JP4686145B2 - 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物及び成形品Info
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Description
更に、特許文献4では、エポキシ変性ポリプロピレンと不飽和カルボン酸又は無水物で変性されたスチレン系樹脂を相溶化剤として用いることが提案されており、特許文献5では、エポキシ基で変性されたポリプロピレン系樹脂と不飽和カルボン酸又はその無水物で変性されたスチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体を用いることが提案されているが、耐衝撃性、成形品表面外観が不十分であった。しかも、成形品は、帯電し易く、静電気障害を及ぼす用途への使用が困難であった。
可塑性樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記成形品を提
供することにある。
[1]構成1:
(A)ゴム質重合体の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるスチレン系樹脂5〜95質量%、
(B)オレフィン系樹脂5〜95質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、
上記(A)と(B)の合計100質量部に対して
(C)オレフィン重合体ブロック(C−1)と親水性ポリマーブロック(C−2)とを有するブロック共重合体を0.5〜100質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
以下、「構成1の熱可塑性樹脂組成物」ということもある。
[2]構成2:
(A)ゴム質重合体の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるスチレン系樹脂5〜100質量%、
(B)オレフィン系樹脂0〜95質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、
上記(A)と(B)の合計100質量部に対して
(C)オレフィン重合体ブロック(C−1)と親水性ポリマーブロック(C−2)とを有するブロック共重合体を0.5〜100質量部、並びに
下記(D)、(E)及び(F)の群から選ばれた少なくとも1種を1〜200質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(D)芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−1)及び共役ジエン化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−2)を有するブロック共重合体及び/又はその水素添加物。
(E)上記(D)成分の存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物と芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を重合してなるグラフト重合体。
(F)上記(D)成分からなる重合体ブロックと芳香族カーボネート重合体ブロック(F−1)からなる芳香族ポリカーボネートブロック共重合体。
以下、「構成2の熱可塑性樹脂組成物」ということもある。
[3]構成3:
上記構成1又は構成2に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形品。
上記(E)や(F)で使う(D)は、上の(D)と同じでもよく、異なってもよい。
(C)オレフィン重合体ブロックと親水性のポリマーブロックからなるブロック共重合体からなるものであり、特に耐衝撃性、耐薬品性、成形品表面外観及び帯電防止性能に優れた成形品を得ることができる。
本発明に関わるスチレン系樹脂(以下「(A)成分」ともいう)は、ゴム質重合体(a)の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他の単量体を含むビニル単量体(b)を(共)重合して得られる重合体であり、耐衝撃性の面からゴム質重合体存在下にグラフト(共)重合した重合体を少なくとも1種含むものが好ましい。ゴム質重合体(a)の含有量は、好ましくは3〜80質量%、更に好ましくは5〜70質量%、特に好ましくは10〜60質量%である。
(A)成分は、ゴム質重合体(a)を使用したスチレン系樹脂でもよく、又、ゴム質重合体(a)を使用しないスチレン系樹脂でもよく、あるいは、両者の混合物であってもよい。
また、これらのうちポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、エチレン・プロピレン・(非共役ジエン)共重合体、アクリルゴム、シリコーンゴムが好ましい。
ゲル含率は、好ましくは98質量%以下であり、更に好ましくは40〜98質量%である。この範囲において、特に耐衝撃性に優れた成形品を与える熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
尚、上記ゲル含率は、以下に示す方法により求めることができる。すなわち、ゴム質重合体1gをトルエン100mlに投入し、室温で48時間静置したのち、100メッシュの金網(質量をW1グラムとする)で濾過したトルエン不溶分と金網を80℃で6時間真空乾燥して秤量(質量W2グラムとする)する。
