JP2006232974A - ポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーを重合する方法において、毒性や危険性の高い共沸溶媒を使用せずに高分子量のポリマーが得られるだけでなく、溜去される有機極性溶媒の量を低減し反応制御や経済性を改善することができ、さらにイオン性基を有して結合水を有するようなモノマーを用いる場合でも経済的かつ簡便に高分量のポリマーが得られる方法の提供。
【解決手段】 芳香族ジハロゲン化合物と、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物とを、アルカリ金属化合物の存在下、有機極性溶媒中で不活性ガス気流下で加熱し、反応系中の水を前記有機極性溶媒と共にコンデンサーから系外に除去し、重合する方法において、反応系中の水を除去する際に、コンデンサーの入口部分の温度を、前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して−40℃から−75℃の範囲にして重合を行なう。

Description

本発明は、ポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法に関する。さらに詳しくは、芳香族ジハロゲン化合物と二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物とをモノマーとし、有機溶媒中で重縮合することによってポリマーを製造する方法に関する。
アルカリ金属化合物の存在下、芳香族ジハロゲン化合物と、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物とを、有機極性溶媒中で重縮合することによって、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリスルフィドスルホンなどのポリマーを製造する方法は良く知られている。この重縮合反応において副生する水は、ポリマーを加水分解するため、反応系から取り除く必要がある。通常、水を除去するには、トルエン、ベンゼンなどの溶媒と共沸して除去する方法が取られている。しかしながら、これらの共沸溶媒には毒性が高かったり、引火しやすい性質を持つものが多かったりするため、その対策のために設備が複雑となるという欠点がある。
副生する水を取り除くために、モレキュラーシーブなどの乾燥剤をコンデンサーに取り付けて重合を行なうことも行なわれている(例えば特許文献1を参照)。しかしながらこの方法では水分の除去はモレキュラーシーブへの水の吸着に依存するため、場合によっては水の脱着なども起こり、水分を充分に除去することは困難であった。
さらに、近年注目されている燃料電池のプロトン交換膜用のポリマーとして、スルホン酸基などのイオン性基を有するポリエーテルスルホンなどが、共沸脱水を用いる方法で製造されている(例えば特許文献2または3を参照)。しかしながら、スルホン酸基などのイオン性基を有したモノマーを用いる場合、イオン性基の極性によって水分の除去が阻害され、共沸脱水を長時間行なう必要があった。また、水分が十分に除去できないため、重合速度が遅く、製造効率がよくないという問題を有していた。
また、溶媒としてジフェニルスルホンを用いて240℃以上の高温で反応させることで、高分子量のポリエーテルスルホンを製造する方法も知られている(例えば特許文献4を参照)。しかしながらジフェニルスルホンは常温で固体であるため、生成したポリマーを含む組成物が固体なので、後処理のために粉砕が必要になり、取り扱いが煩雑になるという問題がある。また、イオン性基を有するモノマーについては、上記方法と同様の問題があった。
本発明者らは、上記の問題を解決することを検討した結果、トルエンなどの共沸溶媒を用いることなくても、有機極性溶媒と水とを同時に溜去することによって効率よく水を除去することができ、驚くべきことにモノマーがイオン性基を有していて反応性が低い場合においても、高重合度のポリマーが簡便に得られることを見出した。
しかしながら、上記の方法では、溜去される有機極性溶媒の量が多くなりすぎることがあり、重合溶液のポリマー濃度が変化したり、濃度を合わせるために足りなくなった有機極性溶媒を補充したりしなければならず、反応の制御や、経済性の点で問題があった。
特開平5−255505号公報 特開平5−1149号公報 米国特許出願公開第2002/0091225号明細書 特開2004−107606号公報
本発明は従来技術の課題を背景になされたものであって、加熱装置、攪拌装置、ガス導入管、コンデンサーを備える反応装置を用い、芳香族ジハロゲン化合物と、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物とを、アルカリ金属化合物の存在下、不活性ガス気流下、有機極性溶媒中加熱し、反応系中の水を前記有機極性溶媒と共にコンデンサーから系外に除去し、さらに加熱を行なってポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーを重合する方法において、従来のトルエン、ベンゼンなどの毒性や危険性の高い共沸溶媒を使用せずに安全で簡便に高分子量のポリマーが得られるだけでなく、溜去される有機極性溶媒の量を低減することによって、反応制御や経済性を改善することができ、さらにイオン性基を有して結合水を有するようなモノマーを用いる場合でも経済的かつ簡便に高分量のポリマーが得られる方法を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、ついに本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成を採用する。
(1)
加熱装置、攪拌装置、ガス導入管、コンデンサーを備える反応装置を用い、芳香族ジハロゲン化合物と、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物とを、アルカリ金属化合物の存在下、有機極性溶媒中で不活性ガス気流下で加熱し、反応系中の水を前記有機極性溶媒と共にコンデンサーから系外に除去し、さらに加熱を行なってポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーを重合する方法において、反応系中の水を除去する際に、コンデンサーの入口部分の温度を、前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して−40℃から−75℃の範囲にすることを特徴とする、ポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
