JP2006225440A - 光反射成形品用ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形品の耐熱性および成形時の寸法安定性に優れると共に、表面光沢が極めて高く、成形品にアンダーコート等の下塗りをせずに直接光反射金属層を形成することが可能であり、高鏡面性・高輝度感を有するのみならず、高温使用時における表面外観性維持(耐熱性)、さらには金属層との密着性にも優れた光反射成形品が得られるポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】成形品に光反射金属層が形成された光反射成形品を得るための成形品用ポリエステル樹脂組成物であって、該組成物が(A)主としてアルキレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエステル樹脂100質量部に対し、(B)円相当径の平均値が0.05〜5μmであり、かつアスペクト比の平均値が5〜50の板状無機充填材1〜50質量部、(C)離型剤0〜5質量部からなることを特徴とする光反射成形品用ポリエステル樹脂組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリエステル樹脂製光反射体を得るための樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、成形品の耐熱性および成形時の寸法安定性に優れると共に、表面光沢が極めて高く、かつ成形品にアンダーコート等の下塗りをせずに直接光反射金属層を形成することが可能であり、高鏡面性・高輝度感を有するのみならず、高温使用時における表面外観性維持(耐熱性)、さらには金属層との密着性にも優れた塗装および/又はドライメッキ法により光反射金属層を形成させることを目的としたポリエステル樹脂に関するものである。
照明部品、例えば、自動車のヘッドランプエクステンションや施設照明の反射体などは、光源の方向性、反射性、意匠性の為の高い輝度感、鮮鋭性、均一な反射率、平滑性および光源の熱に耐えうる高い耐熱性が必要になる。そのような用途には従来、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステル樹脂とタルクなどの種々の充填材との樹脂組成物で構成される成形体の表面にアルミニウム蒸着膜などの光反射金属層を施したものが使用されている。ただし、従来の樹脂組成物の成形体表面は、高耐熱化や低収縮化を目的として配合している充填材に起因する凹凸が生じる。従って、光反射金属層を樹脂基材の上に形成する前にアンダーコート等の下塗りをして表面を平滑にすることが必須であった。従来の樹脂組成物の成形体には、樹脂組成物の種類毎にアンダーコート材料を設計しなければならないこと、高耐熱性のアンダーコートを設計しなければいけないこと、アンダーコート材料を構成する有機溶剤が環境保護上問題があること、アンダーコート工程によってコストの大幅アップを余儀なくされること等の数々の問題があった。
一方、アンダーコートを用いず樹脂基材に直接光金属反射膜を形成させようとする場合、鏡面を得る為に充填材を減らして凹凸を減らす試みがなされているが(特許文献1参照)、組成物の耐熱性が不足する為に樹脂基材が光源の熱で変形したり、成形収縮率が大きかった。また、充填材に微粉末の無機充填材を用いる試みもなされているが(特許文献2参照)、十分な耐熱性および低収縮性を保持しつつ十分な機械強度を得るまでには至っていない。
特開昭61−133234号公報 特開2002−294042号公報
さらに、充填材にモンモリロナイトや合成雲母等用いた、いわゆるナノコンポジットが検討されているが(特許文献3参照)、充填材および充填材を微分散化させるために添加される表面処理剤の影響によって、流動性および脆性が悪化し、良好な成形品が得られない問題があった。
特開2003−33988号公報
本発明は、成形品の耐熱性および寸法安定性に優れると共に、表面光沢が極めて高いため、成形品にアンダーコート等の下塗りをせずに直接光反射金属層を形成することが可能であり、高鏡面性・高輝度感を有するのみならず、高温使用時における表面外観性維持(耐熱性)、さらには金属層との密着性にも優れた光反射成形品が得られるポリエステル樹脂組成物を提供することを課題としている。
本発明者等は上述の問題を解決するため鋭意研究をかさねた結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、(1)成形品に光反射金属層が形成された光反射成形品を得るためのポリエステル樹脂組成物であって、該組成物が(A)主としてアルキレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエステル樹脂100質量部に対し、(B)円相当径が0.05〜5μmであり、かつアスペクト比の平均値が5〜50の板状無機充填材1〜50質量部、(C)離型剤0〜5質量部からなることを特徴とする光反射成形品用ポリエステル樹脂組成物である。好ましい態様は、(2)(B)板状無機充填材のうち、円相当径が5μm以下の粒子の数の比率が80%以上である(1)の光反射成形品用ポリエステル樹脂組成物である。更に好ましい態様は、(3)(B)板状無機充填材がベーマトおよび/又はこれを焼成したアルミナである前記の光反射成形品用ポリエステル樹脂組成物である。
