JP6952070B2 - 電線・ケーブルの製造方法 - Google Patents

電線・ケーブルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6952070B2
JP6952070B2 JP2019051598A JP2019051598A JP6952070B2 JP 6952070 B2 JP6952070 B2 JP 6952070B2 JP 2019051598 A JP2019051598 A JP 2019051598A JP 2019051598 A JP2019051598 A JP 2019051598A JP 6952070 B2 JP6952070 B2 JP 6952070B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
resin
ethylene
meth
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019051598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020155282A (ja
Inventor
西口 雅己
雅己 西口
崇範 山▲崎▼
崇範 山▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2019051598A priority Critical patent/JP6952070B2/ja
Publication of JP2020155282A publication Critical patent/JP2020155282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6952070B2 publication Critical patent/JP6952070B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、電線・ケーブルの製造方法に関し、特に、耐熱性、耐摩耗性、強度に優れた電線・ケーブルの製造方法に関するものである。
電気、電子機器の内部及び外部配線に使用される絶縁電線、ケーブル、コード及び光ファイバ心線、光ファイバコード(以下、まとめて電線・ケーブルという。)には、難燃性、耐熱性、機械特性(例えば、引張特性、耐摩耗性)など種々の特性が要求されている。そのため、電線・ケーブルにこれらの特性を持たせるために、電線・ケーブルの配線材には、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラーを多量に配合した樹脂組成物が使用される場合がある。
また、電気、電子機器に使用される配線材は、連続使用の状態で80〜105℃、さらには125℃程度にまで昇温することがあり、これに対する耐熱性が要求される場合もある。このような場合、配線材に高耐熱性を付与することを目的として、被覆材料を架橋する方法が採られている。
従来から、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン樹脂を架橋する方法として、電子線を照射して架橋させる電子線架橋法、成形後に熱を加えることにより有機過酸化物などを分解させて架橋反応させる化学架橋法、シラン架橋法などが知られている。これらの架橋法の中でも特にシラン架橋法は特殊な設備を要しないことが多いため、幅広い分野で使用することができる。
シラン架橋法は、一般に、有機過酸化物の存在下で不飽和基を有するシランカップリング剤をポリマーにグラフト反応させてシラングラフトポリマーを得た後に、シラノール縮合触媒の存在下で水分と接触させることにより架橋成形体を得る方法である。
具体的には、例えば、ハロゲンフリーの耐熱性シラン架橋樹脂の製造方法として、ポリオレフィン樹脂に不飽和基を有するシランカップリング剤をグラフトさせたシランマスターバッチと、ポリオレフィン及び無機フィラーを混練した耐熱性マスターバッチと、シラノール縮合触媒を含有した触媒マスターバッチとを溶融混合させる方法がある。
このような方法において、高難燃化、高耐熱化し、また優れた強度や耐摩耗性、補強性を得るには、無機フィラーを多量に用いるのが効果的である。しかし、ポリオレフィン100質量部に対して100質量部を超える割合の無機フィラーを用いると、単軸押出機又は二軸押出機では均一に溶融混練しにくくなることがある。
したがって、多量の無機フィラーを用いる場合には、連続混練機、加圧式ニーダー、バンバリーミキサーなどの密閉型ミキサーを用いるのが一般的になっている。
ところが、ニーダー又はバンバリーミキサーでシラングラフトを行う場合には、不飽和基を有するシランカップリング剤は一般に揮発性が高く、ポリオレフィンとグラフト反応する前に揮発してしまうことが多い。シランカップリング剤の揮発を抑えることができないと、揮発せずに残った有機過酸化物がポリオレフィン同士を架橋させてしまうため外観不良が生じたり、シランカップリング剤の揮発で架橋が少なくなり耐熱性にも劣る傾向がある。
そこで、バンバリーミキサー又はニーダーを用いてもシランカップリング剤の揮発を抑えてポリオレフィンとグラフト反応させる方法が提案されている。
例えば、ポリオレフィン及び無機フィラーとしての難燃剤を溶融混合した耐熱性マスターバッチに、不飽和基を有するシランカップリング剤と有機過酸化物を加え、単軸押出機にてグラフト重合させる方法が考えられる。
また、特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂にシランカップリング剤で表面処理した無機フィラー、シランカップリング剤、有機過酸化物、架橋触媒をニーダーにて十分に溶融混練した後に、単軸押出機にて成形する方法が提案されている。
しかし、耐熱性マスターバッチに不飽和基を有するシランカップリング剤と有機過酸化物を加えて単軸押出機にてグラフト重合させる方法では、無機フィラーとしての難燃剤の配合量を多くできるものの、成形体の外観不良を改善する余地があった。また、耐熱性マスターバッチの無機フィラーの配合量を非常に多くしなければならず押出負荷が非常に大きくなったり、製造が非常に難しくなったりして所望の材料や成形体を得ることができない。また、2工程となり、コスト面にも大きな課題があった。
また、特許文献1の方法では、シランカップリング剤の揮発を十分に抑えられないことがあった。
一方で特許文献2のごとく、ベース樹脂との混練り前や混練り時に、無機フィラー及びシランカップリング剤を混合することにより、混練り時のシランカップリング剤の揮発を抑えることができる。また、無機フィラーを大量に含有する、柔軟性が優れた耐熱性シラン架橋樹脂成形体を化学架橋機等の特殊な機械を使用することなく製造することができる技術がある。
また、特許文献3では、所定量の無機フィラーに対して、所定量の後添加にてのシランカップリング剤を混合することで、樹脂に対してシラングラフトするまでの間、後添加のシランカップリング剤と無機フィラーとの強い結合を抑えつつ、シランカップリング剤の揮発を効果的に抑えられ、また、シランカップリング剤同士の重合副反応が抑えられることにより、無機フィラー混合時における樹脂へのシランカップリング剤のグラフト反応が効果的に行われることにより、耐熱性や外観の優れたシラン架橋成形体が得られる手法が提案されている。
特開2014−196397号公報 国際公開第第2013/147148号 特開2018−66006号公報
しかし、特許文献3に記載された手法を用いても、優れた外観や高い耐熱性は得られるものの、高い耐摩耗性を要求される分野や電線・ケーブルの強度を求められる分野や被覆層が薄肉の電線・ケーブルの分野においては、高い強度や耐摩耗性の維持が困難であった。
本発明は、上記の問題点を解決し、外観が良好で耐熱性、高い耐摩耗性、高い強度を有する電線・ケーブルの製造方法を提供することを目的とする。
特許文献3の材料においては、耐熱性、難燃性、外観に優れていたものの、強度、耐摩耗性等は特許文献1、2に記載の難燃材料と比較して優れているものの、特筆するほど優れてはおらず、強度や高い耐摩耗性等が要求される分野に適用することが必ずしもできていなかった。
本発明者らは、シランマスターバッチと触媒マスターバッチ等を溶融混合して得られる混合物中に、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂やエチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体と、金属水和物とが含まれるように構成し、前三者の総含有率や、金属水和物の量を特定の範囲になるように設定することで、製造された電線・ケーブルの外観が良好になり、耐熱性や高い強度、高い耐摩耗性が得られることを見出した。本発明者らはこの知見に基づき、更に研究を重ね、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の課題は以下の手段によって達成された。
<1>ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、シランカップリング剤2〜15質量部と、無機フィラー20〜300質量部を含有し、アリル系架橋助剤を実質的に含まない樹脂組成物(A)と、シラノール縮合触媒樹脂組成物(B)との少なくとも2成分を溶融混合してなる混合物(C)を、導体及び/又は光ファイバの周りに成形する工程(α)と、成形物を水と接触させて架橋させる工程(β)と、を有する電線・ケーブルの製造方法において、
前記混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体の総含有量が20〜60質量%であり、かつ、前記混合物(C)中の樹脂成分100質量部に対して、金属水和物の量が20〜300質量部であり、
前記混合物(C)の樹脂成分中に、前記樹脂組成物(A)由来ではない不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体から選ばれる1種以上の樹脂が含有されていることを特徴とする電線・ケーブルの製造方法
<2>前記混合物(C)の樹脂成分100質量%中、前記1種以上の樹脂の含有量が15〜50質量%であることを特徴とする<>に記載の電線・ケーブルの製造方法。
>前記混合物(C)の樹脂成分100質量%中、前記樹脂組成物(A)由来ではないマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が10〜50質量%含有されていることを特徴とする<1>又は2>に記載の電線・ケーブルの製造方法。