ゲル含率(%)=[{W2(g)―W1(g)}/1(g)]×100
ゲル含率は、ゴム質重合体の製造時に、分子量調節剤の種類及び量、重合時間、重合温度、重合転化率等を適宜設定することにより調整される。
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
不飽和酸化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
オキサゾリン基含有不飽和化合物としては、ビニルオキサゾリン等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸無水物基含有不飽和化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
置換又は非置換のアミノ基含有不飽和化合物としては、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、N―ビニルジエチルアミン、N―アセチルビニルアミン、アクリルアミン、メタクリルアミン、N―メチルアクリルアミン、アクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、p―アミノスチレン等があり、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組合わせて用いることができる。
上記その他の各種官能基含有不飽和化合物を使用した場合、スチレン系樹脂と他のポリマーとをブレンドした時、両者の相溶性を向上させることができる。かかる効果を達成するために好ましい単量体は、エポキシ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、および水酸基含有不飽和化合物であり、さらに好ましくは水酸基含有不飽和化合物であり、特に好ましくは2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートである。
上記その他の各種官能基含有不飽和化合物の使用量は、スチレン系樹脂中で使用される該官能基含有不飽和化合物の合計量で、スチレン系樹脂全体に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましい。
重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、p―メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert―ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
また、重合開始助剤として、各種還元剤、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方等のレドックス系を用いることが好ましい。
連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n―ドデシルメルカプタン、t―ドデシルメルカプタン、n―ヘキシルメルカプタン、ターピノーレン類等が挙げられる。
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、ラウリル酸カリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、パルミチン酸カリウム等の高級脂肪酸塩、ロジン酸カリウム等のロジン酸塩等を用いることができる。
重合温度は、好ましくは80〜140℃、更に好ましくは85〜120℃の範囲である。
重合に際し、重合開始剤を用いてもよいし、重合開始剤を使用せずに、熱重合で重合してもよい。重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物等が好ましく用いられる。
また、連鎖移動剤を用いる場合、例えば、メルカプタン類、ターピノーレン類、α―メチルスチレンダイマー等を用いることができる。
また、塊状重合、懸濁重合で製造する場合、溶液重合において説明した重合開始剤、連鎖移動剤等を用いることができる。
上記各重合法によって得た(A)成分中に残存する単量体量は、好ましくは10,000ppm以下、更に好ましくは5,000ppm以下である。
上記(A)成分のグラフト率は、好ましくは20〜200質量%、更に好ましくは30〜150質量%、特に好ましくは40〜120質量%であり、グラフト率は、以下に示す方法により求めることができる。
グラフト率(質量%)={(T−S)/S}×100
上記式中、Tは(A)成分1gをアセトン(ただし、ゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムを使用したものである場合は、アセト二トリル)20mlに投入し、振とう機により2時間振とうした後、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Sは(A)成分1gに含まれるゴム質重合体の質量(g)である。
本発明に関わる(A)成分中に分散するグラフト化ゴム質重合体粒子の平均粒径は、好ましくは500〜30,000Å、更に好ましくは1,000〜20,000Å、特に好ましくは、1,500〜8,000Åの範囲である。平均粒径は、電子顕微鏡を用いる公知の方法で測定できる。
