JP2006240281A - 直液式筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】インキタンク内のインキがペン先側より漏出するおそれがなく、また、ペン先の長手寸法を短くし、ペン先のコストを抑えるとともにペン先からのインキ流出性を円滑にでき、しかも、初期インキ出し時に迅速に空気とインキが交替し、短時間で筆記可能となり、さらに、簡易な構造にできる直液式筆記具を提供する。
【解決手段】直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2の後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置され、インキ8を直に貯溜するインキタンク7と、前記インキタンク7と前記インキ吸蔵体3との間を接続する連通管6とからなる。連通管6を複数備える。連通管6の各々の前端が開口されるとともにインキ吸蔵体3の内部前方に位置する。連通管6の各々の後端がインキタンク7内に開口される。ペン先2の後端がインキ吸蔵体3の内部前方に位置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インキタンク内にインキを直に貯溜し、前記インキタンクとペン先との間にインキ吸蔵体を介在させた直液式筆記具に関する。尚、本発明において、「前」とはペン先側を指し、「後」とはインキタンク側を指す。
〔1〕従来、この種の直液式筆記具において、例えば、特許文献1には、「インク容体の上方開口部に連絡孔(連絡管)と貫通孔とを有し吸収性材を充填した収容体を挿嵌し吸収性材に連絡する筆穂を設け通気管を貫通孔に挿通し外気とインキ容体とを連絡したことを特徴とする筆記具。」が開示されている。
前記特許文献1の直液式筆記具は、インク容体の上方開口部に連絡管及び通気管を備えているとしても、常時、通気管が外気と連通する構成である。そのため、ペン先下向き状態を維持すると、外気が通気管を通してインク容体内に供給し続けられると同時に、インク容体内のインキが連絡管を通して吸収性材に供給し続けられる。その結果、インキ容体内のインキがペン先側より外部に漏出するおそれがある。
〔2〕また、従来、特許文献2には、「容器本体内の一側に密閉用蓋体を着脱可能としたインキ補給口を有するインキ収納室を設けると共に、本体先端開口部側には上記インキ収納室とは隔壁にて分離されたインキ吸液材収納室を開口部と連通する状態として設け、該収納室内には二分割された通気性を有する吸液材を収納し、且つ先端開口部側の吸液材にはペン先の基部を抱持させると共にその基部端面はインキ収納室側の吸液材を接触させ、上記隔壁には収納インキを吸液材へ給液させるための給液孔を穿設すると共に、適宜な給気管を固定させ且つこの給気管の一方の端面開口部を本体先端開口部側の吸液材に当接させ、他方の端面開口部をインキ補給口附近のインキ収納室内に位置させたことを特徴とするサインペン。」が開示されている。
前記特許文献2の直液式筆記具は、二つの吸液材を備え、給気管の前端面を本体先端開口部側の吸液材の後端面に当接させ、給液孔がインキ収納室側の吸液材の後端面に連通する構成、即ち、給気管の前端開口部と給液孔の前端開口部とが前後に離れて位置する構成である。そのため、給液孔から供給されて吸液材に含浸されたインキによって給気管の開口端を塞ぐこと(即ち給気管の開口端を液シール状態にすること)が困難となり、インキタンクからのインキ流出とインキタンクへの空気流入(即ちインキと空気の交替)を確実に停止させることができない。その結果、過剰のインキが吸液材に供給され、インキがペン先側より外部に漏出するおそれがある。
さらに、前記特許文献2の直液式筆記具は、ペン先が、本体先端開口部側の吸液材を貫通して、インキ収納室側の吸液材に接触する構成のため、ペン先の長手寸法を短く設定することが困難である。そのため、ペン先のコストが上昇し、ユーザーに安価に提供できず、しかも、ペン先後端からペン先先端までのインキ流出路が長くなり、ペン先からのインキ流出性が低下し、筆跡カスレや筆跡途切れが生じやすい。
〔3〕また、従来、特許文献3には、「前軸内にインキ調整管、インキ導管を同心に配置し、インキ導管に中継芯を挿入し、その後端をインキ室(インキタンク)に挿入し、先端を毛筆体後端に所定の間隙を存して位置させ、インキ調整管とインキ導管間の環状路内及び毛筆体後端上には多孔質材からなるインキ吸収体を装着し、その先端の密度を他の部分より大となし、毛筆体後端にはインキ通路を形成し、前軸内面とインキ調整管外面間には外気に連通した空気通路を形成し、該空気通路後端とインキ調整管後端とを連通してなる毛筆状筆記具。」が開示されている。
前記特許文献3の直液式筆記具は、一本のインキ導管のみによって、インキタンクとインキ吸収体とを接続する構成であるため、初期インキ出し時(即ちインキタンクから吸液材に最初にインキを供給する時)に迅速に空気とインキが交替せず、筆記可能になるまでにかなりの時間を要する。また、前記特許文献3の直液式筆記具は、部品点数が多く、構造が複雑であり、ユーザーに安価に提供することが困難である。
実公昭45−18890号公報 実公昭56−7504号公報 実公昭60−7191号公報
本発明は前記従来の問題点を解決するものであって、インキタンク内のインキがペン先側より漏出するおそれがなく、また、ペン先の長手寸法を短くし、ペン先のコストを抑えるとともにペン先からのインキ流出性を円滑にでき、しかも、初期インキ出し時に迅速に空気とインキが交替し、短時間で筆記可能となり、さらに、簡易な構造にできる直液式筆記具を提供しようとするものである。
本発明は、以下の構成を特徴とする。
(構成1)
ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、前記連通管の各々の前端が開口され、前記連通管の各々の前端がインキ吸蔵体内部に位置されてなることを特徴とする直液式筆記具。
(構成2)
ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、前記連通管の各々の前端が開口され、前記連通管の各々の前端がインキ吸蔵体内部に位置され、前記連通管の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定されてなることを特徴とする直液式筆記具。
(構成3)
ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、前記連通管の各々の前端が開口され、前記連通管の各々の前端がインキ吸蔵体内部のペン先後端近傍に位置されてなることを特徴とする直液式筆記具。
(構成4)
ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、前記連通管の各々の前端が開口され、前記連通管の各々の前端がインキ吸蔵体内部のペン先後端近傍に位置され、前記連通管の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定されてなることを特徴とする直液式筆記具。
(構成5)
ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、前記連通管の各々の前端が開口され、前記連通管の各々の前端が前記インキ吸蔵体の内部前方に位置し、前記ペン先の後端が前記インキ吸蔵体の内部前方に位置してなることを特徴とする直液式筆記具。
(構成6)
前記ペン先の後端と前記連通管の各々の前端との間は、前記インキ吸蔵体を介してインキ流通可能に接続される構成1乃至5のいずれかに記載の直液式筆記具。
(構成7)
前記連通管の各々の前端をインキ吸蔵体の後端から前方に挿入し、インキ吸蔵体の内部を前方に押圧圧縮することによって、前記連通管の各々の前端近傍のインキ吸蔵体の密度を、前記連通管の各々の前端近傍以外の部分のインキ吸蔵体の密度よりも高く設定した構成1乃至6のいずれかに記載の直液式筆記具。
