JP4655598B2 - 熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂成形品に関する。
四半世紀の間に、高分子の化学と技術は大きく進展し、優れた性能と機能とを兼ね備えた数多くの高分子素材が生み出されてきている。高分子素材の中でも、プラスチックは、現在、世界中において1年間に1億トン以上消費されており、電気機器、自動車部品及び各種構造体の各種用途として使用されている。プラスチックは、原料として主に石油を使用しているため、資源の枯渇が懸念されているだけではなく、自然環境下では分解されないため、廃棄物が増えて環境に悪影響を及ぼす恐れを有している。また、石油由来のプラスチックは、近年盛んに叫ばれている地球温暖化の原因の一つとしても挙げられている。そこで、石油由来のプラスチックに替えて、天然資源を原料とし、自然環境下において分解される生分解性樹脂組成物が注目を集めている。例えば、自然環境下において完全に水と二酸化炭素に分解されるポリ乳酸に代表される脂肪族ポリエステル樹脂が、生分解性樹脂組成物として挙げられる。しかし、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル樹脂は、低融点であり、加工性が悪く、高コストになる等の問題を有していた。このため、各種の改良が行われており、例えば、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルに、成形加工性に優れる第2のポリマー成分を所定量混合して、生分解性と熱可塑成形性とを同時に改善した生分解性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−316367号公報
しかしながら、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル樹脂は、実用性の高い生分解性樹脂組成物として有望視されているが、耐熱性、機械特性、難燃性などに多くの問題があり、実用化するためには未だ多くの課題が残されていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル樹脂と、脂肪族ポリエステル樹脂とは異なる熱可塑性樹脂と、ポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)と、ポリリン酸メラミン系化合物と、レゾルシノールビス(ジ−2,6−ジメチルフェニルホスフェート)及びホスファゼン系化合物の少なくとも一方とを含む熱可塑性樹脂組成物であって、脂肪族ポリエステル樹脂は、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、乳酸成分と脂肪族ポリエステル成分からなる樹脂、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエートからなる群から選択された一種もしくは二種以上を組み合わせたものであり、ポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)は、熱可塑性樹脂組成物の全重量基準で1重量%〜30重量%であり、熱可塑性樹脂組成物は生分解性樹脂であることを要旨とする。
また、本発明の熱可塑性樹脂成形品は、上記記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて、押出成形、真空成形、圧空成形、射出成形、ブロー成形及び発泡成形の中から選択されるいずれかの方法を用いて成形されたことを要旨とする。
本発明の熱可塑性樹脂組成物によれば、機械的特性が優れた成形品を得ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂成形品によれば、機械的特性が優れるため、機械的強度が要求される各種用途に適用することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂成形品について説明する。
本発明の実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル樹脂と、脂肪族ポリエステル樹脂とは異なる熱可塑性樹脂と、ポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)と、を含むものである。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、乳酸成分と脂肪族ポリエステル成分からなる樹脂、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート等が挙げられる。これらを単独あるいは二種以上の組み合わせにより用いることができる。なお、資源問題及び環境問題の観点から、脂肪族ポリエステル樹脂として、特に、植物由来のポリ乳酸又はポリグリコール酸を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、脂肪族ポリエステル樹脂以外の樹脂であれば特に限定されないが、アクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート/アクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレンアロイ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタラート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン樹脂、メタクリルスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、熱可塑性エラストマー樹脂等が挙げられる。これらを単独あるいは二種以上の組み合わせにより用いることができる。なお、樹脂を使用する用途に応じて、ガラスファイバ等の無機物又は植物繊維等により樹脂を強化しても良く、また、非臭素、非塩素、非アンチモン材料により難燃変性された樹脂を用いることもできる。
