JP2006233128A - カゴ構造を有する重合体、それを含む膜形成用組成物、絶縁膜および電子デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
炭素数11個以上のカゴ構造を有する化合物を溶媒中で重合して得られることを特徴とする重合体、それを含む膜形成組成物、および該膜形成組成物を用いて得られる絶縁膜、およびそれを有する電子デバイス。
Description
また、有機ポリマーは概して有機溶剤への溶解性の不十分なものが多く、塗布液中での析出、絶縁膜中でのブツ発生の抑制が重要な課題となっているが、溶解性を向上させるためにポリマー主鎖を折れ曲がり構造にするとガラス転移点の低下、耐熱性の低下が弊害となりこれらを両立することは容易ではない。
また、ポリアリーレンエーテルを基本主鎖とする高耐熱性樹脂が知られており(特許文献1、特許文献2)、誘電率は2.6〜2.7の範囲である。しかし、高速デバイスを実現するためには更なる低誘電率化が望まれており、多孔化せずにバルクでの誘電率を好ましくは2.6以下、より好ましくは2.5以下にすることが望まれている。
特許文献3にはジアマンタンにエチニル基が置換した化合物をモノマーとする熱重合体が開示されている。しかしながら、本明細書に記載された方法で合成した重合体はシクロヘキサノン等の半導体デバイス製造に好適に用いられる塗布溶剤に不溶であるため、スピンコート法による膜形成に供することは不可能である。
(1) 炭素数11個以上のカゴ構造を有する化合物を溶媒中で重合して得られることを特徴とする重合体。
(2) アセチレン性三重結合の重合反応であることを特徴とする上記(1)に記載の重合体。
(3) シクロヘキサノンに25℃で3質量%以上溶解することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の重合体。
(4) カゴ構造を有する化合物が下記式(I)で表わされることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の重合体。
Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはシリル基を表す。
mは1〜14の整数を表す。
Xは置換基を表わす。
nは0〜13の整数を表す。
(5) Rが水素原子またはメチル基であり、mが1または2であり、かつnが0である(4)に記載の重合体。
(6) 重合触媒を共存させて得られる上記(1)〜(5)のいずれかに記載の重合体。
(7) カゴ型構造を有する化合物が窒素原子を有さないことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の重合体。
(8) 上記(1)〜(7)のいずれかに記載の重合体と塗布溶剤を含む膜形成用組成物。
(9) 上記(8)に記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
(10) 上記(9)に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
ここでいう炭素原子にはカゴ型構造に置換した連結基や置換基の炭素原子を含めない。例えば、1−メチルアダマンタンは10個の炭素原子で構成されるものとする。
重合が可能な置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、炭素数1〜10の直鎖、分岐、環状のアルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数2〜10のアルケニル基(ビニル、プロペニル等)、炭素数2〜10のアルキニル基(エチニル、フェニルエチニル等)、炭素数6〜20のアリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、炭素数2〜10のアシル基(ベンゾイル等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(フェノキシ等)、炭素数6〜20のアリールスルホニル基(フェニルスルホニル等)、ニトロ基、シアノ基、シリル基(トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリル等)等が挙げられ、好ましい置換基はフッ素原子、臭素原子、炭素数1〜5の直鎖、分岐、環状のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、シリル基である。これらの置換基はさらに別の置換基で置換されていてもよい。
重合可能な置換基の中で特に好ましい置換基はアセチレン性の炭素―炭素三重結合を含む基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基等)である。
このとき、カゴ型構造に結合する基は1価以上の置換基でも2価以上の連結基でも良い。
Rは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10のもの)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10のもの)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜10のもの)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20のもの)、またはシリル基(好ましくは炭素数0〜20のもの)を表し、より好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数0〜20のシリル基であり、特に好ましくは水素原子またはメチル基である。
mは1〜14の整数を表し、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜3であり、特に好ましくは2である。
Xは置換基を表わし、例えばハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、炭素数1〜10の直鎖、分岐、環状のアルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数2〜10のアルケニル基(ビニル、プロペニル等)、炭素数6〜20のアリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、炭素数2〜10のアシル基(ベンゾイル等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(フェノキシ等)、炭素数6〜20のアリールスルホニル基(フェニルスルホニル等)、ニトロ基、シアノ基、シリル基(トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリル等)等が挙げられ、好ましい置換基はフッ素原子、臭素原子、炭素数1〜5の直鎖、分岐、環状のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、シリル基である。これらの置換基はさらに別の置換基で置換されていてもよい。
nは0〜13の整数を表し、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0である。