(構成8)
前記連通管の各々の前端近傍以外のインキ吸蔵体の空隙率が70%〜95%であり、前記連通管の各々の前端近傍以外のインキ吸蔵体の空隙率と、前記連通管の各々の前端近傍のインキ吸蔵体の空隙率との差が7%以上である構成7記載の直液式筆記具。
(構成9)
前記連通管の各々の前端を先鋭形状とした構成7記載の直液式筆記具。
(構成10)
前記連通管の各々の前端がその前端開口部を含む傾斜カット面からなる構成9記載の直液式筆記具。
(構成11)
前記インキ吸蔵体の前端から前記連通管の各々の前端までの軸方向の距離が、前記インキ吸蔵体全体の軸方向の長さの3%以上50%以下に設定される構成1乃至10のいずれかに記載の直液式筆記具。
(構成12)
前記インキ吸蔵体の前端から前記連通管の各々の前端までの軸方向の距離が等しく設定される構成1乃至11のいずれかに記載の直液式筆記具。
(構成13)
前記連通管の各々の前端と前記ペン先の後端との軸方向の距離が10mm以内に設定される構成1乃至12のいずれかに記載の直液式筆記具。
(構成14)
前記連通管の各々の前端と前記ペン先の後端との間の間隔が等しく設定される構成1乃至13のいずれかに記載の直液式筆記具。
(構成15)
前記インキ吸蔵体の前端面及び後端面が外気と連通される構成1乃至14のいずれかに記載の直液式筆記具。
(構成16)
前記連通管の各々の内部に、毛細間隙を備えたインキ吸収体を配置した構成1乃至15のいずれかに記載の直液式筆記具。
(構成17)
前記連通管の各々の側壁を互いに連結した構成1乃至16のいずれかに記載の直液式筆記具。
請求項1の直液式筆記具によれば、インキタンク内のインキがペン先側より漏出するおそれがなく、しかも、初期インキ出し時に迅速に空気とインキが交替し、短時間で筆記可能となり、さらに、簡易な構造にできる。
請求項2の直液式筆記具によれば、インキタンク内のインキがペン先側より漏出するおそれがなく、しかも、初期インキ出し時に迅速に空気とインキが交替し、短時間で筆記可能となり、さらに、簡易な構造にできる。
請求項3の直液式筆記具によれば、インキタンク内のインキがペン先側より漏出するおそれがなく、しかも、初期インキ出し時に迅速に空気とインキが交替し且つ何れの連通管の前端開口部からでもペン先の後端に迅速にインキが供給され、確実に、短時間で筆記可能となり、さらに、簡易な構造にできる。
請求項4の直液式筆記具によれば、インキタンク内のインキがペン先側より漏出するおそれがなく、しかも、初期インキ出し時に迅速に空気とインキが交替し且つ何れの連通管の前端開口部からでもペン先の後端に迅速にインキが供給され、確実に、短時間で筆記可能となり、さらに、簡易な構造にできる。
請求項5の直液式筆記具によれば、インキタンク内のインキがペン先側より漏出するおそれがなく、また、ペン先の長手寸法を短くし、ペン先のコストを抑えるとともにペン先からのインキ流出性を円滑にでき、しかも、初期インキ出し時に迅速に空気とインキが交替し、短時間で筆記可能となり、さらに、簡易な構造にできる。
請求項6の直液式筆記具によれば、ペン先上向き状態や筆記具本体の水平状態などのインキタンクからのインキ供給が無い場合であっても、インキ吸蔵体の内部に含浸されたインキによって十分に筆記可能となる。
請求項7の直液式筆記具によれば、連通管の各々の前端開口部を含浸インキによって、確実に液シールでき、しかも、連通管をインキ吸蔵体に組み込む前に、予めインキ吸蔵体に密度差を設ける必要がなく、製造が極めて容易となる。
請求項8の直液式筆記具によれば、連通管の各々の前端開口部を含浸インキによって、一層、確実に液シールできる。
請求項9の直液式筆記具によれば、各々の連通管をインキ吸蔵体の後端からスムーズに突き刺し挿入することができ、組立が容易となる。
請求項10の直液式筆記具によれば、各々の連通管のインキ吸蔵体への突き刺し挿入性が、より一層、スムーズになるとともに、各々の連通管の前端開口部の開口面積が増加し、インキ吸蔵体の内部へのインキの供給を迅速にできる。
請求項11の直液式筆記具によれば、インキタンクの内圧上昇時にインキ吸蔵体の前端よりインキが漏出することがなく、しかも、筆跡途切れや筆跡カスレのない、ペン先先端からの十分なインキ流出性が得られる。
請求項12の直液式筆記具によれば、連通管の各々の前端開口部の液シール性が向上し、外部へのインキ漏出を、より一層防止できる。
請求項13の直液式筆記具によれば、初期インキ出し時、連通管の各々の前端からペン先の後端にインキが迅速に供給され、短時間で筆記可能となる。
請求項14の直液式筆記具によれば、初期インキ出し時、インキタンクからのインキが、複数本の連通管の中で、いずれの連通管の前端開口部からペン先の後端に供給された場合でも、ばらつき無く、一定時間で筆記可能となる。
請求項15の直液式筆記具によれば、インキ吸蔵体の内部の連通管の前端開口部から供給されたインキを、前記インキ吸蔵体の内部の連通管の前端近傍から、インキ吸蔵体の前端方向、及び連通管の前端近傍のインキ吸蔵体の内部からインキ吸蔵体の後端方向へスムーズに移動させることができる。
請求項16の直液式筆記具によれば、各々の連通管の外径および内径を比較的大きく設定した場合でも、連通管の前端開口部の適正な液シールが得られる。
請求項17の直液式筆記具によれば、各々の連通管の折れ曲がりを抑えることができる。
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
〔1〕本発明の第1の実施の形態の直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2の後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置され且つインキを直に貯溜するインキタンク7と、前記インキタンク7と前記インキ吸蔵体3との間を接続する連通管6とからなる直液式筆記具であって、前記連通管6を複数備え、前記連通管6の各々の前端が開口され、前記連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3内部に位置されてなること(構成1)を特徴とする。
前記直液式筆記具1(構成1)の連通管6は、その各々が、インキタンク7内のインキ8をインキ吸蔵体3の内部に供給する機能と、外気をインキタンク7内に供給する機能とを備える。インキタンク7内のインキ8をインキ吸蔵体3に供給する際、ペン先2を下向き状態にすると、重力によりインキタンク7内のインキ8が、少なくとも一つの連通管6を通って、インキ吸蔵体3に供給され、インキ吸蔵体3内部において含浸される。それと同時に、外気が他の連通管6を通ってインキタンク7内に取り込まれる。即ち、n本の連通管6の場合(nは2以上の整数)、1本以上かつ(n−1)本以下の連通管6がインキ供給を行い、他の残りの連通管6が外気の供給を行う。
前記インキ吸蔵体3の内部に含浸されたインキが一定量になると、前記外気を取り込んでいた他の連通管6の前端開口部が、前記含浸インキによる液シール状態となり一時的に閉鎖され、インキタンク7内への外気の供給は停止される。それと同時に、前記インキ供給を行っていた連通管6によるインキタンク7からインキ吸蔵体3へのインキ供給も停止され、その結果、連通管6の各々の前端開口部が液シール状態となり一時的に閉鎖され、インキタンク7からのインキ流出とインキタンク7への空気流入(即ちインキと空気の交替)が停止状態となる。
前記直液式筆記具1(構成1)は、前記連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3内部に位置する構成であるため、連通管6の各々の前端開口部の全てを、インキ吸蔵体3の内部に含浸されたインキの液シールによって容易に閉鎖することができる。その結果、インキタンク7からインキ吸蔵体3に過剰のインキを供給することがなく、ペン先2側より外部にインキが漏出するおそれがない。