(2)
水を除去する際の反応溶液の温度を、前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して−5℃から−20℃の範囲にすることを特徴とする(1)に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
(3)
コンデンサーからの反応系中の水の除去が終了した後で、反応溶液の温度を前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して−5℃から±0℃の範囲にすることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
(4)
前記の芳香族ジハロゲン化合物と二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物の少なくとも1種が、イオン性基を有していることを特徴とする(1)〜(3)に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
(5)
前記イオン性基が、スルホン酸基、スルホン酸基の塩、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩、リン酸基、リン酸基の塩からなる群より選ばれる1種以上の基であることを特徴とする(4)に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
(6)
前記芳香族ジハロゲン化物がイオン性基を有していることを特徴とする(5)に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法
(7)
前記芳香族ジハロゲン化物が、下記化学式(1)で表される構造の化合物を含むことを特徴とする(6)に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
Figure 2006232974
(化学式1において、XはF、Cl、Br、Iのハロゲン元素のいずれかを、Yは、スルホニル基またはカルボニル基のいずれかを、Zは、スルホン酸基及びその塩、ホスホン酸基その塩、リン酸基及びその塩、アルキルスルホン酸基及びその塩からなる群より選ばれる基を表す。)
(8)
前記イオン性基を含む芳香族ジハロゲン化物または二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物が、結合水を含む状態で重合に用いることを特徴とする(4)〜(7)のいずれかに記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
(9)
前記有機極性溶媒が、N−メチル−2−ピロリドンであることを特徴とする(1)〜(8)に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
(10)
反応系外に除去された前記有機極性溶媒の量が、仕込み量に対して0.1〜5重量%の範囲であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
(11)
反応系外に除去された水の量が、理論量の80重量%以上であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
本発明の方法によれば、芳香族ジハロゲン化合物と、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物とを、アルカリ金属化合物の存在下、有機極性溶媒中で重縮合することによって、高重合度のポリマーを短時間で簡便に得ることが可能である。特にイオン性基を有して結合水を有するようなモノマーを用いる場合でも、短時間で簡便に高重合度のポリマーを得ることができる。また、従来のトルエン、ベンゼンなどの毒性や危険性の高い共沸溶媒を使用しないため、安全に製造することができる。さらに、反応終了後は、ポリマー溶液として得られるため、後処理のための粉砕が不要で取り扱いやすく、精製なども簡便に行なうことができる利点がある。また、水と共に除去される有機極性溶媒の量を低減することができ、経済的にも有利である。
本発明は、芳香族ジハロゲン化合物、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物をモノマーとし、アルカリ金属化合物の存在下、有機極性溶媒中で重縮合するポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法であるが、以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反応装置は、少なくとも、加熱装置、攪拌装置、ガス導入管、コンデンサーを備えていればよい。必要に応じて、温度、圧力、攪拌速度、攪拌トルク、ガス流量計などの検出装置を取り付けてもよい。反応装置の材質には、ステンレス、チタンなどの耐食性金属材料や、ガラスなどを用いることができる。加熱には、ヒーターや熱媒など、公知の一般の方法を用いることができる。攪拌装置は、装置内が不均一にならないように攪拌できるものであれば何でもよく、パドル型、アンカー型、ダブルリボン型など公知の形状の攪拌翼をモーターで回転させる装置などを用いることができる。ガス導入管は、外気の混入による反応中の副反応を抑制するために、不活性ガスを導入するために用い、流量計、圧力計などを同時に取り付けてもよい。コンデンサーは、反応装置から排出されたガスを冷却し、水や溶媒を凝結させるために用いるが、公知の任意の形状のものを用いることができる。反応装置からコンデンサーまでの間は、保温や加熱装置によって適切な温度に保たれていることが好ましい。また、本発明の製造方法においては、コンデンサーの入口部分の温度が、水分を除去する際の重要な指標になるため、コンデンサーは入口部分に温度の測定装置を有することが必要である。コンデンサーの冷却は、低温の水や気体などとの熱交換によって行なうことが好ましく、室温前後の温度の水を用いることがより好ましい。
