JP2019116582A - シラン架橋アクリルゴム成形体及びその製造方法、シラン架橋性アクリルゴム組成物、並びに耐油性製品 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、シラン架橋法とは、有機過酸化物の存在下で不飽和基を有するシランカップリング剤を樹脂にシラングラフト化反応(単に、グラフト化反応ともいう。)させてシラングラフト樹脂を得た後に成形して、シラノール縮合触媒の存在下でシラングラフト樹脂を水分と接触させることにより、架橋した樹脂を得る方法である。
上記の架橋法のなかでも、特にシラン架橋法は特殊な設備を要しないことが多いため、幅広い分野で使用することができる。
上記の配線材の被覆層には、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、又は、耐油性に優れた材料として、アクリルゴムが用いられる。しかし、このような樹脂又はゴムを用いて得られる成形体であっても、機械特性、難燃性、及び耐摩耗性の点で、配線材用成形体として十分とはいえなかった。
また、本発明は、このシラン架橋アクリルゴム成形体を形成可能な、シラン架橋性アクリルゴム組成物を提供することを課題とする。
〔1〕下記工程(1)、工程(2)及び工程(3)
工程(1):ベースゴム100質量部に対して、有機過酸化物0.01〜0.5質量部と、無機フィラー40〜250質量部と、前記有機過酸化物から発生したラジカルの存在下で前記ベースゴムとグラフト化反応しうるグラフト化反応部位を有するシランカップリング剤1〜15質量部以下と、シラノール縮合触媒とを溶融混合して、前記有機過酸化物から発生したラジカルによって、前記グラフト化反応部位と、該グラフト化反応部位とグラフト化反応可能な部位を有するベースゴムの該グラフト化反応可能な部位とを、グラフト化反応させることにより、シラン架橋性ゴムを含む反応組成物を得る工程
工程(2):前記反応組成物を成形して、成形体を得る工程
工程(3):前記成形体を水と接触させて、シラン架橋アクリルゴム成形体を得る工程
を有するシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法であって、
前記ベースゴムが、エチレン−アクリルゴム55〜95質量%、不飽和カルボン酸成分で変性されたポリオレフィン樹脂5〜45質量%を含み、
前記工程(1)が、下記工程(a−1)、工程(a−2)及び工程(c)を有し、ただし、下記工程(a−2)でベースゴムの一部を溶融混合する場合には下記工程(a−1)、工程(a−2)、工程(b)及び工程(c)を有する、
工程(a−1):少なくとも前記無機フィラー及び前記シランカップリング剤を混合して混合物を調製する工程
工程(a−2):前記混合物と前記ベースゴムの全部又は一部とを、前記有機過酸化物の存在下で前記有機過酸化物の分解温度以上の温度において溶融混合して、前記有機過酸化物から発生したラジカルによって前記グラフト化反応部位と前記ベースゴムのグラフト化反応可能な部位とをグラフト化反応させることにより、シラン架橋性ゴムを含むシランマスターバッチを調製する工程
工程(b):前記ベースゴムの残部及び前記シラノール縮合触媒を溶融混合して、触媒マスターバッチを調製する工程
工程(c):前記シランマスターバッチと、前記シラノール縮合触媒又は前記触媒マスターバッチとを溶融混合して、反応組成物を得る工程
シラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
〔2〕前記ベースゴムが、エチレン−アクリルゴム70〜85質量%、不飽和カルボン酸成分で変性されたポリオレフィン樹脂15〜30質量%を含み、
前記無機フィラーを80〜200重量部含有する〔1〕に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
〔3〕前記エチレン−アクリルゴムが、エチレンとアクリル酸アルキルエステルとの二元共重合体と、エチレンとアクリル酸アルキルエステルとカルボキシ基を含有する共重合成分との三元共重合体とを含む〔1〕又は〔2〕に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
〔4〕前記エチレン−アクリルゴムが、前記二元共重合体を25〜45質量%、前記三元共重合体を20〜60質量%含む〔3〕に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
〔5〕前記無機フィラーが、金属水和物である〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
〔6〕前記シランカップリング剤の含有量が、前記ベースゴム100質量部に対して、3〜15質量部である〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
〔7〕前記シランカップリング剤が、ビニルトリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランである〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
〔8〕前記工程(a−1)及び工程(a−2)において、シラノール縮合触媒を実質的に混合しない〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
〔9〕〔1〕〜〔8〕のいずれか1つに記載の工程(1)により製造されてなるシラン架橋性アクリルゴム組成物。
〔10〕〔1〕〜〔8〕のいずれか1つに記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法により製造されてなるシラン架橋アクリルゴム成形体。
〔11〕〔10〕に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体を含む耐油性製品。
