JP2006225568A - 熱可塑性難燃樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性難燃樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性および引張特性に優れるとともに、耐熱性および耐酸性に優れた架橋熱可塑性難燃樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)熱可塑性樹脂組成物 100質量部、(B)水酸化アルミニウム 50〜250質量部、および(C)有機過酸化物 0.001〜2質量部、を溶融混練して得られる架橋熱可塑性難燃樹脂組成物であって、成分(A)は(a)および(b)から選ばれる1種以上。(a)エチレンと式(I)又は(II)で示される単量体との共重合体の1以上 40〜90質量% CH=C(R)−COOR …(I) CH=C(R)−OCOR …(II)(b)特定のDSC融解曲線におけるピークトップ融点およびMFRを有する結晶性ポリオレフィン 5〜60質量%、ここで、成分(a)における各共重合体が、0.1〜20g/10分のMFR(190℃、21.18N)を有し、かつ単量体単位を10質量%以上含む。
【選択図】なし

Description

本発明は熱可塑性樹難燃脂組成物に関し、特に、耐酸性および耐熱性に優れた熱可塑性難燃樹脂組成物に関する。
電気・電子機器の内部および外部配線に使用される絶縁電線・ケーブル・コードや光ファイバ心線、光ファイバコードなどには、難燃性、耐熱性、機械的特性(例えば、引張特性、耐摩耗性)など種々の特性が要求されている。
このため、これらの配線材に使用される被覆材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)コンパウンドや、ハロゲン系難燃剤を配合したポリオレフィンコンパウンドが主として使用されていた。しかし、近年、環境上の理由から、ハロゲンを含まない被覆材料が注目されてきている。
ノンハロゲン難燃材料としては、ポリオレフィンに金属水酸化物(金属水和物と言う場合もある)を混和して難燃性を付与する組成物が研究されている。しかし、ポリオレフィンに金属水酸化物を混和するノンハロゲン難燃材料は機械的特性に劣る。そこで、ポリオレフィンに官能性を付与したり、さらに有機過酸化物を混和して動的架橋する方法が知られている。例えば、ポリオレフィンとカルボン酸変性ポリオレフィンのブレンドポリマーに金属水酸化物および有機過酸化物を配合し、有機過酸化物の分解温度以上で混練して得られる難燃材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。
金属水酸化物系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが広く使用されている。しかし、水酸化マグネシウムはアルカリ性物質であるため酸に弱く、例えば水と二酸化炭素とが存在する環境では分解を生じる。そのため、そのような環境での使用が制限されるという問題がある。一方、水酸化アルミニウムは水酸化マグネシウムより安価であり、また、両性物質であるため、酸に対する耐性が水酸化マグネシウムより高い。したがって、酸性ガスや湿気のある環境でも長期使用が可能であり、水酸化アルミニウムを難燃剤とする難燃樹脂組成物のニーズが高まると見込まれる。
しかし、水酸化アルミニウムは熱分解温度が低いため、高い温度での混練に付されると分解発泡するという問題がある。そこで、水酸化アルミニウムが分解しないように、水酸化アルミニウムの分解温度よりも十分低い温度で動的架橋を行うべく、1分半減期温度の低い有機過酸化物を使用した熱可塑性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。この場合、低い温度で溶融混練が行われるため、使用される樹脂は融点が比較的低いもの、すなわち耐熱性の小さいものに制限される。したがって、得られる難燃樹脂組成物を使用した製品は使用上限温度(定格温度)の低いものになる。
特許第3265760号公報 特開2004−285184号公報
本発明は、耐酸性に優れ、かつ定格温度の高い難燃材料として好適な架橋熱可塑性難燃樹脂組成物を得ることを目的とする。
本発明者らは、流動性の高い樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物を使用することにより、混練機内でのせん断発熱による局部的温度上昇が抑えられ、その結果、水酸化アルミニウムの分解温度より十分低い溶融温度ではなく、それよりも高い溶融温度、すなわち上記分解温度に近い溶融温度でも水酸化アルミニウムが分解発泡することなく上記架橋熱可塑性難燃樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、
(A)熱可塑性樹脂組成物 100質量部、
(B)水酸化アルミニウム 50〜250質量部、および
(C)有機過酸化物 0.001〜2質量部、
を溶融混練して得られる架橋熱可塑性難燃樹脂組成物であって、成分(A)が下記成分(a)および(b)から成り、
(a)エチレンと式(I)又は(II)で示される単量体との共重合体の1以上 40〜90質量%
CH=C(R)−COOR …(I)
CH=C(R)−OCOR …(II)
(式中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは炭素数1〜10個のアルキル基を表す)、
(b)結晶性ポリオレフィン 5〜60質量%、
ここで、成分(a)における各共重合体が、0.1〜20g/10分のMFR(190℃、21.18N)を有し、かつ単量体単位を10質量%以上含み、