本発明の式(I)の化合物は、1−エチニルジアマンタン、4−エチニルジアマンタン、4,9−ジエチニルジアマンタン、1,6−ジエチニルジアマンタン、1,4−ジエチニルジアマンタン、1,4,9−トリエチニルジアマンタンがより好ましく、特に好ましいものは4,9−ジエチニルジアマンタン、1,6−ジエチニルジアマンタンである。
重合反応で使用する溶媒は、原料モノマーが必要な濃度で溶解可能であり、かつ得られる重合体から形成する膜の特性に悪影響を与えないものであればどのようなものを使用しても良い。例えば水やメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤、アルコールアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエート等のエステル系溶剤、ジブチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤などが利用できる。これらの中でより好ましい溶剤はアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、アニソール、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、より好ましくはテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、アニソール、トルエン、キシレン、メシチレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、特に好ましくはγ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンである。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
反応用の溶媒の沸点は50℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上であり、特に好ましくは150℃以上である。
反応液の濃度は好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%である。
また、本発明において好ましい重合反応である炭素−炭素三重結合の付加重合において、高温熱重合、遷移金属触媒を用いた重合が好ましく用いられる。
重合の際に触媒を添加することは、反応時間短縮、反応温度の低下の観点で特に好ましい。使用できる触媒としては金属触媒が好ましく用いられ、例えばPd(PPh3)4、Bis(benzonitrile)Palladiumchloride、Pd(OAc)2等のPd系触媒、Ziegler−Natta触媒、ニッケルアセチルアセトネート等のNi系触媒、WCl6等のW系触媒、MoCl5等のMo系触媒、TaCl5等のTa系触媒、NbCl5等のNb系触媒、Rh系触媒、Pt系触媒等が好ましく用いられる。この中でも重合体のゲル化抑制、可溶性重合体が選択的に得られる点でPd系の触媒が特に好ましい。
金属触媒の添加量は、アセチレン基1モルに対して0.0001〜0.1モルが好ましく、0.0005〜0.05モルがより好ましく、0.001〜0.01モルが特に好ましい。
また、重合体の酸化分解を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
重合して得られるポリマーの質量平均分子量の好ましい範囲は1000〜500000、より好ましくは5000〜300000、特に好ましくは10000〜200000である。
また、末端アセチレン基の水素原子をブチルリチウム等でアニオン化して、これにハロゲン化アルキルやハロゲン化シリルを反応させることによって、アルキル基やシリル基を導入することが出来る。
本発明に用いることの出来る好適な塗布溶剤の例としては特に限定はされないが、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶剤、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤などが挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
より好ましい塗布溶剤は、アセトン、プロパノール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、1,2−ジクロロベンゼンであり、特に好ましくはシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、アニソールである。
本発明の膜形成用組成物の固形分濃度は、好ましくは3〜50質量%であり、より好ましくは7〜35質量%であり、特に好ましくは10〜15質量%である。
ラジカル発生剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシド、ペンチルパーオキシド、ヘキシルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、オクチルポリエチレンオキシド、デシルポリエチレンオキシド、ドデシルポリエチレンオキシド、オクチルポリプロピレンオキシド、デシルポリプロピレンオキシド、ドデシルポリプロピレンオキシド等が挙げられる。フッ素系非イオン界面活性剤としては、例えば、パーフルオルオクチルポリエチレンオキシド、パーフルオルデシルポリエチレンオキシド、パーフルオルドデシルポリエチレンオキシド等が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルエトキシシラン等が挙げられる。
これらの添加剤の添加量は、添加剤の用途または塗布液の固形分濃度によって適当な範囲が存在するが、一般的に、塗布液中の質量%で好ましくは0.001%〜10%、より好ましくは0.01%〜5%、特に好ましくは0.05%〜2%である。
発泡剤の添加量は、膜を形成する重合体の質量に対して、質量%で好ましくは1〜50、より好ましくは5〜30%、特に好ましくは10%〜20%である。
後加熱処理は数回に分けて行っても良い。また、この後加熱は酸素による熱酸化を防ぐために窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。
さらに、別の用途として本発明の膜に電子ドナーまたはアクセプターをドープすることによって導電性を付与し、導電性膜として使用することも出来る。
Macromolecules.,5262,5266(1991)に記載の合成法に従って、4,9−ジエチニルジアマンタンを合成した。次に、4,9−ジエチニルジアマンタン10gと1,2,4−トリクロロベンゼン50mlを窒素気流下で内温210℃で30時間攪拌した。反応液を室温にした後、不溶物をろ過した後、ろ液にメタノール300mlを添加した。析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量170000の重合体(A)を6.0g得た。
重合体(A)のシクロヘキサノンへの溶解度は25℃で15質量%以上であった。