本発明の構成2の熱可塑性樹脂組成物を構成する(A)成分の使用量は、本発明の(A)成分と(B)成分の合計100質量%中、5〜100質量%、好ましくは5〜98質量%、更に好ましくは10〜98質量%、特に好ましくは15〜95質量%である。5質量%未満であると、耐衝撃性、成形品の表面外観性、また、帯電防止性が低下する傾向にある。
例えば、プロピレンが主成分である場合、JIS K−6758に準拠して測定したメルトフローレートが、好ましくは0.01〜500g/10分、より好ましくは0.05〜100g/10分に相当する分子量のものである。
また、本発明の(B)成分の一部として、エポキシ基、アミノ基・置換アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基、水酸基等で変性されたものを用いてもよい。
本発明の構成2の熱可塑性樹脂組成物を構成する(B)成分の使用量は、本発明の(A)成分と(B)成分の合計100質量%中、0〜95質量%、好ましくは2〜95質量%、更に好ましくは2〜90質量%、特に好ましくは5〜85質量%である。95質量%を越えると、耐衝撃性、成形品の表面外観性が劣り、更に帯電防止性が劣る傾向にある。
このために、上記ブロック(C−1)の分子両末端は、上記ブロック(C−2)の分子両末端官能基と反応性を有する官能基で変性されている必要がある。これら官能基としては、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、酸無水物基、オキサゾリン基、エポキシ基等がある。
これらの官能基を付与する方法として好ましいものは、熱減成法により得られる分子末端に炭素−炭素二重結合を有す(C−1)と上記した官能基を有する前記炭素−炭素不飽和化合物を付加させる方法である。
ポリエーテル(C−2―a)としては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン、及びこれらの変性物が挙げられる。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(C−2−b)としては、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステル、ポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルアミド、及びポリエーテルジオール、又はポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルウレタンが挙げられる。
アニオン性ポリマーとしては(C−2―c)としては、スルホニル基を有するジカルボン酸と、ポリエーテル(C−2―a)とを必須構成単位とし、かつ分子内に好ましくは2〜80個、更に好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマーが挙げられる。
これらは、直鎖状であっても、また分岐状であってよい。
特に好ましい親水性ポリマーブロック(C−2)は、ポリエーテル(C−2−a)である。
H−(OA1)n―O―E1―O―(A1O)n′―Hで表されるもの、及び一般式(2):
H−(OA2)m―O―E2―O―(A2O)m′―Hで表されるもの等が挙げられる。
一般式(1)中、E1は二価の水酸基含有化合物から水酸基を除いた残基、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、n及びn′は前記二価の水酸基含有化合物の水酸基1個当たりのアルキレンオキサイド付加数を表す。n個の(OA1)とn′個の(A1O)とは、同一であっても異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロックもしくはランダム又はこれらの組み合わせのいずれでもよい。n及びn′は、通常1〜300、好ましくは2〜250、特に好ましくは10〜100である。また、nとn′は、同一であっても異なっていてもよい。
脂肪族二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,12―ドデカンジオール等が挙げられる。
脂環式二価アルコールとしては、例えば、1,2―及び1,3―シクロペンタンジオール、1,2―、1,3−及び1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、芳香族二価アルコールとしては、例えば、キシレンジオール等が挙げられる。
二価フェノールとしては、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ウルシオール等の単環二価フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4、4′―ジヒドロキシジフェニルー2,2−ブタン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニルエーテル等のビスフェノール、及びジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等の縮合多環二価フェノール等が挙げられる。
キル基又はアシル基である。]
で表されるグリシジルエーテルを重合、又は炭素数2〜4のアルキレンオキサイドと共重合する方法。