>前記マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂のポリプロピレン樹脂が、ホモポリプロピレン又はブロックポリプロピレンであることを特徴とする<>に記載の電線・ケーブルの製造方法。
<5>ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、シランカップリング剤2〜15質量部と、無機フィラー20〜300質量部を含有し、アリル系架橋助剤を実質的に含まない樹脂組成物(A)と、シラノール縮合触媒樹脂組成物(B)との少なくとも2成分を溶融混合してなる混合物(C)を、導体及び/又は光ファイバの周りに成形する工程(α)と、成形物を水と接触させて架橋させる工程(β)と、を有する電線・ケーブルの製造方法において、
前記混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体の総含有量が20〜60質量%であり、かつ、前記混合物(C)中の樹脂成分100質量部に対して、金属水和物の量が20〜300質量部であり、
前記混合物(C)の樹脂成分100質量%中、前記樹脂組成物(A)由来ではないマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が10〜50質量%含有されていることを特徴とする電線・ケーブルの製造方法。
<6>前記マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂のポリプロピレン樹脂が、ホモポリプロピレン又はブロックポリプロピレンであることを特徴とする<5>に記載の電線・ケーブルの製造方法。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の電線・ケーブルの製造方法やその方法により製造された電線・ケーブルによれば、外観が良好で耐熱性、高い耐摩耗性、高い強度を有する電線・ケーブルを製造することが可能となる。
以下に本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
なお、以下では電線・ケーブルの製造方法について説明するが、以下は、その製造方法により製造された電線・ケーブルの説明にもなっている。
本発明の電線・ケーブルの製造方法は、少なくとも下記工程(α)、(β)を含む。
すなわち、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、シランカップリング剤2〜15質量部と、無機フィラー20〜300質量部を含有し、アリル系架橋助剤を実質的に含まない樹脂組成物(A)と、シラノール縮合触媒樹脂組成物(B)との少なくとも2成分を溶融混合してなる混合物(C)を、導体及び/又は光ファイバの周りに成形する工程(α)と、成形物を水と接触させて架橋させる工程(β)とを含む。
そして、工程(α)では、上記の混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体の総含有量が20〜60質量%であり、かつ、混合物(C)中の樹脂成分100質量部に対して、金属水和物の量が20〜300質量部であるように、樹脂組成物(A)とシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)との少なくとも2成分が混合される。
まず、本発明において用いる各成分について説明する。
なお、導体や光ファイバは公知のものを使用することが可能であり、説明を省略する。
本発明の樹脂組成物(A)には、上記のように少なくともポリオレフィン系樹脂と有機過酸化物とシランカップリング剤と無機フィラーとが含有される。
− 樹脂組成物(A) −
[ポリオレフィン系樹脂]
本発明のポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリルゴム、スチレン系エラストマーなどを指す。
(a)ポリプロピレン系樹脂
ポリプロピレン系樹脂として、プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)や、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などを使用することができる。
エチレン−プロピレンランダム共重合体はエチレン成分含量が1〜5質量%程度のものをいい、エチレン−プロピレンブロック共重合体はエチレン成分含量が5〜15質量%程度のものをいう。
混合するポリプロピレンのメルトフローレート(以下MFRと記す。ASTM‐D‐1238、L条件、230℃)は、好ましくは0.1〜60g/10分、より好ましくは0.1〜25g/10分、さらに好ましくは0.3〜15g/10分のものが用いられる。
ポリプロピレン系樹脂は、上記の混合物(C)中の樹脂成分100質量%中0〜45質量%が好ましく、さらに5〜40質量%がこのましい。また、樹脂組成物(A)中では樹脂成分100質量%中0〜25質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜20質量%である。
(b)エチレン−α−オレフィン共重合体
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、例えばエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンの具体例としては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体として、具体的には、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)、EPR(エチレンプロピレンゴム)、EBR(エチレン−1‐ブテンゴム)、及びメタロセン触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。この中でも、メタロセン触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は特に制限されないが、強度の点で、880kg/m以上が好ましく、さらに好ましくは900kg/m以上、さらに好ましくは910kg/m以上である。この密度の上限は938kg/mが好ましい。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体としては、MFR(ASTM D−1238)が0.5〜50g/10分のものが好ましい。
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体は、メタロセン触媒の存在下に合成されたものや通常の直鎖型低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレン等が挙げられるが、中でもメタロセン触媒の存在下に合成されるものが好ましい。その一例として、「カーネル」(商品名、日本ポリエチレン社製)、「エボリュー」(商品名、三井化学社製)、「タフマー」(商品名、三井化学社製)、「ユメリット」(商品名、宇部丸善石油化学社製)を挙げることができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体を配合することにより、製造された電線・ケーブルの耐熱特性を向上させることができる。
特にエチレン−α−オレフィン共重合体はシランマスターバッチである樹脂組成物(A)の樹脂成分に配合することが好ましい。配合量は上記の混合物(C)の樹脂成分100質量%中、10〜60質量%である。
(c)その他のエチレン系共重合体
本発明に用いるその他のエチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体などが挙げられる。エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体などが挙げられる。
具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体ではエバフレックス(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)、レバプレン(商品名、バイエル社製)などが、エチレン−メタクリル酸共重合体ではニュクレル(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)などが、エチレン−アクリル酸エチル共重合体ではエバルロイ(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよいが、難燃性及び機械的特性向上の点からはエチレン−酢酸ビニル共重合体の使用が好ましい。また、難燃性を向上させる上で、エチレンに対し共重合させた酸成分及び酸エステル成分を合わせた含有量(例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体では酢酸ビニル含有量、エチレン−アクリル酸エチル共重合体ではアクリル酸エチル含有量)が、15〜35質量%が好ましく、さらに好ましくは15〜30質量%である。また、エチレン系共重合体のMFRは、強度及び樹脂組成物の加工性の面から0.2〜20g/分、さらに好ましくは0.5〜10g/分である。
その他のエチレン共重合体はシランマスターバッチである樹脂組成物(A)の樹脂成分に配合することが好ましい。配合量は上記の混合物(C)の樹脂成分100質量%中、0〜40質量%である。
(d)アクリルゴム
本発明においては、その他のエチレン系共重合体の1つとしてアクリルゴムを使用することができる。
アクリルゴムは、単量体成分としてはアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルと各種官能基を有する単量体を少量共重合させて得られるゴム弾性体であり、共重合させる単量体としては、2−クロルエチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、アクリル酸、アクリロニトリル、ブタジエン等を適宜使用することができる。具体的には、Nipol AR(商品名、日本ゼオン社製)、JSR AR(商品名、JSR社製)等を使用することができる。
