JP2005139312A - 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
A)ゴム質重合体の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるスチレン系樹脂5〜95質量%、(B)芳香族ポリエステル樹脂5〜95質量%との合計100質量部に対して(C)ポリエーテルポリエステル系帯電防止剤0.5〜50質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
耐薬品性と耐衝撃性に優れた材料を得る方法として、ABS樹脂等のスチレン系樹脂とポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルを配合することが考えられるが、これらの樹脂を単純にブレンドしただけでは相溶性が悪く、得られた組成物は、非常に脆いものであった。
しかしながら、上記組成物は、耐衝撃性は改善されるものの、成形品は、帯電し易く、静電気障害を及ぼす用途への使用は困難であった。
また、帯電防止性を改良する目的から、特許文献1で開示されている、ポリアミドエラストマーをABS樹脂、芳香族ポリエステル樹脂と配合したが、非常に脆いものしか得られなかった。
[1](A)ゴム質重合体の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるスチレン系樹脂5〜95質量%、
(B)芳香族ポリエステル樹脂5〜95質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、
上記(A)と(B)の合計100質量部に対して
(C)ポリエーテルポリエステル系帯電防止剤を0.5〜50質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
[2]上記ポリエーテルポリエステル系帯電防止剤が、有機スルホン酸型界面活性剤、フェノール系酸化防止剤及びポリエーテルポリエステルからなる組成物である上記[1]記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3]上記芳香族ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂であることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4]上記スチレン系樹脂の少なくとも一部が、官能基で変性されていることを特徴とする上記[1]〜[3]記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]上記(A)と(B)と(C)の合計100質量部に対しいて、更に(D)強化充填材を1〜200質量部配合してなることを特徴とする上記[1]〜[4]記載の熱可塑性樹脂組成物。
[6]上記[1]請求項1〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形品。
本発明のスチレン系樹脂「以下(A)成分ともいう」は、ゴム質重合体(a)の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び該芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体から構成される単量体(b)を(共)重合してなるものであり、ゴム質重合体存在下に(共)重合されたスチレン系樹脂の1種以上とゴム質重合体非存在下に(共)重合されたスチレン系樹脂の1種以上とを混合したものであってもよい。本発明が目的とする耐衝撃性の改善の観点から、(A)成分中のゴム質重合体(a)含有量は、(A)成分全体を100質量%として、3〜80質量%の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、5〜50質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。
尚、本明細書において、「(共)重合」とは、単独重合及び/又は共重合を意味する。また、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
これらのうちポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・ブタジエン系ブロック共重合体及びそれらの水素添加物、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、アクリル系ゴム及びシリコーン系ゴムが好ましい。
ゲル含率は、好ましくは98質量%以下であり、更に好ましくは40〜98質量%、特に好ましくは50〜95質量%である。この範囲で特に耐衝撃性に優れた成形品を与える熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
ゲル含率(%)=[{W2(g)―W1(g)}/1(g)]×100…(1)
ゲル含率は、ゴム質重合体の製造時に、分子量調節剤の種類及び量、重合時間、重合温度、重合転化率等を適宜設定することにより調整できる。
不飽和酸化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸等が挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
オキサゾリン基含有不飽和化合物としては、ビニルオキサゾリン等が挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
置換又は非置換のアミノ基含有不飽和化合物としては、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、N―ビニルジエチルアミン、N―アセチルビニルアミン、アクリルアミン、メタクリルアミン、N―メチルアクリルアミン、アクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、p―アミノスチレン等があり、これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
