JPH075725B2 - ポリアリールエーテルケトンの製造方法 - Google Patents
ポリアリールエーテルケトンの製造方法Info
- Publication number
- JPH075725B2 JPH075725B2 JP10614789A JP10614789A JPH075725B2 JP H075725 B2 JPH075725 B2 JP H075725B2 JP 10614789 A JP10614789 A JP 10614789A JP 10614789 A JP10614789 A JP 10614789A JP H075725 B2 JPH075725 B2 JP H075725B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reaction
- copper powder
- polymer
- compound
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Polyethers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はポリアリールエーテルケトンの新規な製造方法
に関する。更に詳しくは、耐熱性,機械特性,化学的安
定性等に優れた芳香族ポリアリールエーテルケトンを安
価な原料を用いて効率的に製造し得る新規な製造方法に
関する。
に関する。更に詳しくは、耐熱性,機械特性,化学的安
定性等に優れた芳香族ポリアリールエーテルケトンを安
価な原料を用いて効率的に製造し得る新規な製造方法に
関する。
<従来技術> ポリアリールエーテルケトンは熱可塑性ポリマー中最高
の部類の耐熱性を有し、かつ耐熱性,寸法安定性,機械
的特性に優れており、いわゆるエンプラとしてだけでな
く繊維,フイルムの原料,複合材料マトリックス等とし
て種々検討がなされている。このポリアリールエーテル
ケトンは優れた諸特性を有してはいるが、その原料及び
ポリマーの製造プロセスが複雑で製造コストが高いとい
う問題点がある。
の部類の耐熱性を有し、かつ耐熱性,寸法安定性,機械
的特性に優れており、いわゆるエンプラとしてだけでな
く繊維,フイルムの原料,複合材料マトリックス等とし
て種々検討がなされている。このポリアリールエーテル
ケトンは優れた諸特性を有してはいるが、その原料及び
ポリマーの製造プロセスが複雑で製造コストが高いとい
う問題点がある。
ポリアリールエーテルケトンの製造方法としては、多数
の方法が提案されているが、大別して、求電子反応によ
るもの及び求核反応プロセスによるものとがある。求電
子反応プロセスによるものは、腐食性の大きいプロトン
酸あるいはルイス酸を用いるプロセスである上、反応選
択性が必ずしも十分でなく、いわゆるオルト置換体の生
成により得られるポリマーの熱安定性に問題がある。
の方法が提案されているが、大別して、求電子反応によ
るもの及び求核反応プロセスによるものとがある。求電
子反応プロセスによるものは、腐食性の大きいプロトン
酸あるいはルイス酸を用いるプロセスである上、反応選
択性が必ずしも十分でなく、いわゆるオルト置換体の生
成により得られるポリマーの熱安定性に問題がある。
また求核反応プロセスによれば、比較的容易に高重合度
のポリマーを得ることができるが、その原料として一般
に高価なフッ素化合物を用いる必要があり、これが、コ
スト高の大きな要因となっている。
のポリマーを得ることができるが、その原料として一般
に高価なフッ素化合物を用いる必要があり、これが、コ
スト高の大きな要因となっている。
<発明の目的> 本発明の目的は、上述のような従来法の欠点を解消し、
安価な塩素化合物を用いて、耐熱性等の諸特性に優れた
高重合度のポリアリールエーテルケトンを安定して再現
性よく製造できる新規なプロセスを提供することにあ
る。
安価な塩素化合物を用いて、耐熱性等の諸特性に優れた
高重合度のポリアリールエーテルケトンを安定して再現
性よく製造できる新規なプロセスを提供することにあ
る。
<発明の構成> 本発明の目的は、原料として(a)特定のハロフェノー
ル、(b)特定のビスフェノールとジハロベンゼノイド
化合物との混合物の少くともいずれかを用い、上記
(a)及び/又は(b)を、フェノール性水酸基に対し
て実質的に等当量のアルカリ化合物及び生成するポリア
リールエーテルケトンポリマーに対し0.001〜3重量%
の銅粉の存在下に加熱反応せしめることを特徴とするポ
リアリールエーテルケトンの製造方法により達成するこ
とができる。
ル、(b)特定のビスフェノールとジハロベンゼノイド
化合物との混合物の少くともいずれかを用い、上記
(a)及び/又は(b)を、フェノール性水酸基に対し
て実質的に等当量のアルカリ化合物及び生成するポリア
