JP2007262427A - 非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 難燃性が良好で、さらに柔軟性と耐油性とを高い次元で両立させた電線被覆等に用いる非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物の提供。
【解決手段】特定の成分を含み、かつ、(i)引張最大応力が10MPa以上、かつ引張最大伸びが120%以上、(ii)100℃、48時間熱老化後の引張最大応力残率が85%以上、かつ引張最大伸び残率が80%以上、(iii)IRM#902試験油による70℃、4時間後の引張最大応力残率が80%以上、かつ引張最大伸び残率が60%以上、(iv)120℃、1000g、1時間処理後の加熱変形率が50%以下、(v)比重(G)とShoreA硬度(A)との関係がA≦36G+40の関係を有し、(vi)JIS C3005に規定される60度傾斜難燃性を有すること特徴とする非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 図1
【解決手段】特定の成分を含み、かつ、(i)引張最大応力が10MPa以上、かつ引張最大伸びが120%以上、(ii)100℃、48時間熱老化後の引張最大応力残率が85%以上、かつ引張最大伸び残率が80%以上、(iii)IRM#902試験油による70℃、4時間後の引張最大応力残率が80%以上、かつ引張最大伸び残率が60%以上、(iv)120℃、1000g、1時間処理後の加熱変形率が50%以下、(v)比重(G)とShoreA硬度(A)との関係がA≦36G+40の関係を有し、(vi)JIS C3005に規定される60度傾斜難燃性を有すること特徴とする非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 図1
Description
本発明は、非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物に関し、特に電線被覆用非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物に関する。
近年、熱可塑性樹脂の架橋物が従来の架橋をしていない熱可塑性樹脂の耐油性、耐熱性を向上させたものとして使用されるようになってきている。また、その中でも加硫工程を必要とせずにゴム弾性を発現する軟質材料であって、熱可塑性樹脂と同様の各種成形加工に適用可能、及びリサイクル可能という特長を持つ熱可塑性エラストマーが、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療用部品、履物、雑貨等の分野で多用されている。
熱可塑性エラストマーの中でも、オレフィン系共重合体を代表するオレフィン系熱可塑性エラストマーや芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)やスチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)などのポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性に富み、常温で良好なゴム弾性を有し、かつ、これらより得られる熱可塑性エラストマー組成物は加工性に優れており、加硫ゴムの代替品として広く使用されている。
また、上記スチレン系熱可塑性エラストマー中のスチレンと共役ジエンのブロック共重合体の分子内二重結合を水素添加したエラストマー組成物は、耐熱老化性(熱安定性)および耐候性を向上させたエラストマーとして、さらに広く多用されている。
しかしながら、これらの水素添加ブロック共重合体を用いた熱可塑性エラストマー組成物は、未だゴム的特性、例えば、耐油性、加熱加圧変形率(圧縮永久歪み、加熱変形率)や高温時のゴム弾性に問題があり、この点を改良するものとして、上記ブロック共重合体の水素添加誘導体を含む組成物を架橋させて得られる架橋体が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
また、従来、難燃性の要求される電線及びケーブルの被覆材料、壁紙等の建築用材料等の用途に用いる難燃性熱可塑性樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)組成物やハロゲン類の難燃剤を配合した樹脂組成物が主として用いられてきた。しかし近年、PVC組成物、及び、ハロゲン系難燃剤を配合した樹脂組成物に対して、環境問題の議論が高まり、これを忌避する動きが強くなってきている。そのためハロゲン系難燃剤を含まない電線被覆用難燃性樹脂組成物が注目されてきている。
ハロゲン系の樹脂や難燃剤を含まない樹脂組成物に難燃性を付与するためには、樹脂組成物を有機過酸化物の存在下に動的架橋する方法、特に、無機系難燃剤等を含む樹脂組成物を有機過酸化物の存在下に動的架橋する方法等が開発されてきている。例えば、ポリプロピレン/水添スチレン・共役ジエンブロック共重合体組成物を有機過酸化物で架橋する方法(例えば、特許文献6参照。)、ポリエチレン/水添スチレン・共役ジエンブロック共重合体組成物を有機過酸化物で架橋する方法(例えば、特許文献7参照。)、ポリエチレン/ポリプロピレン/エチレン・酢酸ビニル共重合体又は水添スチレン・共役ジエンブロック共重合体組成物を有機過酸化物で架橋する方法(例えば、特許文献8参照。)、水添スチレン・共役ジエンブロック共重合体/軟化剤/難燃剤/パーオキサイド架橋型ポリオレフィン/パーオキサイド分解型ポリオレフィン組成物を有機過酸化物で架橋する方法(例えば、特許文献9参照。)等が示されている。
一方、電線被覆用材料には安全性の面から厳しい難燃性規格、例えば、UL1581(電線、ケーブルおよびフレキシブルコードのための関連規格(Reference Standard for Electrical Wires、Cables, and Flexible Cords))などに規定されている垂直燃焼試験(Vertical Flame Test)、VW−1規格や水平難燃規格、JIS C3005に規定される60度傾斜難燃特性等が定められている。近年は、これらの難燃性規格の中でもより厳しいものに対応することが要求されるようになってきている。また、電線被覆用材料には安全性の面から厳しい諸物性の規格が定められている。これらの諸要求特性を満たすためには、難燃剤である金属水和物の配合割合を非常に多くし、熱可塑性樹脂としては、高強度、高硬度のものを使用する必要があり、必然的に非常に硬い材料になってきており、上記のような材料では、柔軟性と耐油性等で満足するものとはなっていないのが現状である。
本発明は、上記問題点に鑑み、難燃性が良好で、さらに柔軟性と耐油性とを高い次元で両立させた電線被覆等に用いる非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の引張最大応力及び引張最大伸び、熱老化後の引張最大応力残率及び引張最大伸び残率、ASTM試験油による引張最大応力残率及び引張最大伸び残率、加熱変形率、比重とShoreA硬度との関係、60度傾斜難燃性等を有する非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が柔軟性と耐油性とを高い次元で両立した難燃性熱可塑性樹脂組成物になりうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記の物性(i)〜(vi)を満たすことを特徴とする非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が提供される。
(i)引張最大応力が10MPa以上、かつ引張最大伸びが120%以上
(ii)100℃、48時間熱老化後の引張最大応力残率が85%以上、かつ引張最大伸び残率が80%以上
(iii)ASTM D471に規定されたIRM#902試験油による70℃、4時間後の引張最大応力残率が80%以上、かつ引張最大伸び残率が60%以上
(iv)恒温槽温度120℃、荷重1000g、1時間処理後の加熱変形率が50%以下
(v)比重(G)とShoreA硬度(A)との関係が次式(1)を満たす
A≦36G+40 …(1)
(vi)JIS C3005に規定される60度傾斜難燃性を有する
(i)引張最大応力が10MPa以上、かつ引張最大伸びが120%以上
(ii)100℃、48時間熱老化後の引張最大応力残率が85%以上、かつ引張最大伸び残率が80%以上
(iii)ASTM D471に規定されたIRM#902試験油による70℃、4時間後の引張最大応力残率が80%以上、かつ引張最大伸び残率が60%以上
(iv)恒温槽温度120℃、荷重1000g、1時間処理後の加熱変形率が50%以下
(v)比重(G)とShoreA硬度(A)との関係が次式(1)を満たす
A≦36G+40 …(1)
(vi)JIS C3005に規定される60度傾斜難燃性を有する
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が、オレフィン系樹脂及び/又は芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体を含むことを特徴とする非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、さらに、樹脂組成物中に過酸化物架橋型エラストマー成分を含むことを特徴とする非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、さらに、(vii)JIS 1種2号絶縁油による70℃、4時間後の引張最大応力残率が80%以上、かつ引張最大伸び残率が60%以上であることを特徴とする非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、
(A)結晶性プロピレン系重合体1〜20質量部、
(B)結晶性エチレン系重合体5〜50質量部、
(C)過酸化物架橋型エラストマー1〜15質量部、
(D)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体(d−1)と非芳香族ゴム用軟化剤(d−2)とからなる柔軟性付与エラストマー組成物5〜90質量部
(E)酸変性ポリオレフィン0〜15質量部
(F)金属水和物50〜300質量部、及び
(G)有機過酸化物0.001〜2質量部
を含有することを特徴とする第1〜4のいずれかの発明に記載の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が提供される。
(ただし、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部であり、(F)及び(G)は、それぞれ(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対する値である。)
(A)結晶性プロピレン系重合体1〜20質量部、
(B)結晶性エチレン系重合体5〜50質量部、
(C)過酸化物架橋型エラストマー1〜15質量部、
(D)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体(d−1)と非芳香族ゴム用軟化剤(d−2)とからなる柔軟性付与エラストマー組成物5〜90質量部
(E)酸変性ポリオレフィン0〜15質量部
(F)金属水和物50〜300質量部、及び
(G)有機過酸化物0.001〜2質量部
を含有することを特徴とする第1〜4のいずれかの発明に記載の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が提供される。
(ただし、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部であり、(F)及び(G)は、それぞれ(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対する値である。)
