JP4686145B2 - 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び成形品

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Description

本発明は、耐衝撃性、耐薬品性、成形品の表面外観、及び帯電防止性能に優れた熱可塑性樹脂組成物、そして、この熱可塑性樹脂組成物からなる成形品に関する。
ABS樹脂等のゴム強化スチレン系樹脂は、耐衝撃性、成形性、剛性等の機械的強度等、更には成形品表面外観に優れることから電気・電子分野、OA・家電分野、車両分野、サニタリー分野等に幅広く使用されているが、使用用途によっては、耐薬品性が十分でなく、更なる耐薬品性の向上が求められていた。
一方、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂は、耐薬品性、耐熱性、流動性等に優れるため、上記スチレン系樹脂同様に、電気・電子分野、OA・家電分野、車両分野、サニタリー分野等に広く使用されているが、耐衝撃性が低い、成形品にソリ、ヒケが発生しやすい等の問題があった。又、成形後の物性、寸法等の経時変化が大きいことも問題であった。
上記問題点を改良する目的から、ABS樹脂とポリプロピレンをブレンドすることが考えられるが、両材料は相溶性が悪く、単に溶融混合しただけでは、非常に脆い材料しか得られない。特許文献1には、ポリスチレン系樹脂とポリプロピレン樹脂を配合する際にスチレンーブタジエンーブロック共重合ゴムを存在させることが提案されているが、ABS樹脂、AS樹脂等とポリプロピレンを配合した例の記載は無い。特許文献2には、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂を配合する際、水素添加したスチレンーブタジエン系ブロック共重合体を配合することが提案されているが、ABS樹脂、AS樹脂等とポリオレフィン系樹脂とを配合した例は記載されていない。特許文献3では、ポリオレフィン系樹脂と低分子量ポリスチレン、更にスチレンーブタジエン系ブロック共重合体からなる組成物が提案されているが、ABS樹脂、AS樹脂等を配合した例は記載されていない。
更に、特許文献4では、エポキシ変性ポリプロピレンと不飽和カルボン酸又は無水物で変性されたスチレン系樹脂を相溶化剤として用いることが提案されており、特許文献5では、エポキシ基で変性されたポリプロピレン系樹脂と不飽和カルボン酸又はその無水物で変性されたスチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体を用いることが提案されているが、耐衝撃性、成形品表面外観が不十分であった。しかも、成形品は、帯電し易く、静電気障害を及ぼす用途への使用が困難であった。
特公昭52−17055号公報 特開昭56−38338号公報 特開昭56−104978号公報 特開平1−174550号公報 特開平4−266953号公報
本発明の目的は、耐衝撃性、耐薬品性、成形品表面外観、及び帯電防止性に優れた熱
可塑性樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記成形品を提
供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、スチレン系樹脂、プロピレン樹脂を混合する際、オレフィン重合体ブロックとポリエーテルブロックとが、繰り返し交互に結合したブロックポリマーを配合することで、耐衝撃性、耐薬品性、成形品表面外観、及び帯電防止性に優れた成形品が得られることを見いだした。また、更に特定のブロック構造を有する重合体等を配合することで、耐衝撃性、帯電防止性が著しく向上することを見いだし、本発明の完成に至った。すなわち、本発明は、下記構成1又は構成2の熱可塑性樹脂組成物と、それを用いた成形品(構成3)が提供される。
[1]構成1:
(A)ゴム質重合体の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるスチレン系樹脂5〜95質量%、
(B)オレフィン系樹脂5〜95質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、
上記(A)と(B)の合計100質量部に対して
(C)オレフィン重合体ブロック(C−1)と親水性ポリマーブロック(C−2)とを有するブロック共重合体を0.5〜100質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
以下、「構成1の熱可塑性樹脂組成物」ということもある。
[2]構成2:
(A)ゴム質重合体の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるスチレン系樹脂5〜100質量%、
(B)オレフィン系樹脂0〜95質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、
上記(A)と(B)の合計100質量部に対して
(C)オレフィン重合体ブロック(C−1)と親水性ポリマーブロック(C−2)とを有するブロック共重合体を0.5〜100質量部、並びに
下記(D)、(E)及び(F)の群から選ばれた少なくとも1種を1〜200質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(D)芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−1)及び共役ジエン化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−2)を有するブロック共重合体及び/又はその水素添加物。
(E)上記(D)成分の存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物と芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を重合してなるグラフト重合体。
(F)上記(D)成分からなる重合体ブロックと芳香族カーボネート重合体ブロック(F−1)からなる芳香族ポリカーボネートブロック共重合体。
以下、「構成2の熱可塑性樹脂組成物」ということもある。
[3]構成3:
上記構成1又は構成2に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形品。
上記(E)や(F)で使う(D)は、上の(D)と同じでもよく、異なってもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)スチレン系樹脂、(B)オレフィン系樹脂、
(C)オレフィン重合体ブロックと親水性のポリマーブロックからなるブロック共重合体からなるものであり、特に耐衝撃性、耐薬品性、成形品表面外観及び帯電防止性能に優れた成形品を得ることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に関わるスチレン系樹脂(以下「(A)成分」ともいう)は、ゴム質重合体(a)の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他の単量体を含むビニル単量体(b)を(共)重合して得られる重合体であり、耐衝撃性の面からゴム質重合体存在下にグラフト(共)重合した重合体を少なくとも1種含むものが好ましい。ゴム質重合体(a)の含有量は、好ましくは3〜80質量%、更に好ましくは5〜70質量%、特に好ましくは10〜60質量%である。
(A)成分は、ゴム質重合体(a)を使用したスチレン系樹脂でもよく、又、ゴム質重合体(a)を使用しないスチレン系樹脂でもよく、あるいは、両者の混合物であってもよい。
上記ゴム質重合体(a)としては、特に限定されないが、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、エチレン・プロピレン・(非共役ジエン)共重合体、エチレン・ブテンー1・(非共役ジエン)共重合体、アクリルゴム、シリコーンゴム、シリコーン・アクリル系IPNゴム等が挙げられ、これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらのうちポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、エチレン・プロピレン・(非共役ジエン)共重合体、アクリルゴム、シリコーンゴムが好ましい。
上記ゴム質重合体のゲル含率は、特に限定しないが、乳化重合で(A)成分を得る場合、
ゲル含率は、好ましくは98質量%以下であり、更に好ましくは40〜98質量%である。この範囲において、特に耐衝撃性に優れた成形品を与える熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
尚、上記ゲル含率は、以下に示す方法により求めることができる。すなわち、ゴム質重合体1gをトルエン100mlに投入し、室温で48時間静置したのち、100メッシュの金網(質量をW1グラムとする)で濾過したトルエン不溶分と金網を80℃で6時間真空乾燥して秤量(質量W2グラムとする)する。
[数1]
ゲル含率(%)=[{W2(g)―W1(g)}/1(g)]×100
ゲル含率は、ゴム質重合体の製造時に、分子量調節剤の種類及び量、重合時間、重合温度、重合転化率等を適宜設定することにより調整される。
上記ビニル単量体(b)を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α―メチルスチレン、ヒドロキシスチレン等が挙げられ、これらは1種単独で、あるいは2種以上を組合わせて用いることができる。また、これらのうち、スチレン、α―メチルスチレンが好ましい。
芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体としては、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、不飽和酸化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物、オキサゾリン基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物、置換又は非置換のアミノ基含有不飽和化合物等が挙げられ、これらは、それぞれ、1種単独で、あるいは2種以上を組合わせて用いることができる。
ここで使用されるシアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
マレイミド化合物としては、マレイミド、N―フェニルマレイミド、N―シクロヘキシルマレイミド等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、マレイミド単位を導入するために、無水マレイン酸を共重合させ、後イミド化してもよい。
不飽和酸化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
水酸基含有不飽和化合物としては、3−ヒドロキシー1−プロペン、4−ヒドロキシー1−ブテン、シズー4−ヒドロキシー2−ブテン、トランスー4−ヒドロキシー2−ブテン、3−ヒドロキシー2−メチルー1−プロペン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N―(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
オキサゾリン基含有不飽和化合物としては、ビニルオキサゾリン等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸無水物基含有不飽和化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
置換又は非置換のアミノ基含有不飽和化合物としては、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、N―ビニルジエチルアミン、N―アセチルビニルアミン、アクリルアミン、メタクリルアミン、N―メチルアクリルアミン、アクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、p―アミノスチレン等があり、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組合わせて用いることができる。
上記その他の各種官能基含有不飽和化合物を使用した場合、スチレン系樹脂と他のポリマーとをブレンドした時、両者の相溶性を向上させることができる。かかる効果を達成するために好ましい単量体は、エポキシ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、および水酸基含有不飽和化合物であり、さらに好ましくは水酸基含有不飽和化合物であり、特に好ましくは2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートである。
上記その他の各種官能基含有不飽和化合物の使用量は、スチレン系樹脂中で使用される該官能基含有不飽和化合物の合計量で、スチレン系樹脂全体に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましい。
上記芳香族ビニル化合物と共重合可能な他の単量体は、ビニル単量体(b)の合計を100質量%とした場合、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。ビニル単量体(b)を構成する単量体のより好ましい単量体の組み合わせは、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/メタクリル酸メチル、スチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチル、スチレン/アクリロニトリル/グリシジルメタクリレート、スチレン/アクリロニトリル/2−ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン/アクリロニトリル/(メタ)アクリル酸、スチレン/N―フェニルマレイミド、スチレン/メタクリル酸メチル/シクロヘキシルマレイミド等であり、ゴム質重合体(a)成分存在下に重合される単量体の特に好ましい組み合わせは、スチレン/アクリロニトリル=65/45〜90/10(質量比)、スチレン/メタクリル酸メチル=80/20〜20/80(質量比)、スチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチルで、スチレン量が20〜80質量%、アクリロニトリル及びメタクリル酸メチルの合計が20〜80質量%の範囲で任意のものである。
本発明の(A)成分は、公知の重合法、例えば、乳化重合、塊状重合、溶液重合、懸濁重合及びこれらを組み合わせた重合法で製造することができる。これらのうち、ゴム質重合体(a)の存在下に、ビニル系単量体(b)を(共)重合して得られる重合体の好ましい重合法は、乳化重合及び溶液重合である。一方、ゴム質重合体(a)の非存在下に、ビニル系単量体(b)を(共)重合して得られる重合体の好ましい重合法は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、及び乳化重合である。
乳化重合で製造する場合、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等が用いられるが、これらは公知のものが全て使用できる。
重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、p―メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert―ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
また、重合開始助剤として、各種還元剤、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方等のレドックス系を用いることが好ましい。
連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n―ドデシルメルカプタン、t―ドデシルメルカプタン、n―ヘキシルメルカプタン、ターピノーレン類等が挙げられる。
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、ラウリル酸カリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、パルミチン酸カリウム等の高級脂肪酸塩、ロジン酸カリウム等のロジン酸塩等を用いることができる。
尚、乳化重合において、ゴム質重合体(a)及びビニル単量体(b)の使用方法は。ゴム質重合体(a)全量の存在下にビニル単量体(b)を一括添加して重合してもよく、分割もしくは連続添加して重合してもよい。また、ゴム質重合体(a)の一部を重合途中で添加してもよい。
乳化重合後、得られたラテックスは、通常、凝固剤により凝固させ、水洗、乾燥することにより、本発明の(A)成分粉末を得る。この際、乳化重合で得た2種以上の(A)成分のラテックスを適宜ブレンドしたあと、凝固してもよい。ここで使用される凝固剤としては、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等の無機塩、あるいは硫酸、塩酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸等の酸を用いることができる。
溶液重合により(A)成分を製造する場合に用いることのできる溶剤は、通常のラジカル重合で使用される不活性重合溶媒であり、例えば、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N―メチルピロリドン等が挙げられる。
重合温度は、好ましくは80〜140℃、更に好ましくは85〜120℃の範囲である。
重合に際し、重合開始剤を用いてもよいし、重合開始剤を使用せずに、熱重合で重合してもよい。重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物等が好ましく用いられる。
また、連鎖移動剤を用いる場合、例えば、メルカプタン類、ターピノーレン類、α―メチルスチレンダイマー等を用いることができる。
また、塊状重合、懸濁重合で製造する場合、溶液重合において説明した重合開始剤、連鎖移動剤等を用いることができる。
また、ゴム質重合体(a)の存在下ビニル単量体(b)を重合して得られる重合体成分には、通常、上記ビニル単量体(b)がゴム質重合体(a)にグラフト共重合した共重合体とゴム質重合体にグラフトしていない未グラフト成分[上記ビニル単量体(b)の(共)重合体]が含まれる。
上記各重合法によって得た(A)成分中に残存する単量体量は、好ましくは10,000ppm以下、更に好ましくは5,000ppm以下である。
上記(A)成分のグラフト率は、好ましくは20〜200質量%、更に好ましくは30〜150質量%、特に好ましくは40〜120質量%であり、グラフト率は、以下に示す方法により求めることができる。
[数2]
グラフト率(質量%)={(T−S)/S}×100