脂肪族ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂の配合重量比率は、1:0.2〜3が好ましい。この理由は、0.2未満になると成形性を改善する効果が少なく、逆に、3を超えると、生分解性の効果が少なくなるからである。
また、ポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)を用いることにより、脂肪族ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂との両者の相溶性が高まり、得られる成形品の曲げ強さ、曲げ弾性率、引張り強さ、引張り伸び及びアイゾット衝撃強さ等の機械的特性が向上する。ポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)の添加量は、1重量%〜30重量%の範囲とすることが好ましい。添加量が1重量%未満になると、相溶性が悪くなり機械的強度が低下するからであり、添加量が30重量%を超えると機械的強度が低いことに起因して樹脂の強度が低下すると共に、耐熱性に悪影響を及ぼすからである。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、難燃剤として、さらに、少なくともポリリン酸メラミン系化合物と、レゾルシノールビス(ジ−2,6−ジメチルフェニルホスフェート)及びホスファゼン系化合物の少なくとも一方と、を含むことが好ましい。ポリリン酸メラミン系化合物は、リン系化合物の難燃剤の中でも難燃成分であるリンと窒素とが多く含有されており、難燃性が著しく向上するが、一方において、樹脂に対して不溶であり有機フィラーとして作用するため、樹脂との密着性が低下し、耐衝撃性をはじめとする機械的特性が悪化してしまう。このため、低分子量である、前述したレゾルシノールビス(ジ−2,6−ジメチルフェニルホスフェート)及びホスファゼン系化合物の少なくとも一方の可塑性難燃剤を添加して、樹脂に柔軟性と耐衝撃性とを付与することが好ましい。例えば、ホスファゼン系化合物としては、フェノキシホスファゼン誘導体を挙げることができる。このように難燃剤として、ポリリン酸メラミン系化合物と可塑性難燃剤との両者を添加することにより、機械的強度を損なうことなく、難燃性を高めることができる。また、ポリリン酸メラミン系化合物の添加量は、5重量%〜60重量%とすることが好ましい。添加量が5重量%未満になると難燃性を維持することができず、逆に、添加量が60重量%を超えると機械的強度が低下するからである。可塑性難燃剤の添加量は、1重量%〜50重量%とすることが好ましい。添加量が1重量%未満になると、機械的強度及び難燃性を維持することができず、逆に、添加量が50重量%を超えると機械的強度が低下するからである。
難燃剤として、前述した可塑性難燃剤の他にも、非臭素、非塩素、非アンチモンの観点から、リンを含む可塑性難燃化合物を添加しても良い。可塑性難燃化合物として、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジ2,6−キシレニルホスフェート、各種芳香族縮合リン酸エステル化合物を用いることができる。
また、難燃剤として、ポリリン酸アンモニウム、赤燐、ヒンダートアミン、水和物を含む無機物(例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性硫酸マグネシウム水和物)、層状黒鉛等の難燃性化合物を添加しても良い。これらを単独あるいは二種以上の組み合わせにより用いることができる。
さらに、必要に応じて、難燃助剤を添加することもできる。難燃助剤としては、例えば、シリコン、シリコーン系アクリル強化剤、硼酸亜鉛、ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。これらを単独あるいは二種以上の組み合わせにより用いることができる。
なお、耐衝撃性を向上させるために、シリコーン系アクリル強化剤又は各種熱可塑性エラストマー系添加剤を添加しても良い。
[熱可塑性樹脂成形品]
上述した熱可塑性樹脂組成物を用いて、押出成形、真空成形、圧空成形、射出成形、ブロー成形、発泡成形のいずれかの方法を用いて、調製した樹脂組成物を成形する。成形条件としては、射出成形においてはシリンダ部温度を150℃〜210℃とすることが好ましい。このようにして得られた熱可塑性樹脂成形品は、優れた機械的強度を得ることができる。
以下、参考例及び実施例により具体的に説明する。
参考例1)
ポリ乳酸ペレット(レイシアH−100J、三井化学(株)社製)100重量部に対して、ポリブチレンサクシネートペレット(ビオノーレ♯1020、昭和高分子(株)社製)11.1重量部、アクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂(スタイラックABS、VN−30、旭化成(株)社製)88.9重量部、ポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)(モディパー4400、日本油脂(株)社製)22.2重量部を添加して、材料を調製した。ニーダ(S1ニーダ、(株)栗本鐵工所製)を用いて、調製した材料を混練温度200℃、回転数100rpm、吐出量3kg/hrの条件下で混練して樹脂混合物を得た。得られた樹脂混合物を射出成形機(日精樹脂工業(株)社製)を用いて射出成形し、各種物性測定用のサンプルを得た。なお、射出成形機のシリンダ温度は、ノズル部180℃、前部190℃、中間部180℃、後部170℃とし、金型温度を約30℃付近に設定した。
参考例2)
参考例1で用いたアクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂の代わりに、ポリカーボネート/アクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレンアロイ樹脂(ノバロイS,S1500、ダイセルポリマー(株)社製)を用いた。それ以外は参考例1と同様の方法を用いてサンプルを得た。