また、本発明は、(4)前記の樹脂組成物からなる成形品の少なくとも一部に、直接、光反射金属層を形成したことを特徴とする成形体である。
本発明のポリエステル樹脂組成物から得られた光反射成形品は、表面の輝度が極めて高く、かつ耐熱性と成形時の寸法安定性に優れる。また、成形品にアンダーコート等の下塗りをせずに直接成形品の表面に光反射金属層を形成することが可能であるので、例えばヘッドランプエクステンションや照明部品の製造において、環境への負荷が小さく、作業効率が良く、コスト面においても優れている。
以下、本発明に用いられる樹脂組成物の構成成分について詳しく説明する。
本発明における(A)主としてアルキレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエステル樹脂は、70モル%以上がアルキレンテレフタレートを繰り返し単位からなるポリエステル樹脂であり、テレフタル酸および/又はそのエステル誘導体等のジカルボン酸成分と、例えば、2〜12個の炭素原子を有する線状又は分岐状のアルキレンジオール、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオール等のジオール成分を重合することによって得られる。ジオール成分としては、2〜6個の炭素原子を有する線状又は分岐状のアルキレンジオールが好ましい。特に線状の2〜4個の炭素原子を含有するジオールが好ましい。
(A)主としてアルキレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエステル樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合物、アルキレンテレフタレート単位を主成分とする共重合ポリエステル、ポリブチレンテレフタレートとアルキレンテレフタレート単位を主成分とする共重合ポリエステルとの混合物、が好ましい。特に本発明のポリエステル樹脂組成物から得られた光反射成形品の表面の輝度と耐熱性を満足するためにポリエステル樹脂成分の65〜100モル%がブチレンテレフタレート単位であることが好ましい。
上記共重合ポリエステルの共重合成分としてのジカルボン酸としては、例えば線状又は分岐状脂肪族ジカルボン酸、特に2〜40個、好ましくは4〜10個の炭素原子を有するもの、例えば蓚酸、マロン酸、コハク酸、ドデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸、ピメリン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸およびダイマー酸(炭素原子数10〜20の不飽和脂肪酸例えばオレイン酸の二量化生成物);6〜10個の炭素原子を有する環状脂肪族ジカルボン酸、例えば1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−および1,4−メチルシクロヘキサンジカルボン酸および4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸;又は例えば8〜14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、例えばイソフタール酸、フタール酸、1,3−、1,4−、2,6−又は2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−5−カルボキシル−3−(p−カルボキシフェニル)インダン、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸および4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸等が挙げられる。
上記共重合ポリエステルの共重合成分としてのジオールとしては、例えば線状又は分岐状の脂肪族ジオール(1,4−ブタンジオールを除く)、脂環族ジオール、例えば1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサンおよび芳香族ジオール例えばハイドロキノンおよびレゾルシノールおよび特に次式I:
Figure 2006225440
(式中、OH基はm−位および特にp−位にあり、そしてR’およびR″は炭素原子数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子例えば塩素原子又は臭素原子、そして特に水素原子を表わす。)で表わされるビスフェノールである。Aは直接結合でもO、S、SO2、―Cp2p−でもよく、式中、pは1〜4を表わし、そして特に−CH2−又は−C(CH32−を表わす。このようなビスフェノールの例は:ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル又は−チオエーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−又は2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔テレブロモビスフェノールAともいう〕および特に2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールAともいう〕である。