また、本発明の第6の発明によれば、第1又は2の発明において
(A)結晶性プロピレン系重合体1〜20質量部、
(B)結晶性エチレン系重合体5〜50質量部、
(C)過酸化物架橋型エラストマー0〜15質量部、
(D)非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)を少なくとも1〜94質量部含み、その他成分として芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体(d−1)0〜93質量部と非芳香族ゴム用軟化剤(d−2)0〜93質量部とからなる柔軟性付与エラストマー組成物1〜94質量部、
(E)酸変性ポリオレフィン0〜15質量部、
(F)金属水和物50〜300質量部、及び
(G)有機過酸化物0.001〜2質量部
を含有することを特徴とする非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が提供される。
(ただし、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部であり、(F)及び(G)は、それぞれ(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対する値である。)
(A)結晶性プロピレン系重合体1〜20質量部、
(B)結晶性エチレン系重合体5〜50質量部、
(C)過酸化物架橋型エラストマー0〜15質量部、
(D)非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)を少なくとも1〜94質量部含み、その他成分として芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体(d−1)0〜93質量部と非芳香族ゴム用軟化剤(d−2)0〜93質量部とからなる柔軟性付与エラストマー組成物1〜94質量部、
(E)酸変性ポリオレフィン0〜15質量部、
(F)金属水和物50〜300質量部、及び
(G)有機過酸化物0.001〜2質量部
を含有することを特徴とする非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が提供される。
(ただし、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部であり、(F)及び(G)は、それぞれ(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対する値である。)
また、本発明の第7の発明によれば、第5又は6の発明において、(H)架橋助剤0.001〜4質量部(ただし、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して)をさらに含有することを特徴とする非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第5、6、又は7のいずれかの発明において、(F)金属水和物が水酸化マグネシウムであることを特徴とする非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明に記載の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物からなる成形体が提供される。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物は、難燃性が良好で、かつ、柔軟性と耐油性とを高い次元で両立した熱可塑性樹脂組成物で、主として、電線、電源コード、センサーケーブル、音響コード等の被覆材用途および柔軟で難燃性を必要とする部材、特に600Vケーブルシース材のPVC材料規格に対応するPVC代替非ハロゲン系材料として用いることができる。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物は、難燃性が良好で、さらに柔軟性と耐油性とを高い次元で両立させた電線被覆等に用いる熱可塑性樹脂組成物で下記の物性を有し、オレフィン系樹脂及び/又は芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物である。また、該熱可塑性組成物は、特に高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する組成物と、高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物の2種類の熱可塑性樹脂組成物を含む。それらの構成成分、製造方法等について以下に詳細に説明する。
1.非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物の物性
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物は、難燃材用途、特に安全性に優れた電線被覆用材料として用いられるため、厳しい難燃性規格、例えば、UL1581などに規定されている垂直燃焼試験、VW−1規格や水平難燃規格、JIS規格等で定められている難燃性規格に対応する組成物であり、次の(i)〜(vi)の物性を有し、高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する組成物にあっては、好ましくは、さらに(vii)の物性を有する。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物は、難燃材用途、特に安全性に優れた電線被覆用材料として用いられるため、厳しい難燃性規格、例えば、UL1581などに規定されている垂直燃焼試験、VW−1規格や水平難燃規格、JIS規格等で定められている難燃性規格に対応する組成物であり、次の(i)〜(vi)の物性を有し、高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する組成物にあっては、好ましくは、さらに(vii)の物性を有する。
(i)引張最大応力、引張最大伸び
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物の引張最大応力は、10MPa以上であり、引張最大伸びは、120%以上である。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物の引張最大応力は、10MPa以上であり、引張最大伸びは、120%以上である。
(ii)熱老化後の引張最大応力残率、引張最大伸び残率
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物の100℃、48時間熱老化後の引張最大応力残率は、85%以上であり、引張最大伸び残率は、80%以上である。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物の100℃、48時間熱老化後の引張最大応力残率は、85%以上であり、引張最大伸び残率は、80%以上である。
(iii)ASTM試験油の耐油性
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物のASTM D471に規定されたIRM#902試験油による70℃、4時間後の引張最大応力残率は、80%以上であり、引張最大伸び残率は、60%以上である。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物のASTM D471に規定されたIRM#902試験油による70℃、4時間後の引張最大応力残率は、80%以上であり、引張最大伸び残率は、60%以上である。
(iv)加熱変形率
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物のJIS K 6723に準拠し、恒温槽温度120℃、荷重1000g、1時間処理後の加熱変形率は、50%以下である。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物のJIS K 6723に準拠し、恒温槽温度120℃、荷重1000g、1時間処理後の加熱変形率は、50%以下である。
(v)比重と硬度の関係
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物の比重(G)とShoreA硬度(A)との関係は、式(1)を満たし、
A≦36G+40 …(1)
好ましくは、式(2)を満たし、
A≦36G+38 …(2)
より好ましくは、式(3)を満たし、
A≦36G+36 …(3)
最も好ましくは、式(4)を満たす。
A≦36G+33 …(4)
比重(G)とShoreA硬度(A)との関係が、A>36G+40であると柔軟性に劣る。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物の比重(G)とShoreA硬度(A)との関係は、式(1)を満たし、
A≦36G+40 …(1)
好ましくは、式(2)を満たし、
A≦36G+38 …(2)
より好ましくは、式(3)を満たし、
A≦36G+36 …(3)
最も好ましくは、式(4)を満たす。
A≦36G+33 …(4)
比重(G)とShoreA硬度(A)との関係が、A>36G+40であると柔軟性に劣る。
(vi)難燃性
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物は、少なくともJIS C3005に規定される60度傾斜難燃性を有する。この難燃性を有さないものは、使用可能な範囲が難燃性規格を定めていない狭い分野に限定されるため好ましくない。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物は、少なくともJIS C3005に規定される60度傾斜難燃性を有する。この難燃性を有さないものは、使用可能な範囲が難燃性規格を定めていない狭い分野に限定されるため好ましくない。
(vii)JIS1種2号絶縁油の耐油性
本発明の高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物は、JIS1種2号絶縁油への耐油性を有していることが好ましく、耐油性JIS1種2号絶縁油による70℃、4時間の耐油試験後の引張最大応力残率は、80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上であり、引張最大伸び残率は、60%以上が好ましく、より好ましくは70%以上であり、質量膨潤率は、20%以下が好ましく、より好ましくは16%以下、特に好ましくは14%以下である。
引張最大応力残率が80%未満、引張最大伸び残率が60%未満、質量膨潤率が20%未満であるものは、JIS1種2号絶縁油への耐油性が不充分であり、そのような分野への使用は避けるべきである。
本発明の高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物は、JIS1種2号絶縁油への耐油性を有していることが好ましく、耐油性JIS1種2号絶縁油による70℃、4時間の耐油試験後の引張最大応力残率は、80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上であり、引張最大伸び残率は、60%以上が好ましく、より好ましくは70%以上であり、質量膨潤率は、20%以下が好ましく、より好ましくは16%以下、特に好ましくは14%以下である。
引張最大応力残率が80%未満、引張最大伸び残率が60%未満、質量膨潤率が20%未満であるものは、JIS1種2号絶縁油への耐油性が不充分であり、そのような分野への使用は避けるべきである。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物は、上記の物性を有し、難燃性が良好で、かつ、柔軟性と耐油性とを高い次元で両立した熱可塑性樹脂組成物であるので、主として、電線、電源コード、センサーケーブル、音響コード等の被覆材用途に用いることができ、特に600Vケーブルシース材、絶縁材のPVC材料規格に対応するPVC代替非ハロゲン系材料として用いることができる。