成分(b)が下記成分:
(b−1)DSC融解曲線におけるピーク高さの最も大きいピークトップ融点が150℃より高く、かつMFR(230℃、21.18N)が0.3〜100g/10分であるプロピレン系(共)重合体、および
(b−2)DSC融解曲線におけるピーク高さの最も大きいピークトップ融点が120℃以上であり、かつMFR(190℃、21.18N)が0.5〜100g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体、
から選ばれる1以上である架橋熱可塑性難燃樹脂組成物が提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明における熱可塑性樹脂組成物(A)が(c)柔軟化成分 0〜50質量%をさらに含み、成分(c)が下記成分:
(c−1)エチレンとα-オレフィンとの共重合体、ただし、成分(b−2)の共重合体を除く、
(c−2)芳香族ビニル化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエン化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック共重合体、
(c−3)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のランダム構造を主体とする共重合体の水素添加物、
(c−4)非ハロゲン系未架橋ゴム、および
(c−5)非芳香族系ゴム用軟化剤、
から選ばれる1以上である架橋熱可塑性難燃樹脂組成物が提供される。
本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、(D)(メタ)アクリレート系架橋助剤及び/又はアリル系架橋助剤0〜4質量部をさらに添加して溶融混合された架橋熱可塑性難燃樹脂組成物が提供される。
本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれか1の発明において、(E)シランカップリング剤を水酸化アルミニウム(B)の量の0.001〜2倍の量で更に添加して溶融混合された架橋熱可塑性難燃樹脂組成物が提供される。
本発明の架橋熱可塑性樹脂組成物は、耐酸性であり、かつ難燃性、耐熱性および機械的特性(引張特性)に優れ、定格温度の高い難燃被覆材料として有用である。
以下に、本発明の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物の各成分について説明する。
(A)熱可塑性樹脂組成物
本発明における熱可塑性樹脂組成物(A)は、以下に述べる成分(a)および成分(b)から成り、所望によりさらに成分(c)を含む。
成分(a)は、エチレンと下記式(I)又は(II)で示される単量体との共重合体の1以上である。
CH=C(R)−COOR …(I)
CH=C(R)−OCOR …(II)
(式中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは炭素数1〜10個のアルキル基を表す。)
上記式(I)又は(II)で示される単量体としては、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。
上記共重合体は各々、0.1〜20g/10分のMFR(190℃、21.18N)を有する。好ましくは、MFRが0.5〜10g/10分、より好ましくは1〜7g/10分である。MFRが20g/10分を越えると引張強度や引張伸びが著しく低下し、0.1g/10分未満では成形性が不十分になり易い。
また、上記共重合体は各々、式(I)又は(II)で示される単量体単位を10質量%以上、好ましくは12質量%以上、より好ましくは15質量%以上含む。上記単量体単位の量が10質量%未満では難燃性の改良効果が不十分になり易い。上記単量体単位の量の上限は特に制限されないが、好ましくは90質量%である。
成分(a)の市販例としては、EV170、EV180、A−702(以上、三井デュポンポリケミカル社製)、V−220(宇部興産社製)およびNUC6170(日本ユニカー社製)が挙げられる。
成分(b)は、以下に述べる(b−1)プロピレン系(共)重合体および(b−2)エチレン・α-オレフィン共重合体から選ばれる1以上の結晶性ポリオレフィンである。
成分(b−1)は、DSC融解曲線におけるピーク高さの最も大きいピークトップ融点が150℃より高く、好ましくは155℃以上、より好ましくは160℃以上のものである。150℃以下では、得られる樹脂組成物の耐熱性に劣り、定格温度の高い電線(例えば105℃、120℃定格温度タイプ)への適用ができなくなる。
本明細書において、DSC融解曲線におけるピーク高さの最も大きいピークトップ融点は、示差走査熱量計(DSC)を用い、測定試料を、230℃で5分間保持した後、10℃/分の降温速度で0℃まで降温し、更に0℃で5分間保持した後、10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温させたときに描かれる融解曲線におけるピーク高さの最も大きい位置から求める温度である。
また、成分(b−1)は、MFR(230℃、21.18N)が0.3〜100g/10分、好ましくは0.5〜100g/10分、より好ましくは1〜50g/10分、更により好ましくは3〜30g/10分である。MFRが上限を超えると電線の端末加工性が不十分になり易く、また、耐加熱変形性、耐応力亀裂性が不十分になり易い。MFRが下限未満であると成形性が不十分になり易い。