〔12〕前記シラン架橋アクリルゴム成形体が、電線あるいは光ファイバケーブルの被覆である〔11〕に記載の耐油性製品。
したがって、本発明により、優れた外観、耐油性、耐摩耗性、機械特性、及び難燃性を兼ね備えたシラン架橋アクリルゴム成形体及びその製造方法、並びに耐油性製品を提供できる。また、このような優れた特性を示すシラン架橋アクリルゴム成形体を形成可能な、シラン架橋性アクリルゴム組成物を提供できる。
本発明に用いられるベースゴムは、ゴム成分としてエチレン−アクリルゴムと、不飽和カルボン酸成分で変性されたポリオレフィン樹脂とを含有する。これらの樹脂は、いずれも、有機過酸化物から発生したラジカルの存在下において、シランカップリング剤のグラフト化反応部位とグラフト化反応可能な部位、例えば炭素鎖の不飽和結合部位や、水素原子を有する炭素原子を主鎖中又はその末端に有している。
ベースゴムは、エチレン−アクリルゴム及び不飽和カルボン酸成分で変性されたポリオレフィン樹脂以外のゴム又は樹脂を含有してもよい。このようなゴム又は樹脂としては、上記グラフト化反応可能な部位を主鎖中又はその末端に有する重合体の樹脂又はゴムであれば特に限定されない。
このベースゴムは、各成分の総計が100質量%となるように、各成分の含有量が適宜に決定され、好ましくは下記範囲内から選択される。
本発明において、エチレン−アクリルゴムは、構成成分として少なくともエチレンとアクリル酸アルキルエステルとを共重合して得られるものをいう。エチレン−アクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステル成分を50質量%以上含むものが好ましい。アクリル酸アルキルエステル成分は60質量%以下が好ましい。単量体成分としてアクリル酸メチル及び/又はアクリル酸エチルを含むものがより好ましく、アクリル酸メチルを含むものが特に好ましい。
エチレン−アクリルゴムとしては、エチレンとアクリル酸アルキルエステルとの二元共重合体や、これにさらにカルボキシ基を含有する共重合成分を共重合させた三元共重合体等の各共重合体からなるゴムを特に好適に使用することができる。このような、カルボキシ基を含有する共重合成分としては、カルボキシ基と、エチレン又はアクリル酸アルキルエステルと共重合可能な不飽和基(通常、エチレン性不飽和基)とを有する化合物が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸、及びマレイン酸が挙げられる。三元共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体やエチレン−アクリル酸アルキルエステル−マレイン酸共重合体が挙げられ、特にエチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体が好ましい。
二元共重合体からなるエチレン−アクリルゴムとしては、例えば、ベイマックDPやベイマックDLSが挙げられる。三元共重合体からなるエチレン−アクリルゴムとしては、例えば、ベイマックG、ベイマックHG、ベイマックLS、ベイマックGLS、ベイマックUltra HT−OR(商品名、いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)が挙げられる。
エチレン−アクリルゴムは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
エチレン−アクリルゴムのムーニー粘度は、押出成形性、引張強度、耐摩耗性などの点で、10〜50(ML(1+4)100℃)であることが好ましく、15〜40(ML(1+4)100℃)がより好ましく、18〜35(ML(1+4)100℃)がさらに好ましい。
ムーニー粘度は、JIS K 6300−1:2013に規定された測定方法に基づいて、測定される。
押出成形性と引張強度の両立の観点からは、二元共重合体と三元共重合体を併用することが好ましい。
本発明の製造方法に用いるベースゴムにエチレン−アクリルゴムを含有させることにより、外観、難燃性、耐油性等を向上させることができる。また、必要により耐熱性を付与することもできる。
また、二元共重合体と三元共重合体とを併用する場合には、エチレン−アクリルゴムの含有量(合計量)が上記範囲を満たし、かつベースゴム100質量%中において二元共重合体が25〜45質量%、三元共重合体が20〜60質量%であることが好ましい。上記範囲内であると、シラン架橋アクリルゴム成形体の外観、機械特性、難燃性、耐油性及び/又は耐摩耗性に加えて押出成形性にも優れる。
不飽和カルボン酸成分で変性されたポリオレフィン樹脂(以下、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂ともいう)は、特に限定されず、不飽和カルボン酸成分でポリオレフィンを変性した(共)重合体の樹脂等が挙げられる。
本発明の製造方法に用いるベースゴムに不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂を含有させることにより、外観、機械特性、耐磨耗性等を向上させることができる。
本発明において用い得るポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)、直鎖型低密度ポリエチレン(LLDPE)又は超低密度ポリエチレン(VLDPE)が挙げられる。中でも、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖型低密度ポリエチレンが好ましく、直鎖型低密度ポリエチレン又は低密度ポリエチレンがより好ましい。ポリエチレン樹脂は1種単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