2.非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物の構成成分
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物において、高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する組成物としては、次の(A)〜(G)の成分、さらに必要に応じて、(H)、(I)、(J)の成分を加えた組成物からなり、高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物としては、(A)、(B)、(D)〜(G)の成分、さらに必要に応じて(C)、(H)〜(J)の成分を加えた組成物からなる。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物において、高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する組成物としては、次の(A)〜(G)の成分、さらに必要に応じて、(H)、(I)、(J)の成分を加えた組成物からなり、高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物としては、(A)、(B)、(D)〜(G)の成分、さらに必要に応じて(C)、(H)〜(J)の成分を加えた組成物からなる。
(A)結晶性プロピレン系重合体
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物を構成する結晶性プロピレン系重合体(A)成分は、熱可塑性の保持に必須の成分であり、プロピレン単独重合体、ランダム共重合体(コモノマーは、エチレン及び/又は、α−オレフィン)等が挙げられ、耐油性の観点から結晶性の高いものが好ましい。
また、後述の(G)成分として低温分解型の架橋剤を使用して低い温度で溶融混練を行う場合は、プロピレンと少量のコモノマー(エチレン及び/又は、α−オレフィン)、例えば、プロピレンとエチレン及び/又は1−ブテンとの結晶性ランダム共重合体が好ましい。具体的には、DSC融解曲線の最も高い温度側のピークトップ融点が150℃以下、好ましくは140℃以下のものが好ましい。また同じ融点の樹脂であれば、より結晶性の高い樹脂が好ましい。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物を構成する結晶性プロピレン系重合体(A)成分は、熱可塑性の保持に必須の成分であり、プロピレン単独重合体、ランダム共重合体(コモノマーは、エチレン及び/又は、α−オレフィン)等が挙げられ、耐油性の観点から結晶性の高いものが好ましい。
また、後述の(G)成分として低温分解型の架橋剤を使用して低い温度で溶融混練を行う場合は、プロピレンと少量のコモノマー(エチレン及び/又は、α−オレフィン)、例えば、プロピレンとエチレン及び/又は1−ブテンとの結晶性ランダム共重合体が好ましい。具体的には、DSC融解曲線の最も高い温度側のピークトップ融点が150℃以下、好ましくは140℃以下のものが好ましい。また同じ融点の樹脂であれば、より結晶性の高い樹脂が好ましい。
なお、プロピレン系ブロック共重合体(コモノマーはエチレン及び/又は、α−オレフィン)は、そのプロピレンとコモノマーとの共重合エラストマー成分が耐油性の低下要因となり易いため奨められない。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物における結晶性プロピレン系重合体(A)成分の配合量は、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、1〜20質量部であり、好ましくは2〜10質量部である。配合量が20質量部を超えると組成物が硬いものになり好ましくない。一方、1質量部未満であると熱可塑性が不充分になり易い。
(B)結晶性エチレン系重合体
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物において用いる結晶性エチレン系重合体(B)成分は、引張強度保持に必須の成分である。結晶性エチレン系重合体としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体又はエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレンと親水性官能基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。
これらの中では、エチレンと1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンとの共重合体が好ましく、特に、エチレンと1−ヘキセン、1−オクテンとの共重合体が柔軟性と引張強度とのバランスに優れ好ましい。
また、結晶性エチレン系重合体(B)は、耐油性試験温度の70℃において充分な結晶性を有していることが好ましく、具体的には、DSC融解曲線の70℃以上における融解熱量(以下、70℃結晶化度指数という。)が40J/g以上のものが好ましく、より好ましくは80〜150J/gである。70℃結晶化度指数が40J/g未満であると耐油性が不充分になり易く、150J/gを超えると組成物が硬いものになりやすい。
ここで、70℃結晶化度指数とは、示差走査熱量計(DSC)によって得られる融解曲線のピーク面積から求める値であり、具体的には、DSCを用い、サンプル量10mgを採り、190℃で5分間保持した後、−10℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、−10℃で5分間保持した後、10℃/分の昇温速度で190℃まで昇温して融解させたときに描かれる融解曲線、例えば、図1に示す融解曲線の70℃以上の面積から求めた値である。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物において用いる結晶性エチレン系重合体(B)成分は、引張強度保持に必須の成分である。結晶性エチレン系重合体としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体又はエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレンと親水性官能基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。
これらの中では、エチレンと1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンとの共重合体が好ましく、特に、エチレンと1−ヘキセン、1−オクテンとの共重合体が柔軟性と引張強度とのバランスに優れ好ましい。
また、結晶性エチレン系重合体(B)は、耐油性試験温度の70℃において充分な結晶性を有していることが好ましく、具体的には、DSC融解曲線の70℃以上における融解熱量(以下、70℃結晶化度指数という。)が40J/g以上のものが好ましく、より好ましくは80〜150J/gである。70℃結晶化度指数が40J/g未満であると耐油性が不充分になり易く、150J/gを超えると組成物が硬いものになりやすい。
ここで、70℃結晶化度指数とは、示差走査熱量計(DSC)によって得られる融解曲線のピーク面積から求める値であり、具体的には、DSCを用い、サンプル量10mgを採り、190℃で5分間保持した後、−10℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、−10℃で5分間保持した後、10℃/分の昇温速度で190℃まで昇温して融解させたときに描かれる融解曲線、例えば、図1に示す融解曲線の70℃以上の面積から求めた値である。
また、結晶性エチレン系重合体は、メルトマスフローレート(JIS K6924−2準拠、190℃、荷重21.18Nで測定)が10g/10分以下のものが好ましい。低メルトマスフローレートのものを使用することにより引張強度保持に必要な配合量を削減、すなわち柔軟化することができる。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物における結晶性エチレン系重合体(B)成分の配合量は、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、5〜50質量部であり、好ましくは10〜45質量部である。配合量が50質量部を超えると組成物が硬いものになる。一方、5質量部未満であると引張強度保持成分として充分な効果を果たさない。
(C)過酸化物架橋型エラストマー
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物に用いる過酸化物架橋型エラストマー(C)成分は、高膨潤油に対する耐性の保持に必須の成分であって、炭素−炭素二重結合などの過酸化物架橋反応点を多く保有する化合物である。
(C)過酸化物架橋型エラストマーとしては、例えば、ポリブタジエン(1,2−シンジオタクチックポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン等)、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等が挙げられる。この中でも、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)が好ましい。
なお、過酸化物架橋型エラストマーの中でも、共役ジエン系重合体は、特に過酸化物による架橋が容易で、過酸化物易架橋型エラストマーと位置づけることができ、単に二重結合含有量が多い化合物というだけでなく、実際に過酸化物処理を行って架橋し易い化合物である。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物に用いる過酸化物架橋型エラストマー(C)成分は、高膨潤油に対する耐性の保持に必須の成分であって、炭素−炭素二重結合などの過酸化物架橋反応点を多く保有する化合物である。
(C)過酸化物架橋型エラストマーとしては、例えば、ポリブタジエン(1,2−シンジオタクチックポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン等)、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等が挙げられる。この中でも、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)が好ましい。
なお、過酸化物架橋型エラストマーの中でも、共役ジエン系重合体は、特に過酸化物による架橋が容易で、過酸化物易架橋型エラストマーと位置づけることができ、単に二重結合含有量が多い化合物というだけでなく、実際に過酸化物処理を行って架橋し易い化合物である。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物において、高膨潤油に耐性を保持する性能を有する組成物として過酸化物易架橋型エラストマー(C)を用いる場合は、その配合量は、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、1〜15質量部であり、好ましくは1〜12質量部である。配合量が多すぎると熱可塑性を失い、また成形品にゲル、ブツなどの外観不良を引き起こし易い。
なお、高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物においては、(C)成分は必須成分ではないが、15質量部以下を含んでいても良い。
