JPH07102058A - 芳香族ポリエーテルケトンの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエーテルケトンの製造方法

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JPH07102058A
JPH07102058A JP27486293A JP27486293A JPH07102058A JP H07102058 A JPH07102058 A JP H07102058A JP 27486293 A JP27486293 A JP 27486293A JP 27486293 A JP27486293 A JP 27486293A JP H07102058 A JPH07102058 A JP H07102058A
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aromatic
mol
ketone
reaction
compound
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JP27486293A
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Yoshinobu Ito
嘉信 伊藤
Hiroshi Iizuka
洋 飯塚
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】工業的に安価な芳香族ポリエーテルケトンの製
造方法を提供すること。 【構成】塩基の存在下に、(a)ヒドロキシハロ芳香族
ケトン、(b)ジハロ芳香族ケトンと芳香族ジヒドロキ
シ化合物との混合物、あるいは(c)前記(a)、
(b)の混合物を反応せしめて芳香族ポリエーテルケト
ンを得る方法において、クロム化合物を共存させること
を特徴とする芳香族ポリエーテルケトンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族ポリエーテルケト
ンの製造方法に関する。更に詳しくは、工業的に安価な
方法で芳香族ポリエーテルケトンを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエーテルケトンとしては、繰
り返し単位 (A) −Ph−CO−Ph−O− 、 (B) −Ph−O−Ph−CO−Ph−O− を持つものなどが知られており(ここで、Phはパラフ
ェニレン基、Cは炭素原子、Oは酸素原子を表す)、こ
れらは優れた耐熱性、成形性、機械的強度を有するた
め、成形材料として注目されている(特公昭57ー22
938号公報、特公昭56ー33419号公報、特公昭
60ー32642号公報)。
【0003】これらの芳香族ポリエーテルケトンの製造
法として提案されている方法は、親電子的縮合法と親核
的縮合法に大別できる。親電子的縮合法として代表的な
方法は、特公昭56ー33419号公報等に開示されて
いる。これらの方法では、芳香族酸ジハライドと芳香族
エーテル化合物とを三フッ化ホウ素などのフリーデルク
ラフツ触媒の存在下に反応させるものである。一方、親
核的縮合法として代表的な方法は、特公昭57ー229
38号公報、特公昭60ー32642号公報等に開示さ
れている。これらの方法では、ジハロ芳香族ケトン化合
物と芳香族ジヒドロキシ化合物とを塩基の存在下に反応
させるものである。
【0004】しかしながら、親電子的縮合法によって得
られる芳香族ポリエーテルケトンは、親核的縮合法によ
って得られるものに比較して、重合鎖中に意図したパラ
フェニレン構造以外にオルトフェニレン構造やメタフェ
ニレン構造が生成したり、異種結合や分枝構造が生成し
て実用に耐える力学的性能に劣るためにこれまでのとこ
ろ工業化されるに至っていない。一方、親核的縮合法に
よって、前記の繰り返し単位(A)または(B)を有す
る芳香族ポリエーテルケトンを得る方法が工業化されて
いる。しかし、高分子量のポリマーを得るためには、出
発原料であるジハロ芳香族ケトンとして、4,4′ージ
フルオロベンゾフェノンなどのような高価なフッ素置換
体を用いる必要があり、ポリマー製造コストが嵩んで好
ましくない。
【0005】ジハロ芳香族ケトンとして、比較的安価な
4,4′ージクロロベンゾフェノンのような塩素置換体
を用い方法が提案されている。代表的なものを挙げる
と、特開昭61ー179228号公報には、4ークロロ
ー4′ーヒドロキシベンゾフェノンなどのハロフェノー
ル類を反応させるか、4,4′ージクロロベンゾフェノ
ンなどのジハローベンゾイド化合物とビスフェノールと
を反応させてポリアリールエーテルケトンを製造する際
に、塩基と銅化合物とを共存させる方法が開示されてい
る。しかしながら、これらの方法で得られたポリアリー
ルエーテルケトンは、高重合度ではあるが、フッ素置換
体を出発原料とするポリマーに比較して、物性的に劣