また、前記直液式筆記具1(構成1)は、連通管6を複数本(即ち2本以上)、有することにより、少なくとも一つの連通管6がインキ供給を行う場合、他の連通管6が空気供給を行うことになる。そのため、初期インキ出し時(即ち、インキが含浸されていないインキ吸蔵体3に最初にインキを供給する場合)に迅速にインキと空気との交替が行われ、短時間で筆記可能となる。
〔2〕本発明の第2の実施の形態の直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2の後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置され且つインキを直に貯溜するインキタンク7と、前記インキタンク7と前記インキ吸蔵体3との間を接続する連通管6とからなる直液式筆記具であって、前記連通管6を複数備え、前記連通管6の各々の前端が開口され、前記連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3内部に位置され、前記連通管6の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定されてなること(構成2)を要件とする。
前記直液式筆記具1(構成2)の連通管6は、その各々が、インキタンク7内のインキ8をインキ吸蔵体3の内部に供給する機能と、外気をインキタンク7内に供給する機能とを備える。インキタンク7内のインキ8をインキ吸蔵体3に供給する際、ペン先2を下向き状態にすると、重力によりインキタンク7内のインキ8が、少なくとも一つの連通管6を通って、インキ吸蔵体3に供給され、インキ吸蔵体3内部において含浸される。それと同時に、外気が他の連通管6を通ってインキタンク7内に取り込まれる。即ち、n本の連通管6の場合(nは2以上の整数)、1本以上かつ(n−1)本以下の連通管6がインキ供給を行い、他の残りの連通管6が外気の供給を行う。
前記インキ吸蔵体3の内部に含浸されたインキが一定量になると、前記外気を取り込んでいた他の連通管6の前端開口部が、前記含浸インキによる液シール状態となり一時的に閉鎖され、インキタンク7内への外気の供給は停止される。それと同時に、前記インキ供給を行っていた連通管6によるインキタンク7からインキ吸蔵体3へのインキ供給も停止され、その結果、連通管6の各々の前端開口部が液シール状態となり一時的に閉鎖され、インキタンク7からのインキ流出とインキタンク7への空気流入(即ちインキと空気の交替)が停止状態となる。
前記直液式筆記具1(構成2)は、前記連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3内部に位置する構成であるため、連通管6の各々の前端開口部の全てを、インキ吸蔵体3の内部に含浸されたインキの液シールによって容易に閉鎖することができる。その結果、インキタンク7からインキ吸蔵体3に過剰のインキを供給することがなく、ペン先2側より外部にインキが漏出するおそれがない。
また、前記直液式筆記具(構成2)は、前記連通管6の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定される構成(即ち連通管6の各々の前端が互いに前後に離れていない構成)であるため、インキ吸蔵体3の内部における連通管6の各々の前端の相互間の距離が一層短くなり、連通管6の各々の前端開口部の液シール性が向上し、外部へのインキ漏出を、より一層防止できる。
また、前記直液式筆記具1(構成2)は、連通管6を複数本(即ち2本以上)、有することにより、少なくとも一つの連通管6がインキ供給を行う場合、他の連通管6が空気供給を行うことになる。そのため、初期インキ出し時(即ち、インキが含浸されていないインキ吸蔵体3に最初にインキを供給する場合)に迅速にインキと空気との交替が行われ、短時間で筆記可能となる。
〔3〕本発明の第3の実施の形態の直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2の後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置され且つインキを直に貯溜するインキタンク7と、前記インキタンク7と前記インキ吸蔵体3との間を接続する連通管6とからなる直液式筆記具であって、前記連通管6を複数備え、前記連通管6の各々の前端が開口され、前記連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3内部のペン先2後端近傍に位置されてなること(構成3)を要件とする。
前記直液式筆記具1(構成3)の連通管6は、その各々が、インキタンク7内のインキ8をインキ吸蔵体3の内部に供給する機能と、外気をインキタンク7内に供給する機能とを備える。インキタンク7内のインキ8をインキ吸蔵体3に供給する際、ペン先2を下向き状態にすると、重力によりインキタンク7内のインキ8が、少なくとも一つの連通管6を通って、インキ吸蔵体3に供給され、インキ吸蔵体3内部において含浸される。それと同時に、外気が他の連通管6を通ってインキタンク7内に取り込まれる。即ち、n本の連通管6の場合(nは2以上の整数)、1本以上かつ(n−1)本以下の連通管6がインキ供給を行い、他の残りの連通管6が外気の供給を行う。
前記インキ吸蔵体3の内部に含浸されたインキが一定量になると、前記外気を取り込んでいた他の連通管6の前端開口部が、前記含浸インキによる液シール状態となり一時的に閉鎖され、インキタンク7内への外気の供給は停止される。それと同時に、前記インキ供給を行っていた連通管6によるインキタンク7からインキ吸蔵体3へのインキ供給も停止され、その結果、連通管6の各々の前端開口部が液シール状態となり一時的に閉鎖され、インキタンク7からのインキ流出とインキタンク7への空気流入(即ちインキと空気の交替)が停止状態となる。
前記直液式筆記具1(構成3)は、前記連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3内部に位置する構成であるため、連通管6の各々の前端開口部の全てを、インキ吸蔵体3の内部に含浸されたインキの液シールによって容易に閉鎖することができる。その結果、インキタンク7からインキ吸蔵体3に過剰のインキを供給することがなく、ペン先2側より外部にインキが漏出するおそれがない。
また、前記直液式筆記具1(構成3)は、連通管6を複数本(即ち2本以上)、有することにより、少なくとも一つの連通管6がインキ供給を行う場合、他の連通管6が空気供給を行うことになる。そのため、初期インキ出し時(即ち、インキが含浸されていないインキ吸蔵体3に最初にインキを供給する場合)に迅速にインキと空気との交替が行われ、短時間で筆記可能となる。
さらに、前記直液式筆記具1(構成3)は、連通管6の各々の前端がペン先2後端近傍に位置する構成によって、いずれの連通管6の前端開口部からインキが供給されても、ペン先2にインキを迅速に供給できる。それにより、初期インキ出し時、確実に、短時間で筆記可能となる。
〔4〕本発明の第4の実施の形態の直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2の後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置され且つインキを直に貯溜するインキタンク7と、前記インキタンク7と前記インキ吸蔵体3との間を接続する連通管6とからなる直液式筆記具であって、前記連通管6を複数備え、前記連通管6の各々の前端が開口され、前記連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3内部のペン先2後端近傍に位置され、前記連通管6の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定されてなること(構成4)を要件とする。