なお、高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物においては、(C)成分は必須成分ではないが、15質量部以下を含んでいても良い。
(D)柔軟性付与エラストマー組成物
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物において用いる柔軟性付与エラストマー組成物(D)成分は、高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する組成物においては、芳香族ビニル化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエン化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック共重合体(d−1)と非芳香族系ゴム用軟化剤(d−2)とからなるエラストマー組成物である。(d−1)は引張特性(特に伸び)の保持及び非芳香族系ゴム用軟化剤の保持に必須の成分であり、(d−2)は柔軟性の付与に必須の成分である。
また、高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物においては、非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)1〜94重質量部を必須とし、必要に応じて(d−1)0〜93質量部と(d−2)0〜93質量部とを含むエラストマー組成物である。
なお、非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)の添加量は1〜60質量部がさらに好ましい。また、(d−1)は0〜59質量部が好ましく、(d−2)は0〜59質量部が好ましい。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物において用いる柔軟性付与エラストマー組成物(D)成分は、高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する組成物においては、芳香族ビニル化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエン化合物をその構成成分の主体とした少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック共重合体(d−1)と非芳香族系ゴム用軟化剤(d−2)とからなるエラストマー組成物である。(d−1)は引張特性(特に伸び)の保持及び非芳香族系ゴム用軟化剤の保持に必須の成分であり、(d−2)は柔軟性の付与に必須の成分である。
また、高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物においては、非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)1〜94重質量部を必須とし、必要に応じて(d−1)0〜93質量部と(d−2)0〜93質量部とを含むエラストマー組成物である。
なお、非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)の添加量は1〜60質量部がさらに好ましい。また、(d−1)は0〜59質量部が好ましく、(d−2)は0〜59質量部が好ましい。
上記水添ブロック共重合体(d−1)は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体の水添物であり、例えば、A−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水添物を挙げることができる。
芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAは、好ましくは芳香族ビニル化合物のみからなるか、または芳香族ビニル化合物50質量%以上、好ましくは70質量%以上と、任意成分、例えば共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。
また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、好ましくは共役ジエン化合物のみから成るか、または任意成分、例えば共役ジエン化合物50質量%以上、好ましくは70質量%以上と芳香族ビニル化合物との共重合体ブロックである。
なお、上記ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物を5〜45質量%、好ましくは、10〜40質量%含む。芳香族ビニル化合物含有量の少ないものは、組成物の耐油性が低下しやすく、多いものは組成物が硬くなる。
また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、好ましくは共役ジエン化合物のみから成るか、または任意成分、例えば共役ジエン化合物50質量%以上、好ましくは70質量%以上と芳香族ビニル化合物との共重合体ブロックである。
なお、上記ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物を5〜45質量%、好ましくは、10〜40質量%含む。芳香族ビニル化合物含有量の少ないものは、組成物の耐油性が低下しやすく、多いものは組成物が硬くなる。
また、これらの芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化合物又は芳香族ビニル化合物由来の単位の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組合せでなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合には、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても異なる構造であってもよい。
水添ブロック共重合体において、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、そのミクロ構造は、任意であり、例えば、ブロックBがブタジエン単独で構成される場合、ポリブタジエンブロックにおいては、1,2−ミクロ構造が好ましくは20〜50質量%、特に好ましくは25〜45質量%である。水添率は任意であるが好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上、よりさらに好ましくは90%以上である。また、1,2−結合を選択的に水素添加したものであっても良い。
ブロックBがイソプレンとブタジエンの混合物から構成される場合、1,2−ミクロ構造が好ましくは50%未満、より好ましくは25%未満、より更に好ましくは15%未満である。ブロックBがイソプレン単独で構成される場合、ポリイソプレンブロックにおいては、イソプレンの好ましくは70〜100質量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつイソプレンに由来する脂肪族二重結合の好ましくは少なくとも90%が水素添加されたものが好ましい。
水添ブロック共重合体において、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、そのミクロ構造は、任意であり、例えば、ブロックBがブタジエン単独で構成される場合、ポリブタジエンブロックにおいては、1,2−ミクロ構造が好ましくは20〜50質量%、特に好ましくは25〜45質量%である。水添率は任意であるが好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上、よりさらに好ましくは90%以上である。また、1,2−結合を選択的に水素添加したものであっても良い。
ブロックBがイソプレンとブタジエンの混合物から構成される場合、1,2−ミクロ構造が好ましくは50%未満、より好ましくは25%未満、より更に好ましくは15%未満である。ブロックBがイソプレン単独で構成される場合、ポリイソプレンブロックにおいては、イソプレンの好ましくは70〜100質量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつイソプレンに由来する脂肪族二重結合の好ましくは少なくとも90%が水素添加されたものが好ましい。
ブロック共重合体の重量平均分子量は、任意であるが好ましくは150,000以上であり、より好ましくは、240,000以上である。分子量分布は10以下である。
ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のうちから1種又は2種以上を選択でき、なかでもスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種又は2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イソプレン及びこれらの組合せが好ましい。
水添ブロック共重合体の具体例としては、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)等を挙げることができる。
上記非芳香族系ゴム用軟化剤(d−2)としては、非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤を挙げることができる。ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の組み合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものはパラフィン系、ナフテン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区別されている。
本発明の非芳香族系ゴム用軟化剤として用いられる鉱物油系ゴム用軟化剤は、区分でパラフィン系およびナフテン系のものである。芳香族系の軟化剤は、その使用により熱可塑性樹脂が可溶となり、架橋反応を阻害し、得られる組成物の物性の向上が図れないので好ましくない。本発明の非芳香族系ゴム用軟化剤としては、パラフィン系のものが好ましく、更にパラフィン系の中でも芳香族環成分の少ないものが特に適している。
これらの非芳香族系ゴム用軟化剤の性状は、37.8℃における動的粘度が20〜50,000cSt、好ましくは20〜1,000cSt、100℃における動的粘度が5〜1,500cSt、好ましくは5〜100cSt、流動点が−10〜−25℃が好ましい。さらに、重量平均分子量が100〜2,000のものが好ましい。
これらの中でも、一般に入手可能な非芳香族系ゴム用軟化剤として、出光興産(株)のPW−90、PW−380などの脂肪族パラフィンオイルが挙げられる。なお、ブリード防止の観点から水添ブロック共重合体、EPDMなど保持能の高い樹脂と併用することが推奨される。
これらの中でも、一般に入手可能な非芳香族系ゴム用軟化剤として、出光興産(株)のPW−90、PW−380などの脂肪族パラフィンオイルが挙げられる。なお、ブリード防止の観点から水添ブロック共重合体、EPDMなど保持能の高い樹脂と併用することが推奨される。
高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する組成物中の柔軟性付与エラストマー組成物における水添ブロック共重合体(d−1)と非芳香族系ゴム用軟化剤(d−2)との組成割合は、2×(d−1)>(d−2)が好ましく、より好ましくは3×(d−1)>2×(d−2)である。2×(d−1)≦(d−2)であると成形品表面への軟化剤のブリードアウトが非常に起こり易くなる。また引張強度も規格割れになり易い。
上記非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)等が挙げられる、樹脂組成物における柔軟性向上に極めて有効である。