また、本発明の好ましい(C)成分は、上記オレフィン重合体ブロック(C−1)と親水性ポリマーブロック(C−2)を公知の方法で重合することによって得ることがでる。例えば、ブロック(C−1)とブロック(C−2)を減圧下200〜250℃で重合反応を行うことにより製造することができる。また、重合反応に際し公知の重合触媒を使用することができる。
このようなブロック共重合体(C)は、例えば、特開2001−278985号公報、特開2003−48990号公報に記載の方法等で製造することができ、更に、本発明の (C)成分は、三洋化成工業社製ペレスタット300シリーズの300、303(商品名)等として入手できる。
下記(D)、(E)、及び、(F)の群から選ばれた1種又は2種以上の重合体は、上記(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、1〜200質量部、好ましくは5〜170質量部、更に好ましくは10〜170質量部、特に好ましくは15〜150質量部である。1質量部未満であると、使用目的の効果が得られず、一方、200質量部を越えると、耐薬品性、帯電防止性が低下するので好ましくない。
(D)芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−1)及び共役ジエン化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−2)を有するブロック重合体及び/又はその水素添加物。
(E)上記(D)成分の存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物と芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を重合してなるグラフト重合体。
(F)上記(D)成分からなる重合体ブロックと芳香族カーボネート重合体ブロック(F−1)からなる芳香族ポリカーボネートブロック共重合体。
(A−B)m 構造式1
(A―B)m―X 構造式2
A―(B−A)n 構造式3
(構造式1〜3中、Aは芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックで、実質的に芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックであれば、一部共役ジエン化合物が含まれていてもよい。好ましくは、芳香族ビニル化合物を90質量%以上、更に好ましくは99質量%以上含有する重合体ブロックであり、Bは共役ジエン化合物の単独重合体又は芳香族ビニル化合物等の他の単量体と共役ジエン化合物との共重合体であり、Xはカップリング剤の残基であり、mは1〜5の整数、nは1〜5の整数をそれぞれ表す。)
また、上記重合体ブロックとして、重合体ブロック(B)の共役ジエン化合物に由来するビニル結合含有量の異なる重合体ブロック、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体、また芳香族ビニル化合物が漸増するテーパーブロック等が重合体鎖中又は重合体末端に、適宜共重合していてもよい。
このなかで特に構造式2又は構造式3で、重合体ブロック(B)は芳香族ビニル化合物が漸増するテーパーブロックを1〜10個有するブロック共重合体又はその水素添加物が好ましい。
尚、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物の使用割合は、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物=10〜70/30〜90質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは15〜65/35〜85質量%の範囲である。
また、共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、2,3−ジメチルー1,3―ブタジエン、1,3−ペンタジエン等があり、好ましくはブタジエン、イソプレンである。これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記方法で重合体を得た後、カップリング剤を使用して重合体分子鎖がカップリング剤残基を介して延長又は分岐された重合体も本発明の(D)成分に好ましく含まれるが、ここで用いられるカップリング剤としては、アジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩化珪素、ブチルトリクロロ珪素、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、ジメチルクロロ珪素、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4―クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネート等が挙げられる。
(光)性の面からは、90%以上水素添加されたものを用いることが好ましく。また、低温での衝撃性の面からは、水素添加率が50%以上、90%未満のものを用いることが好ましい。