上記式中、Tは(A)成分1gをアセトン(ただし、ゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムを使用したものである場合は、アセト二トリル)20mlに投入し、振とう機により2時間振とうした後、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Sは(A)成分1gに含まれるゴム質重合体の質量(g)である。
また、本発明に関わる(A)成分のアセトン(ただし、ゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムを使用したものである場合は、アセト二トリル)可溶分の極限粘度〔η〕(溶媒としてメチルエチルケトンを使用し、30℃で測定)は、好ましくは0.2〜1.2dl/g、更に好ましくは0.2〜1.0dl/g、特に好ましくは0.3〜0.8dl/gである。
本発明に関わる(A)成分中に分散するグラフト化ゴム質重合体粒子の平均粒径は、好ましくは500〜30,000Å、更に好ましくは1,000〜20,000Å、特に好ましくは、1,500〜8,000Åの範囲である。平均粒径は、電子顕微鏡を用いる公知の方法で測定できる。
本発明の構成1の熱可塑性樹脂組成物を構成する(A)成分の使用量は、本発明の(A)成分と(B)成分の合計100質量%中、5〜95質量%、好ましくは10〜93質量%、更に好ましくは15〜90質量%、特に好ましくは20〜85質量%であり、5質量%未満では、耐衝撃性、成形品表面外観が劣り、また帯電防止性が低下する傾向にある。また、95質量%を超えると耐衝撃性及び耐薬品性及び帯電防止性が劣る。
本発明の構成2の熱可塑性樹脂組成物を構成する(A)成分の使用量は、本発明の(A)成分と(B)成分の合計100質量%中、5〜100質量%、好ましくは5〜98質量%、更に好ましくは10〜98質量%、特に好ましくは15〜95質量%である。5質量%未満であると、耐衝撃性、成形品の表面外観性、また、帯電防止性が低下する傾向にある。
本発明に関わるオレフィン系樹脂(以下「(B)成分」ともいう)は、炭素数2〜10のα―オレフィンの少なくとも1種からなる単量体の重合体である。このオレフィン系樹脂としては、X線回折により室温で結晶化度を示すものが好ましく、より好ましくは結晶化度が20%以上であり、40℃以上の融点を有するものである。また、このオレフィン系樹脂は、常温において成形用樹脂として十分な分子量が必要である。
例えば、プロピレンが主成分である場合、JIS K−6758に準拠して測定したメルトフローレートが、好ましくは0.01〜500g/10分、より好ましくは0.05〜100g/10分に相当する分子量のものである。
上記オレフィン系樹脂の単量体であるα―オレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、ブテンー1、ペンテンー1、ヘキセンー1、3−メチルブテンー1、4−メチルペンテンー1、3−メチルヘキセンー1等があり、好ましくは、エチレン、プロピレン、ブテンー1、3―メチルブテンー1、4−メチルペンテンー1である。また他に、4−メチルー1,4−ヘキサジエン、5−メチルー1,4−ヘキサジエン、7−メチルー1,6−オクタジエン、1,9−デカジエン等の非共役ジエンを重合体成分の一部として使用することができる。
また、本発明の(B)成分の一部として、エポキシ基、アミノ基・置換アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基、水酸基等で変性されたものを用いてもよい。
本発明の構成1の熱可塑性樹脂組成物を構成する(B)成分の使用量は、本発明の(A)成分と(B)成分の合計100質量%中、5〜95質量%であり、好ましくは7〜90質量%、更に好ましくは10〜85質量%、特に好ましくは15〜80質量%である。その使用量が、5質量%未満では、耐衝撃性、耐薬品性及び帯電防止性が劣り、95質量%を超えると耐衝撃性、成形品表面外観が劣り、更に帯電防止性が劣る傾向にある。
本発明の構成2の熱可塑性樹脂組成物を構成する(B)成分の使用量は、本発明の(A)成分と(B)成分の合計100質量%中、0〜95質量%、好ましくは2〜95質量%、更に好ましくは2〜90質量%、特に好ましくは5〜85質量%である。95質量%を越えると、耐衝撃性、成形品の表面外観性が劣り、更に帯電防止性が劣る傾向にある。
本発明に関わるオレフィン重合体ブロック(C−1)と親水性の重合体ブロック(C−2)とを有するブロック重合体(以下「(C)成分」ともいう)は、α−オレフィン単位からなる重合体ブロック(C−1)と親水性の重合体ブロック(C−2)とが、好ましくは繰り返し交互に結合した構造を有するブロック共重合体である。上記オレフィン重合体ブロック(C−1)は、前記したα−オレフィンの(共)重合体であり、(C−1)のオレフィン重合体ブロックは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量が好ましくは800〜20,000、更に好ましくは1,000〜10,000、特に好ましくは1,200〜6,000である。
上記ブロック(C−1)は、上記ブロック(C―2)と化学的に結合されいるが、その結合は、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合等から選ばれた少なくとも1種の結合であり、これらの結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有する。
このために、上記ブロック(C−1)の分子両末端は、上記ブロック(C−2)の分子両末端官能基と反応性を有する官能基で変性されている必要がある。これら官能基としては、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、酸無水物基、オキサゾリン基、エポキシ基等がある。
これらの官能基を付与する方法として好ましいものは、熱減成法により得られる分子末端に炭素−炭素二重結合を有す(C−1)と上記した官能基を有する前記炭素−炭素不飽和化合物を付加させる方法である。
上記の親水性ポリマーブロック(C−2)としては、ポリエーテル(C−2―a)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(C−2―b)、及びアニオン性ポリマー(C−2−c)が挙げられる。
ポリエーテル(C−2―a)としては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン、及びこれらの変性物が挙げられる。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(C−2−b)としては、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステル、ポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルアミド、及びポリエーテルジオール、又はポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルウレタンが挙げられる。
アニオン性ポリマーとしては(C−2―c)としては、スルホニル基を有するジカルボン酸と、ポリエーテル(C−2―a)とを必須構成単位とし、かつ分子内に好ましくは2〜80個、更に好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマーが挙げられる。
これらは、直鎖状であっても、また分岐状であってよい。
特に好ましい親水性ポリマーブロック(C−2)は、ポリエーテル(C−2−a)である。
ポリエーテル(C−2−a)のうちのポリエーテルジオールとしては、一般式(1):
H−(OA1n―O―E1―O―(A1O)n′―Hで表されるもの、及び一般式(2):
H−(OA2m―O―E2―O―(A2O)m′―Hで表されるもの等が挙げられる。
一般式(1)中、E1は二価の水酸基含有化合物から水酸基を除いた残基、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、n及びn′は前記二価の水酸基含有化合物の水酸基1個当たりのアルキレンオキサイド付加数を表す。n個の(OA1)とn′個の(A1O)とは、同一であっても異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロックもしくはランダム又はこれらの組み合わせのいずれでもよい。n及びn′は、通常1〜300、好ましくは2〜250、特に好ましくは10〜100である。また、nとn′は、同一であっても異なっていてもよい。
上記二価の水酸基含有化合物としては、1分子中に、アルコール性又はフェノール性の水酸基を2個含む化合物、即ち、ジヒドロキシ化合物が挙げられ、具体的には、二価アルコール(例えば炭素数2〜12の脂肪族、脂環式、あるいは芳香族二価アルコール)、炭素数6〜18の二価フェノール、第3級アミノ基含有ジオール等が挙げられる。
脂肪族二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,12―ドデカンジオール等が挙げられる。
脂環式二価アルコールとしては、例えば、1,2―及び1,3―シクロペンタンジオール、1,2―、1,3−及び1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、芳香族二価アルコールとしては、例えば、キシレンジオール等が挙げられる。