(A)成分の官能基を導入する方法で、特に好ましい方法は、前記官能基含有不飽和化合物を、(A)成分の少なくとも1種を製造する際に共重合する方法である。よって、官能基含有の(A)成分と官能基非含有の(A)成分を混合して用いても良い。官能基含有不飽和化合物の共重合量は、(A)成分中に0.01〜10質量%の範囲が特に好ましい。
重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、p―メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert―ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。また、重合開始助剤として、各種還元剤、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方等のレドックス系を用いることが好ましい。
連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n―ドデシルメルカプタン、t―ドデシルメルカプタン、n―ヘキシルメルカプタン、ターピノーレン類等が挙げられる。
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、ラウリル酸カリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、パルミチン酸カリウム等の高級脂肪酸塩、ロジン酸カリウム等のロジン酸塩等を用いることができる。
重合温度は、好ましくは80〜140℃、更に好ましくは85〜120℃の範囲である。
重合に際し、重合開始剤を用いてもよいし、重合開始剤を使用せずに、熱重合で重合してもよい。重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物等が好ましく用いられる。
また、連鎖移動剤を用いる場合、例えば、メルカプタン類、ターピノーレン類、α―メチルスチレンダイマー等を用いることができる。
また、塊状重合又は懸濁重合で製造する場合、溶液重合において説明した重合開始剤、連鎖移動剤等を用いることができる。
尚、ゴム質重合体(a)の存在下、単量体(b)を重合して得られる重合体成分には、通常、上記単量体(b)がゴム質重合体(a)にグラフト共重合した共重合体と、上記ゴム質重合体(a)にグラフトしていない未グラフト成分(上記単量体(b)同士の(共)重合体)が含まれる。
上記各重合法によって得た(A)成分中に残存する単量体量は、好ましくは10,000ppm以下、更に好ましくは5,000ppm以下である。
上記(A)成分のグラフト率は、好ましくは20〜200質量%、更に好ましくは30〜150質量%、特に好ましくは40〜120質量%である。グラフト率(%)は、次式(2)により求められる。
上記式(2)中、Tは(A)成分1gをアセトン20mlに投入し、振とう機により2時間振とうした後、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Sは(A)成分1gに含まれるゴム質重合体の質量(g)である。
本発明に関わる(A)成分中に分散するグラフト化ゴム質重合体粒子の平均粒径は、好ましくは500〜30,000Å、更に好ましくは1,000〜20,000Å、特に好ましくは、1,500〜8,000Åの範囲である。平均粒径は、電子顕微鏡を用いる公知の方法で測定できる。
上記ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等が挙げられ、これらのエステル形成誘導体も、本発明の芳香族ポリエステル樹脂の成分として用いることができる。また、p―ヒドロキシ安息香酸の単独で、又はジオール成分、ジカルボン酸成分と併用して使用することができる。
これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
ポリブチレンテレフタレートの場合、o―クロロフェノールを溶媒として、25℃で測定した極限粘度〔η〕(単位dl/g)が、0.4〜2.0の範囲であるものが好ましく使用できる。
また、ポリエチレンテレフタレートのボトルの粉砕品を単独で、又は、上記芳香族ポリエステル樹脂と混合して使用することもできる。
有機スルホン酸型界面活性剤としては、公知のものを使用できる。かかる有機スルホン酸型界面活性剤は、有機スルホン酸と塩基とから構成される。該有機スルホン酸としては、(1)オクチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、テトラデシルスルホン酸、ステアリルスルホン酸、テトラコシルスルホン酸、2−エチルヘキシルスルホン酸等の、アルキル基の炭素数8〜24のアルキルスルホン酸、(2)フェニルスルホン酸、ナフチルスルホン酸等の芳香族スルホン酸、(3)オクチルフェニルスルホン酸、ドデシルフェニルスルホン酸、ジブチルフェニルスルホン酸、ジノニルフェニルスルホン酸等の、アルキル基の炭素数6〜18のアルキルベンゼンスルホン酸、(4)ジメチルナフチルスルホン酸、ジイソプロピルナフチルスルホン酸、ジブチルナフチルスルホン酸等の、アルキル基の炭素数2〜18のアルキルナフタレンスルホン酸等が挙げられる。また、該塩基としては、
(1)ナトリウム、カリウム、リチュウム等のアルカリ金属、(2)テトラブチルホスホニウム、トリブチルベンジルホスホニウム、トリエチルヘキサデシルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム等のホスホニウム、(3)テトラブチルアンモニウム、トリブチルベンジルアンモニウム、トリフェニルベンジルアンモニウム等のアンモニウム等が挙げられる。有機スルホン酸型界面活性剤としては、以上説明したスルホン酸と塩基とを適宜に組合わせたものを使用できるが、なかでもアルキル基の炭素数8〜24のアルキルスルホン酸塩、アルキル基の炭素数6〜18のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル基の炭素数2〜18のアルキルナフタレンスルホン酸塩が好ましく、具体的にはテトラデシルスルホン酸塩、ドデシルフェニルスルホン酸塩、ジメチルナフチルスルホン酸塩がより好ましく、更に具体的にはテトラデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルフェニルスルホン酸ナトリウム、ジメチルナフチルスルホン酸ナトリウム、ドデシルフェニルスルホン酸テトラブチルホスホニウムが特に好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、公知のものを使用できるが、なかでも分子量500〜1200のものが好ましく、分子量700〜1200のものがより好ましい。かかる好ましいフェノール系酸化防止剤としては、3,9−ビス[2−(3−(3−ターシャリブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン(分子量741)、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](分子量1178)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
