JP4750590B2 - 直液式筆記具 - Google Patents
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Description
本発明は、ペン先2と、前記ペン先2の後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置され、インキ8を直に貯溜するインキタンク7と、前記インキタンク7と前記インキ吸蔵体3との間を接続する連通管52とからなる直液式筆記具であって、前記連通管52を複数備え、インキ吸蔵体3とインキタンク7との間に隔壁51を設け、前記隔壁51前面より前方に前記連通管52の各々を突出させ、前記連通管52の各々の前端をインキ吸蔵体3内部に位置させ、前記隔壁51の後面より後方に、インキタンク7の前端開口部内に挿着可能な接続管53を突出させ、前記接続管53内に位置する隔壁51に、前記各々の連通管52内の流通路52aを貫通させてなること(構成1)を要件とする。
前記構成1の直液式筆記具1において、前記接続管53内に位置する隔壁51の軸心を除く箇所に、各々の連通管52内の流通路52aを貫通させてなること(構成2)が好ましい。
前記構成1または2の直液式筆記具1において、前記隔壁51、前記各々の連通管52、及び前記接続管53を一体に形成してなること(構成3)が好ましい。
前記構成3の直液式筆記具1において、前記隔壁51に、各々の連通管52の基部または接続管53の基部を包囲する取付筒部54を一体に形成し、前記取付筒部54の外面を軸筒4の内面に固着してなること(構成4)が好ましい。
前記構成1乃至4のいずれかの直液式筆記具1において、前記インキ吸蔵体3が、高密度部31と該高密度部31より後方に連接される低密度部32とを備え、前記高密度部31に、前記連通管52の各々の前端及び前記ペン先2の後端を位置させること(構成5)が好ましい。
前記構成1乃至5のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管52の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定されてなること(構成6)が好ましい。
前記構成1乃至6のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管52の各々の前端がインキ吸蔵体3内部のペン先2後端近傍に位置されてなること(構成7)が好ましい。
前記構成1乃至7のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管52の各々の前端が前記インキ吸蔵体3の内方前方に位置し、前記ペン先2の後端が前記インキ吸蔵体3の内部前方に位置してなること(構成8)が好ましい。
前記構成1乃至8のいずれかの直液式筆記具1において、前記ペン先2の後端と前記連通管52の各々の前端との間は、前記インキ吸蔵体3(高密度部31)を介してインキ流通可能に接続されること(構成9)が好ましい。
前記構成5の直液式筆記具1において、前記連通管52の各々の前端をインキ吸蔵体3の後端から前方に挿入し、インキ吸蔵体3の内部を前方に押圧圧縮することによって、前記連通管52の各々の前端近傍のインキ吸蔵体3の密度を、前記連通管52の各々の前端近傍以外の部分のインキ吸蔵体3の密度よりも高く設定したこと(構成10)が好ましい。
前記構成5または構成10の直液式筆記具1において、前記連通管52の各々の前端近傍以外のインキ吸蔵体3の空隙率が70%〜95%であり、前記連通管52の各々の前端近傍以外のインキ吸蔵体3の空隙率と、前記連通管52の各々の前端近傍のインキ吸蔵体3の空隙率との差が7%以上(好ましくは10%以上)であること(構成11)が好ましい。
前記構成1乃至11のいずれかの直液式筆記具1において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管52の各々の前端までの軸方向の距離が、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さの3%以上50%以下(好ましくは3%以上30%以下)に設定されること(構成12)が好ましい。
前記構成1乃至12のいずれかの直液式筆記具1において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管52の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2が等しく設定されること(構成13)が好ましい。
前記構成1乃至13のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管52の各々の前端と前記ペン先2の後端との軸方向の距離T1,T2が10mm(ミリメートル)以内に設定されること(構成14)が好ましい。
前記構成1乃至14のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管52の各々の前端と前記ペン先2の後端との間の間隔が等しく設定されること(構成15)が好ましい。