る。反応中、分枝・架橋などの副反応が起こると考えら
れている。
【0006】特開昭64ー38043号公報には、芳香
族ハロゲン化合物とアルカリ金属炭酸塩とを反応させ
て、芳香族ポリエーテルケトンを製造する際に、シリ
カ、アルミナ等と銅化合物を共存させる方法が開示され
ている。これらの方法では、線状で高重合度の芳香族ポ
リエーテルケトンが得られるが、得られたポリマー中に
は除去困難なシリカ、アルミナ等が多量に含まれている
ため、得られたポリマーの用途が限定されるという欠点
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな欠点を克服し、4,4′ージクロロベンゾフェノン
などの比較的安価なジハロ芳香族ケトンを出発原料と
し、工業経済的に有利な方法で芳香族ポリエーテルケト
ンを製造する方法を提供することを本発明の課題とし
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成するために、ヒドロキシハロ芳香族ケトンの自
己縮合反応、およびジハロ芳香族ケトンと芳香族ジヒド
ロキシ化合物との縮合反応等の反応触媒を鋭意探索・検
討した結果、(1)クロム化合物が優れた触媒作用を有
すること、および(2)得られる芳香族ポリエーテルケ
トンは分枝・架橋構造を含まない(含んでいても、極め
て少ない)ポリマーであることを見いだし、本発明に到
達した。
【0009】即ち、本発明では、塩基の存在下に、
(a)ヒドロキシハロ芳香族ケトン、(b)ジハロ芳香
族ケトンと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合物、ある
いは(c)前記(a)、(b)の混合物を反応せしめて
芳香族ポリエーテルケトンを得る方法において、クロム
化合物を共存させることを特徴とする芳香族ポリエーテ
ルケトンの製造方法が提供される。
【0010】以下に、本発明を更に詳しく説明する。 (重合反応)本発明によれば、重合反応は種々の形式で
実施される。上記の(a)の場合には、ヒドロキシハロ
芳香族ケトン、塩基およびクロム化合物を十分均一に混
合し、不活性雰囲気下で、適度な温度で、適度な時間、
攪拌しながら反応させる。重合溶媒は目的に応じて使用
する。反応は無水状態で行うことが望ましく、反応開始
前から重合系内に存在する水または反応の進行に伴って
生成してくる水は、加熱によってまたは共沸蒸留によっ
て除去する。
【0011】(b)の場合には、ヒドロキシハロ芳香族
ケトンの代わりに、ジハロ芳香族ケトンと芳香族ジヒド
ロキシ化合物の混合物を使用し、反応は(a)の場合と
ほぼ同様に実施される。ジハロ芳香族ケトンと芳香族ジ
ヒドロキシ化合物との使用比率は、実質的に等モル量で
あることが好ましい。何れかの化合物を過剰に使用する
ことは得られるポリマーの重合度を低下させる。許容さ
れる過剰量は、通常、5モル%以下、更に望ましくは2
モル%以下である。特に、ジハロ芳香族ケトンを過剰に
用いると、熱的に安定なポリマーが得られる。
【0012】(c)の場合には、芳香族モノマーとし
て、(a)ヒドロキシハロ芳香族ケトンと、(b)ジハ
ロ芳香族ケトンと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合
物、との混合物を使用する。ジハロ芳香族ケトンと芳香
族ジヒドロキシ化合物との使用比率に関する条件は
(b)の場合と同様である。ジハロ芳香族ケトンと芳香
族ジヒドロキシ化合物との混合物と、ヒドロキシハロ芳
香族ケトンとの使用比率には制限は無い。反応は(a)
の場合とほぼ同様に行われる。
【0013】<ヒドロキシハロ芳香族ケトン>本発明で
使用されるヒドロキシハロ芳香族ケトンは、一個のフェ
ノール性水酸基とハロゲン置換基を有する芳香族ケトン
化合物であって、一例として、4ーハロー4′ーヒドロ
キシベンゾフェノン、4ー(4ーハロベンゾイル)ー
4′ーヒドロキシビフェニル、4ー(4ーハロベンゾイ
ル)ー4′ーヒドロキシジフェニルエーテルを挙げるこ
とができる。ここでハロゲン原子は弗素、塩素、臭素お
よび沃素原子をさす。これらのヒドロキシハロ芳香族ケ
トンのうちでは、反応性の点からは弗素置換体が好まし
く、経済性の点からは塩素置換体が好ましい。
【0014】<ジハロ芳香族ケトン>本発明で使用され
るジハロ芳香族ケトンは、二個のハロゲン置換基を有
し、フェノール性水酸基を有さない芳香族ケトン化合物
であって、一例として、4,4′ージハロベンゾフェノ
ン、2,4′ージハロベンゾフェノン、ビスー1,4ー
(4ーハロベンゾイル)ベンゼン、ビスー1,3ー(4
ーハロベンゾイル)ベンゼン、ビスー4,4′ー(4ー
ハロベンゾイル)ビフェニル、ビスー4,4′ー(4ー
ハロベンゾイル)ジフェニルエーテルを挙げることがで
きる。ここでハロゲン原子は弗素、塩素、臭素および沃
素原子をさす。これらのジハロ芳香族ケトンのうちで
は、反応性の点からは弗素置換体が好ましく、経済性の
点からは塩素置換体が好ましい。