リールエーテルケトンポリマーに対し0.001〜3重量%
の銅粉の存在下に加熱反応せしめることを特徴とするポ
リアリールエーテルケトンの製造方法により達成するこ
とができる。
以下、本発明の方法につき詳述する。
本発明で用いるハロフェノールは下記一般式(I)で示
される化合物である。
される化合物である。
[式(I)において、XはQに対してオルト又はパラの
位置に存在するハロゲン原子であり、Qは−SO2−また
は−CO−基であり、Ar1は2価の芳香族基を表わす。こ
こでQ及びAr1は、少なくともQが−CO−基であるか、
あるいはArが−CO−基を含有するものである。] 上記一般式(I)において、Xで表示されるハロゲンと
しては塩素,フッ素,臭素が挙げられるが、これらのう
ち塩素が好ましい。また、このハロゲンはQに対してパ
ラ位置にあることが好ましい。
位置に存在するハロゲン原子であり、Qは−SO2−また
は−CO−基であり、Ar1は2価の芳香族基を表わす。こ
こでQ及びAr1は、少なくともQが−CO−基であるか、
あるいはArが−CO−基を含有するものである。] 上記一般式(I)において、Xで表示されるハロゲンと
しては塩素,フッ素,臭素が挙げられるが、これらのう
ち塩素が好ましい。また、このハロゲンはQに対してパ
ラ位置にあることが好ましい。
一方、Ar1で表示されて芳香族基としてはフェニレン,
ビフェニレン,ターフェニレン,ナフタレン及び下記式
(IV)で示される基を挙げることができる。
ビフェニレン,ターフェニレン,ナフタレン及び下記式
(IV)で示される基を挙げることができる。
−Ar4−Z−Ar5 ……(IV) [式(IV)においてZは−SO2−,−CO−,−O−又は
−S−基であり、またAr4,Ar5はフェニレン,ビフェニ
レン,ナフタレン等の2価の芳香族基を表わし、これら
は夫々同一であっても異っていてもよい。] かかる一般式(I)で示される−CO基−を含むハロフェ
ノールの好適例としては、具体的には、4−(4−クロ
ロベンゾイル)フェノール,4−ヒドロキシ−4′−(4
−クロロベンゾイル)ビフェニル,4−ヒドロキシ−4′
−(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル,2−ヒ
ドロキシ−6−(4−クロロベンゾイル)ナフタレン,4
−ヒドロキシ−4′−(4−クロロベンゾイル)ベンゾ
フェノン等を例示することができる。
−S−基であり、またAr4,Ar5はフェニレン,ビフェニ
レン,ナフタレン等の2価の芳香族基を表わし、これら
は夫々同一であっても異っていてもよい。] かかる一般式(I)で示される−CO基−を含むハロフェ
ノールの好適例としては、具体的には、4−(4−クロ
ロベンゾイル)フェノール,4−ヒドロキシ−4′−(4
−クロロベンゾイル)ビフェニル,4−ヒドロキシ−4′
−(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル,2−ヒ
ドロキシ−6−(4−クロロベンゾイル)ナフタレン,4
−ヒドロキシ−4′−(4−クロロベンゾイル)ベンゾ
フェノン等を例示することができる。
上記一般式(I)で示される−CO−基を含有するハロフ
ェノールは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよ
いが、さらに他種のハロフェノールすなわち−CO−基を
含有しないハロフェノールとの混合物として用いること
もできる。該ハロフェノールとしては4−(4−クロロ
フェニルスルホニル)フェノール,4−ヒドロキシ−4′
−(4−クロロフェニルスルホニル)ビフェニル,4−ヒ
ドロキシ−4′−(4−クロロフェニルスルホニル)ジ
フェニルエーテル等を例示することができる。
ェノールは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよ
いが、さらに他種のハロフェノールすなわち−CO−基を
含有しないハロフェノールとの混合物として用いること
もできる。該ハロフェノールとしては4−(4−クロロ
フェニルスルホニル)フェノール,4−ヒドロキシ−4′
−(4−クロロフェニルスルホニル)ビフェニル,4−ヒ
ドロキシ−4′−(4−クロロフェニルスルホニル)ジ
フェニルエーテル等を例示することができる。
一方、本発明において用いるビスフェノールは下記一般
式(II)で示される化合物である。
式(II)で示される化合物である。
[式(II)において、Yは−O−,−S−,−SO2−も
しくは−CO−基又は直接結合を表わし、またnはO又は
1を表わす。] 上記ビスフェノールとしては、具体的には、ハイドロキ