前記直液式筆記具1(構成4)の連通管6は、その各々が、インキタンク7内のインキ8をインキ吸蔵体3の内部に供給する機能と、外気をインキタンク7内に供給する機能とを備える。インキタンク7内のインキ8をインキ吸蔵体3に供給する際、ペン先2を下向き状態にすると、重力によりインキタンク7内のインキ8が、少なくとも一つの連通管6を通って、インキ吸蔵体3に供給され、インキ吸蔵体3内部において含浸される。それと同時に、外気が他の連通管6を通ってインキタンク7内に取り込まれる。即ち、n本の連通管6の場合(nは2以上の整数)、1本以上かつ(n−1)本以下の連通管6がインキ供給を行い、他の残りの連通管6が外気の供給を行う。
前記インキ吸蔵体3の内部に含浸されたインキが一定量になると、前記外気を取り込んでいた他の連通管6の前端開口部が、前記含浸インキによる液シール状態となり一時的に閉鎖され、インキタンク7内への外気の供給は停止される。それと同時に、前記インキ供給を行っていた連通管6によるインキタンク7からインキ吸蔵体3へのインキ供給も停止され、その結果、連通管6の各々の前端開口部が液シール状態となり一時的に閉鎖され、インキタンク7からのインキ流出とインキタンク7への空気流入(即ちインキと空気の交替)が停止状態となる。
前記直液式筆記具1(構成4)は、連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3内部に位置する構成であるため、連通管6の各々の前端開口部の全てを、インキ吸蔵体3の内部に含浸されたインキの液シールによって容易に閉鎖することができる。その結果、インキタンク7からインキ吸蔵体3に過剰のインキを供給することがなく、ペン先2側より外部にインキが漏出するおそれがない。
また、前記直液式筆記具1(構成4)は、前記連通管6の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定される構成(即ち連通管6の各々の前端が互いに前後に離れていない構成)であるため、インキ吸蔵体3の内部における連通管6の各々の前端の相互間の距離が一層短くなり、連通管6の各々の前端開口部の液シール性が向上し、外部へのインキ漏出を、より一層防止できる。
また、前記直液式筆記具1(構成4)は、連通管6を複数本(即ち2本以上)、有することにより、少なくとも一つの連通管6がインキ供給を行う場合、他の連通管6が空気供給を行うことになる。そのため、初期インキ出し時(即ち、インキが含浸されていないインキ吸蔵体3に最初にインキを供給する場合)に迅速にインキと空気との交替が行われ、短時間で筆記可能となる。
さらに、前記直液式筆記具1(構成4)は、連通管6の各々の前端がペン先2後端近傍に位置されてなる構成によって、いずれの連通管6の前端開口部からインキが供給されても、ペン先2にインキを迅速に供給できる。それにより、初期インキ出し時、確実に、短時間で筆記可能となる。
〔5〕本発明の第5の実施の形態の直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2の後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置され且つインキを直に貯溜するインキタンク7と、前記インキタンク7と前記インキ吸蔵体3との間を接続する連通管6とからなる直液式筆記具であって、前記連通管6を複数備え、前記連通管6の各々の前端が開口され、前記連通管6の各々の前端が前記インキ吸蔵体3の内部前方に位置し、前記ペン先の後端が前記インキ吸蔵体3の内部前方に位置してなること(構成5)を要件とする。
前記直液式筆記具1(構成5)の連通管6は、その各々が、インキタンク7内のインキ8をインキ吸蔵体3の内部前方に供給する機能と、外気をインキタンク7内に供給する機能とを備える。インキタンク7内のインキ8をインキ吸蔵体3に供給する際、ペン先2を下向き状態にすると、重力によりインキタンク7内のインキ8が、少なくとも一つの連通管6を通って、インキ吸蔵体3の内部前方に供給され、インキ吸蔵体3の内部前方において含浸される。それと同時に、外気が他の連通管6を通ってインキタンク7内に取り込まれる。即ち、n本の連通管6の場合(nは2以上の整数)、1本以上かつ(n−1)本以下の連通管6がインキ供給を行い、他の残りの連通管6が外気の供給を行う。
前記インキ吸蔵体3の内部前方に含浸されたインキが一定量になると、前記外気を取り込んでいた他の連通管6の前端開口部が、前記含浸インキによる液シール状態となり一時的に閉鎖され、インキタンク7内への外気の供給は停止される。それと同時に、前記インキ供給を行っていた連通管6によるインキタンク7からインキ吸蔵体3へのインキ供給も停止され、その結果、連通管6の各々の前端開口部が液シール状態となり一時的に閉鎖され、インキタンク7からのインキ流出とインキタンク7への空気流入(即ちインキと空気の交替)が停止状態となる。
前記直液式筆記具1(構成5)は、前記連通管6の各々の前端の全てが、インキ吸蔵体3の内部前方に位置する構成であるため、連通管6の各々の前端開口部の全てを、インキ吸蔵体3の内部前方に含浸されたインキの液シールによって容易に閉鎖することができる。その結果、インキタンク7からインキ吸蔵体3に過剰のインキを供給することがなく、ペン先2側より外部にインキが漏出するおそれがない。
また、前記直液式筆記具1(構成5)は、ペン先2の後端がインキ吸蔵体3の内部前方に位置しているため、ペン先2全体の長手寸法を短く設定できる。その結果、インキタンク7からの潤沢なインキが、連通管6を通ってインキ吸蔵体3の内部前方を介してペン先2後端に供給された後、前記ペン先2先端に迅速に供給されるため、筆跡途切れや筆跡カスレのない、ペン先2からの円滑なインキ流出性が得られる。また、ペン先2全体の長手寸法を短く設定できることから、ペン先2のコストを安価に抑えることもできる。
また、前記直液式筆記具1(構成5)は、連通管6を複数本(即ち2本以上)、有することにより、少なくとも一つの連通管6がインキ供給を行う場合、他の連通管6が空気供給を行うことになる。そのため、初期インキ出し時(即ち、インキが含浸されていないインキ吸蔵体3に最初にインキを供給する場合)に迅速にインキと空気との交替が行われ、短時間で筆記可能となる。
また、前記直液式筆記具1(構成5)は、温度上昇等によりインキタンク7内の圧力が上昇した際、インキタンク7内より押し出された余剰のインキは、前記連通管6を通ってインキ吸蔵体3の内部前方に供給され、さらに、インキ吸蔵体3の内部後方に供給され一時的に含浸される。一方、温度低下等によりインキタンク7内の圧力が減少した際、インキ吸蔵体3の内部後方に含浸されたインキが、インキ吸蔵体3の内部前方を介して連通管6を通ってインキタンク7内に戻される。
即ち、連通管6の各々の前端が、インキ吸蔵体3の前部内方に位置している構成により、インキタンク7内が圧力変化した際、インタンク7内の余剰インキを適正にインキ吸蔵体3に一時的に吸収させ、その後、その余剰インキをインキタンク7へ適正に戻すことができる。その結果、インキが外部に漏出することを十分に防止できる。
〔6〕前記直液式筆記具1(構成1乃至5)において、前記ペン先2の後端と前記連通管6の各々の前端との間は、前記インキ吸蔵体3を介してインキ流通可能に接続されること(構成6)が好ましい。
前記直液式筆記具1(構成6)は、前記ペン先2の後端と、前記連通管6の各々の前端とが、直接接続されていないため、少なくともペン先2の後端と連通管6の各々の前端との間のインキ吸蔵体3内部には一定量のインキが含浸されている。それにより、ペン先上向き状態や筆記具本体の水平状態などのインキタンク7からのインキ供給が無い場合でも、前記ペン先2の後端と連通管6の各々の前端との間のインキ吸蔵体3内部に含浸されたインキによって十分に筆記可能となる。