前記構成1乃至15のいずれかの直液式筆記具1において、前記インキ吸蔵体3の前端面及び後端面が外気と連通されること(構成16)が好ましい。
尚、本発明で、前記連通管52は、一定の剛性を備える点で、合成樹脂製または金属製であることが好ましい。また、前記連通管52の外周面及び内周面の横断面形状は、例えば、円形、楕円、または3角形、4角形等の多角形等、いずれであってもよい。また、前記連通管52の本数は、複数本(即ち2本以上)であればよく、例えば、2本、3本、4本、5本または6本等が挙げられる。
尚、本発明で、前記インキ吸蔵体3は、インキを含浸可能な連続気孔を有する部材(即ち多孔質材料)からなるものであればよく、例えば、繊維束の熱融着加工体、繊維束の樹脂加工体、フェルトの樹脂加工体、フェルトのニードルパンチ加工体、合成樹脂の連続気泡体等が挙げられる。また、前記インキ吸蔵体3は、その外周面に合成樹脂フィルム等よりなる外皮を備える構成でもよい。また、前記インキ吸蔵体3の内部前方とは、インキ吸蔵体3の前半部の内部のことである。前記インキ吸蔵体3は、単一の部材であってもよいし、毛細管力の異なる複数の部材であってもよい。
尚、本発明で、前記ペン先2は、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、パイプ状ペン体、前端にスリットを有する万年筆型板状ペン体、毛筆ペン体、合成樹脂の多孔質気泡体、ボールペンチップ、軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体等が挙げられる。また、前記ペン先2の後端を構成する材料は、少なくとも、インキ吸蔵体3との適正な接続を可能にするために毛細間隙を備えた部材であればよく、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、合成樹脂の多孔質気泡体等の多孔質材料、または軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体が挙げられる。
本発明の第1の実施の形態の直液式筆記具1を図1乃至図2に示す。
本実施例の直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置される中間部材5と、前記中間部材5の後方に配置されるインキタンク7と、前端部で前記ペン先2を保持し且つ内部に前記インキ吸蔵体3、前記中間部材5、及び前記インキタンク7を収容する軸筒4と、前記軸筒4の後端開口部に着脱自在に螺着される尾栓6とからなる。
前記ペン先2は、合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維等)の樹脂加工により得られる棒状体である。前記ペン先2の前端は、砲弾状に研削される。前記ペン先2の後端部外周面は、テーパ状に面取りされる。
前記インキ吸蔵体3は、円柱状の合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維)の加工体よりなる。前記インキ吸蔵体3の外周面には、円筒状の外皮が被覆されている。前記外皮は、合成樹脂製フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート製フィルム)よりなる。前記インキ吸蔵体3の前端面の軸心にペン先2の後端が突き刺し挿入され、前記ペン先2の後端が前記インキ吸蔵体3の内部前方に位置される。
前記軸筒4は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形により得られる筒状体である。前記軸筒4は、ペン先2外周面を保持する先細部41と、該先細部41より後方に連設され、インキ吸蔵体3及び隔壁51及びインキタンク7が収容される本体部42とからなる。
前記中間部材5は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形より得られる。前記中間部材5は、前記インキ吸蔵体3とインキタンク7とを区画する隔壁51と、前記隔壁51の前面より前方に突出され且つインキ吸蔵体3の内部に突き刺し接続される複数本(具体的には2本)の連通管52と、前記隔壁51の後面より後方に突出され且つインキタンク7の前端開口部に挿着される接続管53と、前記隔壁51の後面より後方に突出し且つ軸筒4内面(本体部42内面)に固着される取付筒部54とを備える。軸筒4及び隔壁51によって形成される空間(即ち吸蔵体収容部)に、インキ吸蔵体3が収容される。本実施の形態において、前記取付筒部54は接続管53の基部外周を包囲している。前記接続管53には栓体71の片側を押圧するため突片53aが一体に形成される。前記隔壁51は円板状であり、前記各々の連通管52、前記接続管53、前記取付筒部54は、円筒状である。