特に単量体成分としてはアクリル酸メチルを使用するのが好ましく、その場合には、エチレンとの2元共重合体や、これにさらにカルボキシル基を側鎖に有する不飽和炭化水素をモノマーとして共重合させた3元共重合体を特に好適に使用することができる。具体的には、2元共重合体の場合にはベイマックDやベイマックDP(商品名、いずれもデュポン社製)を、3元共重合体の場合にはベイマックG、ベイマックHG、ベイマックLS、ベイマックGLS(商品名、いずれもデュポン社製)を使用することができる。
アクリルゴム成分はシランマスターバッチである樹脂組成物(A)の樹脂成分に配合することが好ましい。
(e)スチレン系エラストマー
本発明のスチレン系エラストマーは、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック及びランダム構造を主体とする共重合体もしくはその水素添加物である。
芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどがあり、1種又は2種以上が選ばれ、中でもスチレンが好ましい。
また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどがあり、1種又は2種以上が選ばれ、中でもブタジエンが好ましい。
スチレン系エラストマーとして具体的には、例えば、セプトン4077、セプトン4055、セプトン8105(商品名、クラレ社製)、ダイナロン1320P(商品名、JSR社製)等が挙げられる。
スチレン系エラストマーの配合量は上記の混合物(C)の樹脂成分100質量%中、0〜35質量%であり、好ましくは5〜25質量%である。
一方、上記の樹脂の一部を鉱物性オイルに置き換えてもよい。
一般に、鉱物性オイルは、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン鎖の三者の組み合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系とよび、ナフテン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区別されている。
本発明の鉱物性オイルとしては、液状若しくは低分子量の合成軟化剤、又はパラフィン系及びナフテン系の鉱物油を用いることができる。
鉱物性オイルとして具体的には、ダイアナプロセスオイルPW90、PW380(商品名、シェル社製)等がある。
本発明において、鉱物性オイルは含有してもしなくてもよいが、含有させる場合には、含有量は樹脂組成物(A)の樹脂成分100質量%中0〜20質量%であり、好ましくは0〜10質量%である。
[有機過酸化物]
有機過酸化物としては、一般式:R1−OO−R2、R1−OO−C(=O)R3、R3C(=O)−OO(C=O)R4で表される化合物が好ましい。ここで、R1、R2、R3及びR4は各々独立にアルキル基、アリール基、アシル基を表す。このうち、本発明においては、R1、R2、R3及びR4がいずれもアルキル基であるか、いずれかがアルキル基で残りがアシル基であるものが好ましい。
このような有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド(DCP)、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイドなどを挙げることができる。これらのうち、臭気性、着色性、スコーチ安定性の点で、ジクミルパーオキサイド(DCP)、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
有機過酸化物の分解温度は、80〜195℃であるのが好ましく、125〜180℃であるのが特に好ましい。
本発明において、有機過酸化物の分解温度とは、単一組成の有機過酸化物を加熱したとき、ある一定の温度又は温度域でそれ自身が2種類以上の化合物に分解反応を起こす温度を意味し、示差走査熱量測定(DSC)法などの熱分析により、窒素ガス雰囲気下で5℃/分の昇温速度で、室温から加熱したとき、吸熱又は発熱を開始する温度をいう。
これらの有機過酸化物は、樹脂組成物(A)中のポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.02〜0.6質量部含有していることが必要である。
[シランカップリング剤]
シランカップリング剤として、不飽和基含有シランカップリング剤を用いることができる。
不飽和基含有シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、シラン架橋法に用いられる不飽和基を有する不飽和基含有シランカップリング剤を使用することができる。このような不飽和基含有シランカップリング剤としては、例えば、下記一般式(1)で表される不飽和基含有シランカップリング剤を好適に用いることができる。
Figure 0006952070
一般式(1)中、Ra11はエチレン性不飽和基を含有する基、Rb11は脂肪族炭化水素基若しくは水素原子又は後述のY13である。Y11、Y12及びY13は各々独立に加水分解する有機基である。Y11、Y12及びY13は互いに同じでも異なっていてもよい。
エチレン性不飽和基を含有する基Ra11は、例えば、ビニル基、末端に不飽和結合を有するアルケニル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基、p−スチリル基などを挙げることができ、より好ましくはビニル基である。
b11は脂肪族炭化水素基若しくは水素原子又は後述のY13であり、脂肪族炭化水素基としては脂肪族不飽和炭化水素基を除く炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基のうち炭素数が1〜8のものと同様のものが挙げられる。Rb11は好ましくはY13である。
11、Y12及びY13は、各々独立に、加水分解する有機基であり、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜4のアシルオキシ基が挙げられる。これらの中でも炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。炭素数1〜6のアルコキシ基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられ、加水分解の反応性の点で、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
一般式(1)で示される不飽和基含有シランカップリング剤としては、好ましくは、エチレン性不飽和基を有し、加水分解速度の速い不飽和基含有シランカップリング剤であり、より好ましくは一般式(1)においてRb11がY13であり、かつY11、Y12及びY13が互いに同じ有機基である不飽和基含有シランカップリング剤である。
好ましい不飽和基含有シランカップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルジメトキシエトキシシラン、ビニルジメトキシブトキシシラン、ビニルジエトキシブトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシランなどの末端にビニル基を有する不飽和基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどの末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する不飽和基含有シランカップリング剤などを挙げることができる。
これらの不飽和基含有シランカップリング剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。これらの中でも、末端にビニル基とアルコキシ基を有する不飽和基含有シランカップリング剤がさらに好ましく、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが特に好ましい。
不飽和基含有シランカップリング剤は、単独で用いられてもよく、溶剤で希釈された液で用いられてもよい。
これらのシランカップリング剤は、樹脂組成物(A)中のポリオレフィン系樹脂100質量部に対して2〜15質量部含有していることが必要であり、好ましくはその量は2.5〜6質量部であり、さらに好ましくは3を超えて6質量部である。
[無機フィラー]
無機フィラーは、無処理のもの、種々の表面処理剤で表面処理されているもののどちらを使用しても良く、2種類以上使用しても良い。表面処理剤としては、脂肪酸、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーン樹脂、シリカ、リン酸エステルなどが用いられる。
無機フィラーとしては、特に制限はなく、後述する金属水和物のほか、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミニウム、アルミナ、塩基性炭酸マグネシウム、窒化ほう素、シリカ(結晶質シリカ、非晶質シリカなど)、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、ほう酸亜鉛、ホワイトカーボン、硼酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛などが挙げられる。
樹脂組成物(A)に無機フィラーを含有させることで、樹脂組成物(A)中や混合物(C)中で無機フィラーがシランカップリング剤と結合する。そのため、樹脂組成物(A)の調製時やシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)との混合の際にシランカップリング剤の揮発を抑えることができる。
そのため、シランカップリング剤の揮発で架橋が少なくなって耐熱性が悪くなったり、揮発せずに残った有機過酸化物がポリオレフィン系樹脂同士を架橋させてしまい外観不良が生じたりすることを防止することができ、外観が良好で耐熱性に優れた電線・ケーブルを得ることが可能となる。
樹脂組成物(A)に含有させる無機フィラーの含有量は、樹脂組成物(A)中のポリオレフィン系樹脂100質量部に対して20〜300質量部程度である。
なお、無機フィラーをシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)にも含有させてもよく、工程(α)で樹脂組成物(A)とシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)とを溶融混合する際に添加してもよい。
[添加剤]
なお、本発明では、樹脂組成物(A)に添加剤を含有させてもよい。