(分子量775)、トリス−(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート(分子量784)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド(分子量637)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](分子量643)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](分子量639)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(分子量531)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリブチルフェニル)ブタン(分子量545)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−ターシャリブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(分子量587)、2,4−ビス(ノルマルオクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−ターシャリブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(分子量589)等が挙げられる。
ポリエーテルポリエステルとしては、公知のものが使用できるが、その原料として特定の単量体を用いて合成したものが好ましく。なかでもかかる特定の単量体を用い且つ特定の合成過程を経て合成したものがより好ましい。特定の単量体としては、下記単量体A、単量体B及び単量体Cが挙げられる。
炭素数はカルボキシル基の炭素及びカルボキシル基の炭素に直結する鎖や環を構成する炭素の総数をいう。炭素数4〜20のジカルボン酸としては、(a)コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、α,ω−ドデカンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクタデセニルジカルボン酸等の炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸、(b)1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の炭素数8〜20の脂環族ジカルボン酸、(c)テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等の炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸、(d)5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸等の、スルホン酸基が芳香環に結合した炭素数8〜12の置換芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。また炭素数4〜20のジカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、前記(a)〜(d)の低級アルキルエステルが挙げられる。これには例えば、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル、α,ω−ドデカンジカルボン酸ジメチル、ドデセニルコハク酸ジメチル、オクタデセニルジカルボン酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、アゼライン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、α,ω−ドデカンジカルボン酸ジエチル、ドデセニルコハク酸ジエチル、オクタデセニルジカルボン酸ジエチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジ(2−ヒドロキシエチル)、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジ(2−ヒドロキシエチル)、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジエチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジエチル、2,7−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,7−ナフタレンジカルボン酸ジエチル、5−ナトリウムスルホ−イソフタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホ−イソフタル酸ジ(2−ヒドロキシエチル)等が挙げられる。なかでもテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸及びこれらのエステル形成性誘導体が好ましい。
本発明の(C)成分は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
収束剤等で処理したものを用いることもでき、公知のカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等がある。