本発明における芳香族ジハロゲン化合物としては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルホスフィンオキシド、4,4’−ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ビフェニル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジクロロ−1−トリフルオロメチルベンゼン、2,4−ジクロロ−1−トリフルオロメチルベンゼン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロジフェニルホスフィンオキシド、4,4’−ビス(4−フルオロフェニルスルホニル)ビフェニル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロ−1−トリフルオロメチルベンゼン、2,4−ジフルオロ1−トリフルオロメチルベンゼンを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。中でも、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンが好ましい。
本発明における二価フェノール化合物、二価チオフェノール化合物としては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−メルカプトフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−メルカプトシフェニル)フルオレン、4,4’−ビフェノール、4,4’−ジメルカプトビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ハイドロキノン、レゾルシン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、4,4’−チオビスベンゼンチオール、4,4’−チオジフェノール、3−メチル−4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、1,3−ビス(4−ヒドロキシ)アダマンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ)アダマンタン、ナフタレンビスフェノール類を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。中でも4,4’−ビフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好ましい。
これらの、芳香族ジハロゲン化合物と、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物は、それぞれ1種類だけでなく、数種類を混合して用いてもよい。また、イオン性基を有していてもよい。イオン性基とは、イオン結合で結合した部分を有する基を意味し、例えば、スルホン酸基、スルホン酸基の塩、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩、リン酸基、リン酸基の塩など酸性基を挙げることができるが、その他の公知の基であってもよい。
上記のイオン性基は、モノマーのベンゼン環に直接結合していてもよいし、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ベンジル基などを介して結合していてもよい。イオン性基は、芳香族ジハロゲン化合物と、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物のいずれに導入されていてもよいが、芳香族ジハロゲン化合物に導入されていると、反応性の低下が少なくて済むため、好ましい。二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物にイオン性基が導入されていてもよいが、イオン性基が上記のような酸性基であると、イオン性基の電子吸引性によって、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物の反応性を低下させるので好ましくない。二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物にイオン性基を導入する場合には、水酸基またはメルカプト基に対してメタ位の位置に導入されていることが好ましい。
イオン性基を含む芳香族ジハロゲン化合物を用いると、燃料電池のプロトン交換膜用ポリマーを製造するのに好適である。イオン性基を含む芳香族ジハロゲン化合物としては以下のような化合物を挙げることができる。
例えば、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、及びそれらのスルホン酸基が1価カチオン種との塩になったもの等が挙げられる。1価カチオン種としては、ナトリウム、カリウム、リチウムや他の金属種や各種アミン類等を挙げることができ、ナトリウム、カリウムなどが好ましいが、これらに限定されるものではない。好ましい例として、3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを挙げることができる。
イオン性基を含む芳香族ジハロゲン化合物と併用するのに好適なイオン性基を含まない芳香族ジハロゲン化合物としては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンが好ましい。
イオン性基を含む芳香族ジハロゲン化合物が上記の場合の二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物としては、4,4’−ビフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好ましい。
イオン性基を含む二価フェノール化合物及び二価チオフェノール化合物としては、上記の二価フェノール化合物及び二価チオフェノール化合物のスルホン化物、アルキルスルホン化物、ホスホン化物、リン酸化物、及びこれらの塩を用いることができる。例えば、ハイドロキノンスルホン酸モノカリウム塩、3,7−ジスルホン酸ナトリウム−2,6−ジヒドロキシナフタレンなどを挙げることができるが、これらの化合物に限定することなく、公知の任意の化合物を用いることができる。