二価フェノールとしては、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ウルシオール等の単環二価フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4、4′―ジヒドロキシジフェニルー2,2−ブタン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニルエーテル等のビスフェノール、及びジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等の縮合多環二価フェノール等が挙げられる。
一般式(2)中、E2は、一般式(1)で記載した二価の水酸基含有化合物から水酸基 を除いた残基、A2は、少なくとも一部が一般式(3):−CHR―CHR′―[式中、 R、R′の一方は、一般式(4):―CH2O(A3O)XR″で表される基、他方はHで ある。一般式(4)中、xは1〜10の整数、R″はH又は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、又はアシル基、A3は炭素 数2〜4のアルキレン基である。]で表される置換アルキレン基であり、残りは炭素数2〜4のアルキレン基であってもよい。m個の(OA2)とm′個の(A2O)とは同一であっても異なっていてもよい。m及びm′は1〜300の整数であることが好ましく、更に2〜250、特に10〜100が好ましい。またmとm′とは、同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(1)で示されるポリエーテルジオールは、二価の水酸基含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させることにより製造することができる。アルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド、2,3―ブチレンオキサイド、及び1,3−ブチレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用系が用いられる。2種以上のアルキレンオキサイドを併用するときの結合形式はランダム及び/又はブロックのいずれでもよい。アルキレンオキサイドとして好ましいものは、エチレンオキサイド単独及びエチレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドとの併用によるブロック及び/又はランダム付加である。アルキレンオキサイドの付加数は、前記二価の水酸基含有化合物の水酸基1個当たり、好ましくは1〜300、更に好ましくは2〜250、特に好ましくは10〜100である。
上記一般式(2)で示されるポリエーテルジオールの好ましい製造方法としては下記の(ア)、(イ)等の方法が挙げられる。
(ア)上記二価の水酸基含有化合物を出発物質として下記一般式(5)
Figure 0004686145
[一般式(5)中のA4は炭素数2〜4のアルキレン基、pは1〜10の整数、R1はH、 又は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアル
キル基又はアシル基である。]
で表されるグリシジルエーテルを重合、又は炭素数2〜4のアルキレンオキサイドと共重合する方法。
(イ)上記二価の水酸基含有化合物を出発物質として、側鎖にクロロメチル基を有するポリエーテルを経由する方法。更に具体的には、エピクロルヒドリン、又はエピクロルヒドリンとアルキレンオキサイドを付加共重合し、側鎖にクロロメチル基を有するポリエーテルを得た後、該ポリエーテルと炭素数2〜4のポリアルキレングリコールとR1X ( R1は上記したもの、XはCl、Br又はI)をアルカリ存在下で反応させるか、あるい は該ポリエーテルと炭素数2〜4のポリアルキレングリコールモノカルビルエーテルをアルカリ存在下で反応させる方法である。
ここで使用される炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとしては、前記したものが全て使用できる。
また、本発明の好ましい(C)成分は、上記オレフィン重合体ブロック(C−1)と親水性ポリマーブロック(C−2)を公知の方法で重合することによって得ることがでる。例えば、ブロック(C−1)とブロック(C−2)を減圧下200〜250℃で重合反応を行うことにより製造することができる。また、重合反応に際し公知の重合触媒を使用することができる。
また、重合反応に際し公知の重合触媒を使用することができるが、好ましいものは、モノブチルスズオキサイド等のスズ系触媒、三酸化アンチモン、二酸化アンチモン等のアンチモン系触媒、テトラブチルチタネート等のチタン系触媒、ジルコニウム水酸化物、酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニル等のジルコニウム系触媒、IIB族有機酸塩触媒から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである。
本発明の(C)成分におけるブロック(C−1)/ブロック(C−2)の好ましい比率は、10〜90/10〜90質量%に範囲であり、更に好ましくは20〜80/20〜80質量%、特に好ましくは、30〜70/30〜70質量%の範囲である。
このようなブロック共重合体(C)は、例えば、特開2001−278985号公報、特開2003−48990号公報に記載の方法等で製造することができ、更に、本発明の (C)成分は、三洋化成工業社製ペレスタット300シリーズの300、303(商品名)等として入手できる。
上記本発明の構成1や構成2の熱可塑性樹脂組成物を構成する(C)成分は、前記(A)成分+(B)成分の合計100質量部に対して0.5〜100質量部、好ましくは0.5〜80質量部、更に好ましくは1〜60質量部、特に好ましくは2〜50質量部の範囲で使用できる。その使用量が0.5質量部未満では、帯電防止効果が得られず、また、耐衝撃性及び成形品表面外観が劣る。100質量部を超えると成形品表面外観が劣る。
本発明の構成2の熱可塑性樹脂組成物は、構成2の熱可塑性樹脂組成物の構成成分(A)成分、(B)成分、(C)成分に、更に、下記(D)、(E)及び(F)の群から選ばれた1種又は2種以上の重合体が構成成分として含まれる。
下記(D)、(E)、及び、(F)の群から選ばれた1種又は2種以上の重合体は、上記(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、1〜200質量部、好ましくは5〜170質量部、更に好ましくは10〜170質量部、特に好ましくは15〜150質量部である。1質量部未満であると、使用目的の効果が得られず、一方、200質量部を越えると、耐薬品性、帯電防止性が低下するので好ましくない。
(D)芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−1)及び共役ジエン化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−2)を有するブロック重合体及び/又はその水素添加物。
(E)上記(D)成分の存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物と芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を重合してなるグラフト重合体。
(F)上記(D)成分からなる重合体ブロックと芳香族カーボネート重合体ブロック(F−1)からなる芳香族ポリカーボネートブロック共重合体。
かかる重合体(D)は、芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−1)及び共役ジエン化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−2)を有するブロック重合体及び/又はその水素添加物(以下「(D)成分」ともいう)で、例えば下記の構造式で表される重合体、又は該重合体の水素添加物である。
(A−B)m 構造式1
(A―B)m―X 構造式2
A―(B−A)n 構造式3
(構造式1〜3中、Aは芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックで、実質的に芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックであれば、一部共役ジエン化合物が含まれていてもよい。好ましくは、芳香族ビニル化合物を90質量%以上、更に好ましくは99質量%以上含有する重合体ブロックであり、Bは共役ジエン化合物の単独重合体又は芳香族ビニル化合物等の他の単量体と共役ジエン化合物との共重合体であり、Xはカップリング剤の残基であり、mは1〜5の整数、nは1〜5の整数をそれぞれ表す。)
また、上記重合体ブロックとして、重合体ブロック(B)の共役ジエン化合物に由来するビニル結合含有量の異なる重合体ブロック、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体、また芳香族ビニル化合物が漸増するテーパーブロック等が重合体鎖中又は重合体末端に、適宜共重合していてもよい。
このなかで特に構造式2又は構造式3で、重合体ブロック(B)は芳香族ビニル化合物が漸増するテーパーブロックを1〜10個有するブロック共重合体又はその水素添加物が好ましい。
尚、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物の使用割合は、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物=10〜70/30〜90質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは15〜65/35〜85質量%の範囲である。