〔7〕前記直液式筆記具1(構成1乃至6)において、前記連通管6の各々の前端をインキ吸蔵体3の後端から前方に挿入し、インキ吸蔵体3の内部を前方に押圧圧縮することによって、前記連通管6の各々の前端近傍のインキ吸蔵体3の密度を、前記連通管6の各々の前端近傍以外の部分のインキ吸蔵体3の密度よりも高く設定すること(構成7)が好ましい。
前記直液式筆記具1(構成7)は、インキ吸蔵体3が、連通管6の各々の前端近傍の密度を高く設定した部分(高密度部31)と、連通管6の各々の前端近傍以外の密度を低く設定した部分(低密度部32)とを備える。そのため、インキ吸蔵体3内部におけるインキを、低密度部32よりも高密度部31に、優先して含浸させることができる。それにより、連通管6の各々の前端開口部を含浸インキによって、確実に液シールできる。その結果、温度低下等によりインキタンク7内の圧力が減少した際、インキ吸蔵体3内に含浸されたインキが、インキ吸蔵体3内に残留することがなく、インキ吸蔵体3の高密度部31から連通管6を通って、適正にインキタンク7内に戻される。
また、前記直液式筆記具1(構成7)は、インキ吸蔵体3の密度差(即ちインキ吸蔵体3の高密度部31と低密度部32)を、連通管6の各々の前端を前記インキ吸蔵体3の後端から前方に挿入し、インキ吸蔵体3の内部を前方に押圧圧縮することによって形成するため、連通管6をインキ吸蔵体3に組み込む前に、予めインキ吸蔵体3に密度差を設ける必要がなく、製造が極めて容易となる。
〔8〕前記直液式筆記具1(構成7)において、前記連通管6の各々の前端近傍以外のインキ吸蔵体3の空隙率が70%〜95%であり、前記連通管6の各々の前端近傍以外のインキ吸蔵体3の空隙率と、前記連通管6の各々の前端近傍のインキ吸蔵体3の空隙率との差が7%以上(好ましくは10%以上)であること(構成8)が好ましい。
前記直液式筆記具(構成8)において、前記連通管6の各々の前端近傍以外のインキ吸蔵体3の空隙率とは、連通管6の各々の前端近傍以外の密度を低く設定した部分(低密度部32)のインキ吸蔵体3の空隙率であり、前記連通管6の各々の前端近傍のインキ吸蔵体3の空隙率とは、連通管6の各々の前端近傍の密度を高く設定した部分(高密度部31)のインキ吸蔵体3の空隙率である。前記低密度部32の空隙率を70%〜95%の範囲に設定し、且つ、前記低密度部32の空隙率と高密度部31の空隙率との差を7%以上に設定したことにより、一層、連通管6の各々の前端開口部を含浸インキによって、確実に液シールできる。
〔9〕前記直液式筆記具1(構成7)において、前記連通管6の各々の前端を先鋭形状としたこと(構成9)が好ましい。
前記直液式筆記具1(構成9)は、連通管6の各々の前端が先鋭形状となっているため、各々の連通管6をインキ吸蔵体3の後端からスムーズに突き刺し挿入することができる。その結果、予めインキ吸蔵体3に連通管挿入用の孔を設ける必要がなく、組立工程を簡素化できる。
〔10〕前記直液式筆記具1(構成9)において、前記連通管6の各々の前端がその前端開口部を含む傾斜カット面61からなること(構成10)が好ましい。
前記連通管6の各々の前端の先鋭形状をその前端開口部を含む傾斜カット面61によって構成したこと(構成10)により、各々の連通管6のインキ吸蔵体3への突き刺し挿入性が、より一層、向上するとともに、各々の連通管6の前端開口部の開口面積が増加し、インキ吸蔵体3の内部へのインキの供給を迅速にできる。
〔11〕前記直液式筆記具1(構成1乃至10)において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2が、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さLの3%以上50%以下(好ましくは3%以上30%以下)に設定されること(構成11)が好ましい。
前記直液式筆記具1(構成11)は、インキタンク7の内圧上昇時にインキ吸蔵体3の前端よりインキが漏出することがなく、しかも、筆跡途切れや筆跡カスレのない、ペン先2先端からの十分なインキ流出性が得られる。もし、インキ吸蔵体3の前端からその後方に位置する連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2がインキ吸蔵体3全体の軸方向の長さの3%未満であると、インキタンク7の内圧上昇時にインキ吸蔵体3の前端よりインキが漏出するおそれがある。また、もし、インキ吸蔵体3の前端からその後方に位置する連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2がインキ吸蔵体3全体の軸方向の長さの50%を越えると、連通管6の各々の前端からペン先2先端までの距離が長くなり、インキ流出性が阻害されるおそれがある。
〔12〕前記直液式筆記具1(構成1乃至11)において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2が等しく設定されること(構成12)が好ましい。
前記直液式筆記具1(構成12)は、インキ吸蔵体3の内部における連通管6の各々の前端の相互間の距離が一層短くなり、連通管6の各々の前端開口部の液シール性が向上し、外部へのインキ漏出を、より一層防止できる。
〔13〕前記直液式筆記具1(構成1乃至12)において、前記連通管6の各々の前端と前記ペン先2の後端との軸方向の距離T1,T2が10mm(ミリメートル)以内に設定されること(構成13)が好ましい。
前記直液式筆記具1(構成13)は、初期インキ出し時、連通管6の各々の前端からペン先2の後端にインキが迅速に供給され、短時間で筆記可能となる。もし、連通管6の各々の前端とペン先2の後端との軸方向の距離T1,T2が10mmを越えると、連通管6の各々の前端とペン先2の後端との距離が大きくなり、連通管6の各々の前端からペン先2の後端への迅速なインキ供給できず、初期インキ出し時、筆記可能となるまでに相当の時間を要するおそれがある。尚、前記連通管6の各々の前端は、ペン先2の後端より前方に位置していてもよいし、あるいは、ペン先2の後端より後方に位置していてもよい。
〔14〕前記直液式筆記具1(構成1乃至13)において、前記連通管6の各々の前端と前記ペン先2の後端との間の間隔が等しく設定されること(構成14)がましい。
前記直液式筆記具1(構成14)は、初期インキ出し時、インキタンク7からのインキが、複数本の連通管6の中で、いずれの連通管6の前端開口部からペン先2の後端に供給された場合でも、ばらつき無く、一定時間で筆記可能となる。
〔15〕前記直液式筆記具1(構成1乃至14)において、前記インキ吸蔵体3の前端面及び後端面が外気と連通されること(構成15)が好ましい。
前記直液式筆記具1(構成15)は、インキ吸蔵体3の内部の空気を、インキ吸蔵体3の前端面及びインキ吸蔵体3の後端面から逃がすことができる。それにより、インキ吸蔵体3の内部の連通管6の前端開口部から供給されたインキを、前記インキ吸蔵体3の内部の連通管6の前端近傍から、インキ吸蔵体3の前端方向、及び連通管6の前端近傍のインキ吸蔵体3の内部からインキ吸蔵体3の後端方向へスムーズに移動させることができる。特に、インキ吸蔵体3の後端面と外気が連通することにより、温度上昇等によるインキタンク7内の圧力上昇時、インキタンク7内から押し出されたインキが、スムーズに連通管6の前端よりインキ吸蔵体3の連通管6の前端近傍を介して後方へ移動し、インキ吸蔵体3の後方に含浸され、インキの外部への漏出を防ぎ、一方、温度低下等よるインキタンク7内の圧力減少時、インキ吸蔵体3の後方の含浸インキを、インキ吸蔵体3内部の連通管6の前端近傍を介して連通管6の前端開口部より連通管6内を通してインキタンク7内に戻すことができる。
