JP2002220517A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2002220517A
JP2002220517A JP2001016943A JP2001016943A JP2002220517A JP 2002220517 A JP2002220517 A JP 2002220517A JP 2001016943 A JP2001016943 A JP 2001016943A JP 2001016943 A JP2001016943 A JP 2001016943A JP 2002220517 A JP2002220517 A JP 2002220517A
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rubber
resin
acrylate
copolymer
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JP2001016943A
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Inventor
Takashi Kawamura
孝 川村
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿熱性に優れ、低ソリで、且つ高靭性を有
する大型ハウジング部品用熱可塑性樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 特定範囲の酸価の熱可塑性ポリエステル
系樹脂と、ゴム変性スチレン系樹脂との組成物に、ビニ
ル系単量体をグラフト重合させたポリオルガノシロキサ
ン系樹脂、耐衝撃向上剤、繊維状強化材及び/または板
状無機充填材を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る熱可塑性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、耐衝撃
性、耐湿熱性に優れ、且つ成形時収縮率の異方性が少な
く、ソリが改善され、特に、大型のハウジング部品に利
用可能な熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート(以下、P
BTと略称する)に代表される熱可塑性ポリエステル樹
脂は優れた成形性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、
耐薬品性等を有するために、電気・電子分野、自動車分
野において幅広く使用されている。特に、自動車分野で
は、ワイヤーハーネスコネクタ、イグニッションコイル
等の各種電装部品および各種ミラ−のハウジング等の用
途には、前述の特性に加え、流動性や寸法精度が優れる
ため、熱可塑性ポリエステル樹脂が広く用いられてい
る。
【0003】しかしながら、熱可塑性ポリエステル樹脂
は耐衝撃性が低く、かつ射出成形時の成形収縮率が大き
く、特にガラス繊維等で強化された熱可塑性ポリエステ
ル樹脂の場合、成形時の溶融樹脂の流動方向と直角方向
とでは収縮率が大きく異なるため、収縮率に異方性を生
じて、成形品にソリが発生しやすく、ハウジング部品等
の大型の成形品用途には使用が制限されていた。
【0004】熱可塑性ポリエステル樹脂の耐衝撃性を向
上させる手段として、改質剤としてコアシェル構造を有
する多層ポリアクリル酸エステル樹脂を配合する手法
(特開昭52−150466号公報)、芳香族ポリカー
ボネート樹脂とコアシェル構造を有する多層ポリアクリ
ル酸エステル樹脂とを配合する方法(特公平2−289
8号公報、特開平8−59971号公報など)に開示さ
れている。
【0005】また、熱可塑性ポリエステル樹脂の耐衝撃
性改良方法として、エチレンとメタクリル酸グリシジル
等の共重合体を添加する方法(特開昭55−13715
4号公報など)、ABS樹脂を添加する方法(特開昭4
9−97081号公報など)が開示されている。
【0006】しかしながら、これらの方法では、耐衝撃
性や耐湿熱性、成形品の収縮率異方性等の改善効果は不
充分であり、大型の成形品を成形した場合、大きなソリ
が発生したり、加熱処理を行った場合に更に収縮が発生
してしまい加熱処理後の寸法変化が大きい等の重大な欠
点は改善出来なかった。
【0007】このような成形時の収縮率の異方性を改善
する方法としては、平板状の充填材であるマイカ、ある
いは球状の粒子であるガラスビーズ等を使用する方法
(特公昭49−18615号公報、特開昭57−160
55号公報など)が開示されている。しかしながら、こ
れらの方法では、成形時の収縮率異方性の改善効果は乏
しく、ソリは殆ど改善されず、耐衝撃性が低下するた
め、実用上、大型成形品への適用には大きな問題があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、成形時の収縮率の異方性が小さく、ソリが改善さ
れ、且つ耐衝撃性、耐湿熱性、流動性等に優れ、特に、
大型のハウジング部品等の成形品に有用な熱可塑性樹脂
組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の範囲の
酸価の熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と、ゴム変性ス
チレン系樹脂(B)、ポリオルガノシロキサンゴムとポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴムとの複合ゴムに1
種または2種以上のビニル系単量体をグラフト重合させ
てなる複合ゴム系グラフト共重合体樹脂(C)、耐衝撃
向上剤(D)、繊維状強化材(E−1)及び/または板
状無機充填材(E−2)を併用することにより、高い衝
撃性と良好な耐湿熱性を保持し、かつ収縮率の異方性が
少なく、大型成形品に対しても適用可能な熱可塑性樹脂
組成物を得ることが出来ることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、熱可塑性ポリエステル樹
脂(A)及びゴム変性スチレン系樹脂(B)からなる組
成物と、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル
(メタ)アクリレートゴムとの複合ゴムに1種または2
種以上のビニル系単量体をグラフト重合させてなる複合
ゴム系グラフト共重合体樹脂(C)及び、耐衝撃向上剤
(D)を配合してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組
成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における熱可塑性ポリエス
テル樹脂(A)としては、特に限定されるものではない
が、少なくとも1種の2官能性カルボン酸成分と、少な
くとも1種のグリコール成分またはオキシカルボン酸と
の重縮合反応により得られる熱可塑性ポリエステル樹脂
が挙げられる。
【0012】2官能性カルボン酸成分の代表例として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデ
カン2酸、スベリン酸、アゼライン酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、またはこれらのカルボキシル基を
エステル化したエステル形成性誘導体などを挙げること
が出来、中でも芳香族ジカルボン酸、またはこれらのカ
ルボキシル基をエステル化したエステル形成性誘導体が
好ましく、特に、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸等、および、これらのエステル形成性誘導体が
特に好ましい。
【0013】グリコール成分としては、特に限定される
ものではないが、例えば、下記一般式[1]で表され
る、α,ω−アルキレングリコールが挙げられ、その中
でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが好
ましい。
【0014】
【化1】
【0015】(一般式[1]中、nは2〜20の何れか
の整数)
【0016】α,ω−アルキレングリコール以外のグリ
コール成分としては、例えば、ネオペンチルグリコー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−
シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、ビスフェノールA、ポリオキシエチレングリ
コール、ポリオキシテトラメチレングリコール、または
これらの水酸基をエステル化したエステル形成誘導体等
が挙げられる。また、カテコール、レゾルシノール、ハ
イドロキノン、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルメタン、
ジヒドロキシジフェニルケトン、ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、ジヒドロキシジフェニルスルフォン等が
例示される。α,ω−アルキレングリコールを含め、こ
れらのグリコール成分は単独あるいは混合して用いるこ
とが出来る。
【0017】オキシカルボン酸成分としては、例えば、
オキシ安息香酸、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息
香酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヒドロキシジフェニルカ
ルボン酸、ω−ヒドロキシカプロン酸等、またはこれら
のカルボキシル基をエステル化したエステル形成誘導体
などが挙げられる。
【0018】また、このような熱可塑性ポリエステル樹
脂を形成する全酸成分または全グリコール成分の70モ
ル%以上が単一成分であることが好ましい。
【0019】上記各成分から反応にて得られる熱可塑性
ポリエステル樹脂(A)の中でも、特にポリブチレンテ
レフタレ−ト樹脂(以下、「PBT樹脂」と略記する)
が好ましい。PBT樹脂は、一般に、1,4−ブタンジ
オールとジメチルテレフタレートまたはテレフタル酸と
から製造されるが、必要に応じて1,3−プロパンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、エチレ
ングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等
のグリコール成分やテレフタル酸以外のジカルボン酸な
どの第3成分を少量共縮合してもよい。
【0020】本発明で用いる熱可塑性ポリエステル樹脂
(A)の極限粘度〔η〕(フェノ−ル/テトラクロロエ
タン=6/4重量比の混合溶媒を用いて温度30±0.