さらに適当なジオールは、例えば、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン〔ビスフェノールCともいう〕;β−ヒドロキシアルキル化、特にβ−ヒドロキシエチル化ビスフェノール、例えば2,2−ビス〔4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン;芳香族ジオール、脂肪族ジオール、例えばp−ジヒドロキシメチルベンゼン、2,5−ジクロロ−p−ジヒドロキシ−メチルベンゼン;ポリアルキレングリコール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、またN,N’−複素環状含有ジオール例えばN,N’−(2−ヒドロキシエチル)−5,5−ジメチルヒダントイン、N−N’−(2−ヒドロキシエチル)ベンズイミダゾロンおよびN,N’−(2−ヒドロキシエチル)−4,5,6,7−テトラグロモベンズイミダゾロンである。
(A)主としてアルキレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエステル樹脂には、
アルキレンテレフタレート単位を主成分とするポリエステル以外のポリエステルやアルキレンテレフタレート単位を主成分とする共重合ポリエステル以外の共重合ポリエステルを混合しても構わないが、(A)の中に含まれるアルキレンテレフタレートの繰り返し単位はポリエステル樹脂成分の70モル%以上である。
(A)主としてアルキレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエステル樹脂は、3価〜4価アルコール、又は3〜4塩基酸により分岐化してもよい。適当な分岐化剤は、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,1,1−トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールである。
共重合ポリエステルは共重合成分として、特に、ジオール成分に対して0.5〜10モル%、特に2〜10モル%の量の2,2−ビス〔4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパンの基を含有するものが好ましい。
本発明で使用される(B)無機充填材は板状の無機充填材であり、粒子の円相当径(面積が等しい円の直径)の平均値が0.05〜5μmであり、好ましくは0.2〜3μmであり、かつアスペクト比の平均値が5〜50である。(B)板状無機充填材は、更に好ましくは円相当直径が5μm以下の粒子の数の比率が80%以上である。
板状無機充填材に円相当径が5μmより大きい粒子が多量に含まれる場合、成形品の表面に無機充填材の浮き上がりが発生してしまい、良好な外観の成形品が得られない。
板状無機充填材の円相当径の平均値が5μm以下、更に好ましくは5μm以下の粒子の数の比率が80%以上であれば、無機充填材の浮き上がりがない良好な外観の成形品が得られ、直接蒸着を施しても非常に良好な外観の光反射体が得られる。
一方、無機充填材の円相当径の平均値が0.05μm未満の場合は、樹脂組成物における無機充填材の分散化が困難になるため好ましくない。また、流動性の低下によって、良好な成形品が得られない場合がある。
また、無機充填材のアスペクト比が5以下であると、耐熱性および成形時の収縮抑制効果が不十分となる。無機充填材のアスペクト比が50以上であると、樹脂中への分散化が困難になる。
本発明における(B)無機充填材は、上記形状を満足していればよく、その種類に特に制限はない。例えば、ギブサイト、ベーマイト、ダイアスポア、コランダム、カオリナイト、パイロフィライト、スメクタイト、セリサイト、合成雲母、合成タルクなどが好適に使用される。これらのうち水熱合成によって生成された無機充填材が好ましい。一方、粉砕法によって得られるタルクなどの板状無機充填材は、粒子の円相当径の平均値を5μm以下にする場合、粉砕によってアスペクト比が小さくなるため、アスペクト比5以上のものが得にくい。アスペクト比が小さくなると耐熱性や成形時の収縮抑制効果が得にくい。形状制御のしやすさや製造コストの観点から、ベーマイトおよび/又はこれを焼成したアルミナが特に好ましい。
本発明における(B)無機充填材の配合量は、(A)主としてアルキレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエステル樹脂100質量部に対し、1〜50質量部、好ましくは5〜25質量部配合される。50質量部を超えると成形品の外観が悪くなるため好ましくない。また、成形品の耐熱性や成形時の寸法安定性を向上させるために1質量部以上配合することが好ましい。
本発明では、成形時における製品の離型性を高め、成形品外観を向上させるために(C)離型剤を添加することができる。(C)離型剤としては、グリセリン脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステル類に代表される脂肪酸エステル類、およびその部分ケン化物などの脂肪酸エステル系化合物、脂肪酸金属塩類などから選ばれる1種又は2種以上の化合物を添加することが可能である。特に炭素数22以上の脂肪酸エステル又は炭素数22以上の脂肪酸部分ケン化エステルが好ましい。また上記脂肪酸エステル系化合物とともにシリコーン系化合物の離型剤を併用すると離型性が更に向上するので好ましい。シリコーン系化合物の離型剤は末端基が変性されたものであってもよい。