〔16〕前記直液式筆記具1(構成1乃至15)において、前記連通管6の各々の内部に、毛細間隙を備えたインキ吸収体63を配置したこと(構成16)が好ましい。
前記直液式筆記具1(構成16)により、連通管6の折れ曲がりを抑えるために各々の連通管6の外径および内径を比較的大きく設定した場合でも、連通管6の前端開口部の適正な液シールが得られる。
〔17〕前記直液式筆記具1(構成1乃至16)において、前記連通管6の各々の側壁を互いに連結すること(構成17)が好ましい。
前記直液式筆記具1(構成17)により、各々の連通管6の屈曲強度が向上し、各々の連通管6の折れ曲がりを抑えることができる。
(連通管)
尚、本発明で、前記連通管6は、一定の剛性を備える点で、合成樹脂製または金属製であることが好ましい。また、前記連通管6の外周面及び内周面の横断面形状は、例えば、円形、楕円、または3角形、4角形等の多角形等、いずれであってもよい。また、前記連通管6の本数は、複数本(即ち2本以上)であればよく、例えば、2本、3本、4本、5本または6本等が挙げられる。また、前記連通管6の各々は、前後方向に延設され、その各々の内部に流通路62が前後方向に貫設される。また、前記複数本の連通管6とは、その内部に独立した複数の流通路62が並列に形成された構成であればよく、例えば、各々の連通管6が径方向に離隔した構成(図1乃至図5参照)、各々連通管6の側壁が互いに連結した構成(図6乃至図8参照)、または大径の連通管6aの内部に小径の連通管6bを配置した構成(図9参照)等が挙げられる。また、前記連通管6の各々の前端は、ペン先2を中心とする同一円周上に等間隔に位置することが好ましい。また、前記連通管6の各々の前端は、軸方向前方に開口してもよいし、径方向外方に開口してもよい。前記連通管6の各々の前端の形状は、例えば、傾斜カット面、垂直面、円錐面、凸曲面等が挙げられる。
(インキ吸蔵体)
尚、本発明で、前記インキ吸蔵体3は、インキを含浸可能な連続気孔を有する部材(即ち多孔質材料)からなるものであればよく、例えば、繊維束の熱融着加工体、繊維束の樹脂加工体、フェルトの樹脂加工体、フェルトのニードルパンチ加工体、合成樹脂の連続気泡体等が挙げられる。また、前記インキ吸蔵体3は、その外周面に合成樹脂フィルム等よりなる外皮を備える構成でもよい。また、前記インキ吸蔵体3の内部前方とは、インキ吸蔵体3の前半部の内部のことである。前記インキ吸蔵体3は、単一の部材であってもよいし、毛細管力の異なる複数の部材であってもよい。
(ペン先)
尚、本発明で、前記ペン先2は、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、パイプ状ペン体、先端にスリットを有する万年筆型板状ペン体、毛筆ペン体、合成樹脂の多孔質気泡体、ボールペンチップ、軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体等が挙げられる。また、前記ペン先2の後端を構成する材料は、少なくとも、インキ吸蔵体3との適正な接続を可能にするために毛細間隙を備えた部材であればよく、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、合成樹脂の多孔質気泡体等の多孔質材料、または軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体が挙げられる。
(インキ吸収体)
尚、前記インキ吸収体63は、毛細間隙を備えるものであればよく、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、合成樹脂の多孔質気泡体等の多孔質材料、または軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体等が挙げられる。前記インキ吸収体63の毛細管力は、インキ吸蔵体3内部の連通管6の各々の前端近傍部分(高密度部31)の毛細管力よりも、小さく設定されることが好ましい。
(第1実施例)
本発明の第1実施例の直液式筆記具1を図1乃至図2に示す。
本実施例の直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記ペン先2を前端部で保持し且つ前記インキ吸蔵体3を内部に収容する吸蔵体収容部と、前記吸蔵体収容部の後方に取り付けられ且つ内部にインキ8を直に貯溜するインキタンク7と、前記吸蔵体収容部と前記インキタンク7とを区画する隔壁52と、前記隔壁52の前面より前方に突出され、インキ吸蔵体3の内部に突き刺し接続される複数本(具体的には2本)の連通管6とからなる。前記吸蔵体収容部は、前記ペン先2を保持する先部材4と、前記先部材4と前記インキタンク7とを接続する中間部材5とからなる。
・ペン先
前記ペン先2は、合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維等)の樹脂加工により得られる棒状体である。前記ペン先2の先端は、砲弾状に研削される。前記ペン先2の後端部外周面は、テーパ状に面取りされる。前記ペン先2の中間部は、環状溝21が形成される。
・インキ吸蔵体
前記インキ吸蔵体3は、円柱状の合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維)の加工体よりなる。前記インキ吸蔵体3の外周面には、円筒状の外皮が被覆されている。前記外皮は、合成樹脂製フィルム(例えはポリエチレンテレフタレート製フィルム)よりなる。前記インキ吸蔵体3の前端面の軸心にペン先2の後端が突き刺し挿入され、前記ペン先2の後端が前記インキ吸蔵体3の内部前方に位置される。
・先部材
前記先部材4は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形により得られる筒状体である。前記先部材4は、ペン先2外周面を保持する小径部41と、該小径部41より後方に連設され、インキ吸蔵体3の前部外周面を保持する大径部42とからなる。
前記先部材4の内面(即ち小径部41の内面から大径部42の内面まで)には、前後方向に延びる複数本のリブ43が一体に形成される。前記リブ43には、前記先部材の小径部41と大径部42との中間部において、段形状の規制壁部43aが形成される。前記規制壁部43aにインキ吸蔵体3の前端が軸方向に当接し、前記大径部42の内面のリブ43にインキ吸蔵体3の前部外周面が圧接保持される。前記リブ43は、前記小径部41内面において、係止凸部43bが形成される。前記小径部41内面において、リブ43によりペン先2の外周面が径方向に圧接保持されるとともに、前記係止凸部43bにペン先2外周面の環状溝21が係合し、ペン先2の前後方向の移動が規制される。
前記リブ43により、インキ吸蔵体3の前部外周面と大径部42の内面との間、インキ吸蔵体3の前端面と先部材4の中間部内面との間、及びペン先2外周面と小径部41内面との間に、空気通路10が形成される。前記空気通路10の前側は、先部材4の前端より外部に開口されるとともに、前記空気通路10の後側は、インキ吸蔵体3の後端面と連通している。即ち、前記空気通路10により、インキ吸蔵体3の前端面及びインキ吸蔵体3の後端面が、外気と連通される。
・中間部材
前記中間部材5は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形より得られる筒状体である。前記中間部材5は、前方に開口する前方筒部51と、該前方筒部51の底部に形成される隔壁52と、該隔壁52から後方に延設され且つ後方に開口する後方筒部53と、前記隔壁52前面から軸方向前方に突出される複数(具体的には2本)の連通管6とが一体に連設されてなる。本実施例では、隔壁52と連通管6とが一体に連設されているが、これ以外にも、別部材よりなる隔壁52と連通管6とを固着させる構成でもよい。