ここで使用される芳香族ビニル化合物、及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体は、(A)成分の単量体(b)で述べてものが全て使用でき、特に好ましい単量体の組み合わせは、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチルである。
このような重合体は、(A)成分について前記した溶液重合、塊状重合、懸濁重合及びこれを組み合わせた重合方法で製造することができる。
上記分子末端に官能基を有する重合体は、公知の方法で共役ジエン化合物単位の不飽和基に水素添加されるが、水素添加は前記した公知の方法で行うことができる。
芳香族ポリカーボネート(F−2)の粘度平均分子量は、好ましくは8,000〜50,000、更に好ましくは12,000〜30,000、特に好ましくは15,000〜26,000である。また、粘度平均分子量の異なるものを適宜併用することもできる。
[数3]
粘度平均分子量=(〔η〕×8130)1.205
ここで、〔η〕=〔(ηsp×1.12+1)1/2―1〕/0.56C(Cは濃度を示す 。)である。
また、官能基変性物/(F−1)の質量比は、95/5〜5/95の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは80/20〜20/80であり、特に好ましくは70/30〜30/70である。
このような、ブロック共重合体混合物は、例えば、特開2001−220506号公報に記載の方法等で製造することができる。更に、本発明の(F)成分は、クラレ社製TMポリマーシリーズのTM−S4L77、TM−H4L77(商品名)等として入手することができる。
(G)成分としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属及び/又はマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の有機酸、スルホン酸、無機酸の塩、及びハロゲン化物等が挙げられる。
酢酸カリウム、ステアリン酸リチウム等のアルカリ金属の有機酸塩;トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、メタンスルホン酸リチウム、メタンスルホン酸ナトリウム、メタンスルホン酸カリウム等のアルカリ金属のスルホン酸塩等が挙げられ、これらは、本発明の
(C)成分に対して、好ましくは0.001〜3質量%、更に好ましくは0.01〜2質量%の範囲で用いることができる。
更に、各々の成分を混練するに際して、それらの成分を一括して混練してもよく、多段、分割配合して混練してもよい。
また、上記充填材の分散性を向上させる目的から、公知のカップリング剤、表面処理剤、収束剤等で処理したものを用いることもでき、公知のカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等がある。上記無機・有機充填材は、本発明の構成1や構成2の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、1〜100質量部の範囲で通常使用される。
(1)ゴム質重合体のゲル含率;
前記の方法に従った。
(2)ゴム質重合体ラテックスの平均粒子径;
(A)成分の形成に用いるゴム質重合体ラテックスの平均粒子径は、光散乱法で測定した。測定機は、大塚電子社製LPA―3100型を使用し、70回積算でミュムラント法を用いた。尚、(A)成分中の分散グラフト化ゴム質重合体粒子の粒子径は、ラテックス粒子径とほぼ同じであることを電子顕微鏡で確認した。
(3)(A)成分のグラフト率;前記の方法に従った。
(4)(A)成分のアセトン可溶分の極限粘度〔η〕;前記の方法に従った。
(5)(D)成分(重合体の結合スチレン量、ビニル結合量、数平均分子量、及び水素添加率);
(5−1)結合スチレン量;
水素添加前の重合体で測定した。699cm―1のフェニル基の吸収に基づいた赤外法による検量線から求めた。
(5−2)数平均分子量;
水素添加前の重合体で測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求めた。
(5−3)ビニル結合量
水素添加前の重合体で測定した。
赤外法(モレロ法)により求めた。
(5−4)水素添加率;
水素添加後の重合体で測定した。
四塩化エチレンを溶媒として用い、15%濃度で測定した100MHzの1H―NMRス ペクトルの不飽和二重結合物のスペクトル減少から算出した。
ISO試験法179に準拠して、ノッチ付きシャルピー衝撃強さ(KJ/m2)を測定し た。
(7)耐薬品性;肉厚3.2mm×幅12.7mm×長さ127mmの試験片に1%歪みをかけ、下記薬品を塗布し、23℃で48時間放置したあとの成形品の表面状態を、下記評価基準に基づき目視評価した。
○;変化無し
×;クラック発生又は破断
(6−1)耐薬品性―1;エチルアルコール
(6−2)耐薬品性―2;ブレーキフルード
(8)成形品の表面外観;
肉厚3.2mmの平板成形品を用い、下記評価基準に基づき目視評価した。
◎;ヒケが殆ど無く、成形品の表面状態も平滑である。
○;若干ヒケがあるが、成形品の表面状態は平滑で問題ないレベル。
×;ヒケが大きい、及び/又は、成形品の表面状態の平滑性が劣り、問題あるレベル。
(9)帯電防止性
直径100mm、厚さ2mmの円板を成形し、23℃×相対湿度50%で7日間状態調節したのち、横河ヒューレット・パッカード社製、4329A型超絶縁抵抗計を用いて、印加電圧500Vで、表面固有抵抗を測定した。