【0015】<芳香族ジヒドロキシ化合物>本発明で使
用される芳香族ジヒドロキシ化合物は、二個のフェノー
ル性水酸基を有し、ハロゲン置換基を有さない化合物で
あって、一例として、ハイドロキノン、4,4′ージヒ
ドロキシビフェニル、4,4′ージヒドロキシベンゾフ
ェノン、ビス(4ーヒドロキシフェニル)メタン、2,
2ービス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン、4,
4′ージヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′ージ
ヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′ージヒドロ
キシジフェニルスルホンを挙げることができる。
【0016】<他の芳香族化合物>本発明の芳香族ポリ
エーテルケトンの製造方法で使用する前記のヒドロキシ
ハロ芳香族ケトン、ジハロ芳香族ケトンおよび芳香族ジ
ヒドロキシ化合物の合計モル量の30モル%以下を、前
記以外のフェノール性水酸基と不活性の電子吸引性基に
よって活性化されたハロゲン置換基を合計で二個有する
他の芳香族化合物で置き換えることができる。このよう
な芳香族化合物として、4,4′ージハロジフェニルス
ルホン、4ー(4ーハロフェニルスルホニル)フェノー
ル、4ーヒドロキシー4′ー(4ーハロフェニルスルホ
ニル)ビフェニル、4ー(4ーヒドロキシフェニルスル
ホニル)ー4′ー(4ーハロフェニルスルホニル)ビフ
ェニル、4ーヒドロキシー4′ー(4ーハロフェニルス
ルホニル)ジフェニルエーテル等を例示することができ
る。更に本発明では、芳香族ポリエーテルケトンの重合
度を調節し、末端を形成させ、または分枝構造・架橋構
造等を導入するために、フェノール性水酸基と不活性の
電子吸引基によって活性化されたハロゲン置換基を合計
で一個または三個以上有する芳香族化合物を反応させる
ことができる。このような芳香族化合物として、4ーハ
ロベンゾフェノン、2,4,4′ートリハロベンゾフェ
ノン、フェノール、4ーヒドロキシベンゾフェノン等を
例示することができる。ここでハロゲン原子は弗素、塩
素、臭素および沃素原子をさす。これらのジハロ芳香族
ケトンのうちでは、反応性の点からは弗素置換体が好ま
しく、経済性の点からは塩素置換体が好ましい。これら
の化合物は、本発明の目的を損なわない範囲で用いられ
る。
【0017】<塩基>本発明で使用される塩基は、一例
として、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭
酸塩、アルカリ金属の重炭酸塩、アルカリ土類金属の炭
酸塩またはアルカリ金属の水酸化物を挙げることができ
る。塩類は、無水のものが好ましいが、含水塩の場合で
も、重合反応系中から共沸蒸留などによって水分を留去
することにより、その使用が可能である。水酸化物を使
用する場合には、ヒドロキシハロ芳香族ケトンまたは芳
香族ジヒドロキシ化合物と予備反応させて、対応するア
ルカリ金属塩を生成させることができる。アルカリおよ
びアルカリ土類金属としては、反応性の点からはカリウ
ムが好ましく、経済性の点からはナトリウム、カルシウ
ムが好ましい。これらの塩基は単独で使用しても、2種
類以上の混合物で使用してもよい。
【0018】塩基の使用量は、(a)、(b)および
(c)の各場合に於いて、ヒドロキシハロ芳香族ケト
ン、芳香族ジヒドロキシ化合物およびこれらの化合物の
合計量中のフェノール性水酸基に対して、化学量論的比
率より大きい比率である。アルカリ金属水酸化物とヒド
ロキシハロ芳香族ケトンまたは芳香族ジヒドロキシ化合
物とを予備反応させた場合には、異なる塩基、例えば、
アルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩または重炭酸
塩等を追加して、過剰量の塩基を供給できる。塩基の過
剰量は、(a)、(b)および(c)の各場合に於い
て、フェノール性水酸基に対して、1〜25モル%、好
ましくは1〜15モル%、さらに好ましくは3〜6モル
%である。
【0019】<クロム化合物>本発明では、広範囲のク
ロム化合物が触媒として用いられる。例示すると、酸化
クロム(II)、酸化クロム(III)または酸化クロム(V
I)の様な酸化物類、ハロゲン化クロム(II)、ハロゲ
ン化クロム(III)の様なハロゲン化物類(ここで、ハ
ロゲン原子は弗素、塩素、臭素および沃素原子をさ
す)、硫酸クロム(III)の様な硫酸塩類、酢酸クロム
(II)、酢酸クロム(III)の様な酢酸塩類、ヘキサカ
ルボニルクロム、ヘキサシアノクロム(IIまたはIII)
酸のアルカリ金属またはアンモニウム塩、ヘキサキス
(イソチオシアナト)クロム(III)酸のナトリウム
塩、カリウム塩またはアンモニウム塩、トリス(エチレ
ンジアミン)クロム(III)の塩酸塩、臭素酸塩または
沃素酸塩、ヘキサアンミンクロム(III)の塩酸塩また