本発明における(C)離型剤の配合量は(A)主としてアルキレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエステル樹脂100質量部に対し、0〜5.0質量部である。配合量がこれを越えると、使用温度によっては曇り状の外観不良や染み出しが顕在化する場合があり好ましくない。
また本発明では、光反射体を構成する樹脂組成物の成形時の熱安定性を高め、特に連続的に成形された場合でも樹脂組成物から得られた成形品に発生するガス、低分子成分、染み出し物等の影響による外観・輝度感の低下を抑制するために、更に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に使用することができる酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール類、チオエーテル類、および有機ホスファイト類から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせからなることが好ましく、これらの添加は、押出し時や成形機内での溶融熱安定性向上に効果があり、揮発の付着による表面曇りの発生が少なく良好な外観・表面平滑性を有する成形品を連続的に長時間生産する上で有用であるとともに、光反射体が高温条件下におかれた際に、樹脂から発生する揮発や分解物の生成を抑制し良好な外観・表面平滑性を維持する上でも特に有用である。
ここで使用する酸化防止剤の具体例を示すと、ヒンダードフェノール類としてはテトラキス{メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、トリエチレングリコール−ビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}などがあり、チオエーテル類としてはテトラキス{メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート}メタン、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジドデシルチオジプロピオネートなどがあり、有機ホスファイト類としてはビス(2,6−ジ−t−4メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどがある。特にヒンダードフェノール類とチオエーテル類、ヒンダードフェノール類と有機ホスファイト類、ならびにこれら3種の酸化防止剤の併用は効果的である。
また有機ホスファイト類酸化防止剤の代わりとして、リン酸金属塩も好適であり、具体例を示すと、第一リン酸カルシウム、第一リン酸ナトリウムの1水和物が挙げられる。
酸化防止剤の配合量は、(A)主としてアルキレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエステル樹脂100質量部に対し、0〜3.0質量部である。配合量がこれを越えると、曇り状の外観不良や染み出しが顕在化する場合があり好ましくない。
さらに本発明のポリエステル樹脂組成物には、その目的に応じ所望の特性を付与するために、一般に熱可塑性樹脂等に添加される公知の物質を配合することができる。例えば帯電防止剤、染料や顔料等の着色剤等いずれも配合することが可能である。
本発明のポリエステル樹脂組成物の調製は、従来の樹脂組成物調製法として一般に用いられる設備と方法により容易に調製される。例えば、(1)本発明の組成物を構成する成分を所定量一括混合して、一軸又は二軸の押出し機で溶融混練し、目的組成のペレットを得る。(2)原材料投入口を2個以上有する一軸又は二軸の押出し機で、第一番目の投入口から樹脂、安定剤、顔料成分などを投入し溶融混練した後、第二番目の原料投入口より無機充填材を投入し、溶融混練して目的組成のペレットを得る、などである。
本発明の樹脂組成物の成形法としては、射出成形法、射出圧縮成形法などがあるが、射出成形法が一般的である。金型はクロムメッキ処理などによって鏡面加工することが好ましい。
本発明の樹脂組成物から得られる成形品は、成形品の少なくとも一部にアンダーコート等の下塗りをせずに、直接、蒸着法などによって光反射金属層を形成することが可能であり、これによって得られた光反射成形体は高い輝度を有し、かつ光反射層の密着性が優れている。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例で使用した材料および評価項目の測定方法は以下の通りである。
なお実施例中の部、および%は特に記載がない場合は質量基準である。
<使用した材料>
(A1)PBT:ηsp/C(還元粘度)1.23dl/g、末端カルボキシル基量30eq/kgのポリブチレンテレフタレート樹脂
(A2)PET:ηsp/C(還元粘度)0.62dl/g、末端カルボキシル基量30eq/kgのポリエチレンテレフタレート樹脂
(B1)ベーマイト:セラシュールBMM(河合石灰工業(株)製)
(B2)ベーマイト:セラシュールBMT(河合石灰工業(株)製)
(B3)タルク:ミクロンホワイト5000A(林化成(株)製)