一般にイオン性基を含む化合物はイオン性基を含まない化合物よりも反応性が低い。この原因としては、イオン性基の立体障害、イオン性基に結合した水、イオン性基の極性による脱水の阻害などがあり、イオン性基を含む化合物が二価フェノール化合物または二価チオフェノールの場合には、イオン性基の電子吸引性による反応性の低下も起こる。そのためイオン性基は、芳香族ジハロゲン化合物に導入されていることが好ましい。
ポリマー中のイオン性基量は、イオン性基を含む芳香族ジハロゲン化合物とイオン性基を含まない芳香族ジハロゲン化合物のモル比やイオン性基を含む二価フェノール化合物及び二価チオフェノール化合物とイオン性基を含まない二価フェノール化合物及び二価チオフェノール化合物のモル比などによって調節することができる。イオン性基を含む芳香族ジハロゲン化合物の割合が10〜80モル%の間であると、燃料電池用プロトン交換膜に適したポリマーが得られる。
本発明で用いるアルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの化合物を挙げることができ、水酸化物、炭酸塩などを挙げることができる。中でも炭酸塩が好ましく、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムが好ましい化合物の例として挙げられる。これらのアルカリ金属化合物は、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物に対して、アルカリ金属原子と、水酸基またはメルカプト基に対して等モルから過剰に存在することが好ましい。水酸基またはメルカプト基に対する好ましいモル比は1.0〜1.2である。その他にも、二価フェノール化合物や二価フェノール化合物を活性なフェノキシド構造になしうる塩基性化合物であれば、これらに限定されず使用することができる。
本発明における重縮合反応溶媒である有機極性溶媒としては、公知の任意の極性有機溶媒を用いることができるが、水と混和することができ、常温で液体であり、かつ沸点が100℃以上である溶媒であることが好ましい。
そのような溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。中でも、沸点が200℃以上である有機極性溶媒が、反応温度を高くして反応速度を大きくでき、高重合度のポリマーを得ることが容易であるので好ましい。そのような溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができ、中でもN−メチル−2−ピロリドンは高純度のものを安価に入手することができ、毒性や危険性も少なく取り扱いやすいためさらに好ましい。溶媒の純度は98%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましく、99.9%以上であることがさらに好ましい。また、水分率は0.1%以下であることが好ましい。
使用する有機極性溶媒の量は、生成するポリマーに対して1.5〜10倍の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.8〜4倍の範囲である。有機極性溶媒の量が多すぎると反応速度が低下する場合や、反応終了後のポリマーの回収が困難になる場合があり好ましくない。有機極性溶媒の量が少なすぎると、反応系の粘度が異常に大きくなって取り扱いが困難になる場合があり好ましくない。
本発明の製造方法において、芳香族ジハロゲン化合物と、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物とを、アルカリ金属化合物の存在下、有機極性溶媒中で加熱すると、、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物と、アルカリ金属化合物の反応によって水が生成する。生成した水は、芳香族ジハロゲン化合物やハロゲン末端のオリゴマーと反応したりするなどの副反応を起こし、重合度や重合速度を低下させる原因となるため、すみやかに除去する必要がある。さらに、使用するモノマーがイオン性基を有する場合には、イオン性基に対する結合水が存在する場合があり、これらの水もやはり除去する必要がある。通常、前記のようなモノマーの重縮合反応では、トルエン、ベンゼンなどの比較的低沸点で、水と共沸し得るような有機溶媒を、前期有機極性溶媒に加えて加熱し、脱水することが行なわれている。しかしながら、そのような脱水方法では、ポリマー中に共沸溶媒が残存したり、重合に時間がかかるという問題があった。
本発明の発明者らは、重合方法の改善について鋭意検討した結果、不活性ガスの気流下、前記有機極性溶媒の沸点付近で加熱して、反応系中の水を前期有機極性溶媒と共にコンデンサーより反応系外にと除くことができることを見出した。しかしながら、反応条件によっては、前記有機溶媒が多量に溜出してしまい、重合溶液の濃度が変化してしまったり、濃度を合わせるために追加の溶媒を多量に加える必要があるなど、いくつかの問題があることが分かった。
そこで、さらに前記の問題点を解決するためにさらに検討した結果、反応系中の水を除去する際に、コンデンサーの入口部分の温度を、前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して−40℃から−75℃の範囲にすることによって、前記有機極性溶媒の溜出量を低減でき、効率的に水を除去できることを見出し本発明として完成させた。
本発明における反応系とは、上記の化合物を反応させる有機溶媒の溶液を有する反応容器内を意味し、コンデンサーやそれから溜出する溶媒を溜める部分は反応系外である。コンデンサーから溜出する溶媒は、連続した配管で接続された溶媒溜めに溜めてから1〜数回に分けて抜き出しても良いし、連続的に外部に抜き出しても良い。いずれにしても、水分や酸素などを含む外気が混入するのを防ぐようにすることが好ましい。
コンデンサーは反応容器から排気口までの間に設置され、凝結した液体分を取り出したり、また反応容器にも出せたりするようなバルブが設置されていることが好ましい。コンデンサーは、公知の任意のものを用いることができるが、水及び有機極性溶媒をほぼ全量回収できるような構造であることが好ましい。コンデンサーは、水、熱媒などの液体や、空気、窒素などの気体によって、冷却することができることが好ましい。冷却温度は100℃未満であればよいが、50℃以下であればより好ましく、30℃以下であるとさらに好ましい。冷却媒体として水を用いる場合には、凍結を防ぐ意味で0℃以上であることが好ましい。