は臭素酸塩等のクロム錯体類が挙げられる。これらは単
独で、または場合によっては、組み合わせて使用され
る。使用するクロム化合物は実質的に無水であることが
望ましく、重合溶媒やモノマーに溶解しない場合には、
できるだけ微細な粒子であることが望ましい。クロム化
合物の使用比率は、(a)、(b)および(c)の各場
合に於いて、合計仕込モノマー量の2モル%以下であ
り、好ましくは1モル%以下、より好ましくは0.5モ
ル%より少ない量である。通常、合計仕込モノマー量に
対して少なくとも0.01モル%のクロム化合物を使用
することが好ましい。
【0020】<重合溶媒>本発明では、重合溶媒を用い
ることができる。重合溶媒としては、脂肪族スルフォン
化合物類、芳香族スルフォン化合物類、芳香族ケトン化
合物類等が用いられる。脂肪族スルフォン化合物類とし
ては、一例として、ジメチルスルフォン、ジエチルスル
フォン、スルフォランを挙げることができる。芳香族ス
ルフォン化合物類としては、一例として、ジフェニルス
ルフォン、ジトリルスルフォン、メチルフェニルスルフ
ォン、ジベンゾチオフェンオキサイド、フェノキサチン
ジオキシド、4ーフェニルスルフォニルビフェニルを挙
げることができる。芳香族ケトン化合物類としては、一
例として、ベンゾフェノン、イソフタロフェノン、テレ
フタロフェノン、4ーベンゾイルジフェニルエーテル、
フルオレノン、キサントン、チオキサントンを挙げるこ
とができる。高分子量の芳香族エーテルケトンポリマー
を得るためには、これらの重合溶媒の中では、ジフェニ
ルスルフォン、ベンゾフェノン、キサントン等が好まし
く用いられる。重合溶媒の使用量は、通常、原料である
芳香族化合物モノマーの0.2〜10倍の重量の範囲で
ある。反応系の粘度上昇や、生成重合体の析出を防止す
るために、反応の進行に応じて重合溶媒を追加すること
ができる。
【0021】<反応温度・時間>反応温度は用いる芳香
族化合物モノマーの種類、塩基の種類、クロム化合物の
種類等によって異なるが、150〜400℃が適当であ
る。特に、得られる芳香族ポリエーテルケトンが結晶性
の場合に、生成ポリマーが反応系から析出するのを防止
するために、反応の進行に応じて反応温度を連続的に、
あるいは段階的に昇温することもできる。150℃以下
では反応が遅く、400℃以上では目的とする反応以外
に望ましくない副反応が起って好ましくない。反応に要
する時間は、原料成分の種類、原料成分の割合、重合反
応の形式および反応温度などにより大幅に変化するが、
通常は10分〜100時間の範囲であり、好ましくは3
0分〜24時間の範囲で実施される。
【0022】(エンドキャッピング)重合体の末端に存
在する可能性のあるフェノキサイド基を安定化させるた
めに、脂肪族ハロゲン化合物、芳香族ハロゲン化合物な
どを添加して反応させることも必要に応じて実施され
る。このようなハロゲン化合物として、例えば、メチル
クロライド、エチルクロライド、4ークロロベンフェノ
ン、4ーフルオロベンゾフェノン、p−クロロニトロベ
ンゼン、4,4′ージクロロジフェニルスルフォン、ビ
ス(4ーフルオロフェニル)ケトンを挙げることができ
る。
【0023】(重合反応の停止)重合反応は、通常、反
応物を冷却することにより停止する。室温まで反応物を
冷却する過程で、反応物の粘度が著しく高くなったり、
反応物が固化したりして、攪拌の継続が困難になる場合
には、冷却前または冷却中に不活性な溶媒で希釈するこ
とが有効である。このような溶媒の添加は、重合体の分
離に際しても有効である。室温で固化する重合溶媒を用
いた場合で、適切な希釈溶媒がないときには、反応物が
冷却固化する前に、固化した反応物の取扱いが容易な形
状の容器または装置に反応物を移して冷却・固化させ、
その後粉砕機を用いて微細な形状に粉砕してもよい。
【0024】(分離・精製)重合反応終了後の重合体の
分離および精製は、芳香族ポリエーテル系重合体につい
ての公知の方法を採用できる。即ち、水およびアセト
ン、メタノールなどの有機溶媒で洗浄して、無機塩およ
び重合溶媒を除去する。更に、得られたポリマーの性質
を向上させるために、種々の有機溶媒で抽出することに
よって、オリゴマーを除くことも良い。重合触媒として
用いたクロム化合物は、通常、酸性水溶液または酸性の
有機溶媒で洗浄することによって除去する。より完全に
除去するためには、硝酸やキレート化剤で処理しても良
い。
【0025】(用途)本発明の芳香族ポリエーテルケト
ンは、単独で、あるいは各種のエンジニアリング・プラ
スチックス、ガラス繊維、炭素繊維などと混合し、アロ
イ化やコンポジット化して、任意の所望の形状に加工し
て使用できる。例えば、被覆、フィルム、繊維、成形品
などとして、電気、電子分野の各種部品、ハウジング
類、自動車部品、航空機用内装材、摺動部品、ギヤー、
絶縁材料、医療用材料、蒸気滅菌容器などの広範な分野
に用いることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明により、従来技術の欠点であった