ノン,ジヒドロキシジフェニル,4,4′−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン,4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン,4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル,4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルフィド等を例示することがで
きる。
しくは−CO−基又は直接結合を表わし、またnはO又は
1を表わす。] 上記ビスフェノールとしては、具体的には、ハイドロキ
ノン,ジヒドロキシジフェニル,4,4′−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン,4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン,4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル,4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルフィド等を例示することがで
きる。
また、本発明で用いるジハロベンゼノイド化合物は下記
一般式(III)で示される化合物である。
一般式(III)で示される化合物である。
[上記一般式において、X′及びX″はそれぞれQ′及
びQ″に対してオルトまたはパラの位置に存在するハロ
ゲン原子であり、具体的には、上記一般式(I)におけ
るものと同じである。Ar′は芳香族基であり具体的には
フェニル,ビフェニル,ナフタレンを例示することがで
きる。Q′は、−SO2−又は−CO−基であり、またQ″
は−O−,−S−,−SO2−又は−CO基−である。ここ
でQ′及びQ″の少なくともどちらかは−CO−基である
ものとする。xはyは夫々独立に0または1を表わ
す。] 上記一般式(III)で示されるジハロベンゼノイド化合
物としては、具体的には、4,4′−ジクロロベンゾフェ
ノン,ビス−1,4′−(4−クロロベンゾイル)ベンゼ
ン,ビス−4,4′−(4−クロロベンゾイル)ビフェニ
ル,ビス−2,6′−(4−クロロベンゾイル)ナフタレ
ン,ビス−1,5−(4−クロロベンゾイル)ナフタル
ン,ビス−1,3−(4−クロロベンゾイル)ベンゼン,
ビス−4,4′−(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエ
ーテル,ビス−4,4′−(4−クロロベンゾイル)ジフ
ェニルスルフィド等を例示することができる。
びQ″に対してオルトまたはパラの位置に存在するハロ
ゲン原子であり、具体的には、上記一般式(I)におけ
るものと同じである。Ar′は芳香族基であり具体的には
フェニル,ビフェニル,ナフタレンを例示することがで
きる。Q′は、−SO2−又は−CO−基であり、またQ″
は−O−,−S−,−SO2−又は−CO基−である。ここ
でQ′及びQ″の少なくともどちらかは−CO−基である
ものとする。xはyは夫々独立に0または1を表わ
す。] 上記一般式(III)で示されるジハロベンゼノイド化合
物としては、具体的には、4,4′−ジクロロベンゾフェ
ノン,ビス−1,4′−(4−クロロベンゾイル)ベンゼ
ン,ビス−4,4′−(4−クロロベンゾイル)ビフェニ
ル,ビス−2,6′−(4−クロロベンゾイル)ナフタレ
ン,ビス−1,5−(4−クロロベンゾイル)ナフタル
ン,ビス−1,3−(4−クロロベンゾイル)ベンゼン,
ビス−4,4′−(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエ
ーテル,ビス−4,4′−(4−クロロベンゾイル)ジフ
ェニルスルフィド等を例示することができる。
上記式(III)で示される−CO−基を含むジハロベンゼ
ノイド化合物は、他種ジハライドとの混合物として用い
ることもできる。該ジハライドとしては具体的には4,
4′−ジクロロジフェニルスルホン,ビス−4,4′−(4
−クロロフェニルスルホニル)ビフェニル,ビス−2,6
−(4−クロロフェニルスルホニル)ナフタレン等を例
示することができる。
ノイド化合物は、他種ジハライドとの混合物として用い
ることもできる。該ジハライドとしては具体的には4,
4′−ジクロロジフェニルスルホン,ビス−4,4′−(4
−クロロフェニルスルホニル)ビフェニル,ビス−2,6
−(4−クロロフェニルスルホニル)ナフタレン等を例
示することができる。
本発明のポリアリールエーテルケトンは、上述のハロフ
ェノール(I)、及び又はビスフェノールとジハロベン
ゼノイル化合物との混合物(II+III)を、アルカリ化
合物及び銅粉の存在下に加熱反応せしめることにより得
られる。