添加剤としては、電線・ケーブルに求められる性能等に応じて、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、滑剤、金属不活性剤、充填剤、他の樹脂などが本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合されていてもよい。
シラノール縮合触媒樹脂組成物(B)がこれらの添加剤を含有していてもよい。
酸化防止剤としては、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどのフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンヅイミダゾール及びその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。
滑剤としては、炭化水素系、シロキサン系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられる。
金属不活性剤としては、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などが挙げられる。
しかし、本発明では、樹脂組成物(A)にはアリル系架橋助剤は実質的に加えてはならない。
樹脂組成物(A)にアリル系架橋助剤を加えると、樹脂組成物(A)の調製中に有機過酸化物が架橋助剤の反応に使用され、樹脂組成物(A)の樹脂成分同士の架橋が生じてゲル化を生じ、電線・ケーブルの外観が低下するだけでなく、耐摩耗性も低下させる。
− シラノール縮合触媒樹脂組成物(B) −
一方、本発明のシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)は、少なくともキャリア樹脂にシラノール縮合触媒を混合させて調製される。
[キャリア樹脂]
触媒マスターバッチであるシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)に所望により添加されるキャリア樹脂としては、特に限定されないが、樹脂組成物の混合物(C)に含有される樹脂成分の一部を用いることもできる。
耐摩耗性、強度を向上させるために、特には限定しないが、樹脂組成物中に、後述する不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体から選ばれる1種以上の樹脂が含まれる樹脂成分を加えたほうがよい。なお、この点については後で詳しく説明する。
キャリア樹脂の配合量は、混合物(C)の樹脂成分100質量%中、好ましくは3〜60質量%、より好ましくは10〜55質量%、さらに好ましくは15〜50質量%である。
また、このキャリア樹脂には無機フィラーを加えてもよいし、加えなくてもよい。無機フィラーを加える場合、無機フィラーの量は、特には限定しないが、キャリア樹脂100質量部に対し、350質量部以下が好ましい。あまり無機フィラー量が多いとシラノール縮合触媒が分散しにくく、架橋が進行しにくくなるためである。一方、キャリア樹脂が多すぎると、相対的に樹脂組成物(A)の樹脂成分の量が減るため、成形体の架橋度が低下してしまい、適正な耐熱性が得られないおそれがある。
[シラノール縮合触媒]
シラノール縮合触媒は、樹脂組成物(A)の樹脂成分にグラフト化された不飽和基含有シランカップリング剤を縮合反応により水分の存在下で結合させる働きがある。このシラノール縮合触媒の働きに基づき、不飽和基含有シランカップリング剤を介して、樹脂組成物(A)の樹脂成分同士が架橋される。その結果、耐熱性に優れた電線・ケーブルが得られる。
シラノール縮合触媒としては、有機スズ化合物、金属石けん、白金化合物などが用いられる。一般的なシラノール縮合触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウリレート、ジオクチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ナフテン酸鉛、硫酸鉛、硫酸亜鉛、有機白金化合物などが用いられる。これらの中でも、特に好ましくはジブチルスズジラウリレート、ジオクチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテートなどの有機スズ化合物である。
シラノール縮合触媒の配合量は、混合物(C)の樹脂成分100質量部に対して、シラノール縮合触媒樹脂組成物(B)の樹脂成分中に、好ましくは0.0001〜0.5質量部、より好ましくは0.001〜0.1質量部である。
シラノール縮合触媒の混合量が上記の範囲内にあると、シランカップリング剤の縮合反応による架橋反応がほぼ均一に進みやすく、電線・ケーブルの耐熱性、外観及び物性が優れ、生産性も向上する。
− 混合物(C) −
前述したように、本発明の電線・ケーブルの製造方法では、樹脂組成物(A)とシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)との少なくとも2成分を溶融混合する工程(α)において、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体の総含有量が20〜60質量%であり、かつ、混合物(C)中の樹脂成分100質量部に対して、金属水和物の量が20〜300質量部であるように混合される。
[不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂]
本発明において、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂は、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂、変性スチレン系エラストマー、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などを指す。
本発明における不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィンとは、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸が、ポリオレフィンにグラフトした樹脂のことである。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などを挙げることができる。
(f)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂
本発明において、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体とは、エチレン−α−オレフィン共重合体を不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸がエチレン−α−オレフィン共重合体にグラフトした樹脂のことである。
不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂についても同様である。
不飽和カルボン酸としては、上記の場合に使用されたものと同様のものを使用することが可能である。
エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂としては、ポリエチレン(直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)、プロピレンや他の少量のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体等、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、エチレンープロピレンージエン共重合ゴムやプロピレンとエチレン−α−オレフィン樹脂との共重合ゴムなどが挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体等の変性は、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体等と不飽和カルボン酸を有機過酸化物の存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸による変性量は、通常0.3〜2質量%である。
不飽和カルボン酸等により変性されたポリエチレンとしては、具体的には例えば、アドテックスL−6100M等(商品名、日本ポリエチレン社製)、アドマーXE070、NE070等(商品名、三井化学社製)、不飽和カルボン酸等により変性されたポリプロピレン樹脂としてはアドマーQE800、810(商品名、三井化学社製)などが市販されている。
特に本発明においては、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂の使用が好ましく、さらには無水マレイン酸を含むマレイン酸変性されたポリプロピレン樹脂の使用が好ましい。
また、不飽和カルボン酸変性されたポリプロピレン樹脂は混合物(C)の樹脂成分100質量%中、0〜50質量%、さらに好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは15〜40質量%が好ましい。
(g)変性スチレン系エラストマー
本発明において、変性スチレン系エラストマーとは、スチレン系共重合体を不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸がスチレン系共重合体にグラフトしたエラストマーのことである。
不飽和カルボン酸としては、上記の場合に使用されたものと同様のものを使用することが可能である。
スチレン系共重合体とは、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック及びランダム構造を主体とする共重合体及びその水素添加物である。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどが挙げられる。また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。
スチレン系共重合体の変性は、例えば、スチレン系共重合体と不飽和カルボン酸を有機過酸化物の存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸による変性量は、通常0.3〜3質量%である。