特に高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物においては、非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)を用いることにより柔軟性のより高いものを得ることができる。
また、非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)は、あらかじめ部分架橋の施されたものであってもよい。
特に高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物においては、非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)を用いることにより柔軟性のより高いものを得ることができる。
また、非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)は、あらかじめ部分架橋の施されたものであってもよい。
なお、非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)は、架橋度のコントロールを誤り、架橋過剰の状態になると熱可塑性を失いやすく、架橋不足の状態になると、引張強度、耐油性が不充分なものになったりするので、未加硫ゴム、架橋剤、架橋助剤の種類、配合量だけでなく、架橋剤の効果を減じる酸化防止剤、混練条件(温度、せん断応力、時間)等、その取り扱いには慎重な配慮を要する。
上記非ハロゲン系未加硫ゴムの中でもエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)が最も好ましく、中でもプロピレン含有量が多く柔軟性に富んだもの(例えば、ベール状で市販されているもの)が好ましい。EPDMにおいて、ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等を挙げることができ、その含有量は0.1〜10質量%が好ましい。また、EPDMにおけるエチレン含有量は、40〜70質量%が好ましく、より好ましくは45〜65質量%である。エチレン含有量が40質量%未満であると機械特性、耐熱性の低下が顕著になり、70質量%を超えるとゴム弾性の低下が顕著になると同時に柔軟性を失う。
好ましいエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)としては、例えば、Nordel IP 4520(EPDM、Dupont Dow Elastomers社製)が挙げられる。
好ましいエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)としては、例えば、Nordel IP 4520(EPDM、Dupont Dow Elastomers社製)が挙げられる。
高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物においては、(d−3)は必須成分であり、必要に応じて、水添ブロック共重合体(d−1)と非芳香族系ゴム用軟化剤(d−2)との組成物の状態で用いられ、その場合の組成割合は、(d−3)の組成が60質量部以下が熱可塑性を保持するに好ましく、50質量部以下ならより好ましい。また非芳香族系ゴム用軟化剤(d−2)のブリードアウトを防ぐことも考慮して配合比を決める必要がある。具体的には、2(d−1)+1.5(d−3)>(d−2)が好ましく、より好ましくは1.5(d−1)+(d−3)>(d−2)である。式の範囲を外れると成形品表面への軟化剤のブリードアウトが非常に起こり易くなる。また引張強度も規格割れになり易い。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物におけるエラストマー組成物(D)の配合量は、高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する組成物にあっては、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、5〜90質量部、好ましくは30〜75質量部である。5質量部未満では硬いものになり、90質量部を越えると成形品に外観荒れが起こり易い。
また、高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物においては、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、94質量部以下、好ましくは60質量部以下である。94質量部を超えると成形品に外観荒れが起こり易い。
また、高膨潤油に対する耐性を特に必要としない組成物においては、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、94質量部以下、好ましくは60質量部以下である。94質量部を超えると成形品に外観荒れが起こり易い。
(E)酸変性ポリオレフィン
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物においては、必要に応じて、酸変性ポリオレフィン(E)を配合することができる。酸変性ポリオレフィンは、柔軟性と引張強度のバランスを向上させる機能を果たす。
酸変性ポリオレフィンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン(ブロックまたはランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体等のポリオレフィン系樹脂、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、ブタジエンのブロック共重合体を水素添加して得られる結晶性エチレンブロックと非晶性エチレン−ブテンブロックを有するブロック共重合体(CEBC)、ブタジエンのブロック共重合体を水素添加して得られる結晶性エチレンブロックと非晶性エチレン−ブテンブロックとスチレンブロックを有するブロック共重合体(SEBC)などポリオレフィン構造ブロックを有するブロック共重合体を不飽和カルボン酸またはその無水物等の酸で変性したものを挙げることができる。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物においては、必要に応じて、酸変性ポリオレフィン(E)を配合することができる。酸変性ポリオレフィンは、柔軟性と引張強度のバランスを向上させる機能を果たす。
酸変性ポリオレフィンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン(ブロックまたはランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体等のポリオレフィン系樹脂、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、ブタジエンのブロック共重合体を水素添加して得られる結晶性エチレンブロックと非晶性エチレン−ブテンブロックを有するブロック共重合体(CEBC)、ブタジエンのブロック共重合体を水素添加して得られる結晶性エチレンブロックと非晶性エチレン−ブテンブロックとスチレンブロックを有するブロック共重合体(SEBC)などポリオレフィン構造ブロックを有するブロック共重合体を不飽和カルボン酸またはその無水物等の酸で変性したものを挙げることができる。
不飽和カルボン酸またはその無水物等による酸変性とは、不飽和カルボン酸またはその無水物等をポリオレフィン系樹脂やポリオレフィン構造ブロックを有するブロック共重合体に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるものであり、特に、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
これらの中では、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィン樹脂、アクリル酸および/又はメタクリル酸で変性されたポリオレフィン樹脂が好ましい。
具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロックまたはランダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げられ、アクリル酸および/又はメタクリル酸で変性されたポリオレフィン樹脂としては、アクリル酸および/又はメタクリル酸グラフト変性ポリプロピレン、アクリル酸および/又はメタクリル酸グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体、アクリル酸および/又はメタクリル酸グラフト変性ポリエチレン等を挙げることができる。
なお、上記変性ポリオレフィンにおける、不飽和カルボン酸またはその無水物のグラフト率は、通常3〜15質量%である。
無水マレイン酸変性ポリオレフィンとしては、アドマー(製造者:三井化学)、アクリル酸および/又はメタクリル酸変性ポリオレフィン樹脂としては、ポリボンド(製造者:ユニロイヤル)等が市販されている。
また、上記ポリオレフィン構造ブロックを有するブロック共重合体を不飽和カルボン酸またはその無水物等の酸で変性したものの例としては(例えばダイナロン4630P(酸変性SEBC)等)が挙げられる。
これらの中では、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィン樹脂、アクリル酸および/又はメタクリル酸で変性されたポリオレフィン樹脂が好ましい。
具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロックまたはランダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げられ、アクリル酸および/又はメタクリル酸で変性されたポリオレフィン樹脂としては、アクリル酸および/又はメタクリル酸グラフト変性ポリプロピレン、アクリル酸および/又はメタクリル酸グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体、アクリル酸および/又はメタクリル酸グラフト変性ポリエチレン等を挙げることができる。
なお、上記変性ポリオレフィンにおける、不飽和カルボン酸またはその無水物のグラフト率は、通常3〜15質量%である。
無水マレイン酸変性ポリオレフィンとしては、アドマー(製造者:三井化学)、アクリル酸および/又はメタクリル酸変性ポリオレフィン樹脂としては、ポリボンド(製造者:ユニロイヤル)等が市販されている。
また、上記ポリオレフィン構造ブロックを有するブロック共重合体を不飽和カルボン酸またはその無水物等の酸で変性したものの例としては(例えばダイナロン4630P(酸変性SEBC)等)が挙げられる。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物における酸変性ポリオレフィン(E)の配合量は、添加する場合は、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、15質量部以下であり、好ましくは2〜10質量部である。配合量が15質量部を超えると、組成物が硬いものになり、熱可塑性も不充分になり易い。また耐油性と柔軟性とを高い次元で両立させるという本発明の目的から、酸変性量の多く、低硬度なものが好ましい。
(F)金属水和物