エチレン−プロピレンランダム共重合体は、エチレン成分の含有量が1〜10質量%程度のものをいい、エチレン成分がプロピレン鎖中にランダムに取り込まれているものをいう。また、エチレン−プロピレンブロック共重合体は、エチレンやエチレン−プロピレンゴム(EPR)成分の含有量が5〜20質量%程度のものをいい、プロピレン成分の中にエチレンやEPR成分が独立して存在する海島構造であるものをいう。ポリプロピレン樹脂として特に好ましいものは、外観の点で、エチレン−プロピレンランダム共重合体の樹脂である。エチレン成分含有量は、ASTM D3900に記載の方法に準拠して、測定される値である。
ポリプロピレン樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カルボン酸による変性量は、特に限定しないが、(変性前の)ポリオレフィン樹脂に対し、0.01〜10質量%が好ましく、さらには0.1〜3質量%が好ましい。本範囲の不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂を用いると、得られる成形体に高い強度や耐摩耗性を十分に付与することができるとともに、十分な伸び特性も付与することができる。さらには、押出成形時の負荷を抑えられるため、成形材料の押出成形性も優れる。
不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準拠して測定される。ポリオレフィン樹脂の種類がポリプロピレン樹脂の場合は、測定温度230℃、荷重2.16kgで測定され、ポリエチレン樹脂などポリプロピレン樹脂以外の樹脂の場合、測定温度190℃、荷重2.16kgで測定される。MFRの値が、0.05〜100g/10分が好ましく、さらに好ましくは0.2〜30g/10分である。この範囲のMFRの不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂を用いると、混練時にエチレン−アクリルゴムと相溶しやすいとともに無機フィラーの分散性も優れるため、高い強度特性や耐摩耗性、伸び特性を得られる。
エチレン−アクリルゴムの含有量と不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量の比は、[エチレン−アクリルゴムの含有量]:[不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量]=18:1〜1.375:1が好ましく、17:1〜3.75:1がより好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(いずれも、不飽和カルボン酸によって変性されているものを除く)、スチレン系エラストマー、エチレン系共重合体ゴム(上記エチレン−アクリルゴムを除く)、鉱物性オイルなどを用いることができる。エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂としては、それぞれ、上述の、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂を形成するポリオレフィン樹脂として採りうるものが挙げられる。ポリエチレン樹脂としては、直鎖型低密度ポリエチレンが好ましい。スチレン系エラストマー、エチレン系共重合体ゴム及び鉱物性オイルとしては、樹脂組成物又はゴム組成物に通常用いられるものを用いることができる。
有機過酸化物は、少なくとも熱分解によりラジカルを発生して、触媒として、シランカップリング剤のゴム成分へのラジカル反応によるグラフト化反応(シランカップリング剤のグラフト化反応部位とゴム成分のグラフト化反応可能な部位との共有結合形成反応であって、(ラジカル)付加反応ともいう。)を生起させる働きをする。特にシランカップリング剤がグラフト化反応部位としてエチレン性不飽和基を含む場合、エチレン性不飽和基とゴム成分とのラジカル反応(ゴム成分からの水素ラジカルの引き抜き反応を含む)によるグラフト化反応を生起させる働きをする。
有機過酸化物としては、ラジカルを発生させるものであれば、特に制限はなく、例えば、一般式:R1−OO−R2、R3−OO−C(=O)R4、R5C(=O)−OO(C=O)R6で表される化合物が好ましい。ここで、R1〜R6は各々独立にアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。各化合物のR1〜R6のうち、いずれもアルキル基であるもの、又は、いずれかがアルキル基で残りがアシル基であるものが好ましい。
本発明において、有機過酸化物の分解温度とは、単一組成の有機過酸化物を加熱したとき、ある一定の温度又は温度域でそれ自身が2種類以上の化合物に分解反応を起こす温度を意味する。具体的には、DSC法等の熱分析により、窒素ガス雰囲気下で5℃/分の昇温速度で、室温から加熱したとき、吸熱又は発熱を開始する温度をいう。
本発明において、無機フィラーは、その表面に、シランカップリング剤のシラノール基等の反応部位と水素結合若しくは共有結合等、又は分子間結合により、化学結合しうる部位を有するものであれば特に制限なく用いることができる。この無機フィラーにおける、シランカップリング剤の反応部位と化学結合しうる部位としては、OH基(水酸基、含水若しくは結晶水の水分子、カルボキシ基等のOH基)、アミノ基、SH基等が挙げられる。
無機フィラーが予め表面処理されていると、無機フィラー同士の凝集が抑制されて、無機フィラーの分散性が高まる。このため、無機フィラーと不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂との架橋の機会が増え、耐摩耗性等が向上すると考えられる。