参考例3)
参考例1で用いたアクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂の代わりに、ポリカーボネート樹脂(タフロンAZ1900、出光石油化学(株)社製)を用いた。それ以外は、参考例1と同様の方法を用いてサンプルを得た。
参考例4)
参考例1で用いたアクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂の代わりに、ポリフェニレンエーテル樹脂(ユピエースAH40、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)を用いた。それ以外は、参考例1と同様の方法を用いてサンプルを得た。
参考例5)
参考例1で用いたアクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂の代わりに、ポリフェニレンサルファイド樹脂(C220SC、出光石油化学(株)社製)を用いた。それ以外は、参考例1と同様の方法を用いてサンプルを得た。
参考例6)
参考例1で用いたアクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂の代わりに、ポリエーテルサルフォン樹脂(スミカエクセルPES、住友化学工業(株)社製)を用いた。それ以外は、参考例1と同様の方法を用いてサンプルを得た。
参考例7)
参考例1で用いたアクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂の代わりに、ポリアミド樹脂(アミラン、CMlO17、東レ(株)社製)を用いた。それ以外は、参考例1と同様の方法を用いてサンプルを得た。
参考例8)
参考例1で用いたアクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂の代わりに、ポリブチレンテレフタラート樹脂(トレコン、1401X06、東レ(株)社製)を用いた。それ以外は、参考例1と同様の方法を用いてサンプルを得た。
参考例9)
参考例1で用いたアクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂の代わりに、ポリエチレンテレフタラート樹脂(パイロペット、EMC532、東洋紡(株)社製)を用いた。それ以外は、参考例1と同様の方法を用いてサンプルを得た。
(実施例
ポリ乳酸ペレット(レイシアH−100J、三井化学(株)社製)100重量部に対して、ポリブチレンサクシネートペレット(ビオノーレ♯1020、昭和高分子(株)社製)25重量部、アクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂(スタイラックABS、VN−30、旭化成(株)社製)18.75重量部、ポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)(モディパー4400、日本油脂(株)社製)12.5重量部、さらに、ポリリン酸メラミン系化合物(FP2100、旭電化(株)社製)68.75重量部及びレゾルシノールビス(ジ−2,6−ジメチルフェニルホスフェート)(アデカスタブFP500、旭電化(株)社製)12.5重量部を添加して、材料を調製した。ニーダ(S1ニーダ、(株)栗本鐵工所製)を用いて、調製した材料を混練温度200℃、回転数100rpm、吐出量3kg/hrの条件下で混練して樹脂混合物を得た。得られた樹脂混合物を射出成形機(日精樹脂工業(株)社製)を用いて射出成形し、各種物性測定用のサンプルを得た。なお、射出成形機のシリンダ温度は、ノズル部180℃、前部190℃、中間部180℃、後部170℃とし、金型温度を約30℃付近に設定した。
(実施例
ポリ乳酸ペレット(レイシアH−100J、三井化学(株)社製)100重量部に対して、ポリブチレンサクシネートペレット(ビオノーレ♯1020、昭和高分子(株)社製)25重量部、アクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂(スタイラックABS、VN−30、旭化成(株)社製)18.75重量部、ポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)(モディパー4400、日本油脂(株)社製)12.5重量部、さらに、ポリリン酸メラミン系化合物(FP2100、旭電化(株)社製)68.75重量部及びフェノキシホスファゼン誘導体(SPSlOO、大塚化学(株)社製)12.5重部を添加して、材料を調製した。ニーダ(S1ニーダ、(株)栗本鐵工所製)を用いて、調製した材料を混練温度200℃、回転数100rpm、吐出量3kg/hrの条件下で混練して樹脂混合物を得た。得られた樹脂混合物を射出成形機(日精樹脂工業(株)社製)を用いて射出成形し、各種物性測定用のサンプルを得た。なお、射出成形機のシリンダ温度は、ノズル部180℃、前部190℃、中間部180℃、後部170℃とし、金型温度を約30℃付近に設定した。
参考10
ポリ乳酸ペレット(レイシアH−100J、三井化学(株)社製)100重量部に対して、ポリブチレンサクシネートペレット(ビオノーレ♯1020、昭和高分子(株)社製)25重量部、アクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂(スタイラックABS、VN−30、旭化成(株)社製)25重量部、ポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)(モディパー4400、日本油脂(株)社製)12.5重量部、さらに、ポリリン酸メラミン系化合物(FP2100、旭電化(株)社製)75重量部を添加して、材料を調製した。ニーダ(S1ニーダ、(株)栗本鐵工所製)を用いて、調製した材料を混練温度200℃、回転数100rpm、吐出量3kg/hrの条件下で混練して樹脂混合物を得た。得られた樹脂混合物を射出成形機(日精樹脂工業(株)社製)を用いて射出成形し、各種物性測定用のサンプルを得た。なお、射出成形機のシリンダ温度は、ノズル部180℃、前部190℃、中間部180℃、後部170℃とし、金型温度を約30℃付近に設定した。