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物に用いる金属水和物は、無機系難燃剤として配合されるものであって、特に限定はしないが、例えば、ハイドロマグネサイト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する化合物を単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。これらは、単独でも2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、難燃性の面、及び熱分解開始温度と組成物の製造温度や成形温度との関係から水酸化マグネシウムが好ましい。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物に用いる金属水和物は、無機系難燃剤として配合されるものであって、特に限定はしないが、例えば、ハイドロマグネサイト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する化合物を単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。これらは、単独でも2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、難燃性の面、及び熱分解開始温度と組成物の製造温度や成形温度との関係から水酸化マグネシウムが好ましい。
また、金属水和物は樹脂との親和性を増すために表面処理剤で処理したものを用いるのが好ましい。表面処理処理剤としては、シラン化合物(シランカップリング剤)、脂肪酸、リン酸エステル等を用いることが出来る。本発明で用いる金属水和物は、2種以上の表面処理剤、例えば、シランカップリング剤と脂肪酸の両方で処理しても良いし、一部無処理や脂肪酸、その他の表面処理で施された金属水和物を併用しても良い。
ここで、表面処理剤として使用される脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸等の飽和及び不飽和の脂肪酸が挙げられる。ステアリン酸で表面処理なされた水酸化マグネシウムとしては、具体的には、協和化学(株)製のキスマ5A(商品名)、(株)TMG製のファインマグMO−T(商品名)、神島化学(株)製のマグシーズN−4(商品名)等が市販されている。また、オレイン酸で表面処理された水酸化マグネシウムとしては、具体的には、協和化学(株)製のキスマ5B(商品名)、(株)TMG製のファインマグMO−L(商品名)等が市販されている。
また、表面処理剤として使用されるシランカップリング剤は、末端にビニル基、グリシジル基、アミノ基等のシランカップリング剤を使用するのが好ましい。具体的なシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤で表面処理なされた水酸化マグネシウムとしては、協和化学(株)製のキスマ5L(商品名)、キスマ5J(商品名)、キスマ5P(商品名)等が市販されている。
また、シランカップリング剤で表面処理された金属水和物は、乾式処理((1)無処理の金属水和物を混練り前にシランカップリング剤を直接予めドライブレンドする方法。(2)無処理の金属水和物を混練り前にアルコールなどで希釈したシランカップリング剤を予めドライブレンドする方法)したり、湿式処理(スラリー処理)を行ったり、また混練り時にシランカップリング剤をブレンドすることによっても得られる。無処理の水酸化マグネシウムは、キスマ5(協和化学(株))、マグシースNシリーズの無処理品(神島化学(株))等より提供されている。
また、シランカップリング剤で表面処理された金属水和物は、乾式処理((1)無処理の金属水和物を混練り前にシランカップリング剤を直接予めドライブレンドする方法。(2)無処理の金属水和物を混練り前にアルコールなどで希釈したシランカップリング剤を予めドライブレンドする方法)したり、湿式処理(スラリー処理)を行ったり、また混練り時にシランカップリング剤をブレンドすることによっても得られる。無処理の水酸化マグネシウムは、キスマ5(協和化学(株))、マグシースNシリーズの無処理品(神島化学(株))等より提供されている。
本発明の組成物における金属水和物(F)の配合量は、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、50〜300質量部であり、好ましくは60〜280質量部である。特に、垂直難燃性を確保するためには150〜280質量部が好ましい。配合量が300質量部を超えると、力学的強度が著しく低下し、耐湿熱性も著しく低下する。一方、50質量部未満であると、難燃性が十分でなくなる。
(G)有機過酸化物
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物において用いる有機過酸化物(G)成分は、ラジカルを発生せしめ、そのラジカルを連鎖的に反応させて、成分(B)、(C)、(D)、(E)を部分的に架橋せしめ、耐油性、耐熱性を向上させる働きをする。本発明においては、使用する原材料樹脂、溶融混練装置、及び溶融混練条件に合わせて任意の有機過酸化物を使用することができる。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物において用いる有機過酸化物(G)成分は、ラジカルを発生せしめ、そのラジカルを連鎖的に反応させて、成分(B)、(C)、(D)、(E)を部分的に架橋せしめ、耐油性、耐熱性を向上させる働きをする。本発明においては、使用する原材料樹脂、溶融混練装置、及び溶融混練条件に合わせて任意の有機過酸化物を使用することができる。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3、3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド等を挙げることができる。これらのうちで、臭気性、着色性、スコーチ安全性の観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が特に好ましい。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物における有機過酸化物(G)の配合量は、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、0.001〜2質量部であり、好ましくは0.01〜1質量部である。配合量が2質量部を超えると、架橋が進み過ぎる。一方、0.001質量部未満では、架橋を十分達成できない。
(H)架橋助剤
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、架橋助剤(H)成分を用いることができる。架橋助剤は、有機過酸化物の配合に際し用いることができ、これにより均一かつ効率的な架橋反応を行うことができる。
架橋助剤としては、例えば、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールの繰り返し単位数が9〜14のポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレートのような多官能性メタクリレート化合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレートのような多官能性アクリレート化合物、ビニルブチラート又はビニルステアレートのような多官能性ビニル化合物を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いても良い。上記の架橋助剤のうち、多官能性アクリレート化合物または多官能性メタクリレート化合物が好ましく、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートが特に好ましい。これらの化合物は、取扱いが容易であると共に、有機パーオキサイド可溶化作用を有し、有機パーオキサイドの分散助剤として働くため、架橋を均一かつ効果的にすることができる。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、架橋助剤(H)成分を用いることができる。架橋助剤は、有機過酸化物の配合に際し用いることができ、これにより均一かつ効率的な架橋反応を行うことができる。
架橋助剤としては、例えば、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールの繰り返し単位数が9〜14のポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレートのような多官能性メタクリレート化合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレートのような多官能性アクリレート化合物、ビニルブチラート又はビニルステアレートのような多官能性ビニル化合物を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いても良い。上記の架橋助剤のうち、多官能性アクリレート化合物または多官能性メタクリレート化合物が好ましく、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートが特に好ましい。これらの化合物は、取扱いが容易であると共に、有機パーオキサイド可溶化作用を有し、有機パーオキサイドの分散助剤として働くため、架橋を均一かつ効果的にすることができる。
本発明の組成物における架橋助剤(H)の配合量は、添加する場合は、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、0.001〜4質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜2質量部である。前記下限値未満では、架橋反応が充分でない。一方、前記上限値を超えると架橋が進みすぎて、架橋物の分散が悪くなる。また、架橋助剤の配合量は、有機過酸化物配合量の1.5〜4倍という割合が好ましい。
(I)非ハロゲン系親水性官能基含有エラストマー
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、非ハロゲン系親水性官能基含有エラストマー(I)成分を用いることができる。非ハロゲン系親水性官能基含有エラストマーは、主として、柔軟性と引張り強度とのバランスを向上させる機能を果たす。
非ハロゲン系親水性官能基含有エラストマー(I)成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エラストマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系エラストマー、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体系エラストマー等が挙げられる。市場で入手可能な非ハロゲン系親水性官能基含有エラストマーとしては、ベイマック(三井デュポンポリケミカル社製、アクリル酸メチル−エチレン共重合体系のエラストマー(未加硫ゴム))、レバプレン(バイエル社製、酢酸ビニル−エチレン共重合体系のエラストマー(未加硫ゴム))が挙げられる。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、非ハロゲン系親水性官能基含有エラストマー(I)成分を用いることができる。非ハロゲン系親水性官能基含有エラストマーは、主として、柔軟性と引張り強度とのバランスを向上させる機能を果たす。
非ハロゲン系親水性官能基含有エラストマー(I)成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エラストマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系エラストマー、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体系エラストマー等が挙げられる。市場で入手可能な非ハロゲン系親水性官能基含有エラストマーとしては、ベイマック(三井デュポンポリケミカル社製、アクリル酸メチル−エチレン共重合体系のエラストマー(未加硫ゴム))、レバプレン(バイエル社製、酢酸ビニル−エチレン共重合体系のエラストマー(未加硫ゴム))が挙げられる。