不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマーとしては、たとえば、クレイトン1901FG(JSR クレイトン社製)、タフテック(旭化成社製)等を挙げることができる。
不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系エラストマーの含有量は混合物(C)の樹脂成分100質量%中、0〜25質量%が好ましく、好ましくは5〜20質量%である。
(h)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体
本発明において、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体とは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸がエチレン−酢酸ビニル共重合体にグラフトした樹脂のことである。
不飽和カルボン酸としては、上記の場合に使用されたものと同様のものを使用することが可能である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体とは、エチレンに酢酸ビニルを共重合させたものである。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の変性は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体と不飽和カルボン酸等を有機過酸化物の存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸等による変性量は、通常0.2〜1質量%である。
不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体としては、たとえば、アドマーVF600,VF500(いずれも商品名、三井化学社製)を挙げることができる。
また、不飽和カルボン酸変性されたエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂は混合物(C)の樹脂成分100質量%中、0〜20質量%が好ましい。
(i)不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
本発明において、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を不飽和カルボン酸で変性することにより、不飽和カルボン酸がエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体にグラフトした樹脂のことである。
不飽和カルボン酸としては、上記の場合に使用されたものと同様のものを使用することが可能である。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、例えば、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の変性は、上記の場合と同様、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体と不飽和カルボン酸を有機過酸化物の存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸による変性量は、通常0.5〜4質量%である。
不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、たとえば、モディパーA−5200、A−8200(いずれも商品名、日本油脂社製)を挙げることができる。
また、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体は混合物(C)の樹脂成分100質量%中、0〜20質量%が好ましい。
一方、本発明においては、前記の不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂と共に、あるいはこれらの代わりに、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体を使用しても良い。
[エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体]
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などが挙げられ、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸メチル−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル−メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
具体的には、例えば、ニュクレル(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)、ベイマック(商品名、デュポン社製)などを挙げることができる。
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体は樹脂成分(C)中、0〜20質量%が好ましい。
前述したように、本発明では、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体の総含有量が、混合物(C)の樹脂成分100質量%中20〜60質量%であることが必要であり、好ましくは20〜50質量%であることが好ましい。
この含有率により、優れた強度と耐磨耗性を両立することが可能となる。
また、前述したように、本発明では、混合物(C)中の樹脂成分100質量部に対して、金属水和物の量が20〜300質量部であるように混合される。
[金属水和物]
本発明において用いられる金属水和物としては、特に限定はしないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、ベーマイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する化合物を単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの金属水和物のうち、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
金属水和物は無処理のもの、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸などの脂肪酸で処理されているもの、シランカップリング剤で処理されているもの、リン酸エステルで処理されているもの、チタネートカップリング剤で処理されているもの等の使用が好ましいが、なかでも無処理品やシランカップリング剤で処理されているものや、少量の脂肪酸で処理されているものが好ましい。またこれらの金属水和物を適宜併用することができる。
また、上記金属水和物の表面処理に用いられるシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル基又はエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を末端に有するシランカップリング剤、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤などの架橋性のシランカップリング剤が好ましい。またこれらのシランカップリング剤は2種以上併用してもよい。
このようなシランカップリング剤の中でも、末端にエポキシ基及び/又はビニル基、(メタ)アクロイル基、アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましく、さらに末端にエポキシ基及び/又はビニル基、(メタ)アクロイル基を有するものが好ましい。これらは1種単独でも、2種以上併用して使用してもよい。
本発明で用いることができるシランカップリング剤表面処理水酸化マグネシウムとしては、表面無処理のもの(市販品としては、キスマ5(商品名、協和化学社製)など)、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸で少量表面処理されたもの(キスマ5AL(商品名、協和化学社製)など)、シランカップリング剤によりすでに表面処理された水酸化マグネシウムの市販品(キスマ5L、キスマ5P(いずれも商品名、協和化学社製)、マグシーズS6(神島化学工業製)がある。
また、上記以外にも、予め脂肪酸やリン酸エステルなどで表面の一部が前処理された水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムに、さらにビニル基やエポキシ基等の官能基を末端に有するシランカップリング剤を用い表面処理を行った金属水和物なども用いることができる。
金属水和物をシランカップリング剤で処理する場合には、予めシランカップリング剤を金属水和物に対してブレンドして行うことが必要である。このときシランカップリング剤は、表面処理するに十分な量が適宜加えられるが、具体的には金属水和物に対し0.2〜2重量%が好ましい。シランカップリング剤は原液でもよいし、溶剤で希釈されたものを使用してもよい。
本発明において、混合物(C)中に、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂やエチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体(以下、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂等という)や、金属水和物を混合する方法としては、例えば、それらを、予め樹脂組成物(A)中に含有させておいてもよく、予めシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)中に含有させておいてもよく、予め両方ともに含有させておいてもよい。
あるいは、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂等や金属水和物を樹脂組成物(A)やシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)とは別に用意しておき(以下、第3成分という。)、樹脂組成物(A)とシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)とを溶融混合する際に(工程(α))、第3成分としての不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂等や金属水和物を添加するように構成することも可能である。