1℃で測定)に特に制限はないが、成形性及び耐衝撃性
の点から0.6〜1.0dl/gの範囲であることが好
ましく、0.7〜0.95dl/gであることがより好
ましい。
【0021】本発明で用いる熱可塑性ポリエステル樹脂
(A)の酸価は、2.5mgKOH/g以下であり、中
でも2.0mgKOH/g以下のものが特に好ましい。
【0022】本発明のゴム変性スチレン系樹脂(B)と
は、オレフィン系重合体あるいはアクリル酸エステル系
化合物の少なくとも1種以上を共重合させたポリアクリ
ル酸エステル系共重合体の存在下、芳香族ビニル系単量
体および必要に応じて共重合可能な他のビニル系単量体
を重合して得られる共重合体または該共重合体と、芳香
族ビニル系単量体および必要に応じて共重合可能な他の
ビニル系単量体を重合して得られる芳香族ビニル系重合
体との混合物である。
【0023】本発明で用いるオレフィン系重合体として
は、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレ
ン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチ
レン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン
共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、イ
ソプレン/イソブチレン共重合体、スチレン/ブタジエ
ン、スチレン/イソプレン共重合体及びそれらの水素添
加物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エ
チレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エ
ステル共重合体などのオレフィン系重合体等を挙げるこ
とが出来る。これらの中でも、ポリブタジエン系重合
体、ポリイソプレン系重合体及びその水素添加物、エチ
レン/プロピレン系共重合体等が好ましい。これらのオ
レフィン系重合体は、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、
塊状重合等により製造され、重合方法については特に限
定しない。
【0024】また、上記アクリル酸エステル系共重合体
とは、アルキル(メタ)アクリレートと多官能性アルキ
ル(メタ)アクリレートとからなるアルキル(メタ)ア
クリレートとの1種以上を共重合して得られるランダム
共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の1種
以上からなるアクリル酸エステル系共重合体である。
【0025】アルキル(メタ)アクリレ−トとしては、
例えば、メチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、n
−プロピルアクリレ−ト、n−ブチルアクリレ−ト、2
−エチルヘキシルアクリレ−ト等のアルキルアクリレ−
ト;ヘキシルメタアクリレ−ト、2−エチルヘキシルメ
タアクリレ−ト、n−ラウリルメタクリレ−ト等のアル
キルメタクリレ−トが挙げられ、特に、n−ブチルアク
リレ−ト、エチルアクリ−トが好ましい。
【0026】また、多官能性アルキル(メタ)アクリレ
ートとしては、例えば、アリルメタクリレート、エチレ
ングリコ−ルジメタクリレ−ト、プロピレングリコ−ル
ジメタクリレ−ト、1,3−ブチレングリコ−ルジメタ
クリレ−ト、1,4−ブチレングリコ−ルジメタクリレ
−ト、トリアリルシアヌレ−ト、トリアリルイソシアヌ
レ−ト等が挙げられる。
【0027】多官能性アルキル(メタ)アクリレートの
使用量は、アルキル(メタ)アクリレ−ト成分中、好ま
しくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜1
0重量%の範囲である。アルキル(メタ)アクリレ−ト
や多官能性アルキル(メタ)アクリレ―トは単独使用ま
たは2種以上を併用して用いられる。
【0028】芳香族ビニル系単量体としては、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチル
スチレン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレ
ン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレ
ン、ジブロムスチレン等が例示され、1種または2種以
上を用いることが出来る。この中でも、スチレン、α−
メチルスチレンが好ましい。
【0029】芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他の
ビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート等の不飽和カ
ルボン酸アルキルエステル、マレイミド、N−フェニル
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシ
ルマレイミド等のマレイミド単量体が例示され、各々1
種または2種以上を用いることが出来る。アクリロニト
リル、メチルメタクリレートおよびN−フェニルマレイ
ミドが特に好ましい。
【0030】ゴム変性スチレン系樹脂(B)の重合方法
としては、公知の乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状
重合またはこれらを組合わせた方法が用いられ、特に制
限はない。
【0031】共重合体と混合して用いられる芳香族ビニ
ル系重合体を構成する芳香族ビニル系単量体および共重
合可能な他のビニル系単量体としては、各々グラフト共
重合体に用いられるものと同一の群から任意の1種又は
2種以上を選択して用いることが出来る。また、該重合
体の重合方法としては、公知の乳化重合、溶液重合、懸
濁重合、塊状重合またはこれらを組合わせた方法が用い
られ、特に制限はない。
【0032】ゴム変性スチレン系樹脂(B)のオレフィ
ン系重合体またはアクリル酸エステル系共重合体と単量
体との構成比には制限はないが、好ましくはオレフィン
系重合体またはアクリル酸エステル系共重合体が5〜4
0重量%であり、単量体が95〜60重量%である。オ
レフィン系重合体またはアクリル酸エステル系共重合体
が5重量%未満では得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低
下する畏れがあり、40重量%を越えると熱可塑性ポリ
エステル樹脂(A)との親和性が低下する畏れがある。
又、かかる単量体における芳香族ビニル系単量体と他の
ビニル系単量体との構成比にも制限はないが、芳香族ビ
ニル系単量体が10〜100重量%であり、特に好まし
くは30〜70重量%であり、一方、他のビニル系単量