ェノール(I)、及び又はビスフェノールとジハロベン
ゼノイル化合物との混合物(II+III)を、アルカリ化
合物及び銅粉の存在下に加熱反応せしめることにより得
られる。
ここでアルカリ化合物としては、具体的には水酸化ナト
リウム,水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物,
炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等の炭酸塩,炭酸水素ナ
トリウム,炭酸水酸カリウム等の重炭酸等のアルカリ金
属の塩類が使用される。アルカリ化合物としてはこれら
のうち炭酸ナトリウム,炭酸カリウムが好ましい。用い
るアルカリ化合物の量は上述の原料化合物中のフェノー
ル性OHに対して実質的に等当量とする。実質的に等当量
とはフェノール性OHの当量に対して、用いるアルカリ化
合物のアルカリ当量が95〜105%程度となる量を意味す
る。
リウム,水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物,
炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等の炭酸塩,炭酸水素ナ
トリウム,炭酸水酸カリウム等の重炭酸等のアルカリ金
属の塩類が使用される。アルカリ化合物としてはこれら
のうち炭酸ナトリウム,炭酸カリウムが好ましい。用い
るアルカリ化合物の量は上述の原料化合物中のフェノー
ル性OHに対して実質的に等当量とする。実質的に等当量
とはフェノール性OHの当量に対して、用いるアルカリ化
合物のアルカリ当量が95〜105%程度となる量を意味す
る。
本発明で用いる銅粉は、その平均粒径が20μm以下のも
のが好ましい。平均粒径が20μm以上のものでは重合反
応を促進するために多量の添加が必要となり、得られた
ポリマーの特性に好ましくない影響を及ぼすことがあ
る。この平均粒径は光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡によ
る測定等により容易に求めることができる。銅粉の平均
粒径は好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以
下とする。この銅粉としては特に制限はなく市販のもを
適宜用いてよいが、いわゆる活性銅粉を用いることがよ
り好ましい。銅粉の活性化方法としては従来公知の各種
方法が用い得るが、例えば硫酸銅を亜鉛末で還元して活
性銅粉を得る方法、銅粉をヨウ素及び/または塩酸等で
処理して活性化する方法等を挙げることができる。銅粉
の使用量は生成するポリアリールエーテルケトンポリマ
ーに対し0.001〜3重量%の量である。銅粉の使用量が
0.001重量%より少ないと重合反応の促進効果が十分で
なく、また3重量%より多いと得られるポリマーの特性
に好ましくない影響を及ぼす可能性がある。銅粉の使用
量としては0.005〜2重量%とすることが好ましく、0.0
1〜1重量%とすることが特に好ましい。上記の各成分
を加熱反応させる際の温度は特に制限はないが大略250
〜400℃程度とすることが好ましい。
のが好ましい。平均粒径が20μm以上のものでは重合反
応を促進するために多量の添加が必要となり、得られた
ポリマーの特性に好ましくない影響を及ぼすことがあ
る。この平均粒径は光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡によ
る測定等により容易に求めることができる。銅粉の平均
粒径は好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以
下とする。この銅粉としては特に制限はなく市販のもを
適宜用いてよいが、いわゆる活性銅粉を用いることがよ
り好ましい。銅粉の活性化方法としては従来公知の各種
方法が用い得るが、例えば硫酸銅を亜鉛末で還元して活
性銅粉を得る方法、銅粉をヨウ素及び/または塩酸等で
処理して活性化する方法等を挙げることができる。銅粉
の使用量は生成するポリアリールエーテルケトンポリマ
ーに対し0.001〜3重量%の量である。銅粉の使用量が
0.001重量%より少ないと重合反応の促進効果が十分で
なく、また3重量%より多いと得られるポリマーの特性
に好ましくない影響を及ぼす可能性がある。銅粉の使用
量としては0.005〜2重量%とすることが好ましく、0.0
1〜1重量%とすることが特に好ましい。上記の各成分
を加熱反応させる際の温度は特に制限はないが大略250
〜400℃程度とすることが好ましい。
また、この反応温度は最高反応温度を表わし、より低温
から反応を始めて連続的あるいは段階的に反応温度を上
昇させることも好ましく実施できる。