成分(b−1)としては、結晶性プロピレン単独重合体および結晶性プロピレン・α-オレフィン共重合体が挙げられ、結晶性プロピレン・α-オレフィン共重合体としてはプロピレンと少量のα-オレフィン、例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン等とのプロピレン系ランダム共重合体が挙げられる。また、結晶性プロピレン単独重合体や結晶性プロピレン・α-オレフィン共重合体からなる成分と、プロピレンとα-オレフィンとの共重合ゴム成分とから構成されるプロピレン系ブロック共重合体も成分(b−1)に包含される。
成分(b−1)の市販例としては、BC3HQ(日本ポリプロピレン(株)製)及びEC9DQ(日本ポリプロピレン(株)製)が挙げられる。
成分(b−2)は、エチレンとα-オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等との共重合体であり、DSC融解曲線におけるピーク高さの最も大きいピークトップ融点が120℃以上、好ましくは125℃以上、より好ましくは130℃以上のものである。120℃未満では得られる樹脂組成物の耐熱性に劣り、定格温度の高い電線(例えば80℃、105℃、120℃定格温度タイプ)への適用ができなくなる。
また、成分(b−2)は、MFR(190℃、21.18N)が0.5〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分、より好ましくは3〜30g/10分である。MFRが上限を超えると電線の端末加工性が不十分になり易く、また、耐加熱変形性、耐応力亀裂性が不十分になり易い。MFRが下限未満であると成形性が不十分になり易い。
成分(b−2)の市販例としては、HJ490(日本ポリエチレン(株)製)及びユメリット4040F(宇部興産社製)が挙げられる。
成分(c)は任意成分であり、下記成分(c−1)〜(c−5)から選ばれる1以上である。
成分(c−1)はエチレンとα-オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等との共重合体であるが、ただし上記成分(b−2)の共重合体を除く低密度共重合体である。
成分(c−1)の市販例としては、ダウ・ケミカル日本(株)製のエンゲージ(商標)EG8180、EG8100、EG8200及びEG8480が挙げられる。
成分(c−2)は芳香族ビニル化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエン化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック共重合体である。成分(c−2)としては、例えばA−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の構造を有する、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物(以下、「水添ブロック共重合体」という)を挙げることができる。
芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAは、好ましくは芳香族ビニル化合物のみから成るか、または芳香族ビニル化合物50質量%以上、好ましくは70質量%以上と、任意成分、例えば共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、好ましくは共役ジエン化合物のみから成るか、または共役ジエン化合物50質量%以上、好ましくは70質量%以上と、任意成分、例えば芳香族ビニル化合物との共重合体ブロックである。
なお、上記水添ブロック共重合体は、例えば、芳香族ビニル化合物を5〜60質量%、好ましくは、20〜50質量%含む。
これらの芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化合物又は芳香族ビニル化合物由来の単位の分布は、ランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組合せでなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合には、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても異なる構造であってもよい。
水添ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のうちから1種又は2種以上を選択でき、なかでもスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種又は2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イソプレン及びこれらの組合せが好ましい。
水添ブロック共重合体にあって、その水添率は任意であるが、好ましくは共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて50モル%以上、より好ましくは55モル%以上、更に好ましくは60モル%以上である。そのミクロ構造は任意である。
水添ブロック共重合体の数平均分子量は、好ましくは5,000〜1,500,000、より好ましくは、10,000〜550,000、更に好ましくは90,000〜400,000の範囲であり、分子量分布は10以下である。水添ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