(比較例1)
ポリ乳酸ペレット(レイシアH−100J、三井化学(株)社製)100重量部に対して、ポリブチレンサクシネートペレット(ビオノーレ♯1020、昭和高分子(株)社製)25重量部、アクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂(スタイラックABS、VN−30、旭化成(株)社製)125重量部を添加して、材料を調製した。調製した材料を用いて、参考例1と同様の方法により各種物性測定用のサンプルを得た。
(比較例2)
ポリ乳酸ペレット(レイシアH−100J、三井化学(株)社製)100重量部に対して、ポリブチレンサクシネートペレット(ビオノーレ♯1020、昭和高分子(株)社製)25重量部、アクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂(スタイラックABS、VN−30、旭化成(株)社製)25重量部、ポリリン酸メラミン系化合物(FP2100、旭電化(株)社製)75重量部を添加して、材料を調製した。調製した材料を用いて、参考例1と同様の方法により各種物性測定用のサンプルを得た。
上述した参考例1〜参考10、実施例1及び実施例2、並びに比較例1及び比較例2から得られた各サンプルを用いて、ASTM規格に基づき、曲げ強さ(ASTMD790)、曲げ弾性率(ASTMD790)、引張り強さ(ASTMD638)、引張り伸び(ASTMD638)及びアイゾット衝撃強さ(ASTMD256)の機械的特性を評価した。また、UL規格に基づき難燃性を評価した。機械的特性と難燃性の評価結果を表1に示す。
Figure 0004655598
表1に示すように、比較例1及び比較例2は、参考例1〜参考例10、実施例1及び実施例2それぞれに比べていずれもの機械的特性が低下していることが判明した。この理由は、比較例1と比較例2の各サンプルには、いずれも相溶化剤であるポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)を添加していないため、脂肪族ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂との相溶性が低下し、機械的特性が低下したものと考えられる。これに対して参考例1〜参考例10、実施例1及び実施例2のそれぞれは、いずれも相溶化剤として(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)を添加していたため、機械的特性が良好であった。なお、参考例1〜参考例9の機械的特性にもばらつきが生じたこの理由は、脂肪族ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂として添加された材料の種類に起因するものであり、熱可塑性樹脂として、ポリフェニレンサルファイド樹脂(参考例5)、ポリエチレンテレフタラート樹脂(参考例9)を添加した場合に、特に、機械的特性が向上していることが判明した。さらに、実施例1、実施例2及び参考例10は難燃剤を添加したため、難燃性はいずれもV-2を示していた。特に、ポリリン酸メラミン系化合物と、可塑性難燃剤との両者を添加した実施例及び実施例は、可塑性難燃剤を添加せずにポリリン酸メラミン系化合物のみを添加した参考10に比べて、機械的特性が向上していることが判明した。

Claims (3)

  1. 脂肪族ポリエステル樹脂と、
    前記脂肪族ポリエステル樹脂とは異なる熱可塑性樹脂と、
    ポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)と、
    ポリリン酸メラミン系化合物と、
    レゾルシノールビス(ジ−2,6−ジメチルフェニルホスフェート)及びホスファゼン系化合物の少なくとも一方とを含む熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記脂肪族ポリエステル樹脂は、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、乳酸成分と脂肪族ポリエステル成分からなる樹脂、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエートからなる群から選択された一種もしくは二種以上を組み合わせたものであり、
    前記ポリ(エチレン-stat-メタクリル酸グリシジル)-graft-ポリ(アクリロニトリル-stat-スチレン)は、前記熱可塑性樹脂組成物の全重量基準で1重量%〜30重量%であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物は生分解性樹脂であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂は、アクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート/アクリロニトリル・ブタジエンゴム・スチレンアロイ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂及びポリブチレンテレフタラート樹脂の中から選択される少なくとも一種又は二種以上を組み合わせた樹脂であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて、押出成形、真空成形、圧空成形、射出成形、ブロー成形及び発泡成形の中から選択されるいずれかの方法を用いて成形された熱可塑性樹脂成形品。
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