コンデンサーの冷却には、水、熱媒などの液体や、空気、窒素などのガスを用いることができるが、水を用いるのが簡便で効率がよい。コンデンサー入口部分とは、反応装置からの排出ガスが流入する側のことをいう。温度の測定は公知の任意の方法で行なうことができる。これに限定されるものではないが、例えば熱電対などを用いた温度検出端を、コンデンサー入口部分の配管内部に挿入して測定することができる。コンデンサーの入口温度を、前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して−40℃から−75℃の範囲にすることが、本発明の要件の一つである。より好ましくは沸点に対して−65℃から−50℃の範囲である。例えば、沸点が203℃であるN−メチル−2−ピロリドンを有機極性溶媒として用いる場合には、コンデンサーの入口温度が、128〜163℃の範囲であることが好ましく、138〜153℃の範囲であることがより好ましい。
また、コンデンサー入口部分の温度を上記の範囲に保つためには、水を除去する際の反応溶液の温度を、前記有機極性溶媒の沸点よりも低く保つことが必要である。反応溶液の温度が高くなりすぎると、溜去される有機極性溶媒の量が多くなってしまうという問題があり、反応溶液の温度が低すぎると、水の除去に時間がかかるという問題がある。水を除去する際の反応溶液の温度は、前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して5℃以上低いことが好ましく、より好ましくは前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して、−20℃から−5℃の範囲である。反応溶液の温度は、上記のコンデンサー入口温度が一定になるように変化させることが好ましい。例えば、コンデンサー入口温度が高くなりすぎれば、反応溶液の温度を下げることによってコンデンサー入口温度を低くすることができるし、コンデンサー入口温度が低くなった場合には、反応溶液の温度を上げることでコンデンサー入口温度を高くすることができる。また、コンデンサー入口温度は、不活性ガスの流量によっても調節することができ、前期の反応温度の調節と合わせて、溜出量が適当な量になるように調整することが好ましい。
反応容器の加熱方法は特に限定されないが、熱媒やヒーターなど公知の任意の方法によって加熱することができる。水を反応系外に除去する際には、反応溶液やコンデンサー入口温度が上記の範囲に入るように、加熱温度を調整することが好ましい。その際、加熱温度は、用いる有機極性溶媒の沸点よりも低いことが好ましい。かならずしも限定されるものではないが、加熱温度は、反応溶液の温度に対して、5〜20℃高い温度で行なうことが好ましい。また、脱水が完了した後、反応を進行させる場合には、コンデンサーからの凝結液が反応容器内に還流するようにし、さらに有機極性溶媒の沸点以上の温度で加熱津することが好ましい。その際の加熱温度は、沸点に対して+5℃から+50℃の範囲であることがより好ましく、+10℃から+30℃の範囲であることがさらに好ましい。例えば、N−メチル−2−ピロリドンの沸点は203℃であるため、203℃度以上で加熱することが好ましく、210℃以上で加熱することがより好ましく、220〜240℃で加熱することがさらに好ましい。加熱温度が高くなりすぎると、反応容器の器壁へのポリマーの固着や、ポリマーの架橋、分岐、分解などの副反応が起こりやすくなるため、好ましくない。
コンデンサーからの反応系中の水の除去が終了した後で、反応溶液の温度は、水分の除去時よりも高くすることが好ましい。反応溶液の温度が高いほど反応速度が大きくなり、重合時間を短くすることができるため、反応溶液の温度は前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して−5℃から±0℃の範囲にすることが好ましい。ただし、反応系内に水が多量の存在する状態で、反応溶液の温度を高くしてしまうと、水と芳香族ジハロゲン化合物の反応など、重合を阻害する副反応が起こりやすくなる。よって、反応溶液の温度は、反応系中の水の除去が終了した後で上記の範囲にすることが好ましい。本発明において、反応系中の水は、理論量に対して少なくとも80重量%、より好ましくは90重量%以上を除去したことをもって、水の除去が終了したとする。
本発明において、反応系内の水は有機極性溶媒と共に加熱によって気体もしくはミストとなって不活性ガスの気流によって反応系外に搬送され、コンデンサーで冷却して回収することができる。不活性ガスとしては、反応に影響を及ぼさないものであれば公知のガスを使用することができるが、窒素、アルゴンが好ましい。また使用する不活性ガスは、水分の含有量が少ないことが好ましい。また、酸素、二酸化窒素などの反応性のガスは、重合性を低下させる原因となるため、不活性ガスに混入していないことが好ましい。
不活性ガスの流量は、装置の構造や大きさ、モノマーの組成などによって、最適な量は異なるが、0.1〜100L/分の間であることが好ましい。不活性ガスを全く流さないと外部からの空気の混入によるモノマーの酸化劣化などによって重合度が上がらない場合があり好ましくない。コンデンサーの温度は低すぎると溜出量が多くなりすぎてしまう場合があり、高すぎると水の除去率が低下するという問題が起こりやすくなる。
反応系からコンデンサーまでの距離が長いと途中で凝結が起こり、除去量が少なくなる傾向にある。逆に短すぎると除去が急激に起こり量の調節が困難になる。反応系からコンデンサーまでの経路に何らかの保温を施してやると、除去量を大きくすることができる。保温は断熱材や各種ヒーターを用いることができる。保温の温度は20〜200℃の範囲にあることが好ましい。
本発明の製造方法においては、反応性の低いイオン性基を含む化合物をモノマーとして用いても、高分子量のポリマーを得ることができる。また、イオン性基を有するモノマーが結合水を有する場合、重合の前に乾燥して結合水を除去しておくことが好ましいが、本発明の方法によれば、結合水を有した状態でも高重合度のポリマーを得ることができる。モノマーの乾燥は、公知の方法を用いることができ、特に限定されることはないが、加熱や減圧乾燥によってなされることが好ましい。乾燥温度は100〜200℃の間であることが好ましい。結合水を含むイオン性基含有モノマーを用いる場合には、前もってモノマー中の水分量を測定しておき、それに基づいて仕込み量を計算する必要がある。