から反応を始めて連続的あるいは段階的に反応温度を上
昇させることも好ましく実施できる。
反応温度は、より好ましくは270〜380℃程度、特に好ま
しくは290〜360℃程度である。
しくは290〜360℃程度である。
反応は常圧下、加圧下、あるいは減圧下で行うことがで
きる。常圧下、加圧下で行う場合には窒素、アルゴン等
の不活性ガス雰囲気下とすることが好ましい。
きる。常圧下、加圧下で行う場合には窒素、アルゴン等
の不活性ガス雰囲気下とすることが好ましい。
反応を実施するに当っては、上記原料だけを無溶媒で加
熱反応せしめてもよいが、反応系を均一に保ち、より低
温で高重合度のポリマーを得るために、溶媒を用いるこ
とも好ましい。かかる溶媒としては反応温度においてそ
れ自身安定で、原料化合物、反応生成物あるいはポリマ
ーと非反応性でかつモノマー及び生成するポリマーと反
応温度において相溶し得る化合物であれば任意に用いる
ことができる。適当な溶媒としてはスルホン系化合物、
アミド系化合物が挙げられる。スルホン系化合物として
は、具体的にはジフェニルスルホン,ジトリルスルホ
ン,スルホラン等が例示でき、アミド系化合物としては
具体的にはN−メチル−2−ピロリドン,N−シクロヘキ
シル−2−ピロリドン,1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等が例示できる。これらのうちスルホラン,ジフ
ェニルスルホンが好ましく、特にジフェニルスルホンが
好ましい。溶媒の使用量は特に制限はないが、生成する
ポリマーと溶媒との合計量に対し20〜80重量%程度とす
ることが好ましい。
熱反応せしめてもよいが、反応系を均一に保ち、より低
温で高重合度のポリマーを得るために、溶媒を用いるこ
とも好ましい。かかる溶媒としては反応温度においてそ
れ自身安定で、原料化合物、反応生成物あるいはポリマ
ーと非反応性でかつモノマー及び生成するポリマーと反
応温度において相溶し得る化合物であれば任意に用いる
ことができる。適当な溶媒としてはスルホン系化合物、
アミド系化合物が挙げられる。スルホン系化合物として
は、具体的にはジフェニルスルホン,ジトリルスルホ
ン,スルホラン等が例示でき、アミド系化合物としては
具体的にはN−メチル−2−ピロリドン,N−シクロヘキ
シル−2−ピロリドン,1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等が例示できる。これらのうちスルホラン,ジフ
ェニルスルホンが好ましく、特にジフェニルスルホンが
好ましい。溶媒の使用量は特に制限はないが、生成する
ポリマーと溶媒との合計量に対し20〜80重量%程度とす
ることが好ましい。
加熱反応時間は特に制限はなく、ポリマーの重合度が十
分に上昇するに足る時間であればよく、これは用いる原
料の種類、溶媒の量、反応温度によっても異なるが、大
略1〜10時間程度である。
分に上昇するに足る時間であればよく、これは用いる原
料の種類、溶媒の量、反応温度によっても異なるが、大
略1〜10時間程度である。
反応終了後、反応により生成した塩及び場合により溶媒
を夫々水及び溶媒は溶解するがポリマーは溶解しない有
機溶媒で処理して除去することにより目的とするポリア
リールエーテルケトンを得ることができる。得られるポ
リアリールエーテルケトンの重合度は、ηinhにして好
ましくは0.4以上、特に好ましくは0.5以上とする。
を夫々水及び溶媒は溶解するがポリマーは溶解しない有
機溶媒で処理して除去することにより目的とするポリア
リールエーテルケトンを得ることができる。得られるポ
リアリールエーテルケトンの重合度は、ηinhにして好
ましくは0.4以上、特に好ましくは0.5以上とする。
<発明の効果> 本発明方法によれば、銅粉の使用により、従来反応性が
低く安価ではあるがポリアリールエーテルケトンの重合
原料として用いることが困難であった塩素化合物を用い
て高重合度のポリマーを製造することが可能であり、ま
た、従来原料として使用困難であってハイドロキノンを
使用して高重合度ポリマーを製造することも可能となる
ので、その工業的意義は極めて大きい。
低く安価ではあるがポリアリールエーテルケトンの重合
原料として用いることが困難であった塩素化合物を用い
て高重合度のポリマーを製造することが可能であり、ま
た、従来原料として使用困難であってハイドロキノンを
使用して高重合度ポリマーを製造することも可能となる
ので、その工業的意義は極めて大きい。
<実施例> 以下実施例を挙げて本発明を詳述する。
実施例中「部」は特にことわらない限り「重量部」を意
味する。ポリマーのηinhは濃硫酸中、ポリマー濃度0.5
g/dl、温度30℃にて測定した。もとポリマーの熱特性は
DSCにより10℃/分の昇温速度にて測定した値である。