そして、その際、工程(α)で得られる混合物(C)の樹脂成分中に、樹脂組成物(A)由来ではない(すなわちシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)に含有されていた、あるいは第3成分としての)不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体から選ばれる1種以上の樹脂が含有されていることが好ましい。
その際、混合物(C)の樹脂成分100質量%中、上記の1種以上の樹脂の含有量が15〜50質量%であることが好ましく、さらに好ましくは20〜40質量%であることが好ましい。
樹脂組成物(A)中に不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂等が多く含まれていると、樹脂組成物(A)中に含まれている有機過酸化物が不飽和カルボン酸部位や(メタ)アルキル酸部位(以下、まとめて不飽和カルボン酸部位という。)と反応してしまい、不飽和カルボン酸部位が金属水和物と結合できなくなってしまうが、上記のように、工程(α)で、樹脂組成物(A)に、樹脂組成物(A)由来ではない不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体を多量に加えることで、不飽和カルボン酸部位が有機過酸化物で反応することなく金属水和物と結合できるようになるため、耐摩耗性、強度を高めることが可能となる。この点については、後で詳しく説明する。
また、混合物(C)の樹脂成分100質量%中、樹脂組成物(A)由来ではないマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が10〜50質量%含有されていることが好ましく、その際、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂のポリプロピレン樹脂が、ホモポリプロピレン又はブロックポリプロピレンであることが好ましい。
マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を使用することで、無機フィラーに対するイオン結合が強くなり、しかも無機フィラーと剛直なポリプロピレン樹脂が一体化することから、優れた強度と耐磨耗性を得ることが可能となる。この点についても、後で詳しく説明する。
次に、本発明の電線・ケーブルの製造方法について具体的に説明する。
本発明の電線・ケーブルの製造方法において、樹脂組成物(A)(シランマスターバッチ)、シラノール縮合触媒樹脂組成物(B)はそれぞれ溶融混練りによって製造される。溶融混練りはバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、二軸押出機などが使用される。
混練り温度は樹脂成分の融点に依存ずるが、160〜250℃である。特に樹脂組成物(A)については有機過酸化物を分解させる必要があるため、少なくとも160℃以上、好ましくは180℃以上、さらに好ましくは190℃以上で混練りすることが好ましい。
得られた樹脂組成物(A)やシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)はそれぞれ例えばペレット形状やシート、リボン形状で得ることができる。好ましくはペレット形状が好ましい。
そして、工程(α)で、得られた樹脂成分(A)及びシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)と必要に応じて第3成分とをブレンドして混合物(C)を得る。このブレンド方法は溶融ブレンドでもよいし、ドライブレンドでもよいが、ドライブレンドのほうが好ましい。この混合物(C)を押し出し機ホッパーに導入し、導体や光ファイバの周りに成形することで成形体を得る。
成形体の押し出し温度は樹脂成分の融点によるが、160〜250℃程度である。
本発明では、さらに工程(β)で、成形物を水と接触させることで架橋させて電線・ケーブルが製造される。これにより、シランカップリング剤の加水分解性の基を加水分解してシラノールとし、樹脂中に存在するシラノール縮合触媒により、シラノールの水酸基同士が縮合して架橋反応が起こることで、シランカップリング剤でグラフト化されたポリオレフィン系樹脂同士を架橋することができる。
シランカップリング剤同士の縮合は、常温で保管するだけで空気中の水分によって進行する。そのため、電線・ケーブルを水に積極的に接触される必要はないが、架橋をさらに加速させるために、水分と接触させる際に、温水への浸水、湿熱槽への投入、高温の水蒸気への暴露等の積極的に水に接触させる方法を採用することも可能である。また、その際に水分を内部に浸透させるために圧力をかけてもよい。
本発明では、このようにして電線・ケーブルが製造される。そして、本発明の電線・ケーブルの製造方法を用いれば、製造された電線・ケーブルは耐熱性、高い耐摩耗性、高い強度を有するものとなる。得られる電線・ケーブルの耐熱性や耐摩耗性、強度が優れる理由は、確実なところはいまだ定かではないが、以下のように考えられる。
樹脂組成物(A)(シランマスターバッチ)の製造の際、有機過酸化物成分の存在下でポリオレフィン系樹脂をシランカップリング剤や無機フィラーと共に有機過酸化物の分解温度以上で加熱混練りすると、有機過酸化物が分解してラジカルを発生し、ポリオレフィン系樹脂に対してシランカップリング剤によりグラフト化が生じる。
そして、樹脂組成物(A)の製造前や製造時に、シランカップリング剤は、アルコキシ基で無機フィラーと強く結合する。この場合、例えば、シランカップリング剤のアルコキシ基と無機フィラー表面の水酸基等との間でイオン結合等の化学結合が形成されると考えられる。そして、シランカップリング剤のもう一方の末端に存在するビニル基等のエチレン性不飽和基でポリオレフィン系樹脂の未架橋部分と結合する。
また、シランカップリング剤は、無機フィラーと強く結合せずに、無機フィラーの穴や表面に弱く結合して保持されるものもある。この場合、例えば、水素結合による相互作用、イオン、部分電荷若しくは双極子間での相互作用、物理的あるいは化学的な吸着による作用等が考えられる。
このように、樹脂組成物(A)の製造前や製造時に、無機フィラーに対して強い結合で結びつくシランカップリング剤と弱い結合で結びつくシランカップリング剤とが形成される。
この状態で、有機過酸化物を加えて混練りを行うと、弱い結合のシランカップリング剤はポリオレフィン系樹脂に対してグラフト反応を生じる。
また、無機フィラーに対して強い結合を有しているシランカップリング剤も有機過酸化物の分解によって反応し、ポリオレフィン系樹脂と結合する。この反応によりポリオレフィン系樹脂−シランカップリング剤−無機フィラー間で結合が生じるため、得られる電線・ケーブルの強度や耐摩耗性の向上を図ることができる。
また、ポリオレフィン系樹脂にグラフト反応したシランカップリング剤は、工程(α)で樹脂組成物(A)とシラン縮合触媒樹脂組成物(B)が混合された後成形される際、水分で加水分解することによりシランカップリング剤同士が縮合し、ポリオレフィン系樹脂同士が結合して架橋反応を生じさせる。
そのため、このようにポリオレフィン系樹脂同士が結合して架橋することで、得られる電線・ケーブルの耐熱性を向上させることが可能となるとともに、強度や耐摩耗性の向上を図ることができる。
一方、本発明では、上記のように、樹脂組成物の混合物(C)中に不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体(以下、単にポリマーという。)が含まれる。
これらのポリマーは金属水和物(あるいはその他の無機フィラー。以下同じ。)とイオン結合する。そのため、得られる電線・ケーブルの強度や耐摩耗性が著しく向上させることができる。すなわち、これらのポリマーが剛直な金属水和物と一体化することで、電線・ケーブルの強度や耐摩耗性が向上する。
つまり、本発明の製造方法で得られる電線・ケーブルは、シランカップリング剤を介したポリオレフィン系樹脂同士の結合(架橋)によって高い耐熱性を得ることができるとともに、(I)シランカップリング剤を介したポリオレフィン系樹脂同士の結合、(II)シランカップリング剤を介したポリオレフィン系樹脂と無機フィラーの結合、(III)上記のポリマーと金属水和物間のイオン結合、の3つの結合により電線・ケーブルの強度、耐摩耗性を大幅に向上させることができる。
すなわち、従来の電線・ケーブルでは、上記の3つの結合のうち、(I)の結合、あるいは良くても(I)と(II)の結合しか得られなかったが、本発明では、さらに上記のポリマーと金属水和物間の強いイオン結合((III)の結合)が得られるため、その分、電線・ケーブルが、従来の電線・ケーブルより高い強度や高い耐摩耗性を得ることが可能となると考えられる。
ところで、上記のポリマー(不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体)は反応性が高く、有機過酸化物によって反応されやすく、有機過酸化物によって変性部位にシランカップリング剤がグラフトしやすい。
そして、シランカップリング剤がグラフトした変性部位は金属水和物とイオン結合することができないため、上記のように金属水和物との間でイオン結合を形成できるポリマーの量が少なくなる。そのため、これらのポリマーを一定量以上加えることが必要である。
本発明者らの研究では、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、これらのポリマーの総含有量が20質量%以上であることが必要であることが分かっている。
また、これらのポリマーは有機過酸化物によってポリマー同士の結合を生じ、ゲル化を生じる。そして、ゲル化を生じると、製造される電線・ケーブルの外観を損ねるため、これらのポリマーの量を特定の範囲内で抑えることで、ゲル化による電線・ケーブルの外観を損ねることなく、電線・ケーブルを製造することが可能となる。
本発明者らの研究では、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、これらのポリマーの総含有量が60質量%以下であれば電線・ケーブルの外観を損ねることがないことが分かっている。