ここで使用される芳香族ビニル化合物としては、前記したものが全て使用できるが、好ましくはスチレン、α―メチルスチレンであり、特に好ましくはスチレンである。
また、共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、2,3−ジメチルー1,3―ブタジエン、1,3−ペンタジエン等があり、好ましくはブタジエン、イソプレンである。これらは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなブロック共重合体は、アニオン重合の技術分野で公知のものであり、例えば特公昭47−28915号公報、特公昭47−3252号公報、特公昭48−2423号公報、更に特公昭48−20038号公報等に開示されている。また、テーパーブロックを有する重合体ブロックの製造方法については、特開昭60−81217号公報等に開示されている。
本発明の(D)成分の共役ジエン化合物に由来するビニル結合量(1,2−及び3,4−結合)含有量は、好ましくは5〜80%の範囲であり、本発明の(D)成分の数平均分子量は、好ましくは10,000〜1,000,000、更に好ましくは20,000〜500,000、特に好ましくは20,000〜200,000である。これらのうち上記一般式で表したA部の数平均分子量は3,000〜150,000、B部の数平均分子量は5,000〜200,000の範囲であることが好ましい。
共役ジエン化合物のビニル結合量の調整は、N、N、N′、N′−テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジアゾシクロ(2,2,2)オクタン等のアミン類、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
上記方法で重合体を得た後、カップリング剤を使用して重合体分子鎖がカップリング剤残基を介して延長又は分岐された重合体も本発明の(D)成分に好ましく含まれるが、ここで用いられるカップリング剤としては、アジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩化珪素、ブチルトリクロロ珪素、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、ジメチルクロロ珪素、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4―クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネート等が挙げられる。
上記ブロック共重合体の中で、耐衝撃性から(D−2)部に芳香族ビニル化合物が漸増するテーパーブロックを1〜10個の範囲で有する重合体、及び/又はカップリング処理されたラジアルブロックタイプのものである。
上記重合体の共役ジエン部分の炭素―炭素二重結合を部分的に又は完全に水素添加したものを用いることができる。(D)成分として好ましものは、水素添加率が10〜100%のものであり、更に好ましくは50〜100%のものである。得られた組成物の耐候
(光)性の面からは、90%以上水素添加されたものを用いることが好ましく。また、低温での衝撃性の面からは、水素添加率が50%以上、90%未満のものを用いることが好ましい。
上記方法で得た芳香族ビニル化合物単位を主とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主としてなる重合体ブロックからなる重合体の水素添加反応は、公知の方法で行うことができるし、また、公知の方法で水素添加率を調整することにより、目的の重合体を得ることができる。具体的な方法としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公昭63−5401号公報、特開平2−133406号公報、特開平1−297413号公報に開示されている方法がある。
(D)成分を使用する場合は、(A)+(B)成分の合計100質量部に対して、好ましくは1〜200質量部、より好ましくは5〜150質量部、更に好ましくは10〜100質量部、特に好ましくは10〜80質量部の範囲で使用することで、特に、耐衝撃性、耐薬品性、及び成形品の表面外観に優れた成形品を得ることができる。
上記(D)成分の存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物と芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を重合してなるグラフト重合体(以下「(E)成分」ともいう)である。
ここで使用される芳香族ビニル化合物、及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体は、(A)成分の単量体(b)で述べてものが全て使用でき、特に好ましい単量体の組み合わせは、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチルである。
またここで使用される(D)成分は、前記した(D)成分ものが全て使用できるが、好ましくは、共役ジエン化合物単位の炭素―炭素二重結合を水素添加したものであり、更に好ましくは共役ジエン化合物単位の炭素―炭素二重結合の90%以上を水素添加したもの、特に好ましくは95%以上水素添加したものである。
本発明の(E)成分は、(D)成分の存在下に上記単量体成分をグラフト重合して得られるが、(E)成分中の(D)成分量は、10〜60質量%の範囲にあり、グラフト率は、20〜80質量%にあることが好ましい。
このような重合体は、(A)成分について前記した溶液重合、塊状重合、懸濁重合及びこれを組み合わせた重合方法で製造することができる。
(E)成分を使用する場合は、(A)+(B)成分100質量部に対して好ましくは1〜200質量部、より好ましくは10〜170質量部、更に好ましくは20〜150質量部、特に好ましくは30〜150質量部の範囲で用いられる。この範囲で用いることで、特に耐衝撃性に優れた成形品を得ることができる。
更に重合体(F)は、上記(D)成分からなる重合体ブロックと芳香族カーボネート重合体ブロック(F−1)からなる芳香族ポリカーボネートブロック共重合体(以下「(F)成分」ともいう)である。
上記重合体ブロックは、前記(D)成分のものが全て使用できるが、水素添加物が好ましい。上記(D)成分からなる重合体ブロックの分子末端は、芳香族ポリカーボネートとの反応性の官能基を有することが好ましく、これらの官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等があり、好ましくは水酸基、カルボキシル基であり、更に好ましくは水酸基である。これらの官能基は、芳香族ビニル化合物ブロックの分子末端に付加したものが好ましい。かかる官能基は、該重合体ブロックの両末端に有する場合と片末端に有する場合の両者があるが、片末端の方が耐衝撃性の面から好ましい。更に、官能基は、全ての分子に有する必要はなく、1分子当たり平均0.5個以上であることが好ましく、更に好ましくは0.7〜2個の範囲である。
分子末端に官能基を導入する方法は、公知の方法で行うことができる。例えば、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下で重合し、得られた重合体の活性点に、前記官能基含有化合物を反応させる方法。エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドをブロック共重合体の末端に付加したあと、アルコール類、カルボン酸類、水等の活性水素化合物を添加してアニオン重合を停止させて末端に水酸基を導入させる方法。炭酸ガスを低温で吹き込み、アニオン重合を停止させ末端にカルボン酸基を導入する方法等が例示される。
上記分子末端に官能基を有する重合体は、公知の方法で共役ジエン化合物単位の不飽和基に水素添加されるが、水素添加は前記した公知の方法で行うことができる。
上記芳香族ポリカーボネート(F−1)としては、種々のヒドロキシアリール化合物とホスゲンとの界面重縮合によって得られるもの、又はジヒドロキシアリール化合物とジフェニルカーボネート等のカーボネート化合物とのエステル交換(溶融重縮合)によって得られるもの等、公知の重合法によって得られるものが全て使用できる。芳香族ポリカーボネートの原料となるジヒドロキシアリール化合物としては、ビスフェノールA、ヒドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンなどがあり、特に好ましくはビスフェノールAである。
芳香族ポリカーボネート(F−2)の粘度平均分子量は、好ましくは8,000〜50,000、更に好ましくは12,000〜30,000、特に好ましくは15,000〜26,000である。また、粘度平均分子量の異なるものを適宜併用することもできる。
尚、芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量は、塩化メチレンを溶媒として、20℃、濃度〔0.7g/100ml(塩化メチレン)〕で測定した比粘度(ηsp)を次式に挿入して算出することができる。
[数3]
粘度平均分子量=(〔η〕×8130)1.205
ここで、〔η〕=〔(ηsp×1.12+1)1/2―1〕/0.56C(Cは濃度を示す 。)である。
本発明の(F)成分は、上記のように末端に官能基が導入された(D)成分(以下、官能基変性物と記す)と上記(F−1)成分からなり、1)官能基変性物と(F−1)を必要なら有機チタン化合物、有機スズ化合物等の有機金属化合物の存在下で溶融混練する方法、2)官能基変性物の存在下で(F−1)を重合する方法、3)(F−1)の重合の最終段階で官能基変性物成分を添加し反応させる方法等で製造することができるが、工業的に特に好ましい方法は、上記1)の方法である。