本発明の組成物における非ハロゲン系親水性官能基含有エラストマー(I)の配合量は、添加する場合は、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、60質量部以下が好ましい。配合量が60質量部を超えると熱可塑性を保持することが困難になり、成形品にゲル、ブツなどの外観不良を引き起こし易い。
(J)難燃性向上剤
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、難燃効果を高めるために、難燃性向上剤(J)を配合することができる。難燃性向上剤(J)としては、例えば、メラミンシアヌレート、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛等を挙げることができる。
本発明で用いることのできるメラミンシアヌレート化合物としては、例えば、MCA−0、MCA−1(いずれも商品名、三菱化学社製)や、Chemie Linz Gmbh社より上市されているものがある。また脂肪酸で表面処理したメラミンシアヌレート化合物、シラン表面処理したメラミンシアヌレート化合物としては、MC610、MC640(いずれも商品名、日産化学社製)などがある。
メラミンシアヌレートの配合量は、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、60質量部以下に制限される。この量が60質量部を超えると力学的強度が著しく低下する。
ホウ酸亜鉛としては、平均粒子径が5ミクロン以下、特に好ましくは3ミクロン程度のものが好ましい。ホウ酸亜鉛としては市販品を用いることができ、例えば、アルカネックスFRC−500(2ZnO/3B2O3・3.5H2O)、FRC−600(商品名、販売元 水澤化学)などを挙げることができる。
またスズ酸亜鉛としては、スズ酸亜鉛(ZnSnO3)、水和物を有するヒドロキシスズ酸亜鉛(ZnSn(OH)6)が好ましく、商品名アルカネックスZS、アルカネックスZHS(販売元 水澤化学)などの市販品を用いることができる。ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛は平均粒子径が5ミクロン以下、特に好ましくは3ミクロン程度が好ましい。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、難燃効果を高めるために、難燃性向上剤(J)を配合することができる。難燃性向上剤(J)としては、例えば、メラミンシアヌレート、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛等を挙げることができる。
本発明で用いることのできるメラミンシアヌレート化合物としては、例えば、MCA−0、MCA−1(いずれも商品名、三菱化学社製)や、Chemie Linz Gmbh社より上市されているものがある。また脂肪酸で表面処理したメラミンシアヌレート化合物、シラン表面処理したメラミンシアヌレート化合物としては、MC610、MC640(いずれも商品名、日産化学社製)などがある。
メラミンシアヌレートの配合量は、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対して、60質量部以下に制限される。この量が60質量部を超えると力学的強度が著しく低下する。
ホウ酸亜鉛としては、平均粒子径が5ミクロン以下、特に好ましくは3ミクロン程度のものが好ましい。ホウ酸亜鉛としては市販品を用いることができ、例えば、アルカネックスFRC−500(2ZnO/3B2O3・3.5H2O)、FRC−600(商品名、販売元 水澤化学)などを挙げることができる。
またスズ酸亜鉛としては、スズ酸亜鉛(ZnSnO3)、水和物を有するヒドロキシスズ酸亜鉛(ZnSn(OH)6)が好ましく、商品名アルカネックスZS、アルカネックスZHS(販売元 水澤化学)などの市販品を用いることができる。ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛は平均粒子径が5ミクロン以下、特に好ましくは3ミクロン程度が好ましい。
なお、金属水和物と共に、カーボンブラック、赤リン、アクリルファイバー等を難燃助剤として合成樹脂類に配合して難燃性を改良する試みも提案されてきているが、下記の理由で本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物においては、使用しない方が好ましい。
すなわち、カーボンブラックの難燃助剤効果については、例えば、特公昭57−10898号公報、アクリルファイバーの難燃助剤効果については、例えば、特公平2−265969号公報に示されているが、いずれも難燃助剤効果は小さいものであった。また、難燃助剤として赤リンを用いると、分子構造中に酸素原子を含む合成樹脂類に対しては難燃性発現相乗効果を示すが、例えば、特開昭50−148447号公報で示されるように、無機系難燃剤の他に難燃効果を示す赤リンが添加され、無機系難燃剤の添加量が低減された難燃性樹脂組成物が提案されているが、充分な難燃性を得るには多量の赤リンが添加される必要があり、そのために得られる成形品の機械的強度が著しく低下するという欠点がある。
さらに、赤リンは、分子構造中に酸素原子を含まない合成樹脂類に対しては難燃性発現効果が不十分であり、充分な難燃性を得るためには、赤燐よりも金属水和物の配合量を多くする必要があり、それに伴って機械強度の低下が大きくなるという問題点を有している。
さらにまた、赤リンを添加した場合、組成物が吸湿しやすく押出加工性が低くなるうえ、鮮明な着色が困難になるという難点があり、さらに、加工時や火災時の熱で有害なホスフィンを発生するおそれがあり、最近は、赤リンは、消防法危険物第二類に指定されており、環境問題と組成物の溶融混練時の安全性からハロゲンに加え、この赤リンも非含有とする要望が高まっている。
すなわち、カーボンブラックの難燃助剤効果については、例えば、特公昭57−10898号公報、アクリルファイバーの難燃助剤効果については、例えば、特公平2−265969号公報に示されているが、いずれも難燃助剤効果は小さいものであった。また、難燃助剤として赤リンを用いると、分子構造中に酸素原子を含む合成樹脂類に対しては難燃性発現相乗効果を示すが、例えば、特開昭50−148447号公報で示されるように、無機系難燃剤の他に難燃効果を示す赤リンが添加され、無機系難燃剤の添加量が低減された難燃性樹脂組成物が提案されているが、充分な難燃性を得るには多量の赤リンが添加される必要があり、そのために得られる成形品の機械的強度が著しく低下するという欠点がある。
さらに、赤リンは、分子構造中に酸素原子を含まない合成樹脂類に対しては難燃性発現効果が不十分であり、充分な難燃性を得るためには、赤燐よりも金属水和物の配合量を多くする必要があり、それに伴って機械強度の低下が大きくなるという問題点を有している。
さらにまた、赤リンを添加した場合、組成物が吸湿しやすく押出加工性が低くなるうえ、鮮明な着色が困難になるという難点があり、さらに、加工時や火災時の熱で有害なホスフィンを発生するおそれがあり、最近は、赤リンは、消防法危険物第二類に指定されており、環境問題と組成物の溶融混練時の安全性からハロゲンに加え、この赤リンも非含有とする要望が高まっている。
(K)その他の成分
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、さらに必要に応じて、リン系、フェノール系、硫黄系など各種の酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤など各種の耐候剤、銅害防止剤、変性シリコンオイル、シリコンオイル、ワックス、酸アミド、脂肪酸、脂肪酸金属塩など各種の滑剤、芳香族リン酸金属塩系、ゲルオール系など各種の造核剤、グリセリン脂肪酸エステル系、芳香族系パラフィンオイル、フタル酸系、エステル系など各種の可塑剤、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルクなど各種のフィラー、各種の着色剤などの添加剤等を使用することができる。なお成形品表面にブリードアウトするなどのトラブルを防止するため、本発明の熱可塑性樹脂組成物との相容性の高いものが好ましい。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、さらに必要に応じて、リン系、フェノール系、硫黄系など各種の酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤など各種の耐候剤、銅害防止剤、変性シリコンオイル、シリコンオイル、ワックス、酸アミド、脂肪酸、脂肪酸金属塩など各種の滑剤、芳香族リン酸金属塩系、ゲルオール系など各種の造核剤、グリセリン脂肪酸エステル系、芳香族系パラフィンオイル、フタル酸系、エステル系など各種の可塑剤、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルクなど各種のフィラー、各種の着色剤などの添加剤等を使用することができる。なお成形品表面にブリードアウトするなどのトラブルを防止するため、本発明の熱可塑性樹脂組成物との相容性の高いものが好ましい。
3.非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物の製造
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物は、上記(A)〜(K)成分等を加えて、各成分を同時にあるいは任意の順に加えて溶融混練することにより製造することができる。
本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物は、上記(A)〜(K)成分等を加えて、各成分を同時にあるいは任意の順に加えて溶融混練することにより製造することができる。
溶融混練の方法は、特に制限はなく、通常公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー等を使用し得る。例えば、適度なL/Dの二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いることにより、上記操作を連続して行うこともできる。ここで、溶融混練の温度は、好ましくは150〜240℃である。
また有機過酸化物を使用する場合には架橋反応を完全に終了させる(過酸化物を完全に分解させる)ため、少なくとも使用する過酸化物の1分半減期温度以上、好ましくは1分半減期温度+5℃以上であり、かつ樹脂劣化の起こらないような温度(具体的には240℃以下)が好ましい
また有機過酸化物を使用する場合には架橋反応を完全に終了させる(過酸化物を完全に分解させる)ため、少なくとも使用する過酸化物の1分半減期温度以上、好ましくは1分半減期温度+5℃以上であり、かつ樹脂劣化の起こらないような温度(具体的には240℃以下)が好ましい
本発明を以下の実施例、比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性の測定法及び試料を以下に示す。
1.物性測定方法及び製造性評価方法
(1)比重:JIS K 7112に準拠し、測定を行なった。
(2)硬度:JIS K 7215に準拠し、試験片は6.3mm厚プレスシートを用いた。
(3)MFR:ASTM−D1238に準拠して測定した。
(4)引張最大応力、引張最大伸び、100%伸び時の応力:JIS K 6723に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、2号ダンベル型試験片に打抜いて使用した。引張速度は200mm/分とした(室温)。
(5)加熱処理後の引張最大応力残率、引張最大伸び残率:JIS K 6723に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、2号ダンベル型試験片に打抜いて使用した。100℃×48時間の加熱処理を行った後に引張速度200mm/分で引張試験を行った。