水添ブロック共重合体の例としては、例えば、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体(SEBC)を挙げることができる。具体的には、セプトン4077、4055、4033(クラレ株式会社製)として市販されているSEPS;クレイトン6933MD(クレイトンポリマージャパン社製)、ダイナロン8601P(ジェイエスアール社製)として市販されているSEBS;ダイナロン4600P(ジェイエスアール社製)として市販されているSEBC;およびスチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(SIBS)(鐘淵化学社製)が挙げられる。
また、上記水添ブロック共重合体を酸変性したものも本発明の成分(c−2)として使用することができる。酸変性物は、成分(a)との混和性向上が期待できる。上記酸変性物の具体例としてはダイナロン4630P、8630P(ジェイエスアール社製)が挙げられる。
成分(c−3)は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのランダム構造を主体とする共重合体の水素添加物(以下、「水添ランダム共重合体」という)であって、数平均分子量が好ましくは5,000〜1,000,000であり、より好ましくは10,000〜350,000であり、多分散度(Mw/Mn)の値が10以下である。
また、上記水添ランダム共重合体における芳香族ビニル化合物の含有量は、50質量%以下、好ましくは、3〜35質量%である。50質量%を超えると得られる成形品の感触が硬くなり、柔軟化成分としての使用目的に添わない。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。
上記水添ランダム共重合体は、共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合の少なくとも90モル%が水素添加されたものが好ましい。
水添ランダム共重合体の具体例としては、ダイナロン1320P(ジェイエスアール社 製、水添スチレン・ブタジエンゴム(HSBR、重量平均分子量=30万、Mw/Mn=1.1)等を挙げることができる。
また、上記水添ランダム共重合体を酸変性したものも本発明の成分(c−3)として使用することができる。酸変性物は、成分(a)との混和性向上が期待できる。酸変性物としては、例えば、エステル基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基等から選ばれる1種以上の官能基を有しているものが挙げられる。
成分(c−4)は非ハロゲン系未架橋ゴムであり、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(EBR、EHR、EORなど)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)が挙げられる。また、これらを酸変性したものも本発明の成分(c−4)として使用することができる。酸変性物は、成分(a)との混和性向上が期待できる。酸変性物としては、例えば、エステル基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基等から選ばれる1種以上の官能基を有しているものが挙げられる。
成分(c−5)は非芳香族系ゴム用軟化剤であり、非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤を挙げることができる。ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の組み合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものはパラフィン系、ナフテン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区別されている。
本発明で非芳香族系ゴム用軟化剤として用いられる鉱物油系ゴム用軟化剤は、区分でパラフィン系およびナフテン系のものである。芳香族系の軟化剤は、その使用により熱可塑性樹脂が可溶となり、架橋反応を阻害し、得られる組成物の物性の向上が図れないので好ましくない。本発明の非芳香族系ゴム用軟化剤としては、パラフィン系のものが好ましく、更にパラフィン系の中でも芳香族環成分の少ないものが特に適している。
これらの非芳香族系ゴム用軟化剤の性状は、37.8℃における動的粘度が20〜50,000cSt、好ましくは20〜1,000cSt、100℃における動的粘度が5〜1,500cSt、好ましくは5〜100cSt、流動点が−10〜−25℃、引火点(COC)が170〜350℃を示すのが好ましい。さらに、重量平均分子量が100〜2,000のものが好ましい。
成分(c−5)の例としては、PW−90、PW−380(出光興産社製、パラフィン系オイル)が挙げられる。また、上記非芳香族系ゴム用軟化剤を酸変性したものも本発明の成分(c−5)として使用することができる。酸変性物は、成分(a)との混和性向上が期待できる。
本発明における樹脂組成物(A)は、上記成分(a)および(b)から成り、所望により上記成分(c)をさらに含む。樹脂組成物(A)における成分(a)の量の割合は40〜95質量%、好ましくは45〜90質量%、より好ましくは50〜85質量%である。成分(a)の量が40質量%未満であると、難燃性、耐候性が不十分になり易い。95質量%を超えると耐加熱変形性、耐応力亀裂性が不十分になり易い。成分(b)の量の割合は、5〜60質量%、好ましくは8〜55質量%、より好ましくは10〜50質量%である。成分(b)の量が5質量%未満では成形性が不十分になり易く、また耐加熱変形性、耐応力亀裂性も不満足なものになり易い。60質量%を越えると難燃性、耐候性が不十分になり易い。成分(c)の量の割合は、0〜50質量%である。