体は90〜0重量%であり、特に好ましくは70〜30
重量%である。
【0033】ゴム変性スチレン系樹脂(B)は、1種又
は2種以上を混合して使用することが出来る。ゴム変性
スチレン系樹脂(B)としては、例えば、アクリロニト
リル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、アク
リロニトリル/(エチレン/プロピレン共重合体)/ス
チレン共重合体(AES)、アクリロニトリル/(アク
リル酸エステル系共重合体)/スチレン共重合体(AA
SまたはASA)、ハイインパクトポリスチレン等が挙
げられる。
【0034】本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル
樹脂(A)とゴム変性スチレン系樹脂(B)との配合割
合は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)/ゴム変性スチ
レン系樹脂(B)=10〜90/90〜10重量%であ
り、好ましくは、(A)/(B)=15〜85/85〜
15重量%である。
【0035】本発明で用いられる複合ゴム系グラフト共
重合体樹脂(C)とは、ポリオルガノシロキサンゴムと
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとの複合ゴムに
1種または2種以上のビニル系単量体をグラフト重合さ
せてなるものである。
【0036】上記複合ゴム系グラフト共重合樹脂(C)
の代わりに、ポリオルガノシロキサンゴムおよびポリア
ルキル(メタ)アクリレ−トゴムの何れか1種類あるい
はこれらの単純な混合物をゴム源とした場合では、本発
明の如き優れた特性は発現されず、ポリオルガノシロキ
サンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートゴムの両
者が分離困難な状態で混和されて初めて、優れた耐衝撃
性と成形流動性を有する本発明の熱可塑性樹脂組成物を
得ることが出来るのである。
【0037】ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキ
ル(メタ)アクリレ−トゴムとの重量比は、ポリオルガ
ノシロキサンゴム/ポリアルキル(メタ)アクリレ−ト
ゴム=10〜90/90〜10重量%であることが好ま
しく、より好ましくは20〜80/80〜20重量%で
ある。かかる重量比であれば、優れた表面外観を有し、
耐衝撃性と成形流動性を有する本発明の熱可塑性樹脂組
成物を得ることが出来るのである。
【0038】複合ゴム系グラフト共重合樹脂(C)を構
成する複合ゴムの平均粒子径は、0.08〜0.6μm
の範囲であることが好ましく、平均粒子径がかかる範囲
であれば、得られる成形品により優れた耐衝撃性と外観
をもたらすことが出来る。
【0039】このような平均粒子径を有する複合ゴムを
製造する方法としては、例えば、乳化重合法が好適であ
り、先ず、ポリオルガノシロキサンゴムのラテックスを
調整し、次にアルキル(メタ)アクリレ−トゴムの合成
用単量体をポリオルガノシロキサンゴムラテックスのゴ
ム粒子に含浸させてから前記合成用単量体を重合する方
法がある。
【0040】上記の複合ゴムを構成するポリオルガノシ
ロキサンゴム成分は、以下に示すポリオルガノシロキサ
ン及び架橋剤を用いて乳化重合により調整することが出
来、その際、更にグラフト交叉剤を併用することが出来
る。
【0041】オルガノシロキサンとしては、3員環以上
の環状化合物が挙げられ、その中でも3〜6員環のもの
が好ましく、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシ
ロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサ
ン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサ
ン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げら
れ、これらは単独または2種以上を混合して用いられ
る。これらの使用量は、通常、ポリオルガノシロキサン
ゴム成分中に50重量%以上、好ましくは70重量%以
上である。
【0042】ポリオルガノシロキサンゴムの調整に用い
られる架橋剤としては、3官能以上の官能性を有する架
橋剤が挙げられ、例えば、トリアルコキシアルキルシラ
ン類、トリアルコキシアリールシラン類、テトラアルコ
キシシラン類が用いられる。このような架橋剤として
は、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニル
シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン等を例示出来る。本発明で用いられる架橋剤として
は、テトラアルコキシシラン類が好ましく、中でもテト
ラエトキシシランが特に好ましい。
【0043】また、グラフト交叉剤としては、次式で表
される単位を形成しうる化合物等が用いられる。
【0044】
【化2】
【0045】
【化3】
【0046】
【化4】
【0047】
【化5】
【0048】尚、一般式[2]〜[5]において、R1
はメチル基、エチル基、プロピル基またはフェニル基
を、R2は水素原子またはメチル基、nは0、1または
2、pは1〜6の数を示す。
【0049】一般式[2]の単位を形成する(メタ)ア
クリロイルオキシシロキサンは、グラフト効率が高いた
め、有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐
衝撃性の発現のために有利である。
【0050】尚、一般式[2]の単位を形成し得るもの
としては、メタクリロイルオキシシロキサン類が特に好
ましい。メタクリロイルオキシシロキサン類の具体例と
しては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメ
チルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキ
シジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
ジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリ
ロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げら
れる。
【0051】一般式[3]の単位を形成し得るものとし
ては、ビニルシロキサン類が挙げられ、具体例として
は、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン
が挙げられる。
【0052】一般式[4]の単位を形成し得るものとし