有機極性溶媒の除去率は、有機極性溶媒の仕込み量に対する、反応系外に除去した有機極性溶媒の量の重量%で表される。有機極性溶媒の除去率は、不活性ガスの流量、コンデンサーの温度や大きさ及びその取り付け位置、除去時間などによって調整して、上記の範囲内に入るようにすることが好ましい。不活性ガスの流量を大きくしたり、コンデンサーの温度の入り口温度を高くしたりすると、除去率を大きくすることができる。
本発明において、反応系外に除去される有機極性溶媒の量は、仕込み量に対して0.1〜5重量%の範囲であることが好ましく、0.1〜3重量%の範囲であるとより好ましい。除去量が多くなりすぎると、反応系の粘度が異常に大きくなって取り扱いが困難になる場合があり好ましくない。除去量が少なすぎると、水分が充分に除去できず反応性が低下する場合があり好ましくない。反応系外に除去される有機極性溶媒の量には、さまざまな要因が影響するが、上記のように、コンデンサー入口部分の温度や、不活性ガスの流量などを適切に管理することによって、上記の範囲内にすることができる。
水の除去率は、反応系内の水の理論量に対する、反応系外に除去した水の量の重量%で表すことができる。反応系外に除去した水の量は、反応系外に除去したN−メチル−2−ピロリドンと水の混合物の質量と水分率を測定することで求めることができる。水分率は公知の任意の方法で測定することができ、例えばカールフィッシャー法を挙げることができる。水の除去率は80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であるとより好ましい。水の理論量とは、モノマーの仕込み量から計算できる反応による生成水の量と、モノマーの結合水などで反応系内に最初から存在する水の量の合計を表す。水の除去率が80%より小さいと、反応速度が低下し、ポリマーの組成によっては高分子量のポリマーを得ることが困難になる。水の除去率は、有機極性溶媒と同様に、不活性ガスの流量、コンデンサーの温度や大きさ及びその取り付け位置、除去時間などによって調整することができる。系外に除去した水の量が所定の量になったところで、有機極性溶媒を反応系外に除去するのを停止し、還流して反応系内に戻すようにしてもよい。また、反応の間、常に有機極性溶媒と水を反応系外に除去し続けてもよい。
ポリマーの重合度は公知の任意の方法を用いて測定することができる。例えば、一般にポリマーの重合度は、時間と共に増大していくため、所定の重合度に達した時点で重合を停止しておくことで所望の重合度のポリマーを得ることができる。重合度は、重合溶液の粘度やGPC(サイズ排除クロマトグラフィー)によって求めることができる。粘度はサンプリングした溶液をオフラインで測定してもよいし、インライン粘度計で測定したり、攪拌翼にかかるトルクをモーターの電流値として検出して粘度に換算したりして、求めることができる。また、芳香族ジハロゲン化合物と、二価フェノール化合物及び/または二価チオフェノール化合物とのモル比や、末端停止剤の添加などによって重合度を制御することもできる。末端停止剤としては、芳香族モノハロゲン化合物や一価フェノール化合物及び/または一価チオフェノール化合物を用いることができる。末端停止剤は、重合の最初から加えておいてもよいし、反応の途中で加えてもよい。
ポリマーの重合度を測定する手段の一つに希薄溶液の対数粘度を測定する方法がある。精製したポリマーを、0.5g/dlの濃度でN−メチルピロリドンに溶解し、30℃の恒温槽中でウベローデ型粘度計を用いて粘度測定を行い、ln[ta/tb]/cで表される対数粘度(taは試料溶液の落下秒数、tbは溶媒のみの落下秒数、cはポリマー濃度)が0.8dL/g以下であると、ポリマーの成型物の機械特性が低下するなどして好ましくない。0.8dL/gであると好ましく、1.5dL/g以上であるとより好ましく、本発明の方法を用いるとポリマー対数粘度を2.0dL/g以上にすることも可能であり、さらに優れた機械特性を有するポリマーも得ることができる。
重合時間は、用いるモノマーによってさまざまであるが、一般的にイオン性基を含むモノマーの割合が多くなると、高重合度のポリマーを得るためにはより長い時間を要する傾向がある。長時間重合する場合に、連続して行なうことが好ましいが、一旦温度を下げて反応を停止させた後、再び加熱して反応を続けることもできる。温度を下げている間も不活性ガスを流して、反応容器内を不活性ガス雰囲気に保つことが好ましい。
得られたポリマーは公知の任意の方法で精製することができる。ポリマー溶液を、ポリマーを溶解せず有機極性溶媒と混和する溶媒に滴下、分散して再沈することが一般的である。再沈に用いる溶媒としては、副生する無機塩も同時に除去できるため水もしくは他の有機溶媒と水の混合物を用いることが好ましい。また、ポリマー溶液から濾過によって無機塩を除去した後、水以外の溶媒で再沈することもできる。この場合の再沈溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸メチルなどを用いることができる。ポリマー溶液の粘度が高い場合には、ポリマーを溶解できる溶媒で希釈することもできる。希釈に用いることのできる溶媒としてはN−メチル−2−ピロリドンの他に、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを用いることができる。
プロトン交換膜を製造する場合は、再沈したポリマーを適当な溶媒に溶解した溶液や、重合溶液を濾過して得た溶液を用いてコーティング法などで製膜し、加熱や非溶媒への浸漬などによって溶媒を除去してフィルムを得た後、残留溶媒や残留塩などの不純物を水洗によって除去する方法を採用することができる。また、イオン性基が塩型のポリマーを用いて製膜した場合には、前記の処理方法に加えて、必要に応じて酸による処理を行なってイオン性基を塩型から酸型に変換し、残留溶媒や残留遊離酸を水洗で除去する方法を採用することができる。
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。なお、各種測定は次のように行なった。