また、官能基変性物/(F−1)の質量比は、95/5〜5/95の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは80/20〜20/80であり、特に好ましくは70/30〜30/70である。
本発明の(F)成分は、上記(D)成分と(F−1)成分は、全てが反応してブロック共重合体になっている必要は無い。少なくとも10質量%以上がブロック共重合体になっておれば、本発明の目的は達成される。
このような、ブロック共重合体混合物は、例えば、特開2001−220506号公報に記載の方法等で製造することができる。更に、本発明の(F)成分は、クラレ社製TMポリマーシリーズのTM−S4L77、TM−H4L77(商品名)等として入手することができる。
(F)成分を使用する場合は、(A)+(B)成分の合計100質量部に対して、好ましくは1〜200質量部、より好ましくは10〜170質量部、更に好ましくは20〜150質量部、特に好ましくは30〜150質量部の範囲であり、この範囲で特に耐衝撃性に優れた成形品を得ることができる。
本発明の構成1や構成2の熱可塑性樹脂組成物は、帯電防止性を更に向上させる目的から、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の塩(G)を含有させることができる。これらの成分は、(C)成分の重合時に含有させることもできるし、(C)成分の重合後に含有させることも、また本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する際に配合することも、またこれらを組み合わせた方法で含有させることもできる。
(G)成分としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属及び/又はマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の有機酸、スルホン酸、無機酸の塩、及びハロゲン化物等が挙げられる。
(G)成分の具体的な好ましい例として、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等のアルカリ金属のハロゲン化物;過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等のアルカリ金属の無機酸塩、
酢酸カリウム、ステアリン酸リチウム等のアルカリ金属の有機酸塩;トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、メタンスルホン酸リチウム、メタンスルホン酸ナトリウム、メタンスルホン酸カリウム等のアルカリ金属のスルホン酸塩等が挙げられ、これらは、本発明の
(C)成分に対して、好ましくは0.001〜3質量%、更に好ましくは0.01〜2質量%の範囲で用いることができる。
本発明の構成1や構成2の熱可塑性樹脂組成物は、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、連続ニーダー等により、各成分を混練することにより調製することができる。好ましい製造方法は押出機を用いる方法であり、特に好ましくは多軸押出機を用いる方法、あるいは押出機とバンバリーミキサー、連続ニーダー等を組み合わせた方法である。
更に、各々の成分を混練するに際して、それらの成分を一括して混練してもよく、多段、分割配合して混練してもよい。
本発明の構成1や構成2の熱可塑性樹脂組成物には、公知の無機・有機充填材を配合することができる。ここで使用される無機充填材としては、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラス繊維のミルドファイバー、ガラスビーズ、中空ガラス、炭素繊維、炭素繊維のミルドファイバー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸カルシウムウイスカー、ワラストナイト、マイカ、カオリン、モンモリロナイト、ヘクトライト、酸化亜鉛ウイスカー、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、板状アルミナ、板状シリカ、及び有機処理されたスメクタイト、アラミド繊維、フェノール樹脂繊維、ポリエステル繊維等があり、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記充填材の分散性を向上させる目的から、公知のカップリング剤、表面処理剤、収束剤等で処理したものを用いることもでき、公知のカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等がある。上記無機・有機充填材は、本発明の構成1や構成2の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、1〜100質量部の範囲で通常使用される。
本発明の構成1や構成2の熱可塑性樹脂組成物には、公知の耐候(光)剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤、染料、結晶核剤、抗菌剤、防かび剤、発泡剤、難燃剤(リン系難燃剤、窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤)、難燃助剤(酸化アンチモン化合物、PRFE等、塩素化ポリエチレン)等を配合することができる。
更に、本発明の構成1や構成2の熱可塑性樹脂組成物には、他の公知の重合体である、ポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリエステル樹脂、ポリエステルエラストマー、PMM、メタクリル酸メチル・マレイミド化合物共重合体、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンスルフィド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、EVA、EVOH、ENE、LCP、熱可塑性ポリウレタン、芳香族ポリカーボネート、尿素樹脂、フェノキシ樹脂等を適宜配合することができる。
このようにして調製された本発明の構成1や構成2の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、プレス成形、シート成形、フィルム成形、真空成形、異形押出成形、発泡成形等の公知の成形法により、成形品を得ることができる。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物を表層とし、ポリオレフィン系樹脂又はスチレン系樹脂を裏層又は中間層とする成形品を多層押出成形で得ることもできるし、また、この多層シートを真空成形することにより目的の成形品を得ることもできる。これらの成形法で得られた成形品としては、下記のものが例示される。
各種ギア、各種ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、ウエハーケース、ICトレー、液晶トレー、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ部品、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶FDDキャリッジ、FDDシャーシー、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電気・電子部品。VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーデイオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声器部品、照明部品、冷蔵庫部品などに代表される家庭・事務電気製品部品。オフィスコンピューター関連部品、電話機器関連部品、ファクシミリー関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具関連部品。便座、タンクカバー、ケーシング、台所回りの部品、洗面台関連部品、浴室関連パーツ等のサニタリー関連部品。窓枠、家具、床材、壁材等の住宅・住設関連部品。顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機器関連部品。オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種バルブ。エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウオーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイパーハーネス、ウインドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁弁用コイルボビン、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローラー、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース。パソコン、プリンター、ディスプレイ、CRTディスプレイ、ノートパソコン、携帯電話、PHS、DVDドライブ、PDドライブ、フロッピーディスクドライブ等の記憶装置のハウジング、シャーシー、リレー、スイッチ、ケース部材、トランス部材、コイルボビン等の電気・電子機器部品。バンパー、フェンダー等の車両用外装部材、その他各種用途。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。尚、実施例中において部及び%は、特に断らない限り質量基準である。また、実施例、比較例中の各種測定は、下記の方法に拠った。