無機フィラーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いられるシランカップリング剤は、有機過酸化物の分解により生じたラジカルの存在下でベースゴムとグラフト化反応しうるグラフト化反応部位(基又は原子)と、無機フィラーの化学結合しうる部位と反応し、シラノール縮合可能な反応部位(加水分解して生成する部位を含む。例えばモノ、ジ若しくはトリアルコキシシリル基等)とを、少なくとも有するものであればよい。このようなシランカップリング剤として、従来、シラン架橋法に使用されているシランカップリング剤が挙げられる。
Rb11は、脂肪族炭化水素基、水素原子又は後述のY13を示す。脂肪族炭化水素基としては、脂肪族不飽和炭化水素基を除く炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。Rb11は、好ましくは後述のY13である。
シラノール縮合触媒は、ベースゴムにグラフトしたシランカップリング剤を水分の存在下で縮合反応させる働きがある。このシラノール縮合触媒の働きに基づき、シランカップリング剤を介して、ゴム成分同士が架橋される。その結果、優れた引張強さを有するシラン架橋アクリルゴム成形体が得られる。また、必要により耐熱性に優れたシラン架橋アクリルゴム成形体を得ることもできる。
シラノール縮合触媒は、所望により樹脂又はゴムに混合されて、用いられる。このような樹脂又はゴム(キャリアともいう)としては、特に限定されないが、ベースゴムで説明したゴム及び/又は樹脂成分を用いることができる。キャリアは、ポリエチレン樹脂が好ましい。
本発明では、電線、電気ケーブル、電気コード、自動車用部材、OA機器、建築部材、雑貨、シート、発泡体、チューブ、パイプにおいて、一般的に使用されている各種の添加剤を、目的とする効果を損なわない範囲で適宜配合してもよい。このような添加剤としては、例えば、架橋助剤、酸化防止剤、滑剤、金属不活性剤、難燃(助)剤や他の樹脂等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、アミン酸化防止剤、フェノール酸化防止剤又はイオウ酸化防止剤等が挙げられる。
滑剤としては、炭化水素、シロキサン、脂肪酸、脂肪酸アミド、エステル、アルコール、金属石けん等の各滑剤が挙げられる。
以下、本発明のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法を説明する。
工程(2):前記反応組成物を成形して、成形体を得る工程
工程(3):前記成形体を水と接触させて、シラン架橋アクリルゴム成形体を得る工程
工程(a−1):少なくとも無機フィラー及びシランカップリング剤を混合して混合物を調製する工程
工程(a−2):混合物とベースゴムの全部又は一部とを、有機過酸化物の存在下で有機過酸化物の分解温度以上の温度において溶融混合して、有機過酸化物から発生したラジカルによってグラフト化反応部位とベースゴムのグラフト化反応可能な部位とをグラフト化反応させることにより、シラン架橋性ゴムを含むシランマスターバッチを調製する工程
工程(b):ベースゴムの残部及びシラノール縮合触媒を溶融混合して、触媒マスターバッチを調製する工程
工程(c):シランマスターバッチと、シラノール縮合触媒又は触媒マスターバッチとを溶融混合して、上記反応組成物を得る工程
以下、工程(a−1)及び工程(a−2)の両工程を併せて工程(a)ということがある。
ここで、工程(b)でベースゴムの残部が配合される場合、ベースゴムは、工程(a−2)において、好ましくは80〜99質量%、より好ましくは94〜98質量%が配合され、工程(b)において、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜6質量%が配合される。
高い引張強度、耐油性、耐摩耗性及び難燃性を付与する観点からは、ベースゴム100質量%中においてエチレン−アクリルゴム70〜85質量%及び不飽和カルボン酸成分で変性されたポリオレフィン樹脂15〜30質量%とし、ベースゴム100質量部に対する無機フィラーの配合量を80〜200質量部とすることが好ましい。
シランカップリング剤の配合量が1〜15質量部であると、無機フィラーの表面にシランカップリング剤が吸着して、シランカップリング剤が混練中に揮発するのを抑制できるため、経済的である。また、吸着しないシランカップリング剤が縮合して、成形体にゲルブツや荒れが生じて外観が悪化することを抑制することができる。さらに、必要により、架橋反応を十分に進行させて優れた引張強さを発揮させることができる。
本発明において、「ベースゴムの全部又は一部、有機過酸化物、無機フィラー及びシランカップリング剤を溶融混合する」とは、溶融混合する際の混合順を特定するものではなく、どのような順で混合してもよいことを意味する。すなわち、工程(a)における混合順は特に限定されない。
また、ベースゴムの混合方法も特に限定されない。例えば、予め混合調製されたベースゴムを用いてもよく、各成分、例えばゴム成分それぞれを別々に混合してもよい。
上記溶融混合は、好ましくは、バンバリーミキサーやニーダー等のミキサー型混練機で行われる。このようにすると、ゴム成分同士の過剰な架橋反応を防止することができ、外観が優れたものとなる。
有機過酸化物の分解温度未満の温度での混合においては、上記分解温度未満の温度が保持されている限り、ベースゴムが存在していてもよい。この場合、ベースゴムとともに無機フィラー及びシランカップリング剤を上記温度で混合(工程(a−1))した後に、溶融混合することが好ましい。すなわち、ベースゴムとシランカップリング剤とのラジカルグラフト化反応を抑えて、これらの混合物(例えば、ドライブレンド物)を調製し、次いで、得られた混合物を更に溶融混合して、上記グラフト化反応を生起させることが好ましい。本発明においては、上記各成分を一度に溶融混合することもできる。この場合、溶融混合時にシランカップリング剤の一部又は全部が無機フィラーに吸着又は結合する。