(1)(A)成分
(1−1)製造例1;ABS樹脂(A1)
撹拌機を備えた内容積7Lのガラス製フラスコに窒素気流中で、イオン交換水75部、ロジン酸カリウム0.5部、tert―ドデシルメルカプタン0.1部、ポリブタジエンラテックス(平均粒子径;3500Å、ゲル含率;85%)40部(固形分)、スチレン15部、アクリロニトリル5部を加え、撹拌しながら昇温した。内温が45℃に達した時点で、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部、及びブドウ糖0.2部をイオン交換水20部に溶解した溶液を加えた。その後、クメンハイドロパーオキサイド0.07部を加えて重合を開始した。1時間重合させた後、更にイオン交換水50部、ロジン酸カリウム0.7部、スチレン30部、アクリロニトリル10部、tert―ドデシルメルカプタン0.05部及びクメンハイドロパーオキサイド0.01部を3時間かけて連続的に添加し、更に1時間重合を継続させた後、2、2′―メチレンービス(4―エチルー6−tert―ブチルフェノール)0.2部を添加し重合を完結させた。反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥してスチレン系樹脂A1を得た。このA1のグラフト率は68%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は、0.45dl/gであった。
(1―2)製造例2;AS樹脂(A2)
内容積30Lのリボン翼を備えたジャケット付き重合反応容器を2基連結し、窒素置換した後、1基目の反応容器にスチレン75部、アクリロニトリル25部、トルエン20部を連続的に添加した。分子量調節剤としてtert―ドデシルメルカプタン0.12部及びトルエン5部の溶液、及び重合開始剤として、1、1′―アゾビス(シクロヘキサンー1−カーボニトリル)0.1部、及びトルエン5部の溶液を連続的に供給した。1基目の重合温度は、110℃にコントロールし、平均滞留時間2.0時間、重合転化率57%であった。得られた重合体溶液は、1基目の反応容器の外部に設けたポンプにより、スチレン、アクリロニトリル、トルエン、分子量調節剤、及び重合開始剤の供給量と同量を連続的に取り出し2基目の反応容器に供給した。2基目の反応容器の重合温度は、130℃で行い、重合転化率は75%であった。2基目の反応容器で得られた共重合体溶液は、2軸3段ベント付き押出機を用いて、直接未反応単量体と溶剤を脱揮し、極限粘度〔η〕0.48のスチレン系樹脂A2を得た。
(1―3)製造例3;水酸基含有不飽和化合物共重合AS樹脂(A3)
製造例1において、ポリブタジエンを用いず、ロジン酸カリウムをドデシルベンゼンスルホン酸カリウムに変えた。又、1段目の単量体成分として、スチレン/アクリロニトリル/2―ヒドロキシーエチルーメタクリレート=22.5/7.5/3.5部に変えた。更に、連続添加成分をスチレン/アクリロニトリル/2―ヒドロキシーエチルーメタクリレート=44.7/14.9/6.9部に変えた以外は、全て、製造例1の方法で重合した。反応生成物のラテックスを硫酸マグネシウム水溶液を用いて凝固、水洗した後、乾燥して
スチレン系樹脂A3を得た。このものの極限粘度〔η〕は、0.44であった。
(1―4)製造例4;カルボキシル基含有不飽和化合物共重合AS樹脂(A4)
製造例3において、1段目の単量体成分として、スチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸=23.7/7.9/1.7部に変えた。更に、連続添加成分をスチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸=47.5/15.8/3.4部に変えた以外は、全て、製造例1の方法で行い。極限粘度〔η〕0.46のスチレン系樹脂A4を得た。
(1―5)製造例5;エポキシ基含有不飽和化合物共重合AS樹脂(A5)
製造例3において、1段目の単量体成分として、スチレン/アクリロニトリル/グリシジルメタクリレート=23.7/7.9/1.7部に変えた。更に、連続添加成分をスチレン/アクリロニトリル/グリシジルメタクリレート=47.5/15.8/3.4部に変えた以外は、全て、製造例1の方法で行い。極限粘度〔η〕0.42のスチレン系樹脂A5を得た。
(2−1)B1;ポリプロピレン樹脂
日本ポリケム社製ブロックタイプポリプロピレン“ノバテックBC6C(商品名)”を用いた。
(2−1)B2;ポリプロピレン樹脂
日本ポリケム社製ホモタイプポリプロピレン“ノバテックMA1(商品名)”を用いた。
三洋化成工業社製ポリプロピレンーポリエーテルブロック共重合体“ペレスタット303(商品名)”を用いた。
(4−1)製造例6;部分水素添加スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体
撹拌機及びジャケット付きオートクレーブを乾燥、窒素置換し、スチレン30部を含むシクロヘキサン溶液を投入した。次いで、n―ブチルリチウムを添加し、70℃で1時間重合したのち、ブタジエン40部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合した。