不溶融分(ゲル分)の無い、色調の優れた、高重合度の
芳香族ポリエーテルケトンの製造方法が提供される。特
に、4,4′ージクロロベンゾフェノンなどの比較的安
価なジハロ芳香族ケトンを出発原料として使用する場合
にも、上記の本発明の特徴が発揮されるので、工業的に
有利な製造コストで、物性的に優れた芳香族ポリエーテ
ルケトン類を製造することが可能になる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれらのみ
に限定されるものではない。尚、以下の実施例、比較例
に於いて、ポリマーの溶液粘度、熱的性質は以下のよう
にして測定した。 <溶液粘度測定(ηinh)>100ml栓付き三角フラ
スコに、ポリマー試料40.0mgを精秤し、濃硫酸2
0.0mlを加え、マグネチックスターラーで攪拌しな
がら十分に溶解した。試料溶液をガラスウール製フィル
ターを用いて濾過し、ウベローデ粘度計を用いて、温度
30℃で測定した。
【0028】ηinh ={ln(t1/t2)}/c ここで、t1:純溶媒の流出時間 t2:試料溶液の流出時間 c :試料溶液中のポリマー濃度(g/dl)
【0029】<熱分析>示差走査熱量計(Mettle
r−DSC30S)を用いて、ポリマー試料の熱的性質
を測定した。試料約10mg、窒素流量50ml/mi
n、変温領域50℃〜400℃、変温速度10℃/mi
n。 <濃硫酸不溶解分>ポリマー中の濃硫酸不溶解分の有無
を、副反応による架橋構造生成の目安とした。100m
l栓付き三角フラスコに、ポリマー試料70.0mgを
精秤し、濃硫酸50.0mlを加え、マグネチックスタ
ーラーで攪拌しながら十分に溶解した。試料溶液をガラ
スウール製フィルターを用いて濾過し、フィルター上の
濾過残査の有無、量を調べた。
【0030】(実施例1)窒素導入管、空冷管、熱電対
および攪拌機が付いた、300ml容量の4口セパラブ
ルフラスコにジフェニルスルフォン30.0g、4,
4′ージクロロベンゾフェノン12.56g(0.05
モル)、ジヒドロキシベンゾフェノン10.71g
(0.05モル)、炭酸ナトリウム5.30g(0.0
5モル)、炭酸カリウム0.14g(0.01モル)お
よび酸化クロム(VI)0.100g(0.001モル)
を入れ、フラスコ内を窒素置換した。マントルヒーター
により加熱し、220℃で2時間、250℃で2時間、
次いで、320℃で5時間反応させた。反応終了後、反
応液を熱いまま金属製容器中に流し出し、冷却した。冷
えた個体を粉砕し、アセトン洗(200ml、2回)、
水洗(200ml、2回)、再度アセトン洗(200m
l、2回)した後、約70℃で約16時間真空乾燥し、
17.45gのクリーム色のポリマーを得た。収率8
8.9%、ポリマーの溶液粘度0.68dl/g、ポリ
マー粉の結晶融点は356℃、濃硫酸不溶解分は認めら
れなかった。ポリマー粉を380℃でシート状にプレス
成形し、折曲試験を行ったところ、得られた淡褐色のシ
ートは強靱であった。
【0031】(実施例2)窒素導入管、空冷管、熱電対
および攪拌機が付いた、300ml容量の4口セパラブ
ルフラスコにジフェニルスルフォン30.0g、4,
4′ージクロロベンゾフェノン12.56g(0.05
モル)、ジヒドロキシベンゾフェノン10.71g
(0.05モル)、炭酸ナトリウム5.30g(0.0
5モル)、炭酸カリウム0.14g(0.01モル)お
よび酸化クロム(VI)0.100g(0.001モル)
を入れ、フラスコ内を窒素置換した。マントルヒーター
により加熱し、220℃で2時間、250℃で2時間、
次いで、320℃で5時間反応させた。ここで更に、4
ークロロベンゾフェノン0.43g(0.002モル)
を追加して、320℃で1時間反応を継続し、エンドキ
ャピングを行った。反応終了後、反応液を熱いまま金属
製容器中に流し出し、冷却した。冷えた個体を粉砕し、
アセトン洗(200ml、2回)、水洗(200ml、
2回)、再度アセトン洗(200ml、2回)した後、
約70℃で約16時間真空乾燥し、17.31gのクリ
ーム色のポリマーを得た。収率88.2%、ポリマーの
溶液粘度0.67dl/g、ポリマー粉の結晶融点は3
60℃、濃硫酸不溶解分は認められなかった。ポリマー
粉を380℃でシート状にプレス成形し、折曲試験を行
ったところ、得られた淡褐色のシートは強靱であった。
【0032】(実施例3)窒素導入管、空冷管、熱電対
および攪拌機が付いた、300ml容量の4口セパラブ
ルフラスコにジフェニルスルフォン30.0g、4,
4′ージクロロベンゾフェノン12.56g(0.05
モル)、ジヒドロキシベンゾフェノン10.71g
(0.05モル)、炭酸ナトリウム5.30g(0.0
5モル)、炭酸カリウム0.14g(0.01モル)お
よびヘキサカルボニルクロム0.220g(0.001
モル)を入れ、フラスコ内を窒素置換した。マントルヒ