例えば、有機過酸化物は、シランカップリング剤と混合した後に無機フィラーと混合されてもよいし、シランカップリング剤と分けて別々に無機フィラーに混合されてもよい。本発明においては、有機過酸化物とシランカップリング剤とは実質的に一緒に混合した方がよい。一方、生産条件によっては、シランカップリング剤のみを無機フィラーに混合し、次いで有機過酸化物を混合してもよい。
また、有機過酸化物は、他の成分と混合させたものでもよいし、単体でもよい。
湿式混合では、シランカップリング剤と無機フィラーとの結力合が強くなるため、シランカップリング剤の揮発を効果的に抑えることができるが、シラノール縮合反応が進みにくくなることがある。一方、乾式混合では、シランカップリング剤が揮発しやすいが、無機フィラーとシランカップリング剤の結合力が比較的弱くなるため、効率的にシラノール縮合反応が進みやすくなる。
混合方法としては、ゴム、プラスチック等で通常用いられる方法であれば、特に限定されない。混合装置は、例えば無機フィラーの配合量に応じて適宜に選択される。混練装置として、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー等が用いられる。ゴム成分の分散性、及び架橋反応の安定性の面で、バンバリーミキサー又は各種のニーダー等の密閉型ミキサーが好ましい。
また、通常、このような無機フィラーがベースゴム100質量部に対して100質量部を超えて混合される場合、連続混練機、加圧式ニーダー、バンバリーミキサーで混練りするのがよい。
工程(1)において、上記添加剤、特に酸化防止剤や金属不活性剤は、いずれの工程で又は成分に混合されてもよいが、キャリアに混合されるのがよい。
工程(1)、特に工程(a−1)及び工程(a−2)において、架橋助剤は実質的に混合されないことが好ましい。架橋助剤が実質的に混合されないと、溶融混合中にゴム成分同士の架橋が生じにくく、シラン架橋アクリルゴム成形体の外観が優れる。ここで、実質的に混合されないとは、架橋助剤を積極的に混合しないことを意味し、不可避的に混合することを除外するものではない。
混合は、均一に混合できる方法であればよく、ベースゴムの溶融下で行う混合(溶融混合)が挙げられる。溶融混合は上記工程(a−2)の溶融混合と同様に行うことができる。例えば、混合温度は、好ましくは120〜200℃、より好ましくは140〜180℃で行うことができる。その他の条件、例えば混合時間は適宜設定することができる。
キャリアが他の樹脂である場合、工程(a−2)においてグラフト化反応を促進させることができるうえ、成形中にブツが生じにくい点で、他の樹脂の配合量は、ベースゴム100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは2〜50質量部、さらに好ましくは3〜40質量部である。
この触媒MBは、シランMBとともに、工程(1)で調製されるシラン架橋性アクリルゴム組成物の製造に、マスターバッチセットとして、用いられる。
混合方法は、上述のように均一な反応組成物を得ることができれば、どのような混合方法でもよい。
上記のように、シラン架橋性ゴムは、シランカップリング剤がシラノール縮合していない未架橋体である。実際的には、工程(c)で溶融混合されると、一部架橋(部分架橋)は避けられないが、得られるシラン架橋性アクリルゴム組成物について、少なくとも工程(2)での成形における成形性が保持されたものとする。
本発明のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法において、得られた反応組成物を成形して成形体を得る工程(2)を行う。この工程(2)は、反応組成物を成形できればよく、本発明の耐油性製品の形態に応じて、適宜に成形方法及び成形条件が選択される。成形方法は、押出機を用いた押出成形、射出成形機を用いた押出成形、その他の成形機を用いた成形が挙げられる。押出成形は、本発明の耐油性製品が電線又は光ファイバケーブルである場合に、好ましい。
工程(2)を押出成形により行う場合、成形速度(押出速度)は、特に限定されず、通常、線速で10〜250m/分未満、好ましくは20〜100m/分に設定できる。
上記製法方法の好ましい一態様においては、押出成形を通常設定される線速よりも低速に設定することもできる。低速の線速は細径化された配線材等を成形する際に有効である。例えば、線速で0.5〜10m/分未満、好ましくは2〜8m/分に設定できる。
このようにして、シラン架橋性アクリルゴム組成物の成形体が得られる。この成形体はシラン架橋性アクリルゴム組成物と同様に、一部架橋は避けられないが、工程(2)で成形可能な成形性を保持する部分架橋状態にある。したがって、この発明のシラン架橋アクリルゴム成形体は、工程(3)を実施することによって、架橋又は最終架橋された成形体とされる。
この工程(3)の処理自体は、通常の方法によって行うことができる。シランカップリング剤同士の縮合は、常温で保管するだけで進行する。したがって、工程(3)において、成形体を水に積極的に接触させる必要はない。この架橋反応を促進させるために、成形体を水分と接触させることもできる。例えば、温水への浸水、湿熱槽への投入、高温の水蒸気への暴露等の積極的に水に接触させる方法を採用できる。また、その際に水分を内部に浸透させるために圧力をかけてもよい。
本発明では、工程(3)で、最終的な架橋反応を行うこともあり、ベースゴムにシランカップリング剤を上述のように特定量配合すると、成形時の加工性(押出成形性を損なうことなく無機フィラーを多量に配合することが可能になり、難燃性を確保しながらも、耐熱性、さらには機械特性等を併せ持つことができる。
このような優れた特性をシラン架橋アクリルゴム成形体に付与できることの詳細についてはまだ定かではないが、ベースゴム成分及び無機フィラーが協働して、以下のように作用すると考えられる。