得られたブロック重合体溶液の一部をサンプリングし、2,6−ジーtert―ブチルカテコールをブロック共重合体100部に対して0.3部添加し、その後、溶媒を加熱除去した。このものの、スチレン含量は60%、ポリブタジエン部分の1,2−ビニル結合量は35%、数平均分子量は74,000であった。残りのブロック共重合体溶液にチタノセンジクロライドとトリエチルアルミニウムをシクロヘキサン中で反応させた溶液を加え、50℃、50kgf/cm2の水素圧下、40分水素化反応を行った。2,6−ジーt ert―ブチルカテコールをブロック共重合体100部に対して0.3部添加し、その後、溶媒を除去し水素添加率69%の重合体D1を得た。
(4−2)製造例7;完全水素添加スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体
撹拌機及びジャケット付きオートクレーブを乾燥、窒素置換し、シクロヘキサンとブタジエン20部溶液を投入した。次いで、n―ブチルリチウム0.025部を加えて、50℃の等温重合を行った。転化率100%になった時点で、テトラヒドロフラン0.75部、ブタジエン65部を添加し、50℃から80℃に昇温重合を行った。転化率100%となった時点でスチレン15部を加え、更に重合反応を行い、水素添加前A―B1−B2トリブロック共重合体を得た。製造例6同様にサンプリングし分析した結果、スチレンブロック15%(Aブロック)、1,2―ビニル含量35%のブタジエンブロック(B1ブロック)、1,2―ビニル含量10%のブタジエンブロック(B2ブロック)からなる数平均分子量200,000の重合体であった。
別の容器でチタノセンジクロライド1部をシクロヘキサンに分散させ、室温でトリエチルアルミニウム0.5部と反応させた。得られた均一溶液を上記ポリマー溶液に加え、50℃で、50kgf/cm2の水素圧下、2時間水素化反応を行い、水素添加率ほぼ10 0%の水素添加重合体D2を得た。
(4−3)製造例8;スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体
撹拌機及びジャケット付きオートクレーブを乾燥、窒素置換し、窒素気流中でシクロヘキサンとテトラヒドロフラン0.08部を転化した。その後昇温し、内温70℃に到達した時点で、n―ブチルリチウム0.052部を含むシクロヘキサン溶液を添加後、スチレン15.5部を添加し60分重合した(1段目)。次いで、スチレン3部、ブタジエン20部の混合物を添加して60分間重合した(2段目)。また、スチレン3部、ブタジエン20部の混合物を添加して60分間重合した(3段目)。更に、スチレン3部、ブタジエン20部の混合物を添加して60分間重合し(4段目)、3個のテーパーブロックを重合した。次いでスチレン15.5部を添加し60分重合した(5段目)。重合転化率は、100%であった。
尚、重合中は、内温が70℃になるようにコントロールした。重合終了後、重合体溶液に2,6−ジーtert―ブチルカテコールを添加した後、溶媒を加熱除去して、ポリブタジエンブロック部にポリスチレンが漸増するテーパーブロックを3個有するブロック共重合体D3を得た。このものの、数平均分子量は128,000であり、スチレン含有量は40%であった。
(4−4)製造例9;スチレンーブタジエンラジアルテレブロック共重合体
撹拌機及びジャケット付きオートクレーブを乾燥、窒素置換し、窒素気流中でシクロヘキサンとテトラヒドロフランを2.75部投入した。スチレン25部を加え、60℃に昇温した後、n―ブチルリチウム0.175部を含むシクロヘキサン溶液を添加し、重合反応を60分間行った(1段目)。次いで、スチレン3部、ブタジエン20部の混合物を添加し60分間重合反応を行った(2段目)、また、スチレン3部、ブタジエン20部の混合物を添加し60分間重合反応を行った(3段目)、更にブタジエン29部を添加し転化率100%にまるまで重合し完結した。カップリング剤として四塩化珪素0.1部を添加した後、カップリング反応を完結させた。重合終了後、重合体溶液に2,6−ジーtert―ブチルカテコールを添加した後、溶媒を加熱除去してテーパーブロックを有するカップリングタイプのスチレンーブタジエンブロック共重合体D4を得た。このもののスチレン含有量は31%、数平均分子量は200,000であった。
製造例10;グラフト重合体
リボン型翼を備えた内容積10Lのステンレス製オートクレーブを窒素置換した後、窒素気流中で、予めトルエンを溶媒として均一溶液にした上記重合体D2を30部(固形分)、スチレン52.5部、アクリロニトリル17.5部、トルエン120部、及びtert―ドデシルメルカプタン0.1部を仕込む、撹拌しながら昇温した。内温が50℃に到達した時点で、ベンゾイルパーオキサイド0.5部、ジクミルパーオキサイド0.1部を添加し、更に昇温し、80℃に達した後、80℃一定で制御しながら重合反応を行わせた。反応開始後6時間目から1時間を要して120℃まで昇温し、更に2時間反応を行って終了した。転化率は、97%であった。
100℃まで冷却後、2,2―メチレンビスー4−メチルー6−tert―ブチルフェノール0.2部を添加した後、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去するとともに、重合体をペレット化しグラフト重合体Eを得た。このもののグラフト率は、45%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は、0.45dl/gであった。
クラレ社製TMポリマー;TM−S4L77(SEPS―芳香族ポリカーボネートブロック共重合体の商品名)を用いた。