ーターにより加熱し、220℃で2時間、250℃で2
時間、次いで、320℃で5時間反応させた。反応終了
後、反応液を熱いまま金属製容器中に流し出し、冷却し
た。冷えた個体を粉砕し、アセトン洗(200ml、2
回)、水洗(200ml、2回)、再度アセトン洗(2
00ml、2回)した後、約70℃で約16時間真空乾
燥し、18.90gのベージュ色のポリマーを得た。収
率96.3%、ポリマーの溶液粘度0.66dl/g、
ポリマー粉の結晶融点は361℃、濃硫酸不溶解分は認
められなかった。ポリマー粉を380℃でシート状にプ
レス成形し、折曲試験を行ったところ、得られた淡褐色
のシートは強靱であった。
【0033】(比較例1)クロム化合物を用いずに重合
した例を示す。窒素導入管、空冷管、熱電対および攪拌
機が付いた、300ml容量の4口セパラブルフラスコ
にジフェニルスルフォン30.0g、4,4′ージクロ
ロベンゾフェノン12.56g(0.05モル)、ジヒ
ドロキシベンゾフェノン10.71g(0.05モ
ル)、炭酸ナトリウム5.30g(0.05モル)およ
び炭酸カリウム0.14g(0.01モル)を入れ、フ
ラスコ内を窒素置換した。マントルヒーターにより加熱
し、220℃で2時間、250℃で2時間、次いで、3
20℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液を熱い
まま金属製容器中に流し出し、冷却した。冷えた個体を
粉砕し、アセトン洗(200ml、2回)、水洗(20
0ml、2回)、再度アセトン洗(200ml、2回)
した後、約70℃で約16時間真空乾燥した。17.7
6gのクリーム色のポリマーを得た。収率90.5%、
ポリマーの溶液粘度0.28dl/g、ポリマー粉の結
晶融点は361℃、濃硫酸不溶解分は認められなかっ
た。ポリマー粉を380℃でシート状にプレス成形し、
折曲試験を行ったところ、得られたシートは脆かった。
【0034】(比較例2)クロム化合物の替わりに銅化
合物を用いて重合した例を示す。窒素導入管、空冷管、
熱電対および攪拌機が付いた、300ml容量の4口セ
パラブルフラスコにジフェニルスルフォン30.0g、
4,4′ージクロロベンゾフェノン12.56g(0.
05モル)、ジヒドロキシベンゾフェノン10.71g
(0.05モル)、炭酸ナトリウム5.30g(0.0
5モル)、炭酸カリウム0.14g(0.01モル)お
よび塩化銅(I)0.099g(0.001モル)を入
れ、フラスコ内を窒素置換した。マントルヒーターによ
り加熱し、220℃で2時間、250℃で2時間、次い
で、320℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液
を熱いまま金属製容器中に流し出し、冷却した。冷えた
個体を粉砕し、アセトン洗(200ml、2回)、水洗
(200ml、2回)、再度アセトン洗(200ml、
2回)した後、約70℃で約16時間真空乾燥した。1
9.09gの灰色のポリマーを得た。収率97.3%、
ポリマーの溶液粘度0.99dl/g、ポリマー粉の結
晶融点は369℃、濃硫酸不溶解分は0.9mg(1.
3重量%)であった。ポリマー粉を380℃でシート状
にプレス成形し、折曲試験を行ったところ、得られた黒
灰色のシートは強靱であったが、斑点状の不溶融部分が
認められた。
【0035】(比較例3)クロム化合物の替わりに銅化
合物を用いて重合した例を示す。窒素導入管、空冷管、
熱電対および攪拌機が付いた、300ml容量の4口セ
パラブルフラスコにジフェニルスルフォン30.0g、
4,4′ージクロロベンゾフェノン12.56g(0.
05モル)、ジヒドロキシベンゾフェノン10.71g
(0.05モル)、炭酸ナトリウム5.30g(0.0
5モル)、炭酸カリウム0.14g(0.01モル)お
よび酸化銅(I)0.143g(0.001モル)を入
れ、フラスコ内を窒素置換した。マントルヒーターによ
り加熱し、220℃で2時間、250℃で2時間、次い
で、320℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液
を熱いまま金属製容器中に流し出し、冷却した。冷えた
個体を粉砕し、アセトン洗(200ml、2回)、水洗
(200ml、2回)、再度アセトン洗(200ml、
2回)した後、約70℃で約16時間真空乾燥した。1
8.87gの灰色のポリマーを得た。収率96.2%、
ポリマーの溶液粘度0.91dl/g、ポリマー粉の結
晶融点は371℃、濃硫酸不溶解分0.7mg(1.0
wt%)であった。ポリマー粉を380℃でシート状に
プレス成形し、折曲試験を行ったところ、得られた黒灰
色のシートは強靱であったが、僅かに斑点状の不溶融部
分が認められた。
【0036】(比較例4)クロム化合物の替わりにマン
ガン化合物を用いて重合した例を示す。窒素導入管、空
冷管、熱電対および攪拌機が付いた、300ml容量の
4口セパラブルフラスコにジフェニルスルフォン30.