シラン架橋アクリルゴム成形体に機械特性及び難燃性を付与できる理由としては、エチレン−アクリルゴムと不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂を特定量含有するベースゴムとし、特定量の無機フィラーを配合して、シラン架橋を行ったことによると考えられる。
ベースゴムに含まれる不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂は、変性により導入されたカルボン酸基を介して無機フィラーと結合又は吸着(化学的若しくは物理的に相互作用)する。このため、本発明においては、上述した、シランカップリング剤と無機フィラーとの強い結合及び弱い結合による架橋に加えて、無機フィラーと不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン間の架橋(結合)も形成される。その結果、無機フィラーとベースゴム成分との密着度が高くなる。また、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンは、無機フィラーの分散性を高める。これらの結果、優れた耐摩耗性が得られると考えられる。また、配線材として十分な破断伸び(柔軟性)を維持できる。
また、エチレン−アクリルゴムは高温下では非結晶ではあるものの、溶融しにくく高い極性を持つ。これに加えて、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンを使用するため、上記のとおり、無機フィラーとベースゴム成分との密着度が高い。このような特性、物性を有するエチレン−アクリルゴム及び不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂を特定の割合で用いることにより、油がシラン架橋アクリルゴム成形体に浸入しにくくなり、高い耐油性を得ることができると考えられる。
本発明の耐油性製品として、例えば、難燃絶縁電線等の電線又は難燃ケーブルの被覆材料、ゴム代替電線・ケーブルの材料、その他、難燃電線部品、難燃耐熱シート、難燃フィルム等が挙げられる。また、電源プラグ、コネクター、スリーブ、ボックス、テープ基材、チューブ、シート、パッキン、クッション材、防震材、電気・電子機器の内部配線及び外部配線に使用される配線材、特に電線や光ケーブルが挙げられる。
表1において、各例の配合量に関する数値は特に断らない限り質量部を表す。また、各成分について空欄は対応する成分の配合量が0質量部であることを意味する。
実施例1〜16及び比較例1〜8、10において、ベースゴムを構成するゴム成分の一部(PE)を触媒MBのキャリアとして用いた。
このように上記ドライブレンド物を押出機内で押出成形前に溶融混合すること(工程(c))により、反応組成物としてシラン架橋性アクリルゴム組成物を調製した。このシラン架橋性アクリルゴム組成物は、シランMBと触媒MBとの溶融混合物であって、上述のシラン架橋性ゴムを含有している。
シランMB欄及び触媒MB欄に記載の成分を表1に示す質量比で2Lバンバリーミキサーを用いて溶融混合して、前記押出機に投入した以外は、実施例1と同様にして、電線を製造した。
(1)エチレン−アクリルゴム1:ベイマックDP(商品名、二元共重合体、デュポン社製、アクリル酸メチル成分:65質量%、ムーニー粘度(ML(1+4)100℃)=22)
(2)エチレン−アクリルゴム2:ベイマックUltra HT−OR(商品名、三元共重合体、デュポン社製、アクリル酸メチル成分:65質量%、カルボキシ基含有共重合成分含有、ムーニー粘度(ML(1+4)100℃)=35)
(3)エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM):ノーデル3720P(商品名、ダウ・ケミカル社製)
(4)EEA:NUC−6070(商品名、エチレンエチルアクリレート共重合体、日本ユニカー社製、アクリル酸エチル成分:25質量%、MFR(190℃、2.16kg)=250g/10分)
(5)PE樹脂:ノバテックLL(商品名、直鎖型低密度ポリエチレン、UE320グレード、日本ポリエチレン社製)
(6)PP樹脂:PB222A(商品名、ランダムポリプロピレン、サンアロマー社製、MFR(230℃、2.16kg)=0.8g/10分)
(7)変性PO1:フサボンドE226Y(商品名、不飽和カルボン酸(マレイン酸)変性ポリエチレン、デュポン社製、密度0.930g/cm3、MFR(190℃、2.16kg)=1.8g/10分)
(8)変性PO2:アドマーQE800(商品名、不飽和カルボン酸(マレイン酸)変性ポリプロピレン樹脂、密度0.910/cm3、三井化学社製、MFR(230℃、2.16kg)=20g/10分)
(9)変性PO3:フサボンドC250(商品名、不飽和カルボン酸(マレイン酸)変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、デュポン社製、密度0.960g/cm3、MFR(190℃、2.16kg)=1.5g/10分、酢酸ビニル含有量28%)
(10)無機フィラー1:キスマ5L(商品名、水酸化マグネシウム、協和化学社製)
(11)無機フィラー2:ハイジライトH42M(商品名、水酸化アルミニウム、昭和電工社製)
(12)シランカップリング剤:KBM−1003(商品名、ビニルトリメトキシシラン、信越化学工業社製)
(13)有機過酸化物:パーヘキサ25B(商品名、ジクミルパーオキサイド、日油社製、分解温度179℃)
(14)酸化防止剤:イルガノックス1076(商品名、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、BASF社製)
(15)シラノール縮合触媒:アデカスタブOT−1(商品名、ジオクチルスズジラウレート、ADEKA社製)
