搬送ベルトとを備えた画像形成装置において、前記搬送ベルトに周回方向に沿って符号を発生するスリットが等間隔に形成された符号発生領域と前記スリットの間隔よりも広い符号非発生領域とを有するエンコーダスケール、及びこのエンコーダスケールを読み取るエンコーダセンサからなるリニアエンコーダを備え、このリニアエンコーダからの前記符号発生領域のスリットを検出したときの出力に基づいて印字改行位置を指定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記エンコーダスケールの符号発生領域と符号非発生領域の境界に設けたスリットを検出した時の前記リニアエンコーダの出力を基準として前記搬送ベルトの移動量を指定することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記印字改行位置の直前で前記搬送ベルトを移動させる駆動モータの速度を一旦低速にすることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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