前記前方筒部51の内周面には前記先部材4の大径部42外周面が圧入固着される。前記前方筒部51、隔壁52、及び先部材4の大径部42によって形成される空間(即ち吸蔵体収容部)に、インキ吸蔵体3が収容される。前記後方筒部53にはインキタンク7の開口部が着脱自在に取り付けられる。具体的には、前記後方筒部53にはインキタンク7の開口部が螺合により着脱自在に取り付けられる。
前記隔壁52と前記インキ吸蔵体3の後端面は非接触状態に維持され、前記隔壁52と前記インキ吸蔵体3の後端面との間には、外気と連通する隙間9が形成される。前記隙間9は、前記空気通路10を介して、外気と連通される。
・連通管
前記連通管6の各々の内部には、軸方向に流通路62が設けられ、前記流通路62が、前記連通管6の各々の両端にて開口される。前記連通管6の各々の前端は、インキ吸蔵体3の内部前方に開口され、前記連通管6の各々の後端は、インキ吸蔵体3後方のインキタンク7内に開口される。前記複数本の連通管6は、インキ吸蔵体3とインキタンク7との間に並列に配置されるため、インキ吸蔵体3と、その後方のインキタンク7との間に、独立した複数本の流通路62が並列に設けられる。
前記連通管6の各々は、前端が一つの傾斜カット面61からなり、先鋭化される。前記連通管6の各々の前端は、インキ吸蔵体3の後端から前方に突き刺し挿入され、最後はインキ吸蔵体3の内部前方のペン先2後端近傍に位置される。前記連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3に突き刺し挿入される際、連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3の繊維を前方に押圧圧縮する。それにより、各々の連通管6の前端近傍のインキ吸蔵体3の繊維密度が、連通管6の各々の前端近傍以外の部分のインキ吸蔵体3の繊維密度よりも高く設定される。即ち、インキ吸蔵体3内部に、繊維密度の高い高密度部31と、繊維密度の低い低密度部32が形成される。前記連通管6の各々の前端はインキ吸蔵体3の内部前方に位置しているため、インキ吸蔵体3の内部前方に前記高密度部31が形成され、インキ吸蔵体3の内部後方に前記低密度部32が形成される。前記各々連通管6は、低密度部32を後方から前方に貫通され、前記連通管6の各々の前端が低密度部32より前方の高密度部31の内部に位置される。尚、本実施例において、前記低密度部32の空隙率(気孔率)は、85%〜93%に設定され、前記低密度部32の空隙率と前記高密度部31の空隙率との差は、20%に設定されている。
前記連通管6の各々の前端は、インキ吸蔵体3の軸心から径方向外方に離れた位置に配置される。詳細には、前記連通管6の各々の前端は、インキ吸蔵体3の軸心を中心とする同一円周上に等間隔で配置される。本実施例では、連通管6は2本であるので、前記連通管6はインキ吸蔵体3の軸心に対して180度対称位置に配置される。前記ペン先2がインキ吸蔵体3の軸心に位置しているので、前記連通管6の各々の前端は、ペン先2後端と直接接続されず、ペン先2と非接触状態にあり、インキ吸蔵体3の内部前方(高密度部31)を介してインキ流通可能に接続される。また、前記連通管6の各々の前端は、ペン先2の後端より僅かに前方に位置している。
前記連通管6の各々の前端の傾斜カット面61は、連通管6の各々の前端開口部を含むよう形成される。前記傾斜カット面61(即ち連通管6の前端開口部)は、インキ吸蔵体3の軸心方向(即ちペン先2後端方向)に向いている。それにより、インキをペン先2後端に迅速に供給できるとともに、連通管6の前端によってペン先2後端近傍の繊維がペン先2後端方向に向かって押圧圧縮され、ペン先2後端近傍の繊維密度を容易に高く設定できる。本実施例では、前記連通管6の各々の外面及び内面の横断面は円形状であり、前記連通管6の各々の前端の外周縁及び内周縁は、傾斜カット面61により、楕円形状となっている。
・軸方向の距離
尚、本実施例において、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さLは、30mmに設定される。また、本実施例において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2は、両者とも4mmに設定される。よって、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2は、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さLの13.3%(即ち3%〜50%の範囲内)である。また、本実施例において、前記連通管6の各々の前端と前記ペン先2の後端との軸方向の距離T1,T2は、両者とも1mm(即ち10mm以内)に設定される。
・インキタンク
前記インキタンク7は、前端が開口し後端が閉鎖された有底筒状体であり、合成樹脂の射出成形またはブロー成形により得られる。前記インキタンク7内には、直にインキ8が貯溜される。前記インキタンク7内に貯溜されるインキ8は、水性インキ、油性インキのいずれであってもよい。
前記インキタンク7の前端開口部は、中間部材5と着脱自在に取り付けられる。前記インキタンク7のインキ8が消費され筆記不能となった場合、前記インキタンク7を中間部材5から取り外し、そのインキタンク7の内部にインキ8を充填した後、または、内部にインキ8が充填された新たなインキタンク7と交換した後、前記内部にインキ8が充填されたインキタンク7を中間部材5に取り付ける。それにより、再び、筆記可能となる。
(第2実施例)
図3に本発明の第2実施例を示す。
本実施例は、第1実施例の変形例であり、第1実施例と異なる点はペン先2の先端がチゼル形状を有する点、及び連通管6と隔壁52とが別部材によりなる点である。
前記隔壁52には、前後方向に二つの取付孔52aが貫設される。前記各々の取付孔52aに連通管6が圧入固着される。また、前記隔壁52の前面には、前記取付孔52aが前方に開口される環状凸部52bが一体に形成される。前記環状凸部52bと前記インキ吸蔵体3の後端面とが当接され、前記インキ吸蔵体3の後端面と隔壁52との間に、前記環状凸部52bの突出寸法に応じた隙間9が適正に形成される。また、前記インキ吸蔵体3の前端面が規制壁部43aに当接され、且つ、前記インキ吸蔵体3の後端面が前記環状凸部52bにより当接される構成のため、インキ吸蔵体3の前後方向のガタツキを防止できる。尚、前記以外の点は、第1実施例と同様の構成であるため説明を省略する。
(第3実施例)
図4に本発明の第3実施例を示す。
本実施例は、第1実施例の変形例であり、ペン先2がボールペンチップよりなる。前記ペン先2は、先端に回転可能にボール22を抱持するホルダー23と、該ホルダー23内に挿着されるインキ誘導部材24とからなる。前記インキ誘導部材24は、棒状の合成樹脂製繊維の樹脂加工体からなり、その後端が、インキ吸蔵体3の前端より突き刺し挿入され、インキ吸蔵体3の内部前方に位置されている。また、先部材4の小径部41側壁には、空気孔44が穿設される。前記空気孔44により、外気と先部材4内の空気通路10とが連通される。尚、前記以外の構成は、第1実施例と同様の構成であるため説明を省略する。
(第4実施例)
図5に本発明の第4実施例を示す。
本実施例は、第1実施例の変形例であり、第1実施例と異なる点は、繊維加工体よりなるインキ吸収体63を各々連通管6の流通路62内に収容した点である。前記インキ吸収体63の繊維密度(毛細管力)は、インキ吸蔵体3の高密度部31の繊維密度(毛細管力)よりも小さく設定される。前記インキ吸収体63を連通管6に収容したことによって、連通管6の外径及び内径を比較的大きく設定しても、連通管6の前端開口部の適正に液シールすることができる。その結果、連通管6の外径及び内径を太く設定でき、連通管6の折れ曲がり防止に有利となる。尚、前記以外の構成は、第1実施例と同様の構成であるため説明を省略する。