線速7m/分での押出成形による電線製造時において、電線表面がきれいでゲルブツが観察されず、外観が優れていた場合を「A(高度なもの)」、電線表面にゲルブツが1m当たりに1〜5個程度見られるが電線としての外観に問題のない場合を「B(良好なもの)」、電線表面に多量のゲルブツや荒れが見られ電線の外観として不良である場合を「C(不合格)」とした。評価が「B」以上であることが本試験の合格レベルである。
線速20m/分での押出成形による電線製造時において、電線表面がきれいでゲルブツが観察されず、外観が優れていた場合を「A(高度なもの)」、電線表面にゲルブツが1m当たりに1〜5個程度見られるが電線としての外観に問題のない場合を「B(良好なもの)」、電線表面に多量のゲルブツや荒れが見られ電線の外観として不良であるものを「C(不合格)」とした。評価が「B」以上であることが本試験の合格レベルである。
上記外観試験(1)の条件により得られた被覆導体を用いて製造した各電線から抜き取った被覆(管状片)について引張試験を行った。
この引張試験はJIS C 3005に準じて、標線間25mm、引張速度200mm/分の条件で、引張強さ(MPa)及び破断伸び(%)を測定した。
引張強さは、8MPa以上であったものを優れたレベルとして「A」で表し、6MPa以上8MPa未満であったものを本試験の合格レベルとして「B」で表し、6MPa未満であったもの本試験の不合格レベルとして「C」で表した。
破断伸びは、125%以上であったものを優れたレベルとして「A」で表し、100%以上125%未満であったものを本試験の合格レベルとして「B」で表し、100%未満であったものを本試験の不合格レベルとして「C」で表した。
JIS K 7201に準拠した酸素指数にて難燃性のレベルを測定した。試験片は3mm厚に成形したプレスシートを用いた。プレスシートは、各実施例及び比較例と同様にして調製したシランMBと触媒MBを8インチロールを用いて160〜200℃で溶融混合した後、170℃で予熱保温したプレス機を用いて速やかに170℃で5分間プレスし、室温(23℃、50%RH)下で24時間放置して、シラン架橋を進行させて調製した。
酸素指数は、30以上であったものを優れたレベルとして「A」で表し、27以上30未満であったものを本試験の好ましいレベルとして「B」で表し、24以上27未満であったものを本試験の合格レベルとして「C」で表し、24未満であったものを本試験の不合格レベルとして「D」で表した。
上記外観試験(1)の条件により得られた被覆導体を用いて製造した各電線について、JIS C 3005に記載の「耐油試験」を行った。耐油試験(A)においては、浸油温度を100℃、浸油時間を24時間とし、油としてIRM903を使用した。
本試験の評価は、耐油試験前後の引張強さの残率及び破断伸びの残率がともに60%以上であったものを本試験の合格レベルとして「A」で表し、引張強さの残率及び破断伸びの残率の一方でも60%未満であったものを本試験の不合格レベルとして「C」で表した。
上記外観試験(1)の条件により得られた被覆導体を用いて製造した各電線について、JIS C 3005に記載の「耐油試験」を行った。耐油試験(B)においては、浸油温度を100℃、浸油時間を48時間とし、油としてIRM903を使用した。
本試験の評価は、耐油試験前後の引張強さの残率及び破断伸びの残率がともに60%以上であったものを本試験の合格レベルとして「A」で表し、引張強さの残率及び破断伸びの残率の一方でも60%未満であったものを「C」で表した。この耐油試験(B)は参考試験である。
上記外観試験(1)の条件により得られた被覆導体を用いて製造した各電線について、JIS C 3005に記載の「耐油試験」を行った。耐油試験(C)においては、浸油温度を100℃、浸油時間を72時間とし、油としてIRM903を使用した。
本試験の評価は、耐油試験前後の引張強さの残率及び破断伸びの残率がともに60%以上であったものを本試験の合格レベルとして「A」で表し、引張強さの残率及び破断伸びの残率の一方でも60%未満であったものを「C」で表した。この耐油試験(C)は参考試験である。
上記外観試験(1)の条件により得られた被覆導体を用いて製造した各電線について、JIS C 3005に記載の「耐油試験」を行った。耐油試験(D)においては、浸油温度を100℃、浸油時間を168時間とし、油としてIRM903を使用した。
本試験の評価は、耐油試験前後の引張強さの残率及び破断伸びの残率がともに60%以上であったものを本試験の合格レベルとして「A」で表し、引張強さの残率及び破断伸びの残率の一方でも60%未満であったものを「C」で表した。この耐油試験(D)は参考試験である。
上記外観試験(1)の条件により得られた各電線を用いて、EN50305に準拠して耐摩耗性試験を行った。水平に設置した電線サンプルの上に、7Nの負荷荷重を加えながら、0.45mmφの鋼ブレードを用いて被覆層を摩耗させた。そのブレードがサンプルの導体に達するまで連続で往復させた。摩耗部分は,1サンプルにつき,90,180,270,360度円周方向の合計4回実施し、往復回数の平均値を算出した。平均値が50回以上であるものを「A(高度なもの)」、30〜49回であるものを「B(良好なもの)」、20〜29回であるものを「C(許容範囲)」、19回以下であるものを「D(不合格)」とした。
比較例は、外観、機械特性、難燃性、耐油性、及び耐摩耗性のいずれかに劣るものであった。変性ポリオレフィン樹脂の配合量が少なすぎる比較例1は、外観に劣った。変性ポリオレフィン樹脂の配合量が多すぎ、かつエチレン−アクリルゴムの配合量が少なすぎる比較例2は、破断伸び及び耐油性に劣った。無機フィラーの配合量が少なすぎる比較例3は、難燃性に劣った。無機フィラーの配合量が多すぎる比較例4は、機械特性に劣った。シランカップリング剤の配合量が少なすぎる比較例5は、引張強さ及び耐油性に劣った。シランカップリング剤の配合量が多すぎる比較例6は、外観に劣った。変性ポリオレフィン樹脂を配合しなかった比較例7は、耐摩耗性に劣った。エチレン−アクリルゴムの代わりにエチレンエチルアクリレートを使用した比較例8は、耐油性に劣った。エチレン−アクリルゴムの代わりにエチレンエチルアクリレートを使用し、成分を一度に配合して混練した比較例9は、外観及び耐油性に劣った。エチレン−アクリルゴムの代わりにエチレン−プロピレン−ジエンゴムを使用した比較例10は、難燃性及び耐油性に劣った。