一方、前述したように、工程(α)で、混合物(C)の樹脂成分中に、樹脂組成物(A)由来ではないこれらのポリマーが所定量含有されるようにすることで(すなわち工程(α)において樹脂組成物(A)にこれらのポリマーを加えるように構成することで)、これらのポリマーが有機過酸化物と反応することなく、金属水和物とイオン結合させることができるため、さらに高い強度や耐摩耗性を達成することが可能となるとともに、優れた外観を得ることが可能となる。
また、これらのポリマーとして不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂を用いると、不飽和カルボン酸ポリプロピレン樹脂は有機過酸化物によって結合反応を生じず、分解反応を生じるため、有機過酸化物によってゲル化を生じることがない。
そのため、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物(A)(シランマスターバッチ)を用いても、ゲル化が生じないため使用可能であり、得られる電線・ケーブルの外観を維持しつつ、強度や耐摩耗性を向上させることができる。
さらに、不飽和カルボン酸変性ポリプロピレン樹脂としては(無水)マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が好ましく、さらには(無水)マレイン酸変性ホモポリプロピレン樹脂や(無水)マレイン酸変性ブロックポリプロピレン樹脂が好ましい。
(無水)マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を使用することで、金属水和物に対するイオン結合が強く、しかも金属水和物と剛直なポリプロピレン樹脂とが一体化することから、優れた強度と耐磨耗性を得ることが可能となる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、表I、表IIにおいて、各実施例、参考例及び比較例における数値は特に断らない限り質量部を表す。また、各成分について空欄は対応する成分の配合量が0質量部であることを意味する。
また、表I、表IIでは、ポリオレフィン系樹脂が「PO系樹脂」、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂が「変性PO系樹脂」と略記されている。
また、表I、表IIの「変性樹脂量」には、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂だけでなく、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体の量も含まれている。
なお、「(C)中の変性樹脂量」は、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中の不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂等の総含有量を表し、単位は質量%である。
表I、表II中に示す各成分(化合物)の詳細を以下に示す。
(1)ポリオレフィン系樹脂(I):PB222A(商品名、ポリプロピレン系樹脂、サンアロマー社製)
(2)ポリオレフィン系樹脂(II):VB170A(商品名、ポリプロピレン系樹脂、サンアロマー社製)
(3)ポリオレフィン系樹脂(III):エボリュー2520P(商品名、エチレン−α−オレフィン共重合体、三井化学社製)
(4)ポリオレフィン系樹脂(IV):エボリュー0540P(商品名、エチレン−α−オレフィン共重合体、三井化学社製)
(5)ポリオレフィン系樹脂(V):セプトン4077(商品名、スチレン系エラストマー、クラレ社製)
(6)ポリオレフィン系樹脂(VI):NUC6520(商品名、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、NUC社製)
(7)鉱物性オイル:ダイアナプロセスオイルPW90(商品名、シェル社製)
(8)不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂(I):クレイトン1901FG(商品名、変性スチレン系エラストマー、JSR クレイトン社製)
(9)不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂(II):アドマーQE800(商品名、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂、三井化学社製)
(10)不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂(III):アドテックスL6100M、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂、日本ポリエチレン社製)
(11)エチレン−メタクリル酸共重合体:ニュクレルN1207C(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)
(12)金属水和物(I):キスマ5AL(商品名、ステアリン酸表面処理水酸化マグネシウム、協和化学工業社製)
(13)金属水和物(II):キスマ5L(商品名、シランカップリング剤表面処理水酸化マグネシウム、協和化学工業社製)
(14)金属水和物(III):アピラールAOH60(商品名、水酸化アルミニウム、ナバルテック社製)
(15)シランカップリング剤:KBM1003(商品名、ビニルトリメトキシシラン、信越化学工業社製)
(16)酸化防止剤:イルガノックス1010(商品名、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、BASF社製)
(17)有機過酸化物:パーヘキサ25B(商品名、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、分解温度179℃、日本油脂社製)
(18)ポリオレフィン系樹脂(VII):VS200A(商品名、ポリプロピレン樹脂(ホモポリマー)、サンアロマー社製)
(19)シラノール縮合触媒:アデカスタブOT−1(商品名、ジオクチルスズジラウレート、ADEKA社製)
(20)滑剤:ACポリエチレンNo.6(商品名、ポリエチレンワックス、ハネウェルジャパン社製)
(実施例1〜10、参考例1及び比較例1〜8)
まず、表I、表IIに記載の質量部の無機フィラーとシランカップリング剤と有機過酸化物を、東洋精機製10Lヘンシェルミキサーに投入し、室温で10分混合して混合物を得た。
そして、得られた混合物と、表I、表IIに示す混合量の樹脂組成物とを、日本ロール製2Lバンバリーミキサー内に投入し、そのミキサーで約12分混練り後、材料排出温度190℃〜210℃で排出して樹脂組成物(A)(シランマスターバッチ)を得た。
次いで、表I、表IIに示すキャリア樹脂とシラノール縮合触媒と金属水和物及びその他添加剤(滑剤)とを表I、表IIに示す混合割合でバンバリーミキサーにて別途混合し、材料排出温度は180〜190℃で溶融混合してシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)(触媒マスターバッチ)を得た。
次いで、樹脂組成物(A)とシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)を表I、表IIの割合でドライブレンドして樹脂組成物の混合物(C)を得た。
次に、樹脂組成物の混合物(C)をL/D=24の40mm押出機(圧縮部スクリュー温度190℃、ヘッド温度210℃)に導入し、1/0.8TA導体の外側に肉厚0.4mmで被覆し、外径1.6mmの電線・ケーブルを得た(以上、工程(α))。
そして、得られた電線・ケーブルを温度60℃湿度95%の雰囲気に24時間放置した(工程(β))。
製造した電線・ケーブルについて下記評価をし、その結果を表I、表IIに示した。
<引っ張り強さ、伸び>
引っ張り強さ、伸び試験は、JIS C 3005に基づいて行った。引っ張り強さは15MPa以上を合格とした。18MPa以上が好ましい。
伸びは150%以上を合格とした。
<加熱変形特性>
加熱変形試験(単位:%)は、JIS C 3005に基づいて、測定温度140℃、荷重2.5Nで行った。加熱変形試験は40%以下を合格とした。
<耐摩耗性試験>
電線・ケーブルの耐摩耗性試験はJASO D 618に基づき荷重7Nで試験を行った。
耐磨耗性は150回以上を合格とした。300回以上が好ましい。
<押出外観特性>
電線・ケーブルの押出外観特性として押出外観試験を行った。押出外観は、電線・ケーブルを製造する際に押出外観を観察した。50mm押出機にて線速10mの低速で作製した際に、製造開始後20分後に外観が良好だったものを「A」、外観がやや悪かったものを「B」、外観が著しく悪かったものを「C」とし、「B」以上を製品レベルとして合格とした。
Figure 0006952070
Figure 0006952070
表I、表IIの結果から、以下のことが分かる。
樹脂組成物の混合物(C)中の不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂等の総含有量が0〜15質量%の比較例1〜4では強度(引っ張り強さ)や耐摩耗性に劣る。
また、樹脂組成物の混合物(C)中に金属水和物が含まれていない比較例6や、逆に混合物(C)中に含まれる金属水和物が380質量部で多過ぎる比較例7では強度(伸び)や耐摩耗性に劣る。
さらに、樹脂組成物(A)に含有される有機過酸化物が0.001質量部しかない比較例5では、形成される架橋が少な過ぎるため強度(引っ張り強さ)や耐摩耗性のほか耐熱性(加熱変形)に劣る。
また、シランカップリング剤もシラノール縮合触媒も含まれていない比較例8では強度(伸び)に劣る。
これに対して、実施例1〜10はいずれも強度(引っ張り強さ、伸び)や耐摩耗性、耐熱性(加熱変形)がともに優れたものとなり、さらに外観も良好なものになる。