(第5実施例)
図6及び図7に本発明の第5実施例を示す。
本実施例は、第1実施例の変形例であり、第1実施例と異なる点は、各々の連通管6の側壁を軸方向に延びる板状リブ64により互いに一体に連結した点である。それにより、各々の連通管6の屈曲強度が向上し、インキ吸蔵体3への安定した突き刺し挿入が得られる。尚、前記以外の構成は、第1実施例と同様の構成であるため説明を省略する。
図8に他の連通管6の例を示す。
これは、連通管6の各々の側壁を互いに連結した別の例である。即ち、この例では、1本の筒状体の内部を長手方向に延びる仕切壁により区画した構成、あるいは、別の言い方をすれば、横断面半月状の2本の連通管6を横断面円形状になるように一体に連結した構成である。それにより、筒状体の内部に横断面半月状の2本の流通路62が独立して並列に設けられる。
図9に他の連通管6の例を示す。
これは、大径の連通管6aの内部に小径の連通管6bを配置した構成の例である。この例では、大径の連通管6aの内周面と小径の連通管6bの外周面との間に横断面環状の流通路62が形成され、小径の連通管6bの内部に横断面円形状の流通路62が形成される。
(第6実施例)
図10に第6実施例を示す。
本実施例は、第1実施例の変形例であり、第1実施例と異なる点は、連通管6の各々の前端が軸線に対して垂直面である点にある。尚、前記以外の構成は、第1実施例と同様の構成であるため説明を省略する。
(第7実施例)
図11に第7実施例を示す。
本実施例は、第1実施例の変形例であり、第1実施例と異なる点は、連通管6の各々の前端が軸線に対して垂直面である点と、連通管6の各々の前端が、軸方向前方に開口せず、複数の窓孔65により径方向外方に開口している点にある。尚、前記以外の構成は、第1実施例と同様の構成であるため説明を省略する。
(第8実施例)
図12に第8実施例を示す。
本実施例は、第1実施例の変形例であり、第1実施例と異なる点は、連通管6の各々の前端が軸線に対して垂直面である点と、インキ吸蔵体3の軸心の貫通孔にペン先2の後部が圧入され、ペン先2の後端がインキ吸蔵体3の内部後方(インキ吸蔵体3の後半部の内部)に位置している点にある。尚、前記以外の構成は、第1実施例と同様の構成であるため説明を省略する。
本発明の第1実施例のペン先下向き状態を示す縦断面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の第2実施例のペン先下向き状態を示す縦断面図である。 本発明の第3実施例のペン先下向き状態を示す縦断面図である。 本発明の第4実施例のペン先下向き状態を示す縦断面図である。 本発明の第5実施例のペン先下向き状態を示す縦断面図である。 図6のB−B線断面図である。 他の連通管の例を示す横断面図である。 他の連通管の例を示す横断面図である。 本発明の第6実施例のペン先下向き状態を示す縦断面図である。 本発明の第7実施例のペン先下向き状態を示す縦断面図である。 本発明の第8実施例のペン先下向き状態を示す縦断面図である。
符号の説明
1 直液式筆記具
2 ペン先
21 環状溝
22 ボール
23 ホルダー
24 インキ誘導部材
3 インキ吸蔵体
31 高密度部
32 低密度部
4 先部材
41 小径部
42 大径部
43 リブ
43a 規制壁部
43b 係止凸部
44 空気孔
5 中間部材
51 前方筒部
52 隔壁
52a 取付孔
52b 環状凸部
53 後方筒部
6 連通管
61 傾斜カット面
62 流通路
63 インキ吸収体
64 リブ
65 窓孔
6a 大径の連通管
6b 小径の連通管
7 インキタンク
8 インキ
9 隙間
10 空気通路
L インキ吸蔵体全体の軸方向の長さ
S1,S2 インキ吸蔵体の前端から連通管の前端までの軸方向の距離
T1,T2 連通管の前端とペン先の後端との軸方向の距離

Claims (17)

  1. ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、前記連通管の各々の前端が開口され、前記連通管の各々の前端がインキ吸蔵体内部に位置されてなることを特徴とする直液式筆記具。
  2. ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、前記連通管の各々の前端が開口され、前記連通管の各々の前端がインキ吸蔵体内部に位置され、前記連通管の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定されてなることを特徴とする直液式筆記具。
  3. ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、前記連通管の各々の前端が開口され、前記連通管の各々の前端がインキ吸蔵体内部のペン先後端近傍に位置されてなることを特徴とする直液式筆記具。
  4. ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、前記連通管の各々の前端が開口され、前記連通管の各々の前端がインキ吸蔵体内部のペン先後端近傍に位置され、前記連通管の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定されてなることを特徴とする直液式筆記具。
  5. ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、前記連通管の各々の前端が開口され、前記連通管の各々の前端が前記インキ吸蔵体の内部前方に位置し、前記ペン先の後端が前記インキ吸蔵体の内部前方に位置してなることを特徴とする直液式筆記具。
  6. 前記ペン先の後端と前記連通管の各々の前端との間は、前記インキ吸蔵体を介してインキ流通可能に接続される請求項1乃至5のいずれかに記載の直液式筆記具。
  7. 前記連通管の各々の前端をインキ吸蔵体の後端から前方に挿入し、インキ吸蔵体の内部を前方に押圧圧縮することによって、前記連通管の各々の前端近傍のインキ吸蔵体の密度を、前記連通管の各々の前端近傍以外の部分のインキ吸蔵体の密度よりも高く設定した請求項1乃至6のいずれかに記載の直液式筆記具。
  8. 前記連通管の各々の前端近傍以外のインキ吸蔵体の空隙率が70%〜95%であり、前記連通管の各々の前端近傍以外のインキ吸蔵体の空隙率と、前記連通管の各々の前端近傍のインキ吸蔵体の空隙率との差が7%以上である請求項7記載の直液式筆記具。
  9. 前記連通管の各々の前端を先鋭形状とした請求項7記載の直液式筆記具。
  10. 前記連通管の各々の前端がその前端開口部を含む傾斜カット面からなる請求項9記載の直液式筆記具。
  11. 前記インキ吸蔵体の前端から前記連通管の各々の前端までの軸方向の距離が、前記インキ吸蔵体全体の軸方向の長さの3%以上50%以下に設定される請求項1乃至10のいずれかに記載の直液式筆記具。
  12. 前記インキ吸蔵体の前端から前記連通管の各々の前端までの軸方向の距離が等しく設定される請求項1乃至11のいずれかに記載の直液式筆記具。
  13. 前記連通管の各々の前端と前記ペン先の後端との軸方向の距離が10mm以内に設定される請求項1乃至12のいずれかに記載の直液式筆記具。
  14. 前記連通管の各々の前端と前記ペン先の後端との間の間隔が等しく設定される請求項1乃至13のいずれかに記載の直液式筆記具。
  15. 前記インキ吸蔵体の前端面及び後端面が外気と連通される請求項1乃至14のいずれかに記載の直液式筆記具。
  16. 前記連通管の各々の内部に、毛細間隙を備えたインキ吸収体を配置した請求項1乃至15のいずれかに記載の直液式筆記具。
  17. 前記連通管の各々の側壁を互いに連結した請求項1乃至16のいずれかに記載の直液式筆記具。
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