0g、4,4′ージクロロベンゾフェノン12.56g
(0.05モル)、ジヒドロキシベンゾフェノン10.
71g(0.05モル)、炭酸ナトリウム5.30g
(0.05モル)、炭酸カリウム0.14g(0.01
モル)および酸化マンガン(IV)0.087g(0.0
01モル)を入れ、フラスコ内を窒素置換した。マント
ルヒーターにより加熱し、220℃で2時間、250℃
で2時間、次いで、320℃で5時間反応させた。反応
終了後、反応液を熱いまま金属製容器中に流し出し、冷
却した。冷えた個体を粉砕し、アセトン洗(200m
l、2回)、水洗(200ml、2回)、再度アセトン
洗(200ml、2回)した後、約70℃で約16時間
真空乾燥した。18.27gのクリーム色のポリマーを
得た。収率93.1%、ポリマーの溶液粘度0.15d
l/g、ポリマー粉の結晶融点は352℃、濃硫酸不溶
解分は認められなかった。ポリマー粉を380℃でシー
ト状にプレス成形し、折曲試験を行ったところ、得られ
たシートは脆かった。
【0037】(比較例5)クロム化合物の替わりにコバ
ルト化合物を用いて重合した例を示す。窒素導入管、空
冷管、熱電対および攪拌機が付いた、300ml容量の
4口セパラブルフラスコにジフェニルスルフォン30.
0g、4,4′ージクロロベンゾフェノン12.56g
(0.05モル)、ジヒドロキシベンゾフェノン10.
71g(0.05モル)、炭酸ナトリウム5.30g
(0.05モル)、炭酸カリウム0.14g(0.01
モル)および塩化コバルト(II)0.130g(0.0
01モル)を入れ、フラスコ内を窒素置換した。マント
ルヒーターにより加熱し、220℃で2時間、250℃
で2時間、次いで、320℃で5時間反応させた。反応
終了後、反応液を熱いまま金属製容器中に流し出し、冷
却した。冷えた個体を粉砕し、アセトン洗(200m
l、2回)、水洗(200ml、2回)、再度アセトン
洗(200ml、2回)した後、約70℃で約16時間
真空乾燥した。17.35gのクリーム色のポリマーを
得た。収率88.4%、ポリマーの溶液粘度0.17d
l/g、ポリマー粉の結晶融点は353℃、濃硫酸不溶
解分は認められなかった。ポリマー粉を380℃でシー
ト状にプレス成形し、折曲試験を行ったところ、得られ
たシートは脆かった。
【0038】(比較例6)クロム化合物の替わりに鉄化
合物を用いて重合した例を示す。窒素導入管、空冷管、
熱電対および攪拌機が付いた、300ml容量の4口セ
パラブルフラスコにジフェニルスルフォン30.0g、
4,4′ージクロロベンゾフェノン12.56g(0.
05モル)、ジヒドロキシベンゾフェノン10.71g
(0.05モル)、炭酸ナトリウム5.30g(0.0
5モル)、炭酸カリウム0.14g(0.01モル)お
よび酸化鉄(III)0.160g(0.001モル)を
入れ、フラスコ内を窒素置換した。マントルヒーターに
より加熱し、220℃で2時間、250℃で2時間、次
いで、320℃で5時間反応させた。反応終了後、反応
液を熱いまま金属製容器中に流し出し、冷却した。冷え
た個体を粉砕し、アセトン洗(200ml、2回)、水
洗(200ml、2回)、再度アセトン洗(200m
l、2回)した後、約70℃で約16時間真空乾燥し
た。18.55gの淡ピンク色のポリマーを得た。収率
94.5%、ポリマーの溶液粘度0.19dl/g、ポ
リマー粉の結晶融点は358℃、濃硫酸不溶解分は認め
られなかった。ポリマー粉を380℃でシート状にプレ
ス成形し、折曲試験を行ったところ、得られたシートは
脆かった。
【0039】(比較例7)クロム化合物の替わりにニッ
ケル化合物を用いて重合した例を示す。窒素導入管、空
冷管、熱電対および攪拌機が付いた、300ml容量の
4口セパラブルフラスコにジフェニルスルフォン30.
0g、4,4′ージクロロベンゾフェノン12.56g
(0.05モル)、ジヒドロキシベンゾフェノン10.