味する。ポリマーのηinhは濃硫酸中、ポリマー濃度0.5
g/dl、温度30℃にて測定した。もとポリマーの熱特性は
DSCにより10℃/分の昇温速度にて測定した値である。
また、各実施例において使用した銅粉は、Organic Synt
hesis Collective Volume 2 446に記載の方法に従い、
硫酸銅と亜鉛末より製造した。電子顕微鏡により平均粒
径を測定したところ約3μmであった。
hesis Collective Volume 2 446に記載の方法に従い、
硫酸銅と亜鉛末より製造した。電子顕微鏡により平均粒
径を測定したところ約3μmであった。
実施例1 4−(4−クロロベンゾイル)フェノール20部、ジフェ
ニルスルホン25部及び銅粉0.017部を攪拌装置及び窒素
導入口を備えたガラス製反応器に入れ、常圧下窒素気流
中250℃に加熱して均一に溶解させて、次いで炭酸カリ
ウム5.94部を添加した。同温度で1時間保持した後、反
応温度を300℃に昇温し1時間保持した後、更に反応温
度を350℃に昇温した。2時間後、反応物は褐色不透明
で粘稠な溶融物となった。
ニルスルホン25部及び銅粉0.017部を攪拌装置及び窒素
導入口を備えたガラス製反応器に入れ、常圧下窒素気流
中250℃に加熱して均一に溶解させて、次いで炭酸カリ
ウム5.94部を添加した。同温度で1時間保持した後、反
応温度を300℃に昇温し1時間保持した後、更に反応温
度を350℃に昇温した。2時間後、反応物は褐色不透明
で粘稠な溶融物となった。
得られた反応物を取り出し冷却固化させて粉砕し、これ
を還流下のアセトン及び水で各2回処理してジフェニル
スルホン及び塩化カリウムを抽出除去し次いで150℃で
4時間乾燥した。得られた淡黄色ポリマーはηinh1.1
8、融点は361℃であった。このポリマーを高化式フロー
テスターを用いて0.5mmφ×1mmLのノズルより410℃の温
度にて溶融押出したところ、強靭なモノフィラメントが
得られた。
を還流下のアセトン及び水で各2回処理してジフェニル
スルホン及び塩化カリウムを抽出除去し次いで150℃で
4時間乾燥した。得られた淡黄色ポリマーはηinh1.1
8、融点は361℃であった。このポリマーを高化式フロー
テスターを用いて0.5mmφ×1mmLのノズルより410℃の温
度にて溶融押出したところ、強靭なモノフィラメントが
得られた。
比較例1 実施例1において銅粉を添加しない以外は同条件にて反
応させた。得られたポリマーはηinh=0.48であり、溶
融押出したモノフィラメントは極めて脆かった。
応させた。得られたポリマーはηinh=0.48であり、溶
融押出したモノフィラメントは極めて脆かった。
実施例2 ビス−4,4′−(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエ
ーテル50部、ハイドロキノン12.3部、ジフェニルスルホ
ン100部,及び銅粉0.43部を実施例1と同様のガラス器
に入れ、常圧下窒素気流中250℃に加熱して均一に溶解
させ、次いで炭酸カリウム15.4部を添加した。同温度で
1時間保持した後、反応温度を300℃に昇温し1時間保
持した後、更に反応温度を300℃に昇温し、1時間反応
させた後、更に反応温度を330℃に昇温し反応させた。
3時間後反応物は褐色不透明で粘稠な溶融物となった。
得られた反応物を実施例1と同様に粉砕、抽出した。得
られたポリマーは灰色粉末状で、ηinh0.96、融点338℃
であった。
ーテル50部、ハイドロキノン12.3部、ジフェニルスルホ
ン100部,及び銅粉0.43部を実施例1と同様のガラス器
に入れ、常圧下窒素気流中250℃に加熱して均一に溶解
させ、次いで炭酸カリウム15.4部を添加した。同温度で
1時間保持した後、反応温度を300℃に昇温し1時間保
持した後、更に反応温度を300℃に昇温し、1時間反応
させた後、更に反応温度を330℃に昇温し反応させた。
3時間後反応物は褐色不透明で粘稠な溶融物となった。
得られた反応物を実施例1と同様に粉砕、抽出した。得
られたポリマーは灰色粉末状で、ηinh0.96、融点338℃
であった。
比較例2 銅粉を添加しない以外は実施例2と同様に反応させた。
得られたポリマーはηinh0.33であった。
得られたポリマーはηinh0.33であった。
実施例3 4,4′−ジクロルベンゾフェノン25部、4,4′−ジヒドロ
キシベンゾフェノン21.3部、ジフェニルスルホン78部及
び銅粉0.25部を実施例1と同様のガラス反応器に入れ常
圧下窒素気流中、250℃に加熱溶融し次いで炭酸カリウ
ム13.7部を添加した。250℃で1時間反応後330℃に昇温
し、更に1時間後340℃に昇温し、反応させたところ、
反応物は徐々に粘稠となった。3時間後反応物を取り出