これに対し、エチレン−アクリルゴムと変性ポリオレフィン樹脂を特定量配合し、さらに有機過酸化物、無機フィラー、及びシランカップリング剤を特定量用いて、本発明の製造方法で調製した実施例1〜16は、外観、機械特性、難燃性、耐油性、及び耐摩耗性のいずれにも優れていた。
外観試験1にも合格していることから、線速の低い(スクリュー回転数の低い)製造条件においても、ブツの発生を抑制して、外観に優れた電線を製造することができた。
ベースゴムをエチレン−アクリルゴム70〜85質量%及び不飽和カルボン酸成分で変性されたポリオレフィン樹脂15〜30質量%とし、無機フィラーの配合量を80〜200質量部とすると、高い引張強度、耐油性、難燃性をバランスよく得ることができた。
Claims (12)
- 下記工程(1)、工程(2)及び工程(3)
工程(1):ベースゴム100質量部に対して、有機過酸化物0.01〜0.5質量部と、無機フィラー40〜250質量部と、前記有機過酸化物から発生したラジカルの存在下で前記ベースゴムとグラフト化反応しうるグラフト化反応部位を有するシランカップリング剤1〜15質量部以下と、シラノール縮合触媒とを溶融混合して、前記有機過酸化物から発生したラジカルによって、前記グラフト化反応部位と、該グラフト化反応部位とグラフト化反応可能な部位を有するベースゴムの該グラフト化反応可能な部位とを、グラフト化反応させることにより、シラン架橋性ゴムを含む反応組成物を得る工程
工程(2):前記反応組成物を成形して、成形体を得る工程
工程(3):前記成形体を水と接触させて、シラン架橋アクリルゴム成形体を得る工程
を有するシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法であって、
前記ベースゴムが、エチレン−アクリルゴム55〜95質量%、不飽和カルボン酸成分で変性されたポリオレフィン樹脂5〜45質量%を含み、
前記工程(1)が、下記工程(a−1)、工程(a−2)及び工程(c)を有し、ただし、下記工程(a−2)でベースゴムの一部を溶融混合する場合には下記工程(a−1)、工程(a−2)、工程(b)及び工程(c)を有する、
工程(a−1):少なくとも前記無機フィラー及び前記シランカップリング剤を混合して混合物を調製する工程
工程(a−2):前記混合物と前記ベースゴムの全部又は一部とを、前記有機過酸化物の存在下で前記有機過酸化物の分解温度以上の温度において溶融混合して、前記有機過酸化物から発生したラジカルによって前記グラフト化反応部位と前記ベースゴムのグラフト化反応可能な部位とをグラフト化反応させることにより、シラン架橋性ゴムを含むシランマスターバッチを調製する工程
工程(b):前記ベースゴムの残部及び前記シラノール縮合触媒を溶融混合して、触媒マスターバッチを調製する工程
工程(c):前記シランマスターバッチと、前記シラノール縮合触媒又は前記触媒マスターバッチとを溶融混合して、前記反応組成物を得る工程
シラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。 - 前記ベースゴムが、エチレン−アクリルゴム70〜85質量%、不飽和カルボン酸成分で変性されたポリオレフィン樹脂15〜30質量%を含み、
前記無機フィラーを80〜200重量部含有する請求項1に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。 - 前記エチレン−アクリルゴムが、エチレンとアクリル酸アルキルエステルとの二元共重合体と、エチレンとアクリル酸アルキルエステルとカルボキシ基を含有する共重合成分との三元共重合体とを含む請求項1又は2に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
- 前記エチレン−アクリルゴムが、前記二元共重合体を25〜45質量%、前記三元共重合体を20〜60質量%含む請求項3に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
- 前記無機フィラーが、金属水和物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
- 前記シランカップリング剤の含有量が、前記ベースゴム100質量部に対して、3〜15質量部である請求項1〜5のいずれか1項に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
- 前記シランカップリング剤が、ビニルトリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランである請求項1〜6のいずれか1項に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
- 前記工程(a−1)及び工程(a−2)において、シラノール縮合触媒を実質的に混合しない請求項1〜7のいずれか1項に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の工程(1)により製造されてなるシラン架橋性アクリルゴム組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体の製造方法により製造されてなるシラン架橋アクリルゴム成形体。
- 請求項10に記載のシラン架橋アクリルゴム成形体を含む耐油性製品。
- 前記シラン架橋アクリルゴム成形体が、電線あるいは光ファイバケーブルの被覆である請求項11に記載の耐油性製品。
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