溶液粘度:ポリマー粉末を0.5g/dlの濃度でN−メチルピロリドンに溶解し、30℃の恒温槽中でウベローデ型粘度計を用いて粘度測定を行い、対数粘度ln[ta/tb]/c)で評価した(taは試料溶液の落下秒数、tbは溶媒のみの落下秒数、cはポリマー濃度)。
水分率の測定:水を含む有機極性溶媒約10μLをマイクロシリンジに取り、平沼製作所製水分率測定装置AQ−7を用いて水分率を測定した。
実施例1
3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(略号:S−DCDPS)は3.3%の結合水を有していたため、重合の前に120℃で15時間減圧乾燥して結合水を取り除いた。乾燥後のS−DCDPSは窒素雰囲気下で保管した。窒素導入管、攪拌翼、温度検出端、コンデンサー、電気ヒータージャケットを取り付けたチタン製密閉容器(内容積12L)に、S−DCDPS482.7g(0.983mol)、2,6−ジクロロベンゾニトリル(略号:DCBN)676.1g(3.930mol)、4,4’−ビフェノール(略号:BP)914.8g(4.913mol)、炭酸カリウム780.9g(5.650mol)、N−メチル−2−ピロリドン(略号:NMP)5146.1gを入れて、8L/分の流量で窒素を流し、攪拌しながらヒーター温度を190℃に設定して加熱を開始した。コンデンサーには約25℃の水を通して冷却した。反応容器からコンデンサーまでの約1mの配管はグラスウールで保温を施した。加熱を開始して30分後、溶液の温度は175℃に達し、コンデンサー入口温度が130℃になった付近で、反応溶液の発泡とコンデンサーからの溜出が始まった。そのまま、30分加熱を続けたところコンデンサー温度は145℃に達した。その後、コンデンサー温度が徐々に低下し、20分後にはコンデンサー温度が140℃になった。このときの反応溶液温度は187℃であった。そこで、ヒーター温度を195℃にしたところ、再びコンデンサー温度は上昇し146℃まで達した。このときの反応溶液温度は191℃であった。コンデンサー温度はその後低下を始めた。以下このようにして、コンデンサー温度が140〜150℃の範囲に入るようになるようにヒーター温度を上げていき、加熱開始から2時間40分後にヒーター温度が220℃にした。このときの反応溶液温度は196℃であった。この時点までの全ての溜出液を合わせて水分率を測定したところ、理論値に対する水の除去率は水は91重量%、仕込んだNMPに対する溜出した量の割合は1.3%であった。そこで、コンデンサーからの溜出液の抜き出しを停止し、凝結液が反応容器内に全量戻るよう還流に切り替え、そのまま反応を続けた。反応を開始して8時間後、ヒーターを停止し、容器を冷却して反応を停止させた。反応溶液は攪拌しながら放冷し、温度が30℃になったところで、溶液を取り出した。褐色で粘ちょうな溶液が得られた。重合溶液はガラス板に薄く延ばし、水に浸漬して1日放置しポリマーを凝固させた。得られたポリマー膜は数回新しい水に浸漬した後、沸騰水中で1時間洗浄して残留しているNMPを除去した後、120℃で乾燥した。得られたポリマーについて対数粘度を測定したところ、1.87dL/gであった。反応系外に除去されたNMPと水の混合物の総重量は147.5gであった。この混合物の水分率は54.6%だったことから、抜き出された水は80.6g、NMPは66.9gであると求められた。生成水の理論量はBP1モルあたり1モルの水なので、88.5gと計算された。これより、水分の除去率は91%、NMPの除去率は1.3%とそれぞれ求められた。
実施例2〜6
反応溶液の総量は約8kgになるようにしつつ、原料のモノマー及びそれらの仕込み量を変更した他は実施例1と同様に重合を行なった。
実施例7
減圧乾燥したS−DCDPSの代わりに、減圧乾燥していないS−DCDPS(水分率3.3重量%)862.0g用いた他は、実施例2と同様にして重合を行なった。
実施例8、9
水を除去する際のコンデンサー温度を変更した他は、全て実施例1と同様にした重合を行なった。
比較例1〜5
ヒーター温度を最初から220℃に設定し、重合が終了するまでNMPと水とを反応系外に溜出させた他は、それぞれ実施例1〜5と同様にして重合した。
比較例6
予め120℃で15時間乾燥したモレキュラーシーブ3−Aを500gセットしておいたコンデンサーを用い、溜出するNMPを反応系外に取り出さずに全て還流させて反応させた他は、実施例1と同様にして重合を行なった。
比較例7
窒素導入管、攪拌翼、温度検出端、コンデンサー、電気ヒータージャケットを取り付けたチタン製密閉容器(内容積12L)に、前もって120℃で15時間減圧乾燥した、S−DCDPS482.7g(0.983mol)、2,6−ジクロロベンゾニトリル(略号:DCBN)676.1g(3.930mol)、4,4’−ビフェノール(略号:BP)914.8g(4.913mol)、炭酸カリウム780.9g(5.650mol)、N−メチル−2−ピロリドン(略号:NMP)5146.1g、トルエン1800.0gを入れて、8L/分の流量で窒素を流し、攪拌しながらヒーター温度を160℃に設定して加熱を開始した。コンデンサーには約20℃の水を通して冷却した。加熱開始後、約40分後にヒーター温度が160℃に達した。コンデンサーから溜出してくるトルエンと水は再び反応系に戻して、4時間還流させた。その後、溜出してくるトルエン及び水を反応系内に戻さずに、反応系外に取り出すようにした。反応開始後、5時間30分後、トルエンが溜出しなくなったので、コンデンサーから溜出した溶媒が反応系内に還流するようにし、ヒーター温度を220℃に設定して、さらに昇温させた。反応を開始して7時間後、溶液温度が200℃に達し、そのまま8時間の間、反応を続けた。その後、ヒーターを停止し、容器を冷却して反応を停止させた。実施例1と同様にして、得られたポリマーについて対数粘度を測定したところ、0.98dL/gであった。
比較例8
減圧乾燥したS−DCDPSの代わりに、減圧乾燥していないS−DCDPS(水分率3.3重量%)862.0gを用いた他は、比較例1と同様にして重合を行なった。
実施例及び比較例の結果を表1に示す。
Figure 2006232974
表1における略号の説明を以下に示す。
S−DCDPS:3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン二ナトリウム塩