また、ここで使用されるガラス繊維及び炭素繊維の直径は0.005〜0.02mm、長さ0.01〜10mm、好ましくは0.05〜1mmの範囲が好ましい。
(E)成分としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属及び/又はマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の有機酸、無機酸の塩、及びハロゲン化物等が挙げられる。
酢酸カリウム、ステアリン酸リチウム等のアルカリ金属の有機酸塩等が挙げられ、これらは、本発明の(C)成分に対して、好ましくは0.001〜3質量%、更に好ましくは0.01〜2質量%の範囲で用いることができる。
更に、各々の成分を混練するに際して、それらの成分を一括して混練してもよく、多段、分割配合して混練してもよい。
(1)ゴム質重合体のゲル含率;
前記した方法に従った。
(2)ゴム質重合体ラテックスの平均粒子径;
(A)成分の形成に用いるゴム質重合体ラテックスの平均粒子径は、光散乱法で測定した。測定機は、大塚電子社製LPA―3100型を使用し、70回積算でミュムラント法を用いた。尚、(A)成分中の分散グラフト化ゴム質重合体粒子の粒子径は、ラテックス粒子径とほぼ同じであることを電子顕微鏡で確認した。
(3)(A)成分のグラフト率;前記した方法に従った。
ISO試験法179に準拠して、ノッチ付きシャルピー衝撃強さ(KJ/m2)を測定し た。
(4)耐薬品性;
平板(50mm×100mm×厚み3.2mm)を成形し、ガソリン中に23℃で48時間浸漬し、平板表面を目視観察した。
(5)帯電防止性;
直径100mm、厚さ2mmの円板を成形し、23℃×相対湿度50%で7日間状態調節したのち、アジレント・テクノロジーズ社製ハイレジスタンスメーター4339Bを用いて、印加電圧500Vで、表面固有抵抗を測定した。
(6)熱変形温度;
ISO75試験法に準拠して1.8MPa荷重で測定した。
(1)(A)成分
(1−1)製造例A1;ABS樹脂
撹拌機を備えた内容積7Lのガラス製フラスコに窒素気流中で、イオン交換水75部、ロジン酸カリウム0.5部、tert―ドデシルメルカプタン0.1部、ポリブタジエンラテックス(平均粒子径;3500Å、ゲル含率;85%)40部(固形分)、スチレン15部、アクリロニトリル5部を加え、撹拌しながら昇温した。内温が45℃に達した時点で、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部、及びブドウ糖0.2部をイオン交換水20部に溶解した溶液を加えた。その後、クメンハイドロパーオキサイド0.07部を加えて重合を開始した。1時間重合させた後、更にイオン交換水50部、ロジン酸カリウム0.7部、スチレン30部、アクリロニトリル10部、tert―ドデシルメルカプタン0.05部及びクメンハイドロパーオキサイド0.01部を3時間かけて連続的に添加し、更に1時間重合を継続させた後、2、2′―メチレンービス(4―エチルー6−tert―ブチルフェノール)0.2部を添加し重合を完結させた。反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥してスチレン系樹脂A1を得た。このA1のグラフト率は68%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は、0.45dl/gであった。
(1―2)製造例2;AS樹脂
内容積30Lのリボン翼を備えたジャケット付き重合反応容器を2基連結し、窒素置換した後、1基目の反応容器にスチレン75部、アクリロニトリル25部、トルエン20部を連続的に添加した。分子量調節剤としてtert―ドデシルメルカプタン0.12部及びトルエン5部の溶液、及び重合開始剤として、1、1′―アゾビス(シクロヘキサンー1−カーボニトリル)0.1部、及びトルエン5部の溶液を連続的に供給した。1基目の重合温度は、110℃にコントロールし、平均滞留時間2.0時間、重合転化率57%であった。得られた重合体溶液は、1基目の反応容器の外部に設けたポンプにより、スチレン、アクリロニトリル、トルエン、分子量調節剤、及び重合開始剤の供給量と同量を連続的に取り出し2基目の反応容器に供給した。2基目の反応容器の重合温度は、130℃で行い、重合転化率は75%であった。2基目の反応容器で得られた共重合体溶液は、2軸3段ベント付き押出機を用いて、直接未反応単量体と溶剤を脱揮し、極限粘度〔η〕0.48のスチレン系樹脂A2を得た。
(1―3)製造例3;水酸基含有不飽和化合物共重合AS樹脂
製造例1において、ポリブタジエンを用いず、ロジン酸カリウムをドデシルベンゼンスルホン酸カリウムに変えた。又、1段目の単量体成分として、スチレン/アクリロニトリル/2―ヒドロキシーエチルーメタクリレート=22.5/7.5/3.5部に変えた。更に、連続添加成分をスチレン/アクリロニトリル/2―ヒドロキシーエチルーメタクリレート=44.7/14.9/6.9部に変えた以外は、全て、製造例1の方法で重合した。反応生成物のラテックスを硫酸マグネシウム水溶液を用いて凝固、水洗した後、乾燥して
スチレン系樹脂A3を得た。このものの極限粘度〔η〕は、0.44であった。
(1―4)製造例4;カルボキシル基含有不飽和化合物共重合AS樹脂
製造例3において、1段目の単量体成分として、スチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸=23.7/7.9/1.7部に変えた。更に、連続添加成分をスチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸=47.5/15.8/3.4部に変えた以外は、全て、製造例1の方法で行い。極限粘度〔η〕0.46のスチレン系樹脂A4を得た。
(1―5)製造例5;エポキシ基含有不飽和化合物共重合ABS樹脂