〔1〕評価方法
(1)ゴム質重合体のゲル含率;
前記の方法に従った。
(2)ゴム質重合体ラテックスの平均粒子径;
(A)成分の形成に用いるゴム質重合体ラテックスの平均粒子径は、光散乱法で測定した。測定機は、大塚電子社製LPA―3100型を使用し、70回積算でミュムラント法を用いた。尚、(A)成分中の分散グラフト化ゴム質重合体粒子の粒子径は、ラテックス粒子径とほぼ同じであることを電子顕微鏡で確認した。
(3)(A)成分のグラフト率;前記の方法に従った。
(4)(A)成分のアセトン可溶分の極限粘度〔η〕;前記の方法に従った。
(5)(D)成分(重合体の結合スチレン量、ビニル結合量、数平均分子量、及び水素添加率);
(5−1)結合スチレン量;
水素添加前の重合体で測定した。699cm―1のフェニル基の吸収に基づいた赤外法による検量線から求めた。
(5−2)数平均分子量;
水素添加前の重合体で測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)から求めた。
(5−3)ビニル結合量
水素添加前の重合体で測定した。
赤外法(モレロ法)により求めた。
(5−4)水素添加率;
水素添加後の重合体で測定した。
四塩化エチレンを溶媒として用い、15%濃度で測定した100MHzの1H―NMRス ペクトルの不飽和二重結合物のスペクトル減少から算出した。
(6)耐衝撃性;
ISO試験法179に準拠して、ノッチ付きシャルピー衝撃強さ(KJ/m2)を測定し た。
(7)耐薬品性;肉厚3.2mm×幅12.7mm×長さ127mmの試験片に1%歪みをかけ、下記薬品を塗布し、23℃で48時間放置したあとの成形品の表面状態を、下記評価基準に基づき目視評価した。
○;変化無し
×;クラック発生又は破断
(6−1)耐薬品性―1;エチルアルコール
(6−2)耐薬品性―2;ブレーキフルード
(8)成形品の表面外観;
肉厚3.2mmの平板成形品を用い、下記評価基準に基づき目視評価した。
◎;ヒケが殆ど無く、成形品の表面状態も平滑である。
○;若干ヒケがあるが、成形品の表面状態は平滑で問題ないレベル。
×;ヒケが大きい、及び/又は、成形品の表面状態の平滑性が劣り、問題あるレベル。
(9)帯電防止性
直径100mm、厚さ2mmの円板を成形し、23℃×相対湿度50%で7日間状態調節したのち、横河ヒューレット・パッカード社製、4329A型超絶縁抵抗計を用いて、印加電圧500Vで、表面固有抵抗を測定した。
〔2〕熱可塑性樹脂組成物成分
(1)(A)成分
(1−1)製造例1;ABS樹脂(A1)
撹拌機を備えた内容積7Lのガラス製フラスコに窒素気流中で、イオン交換水75部、ロジン酸カリウム0.5部、tert―ドデシルメルカプタン0.1部、ポリブタジエンラテックス(平均粒子径;3500Å、ゲル含率;85%)40部(固形分)、スチレン15部、アクリロニトリル5部を加え、撹拌しながら昇温した。内温が45℃に達した時点で、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部、及びブドウ糖0.2部をイオン交換水20部に溶解した溶液を加えた。その後、クメンハイドロパーオキサイド0.07部を加えて重合を開始した。1時間重合させた後、更にイオン交換水50部、ロジン酸カリウム0.7部、スチレン30部、アクリロニトリル10部、tert―ドデシルメルカプタン0.05部及びクメンハイドロパーオキサイド0.01部を3時間かけて連続的に添加し、更に1時間重合を継続させた後、2、2′―メチレンービス(4―エチルー6−tert―ブチルフェノール)0.2部を添加し重合を完結させた。反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥してスチレン系樹脂A1を得た。このA1のグラフト率は68%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は、0.45dl/gであった。
(1―2)製造例2;AS樹脂(A2)
内容積30Lのリボン翼を備えたジャケット付き重合反応容器を2基連結し、窒素置換した後、1基目の反応容器にスチレン75部、アクリロニトリル25部、トルエン20部を連続的に添加した。分子量調節剤としてtert―ドデシルメルカプタン0.12部及びトルエン5部の溶液、及び重合開始剤として、1、1′―アゾビス(シクロヘキサンー1−カーボニトリル)0.1部、及びトルエン5部の溶液を連続的に供給した。1基目の重合温度は、110℃にコントロールし、平均滞留時間2.0時間、重合転化率57%であった。得られた重合体溶液は、1基目の反応容器の外部に設けたポンプにより、スチレン、アクリロニトリル、トルエン、分子量調節剤、及び重合開始剤の供給量と同量を連続的に取り出し2基目の反応容器に供給した。2基目の反応容器の重合温度は、130℃で行い、重合転化率は75%であった。2基目の反応容器で得られた共重合体溶液は、2軸3段ベント付き押出機を用いて、直接未反応単量体と溶剤を脱揮し、極限粘度〔η〕0.48のスチレン系樹脂A2を得た。
(1―3)製造例3;水酸基含有不飽和化合物共重合AS樹脂(A3)
製造例1において、ポリブタジエンを用いず、ロジン酸カリウムをドデシルベンゼンスルホン酸カリウムに変えた。又、1段目の単量体成分として、スチレン/アクリロニトリル/2―ヒドロキシーエチルーメタクリレート=22.5/7.5/3.5部に変えた。更に、連続添加成分をスチレン/アクリロニトリル/2―ヒドロキシーエチルーメタクリレート=44.7/14.9/6.9部に変えた以外は、全て、製造例1の方法で重合した。反応生成物のラテックスを硫酸マグネシウム水溶液を用いて凝固、水洗した後、乾燥して
スチレン系樹脂A3を得た。このものの極限粘度〔η〕は、0.44であった。
(1―4)製造例4;カルボキシル基含有不飽和化合物共重合AS樹脂(A4)
製造例3において、1段目の単量体成分として、スチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸=23.7/7.9/1.7部に変えた。更に、連続添加成分をスチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸=47.5/15.8/3.4部に変えた以外は、全て、製造例1の方法で行い。極限粘度〔η〕0.46のスチレン系樹脂A4を得た。
(1―5)製造例5;エポキシ基含有不飽和化合物共重合AS樹脂(A5)
製造例3において、1段目の単量体成分として、スチレン/アクリロニトリル/グリシジルメタクリレート=23.7/7.9/1.7部に変えた。更に、連続添加成分をスチレン/アクリロニトリル/グリシジルメタクリレート=47.5/15.8/3.4部に変えた以外は、全て、製造例1の方法で行い。極限粘度〔η〕0.42のスチレン系樹脂A5を得た。
(2)(B)成分;
(2−1)B1;ポリプロピレン樹脂
日本ポリケム社製ブロックタイプポリプロピレン“ノバテックBC6C(商品名)”を用いた。
(2−1)B2;ポリプロピレン樹脂
日本ポリケム社製ホモタイプポリプロピレン“ノバテックMA1(商品名)”を用いた。
(3)(C)成分;
三洋化成工業社製ポリプロピレンーポリエーテルブロック共重合体“ペレスタット303(商品名)”を用いた。
(4)(D)成分;
(4−1)製造例6;部分水素添加スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体
撹拌機及びジャケット付きオートクレーブを乾燥、窒素置換し、スチレン30部を含むシクロヘキサン溶液を投入した。次いで、n―ブチルリチウムを添加し、70℃で1時間重合したのち、ブタジエン40部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合した。
得られたブロック重合体溶液の一部をサンプリングし、2,6−ジーtert―ブチルカテコールをブロック共重合体100部に対して0.3部添加し、その後、溶媒を加熱除去した。このものの、スチレン含量は60%、ポリブタジエン部分の1,2−ビニル結合量は35%、数平均分子量は74,000であった。残りのブロック共重合体溶液にチタノセンジクロライドとトリエチルアルミニウムをシクロヘキサン中で反応させた溶液を加え、50℃、50kgf/cm2の水素圧下、40分水素化反応を行った。2,6−ジーt ert―ブチルカテコールをブロック共重合体100部に対して0.3部添加し、その後、溶媒を除去し水素添加率69%の重合体D1を得た。
(4−2)製造例7;完全水素添加スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体
撹拌機及びジャケット付きオートクレーブを乾燥、窒素置換し、シクロヘキサンとブタジエン20部溶液を投入した。次いで、n―ブチルリチウム0.025部を加えて、50℃の等温重合を行った。転化率100%になった時点で、テトラヒドロフラン0.75部、ブタジエン65部を添加し、50℃から80℃に昇温重合を行った。転化率100%となった時点でスチレン15部を加え、更に重合反応を行い、水素添加前A―B1−B2トリブロック共重合体を得た。製造例6同様にサンプリングし分析した結果、スチレンブロック15%(Aブロック)、1,2―ビニル含量35%のブタジエンブロック(B1ブロック)、1,2―ビニル含量10%のブタジエンブロック(B2ブロック)からなる数平均分子量200,000の重合体であった。
別の容器でチタノセンジクロライド1部をシクロヘキサンに分散させ、室温でトリエチルアルミニウム0.5部と反応させた。得られた均一溶液を上記ポリマー溶液に加え、50℃で、50kgf/cm2の水素圧下、2時間水素化反応を行い、水素添加率ほぼ10 0%の水素添加重合体D2を得た。