71g(0.05モル)、炭酸ナトリウム5.30g
(0.05モル)、炭酸カリウム0.14g(0.01
モル)および酸化ニッケル(II)0.075g(0.0
01モル)を入れ、フラスコ内を窒素置換した。マント
ルヒーターにより加熱し、220℃で2時間、250℃
で2時間、次いで、320℃で5時間反応させた。反応
終了後、反応液を熱いまま金属製容器中に流し出し、冷
却した。冷えた個体を粉砕し、アセトン洗(200m
l、2回)、水洗(200ml、2回)、再度アセトン
洗(200ml、2回)した後、約70℃で約16時間
真空乾燥した。17.04gのクリーム色のポリマーを
得た。収率86.9%、ポリマーの溶液粘度0.15d
l/g、ポリマー粉の結晶融点は355℃、濃硫酸不溶
解分は認められなかった。ポリマー粉を380℃でシー
ト状にプレス成形し、折曲試験を行ったところ、得られ
たシートは脆かった。
【0040】(比較例8)クロム化合物の替わりに亜鉛
化合物を用いて重合した例を示す。窒素導入管、空冷
管、熱電対および攪拌機が付いた、300ml容量の4
口セパラブルフラスコにジフェニルスルフォン30.0
g、4,4′ージクロロベンゾフェノン12.56g
(0.05モル)、ジヒドロキシベンゾフェノン10.
71g(0.05モル)、炭酸ナトリウム5.30g
(0.05モル)、炭酸カリウム0.14g(0.01
モル)および酸化亜鉛(II)0.081g(0.001
モル)を入れ、フラスコ内を窒素置換した。マントルヒ
ーターにより加熱し、220℃で2時間、250℃で2
時間、次いで、320℃で5時間反応させた。反応終了
後、反応液を熱いまま金属製容器中に流し出し、冷却し
た。冷えた個体を粉砕し、アセトン洗(200ml、2
回)、水洗(200ml、2回)、再度アセトン洗(2
00ml、2回)した後、約70℃で約16時間真空乾
燥した。17.13gのクリーム色のポリマーを得た。
収率87.3%、ポリマーの溶液粘度0.19dl/
g、ポリマー粉の結晶融点は355℃、濃硫酸不溶解分
は認められなかった。ポリマー粉を380℃でシート状
にプレス成形し、折曲試験を行ったところ、得られたシ
ートは脆かった。
【0041】(比較例9)クロム化合物の替わりに銀化
合物を用いて重合した例を示す。窒素導入管、空冷管、
熱電対および攪拌機が付いた、300ml容量の4口セ
パラブルフラスコにジフェニルスルフォン30.0g、
4,4′ージクロロベンゾフェノン12.56g(0.
05モル)、ジヒドロキシベンゾフェノン10.71g
(0.05モル)、炭酸ナトリウム5.30g(0.0
5モル)、炭酸カリウム0.14g(0.01モル)お
よび酸化銀(II)0.124g(0.001モル)を入
れ、フラスコ内を窒素置換した。マントルヒーターによ
り加熱し、220℃で2時間、250℃で2時間、次い
で、320℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液
を熱いまま金属製容器中に流し出し、冷却した。冷えた
個体を粉砕し、アセトン洗(200ml、2回)、水洗
(200ml、2回)、再度アセトン洗(200ml、
2回)した後、約70℃で約16時間真空乾燥した。1
8.30gの灰色のポリマーを得た。収率93.3%、
ポリマーの溶液粘度0.16dl/g、ポリマー粉の結
晶融点は358℃、濃硫酸不溶解分は認められなかっ
た。ポリマー粉を380℃でシート状にプレス成形し、
折曲試験を行ったところ、得られたシートは脆かった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基の存在下に、(a)ヒドロキシハロ芳
    香族ケトン、(b)ジハロ芳香族ケトンと芳香族ジヒド
    ロキシ化合物との混合物、あるいは(c)前記(a)、
    (b)の混合物を反応せしめて芳香族ポリエーテルケト
    ンを得る方法において、クロム化合物を共存させること
    を特徴とする芳香族ポリエーテルケトンの製造方法。
  2. 【請求項2】前記ヒドロキシハロ芳香族ケトンがヒドロ
    キシクロロ芳香族ケトンである請求項1記載の芳香族ポ
    リエーテルケトンの製造方法。
  3. 【請求項3】前記ジハロ芳香族ケトンがジクロロ芳香族
    ケトンである請求項1記載の芳香族ポリエーテルケトン
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ジハロ芳香族ケトンが4,4′ージク
    ロロベンゾフェノンであり、前記芳香族ジヒドロキシ化
    合物が4,4′ージヒドロキシベンゾフェノンである請
    求項1、3記載の芳香族ポリエーテルケトンの製造方
    法。
JP27486293A 1993-10-06 1993-10-06 芳香族ポリエーテルケトンの製造方法 Pending JPH07102058A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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