ては、例えば、p−ビニルフェニルジメトキメチルシラ
ンが挙げられる。
【0053】また、一般式[5]の単位を形成し得るも
のとしては、例えば、γ−メルカプトプロピルジメトキ
シメチルシラン、γ−メルカプトプロピルメトキシジメ
チルシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチル
シランなどが挙げられる。
【0054】オルガノシロキサン系化合物の混合物中に
占めるグラフト交叉剤の使用量としては、10重量%以
下が好ましくは、より好ましくは0.5〜 5重量%で
ある。
【0055】乳化剤としては、アニオン系乳化剤が好ま
しく、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ルスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステ
ルナトリウムなどの中から選ばれた乳化剤が使用され
る。特に、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラ
ウリルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸系の乳化
剤が好ましい。
【0056】これらの乳化剤は、通常、オルガノシロキ
サン系化合物の混合物100重量部に対して、0.05
〜5重量部の範囲で使用される。乳化剤をこの範囲で使
用することにより、微小な粒子径の安定した分散状態を
保つことが出来る。
【0057】このようにして製造されたポリオルガノシ
ロキサンラテックスに、アルキル(メタ)アクリレート
と多官能性アルキル(メタ)アクリレートとからなるア
ルキル(メタ)アクリレート成分を含浸させ、次いで重
合させることによって、複合ゴムを得ることが出来る。
【0058】アルキル(メタ)アクリレ−トとしては、
例えば、メチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、n
−プロピルアクリレ−ト、n−ブチルアクリレ−ト、2
−エチルヘキシルアクリレ−ト等のアルキルアクリレ−
ト;ヘキシルメタアクリレ−ト、2−エチルヘキシルメ
タアクリレ−ト、n−ラウリルメタクリレ−ト等のアル
キルメタクリレ−トが挙げられ、特に、n−ブチルアク
リレ−トが好ましい。
【0059】また、多官能性アルキル(メタ)アクリレ
ートとしては、例えば、アリルメタクリレート、エチレ
ングリコ−ルジメタクリレ−ト、プロピレングリコ−ル
ジメタクリレ−ト、1,3−ブチレングリコ−ルジメタ
クリレ−ト、1,4−ブチレングリコ−ルジメタクリレ
−ト、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌ
レート等が挙げられる。多官能性アルキル(メタ)アク
リレートの使用量は、アルキル(メタ)アクリレ−ト成
分中、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは
0.5〜10重量%である。
【0060】アルキル(メタ)アクリレ−トや多官能性
アルキル(メタ)アクリレ―トは単独または2種以上を
併用して用いられる。
【0061】尚、本発明の実施に際しては、ジアルキル
オルガノシランとしてオクタメチルテトラシクロシロキ
サンを、シロキサン系グラフト交叉剤としてγ−メタク
リロイルオキシプロピルジメトキシメチルシランを用い
ることによって得られるポリオルガノシロキサン系ゴム
に対して、主骨格がn−ブチルアクリレートの繰り返し
単位を有するポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成
分を複合化させた複合ゴムを用いることが好ましい。
【0062】この複合ゴムにグラフト重合させるビニル
系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メ
チルメタクリレ−ト、2−エチルヘキシルメタクリレ−
ト等のメタクリル酸エステル;メチルアクリレ−ト、エ
チルアクリレ−ト、ブチルアクリレ−ト等のアクリル酸
エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
シアン化ビニル化合物等の各種ビニル系単量体が挙げら
れ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いる
ことも可能である。
【0063】複合ゴム系グラフト共重合体樹脂(C)
は、ビニル系単量体を複合ゴムのラテックスに加え、ラ
ジカル重合技術により一段または多段で重合することに
より得ることが出来る。
【0064】複合ゴム系グラフト共重合体樹脂(C)を
得る際の複合ゴムとビニル系単量体の配合割合は、得ら
れるグラフト共重合体(C)の重量を基準にして、複合
ゴムが10〜95重量%、好ましくは20〜90重量%
であり、対してビニル系単量体が90〜5重量%、好ま
しくは80〜10重量%である。ビニル系単量体がかか
る範囲内にあれば、より優れた耐衝撃強度をもたらすこ
とが出来る。
【0065】一方、本発明において使用される耐衝撃向
上剤(D)とは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と反
応性を有する官能基を分子内に有する芳香族ビニル系単
量体を主成分とする単量体からなる芳香族ビニル系重合
体および/または共重合体および/またはエポキシ基含
有オレフィン共重合体にビニル単量体をグラフト重合グ
ラフト化物が挙げられる
【0066】熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と反応性
を有する官能基を分子内に有する芳香族ビニル系単量体
を主成分とする単量体からなる芳香族ビニル系重合体お
よび/または共重合体の例としては、スチレン系単量体
および/またはスチレンを繰り返し単位として50重量
%以上含みスチレン系単量体と共重合可能なビニル系単
量体とからなるランダム共重合体、ブロック共重合体、
グラフト共重合体および/または混合物と熱可塑性ポリ
エステル樹脂(A)と反応性を有する基(例えば、エポ
キシ基、環状イミノエ−テル基、カルボン酸の酸無水物
基、ビニル基、アミノ基、イソシアネ−ト基等)を有す
るビニル系単量体とのランダム共重合体、ブロック共重
合体、グラフト共重合体および/または混合物等が挙げ
られる。
【0067】熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と反応性
を有する官能基のうち、エポキシ基含有ビニル系単量体
としては、グリシジルメタクリレ−ト、グリシジルアク
リレ−ト、ビニルグリシジルエ−テル、アリルグリシジ
ルエ−テル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−ト