(B)水酸化アルミニウム
水酸化アルミニウムは、難燃剤として本発明の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物に配合される。水酸化アルミニウムとしては、無処理のもの、およびシランカップリング剤で処理されたものが好ましいが、ステアリン酸やオレイン酸等の脂肪酸で処理されたものでもよい。脂肪酸で処理されたものの場合、その処理量は0.1〜2.0質量%、好ましくは1.15〜1.5質量%が好ましい。水酸化アルミニウムの配合量は、熱可塑性樹脂組成物(A)100質量部に対して、50〜250質量部、好ましくは60〜200質量部である。下限未満では十分な難燃性が得られず、上限を超えると、機械的物性が低下するとともに成形性が悪化する。
(C)有機過酸化物
成分(C)は、低温でラジカルを発生せしめ、そのラジカルを連鎖的に反応させて、熱可塑性樹脂(A)を動的架橋せしめ、難燃性、耐油性、耐熱性を向上させる機能を果たす。
成分(C)としては、ジクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3、3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン等を挙げることができる。これらのうちで、臭気性、着色性、スコーチ安全性の観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンが特に好ましい。
成分(C)の配合量は、熱可塑性樹脂組成物(A)100質量部に対して、0.001〜2質量部、好ましくは0.001〜1質量部である。
(D)(メタ)アクリレート系架橋助剤及び/又はアリル系架橋助剤
成分(D)は架橋助剤であり、本発明の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物に任意成分として配合され得る。
成分(D)としては、例えば、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールの繰り返し単位数が9〜14のポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレートのような多官能性メタクリレート化合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレートのような多官能性アクリレート化合物、ビニルブチラート又はビニルステアレートのような多官能性ビニル化合物を挙げることができる。これらは、単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。上記の架橋助剤のうち、多官能性アクリレート化合物または多官能性メタクリレート化合物が好ましく、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートが特に好ましい。これらの化合物は、取り扱いが容易であると共に、有機パーオキサイド可溶化作用を有し、有機パーオキサイドの分散助剤として働くため、架橋を均一かつ効果的にすることができる。
成分(D)の配合量は、熱可塑性樹脂組成物(A)100質量部に対して、0〜4質量部であり、好ましくは0.001〜4質量部、より好ましくは0.005〜4質量部である。上記上限値を超えると架橋が進みすぎて、架橋物の分散が悪くなる。また、架橋助剤の配合量は、有機過酸化物(C)の配合量の1.5〜4倍の割合が好ましい。
(E)シランカップリング剤
成分(E)は、樹脂成分(A)と水酸化アルミニウム(B)との相互作用を高め、機械的物性を向上させる機能を有する。成分(E)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル基またはエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を末端に有するシランカップリング剤、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤が挙げられる。中でも、末端にエポキシ基および/またはビニル基を有するシランカップリング剤がさらに好ましい。これのシランカップリング剤は1種単独でも、2種以上併用して使用してもよい。
成分(E)の配合量は、配合する場合、水酸化アルミニウム(B)の量の0.001〜2倍、好ましくは0.01〜1倍である。下限値未満では期待する効果(機械的物性の向上)が得られず、上限値を超えると、成形性の低いものになってしまう。
本発明の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、リン系、フェノール系、硫黄系など各種の酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤など各種の耐候剤、銅害防止剤、変性シリコーンオイル、シリコーンオイル、ワックス、酸アミド、脂肪酸、脂肪酸金属塩など各種の滑剤、芳香族リン酸金属塩系、ゲルオール系など各種の造核剤、グリセリン脂肪酸エステル系、脂肪族パラフィンオイル、芳香族系パラフィンオイル、フタル酸系、エステル系など各種の可塑剤、タルク、クレーなど各種のフィラー、各種の着色剤などの添加剤等を必要に応じてさらに添加することができる。なお成形品表面にブリードアウトするなどのトラブルを防止するため、本発明の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物との混和性、相溶性の高いものが好ましい。