し、実施例1と同様に粉砕、抽出、乾燥した。得られた
ポリマーはηinh0.68、融点369℃であった。
キシベンゾフェノン21.3部、ジフェニルスルホン78部及
び銅粉0.25部を実施例1と同様のガラス反応器に入れ常
圧下窒素気流中、250℃に加熱溶融し次いで炭酸カリウ
ム13.7部を添加した。250℃で1時間反応後330℃に昇温
し、更に1時間後340℃に昇温し、反応させたところ、
反応物は徐々に粘稠となった。3時間後反応物を取り出
し、実施例1と同様に粉砕、抽出、乾燥した。得られた
ポリマーはηinh0.68、融点369℃であった。
比較例3 銅粉を添加しない以外は実施例3と同様に反応させたと
ころ、得られたポリマーはinh0.27であった。
ころ、得られたポリマーはinh0.27であった。
実施例4 4−ヒドロキシ−4′−(4−クロロベンゾイル)ジフ
ェニルエーテル30部、ジフェニルスルホン48部及び銅粉
0.04部を撹拌装置及び窒素導入口を備えたガラス製反応
器に入れ、常圧下窒素気流中250℃に加熱して均一の溶
解させ、次いで炭酸カリウム6.4部を添加した。同温度
で1時間保持した後、反応温度を300℃に昇温し1時間
保持した後、更に反応温度を320℃に昇温した。4時間
後、反応物は褐色不透明で粘稠な溶融物となった。
ェニルエーテル30部、ジフェニルスルホン48部及び銅粉
0.04部を撹拌装置及び窒素導入口を備えたガラス製反応
器に入れ、常圧下窒素気流中250℃に加熱して均一の溶
解させ、次いで炭酸カリウム6.4部を添加した。同温度
で1時間保持した後、反応温度を300℃に昇温し1時間
保持した後、更に反応温度を320℃に昇温した。4時間
後、反応物は褐色不透明で粘稠な溶融物となった。
得られた反応物を取り出し冷却固化させて粉砕し、これ
を還流下のアセトン及び水で各2回処理してジフェニル
スルホン及び塩化カリウムを抽出除去し、次いで150℃
で4時間乾燥した。得られたポリマーはηinh1.01、融
点は333℃であった。このポリマーを高化式フローテス
ターを用いて、0.5mmφ×1mmLのノズルより380℃の温度
で溶融押出したところ、褐色透明で強靭なモノフィラメ
ントが得られた。
を還流下のアセトン及び水で各2回処理してジフェニル
スルホン及び塩化カリウムを抽出除去し、次いで150℃
で4時間乾燥した。得られたポリマーはηinh1.01、融
点は333℃であった。このポリマーを高化式フローテス
ターを用いて、0.5mmφ×1mmLのノズルより380℃の温度
で溶融押出したところ、褐色透明で強靭なモノフィラメ
ントが得られた。
Claims (2)
- 【請求項1】下記一般式(I)で示されるハロフェノー
ル、及び/又は下記一般式(II)で示されるビスフェノ
ールと下記一般式(III)で示されるジハロベンゼノイ
ド化合物との混合物、をフェノール性水酸基に対して実
質的に等当量のアルカリ化合物及び生成するポリアリー
ルエーテルケトンポリマーに対し0.001〜3重量%の銅
粉の存在下に、加熱反応せしめることを特徴とするポリ
アリールエーテルケトンの製造方法。 - 【請求項2】銅粉として、平均粒径2μm以下のものを
使用する請求項(1)に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10614789A JPH075725B2 (ja) | 1989-04-27 | 1989-04-27 | ポリアリールエーテルケトンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10614789A JPH075725B2 (ja) | 1989-04-27 | 1989-04-27 | ポリアリールエーテルケトンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02284920A JPH02284920A (ja) | 1990-11-22 |
JPH075725B2 true JPH075725B2 (ja) | 1995-01-25 |
Family
ID=14426239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10614789A Expired - Fee Related JPH075725B2 (ja) | 1989-04-27 | 1989-04-27 | ポリアリールエーテルケトンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH075725B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1305935C (zh) * | 2005-03-17 | 2007-03-21 | 吉林大学 | 电活性聚芳醚酮(砜)系列聚合物及其制备方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3831866A1 (en) * | 2012-08-02 | 2021-06-09 | The Government of the United States of America as represented by the Secretary of the Navy | Synthesis of and curing additives for phthalonitriles |