のグリシジルエ−テル、ポリアルキレングリコ−ル(メ
タ)アクリレ−トのグリシジルエ−テル、グリシジルイ
タコネ−トなどを例示することが出来、これらの中でも
グリシジルメタクリレ−トの使用がより好ましい。これ
らは単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0068】グリシジル基以外の官能基含有ビニル系単
量体としては、例えば、水酸基含有ビニル系単量体、カ
ルボキシル基の酸無水物基含有ビニル系単量体、オキサ
ゾリン基含有ビニル系単量体、アミノ基含有ビニル系単
量体、イソシアネ−ト基含有ビニル系単量体、シラノ−
ル基含有ビニル系単量体等が挙げられる。好ましくは、
カルボキシル基の酸無水物基含有ビニル系単量体、オキ
サゾリン基含有ビニル系単量体等が挙げられる。これら
は単独又は2種以上を組み合わせて用いることも出来
る。
【0069】カルボキシル基の酸無水物基含有ビニル系
単量体としては、例えば、無水メチルマレイン酸、無水
マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水シトラコン酸
等が挙げられ、これらは1種または2種以上で使用され
る。また、これらの誘導体も使用し得るが、中でも無水
マレイン酸がより好ましく用いられる。
【0070】水酸基含有ビニル系単量体としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルア
クリレ−ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、2
−ヒドロキシブチルメタクリレ−ト等が挙げられ単独ま
たは混合して用いられる。
【0071】オキサゾリン基含有ビニル系単量体として
は、例えば、2−ビニル−オキサゾリン、2−ビニル−
4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−
2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−オキサゾ
リン等が挙げられ、単独あるいは混合して用いられる。
【0072】シラノ−ル基含有ビニル単量体としては、
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、ビ
ニルトリイソプロボキシシラン、γ−アクリロキシプロ
ピルトリメチキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン等で例示されるアルケニル基を有す
るアルコキシシラン等が挙げられ、単独あるいは混合し
て用いられる
【0073】又、官能基含有ビニル系単量体と共重合可
能なビニル系単量体としては、例えば、メチルメタクリ
レ−ト、2−エチルヘキシルメタクリレ−ト等のメタク
リル酸エステル;メチルアクリレ−ト、エチルアクリレ
−ト、ブチルアクリレ−ト等のアクリル酸エステル;ス
チレン、ハロゲン置換スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合
物等を例示出来、これらは単独で又は2種以上を組み合
わせて用いることが出来る。
【0074】該芳香族ビニル系単量体とは、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルス
チレン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレ
ン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレ
ン、ジブロムスチレン等が挙げられ、1種または2種以
上を用いることが出来る。特に、スチレン、α−メチル
スチレンが好ましい。
【0075】また、芳香族ビニル系単量体以外の共重合
可能な他のビニル系単量体の例としては、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量
体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等の
不飽和カルボン酸アルキルエステル;マレイミド、N−
フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シク
ロヘキシルマレイミド等のマレイミド単量体が挙げら
れ、各々1種または2種以上を用いることが出来る。特
に、アクリロニトリル、メチルメタクリレートおよびN
−フェニルマレイミドが好ましい。
【0076】また、他の耐衝撃向上剤(D)のエポキシ
基含有オレフィン共重合体にビニル単量体をグラフト重
合グラフト化物(以下グラフト化物と略す)の例として
は、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体:エチ
レン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体:
エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体:エチレン
/一酸化炭素/メタクリル酸グリシジル共重合体:エチ
レン/アクリル酸グリシジル共重合体:エチレン/酢酸
ビニル/アクリル酸グリシジル共重合体等に代表される
エポキシ基含有オレフィン共重合体と、スチレン、αー
メチルスチレンなどのビニル芳香族単量体:(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エス
テル単量体:(メタ)アクリロニトリル;:酢酸ビニ
ル、ベオバなどのビニルエステル等に代表されるビニル
単量体の少なくとも1種をグラフト重合して得られるも
のである。本発明におけるグラフト化物は公知の製造方
法で得られる。例えば特開昭63−312313記載の
製造方法があるが、本発明は特にこれを規定するもので
はない。
【0077】本発明に使用される耐衝撃性向上剤(D)
のうち、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と反応性を有
する官能基を分子内に有する芳香族ビニル系単量体を主
成分とする単量体からなる芳香族ビニル系重合体および
/または共重合体の具体的な例としては、ポリスチレン
と環状イミノエ−テル基含有化合物、ポリスチレンとア
クリロニトリルの共重合体と環状イミノエ−テル基含有
化合物、ポリスチレンと不飽和グリシジル単量体、スチ
レンとアクリロニトリルの共重合体と不飽和グリシジル
単量体等が挙げられる。特に、環状イミノエ−テル基が
2−オキサゾリン基、2−アルケニル−2−オキサゾリ
ン基であるとよい。これら官能基の含有量は、スチレン
系重合体中に好ましくは0.1〜20重量%であり、よ
り好ましくは1〜15重量%である。
【0078】耐衝撃向上剤(D)のうち、グラフト化物
の具体的な例としては、エチレン/メタクリル酸グリシ