S−DCBP:3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロベンゾフェノン二ナトリウム塩
DCBN:2,6−ジクロロベンゾニトリル
DCDPS:4,4’−ジクロロジフェニルスルホン
DCBP:4,4’−ジクロロベンゾフェノン
BP:4,4’−ビフェノール
BPF:9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
TBT:4,4’−チオビスベンゼンチオール
表1から、驚くべきことに、本発明の方法によれば、高重合度のポリマーを短時間で重合することができ、また、モノマーがイオン性基を有しているような場合においても、良好に重合ができ、また、驚くべきことに、イオン性基を有するモノマーで結合水を有している場合でも、乾燥を行なわなくてもそのまま良好に重合することができ、なおかつ水の除去に伴う重合溶媒の損失はほとんどなく、より簡便かつ経済的に高品質のポリマーを得ることができることが分かる。
本発明によれば、ポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーをトルエンなどの危険な薬品を用いることなく、簡単な設備で得ることができ、工業的に有用である。また、水の除去に伴う重合溶媒の損失をほとんどなくすることができるので、重合制御への影響が少なく、経済的にも有利である。
また、従来の方法では高重合度にすることが容易ではなかった、スルホン酸基のようなイオン性基を有するポリマーをも、簡便に高重合度で製造することができ、かかるポリマーは、特に燃料電池用のプロトン交換膜の材料として好適に用いることができ、産業上寄与すること大である。
本発明におけるポリマー重合装置の一例の概要を示す模式図である。
符号の説明
1:攪拌モーター
2:攪拌翼
3:ジャケットヒーター
4:反応容器
5:窒素導入管
6:溜出溶媒溜め
7:コンデンサー
8:排気口
9:重合溶液抜き出しバルブ
10:還流―溜出の切り替えバルブ。
11:流量計
12:コンデンサー入口部温度検出端

Claims (11)

  1. 芳香族ジハロゲン化合物と、二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物とを、アルカリ金属化合物の存在下、不活性ガス気流下、有機極性溶媒中で加熱し、反応系中の水を前記有機極性溶媒と共にコンデンサーから系外に除去し、さらに加熱を行なってポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーを重合する方法において、反応系中の水を除去する際に、コンデンサーの入口部分の温度を、前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して−40℃から−75℃の範囲にすることを特徴とする、ポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
  2. 水を除去する際の反応溶液の温度を、前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して−5℃から−20℃の範囲にすることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
  3. コンデンサーからの反応系中の水の除去が終了した後で、反応溶液の温度を前記有機極性溶媒の1気圧での沸点に対して−5℃から±0℃の範囲にすることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
  4. 前記の芳香族ジハロゲン化合物と二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物の少なくとも1種が、イオン性基を有していることを特徴とする請求項1〜3に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
  5. 前記イオン性基が、スルホン酸基、スルホン酸基の塩、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩、リン酸基、リン酸基の塩からなる群より選ばれる1種以上の基であることを特徴とする請求項4に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
  6. 前記芳香族ジハロゲン化物がイオン性基を有していることを特徴とする請求項5に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法
  7. 前記芳香族ジハロゲン化物が、下記化学式(1)で表される構造の化合物を含むことを特徴とする請求項6に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
    Figure 2006232974
    (化学式1において、XはF、Cl、Br、Iのハロゲン元素のいずれかを、Yは、スルホニル基またはカルボニル基のいずれかを、Zは、スルホン酸基及びその塩、ホスホン酸基その塩、リン酸基及びその塩、アルキルスルホン酸基及びその塩からなる群より選ばれる基を表す。)
  8. 前記イオン性基を含む芳香族ジハロゲン化物または二価フェノール化合物または二価チオフェノール化合物が、結合水を含む状態で重合に用いることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
  9. 前記有機極性溶媒が、N−メチル−2−ピロリドンであることを特徴とする請求項1〜8に記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
  10. 反応系外に除去された前記有機極性溶媒の量が、仕込み量に対して0.1〜5重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
  11. 反応系外に除去された水の量が、理論量の80重量%以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のポリアリーレンエーテル系ポリマーまたはポリアリーレンスルフィド系ポリマーの製造方法。
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