このように、樹脂組成物(A)(シランマスターバッチ)とシラノール縮合触媒樹脂組成物(B)(触媒マスターバッチ)との少なくとも2成分を溶融混合して混合物(C)を得る工程(α)で、混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂等の総含有量が20〜60質量%であり、かつ、混合物(C)中の樹脂成分100質量部に対して金属水和物の量が20〜300質量部であるように混合することで、外観が良好で、かつ、耐熱性、高い耐摩耗性、高い強度を有する電線・ケーブルを製造することが可能となる。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、シランカップリング剤2〜15質量部と、無機フィラー20〜300質量部を含有し、アリル系架橋助剤を実質的に含まない樹脂組成物(A)と、シラノール縮合触媒樹脂組成物(B)との少なくとも2成分を溶融混合してなる混合物(C)を、導体及び/又は光ファイバの周りに成形する工程(α)と、成形物を水と接触させて架橋させる工程(β)と、を有する電線・ケーブルの製造方法において、
    前記混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体の総含有量が20〜60質量%であり、かつ、前記混合物(C)中の樹脂成分100質量部に対して、金属水和物の量が20〜300質量部であり、
    前記混合物(C)の樹脂成分中に、前記樹脂組成物(A)由来ではない不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体から選ばれる1種以上の樹脂が含有されていることを特徴とする電線・ケーブルの製造方法。
  2. 前記混合物(C)の樹脂成分100質量%中、前記1種以上の樹脂の含有量が15〜50質量%であることを特徴とする請求項に記載の電線・ケーブルの製造方法。
  3. 前記混合物(C)の樹脂成分100質量%中、前記樹脂組成物(A)由来ではないマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が10〜50質量%含有されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電線・ケーブルの製造方法。
  4. 前記マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂のポリプロピレン樹脂が、ホモポリプロピレン又はブロックポリプロピレンであることを特徴とする請求項に記載の電線・ケーブルの製造方法。
  5. ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、シランカップリング剤2〜15質量部と、無機フィラー20〜300質量部を含有し、アリル系架橋助剤を実質的に含まない樹脂組成物(A)と、シラノール縮合触媒樹脂組成物(B)との少なくとも2成分を溶融混合してなる混合物(C)を、導体及び/又は光ファイバの周りに成形する工程(α)と、成形物を水と接触させて架橋させる工程(β)と、を有する電線・ケーブルの製造方法において、
    前記混合物(C)中の樹脂成分100質量%中、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アルキル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキル酸アルキル−(メタ)アルキル酸共重合体の総含有量が20〜60質量%であり、かつ、前記混合物(C)中の樹脂成分100質量部に対して、金属水和物の量が20〜300質量部であり、
    前記混合物(C)の樹脂成分100質量%中、前記樹脂組成物(A)由来ではないマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が10〜50質量%含有されていることを特徴とする電線・ケーブルの製造方法。
  6. 前記マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂のポリプロピレン樹脂が、ホモポリプロピレン又はブロックポリプロピレンであることを特徴とする請求項5に記載の電線・ケーブルの製造方法。
JP2019051598A 2019-03-19 2019-03-19 電線・ケーブルの製造方法 Active JP6952070B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019051598A JP6952070B2 (ja) 2019-03-19 2019-03-19 電線・ケーブルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019051598A JP6952070B2 (ja) 2019-03-19 2019-03-19 電線・ケーブルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020155282A JP2020155282A (ja) 2020-09-24
JP6952070B2 true JP6952070B2 (ja) 2021-10-20

Family

ID=72559568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019051598A Active JP6952070B2 (ja) 2019-03-19 2019-03-19 電線・ケーブルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6952070B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023048437A (ja) * 2021-09-28 2023-04-07 株式会社オートネットワーク技術研究所 絶縁電線、ワイヤーハーネス、および絶縁電線の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6350129B2 (ja) * 2014-09-01 2018-07-04 株式会社オートネットワーク技術研究所 電線被覆材用組成物、絶縁電線およびワイヤーハーネス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020155282A (ja) 2020-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6767438B2 (ja) 耐熱性シラン架橋樹脂成形体及びその製造方法、耐熱性シラン架橋性樹脂組成物及びその製造方法、シランマスターバッチ、並びに耐熱性シラン架橋樹脂成形体を用いた耐熱性製品
JP6523407B2 (ja) 耐熱性シラン架橋樹脂成形体及びその製造方法、耐熱性シラン架橋性樹脂組成物及びその製造方法、シランマスターバッチ、並びに耐熱性シラン架橋樹脂成形体を用いた耐熱性製品
JP6391580B2 (ja) 耐熱性シラン架橋樹脂成形体及びその製造方法、耐熱性シラン架橋性樹脂組成物及びその製造方法、シランマスターバッチ、並びに耐熱性シラン架橋樹脂成形体を用いた耐熱性製品
US10304584B2 (en) Heat-resistant silane crosslinked resin molded body and method of producing the same, heat-resistant silane crosslinkable resin composition and method of producing the same, silane master batch, and heat-resistant product using heat-resistant silane crosslinked resin molded body
JP6329948B2 (ja) 耐熱性シラン架橋樹脂成形体及びその製造方法、並びに、耐熱性シラン架橋樹脂成形体を用いた耐熱性製品
JP6452610B2 (ja) 耐熱性シラン架橋樹脂成形体及びその製造方法、耐熱性シラン架橋性樹脂組成物及びその製造方法、シランマスターバッチ、並びに耐熱性シラン架橋樹脂成形体を用いた耐熱性製品
JP6265876B2 (ja) 耐熱性シラン架橋樹脂成形体及びその製造方法、耐熱性シラン架橋性樹脂組成物及びその製造方法、シランマスターバッチ、並びに耐熱性シラン架橋樹脂成形体を用いた耐熱性製品
JP6800081B2 (ja) シラン架橋樹脂成形体調製用キット及びシラン架橋樹脂成形体の製造方法
US20170210863A1 (en) Flame-retardant crosslinked resin molded body, flame-retardant crosslinkable resin composition, method of producing these, flame-retardant silane master batch, and molded article
JP6339720B2 (ja) 難燃性架橋組成物
JP6952070B2 (ja) 電線・ケーブルの製造方法
JP6952069B2 (ja) 電線・ケーブルの製造方法
JP7157717B2 (ja) 電線・ケーブルの製造方法
JP6895920B2 (ja) 耐熱性シラン架橋ポリオレフィン樹脂成形体の製造方法、シラン架橋性ポリオレフィン樹脂組成物、耐熱性シラン架橋ポリオレフィン樹脂成形体、耐熱性製品、電線及び光ファイバケーブル
JP7433771B2 (ja) シラン架橋用触媒組成物、シラン架橋樹脂成形体調製用キット及びシラン架橋樹脂成形体の製造方法
JP6916106B2 (ja) シラン架橋用触媒組成物、シラン架橋性樹脂組成物及び配線材
JP6523012B2 (ja) 耐熱性シラン架橋樹脂成形体及び耐熱性シラン架橋性樹脂組成物とそれらの製造方法、シランマスターバッチ、並びに、耐熱性製品
JP6567311B2 (ja) 耐熱性シラン架橋樹脂成形体及び耐熱性シラン架橋性樹脂組成物とそれらの製造方法、シランマスターバッチ、並びに、耐熱性製品
JP2019116582A (ja) シラン架橋アクリルゴム成形体及びその製造方法、シラン架橋性アクリルゴム組成物、並びに耐油性製品
JP2022155042A (ja) シラン架橋アクリルゴム成形体及びその製造方法、シラン架橋性アクリルゴム組成物、並びにシラン架橋アクリルゴム成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210622

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210927

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6952070

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151