ジル共重合体とスチレンを単量体とした重合体の混合物
及び/またはグラフト化物(日本油脂製 モディパーA
4100)、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合
体とメチルメタアクリレートを単量体とした重合体の混
合物及び/またはグラフト化物(日本油脂製 モディパ
ーA4200)、エチレン/メタクリル酸グリシジル共
重合体とアクリロニトリルを単量体とした重合体の混合
物及び/またはグラフト化物(日本油脂製 モディパー
A4400)などがある。
【0079】好ましい耐衝撃向上剤(D)としては環状
イミノエ−テル基含有化合物含有するポリスチレンとア
クリロニトリルからなる共重合体(日本触媒製、RAS
−1005)、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重
合体とスチレンを単量体とした重合体の混合物及び/ま
たはグラフト化物(日本油脂製 モディパーA410
0)、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体とメ
チルメタアクリレートを単量体とした重合体の混合物及
び/またはグラフト化物(日本油脂製 モディパーA4
200)、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体
とアクリロニトリルを単量体とした重合体の混合物及び
/またはグラフト化物(日本油脂製 モディパーA44
00)である。
【0080】耐衝撃向上剤(D)の使用量は、好ましく
は0.5〜10重量%、より好ましくは1〜7重量%で
ある。耐衝撃改良剤(D)の使用量が0.5〜10重量
%の範囲内であれば、より優れた耐衝撃性及び流動性を
もたらすことが出来る。
【0081】本発明で用いられる繊維状強化材(E−
1)とは、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック系ウィス
カ−、アラミド繊維などから選ばれ、好ましくは、本組
成物混合前の重量平均アスペクト比が10以上のもので
ある。その中でも好ましい繊維状強化材としては、ガラ
ス繊維が挙げられる。
【0082】本発明の熱可塑性組成物の樹脂成分と繊維
状強化材(E−1)の界面との密着性を向上させる目的
で、例えば、シランカップリング剤やチタネ−ト系カッ
プリング剤等のカップリング剤で処理された繊維状強化
材(E−1)の使用がより好ましい。そのためのシラン
カップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリジトリメトキシメチ
ルシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤、γ
−グリシドキシプロピルメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルエトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのグリ
シジル基含有シランカップリング剤、イソプロピルトリ
ステアロイルチタネ−ト、イソプロピルトリドデシルベ
ンゼンスルホニルチタネ−ト、テトライソプロピルビス
(ジオクチルホスファイト)チタネ−トなどのチタン系
カップリング剤で表面されたものが好ましい。特に、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメトキシシランが好ましい。本発明ではカッ
プリング剤は上述のように繊維状強化材(E−1)に予
め、表面処理をして用いてもよく、本組成物の配合時に
所定の量を添加して用いてもよい。更に、繊維状強化材
(E−1)の収束性を向上させるために、ウレタン系樹
脂、エポキシ系樹脂等の収束剤で処理されたものが好ま
しい。また、好ましい繊維状強化材(E−1)は、ガラ
ス繊維であり、ガラス繊維の直径はφ15μm以下のも
のが好ましく、φ13μm以下の繊維が特に好ましい。
【0083】板状無機充填材(E−2)は、混合前の重
量平均フレ−ク径が40〜1400μm、重量平均アス
ペクト比が10〜200の極めて薄い板状強化材であ
り、通常、アルカリガラスフレ−ク、無アルカリガラス
フレ−ク等のガラスフレ−ク、金マイカ、黒マイカ、白
マイカ等のマイカから選ばれる1種以上を用いる。その
中でも、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の分解を抑え
るために、無アルカリガラスフレ−ク、金マイカ、白マ
イカ、黒マイカの使用がより好ましい。更に、本組成物
の樹脂成分と板状無機充填材(E−2)との密着性を向
上させるために、カップリング剤を前述と同様な方法で
用いることが好ましい。好ましい板状無機充填材(E−
2)は、ガラスフレ−クであり、アスペクト比が20以
上、重量平均粒径が50μm以上のものである。
【0084】本発明では、繊維状強化材(E−1)と板
状無機充填材(E−2)は単独及び/または併用して用
いられる。繊維状強化材(E−1)及び/または板状無
機充填材(E−2)の配合量は、組成(A)、(B)、
(C)及び(D)の合計重量に対して、0.01〜50
重量%以下が好ましく、より好ましくは10〜50重量
%であり、この範囲内であれば良好な成形流動性をもた
らすことが出来る。
【0085】また、繊維状強化材(E−1)/板状無機
充填材(E−2)の配合比率は、繊維状強化材(E−
1)/板状無機充填材(E−2)=10〜70/90〜
30重量%が好ましく、より好ましくは、(E−1)/
(E−2)=20〜60/80〜40重量%である。繊
維状強化材(E−1)及び/または板状無機充填材(E
−2)が前記の配合比率の範囲内にあるならば、流動性
及び靱性も良好となり、成型品の収縮率の異方性が改善
され、ソリも低減される。
【0086】また、本発明の樹脂組成物に、本発明の熱
可塑性樹脂以外の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を30
重量%以下で混合して使用しても何ら差し支えない。そ
の際に用いられる各種の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂
の例としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、PTX、ポリスチレン系、AS、
PVC、POM、ポリカ−ボネ−ト、ポリサルホン、ポ
リエ−テルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリエチレンナフタレ−ト、
ポリブチレンナフタレ−ト、PCT、液晶ポリマ−等の
熱可塑性樹脂;ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリ
ルフタレ−ト樹脂、アルキッド樹脂、フェノ−ル樹脂、
エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂;SB
R、水添SBR、NBR、水添NBR、エチレン/プロ
ピレン共重合体、シリコンゴム、フッ素系ゴム、ポリエ
ステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−等の
耐衝撃改良剤を添加することも可能である。
【0087】更に、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じて、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、顔料等を配合す
ることが出来る。具体的には、ヒンダードフェノ−ル
系、ホスファイト系、チオエ−テル系等の熱安定剤;エ
ステル系ワックス、ポリエチレン系ワックス、ポリプロ
ピレン系ワックス、ビスアマイド系ワックス等の滑剤お
よび離型剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート等のホスフェート系難燃剤;デカブロモビ
フェニル、デカブロモフェニルエーテル、ブロム化エポ
キシ樹脂、ブロム化ポリカ−ボネ−ト、ブロム化ポリス
チレン、ブロム化ベンジル(メタ)アクリレ−ト系、ブ
ロム化イミド系樹脂等の臭素系難燃剤;五酸化アンチモ
ン、三酸化アンチモン等の難燃助剤;酸化チタン、硫化
亜鉛、酸化亜鉛等の顔料;本発明以外のアスベスト、ウ
オラストナイト、タルク等の充填剤等が挙げられる。
【0088】本発明の樹脂組成物は公知の方法により得
ることが出来、例えば、ブレンダーやミキサーなどを用
いて、ドライブレンドした後、押出機を用いて溶融混合
する方法などが挙げられるが、通常、1軸または2軸タ
イプのスクリュー押出機を用いて溶融混合してストラン
ド状に押し出し、ペレット化する方法等が行われる。
【0089】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成
形、押出成形、圧縮成形などの種々の成形法で容易に成
形可能であり、難燃性が高く、機械的性質に優れている
ので、利用価値が高く、一例を挙げれば、コネクタ、ス
イッチ、リレー、トランス、フライバックトランス、コ
イルボビン等電気・電子製品の部品、イグニッションコ
イル、イグナイター等の自動車用電装部品、ハーネスコ
ネクタ、エアバック用コネクタ等の自動車用各種コネク
タ、エンジンコントロールユニットケース、エンジンコ
ンピューターユニットケース、ABSユニットケース等
の自動車用電子部品、自動車外板等の大型成形材料等
々、多岐にわたり有用である。
【0090】尚、本発明の態様は、上述したように、熱
可塑性ポリエステル樹脂(A)及びゴム変性スチレン系
樹脂(B)からなる組成物と、ポリオルガノシロキサン
ゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとの複合
ゴムに1種または2種以上のビニル系単量体をグラフト
重合させてなる複合ゴム系グラフト共重合体樹脂(C)
及び、耐衝撃向上剤(D)を配合してなることを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物にかかるものである。
【0091】本発明の他の態様の一つとしては、熱可塑
性ポリエステル樹脂(A)が10〜90重量%及びゴム
変性スチレン系樹脂(B)が90〜10重量%からなる
組成物と、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル
(メタ)アクリレートゴムとの複合ゴムに1種または2
種以上のビニル系単量体をグラフト重合させてなる複合
ゴム系グラフト共重合体樹脂(C)を1〜30重量%及
び、耐衝撃向上剤(D)を0.5〜10重量%配合して
なる組成物であり、組成(A)、(B)、(C)及び
(D)の比の合計が100重量%になるように配合して
なることを特徴とする上記の熱可塑性樹脂組成物にかか
るものである。
【0092】本発明の他の態様の一つとしては、繊維状
強化材(E−1)及び/または板状無機充填材(E−
2)を配合してなることを特徴とする上記の各熱可塑性
樹脂組成物にかかるものである。
【0093】本発明の他の態様の一つとしては、組成
(A)、(B)、(C)及び(D)の合計重量に対し
て、繊維状強化材(E−1)及び/または板状無機充填
材(E−2)を10〜50重量%配合してなることを特
徴とする上記の各熱可塑性樹脂組成物にかかるものであ
る。
【0094】本発明の他の態様の一つとしては、繊維状
強化材(E−1)と板状無機充填材(E−2)の混合比
率が、繊維状強化材/板状無機充填材=10〜70/9
0〜30重量%であることを特徴とする上記の各熱可塑
性樹脂組成物にかかるものである。
【0095】本発明の他の態様の一つとしては、酸価が
2.5mgKOH/g以下の熱可塑性ポリエステル樹脂
(A)を配合してなることを特徴とする上記の各熱可塑
性樹脂組成物にかかるものである。
【0096】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例により、一
層、具体的に説明する。以下において、部及び%は、特
にことわりのない限り、全て重量基準であるものとす
る。
【0097】[熱可塑性ポリエステル樹脂の酸価の測定
方法]200mlの三角フラスコに熱可塑性ポリエステ
ル樹脂を1.0〜2.0g精秤し、次いで、ベンジルア
ルコ−ルを60ml加えて、三角フラスコ内を窒素ガス
で充分に置換した後、直ちにアルミ箔で封をして、三角
フラスコを液温160℃の恒温油槽に浸して、振動させ
ながら樹脂を溶解させた。完全に溶解したことを確認
し、0.1%ブロモチモ−ルブル−/エタノール溶液を
加え、撹拌子を入れ、加熱スタ−ラ−上で加熱撹拌しな
がら、1/50N水酸化カリウム/ベンジルアルコ−ル
溶液にて滴定した。滴定の終点は、液が黄色から黄緑色
に変化した時点とした。次式に従い、酸価を算出する。
【0098】酸価(mgKOH/g)=〔(V−V0
×F×1.122〕/S V(ml):試料での1/50N水酸化カリウム/ベン
ジルアルコ−ル溶液の滴定量 V0(ml):ブランクでの1/50N水酸化カリウム
/ベンジルアルコ−ル溶液の滴定量 F:1/50N水酸化カリウム/ベンジルアルコ−ル溶
液のファクタ− S(g):試料の重さ
【0099】[曲げ強さと曲げ弾性率の測定方法]曲げ
強さ及び曲げ弾性率を、射出成形機により、長さ127
mm、幅12.7mm、厚み3.01mmの棒状試験片
を成形し、ASTM D−790に準拠し、荷重速度5
mm/分、スパン間距離50mmで、島津オートグラフ
AG5000を用いて測定した。
【0100】[アイゾット衝撃値の測定方法]射出成形
機により、長さ127mm、幅12.7mm、厚み3.