(4−3)製造例8;スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体
撹拌機及びジャケット付きオートクレーブを乾燥、窒素置換し、窒素気流中でシクロヘキサンとテトラヒドロフラン0.08部を転化した。その後昇温し、内温70℃に到達した時点で、n―ブチルリチウム0.052部を含むシクロヘキサン溶液を添加後、スチレン15.5部を添加し60分重合した(1段目)。次いで、スチレン3部、ブタジエン20部の混合物を添加して60分間重合した(2段目)。また、スチレン3部、ブタジエン20部の混合物を添加して60分間重合した(3段目)。更に、スチレン3部、ブタジエン20部の混合物を添加して60分間重合し(4段目)、3個のテーパーブロックを重合した。次いでスチレン15.5部を添加し60分重合した(5段目)。重合転化率は、100%であった。
尚、重合中は、内温が70℃になるようにコントロールした。重合終了後、重合体溶液に2,6−ジーtert―ブチルカテコールを添加した後、溶媒を加熱除去して、ポリブタジエンブロック部にポリスチレンが漸増するテーパーブロックを3個有するブロック共重合体D3を得た。このものの、数平均分子量は128,000であり、スチレン含有量は40%であった。
(4−4)製造例9;スチレンーブタジエンラジアルテレブロック共重合体
撹拌機及びジャケット付きオートクレーブを乾燥、窒素置換し、窒素気流中でシクロヘキサンとテトラヒドロフランを2.75部投入した。スチレン25部を加え、60℃に昇温した後、n―ブチルリチウム0.175部を含むシクロヘキサン溶液を添加し、重合反応を60分間行った(1段目)。次いで、スチレン3部、ブタジエン20部の混合物を添加し60分間重合反応を行った(2段目)、また、スチレン3部、ブタジエン20部の混合物を添加し60分間重合反応を行った(3段目)、更にブタジエン29部を添加し転化率100%にまるまで重合し完結した。カップリング剤として四塩化珪素0.1部を添加した後、カップリング反応を完結させた。重合終了後、重合体溶液に2,6−ジーtert―ブチルカテコールを添加した後、溶媒を加熱除去してテーパーブロックを有するカップリングタイプのスチレンーブタジエンブロック共重合体D4を得た。このもののスチレン含有量は31%、数平均分子量は200,000であった。
(5)(E)成分;
製造例10;グラフト重合体
リボン型翼を備えた内容積10Lのステンレス製オートクレーブを窒素置換した後、窒素気流中で、予めトルエンを溶媒として均一溶液にした上記重合体D2を30部(固形分)、スチレン52.5部、アクリロニトリル17.5部、トルエン120部、及びtert―ドデシルメルカプタン0.1部を仕込む、撹拌しながら昇温した。内温が50℃に到達した時点で、ベンゾイルパーオキサイド0.5部、ジクミルパーオキサイド0.1部を添加し、更に昇温し、80℃に達した後、80℃一定で制御しながら重合反応を行わせた。反応開始後6時間目から1時間を要して120℃まで昇温し、更に2時間反応を行って終了した。転化率は、97%であった。
100℃まで冷却後、2,2―メチレンビスー4−メチルー6−tert―ブチルフェノール0.2部を添加した後、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去するとともに、重合体をペレット化しグラフト重合体Eを得た。このもののグラフト率は、45%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は、0.45dl/gであった。
(6)(F)成分;
クラレ社製TMポリマー;TM−S4L77(SEPS―芳香族ポリカーボネートブロック共重合体の商品名)を用いた。
(7)(G)成分
臭化リチウムを用いた。
(8)その他の成分(H)
(8−1)H1;芳香族ポリカーボネート
三菱エンジニアリングプラスチックス社製“ノバレックス7022PJ(商品名)”(粘度平均分子量2,2000)を用いた。
(8−2)H2;ポリブチレンテレフタレート
ポリプラスチックス社製“ジュラネックスXD477(商品名)”(固有粘度1.2dl/g)を用いた。
実施例1〜23 、比較例1〜3
表1記載の配合割合で、ヘンシエルミキサーにより混合した後、二軸押出機(シリンダー設定温度240℃)を用いて溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを十分に乾燥した後、射出成形(シリンダー設定温度230℃)により評価用試験片を作製した。
この試験片を用い、前記の評価方法で、耐衝撃性、耐薬品性、成形品表面外観、及び帯電防止を評価した。評価結果を表2に示した。
Figure 0004686145

Figure 0004686145
表2に示される結果から、以下のことが明らかである。
本発明の実施例の1〜23の成形品は、耐衝撃性、耐薬品性、成形品の表面外観、及び帯電防止性の何れも優れている。なお、実施例22、23の耐薬品性−1、2とも○印であるが、実施例1〜21のそれより若干劣る。
一方、比較例1は、本発明の(A)成分の使用量が、発明の範囲外で少なく、また(B)成分の使用量が、発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃性、成形品の表面外観が劣る。比較例2は、本発明の(C)成分の使用量が発明の範囲外で少ない例であり、耐衝撃性、成形品の表面外観及び帯電防止性が劣る。比較例3は、本発明の(C)成分の使用量が、発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃性、成形品の表面外観が劣る。
実施例23
三層シートの製造
三層シート(1)
実施例19の組成物を両表層(それぞれの厚みが100μm)、中心層がB1成分(厚み800μm)の三層シートを製造した。更に、このシートを真空成形してトレイを製造した。
三層シート(2)
実施例22の組成物とB1を用いて、上記同様の三層シート、及び真空成形でトレイを製造した。
三層シート(3)
実施例22の組成物とABS(A1成分/A2成分=40/60%からなる組成物)を用い、実施例22の組成物が両表層(それぞれの厚み100μm)、中心部分がABS(厚み800μm)の三層シートを製造した。前記同様に真空成形でトレイを製造した。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来にない優れた耐衝撃性、耐薬品性、成形品表面外観、及び帯電防止性を有するものであり、高度な性能が要求される、車両分野、電気・電子分野、OA・家電分野、サニタリー分野等の各種部品として適用できる。

Claims (3)

  1. (A)ゴム質重合体の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるスチレン系樹脂5〜95質量%、
    (B)オレフィン系樹脂5〜95質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、
    上記(A)と(B)の合計100質量部に対して
    (C)オレフィン重合体ブロック(C−1)と、ポリエーテル(C−2―a)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(C−2―b)及びポリエーテルを必須構成単位とするアニオン性ポリマー(C−2−c)から選ばれた親水性ポリマーブロック(C−2)とを有するブロック共重合体を0.5〜100質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. (A)ゴム質重合体の存在下又は非存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるスチレン系樹脂5〜95質量%、
    (B)オレフィン系樹脂〜95質量%(但し、(A)+(B)=100質量%)、
    上記(A)と(B)の合計100質量部に対して
    (C)オレフィン重合体ブロック(C−1)と、ポリエーテル(C−2―a)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(C−2―b)及びポリエーテルを必須構成単位とするアニオン性ポリマー(C−2−c)から選ばれた親水性ポリマーブロック(C−2)とを有するブロック共重合体を0.5〜100質量部、並びに
    下記(D)、(E)及び(F)の群から選ばれた少なくとも1種を1〜200質量部含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
    (D)芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−1)及び共役ジエン化合物単位から主としてなる重合体ブロック(D−2)を有するブロック共重合体及び/又はその水素添加物。
    (E)上記(D)成分の存在下に、芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物と芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を重合してなるグラフト重合体。
    (F)上記(D)成分からなる重合体ブロックと芳香族カーボネート重合体ブロック(F−1)からなる芳香族ポリカーボネートブロック共重合体。
  3. 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形品。
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