(6)油浸漬後の引張最大応力残率、引張最大伸び残率:JIS K 6723に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、2号ダンベル型試験片に打抜いて使用した。IRM#902号油、又はJIS1種2号絶縁油に、70℃×4時間の浸漬処理を行った後、引張速度200mm/分で引張試験を行った。
(7)油浸漬後の質量膨潤率(%):ASTM D471に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、2号ダンベル型試験片に打抜いて使用した。IRM#902号油、又はJIS1種2号絶縁油に、70℃×4時間の浸漬処理を行った後、サンプルの質量変化率を求めた。
(8)加熱変形:JIS K 6723に準拠し、恒温槽温度120℃、荷重1000g、1時間処理し、測定を行なった。
(1)比重:JIS K 7112に準拠し、測定を行なった。
(2)硬度:JIS K 7215に準拠し、試験片は6.3mm厚プレスシートを用いた。
(3)MFR:ASTM−D1238に準拠して測定した。
(4)引張最大応力、引張最大伸び、100%伸び時の応力:JIS K 6723に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、2号ダンベル型試験片に打抜いて使用した。引張速度は200mm/分とした(室温)。
(5)加熱処理後の引張最大応力残率、引張最大伸び残率:JIS K 6723に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、2号ダンベル型試験片に打抜いて使用した。100℃×48時間の加熱処理を行った後に引張速度200mm/分で引張試験を行った。
(6)油浸漬後の引張最大応力残率、引張最大伸び残率:JIS K 6723に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、2号ダンベル型試験片に打抜いて使用した。IRM#902号油、又はJIS1種2号絶縁油に、70℃×4時間の浸漬処理を行った後、引張速度200mm/分で引張試験を行った。
(7)油浸漬後の質量膨潤率(%):ASTM D471に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、2号ダンベル型試験片に打抜いて使用した。IRM#902号油、又はJIS1種2号絶縁油に、70℃×4時間の浸漬処理を行った後、サンプルの質量変化率を求めた。
(8)加熱変形:JIS K 6723に準拠し、恒温槽温度120℃、荷重1000g、1時間処理し、測定を行なった。
2.実施例及び比較例において用いた試料
(A)結晶性プロピレン系ランダム共重合体(RPP):F−794NV(出光石油化学社製)、MFR5g/10分、Tm130℃
(B−1)エチレン・ヘキセン−1共重合体(MeLLD918):KF280(日本ポリケム社製)、密度918Kg/m3、MFR2.0g/10分、70℃結晶化度指数93J/g
(B−2)エチレン・ヘキセン−1共重合体(MeLLD898):KF360(日本ポリケム社製)、密度898Kg/m3、MFR3.5g/10分、70℃結晶化度指数53J/g
(B−3)エチレン・ヘキセン−1共重合体(MeLLD880):KS240(日本ポリケム社製)、密度880Kg/m3、MFR2.2g/10分、70℃結晶化度指数9J/g
(C)1,2−シンジオタクチックポリブタジエン(1−2sPB):RB810(JSR社製)、
(D:d−1)水添ブロック共重合体成分(SEEPS):セプトン4077(クラレ株式会社製)、スチレン含有量:30質量%、数平均分子量:260,000、重量平均分子量:320,000、分子量分布:1.23、水素添加率:90%以上
(D:d−2)パラフィンオイル(Oil):ダイアナプロセスオイル PW−90(出光興産株式会社製)
(D:d−3−1)エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM):Nordel4520(デュポンダウエラストマージャパン製)、ENB含有量4.9質量%、エチレン含有量50質量%
(D:d−3−2)エチレン−プロピレンゴム(EPR):EP02P(ジェイエスアール製)、エチレン含有量71質量%
(E)無水マレイン酸変性ポリエチレン(MAH−PE):アドマーSF731(三井化学製)
(F−1)シランカップリング処理水酸化マグネシウム(Si処理Mg(OH)2):キスマ5L(協和化学製)
(F−2)脂肪酸被覆処理水酸化マグネシウム(脂肪酸処理Mg(OH)2):キスマ5A(協和化学製)
(G−1)有機過酸化物−1(Peroxid−1):パーヘキサTMH(1,1−Bis(t−hexylperoxy)−3,3,5−trimethylcyclohexane、日本油脂株式会社製)、1分半減期温度147℃
(G−2)有機過酸化物−2(Peroxid−2):パーヘキサ25B(2,5−ジメチル2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、日本油脂株式会社製)、1分半減期温度179℃
(H)架橋助剤:NKエステルIND(新中村化学製)
(A)結晶性プロピレン系ランダム共重合体(RPP):F−794NV(出光石油化学社製)、MFR5g/10分、Tm130℃
(B−1)エチレン・ヘキセン−1共重合体(MeLLD918):KF280(日本ポリケム社製)、密度918Kg/m3、MFR2.0g/10分、70℃結晶化度指数93J/g
(B−2)エチレン・ヘキセン−1共重合体(MeLLD898):KF360(日本ポリケム社製)、密度898Kg/m3、MFR3.5g/10分、70℃結晶化度指数53J/g
(B−3)エチレン・ヘキセン−1共重合体(MeLLD880):KS240(日本ポリケム社製)、密度880Kg/m3、MFR2.2g/10分、70℃結晶化度指数9J/g
(C)1,2−シンジオタクチックポリブタジエン(1−2sPB):RB810(JSR社製)、
(D:d−1)水添ブロック共重合体成分(SEEPS):セプトン4077(クラレ株式会社製)、スチレン含有量:30質量%、数平均分子量:260,000、重量平均分子量:320,000、分子量分布:1.23、水素添加率:90%以上
(D:d−2)パラフィンオイル(Oil):ダイアナプロセスオイル PW−90(出光興産株式会社製)
(D:d−3−1)エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM):Nordel4520(デュポンダウエラストマージャパン製)、ENB含有量4.9質量%、エチレン含有量50質量%
(D:d−3−2)エチレン−プロピレンゴム(EPR):EP02P(ジェイエスアール製)、エチレン含有量71質量%
(E)無水マレイン酸変性ポリエチレン(MAH−PE):アドマーSF731(三井化学製)
(F−1)シランカップリング処理水酸化マグネシウム(Si処理Mg(OH)2):キスマ5L(協和化学製)
(F−2)脂肪酸被覆処理水酸化マグネシウム(脂肪酸処理Mg(OH)2):キスマ5A(協和化学製)
(G−1)有機過酸化物−1(Peroxid−1):パーヘキサTMH(1,1−Bis(t−hexylperoxy)−3,3,5−trimethylcyclohexane、日本油脂株式会社製)、1分半減期温度147℃
(G−2)有機過酸化物−2(Peroxid−2):パーヘキサ25B(2,5−ジメチル2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、日本油脂株式会社製)、1分半減期温度179℃
(H)架橋助剤:NKエステルIND(新中村化学製)
実施例1〜7、比較例1〜4
表1及び2に示す量の各成分を用い、室温ですべての成分をドライブレンドし、モリヤマ社製の20L加圧ニーダーを用いて、溶融混練して動的架橋を行い、排出し樹脂組成物を得た。次に、得られた樹脂組成物を、ナカタニ社製の二軸押出機を用いニーダー排出時温度相当のダイス温度でホットカット方式の造粒を行い、得られたペレットをロールによりシート化し、さらにそれを熱プレスして試験片を作成し、夫々の試験に供した。評価結果を表1及び2に示す。
表1及び2に示す量の各成分を用い、室温ですべての成分をドライブレンドし、モリヤマ社製の20L加圧ニーダーを用いて、溶融混練して動的架橋を行い、排出し樹脂組成物を得た。次に、得られた樹脂組成物を、ナカタニ社製の二軸押出機を用いニーダー排出時温度相当のダイス温度でホットカット方式の造粒を行い、得られたペレットをロールによりシート化し、さらにそれを熱プレスして試験片を作成し、夫々の試験に供した。評価結果を表1及び2に示す。
表1及び表2より明らかなように、実施例1〜7は、本発明の非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物であり、ポリ塩化ビニル樹脂を電線被覆材料とする難燃性規格値を満足し、さらに柔軟性と高難燃性のバランスに優れ、高膨潤油に対する耐性に優れている。
一方、高膨潤油に対する耐性を保持する性能を有する組成物にあっては、有機過酸化物を用いないと引張特性における引張最大応力及びJIS1種2号絶縁油の耐油性における引張最大応力残率に劣り(比較例1)、過酸化物架橋型エラストマーを含まずJIS1種2号絶縁油の耐油性を維持する場合、結晶性プロピレン系重合体やエチレン系重合体が多くなり、36G+40<(ショアA硬度)となる(比較例2)。また、高膨潤油に耐性を特に必要としない組成物にあっては、非ハロゲン系未架橋ゴムを用いないと36G+40<(ショアA硬度)となり(比較例3)、70℃結晶化度指数の低い結晶性エチレン系重合体を用いるとASTM D471の耐油性における引張最大応力残率に劣る(比較例4)。
Claims (1)
- 下記の物性(i)〜(vi)を満たすとともに、下記(A)〜(G)成分を含有することを特徴とする非ハロゲン系熱可塑性樹脂組成物。
(A)結晶性プロピレン系重合体1〜20質量部、
(B)DSC融解曲線の70℃以上における融解熱量が40J/g〜150J/gである結晶性エチレン系重合体5〜50質量部、
(C)過酸化物架橋型エラストマー0〜15質量部、
(D)非ハロゲン系未架橋ゴム(d−3)を少なくとも1〜94質量部含み、その他成分として芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体(d−1)0〜93質量部と非芳香族ゴム用軟化剤(d−2)0〜93質量部とからなる柔軟性付与エラストマー組成物1〜94質量部、
(E)酸変性ポリオレフィン0〜15質量部、
(F)金属水和物50〜300質量部、及び
(G)有機過酸化物0.001〜2質量部
(ただし、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部であり、(F)及び(G)は、それぞれ(A)+(B)+(C)+(D)+(E)=100質量部に対する値である。)
(i)引張最大応力が10MPa以上、かつ引張最大伸びが120%以上
(ii)100℃、48時間熱老化後の引張最大応力残率が85%以上、かつ引張最大伸び残率が80%以上
(iii)ASTM D471に規定されたIRM#902試験油による70℃、4時間後の引張最大応力残率が80%以上、かつ引張最大伸び残率が60%以上
(iv)JIS K 6723に準拠し、恒温槽温度120℃、荷重1000g、1時間処理後の加熱変形率が50%以下
(v)比重(G)とShoreA硬度(A)との関係が次式(1)を満たす
A≦36G+40 …(1)
(vi)JIS C3005に規定される60度傾斜難燃性を有する
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- 2007-07-20 JP JP2007189774A patent/JP2007262427A/ja not_active Withdrawn
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