本発明の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物は、上記成分を溶融混練することにより得られる。溶融混練の方法は特に制限がなく、通常公知の方法を使用することができる。例えば単軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサーまたは各種ニーダー等を使用することができる。溶融混練の温度は、水酸化アルミニウムの耐熱性の点から、200℃未満が好ましい。
本発明の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物は、難燃性および機械的特性(引張特性)に優れるとともに、耐熱性および耐酸性に優れており、電気・電子機器の内部および外部配線に使用される配線材の被覆材、および光ファイバ心線、光ファイバコードなどの被覆材として有用である。特に、高定格温度タイプの被覆材(例えば105℃定格)として有用である。上記被覆材は、好ましくは、本発明の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物を、汎用の押出被覆装置を用いて、導体周囲や絶縁電線周囲に押出被覆することにより製造することができる。
本発明を以下の実施例、比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性の測定法及び試料を以下に示す。
1.物性測方法
(1)比重:JIS K 7112に準拠し、測定を行なった。
(2)硬度:JIS K 7215に準拠し、試験片は6.3mm厚プレスシートを用いた。
(3)MFR:ASTM−D1238に準拠して測定した。
(4)引張最大応力、引張最大伸び、100%伸び時の応力:JIS K 6723に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、2号ダンベル型試験片に打抜いて使用した。引張速度は200mm/分とした(室温)。
(5)加熱処理後の引張最大応力残率、引張最大伸び残率:JIS K 6723に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、2号ダンベル型試験片に打抜いて使用した。120℃、96時間の加熱処理を行った後に引張速度200mm/分で引張試験を行った。
(6)UV照射後の引張最大応力残率、引張最大伸び残率:JIS K 6723に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、2号ダンベル型試験片に打抜いて使用した。120℃、14日間のUV照射後に引張速度200mm/分で引張試験を行った。
(7)加熱変形:JIS K 6723に準拠し、測定を行った(120℃、1000g、1時間)
(8)電線成形性:65mmφの押出機を使用し、圧縮比2.8のフルフライトスクリュウを用いてヘッド温度180℃で電線を成形した。導体としての1/0.8の裸導体の外側に0.8mm肉厚で被覆を行った。表1に示す各スクリュウ回転で押出を行った。押出後電線被覆部の発泡状態を調べて以下のように評価した。
○:発泡なし
×:発泡あり
(9)電線の加工性:上記(8)で作成した電線をコデラ製のキャスティング機に通して皮むき加工を行い、図1に示すような加工電線を得た。前記加工電線の密着力を引張速度200mm/分で評価した。密着力が10N以上を○、7N以上10N未満を△、7N未満を×とした。
2.実施例及び比較例において用いた試料
成分(a):
(1)EV170:エチレン−酢酸ビニル共重合体、三井デュポンポリケミカル社製、酢酸ビニル含量33質量%、MFR(190℃、21.18N)1.0g/10分
(2)EV180:エチレン−酢酸ビニル共重合体、三井デュポンポリケミカル社製、酢酸ビニル含量33質量%、MFR(190℃、21.18N)0.2g/10分
(3)V−220:エチレン−酢酸ビニル共重合体、宇部興産社製、酢酸ビニル含量20質量%、MFR(190℃、21.18N)2.0g/10分
成分(b−1):
(1)BC3HQ:ブロックポリプロピレン、日本ポリプロピレン(株)製、Tm=162℃、MFR(230℃、21.18N)9.0g/10分
(2)EC9DQ:ブロックポリプロピレン、日本ポリプロピレン(株)製、Tm=162℃、MFR(230℃、21.18N)0.35g/10分
(3)(比較物質)FW3E:ランダムポリプロピレン、日本ポリプロピレン(株)製、Tm=140℃、MFR(230℃、21.18N)7.0g/10分
成分(b−2):
(1)HJ490:エチレン・1−ブテン共重合体、日本ポリエチレン(株)社製、Tm=133℃、MFR(190℃、21.18N)20.0g/10分
(2)ユメリット4040F:MeLL(メタロセン触媒系エチレン・1−ブテン共重合体)、宇部興産社製、Tm=127℃、MFR(190℃、21.18N)4.0g/10分
成分(c−2):
(1)ダイナロン1320P:水添スチレン・ブタジエンランダム共重合体(HSBR)、JSR製
成分(B):
(1)ハイジライトH−42M:水酸化アルミニウム、昭和電工社製
成分(C):
(1)パーヘキサ25B:2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、日本油脂株式会社製
成分(D):
(1)NKエステルIND:2−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、新中村化学社製
成分(E):
(1)TSL8370:ビニル系シランカップリング剤、東芝シリコーン社製
実施例1〜9および比較例1〜2
表1に示す量(質量部)の各成分を用い、室温ですべての成分をドライブレンドし、モリヤマ社製の20L加圧ニーダーを用いて、195℃で溶融混練して動的架橋を行い、排出し、実施例1〜9および比較例1〜2の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物を得た。
次に、ナカタニ社製の2軸押出機を用い、排出時樹脂温度相当のダイス温度で、ホットカット方式の造粒を行い、得られたペレットをロールによりシート化し、さらに、それを熱プレスして試験片を作成し、上記(1)〜(8)の試験に供した。評価結果を表1に示す。
Figure 2006225568
表1から明らかなように、高融点および高MFRを有する成分(b−1)を用いた実施例1〜6の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物は、加熱変形率が低くかつ高温での引張特性に優れるとともに成形性も良好である。実施例7〜9の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物では、高融点を有するがMFRのやや低い成分(b−1)が使用されている。この場合も、得られる組成物は加熱変形率が低くかつ高温での引張特性に優れる。なお、成形性はやや劣るが、スクリュウ回転数を低くすれば、発泡を生じることなく良好に成形することができる。
一方、比較例1では、融点の低い成分(b−1)が使用されており、成形性は良好であるものの、加熱変形率が高く、また、加熱後の引張特性に劣る。したがって、比較例1で得られた組成物は、高定格温度タイプの被覆材料には適さない。
また、比較例2は、樹脂組成物(A)が成分(b)を含有しない例である。この場合、得られる架橋熱可塑性難燃樹脂組成物は耐熱性に劣り、熱処理を施すと溶融落下して引張特性を測定することができなかった。
本発明の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物は、難燃性および機械的特性(引張特性)に優れるとともに、耐熱性および耐酸性に優れており、特に、高定格温度タイプのノンハロ難燃被覆材として有用である。
電線の密着力評価に使用する加工電線の模式図である。
符号の説明
1 被覆
2 導体

Claims (4)

  1. (A)熱可塑性樹脂組成物 100質量部、
    (B)水酸化アルミニウム 50〜250質量部、および
    (C)有機過酸化物 0.001〜2質量部、
    を溶融混練して得られる架橋熱可塑性難燃樹脂組成物であって、成分(A)が下記成分(a)および(b)から成り、
    (a)エチレンと式(I)又は(II)で示される単量体との共重合体の1以上 40〜90質量%
    CH=C(R)−COOR …(I)
    CH=C(R)−OCOR …(II)
    (式中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは炭素数1〜10個のアルキル基を表す)、
    (b)結晶性ポリオレフィン 5〜60質量%、
    ここで、成分(a)における各共重合体が、0.1〜20g/10分のMFR(190℃、21.18N)を有し、かつ単量体単位を10質量%以上含み、
    成分(b)が下記成分:
    (b−1)DSC融解曲線におけるピーク高さの最も大きいピークトップ融点が150℃より高く、かつMFR(230℃、21.18N)が0.3〜100g/10分であるプロピレン系(共)重合体、および
    (b−2)DSC融解曲線におけるピーク高さの最も大きいピークトップ融点が120℃以上であり、かつMFR(190℃、21.18N)が0.5〜100g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体、
    から選ばれる1以上である架橋熱可塑性難燃樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂組成物(A)が
    (c)柔軟化成分 0〜50質量%
    をさらに含み、成分(c)が下記成分:
    (c−1)エチレンとα-オレフィンとの共重合体、ただし、成分(b−2)の共重合体を除く、
    (c−2)芳香族ビニル化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエン化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック共重合体、
    (c−3)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のランダム構造を主体とする共重合体の水素添加物、
    (c−4)非ハロゲン系未架橋ゴム、および
    (c−5)非芳香族系ゴム用軟化剤、
    から選ばれる1以上である請求項1記載の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物。
  3. (D)(メタ)アクリレート系架橋助剤及び/又はアリル系架橋助剤 0〜4質量部
    をさらに添加して溶融混合された請求項1または2記載の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物。
  4. (E)シランカップリング剤
    を水酸化アルミニウム(B)の量の0.001〜2倍の量で更に添加して溶融混合された請求項1〜3の何れか1項に記載の架橋熱可塑性難燃樹脂組成物。
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