CN116120540B (zh) * | 2023-03-28 | 2024-06-04 | 吉林省科众高分子材料股份有限公司 | 一种低温制备聚醚醚酮的方法 |
-
1989
- 1989-04-27 JP JP10614789A patent/JPH075725B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1305935C (zh) * | 2005-03-17 | 2007-03-21 | 吉林大学 | 电活性聚芳醚酮(砜)系列聚合物及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02284920A (ja) | 1990-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS6032642B2 (ja) | 熱可塑性芳香族ポリエ−テルケトン | |
JPS61179228A (ja) | ポリアリ−ルエ−テルケトンの製法 | |
JP2664180B2 (ja) | 結晶質ボリアリールエーテルおよびその製造法 | |
JPH0360850B2 (ja) | ||
JPS6328927B2 (ja) | ||
US4774314A (en) | Preparing poly(aryl ethers) using alkaline earth metal carbonates, organic acid salts, and optionally copper compounds, as catalysts | |
EP0193187B1 (en) | Process for preparing crystalline aromatic polyetherketones | |
JPH0649201A (ja) | キサントン単位を含有するポリアリーレンエーテル、その製造方法およびその使用方法 | |
JPS636023A (ja) | ポリ(アリ−ルエ−テル)及びポリ(アリ−ルエ−テルケトン)を製造する改良方法 | |
JPH075725B2 (ja) | ポリアリールエーテルケトンの製造方法 | |
JPH02308814A (ja) | 芳香族ポリエーテルケトンの製造方法 | |
JPS627730A (ja) | 結晶性芳香族ポリエ−テルケトンの製造方法 | |
JP2505599B2 (ja) | ポリアリ―ルエ―テルケトンの製造方法 | |
US4783520A (en) | Production of aromatic amorphous thermoplastic poly aryl ether from aliphatic-aromatic diol and wholly aromatic diol | |
JPH0255729A (ja) | 芳香剤ポリマー | |
JPH0532776A (ja) | ポリアリールエーテルケトンの製造方法 | |
JPS62141024A (ja) | 熱可塑性芳香族ポリエ−テルアントラキノンおよびその製造方法 | |
JPH0420530A (ja) | ポリアリールエーテルスルホンおよびその製造方法 | |
JP2515421B2 (ja) | 新規芳香族ポリエ―テルおよびその製造方法 | |
JPH02502830A (ja) | ポリアリールエーテル及びその製法 | |
JPH01306427A (ja) | 芳香族ポリエーテルスルフィドおよびその製法 | |
US5191056A (en) | Arylene sulfide ketone copolymer and preparation process thereof | |
JPS62151421A (ja) | 熱可塑性芳香族ポリエ−テルケトン共重合体およびその製造方法 | |
JPH04214723A (ja) | ポリアリールエーテルケトン及びその製造方法 | |
JPH07102058A (ja) | 芳香族ポリエーテルケトンの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |