JP2008202002A - 難燃熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】多量の無機難燃剤を配合しても物性の低下がなく、かつ耐熱性および耐低温性に優れるとともに圧接加工性に優れる難燃熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)熱可塑性樹脂成分 100質量部、(B)無機難燃剤 120〜300質量部、(C)有機過酸化物 0.001〜2質量部、(D)(メタ)アクリレート系及び/又はアリル系架橋助剤 0〜4質量部、および(E)成分(B)の量に対して0〜2質量%の量のシランカップリング剤を該有機過酸化物(C)の1分間半減期温度以上の温度で溶融混練して得られる難燃熱可塑性樹脂組成物、ここで、該熱可塑性樹脂成分(A)は(a)プロピレン系エラストマーおよび/またはプロピレン系プラストマー 10〜80質量%(b)結晶性プロピレン系樹脂 10〜80質量%、および(c)その他成分 5〜25質量%
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃熱可塑性樹脂組成物に関し、特に、圧接加工性、耐熱性および耐低温性に優れる難燃熱可塑性樹脂組成物に関する。
プロピレン系重合体はエチレン系重合体と比較して表面硬度が高く、耐外傷性やヒンジ性に優れている。そのため、自動車ワイヤーハーネスなどの難燃性要求レベルの比較的低い分野では、プロピレン系重合体を主要樹脂成分とし、水酸化金属化合物等の無機難燃剤を少量入れることにより難燃化した熱可塑性樹脂組成物が電線被覆材として使用されている。一方、プロピレン系重合体はフィラー受容性が低いため、上記無機難燃剤を高充填すると引張伸びや強度などの物性が著しく低下する。そのため、UL規格に適合する機器内配線のような難燃性要求レベルの高い分野には適用できなかった。
また、OA機器、オーディオ、パソコン等における配線では、数本以上の電線を一度に加工する圧接加工が行われている。圧接加工する際には、図1および2に示すように、圧接刃(4a、4b)を有するプラスチック製の圧接コネクタ(3)に電線を押し込み、ストレインリリーフ部(6)で固定片(5)により電線を固定することが行われる。図1は平面図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。図1は、電線をコネクタに押し込んだとき、電線の被覆材(1)が圧接刃(4a)によって割れを生じて、導体(2)が露出した状態を示す。図2は、電線の被覆材(1)がストレインリリーフ部(6)において盛り上がり、うさぎの耳のように変形した状態を示す。このような割れや変形は、電線の性能を損ねる。したがって、そのような割れや変形を生じない、すなわち圧接加工性に優れた、電線被覆材が望まれる。
高度の難燃性を有するとともに引張伸びなどの物性に優れ、かつ改善された圧接加工性を有する組成物として、エチレン・α−オレフィン共重合体およびポリプロピレン系樹脂を難燃剤としての金属水和物とともに含む難燃性熱可塑性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、各種機器のコンパクト化にともなって、圧接コネクタのピッチ幅が狭小化しかつコネクタ材料が高硬度化する傾向にあり、したがって、圧接加工性にさらに優れた電線被覆材が求められている。
特開2002−105255号公報
本発明は、上記事情に鑑み、多量の無機難燃剤を配合しても物性の低下がなく、したがってUL規格に適合する高い難燃性要求レベルにも対応でき、かつ耐熱性および耐低温性に優れるとともに圧接加工性に優れる難燃熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、ポリプロピレン系樹脂として特定の2種類を使用することにより上記目的が達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、
(A)熱可塑性樹脂成分 100質量部、
(B)無機難燃剤 120〜300質量部、
(C)有機過酸化物 0.001〜2質量部、
(D)(メタ)アクリレート系及び/又はアリル系架橋助剤 0〜4質量部、および
(E)成分(B)の量に対して0〜2質量%の量のシランカップリング剤
を該有機過酸化物(C)の1分間半減期温度以上の温度で溶融混練して得られる難燃熱可塑性樹脂組成物である。ここで、該熱可塑性樹脂成分(A)は
(a)プロピレン系エラストマーおよび/またはプロピレン系プラストマー 10〜80質量%
(b)結晶性プロピレン系樹脂 10〜80質量%、および
(c)下記(c−1)〜(c−5)から選択される1以上 5〜25質量%
(c−1)エチレン系(共)重合体、
(c−2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体の水素添加物
(c−3)芳香族ビニル化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエン化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物、
(c−4)非ハロゲン系未架橋ゴム、および
(c−5)非芳香族系ゴム用軟化剤
から成り、ここで成分(a)、(b)および(c)の質量%の合計は100質量%であり、かつ成分(a)については、DSC融解曲線の最も高い温度側の融解ピークにおけるピークトップ温度、半値幅および融解熱量がそれぞれ100℃以下、30℃以下および60J/g以下であり、成分(b)については、DSC融解曲線の最も高い温度側の融解ピークにおけるピークトップ温度が145℃以上である。
本発明の難燃熱可塑性樹脂組成物は、多量の無機難燃剤を配合しても物性の低下がなく、かつ耐熱性および耐低温性に優れるとともに圧接加工性に優れる。したがって、高い難燃性要求レベルを要求される、電気・電子機器の内部および外部配線に使用される配線材や光ファイバ心線、光ファイバコードなどの被覆材として有用であり、特に、ピッチ幅の狭い圧接コネクタを用いて圧接加工される電線の被覆材として有用である。
以下に、本発明の難燃熱可塑性樹脂組成物の各成分について説明する。
(A)熱可塑性樹脂成分
成分(A)は、以下に説明する成分(a)〜(c)からなる。
成分(a)はプロピレン系エラストマーおよび/またはプロピレン系プラストマーであり、DSC融解曲線の最も高い温度側の融解ピークにおけるピークトップ温度(Tm、融点)、半値幅および融解熱量(ΔH)が、以下に述べる特定の値を有するものである。なお、本明細書において、DSC融解曲線の最も高い温度側の融解ピークは、示差走査熱量計(DSC)を用い、測定試料を、230℃で5分間保持した後、10℃/分の降温速度で−50℃まで降温し、更に−50℃で5分間保持した後、10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温させたときに描かれる融解曲線において最も高い温度側に現われるピークである。
成分(a)は、上記ピークトップ温度が100℃以下であり、好ましくは90℃以下、さらに好ましくは80℃以下である。上記ピークトップ温度が上記上限を超えると、難燃熱可塑性樹脂組成物の引張伸びが不十分になる。
また、成分(a)は、上記融解ピークにおける半値幅が30℃以下、好ましくは25℃以下、さらに好ましくは20℃以下である。上記半値幅が上記上限を超えると、難燃熱可塑性樹脂組成物の引張伸びが不十分になる。
また、成分(a)は、上記融解ピークにおける融解熱量が60J/g以下、好ましくは50J/g以下、さらに好ましくは40J/g以下である。上記融解熱量が上記上限を超えると、難燃熱可塑性樹脂組成物の引張伸びが不十分になる。
さらに、成分(a)は、好ましくは、MFR(230℃、21.18N荷重)が0.5〜50g/10分であり、より好ましくは1〜30g/10分である。MFRが上記下限未満であると、成形性および得られる成形体の外観が悪化する場合がある。上記上限を超えると、難燃熱可塑性樹脂組成物の耐加熱変形性および耐応力亀裂性が低下する場合がある。
成分(a)は、上記特性を有するものであれば、いずれのプロピレン系エラストマーおよび/またはプロピレン系プラストマーであってもよい。成分(a)の製造法としては、例えば特開平11−152313および特開平11−255833に記載された方法に基づいて、メタロセン系触媒の存在下で、プロピレンをエチレンおよび/または1-ブテン、1−ヘキセンなどのα-オレフィンと共重合する方法が挙げられる。また、例えば特開2002−047383に記載されているように、メタロセン系触媒を用いて(共)重合することにより、プロピレン単独重合体またはプロピレンとα−オレフィンとの共重合体の立体規則性を低下させることによっても製造できる。
成分(a)の市販品の例としては、三井化学株式会社製のタフマーXM7070(商品名)が挙げられる。
成分(a)の配合量は、熱可塑性樹脂成分(A)全体の10〜80質量%、好ましくは15〜70質量%、さらに好ましくは20〜60質量%である。上記配合量が上記下限未満では、引張伸びおよび圧接加工性が不十分になる。上記上限を超えると、耐加熱変形性および耐応力亀裂性が不十分になる。
成分(b)は結晶性プロピレン系樹脂であり、DSC融解曲線の最も高い温度側の融解ピークにおけるピークトップ温度(Tm)が145℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは155℃以上のものである。上記ピークトップ温度が上記下限未満では、難燃熱可塑性樹脂組成物の耐加熱変形性および耐応力亀裂性が劣る。
成分(b)は、好ましくは、MFR(230℃、21.18N荷重)が0.5〜50g/10分であり、より好ましくは1〜30g/10分である。MFRが上記下限未満であると、成形性および得られる成形体の外観が悪化する場合がある。上記上限を超えると、難燃熱可塑性樹脂組成物の耐加熱変形性および耐応力亀裂性が低下する場合がある。
成分(b)は、上記特性を有していれば、プロピレンの単独重合体、ランダム共重合体およびブロック共重合体の何でも良い。上記共重合体としては、プロピレンとエチレンまたはα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン)とのランダム共重合体およびブロック共重合体が挙げられる。また、上記(共)重合体の無水マレイン酸変性物およびアクリル酸変性物も成分(b)として使用できる。
成分(b)の市販品の例としては、サンアロマー(株)製のPB270A(商品名、プロピレンブロック共重合体)、ユニロイヤル社製のPolybond1002(商品名、アクリル酸変性ポリプロピレン)、プライムポリマー(株)製のF−704NPおよびF−724NP(商品名)、ならびに日本ポリプロ(株)製のBC3HFおよびBC08(商品名)が挙げられる。
成分(b)の配合量は、熱可塑性樹脂成分(A)全体の10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは30〜65質量%である。上記配合量が上記下限未満では、耐加熱変形性、耐応力亀裂性および圧接加工性が不十分になる。上記上限を超えると、引張伸び、耐低温性および耐熱老化特性が不十分になる。
成分(c)は、以下に述べる(c−1)〜(c−5)から選択される1以上である。成分(c)は、耐低温性を付与するために配合される。
成分(c−1)は、エチレン系(共)重合体であり、ポリエチレンおよびエチレンとα−オレフィンとの共重合体を包含する。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが挙げられる。上記エチレンとα−オレフィンとの共重合体は、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)およびエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(EBR、EHR、EORなど)をも包含する。
成分(c−1)の市販品の例としては、宇部興産社製のユメリット4040F(商品名)、日本ポリエチレン株式会社製のKF370、KF360およびKS240(商品名)、三井化学株式会社製のアドマーXE070(商品名)、ならびにダウ・ケミカル日本(株)製のエンゲージ(商標)EG8180、EG8100、EG8200およびEG8480が挙げられる。
成分(c−2)は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体の水素添加物(以下、「水添ランダム共重合体」という)であって、好ましくは、数平均分子量が100,000〜1,000,000であり、より好ましくは200,000〜600,000であり、多分散度(Mw/Mn)の値が10以下である。また、上記水添ランダム共重合体における芳香族ビニル化合物の含有量は、50質量%以下が好ましく、より好ましくは3〜35質量%である。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。
上記水添ランダム共重合体は、共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合の少なくとも90モル%が水素添加されたものが好ましい。
水添ランダム共重合体(c−2)の市販品の例としては、ダイナロン1320P(ジェイエスアール社製、水添スチレン・ブタジエンゴム(HSBR)、重量平均分子量=30万、Mw/Mn=1.1)等を挙げることができる。
また、上記水添ランダム共重合体を酸変性したものも本発明の成分(c−2)として使用することができる。酸変性物としては、例えば、エステル基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基等から選ばれる1種以上の官能基を有しているものが挙げられる。
成分(c−3)は、芳香族ビニル化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエン化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物であり、例えばA−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の構造を有する、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物(以下、「水添ブロック共重合体」という)を挙げることができる。
芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAは、好ましくは芳香族ビニル化合物のみから成るか、または芳香族ビニル化合物50質量%以上、好ましくは70質量%以上と、任意成分、例えば共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、好ましくは共役ジエン化合物のみから成るか、または共役ジエン化合物50質量%以上、好ましくは70質量%以上と、任意成分、例えば芳香族ビニル化合物との共重合体ブロックである。
なお、上記水添ブロック共重合体は、例えば、芳香族ビニル化合物を5〜60質量%、好ましくは、20〜50質量%含む。
これらの芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化合物又は芳香族ビニル化合物由来の単位の分布は、ランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組合せでなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合には、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても異なる構造であってもよい。
水添ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のうちから1種又は2種以上を選択でき、なかでもスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種又は2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イソプレン及びこれらの組合せが好ましい。
水添ブロック共重合体にあって、その水添率は任意であるが、好ましくは共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて50モル%以上、より好ましくは55モル%以上、更に好ましくは60モル%以上である。そのミクロ構造は任意である。
水添ブロック共重合体の数平均分子量は、好ましくは5,000〜1,500,000、より好ましくは、10,000〜550,000、更に好ましくは90,000〜400,000の範囲であり、分子量分布は10以下である。水添ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
水添ブロック共重合体(c−3)の例としては、例えば、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体(SEBC)を挙げることができる。具体的には、セプトン4077、4055、4033(クラレ株式会社製)として市販されているSEPS;クレイトン6933MD(クレイトンポリマージャパン社製)、ダイナロン8601P(ジェイエスアール社製)として市販されているSEBS;ダイナロン4600P(ジェイエスアール社製)として市販されているSEBC;およびスチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(SIBS)(鐘淵化学社製)が挙げられる。
また、上記水添ブロック共重合体を酸変性したものも本発明の成分(c−3)として使用することができる。上記酸変性物の具体例としてはダイナロン4630P、8630P(ジェイエスアール社製)が挙げられる。
成分(c−4)は非ハロゲン系未架橋ゴムであり、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)およびイソプレンゴム(IR)が挙げられる。また、これらを酸変性したものも本発明の成分(c−4)として使用することができる。酸変性物としては、例えば、エステル基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基等から選ばれる1種以上の官能基を有しているものが挙げられる。
成分(c−5)は非芳香族系ゴム用軟化剤であり、非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤を挙げることができる。ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の組み合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものはパラフィン系、ナフテン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区別されている。
本発明で非芳香族系ゴム用軟化剤として用いられる鉱物油系ゴム用軟化剤は、上記パラフィン系およびナフテン系のものである。芳香族系の軟化剤は、その使用により熱可塑性樹脂が可溶となり、架橋反応を阻害し、得られる組成物の物性の向上が図れないので好ましくない。本発明の非芳香族系ゴム用軟化剤としては、パラフィン系のものが好ましく、更にパラフィン系の中でも芳香族環成分の少ないものが特に適している。
これらの非芳香族系ゴム用軟化剤の性状は、37.8℃における動的粘度が20〜50,000cSt、好ましくは20〜1,000cSt、100℃における動的粘度が5〜1,500cSt、好ましくは5〜100cSt、流動点が−10〜−25℃、引火点(COC)が170〜350℃を示すのが好ましい。さらに、重量平均分子量が100〜2,000のものが好ましい。
成分(c−5)の例としては、PW−90、PW−380(出光興産社製、パラフィン系オイル)が挙げられる。また、上記非芳香族系ゴム用軟化剤を酸変性したものも本発明の成分(c−5)として使用することができる。
成分(c)は、上記(c−1)〜(c−5)から選択される1以上であるが、上記成分(a)および(b)との相容性の点から、成分(c−1)および/または(c−2)を成分(c)として使用するのが好ましい。
成分(c)の配合量は、熱可塑性樹脂成分(A)全体の5〜25質量%、好ましくは10〜20質量%である。上記配合量が上記下限未満では、耐低温性が不十分になる。上記上限を超えると、圧接加工性が不十分になる。
(B)無機難燃剤
成分(B)は無機難燃剤であり、好ましくは、酸化金属化合物、水酸化金属化合物、炭酸金属化合物、珪酸金属化合物、ホウ酸金属化合物、およびそれらの水和物から選択される1以上の金属化合物である。具体的には、酸化アルミニウムおよびその水和物、酸化マグネシウムおよびその水和物、酸化ジルコニウムおよびその水和物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、オルト珪酸アルミニウム、ドロマイト、ハイドロマグネサイト、ハイドロタルサイト、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化スズ、錫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化スズの水和物、硼砂などが挙げられ、これらを単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムが特に好ましい。
上記金属化合物は、表面無処理のもの、およびシランカップリング剤で表面処理されたものが好ましいが、ステアリン酸やオレイン酸等の脂肪酸や脂肪酸金属塩で表面処理されたものでもよい。
成分(B)の市販品の例としては、例えば、協和化学社製のキスマ5(商品名、表面無処理の水酸化マグネシウム)、キスマ5A(商品名、脂肪酸で表面処理された水酸化マグネシウム)、キスマ5L(商品名、シランカップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウム)等が挙げられる。
成分(B)の配合量は、成分(A)100質量部に対して120〜300質量部、好ましくは150〜280質量部である。上記配合量が上記下限未満であると、難燃性が不十分になる。上記上限を超えると、引張伸びなどの機械的物性が低下するとともに成形性が悪化する。
(C)有機過酸化物
成分(C)は、低温でラジカルを発生せしめ、そのラジカルを連鎖的に反応させて、熱可塑性樹脂成分(A)を動的架橋せしめ、難燃性、耐油性、耐熱性を向上させる機能を果たす。
成分(C)としては、ジクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3、3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン等を挙げることができる。これらのうちで、臭気性、着色性、スコーチ安全性の観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンが特に好ましい。
成分(C)の配合量は、成分(A)100質量部に対して、0.001〜2質量部、好ましくは0.001〜1質量部である。上記配合量が上記下限未満であると、成分(C)の効果が発揮できず、上記上限を超えると、成形性が悪化する。
(D)(メタ)アクリレート系架橋助剤及び/又はアリル系架橋助剤
成分(D)は架橋助剤であり、本発明の難燃熱可塑性樹脂組成物に任意成分として配合され得る。
成分(D)としては、例えば、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールの繰り返し単位数が9〜14のポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレートのような多官能性メタクリレート化合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレートのような多官能性アクリレート化合物、ビニルブチラート又はビニルステアレートのような多官能性ビニル化合物を挙げることができる。これらは、単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。上記の架橋助剤のうち、多官能性アクリレート化合物または多官能性メタクリレート化合物が好ましく、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートが特に好ましい。これらの化合物は、取り扱いが容易であると共に、有機過酸化物可溶化作用を有し、有機過酸化物の分散助剤として働くため、架橋を均一かつ効果的にすることができる。
成分(D)の配合量は、成分(A)100質量部に対して、0〜4質量部であり、好ましくは0.001〜4質量部、より好ましくは0.005〜4質量部である。上記上限値を超えると架橋が進みすぎて、架橋物の分散が悪くなる。また、架橋助剤(D)の配合量は、有機過酸化物(C)の配合量の1.5〜4倍の割合が好ましい。
(E)シランカップリング剤
成分(E)は任意成分であり、成分(A)と成分(B)との相互作用を高め、機械的物性を向上させる機能を有する。成分(E)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル基またはエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を末端に有するシランカップリング剤、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤が挙げられる。中でも、末端にエポキシ基および/またはビニル基を有するシランカップリング剤がさらに好ましい。これのシランカップリング剤は1種単独でも、2種以上併用して使用してもよい。
成分(E)の配合量は、成分(B)の量の0〜2質量%であり、好ましくは0.02〜2質量%、より好ましくは0.2〜1.5質量%である。上限値を超えると、成形性が悪化する。
本発明の難燃熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、さらに必要に応じて、リン系、フェノール系、硫黄系など各種の酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤など各種の耐候剤、銅害防止剤、変性シリコンオイル、シリコンオイル、ワックス、酸アミド、脂肪酸、脂肪酸金属塩など各種の滑剤、芳香族リン酸金属塩系、ゲルオール系など各種の造核剤、グリセリン脂肪酸エステル系、芳香族系パラフィンオイル、フタル酸系、エステル系など各種の可塑剤、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルクなど各種のフィラー、各種の着色剤などの添加剤等を使用することができる。なお、成形品表面にブリードアウトするなどのトラブルを防止するため、本発明の難燃熱可塑性樹脂組成物との相容性の高いものが好ましい。
本発明の難燃熱可塑性樹脂組成物は、上記成分(A)〜(E)および必要に応じて上記添加剤を溶融混練することにより得られる。溶融混練の方法は特に制限がなく、通常公知の方法を使用することができる。例えば単軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサーまたは各種ニーダー等を使用することができる。混練温度は有機過酸化物(C)の1分間半減期温度以上にして完全に反応を終了させる必要がある。1分間半減期温度未満の混練温度では未反応の架橋剤が残り、電線成形性を著しく低下させる。また、成分(B)の分解温度に対して充分に低い温度に設定することが必要である。
本発明の難燃熱可塑性樹脂組成物は、難燃性および機械的特性(引張伸び)に優れるとともに、耐熱性、耐低温性および圧接加工性に優れており、電気・電子機器の内部および外部配線に使用される配線材の被覆材、および光ファイバ心線、光ファイバコードなどの被覆材として有用である。特に、ピッチ幅の狭い圧接コネクタを用いて圧接加工される電線等の被覆材として有用である。上記被覆材は、好ましくは、本発明の難燃熱可塑性樹脂組成物を、汎用の押出被覆装置を用いて、導体周囲や絶縁電線周囲に押出被覆することにより製造することができる。
本発明を以下の実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜6および比較例1〜8
表1に示す量(質量部)の各成分を用い、室温ですべての成分をドライブレンドし、モリヤマ社製の20L加圧ニーダーを用いて溶融混練して動的架橋を行い、排出して実施例および比較例の難燃熱可塑性樹脂組成物を得た。溶融混練温度(ニーダーからの排出温度)は、実施例6では235℃とし、比較例8では185℃とした以外は全て220℃とした。
次に、上記で得られた難燃熱可塑性樹脂組成物を用いて、ナカタニ社製の2軸押出機により、排出時樹脂温度相当のダイス温度で、ホットカット方式の造粒を行い、得られたペレットをロールによりシート化し、さらに、それを熱プレスして試験片を作成し、下記(1)〜(2)の試験に供した。評価結果を表1に示す。
また、得られた難燃熱可塑性樹脂組成物の溶融物を、電線製造用の押出被覆装置E2−0168(大宮精機(株)製)(モーター電流リミット設定80A、コンスタントピッチテーパー溝型(BM)スクリュウ、40mmφ、L/D 24、圧縮比 2.0、先端部溝深さ 3.0mm)を用いて、導体としての銅線(サイズ:26AWG(0.16mmφx7本、外径0.48mm))上に下記条件で押出被覆して(被覆厚さ0.20mm)、外径0.88mmφの絶縁電線を製造し、下記(3)〜(11)の試験に供した。評価結果を表1に示す。
押出被覆条件
温度設定: C1/C2/C3/C4/A/D=190/200/210/220/220/220℃
スクリュウ回転数:35rpm
線速: 300m/min
プレヒート: 140℃
メッシュ:60、100各1枚
測定試験
(1)比重:JIS K 7112に準拠し、測定を行なった。
(2)硬度:JIS K 7215に準拠し、ショアD硬度(5秒)を測定した。試験片は6.3mm厚プレスシートを用いた。
(3)引張特性(引張最大応力および引張最大伸び):UL758に準拠し、引張速度500mm/分で測定した。最大応力は10.4MPa以上、最大伸びは150%以上必要である。
(4)耐熱老化特性(加熱処理後の引張最大応力残率および引張最大伸び残率):UL758に準拠し、136℃、168時間の条件で測定を行った(引張速度500mm/分)。最大応力残率は70%以上、最大伸び残率は45%以上必要である。
(5)加熱変形率:UL758に準拠し、121℃、250g、1時間の条件で測定を行った。50%以下を合格とする。
(6)難燃性:VW−1に規定される垂直燃焼試験を、各絶縁電線について5回行い、燃焼後60秒以内に自消したものを合格としてカウントし、5回中の合格数で示した。5回とも合格であることが必要である。
(7)圧接加工性:圧接コネクタとして、ピッチ幅が狭いMolex社製のミニMi2(ピッチ幅1.25mm、スロット数15)を使用し、以下の判断基準に従って圧接加工性(割れおよび変形)を評価した。なお、各絶縁電線につき、6個のコネクタを用いて合計90スロットを観察した。
割れ ×:図1の圧接刃4aの箇所に示されるように、被覆材1が圧接刃の所で割れて、導体2が見える箇所が1以上ある。
△:被覆材が圧接刃の所で割れて圧接刃は見えるが導体は見えない箇所が10%以上ある。
○:被覆材が圧接刃の所で割れて圧接刃は見えるが導体は見えない箇所が10%未満である。
変形 ×:図2に示されるように、被覆材1がストレインリリーフ部6においてうさぎの耳のように盛り上がり、盛り上がりの先端が固定片5の頂部を越える箇所が1以上ある。
△:上記盛り上がりの先端が固定片5の高さhの1/2を越える箇所が10%以上ある。
○:上記盛り上がりの先端が上記hの1/2を越える箇所が10%未満である。
◎:上記盛り上がりの先端が上記hの1/2を越えないもののみである。
(8)巻付加熱:UL758に準拠し、自己径のマンドレルに6回隣接して巻き付けた後に136℃、168時間加熱した。被覆材の表面にクラックを生じなかった場合を○とし、クラックを生じた場合を×とした。
(9)可撓性(熱老化後の巻付性):絶縁電線を136℃、168時間加熱した後、自己径のマンドレルに6回隣接して巻き付けた。被覆材の表面にクラックを生じなかった場合を○とし、クラックを生じた場合を×とした。
(10)耐低温性(低温巻付):UL758に準拠し、絶縁電線を−10℃で4時間放置した後、自己径のマンドレルに6回隣接して巻き付けた。被覆材の表面にクラックを生じなかった場合を○とし、クラックを生じた場合を×とした。
(11)水中耐電圧性:UL758に準拠し、絶縁電線を24時間水中に放置した後の耐電圧を測定した。AC2kVに1分間耐える場合を○とし、1分間耐えられない場合を×とした。
使用した材料は以下の通りである。
成分(A)
成分(a)
タフマーXM7070:メタロセン触媒系プロピレン・α−オレフィン共重合体、三井化学株式会社製、ピークトップ温度(Tm)75℃、融解熱量(ΔH)31J/g、半値幅15℃、MFR(230℃、21.18N)7g/10分
比較成分
FW4BT:ポリプロピレンランダム共重合体、日本ポリプロ株式会社製、ピークトップ温度(Tm)139℃、融解熱量(ΔH)89J/g、半値幅26℃、MFR(230℃、21.18N)7g/10分
成分(b)
(1)PB270A:ポリプロピレンブロック共重合体、サンアロマー(株)製、ピークトップ温度(Tm)160℃、MFR(230℃、21.18N)0.5g/10分
(2)Polybond1002:アクリル酸変性ポリプロピレン、ユニロイヤル社製、ピークトップ温度(Tm)165℃、MFR(230℃、21.18N)20g/10分
成分(c−1)
(1)ユメリット4040F:メタロセン触媒系エチレン・1−ブテン共重合体、宇部興産社製、密度937kg/m、MFR(190℃、21.18N)4.0g/10分
(2)KF370:メタロセン触媒系エチレン・1−ヘキセン共重合体、日本ポリエチレン株式会社製、密度905kg/m、MFR(190℃、21.18N)3.5g/10分
(3)KF360:メタロセン触媒系エチレン・1−ヘキセン共重合体、日本ポリエチレン株式会社製、密度898kg/m、MFR(190℃、21.18N)3.5g/10分
(4)KS240:メタロセン触媒系エチレン・1−ヘキセン共重合体、日本ポリエチレン株式会社製、密度880kg/m、MFR(190℃、21.18N)2.2g/10分
(5)アドマーXE070:マレイン酸変性ポリエチレン、三井化学株式会社製
成分(c−2)
ダイナロン1320P:水添スチレン・ブタジエンランダム共重合体(HSBR)、JSR製
成分(c−3)
セプトン4077:スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体、クラレ社製、スチレン含量30質量%、イソプレン含量70質量%、重量平均分子量320,000、分子量分布1.23、水素添加率90%以上
成分(c−5)
PW−90:パラフィン系プロセスオイル、出光興産社製、重量平均分子量540
成分(B)
(1)キスマ5L:シランカップリング剤で表面処理した水酸化マグネシウム、協和化学社製
(2)MHRM−100D−S7:脂肪酸で表面処理した水酸化マグネシウム、ブロモケム・ファーイースト(株)製
成分(C)
(1)パーヘキサ25B:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、日本油脂社製、1分間半減期温度179℃
(2)パーブチルSM:t−ブチルトリメチルシリルパーオキシド、日本油脂社製、1分間半減期温度225℃
成分(D)
(1)NKエスエルIND:2−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、新中村化学社製
(2)NKエステル3G:トリエチレングリコールジメタクリレート、新中村化学社製
成分(E)
SZ6030:シランカップリング剤、東レ・ダウコーニング(株)製
その他の成分
(1)RKP−600:複合安定剤、(株)アデカ製
(2)イルガノックス1010:ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製
(3)TINUVIN 111FDL:HAL、チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製
(4)LBT−77:加工助剤、堺化学工業(株)製
(5)シリコンガム:滑剤、CF−9150、東レ・ダウコーニング(株)製
Figure 2008202002
表1に示すように、本発明の難燃熱可塑性樹脂組成物は、難燃性に優れるとともに、機械的物性、耐熱性および圧接加工性に優れる。
一方、成分(c)の量が本発明の上限を超える比較例1の組成物は、圧接加工性に劣る。成分(b)の量が本発明の下限未満である比較例2の組成物は、耐加熱変形性および圧接加工性に劣る。成分(a)の量が本発明の下限未満であり、かつ成分(b)の量が本発明の上限を超える比較例3の組成物は、引張伸び、耐熱老化性、圧接加工性および耐低温性に劣る。成分(a)としてピークトップ温度(Tm)が100℃より高いポリプロピレンを使用した比較例4の組成物は、引張伸び、耐熱老化性、圧接加工性および耐低温性に劣る。比較例5の組成物は、特開2002−105255の実施例1に記載の組成物に対応し、ポリプロピレン系樹脂として1種類のみ(成分(b)のみ)を含みかつ成分(c)の配合量が本発明の上限を超える組成物である。この組成物は、引張伸びは良好であるが、ピッチ幅のより狭い圧接コネクタに適用するには圧接加工性が不十分である。比較例6は成分(c)を含まない組成物であり、耐低温性に劣る。成分(b)としてピークトップ温度(Tm)が145℃より低いポリプロピレンを使用した比較例7の組成物は、耐加熱変形性および耐巻付加熱が劣る。比較例8は、溶融混練を成分(C)の1分間半減期温度未満の温度で行ったものである。比較例8の組成物は、電線成型時の外径の変動が激しく、またスパークが多発して、電線を成形することができなかった。
絶縁電線を圧接コネクタに固定したときの平面図である。 図1をA−Aで切断した断面図である。
符号の説明
1 電線被覆材
2 導体
3 圧接コネクタ
4 圧接刃
5 固定片
6 ストレインリリーフ部

Claims (6)

  1. (A)熱可塑性樹脂成分 100質量部、
    (B)無機難燃剤 120〜300質量部、
    (C)有機過酸化物 0.001〜2質量部、
    (D)(メタ)アクリレート系及び/又はアリル系架橋助剤 0〜4質量部、および
    (E)成分(B)の量に対して0〜2質量%の量のシランカップリング剤
    を該有機過酸化物(C)の1分間半減期温度以上の温度で溶融混練して得られる難燃熱可塑性樹脂組成物、ここで、該熱可塑性樹脂成分(A)は
    (a)プロピレン系エラストマーおよび/またはプロピレン系プラストマー 10〜80質量%
    (b)結晶性プロピレン系樹脂 10〜80質量%、および
    (c)下記(c−1)〜(c−5)から選択される1以上 5〜25質量%
    (c−1)エチレン系(共)重合体、
    (c−2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体の水素添加物
    (c−3)芳香族ビニル化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエン化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物、
    (c−4)非ハロゲン系未架橋ゴム、および
    (c−5)非芳香族系ゴム用軟化剤
    から成り、ここで成分(a)、(b)および(c)の質量%の合計は100質量%であり、かつ成分(a)については、DSC融解曲線の最も高い温度側の融解ピークにおけるピークトップ温度、半値幅および融解熱量がそれぞれ100℃以下、30℃以下および60J/g以下であり、成分(b)については、DSC融解曲線の最も高い温度側の融解ピークにおけるピークトップ温度が145℃以上である。
  2. 成分(B)が、酸化金属化合物、水酸化金属化合物、炭酸金属化合物、珪酸金属化合物、ホウ酸金属化合物、およびそれらの水和物から選択される1以上の金属化合物である、請求項1記載の難燃熱可塑性樹脂組成物。
  3. 成分(D)の量が成分(A)100質量部に対して0.001〜4質量部である、請求項1または2記載の難燃熱可塑性樹脂組成物。
  4. 成分(E)の量が成分(B)の量に対して0.02〜2質量%である、請求項1〜3のいずれか1項記載の難燃熱可塑性樹脂組成物。
  5. 成分(A)〜(E)を成分(C)の1分間半減期温度以上の温度で溶融混練することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の難燃熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載の難燃熱可塑性樹脂組成物からなる成形体。
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