臭化リチウムを用いた。
(8−1)H1;芳香族ポリカーボネート
三菱エンジニアリングプラスチックス社製“ノバレックス7022PJ(商品名)”(粘度平均分子量2,2000)を用いた。
(8−2)H2;ポリブチレンテレフタレート
ポリプラスチックス社製“ジュラネックスXD477(商品名)”(固有粘度1.2dl/g)を用いた。
表1記載の配合割合で、ヘンシエルミキサーにより混合した後、二軸押出機(シリンダー設定温度240℃)を用いて溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを十分に乾燥した後、射出成形(シリンダー設定温度230℃)により評価用試験片を作製した。
この試験片を用い、前記の評価方法で、耐衝撃性、耐薬品性、成形品表面外観、及び帯電防止を評価した。評価結果を表2に示した。
本発明の実施例の1〜23の成形品は、耐衝撃性、耐薬品性、成形品の表面外観、及び帯電防止性の何れも優れている。なお、実施例22、23の耐薬品性−1、2とも○印であるが、実施例1〜21のそれより若干劣る。
一方、比較例1は、本発明の(A)成分の使用量が、発明の範囲外で少なく、また(B)成分の使用量が、発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃性、成形品の表面外観が劣る。比較例2は、本発明の(C)成分の使用量が発明の範囲外で少ない例であり、耐衝撃性、成形品の表面外観及び帯電防止性が劣る。比較例3は、本発明の(C)成分の使用量が、発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃性、成形品の表面外観が劣る。
実施例23
三層シートの製造
三層シート(1)
実施例19の組成物を両表層(それぞれの厚みが100μm)、中心層がB1成分(厚み800μm)の三層シートを製造した。更に、このシートを真空成形してトレイを製造した。
三層シート(2)
実施例22の組成物とB1を用いて、上記同様の三層シート、及び真空成形でトレイを製造した。
三層シート(3)
実施例22の組成物とABS(A1成分/A2成分=40/60%からなる組成物)を用い、実施例22の組成物が両表層(それぞれの厚み100μm)、中心部分がABS(厚み800μm)の三層シートを製造した。前記同様に真空成形でトレイを製造した。
Claims (3)
- (A)ゴム質重合体の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるスチレン系樹脂5〜95質量%、
(B)オレフィン系樹脂5〜95質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、
上記(A)と(B)の合計100質量部に対して
(C)オレフィン重合体ブロック(C−1)と、ポリエーテル(C−2―a)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(C−2―b)及びポリエーテルを必須構成単位とするアニオン性ポリマー(C−2−c)から選ばれた親水性ポリマーブロック(C−2)とを有するブロック共重合体を0.5〜100質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - (A)ゴム質重合体の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるスチレン系樹脂5〜95質量%、
(B)オレフィン系樹脂5〜95質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、
上記(A)と(B)の合計100質量部に対して
(C)オレフィン重合体ブロック(C−1)と、ポリエーテル(C−2―a)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(C−2―b)及びポリエーテルを必須構成単位とするアニオン性ポリマー(C−2−c)から選ばれた親水性ポリマーブロック(C−2)とを有するブロック共重合体を0.5〜100質量部、並びに
下記(D)、(E)及び(F)の群から選ばれた少なくとも1種を1〜200質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(D)芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−1)及び共役ジエン化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−2)を有するブロック共重合体及び/又はその水素添加物。
(E)上記(D)成分の存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物と芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を重合してなるグラフト重合体。
(F)上記(D)成分からなる重合体ブロックと芳香族カーボネート重合体ブロック(F−1)からなる芳香族ポリカーボネートブロック共重合体。 - 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形品。
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