01mmの棒状試験片を成形し、この試験片を長手方向
に半分切断し、ゲ−ト側に切削してVノッチを付け、ノ
ッチ付き試験片とした。測定温度は23℃と−20℃、
ASTM D−790に準拠し、アイゾット衝撃値を測
定した。
【0101】[スパイラルフロ−長の測定方法]断面形
状が幅6.4mm、厚み1.6mmのスパイラル形状を
有する金型を用い、以下の条件でスパイラルフロ−長を
測定した。 成形機 東芝IS50AM シリンダ−温度 260℃ 金型温度 60℃ 圧力 60kg/cm2 射出速度 C−0 冷却時間 15秒 射出時間 5秒 計量 45mm
【0102】[耐湿熱性の測定方法]曲げ試験片を12
1℃、1.1kg/cm2の飽和水蒸気圧下に48時間
放置後、曲げ強さを測定し、放置前と放置後の曲げ強さ
の保持率の変化で評価した。
【0103】[収縮率異方性の測定方法]射出成形機に
て、シリンダ−温度250℃、金型温度60℃で、長さ
105mm×幅50mm×厚み2.0mmの厚み1mm
のフィルムゲ−トを有す金型で、上記の形状のシ−トを
成形し、流動方向と直角方向の寸法をノギスで測定し、
収縮率を求めた。また、収縮率の流動方向と直角方向の
比(流動方向÷直角方向)により収縮率異方性の評価
(1に近いほど異方性が小さいことを表す)を行った。
【0104】《実施例1〜6》及び《比較例1〜3》極
限粘度0.7dl/g、酸価1.1mgKOH/gのP
BT樹脂(A)と、ゴム変性スチレン系樹脂(B)とし
てアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン=30/2
0/50重量%のABS樹脂、グラフト共重合体樹脂
(C)としてポリオルガノシロキサンゴム60重量%と
ポリアルキル(メタ)アクリレ−トゴム24重量%の複
合ゴムにメチル(メタ)アクリレ−ト重合体からなるグ
ラフト共重合体成分が16重量%からなるグラフト共重
合体、耐衝撃向上剤(D)としてオキサゾリン化合物と
してイソプロペニルオキサゾリンを5重量%含有するポ
リスチレン/アクリロニトリル/オキサゾリン共重合体
(数平均分子量42000)、ガラス繊維(E−1)と
して直径が10μmでアスペクト比が300のもの、及
び、板状無機充填材(E−2)として重量平均粒径が6
00μmでアスペクト比が120のものを、表1に示す
割合で配合し、タンブラ−で10分間攪拌したものを得
た。この配合物を40mmのベントタイプ1軸押出機を
用いて、250℃で混練してストランドに押し出し、ペ
レット化した。このペレットを射出成形機にて前述した
試験片に成形し、測定方法に従い測定し、測定結果を表
1に示した。
【0105】比較例として、表1に示した実施例と同様
の原料を用いて表2に示す割合で配合し、表1の実施例
と同様の評価を行い、その結果を表2に示した。本発明
の組成物は流動性、靭性及び機械的強度に優れているこ
とが判る。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】《実施例7〜10》実施例1と同じPBT
樹脂(A)及び、ゴム変性スチレン系樹脂(B−1)と
してAES樹脂(UE−600:日本エ−アンドエル
製)、またゴム変性スチレン系樹脂(B−2)としてA
AS樹脂(バイタックスV6700:日立化成製)を用
い、複合ゴム系グラフト共重合体樹脂(C)として、実
施例1と同じ複合ゴムを(C−1)として用い、これと
は別にポリオルガノシロキサンゴム60重量%とポリア
ルキル(メタ)アクリレ−トゴム24重量%の複合ゴム
に、アクリロニトリル30重量%、スチレン70重量%
からなるグラフト共重合体成分が16重量%からなるグ
ラフト共重合体樹脂(C−2)、及び、耐衝撃向上剤
(D)として、エチレン85重量%とグリシジルメタク
リレート15重量%のランダム共重合体にメチルメタア
クリレートをグラフト重合したエチレン/グリシジルメ
タクリレート/メチルメタアクリレートグラフト共重合
体(D−1)、エチレン85重量%とグリシジルメタク
リレート15重量%のランダム共重合体にアクリロニト
リル30重量%、スチレン70重量%からなるランダム
共重合体をグラフト重合したエチレン/グリシジルメタ
クリレート/(アクリロニトリル/スチレン)グラフト
共重合体(D−2)、ガラス繊維(E−1)として直径
10μmでアスペクト比300のもの、及び、板状無機
充填材(E−2)として重量平均粒径200μmでアス
ペクト比60の白マイカを、表3に示す割合で配合し、
タンブラ−で10分間攪拌したものを得た。この配合物
を40mmのベントタイプ1軸押出機を用いて250℃
で混練してストランドに押し出し、ペレット化した。こ
のペレットを射出成形機にて前述の試験片に成形し、前
述した測定方法に従い評価し、その結果を表3に示し
た。
【0109】
【表3】
【0110】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、優れた
靭性、耐湿熱性、流動性を有し、低温条件下での耐衝撃
性に優れ、且つ、成型時の収縮率の異方性が少ないため
に、特に、自動車外板等の大型ハウジング部品用材料と
して好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/04 C08L 51/04 51/06 51/06 51/08 51/08 101/00 101/00 Fターム(参考) 4J002 BN03X BN03Z BN06X BN12X BN12Y BN12Z BN14X BN15X BN17Y BN20Z CF03W CF04W CF05W CF06W CF07W CF08W CF14W CF18W DJ057 DL006 DL007 FA017 FA046 FD010 FD016 FD017 FD060 FD090 FD130 FD160 FD170 4J026 AA12 AA13 AA14 AA45 AA46 AA68 AA69 AB44 AC01 AC02 AC07 AC09 AC10 AC11 AC12 AC15 AC16 AC21 AC23 AC24 AC27 AC32 BA04 BA05 BA06 BA27 BA28 BA31 DA02 DA03 DA04 DA05 DB04 FA07 GA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)及びゴ
    ム変性スチレン系樹脂(B)からなる組成物と、ポリオ
    ルガノシロキサンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレ
    ートゴムとの複合ゴムに1種または2種以上のビニル系
    単量体をグラフト重合させてなる複合ゴム系グラフト共
    重合体樹脂(C)及び、耐衝撃向上剤(D)を配合して
    なることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)が10
    〜90重量%及びゴム変性スチレン系樹脂(B)が90
    〜10重量%からなる組成物と、ポリオルガノシロキサ
    ンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとの複
    合ゴムに1種または2種以上のビニル系単量体をグラフ
    ト重合させてなる複合ゴム系グラフト共重合体樹脂
    (C)を1〜30重量%及び、耐衝撃向上剤(D)を
    0.5〜10重量%配合してなる組成物であり、組成
    (A)、(B)、(C)及び(D)の比の合計が100
    重量%になるように配合してなることを特徴とする請求
    項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 繊維状強化材(E−1)及び/または板
    状無機充填材(E−2)を配合してなることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 組成(A)、(B)、(C)及び(D)
    の合計重量に対して、繊維状強化材(E−1)及び/ま
    たは板状無機充填材(E−2)を10〜50重量%配合
    してなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 繊維状強化材(E−1)と板状無機充填
    材(E−2)の混合比率が、繊維状強化材/板状無機充
    填材=10〜70/90〜30重量%であることを特徴
    とする請求項1〜4の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 酸価が2.5mgKOH/g以下の熱可
    塑性ポリエステル樹脂(A)を配合してなることを特徴
    とする請求項1〜5の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
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