重合体(A)1.0gをシクロヘキサノン7.3gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。この膜をアニソールに室温で5時間浸漬したが膜厚は全く減少しなかった。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.45であった。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、8.0GPaであった。
4,9−ジエチニルジアマンタン20g、Pd(PPh3)4 244mg、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン 100mlをフラスコに入れ、窒素気流下、内温200℃で10時間加熱攪拌した。室温まで冷却後、反応液中の不溶物をろ過により除去した。得られた濾液にイソプロピルアルコールを添加して析出した固体をろ過した。さらに得られた固体をイソプロピルアルコール中に懸濁させて撹拌後、再度ろ過した。淡黄色の重合体(B)を6g得た。GPC測定の結果、質量平均分子量は約2万であった。
重合体(B)のシクロヘキサノンへの溶解度は25℃で15質量%以上であった。
重合体(B)1.0gをシクロヘキサノン7.3gに室温で完全に溶かした。この塗布液を0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートした。この塗膜を窒素置換したファーネス中で400℃で60分間焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られ、この膜をシクロヘキサノンに室温で5時間浸漬したが膜厚は全く減少しなかった。この膜の焼成前後のFT−IRを測定して比較した結果、アセチレン基に帰属される2100cm-1、3300cm-1のピークが消失していた。
得られた膜の比誘電率は2.41であった。またヤング率は7.5GPaであった。
シクロヘキサノンをアニソールに変更した他は実施例2と全く同様にして膜を作成した。この膜の特性を評価した結果、実施例3と同様の良好な特性を有する絶縁膜が得られた。
1,6−ジエチニルジアマンタン 2.0g、Pd(PPh3)4 48mg、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン 10mlをフラスコに入れ、窒素気流下、内温200℃で35時間加熱攪拌した。室温まで冷却後反応液中の不溶物をろ過により除去した。得られたろ液にイソプロピルアルコールを添加して析出した固体をろ過した。さらに得られた固体をイソプロピルアルコール中に懸濁させて撹拌後、再度ろ過した。淡黄色の重合体(C)を0.73g得た。GPC測定の結果、質量平均分子量は約1.7万であった。
重合体(C)はシクロヘキサノンへの溶解度は25℃で15質量%以上であった。
重合体(C)0.5gをo−ジクロロベンゼン3.7g中に25℃で60分間撹拌、溶解した。目視よりポリマーが完全に溶解していることを確認した。
該シクロヘキサノン溶液を0.2ミクロンのTFE製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートした。この塗膜を窒素置換したファーネス中で400℃で60分間焼成した。膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られ、この膜をo−ジクロロベンゼンに室温で5時間浸漬したが膜厚は全く減少しなかった。
得られた膜の比誘電率は2.37であった。また、ヤング率は7.0GPaであった。
米国特許5,017,734号の実施例11に記載の方法に準じて4,9−ジエチニルジアマンタンの重合体を合成した。得られた重合体はシクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール、ジクロロベンゼン等の溶剤に不溶であり、塗布可能な塗布液は得られなかった。
米国特許5,017,734号の実施例に記載の方法に準じて、4,9−ジエチニルジアマンタンを無溶媒で200℃で50時間加熱した。得られた反応物は約90%が原料のモノマーであり、残りの約10%はシクロヘキサノン等の溶剤に不溶の重合体であった。
米国特許5,017,734号の実施例に記載の方法に準じて1,6−ジエチニルジアマンタン、1,4−ジエチニルジアマンタンの重合体を合成した。得られた重合体はシクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール、ジクロロベンゼン等の溶剤に不溶であり、塗布可能な塗布液は得られなかった。
特表2004−504455号に記載の化合物(R−1)を同明細書に記載の方法を参考にして合成した。化合物(R−1)1.0gをシクロヘキサノン15gに加熱溶解し、塗布液を調製したが、一部、析出物が見られた。この塗布液を0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で300℃で60秒間加熱し、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分加熱した。得られた膜厚0.5ミクロンの膜には微小のブツが目視で多数観察された。膜の比誘電率は2.67であった。また、ヤング率は3.0GPaであった。
アダマンタンを原料に用いて、Macromolecules.,5262(1991)に記載の合成法に従って、1,3−ジエチニルアダマンタンを合成した。
1,3−ジエチニルアダマンタン20g、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン 100mlをフラスコに入れ、窒素気流下、内温200℃で30時間加熱攪拌した。室温まで冷却後、反応液中の不溶物をろ過により除去した。得られた濾液にイソプロピルアルコールを添加して析出した固体をろ過した。さらに得られた固体をイソプロピルアルコール中に懸濁させて撹拌後、再度ろ過した。淡黄色の重合体(D)を7g得た。GPC測定の結果、質量平均分子量は約3万であった。
重合体(D)を用いて、実施例1の方法に準じて膜を作成した。得られた膜の比誘電率は2.60、ヤング率は3.0GPaであった。
Claims (10)
- 炭素数11個以上のカゴ構造を有する化合物を溶媒中で重合して得られることを特徴とする重合体。
- アセチレン性三重結合の重合反応であることを特徴とする請求項1に記載の重合体。
- シクロヘキサノンに25℃で3質量%以上溶解することを特徴とする請求項1または2に記載の重合体。
- 式(I)においてRが水素原子またはメチル基であり、mが1または2であり、かつnが0であることを特徴とする請求項4に記載の重合体。
- 重合触媒を共存させて得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の重合体。
- カゴ型構造を有する化合物が窒素原子を有さないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の重合体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の重合体と塗布溶剤を含む膜形成用組成物。
- 請求項8に記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
- 請求項9に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
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