撹拌機を備えた内容積7Lのガラス製フラスコに、窒素気流中で、イオン交換水155部、ポリブタジエンラテックス(平均粒径;2700Å、ゲル含率95%)60部を添加し、撹拌を開始した。内温が65℃になるまで昇温し、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.008、硫酸第一鉄7水和物0.002部、ソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2部、イオン交換水15部からなる水溶液を添加したのち、クメンハイドロパーオキサイド0.05部、スチレン25部、アクリロニトリル5部、グリシジルメタクリレート10部、ロジン酸カリウム0.1部、イオン交換水30部からなる乳濁液を4時間かけて連続的に添加し重合反応を行った。その間内温は、65℃に保った。更に、2時間撹拌を続けたあと冷却し、2,2′―メチレン−ビス(4−エチレン−6−tert−ブチルフェノール)0.2部を添加し重合を完結し、スチレン系樹脂ラテックスA5を得た。サンプリングし、重合体含率、グラフト率及びアセトン可溶部の極限粘度を測定した結果、重合体含率は33%、グラフト率36%、極限粘度〔η〕0.37dl/gであった。
(1―6)製造例6;アクリロニトリルースチレン共重合体
製造例4と同じ反応容器を用い、イオン交換水163部、ロジン酸カリウム0.3部を添加し、撹拌を開始するとともに昇温した。内温が65℃に到達した時点で、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.01部、硫酸第一鉄7水和物0.0025部、ソディウムホルムアルデキドスルホキシレート0.28部。イオン交換水10部からなる水溶液を添加した。tert―ドデシルメルカプタン0.35部、クメンハイドロパーオキサイド0.12部、及びスチレン75部、アクリロニトリル25部からなる混合単量体を6時間かけて連続的に添加し、内温を65℃に保ちながら重合反応を行った。単量体添加開始から1時間後にロジン酸カリウム0.4部を添加し、3時間後にエチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.025部、硫酸第一鉄7水和物0.006部、ソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.07部、イオン交換水2.5部からなる水溶液を添加し、重合反応を2時間継続し、重合体ラテックスA6を得た。冷却後、サンプリングし、重合体含率及び極限粘度を測定した。重合体含率は33%、極限粘度〔η〕は0.37dl/gであった。
(1−7)製造例7
上記製造例4,5で得た重合体ラテックスを50/50(固形分質量比)でラテックスブレンドし、塩化カルシウムを用いて凝固し、水洗、脱水、乾燥し、エポキシ変性ABS樹脂A7を得た。
(2−1)B1;ポリエチレンテレフタレート樹脂
三菱化学社製ノバペックス GS400(商品名)(固有粘度0.71)を用いた。
(2−2)B2;ペットボトルのリサイクル品
よのペットボトルリサイクル社製のリサイクル品(固有粘度0.67)を用いた。
(2−3)B3;ポリブチレンテレフタレート樹脂
ポリプラスチックス社製ジュラックスXD477(商品名)(固有粘度1.2)を用いた。
有機スルホン酸型界面活性剤、フェノール系酸化防止剤及びポリエーテルポリエステルからなる竹本油脂社製ポリエーテルポリエステル系帯電防止剤TEP004(商品名)を用いた。
旭ファイバーブラス社製 CS03MA419(商品名)を用いた。
F1;日本タルク社製超微粉タルク SG200(商品名)(平均粒子径3.2μm)を用いた。
F2;ビスフェノールA残基を有するポリエチレングリコールとして、三洋化成工業社製ニューポールBPE20Tを用いた。
表1記載の配合割合で、ヘンシエルミキサーにより混合した後、二軸押出機(シリンダー設定温度260℃)を用いて溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを十分に乾燥した後、射出成形(シリンダー設定温度260℃)により評価用試験片を作製した。
この試験片を用い、前記の評価方法で、耐衝撃性、耐薬品性及び帯電防止性、更に一部の実施例で熱変形温度を評価した。評価結果を表1に示した。
本発明の実施例1〜12の成形品は、耐衝撃性、耐薬品性、及び帯電防止性の何れも優れている。
一方、比較例1は、本発明の(A)成分の使用量が、発明の範囲外で少なく、また(B)成分の使用量が、発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃性及び帯電防止性が劣る。比較例2は、本発明の(A)成分の使用量が、発明の範囲外で多く、また、(B)成分の使用量が、発明の範囲外で少ない例であり、耐薬品性が劣る。比較例3は、本発明の(C)成分の使用量が発明の範囲外で少ない例であり、耐衝撃性及び帯電防止性が劣る。比較例4は、本発明の(C)成分の使用量が、発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃性が劣る。
Claims (6)
- (A)ゴム質重合体の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるスチレン系樹脂5〜95質量%、
(B)芳香族ポリエステル樹脂5〜95質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、
上記(A)と(B)の合計100質量部に対して
(C)ポリエーテルポリエステル系帯電防止剤を0.5〜50質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - 上記ポリエーテルポリエステル系帯電防止剤が、有機スルホン酸型界面活性剤、フェノール系酸化防止剤及びポリエーテルポリエステルからなる組成物である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 上記芳香族ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 上記スチレン系樹脂の少なくとも一部が、官能基で変性されていることを特徴とする請求項1〜3記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 上記(A)と(B)と(C)の合計100質量部に対しいて、更に(D)強化充填材を1〜200質量部配合してなることを特徴とする請求項1〜4記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形品。
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