(B4)酸化亜鉛:1種酸化亜鉛(正同化学工業(株)製)
(C)離型剤:Licowax OP(クラリアントジャパン(株)製)
以下、測定評価方法について説明する。
(1)評価用平板テストピースの作製
外観の評価に関しては、100×100×2mm(厚さ)の平板テストピースを用いた。
平板テストピースは、下記の成形条件にて射出成形によって得た。
射出成形機:東芝機械(株)製IS−80
シリンダー1〜4ゾーン温度:240−250−250−250℃
射出速度:2.0m/分
保圧力:400kgf/cm2
金型温度:60℃
(2)成形収縮率の測定
射出成形によって得られた平板テストピース成形品を、23℃、相対湿度40%の恒温恒湿室中に24時間放置した後に、流動方向および直角方向の寸法を測定し、成形収縮率を求めた。
(3)光反射表面の外観評価
射出成形によって得られた平板テストピースを蒸着装置を使用して、蒸着装置内を1.0×10-2Paまで減圧し、1.0nm/secの蒸着速度でアルミニウムを100nmの膜厚まで蒸着した。蒸着した平板テストピースの光反射表面の外観を目視にて観察し、下記点数を付けた。
1;高い輝度感を有し、蛍光灯が歪みなく明瞭に映る。
2;高い輝度感を有し、蛍光灯は歪みなく映るが、若干の曇りがある。
3;蛍光灯は歪みなく映るものの多少ぼやけており、曇りが多少見られる。
4;表面が均一ではなく、蛍光灯が多少歪んで映り、曇りが見られる。
5;表面が荒れており、蛍光灯が波打って映り、白く見える。
更に、上記蒸着した平板テストピース光反射体を、160℃で24時間加熱オーブン内に放置した後に取り出し、同様に光反射表面の外観を目視にて観察し、同様に点数をつけた。
(4)碁盤目剥離評価
蒸着によって平板テストピース上に形成されたアルミニウム膜と平板テストピースとの密着性を碁盤目剥離で評価した。上記条件で成形した平板(100mm×100mm×2mm厚さ)を用いて、上記に示す方法にて蒸着された常温平板成形品を23℃、相対湿度40%の恒温恒湿室中に24時間放置した後、ニチバン(株)製粘着テープ:セロテープ(登録商標)を用いて、1mm間隔の碁盤目数100の碁盤目剥離試験を行った。評価は、各実施例および比較例に対し5回の碁盤目剥離テストを行い、テストプレート表面に残存する碁盤目数の残存数を百分率にて表し、評価した。
(5)無機充填材の粒子径の測定
射出成形によって得られた平板テストピースの中央部をミクロトームにて面出し後、カーボン蒸着を施した後、電界放射走査電子顕微鏡(日立製作所製、S4500)で加速電圧20KV、倍率500〜5000倍で観察して、写真撮影をする。次いで、得られた写真において、100個の粒子について円相当径(粒子の写真における面積と等しい面積の円の直径である)、アスペクト比(粒子の写真における長径を短径で割った値である)、および5μm以上の粒子の数の比率を画像解析により測定・計算した。
(実施例1〜2、比較例1〜4)
表1に示す配合量になるように材料を配合して、シリンダーからノズルの各部分の温度が順に240−250−250−250℃に設定された2軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM30)で溶融混練してポリエステル樹脂組成物のペレットを得た。次に得られたペレットを、140℃で4時間乾燥した後、前記成形条件で射出成形機を用いて、金型表面温度が60℃であるクロムメッキされた鏡面金型を用いて射出成形し、評価用平板テストプレートを得た。評価結果を表1に示した。
実施例から明らかなように、本発明のポリエステル樹脂組成物から得られた光反射体は、表面の輝度が高く、かつ、耐熱性、成形時の寸法安定性に優れる。
Figure 2006225440
成形品の耐熱性および成形時の寸法安定性に優れると共に、表面光沢が極めて高いため、成形品にアンダーコート等の下塗りをせずに直接光反射金属層を形成することが可能であり、例えばヘッドランプエクステンションや照明部品の製造において、環境保護、作業効率、コストに優れており、産業界に寄与することが大である。

Claims (4)

  1. 成形品に光反射金属層が形成された光反射成形品を得るためのポリエステル樹脂組成物であって、該組成物が(A)主としてアルキレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエステル樹脂100質量部に対し、(B)円相当径の平均値が0.05〜5μmであり、かつアスペクト比の平均値が5〜50の板状無機充填材1〜50質量部、(C)離型剤0〜5質量部からなることを特徴とする光反射成形品用ポリエステル樹脂組成物。
  2. (B)板状無機充填材のうち、円相当径が5μm以下の粒子の数の比率が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光反射成形品用ポリエステル樹脂組成物。
  3. (B)板状無機充填材がベーマイトおよび/又はこれを焼成したアルミナである請求項1又は2いずれかに記載の光反射成形品用ポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光反射成形品用樹脂組成物からなる成形品の少なくとも一部に、直接、光反射金属層を形成したことを特徴とする成形体。
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