図2(2)に示すように、隔壁51の前面には、板状のリブよりなる当接壁部51aが一体に形成される。前記当接壁部51aがインキ吸蔵体3の後端面と当接される。前記当接壁部51aにより、前記隔壁51と前記インキ吸蔵体3の後端面との間には、外気と連通する隙間9が形成される。前記隙間9は、前記空気通路10を介して、外気と連通される。前記当接壁部51aは、横断面放射状(ここでは十字状)に形成される。前記当接壁部51aの一部は各々の連通管52の基部の間に形成され、各々の連通管52の基部側壁が連結される。それにより、各々の連結管の屈曲強度が向上し、各々の連通管52の隔壁51に対する折れ曲がりを抑えることができる。
前記連通管52の各々の内部には、軸方向に流通路52aが設けられ、前記流通路52aが、前記連通管52の各々の両端にて開口される。前記連通管52の各々の前端は、インキ吸蔵体3の内部前方に開口され、前記連通管52の各々の後端は、インキ吸蔵体3後方のインキタンク7内に開口される。前記各々の連通管52は、インキ吸蔵体3とインキタンク7との間に並列に配置されるため、インキ吸蔵体3と、その後方のインキタンク7との間に、独立した複数本の流通路52aが並列に設けられる。前記連通管52の各々の流通路52aは、接続管53内に位置する隔壁51の、軸心より離れた箇所に貫通される。
尚、本実施例において、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さLは、30mmに設定される。また、本実施例において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管52の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2は、両者とも4mmに設定される。よって、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管52の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2は、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さLの13.3%(即ち3%〜50%の範囲内)である。また、本実施例において、前記連通管52の各々の前端と前記ペン先2の後端との軸方向の距離T1,T2は、両者とも1mm(即ち10mm以内)に設定される。
前記インキタンク7は、前端が開口し後端が閉鎖された有底筒状体であり、合成樹脂の射出成形またはブロー成形により得られる。前記インキタンク7内には、直にインキ8が貯溜される。前記インキタンク7内に貯溜されるインキ8は、水性インキ、油性インキのいずれであってもよい。
図3及び図4に本発明の第2の実施の形態を示す。
本実施の形態は第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点は、取付筒部54が、隔壁51の前面より前方に突出され且つ各々の連通管52基部を包囲する点と、当接壁部51aが隔壁51前面より前方に大きく突出される点である。特に、前記当接壁部51aの軸方向の長さを調節することにより、筆記具本体を把持しやすい軸方向の長さに自由に設定でき、インキタンク7の軸方向の長さ(即ちインキタンク容量)やインキ吸蔵体3の軸方向の長さを変更する必要がない。尚、本実施の形態における他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
2 ペン先
3 インキ吸蔵体
31 高密度部
32 低密度部
4 軸筒
41 先細部
42 本体部
43 リブ
43a 規制壁部
43b 筒状壁部
5 中間部材
51 隔壁
51a 当接壁部
52 連通管
52a 流通路
53 接続管
53a 突片
54 取付筒部
6 尾栓
7 インキタンク
71 栓体
8 インキ
9 隙間
10 空気通路
S1,S2 インキ吸蔵体の前端から連通管の前端までの軸方向の距離
T1,T2 連通管の前端とペン先の後端との軸方向の距離
Claims (5)
- ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、インキ吸蔵体とインキタンクとの間に隔壁を設け、前記隔壁前面より前方に前記連通管の各々を突出させ、前記連通管の各々の前端をインキ吸蔵体内部に位置させ、前記隔壁の後面より後方に、インキタンクの前端開口部内に挿着可能な接続管を突出させ、前記接続管内に位置する隔壁に、前記各々の連通管内の流通路を貫通させてなることを特徴とする直液式筆記具。
- 前記接続管内に位置する隔壁の軸心を除く箇所に、各々の連通管内の流通路を貫通させてなる請求項1記載の直液式筆記具。
- 前記隔壁、前記各々の連通管、及び前記接続管を一体に形成してなる請求項1または2記載の直液式筆記具。
- 前記隔壁に、各々の連通管の基部または接続管の基部を包囲する取付筒部を一体に形成し、前記取付筒部の外面を軸筒の内面に固着してなる請求項3記載の直液式筆記具。
- 前記インキ吸蔵体が、高密度部と該高密度部より後方に連接される低密度部とを備え、前記高密度部に、前記連通管の各々の前端及び前記ペン先の後端を位置させてなる請求項1乃至4のいずれかに記載の直液式筆記具。
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