JP2006222750A - アナログフロントエンド回路及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 撮像素子から転送された画像データの劣化を抑え、EMI対策が施されたアナログフロントエンド回路、及びこれを含む電子機器を提供すること。
【解決手段】 アナログフロントエンド回路24は、撮像素子22からアナログの画像信号APD1を受け、画像信号APD1に対して所与の処理を行い、出力するアナログ処理部400と、アナログ処理部400から出力される画像信号APD2をA/D変換するA/D変換器500と、A/D変換器500から出力されるデジタルの画像データDPDを受け、画像データDPDに基づいて差動信号QDを生成し、出力する送信回路100と、第1の基準クロックCLK1に基づいて、撮像素子22を駆動するための駆動クロックφ1、φ2を含む複数のクロックを生成するタイミングジェネレータ300と、を含み、送信回路100は、A/D変換器500から出力される画像データDPDに基づいて差動信号を生成する差動増幅回路RSDS−TXを含み、差動増幅回路RSDS−TXで生成された差動信号QDを出力する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、アナログフロントエンド回路及び電子機器に関する。
画像読み取り装置等に用いられているイメージセンサでは、イメージセンサの受光部で取得された画像データ(画像信号)は、イメージセンサの転送部に取り込まれる。そして、イメージセンサを制御するイメージセンサコントローラが、イメージセンサの転送部に駆動クロックを供給し、転送部は供給された駆動クロックを用いて画像データを順次シフト転送して外部に出力する。
画像読み取り装置には、ライン型のイメージセンサが搭載されたヘッド側基板(キャリッジ)を用いて画像を読み取るものが知られている。画像を読み取る際に、このヘッド側基板はその読み取り位置が段階的に変化するようにサーボモーター等で駆動される。このようにヘッド側基板が可動なため、ヘッド側基板は、サーボモーターの制御信号を生成する回路等が搭載されたメイン基板と長いケーブルで接続される。このケーブルを介して、例えばイメージセンサによって読み出された画像データや、イメージセンサのシフト転送に必要な駆動クロック等が供給される。
ところが、近年の画像読み取り技術の向上等によって、イメージセンサの高解像度化が進んできている。このような高解像度のイメージセンサを画像読み取り装置に用いる場合、駆動クロックの周波数を高くする必要が生じる。また、高解像度に伴いケーブルを介して転送される画像データのデータ量も増加する。このため、ヘッド側基板とメイン基板が長いケーブルで接続される画像読み取り装置では、例えば画像データや駆動クロック等を搬送するケーブルで発生する放射ノイズ等が問題となり、EMI(Electro-Magnetic-Interference)対策が必要であった。
特開2004−172854号公報
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、撮像素子から転送された画像データの劣化を抑え、EMI対策が施されたアナログフロントエンド回路、及びこれを含む電子機器を提供することにある。
本発明は、撮像素子を制御して、前記撮像素子から出力されるアナログの画像信号を処理するアナログフロントエンド回路であって、前記撮像素子からアナログの画像信号を受け、前記画像信号に対して所与の処理を行い、出力するアナログ処理部と、前記アナログ処理部から出力される画像信号をA/D変換するA/D変換器と、前記A/D変換器から出力されるデジタルの画像データを受け、前記デジタルの画像データに基づいて差動信号を生成し、出力する送信回路と、第1の基準クロックに基づいて、前記撮像素子を駆動するための多相の駆動クロックを含む複数のクロックを生成するタイミングジェネレータと、を含み、前記送信回路は、その各差動増幅回路が、前記A/D変換器から出力される前記デジタルの画像データに基づいて差動信号を生成する差動増幅回路を含み、前記差動増幅回路で生成された差動信号を出力するアナログフロントエンド回路に関する。
本発明によれば、送信回路は、デジタルの画像データを差動信号で出力することができるため、アナログフロントエンド回路から出力された画像データが長いケーブル等を介してメイン基板等に出力された場合であっても、ケーブルで発生する放射ノイズを十分小さくすることができる。
また、アナログフロントエンド回路はタイミングジェネレータを含むため、アナログフロントエンド回路内で撮像素子に必要な駆動クロックを生成することができる。例えば、撮像素子とアナログフロントエンド回路が搭載されたヘッド側基板とメイン基板等が長いケーブルで接続されるような場合であっても、ケーブルを介さずに周波数の高い駆動クロックを撮像素子に供給することができるのでケーブルで発生する放射ノイズを十分小さくすることができる。
また、本発明では、前記タイミングジェネレータは、前記複数のクロックに含まれるクロックとして、送信用クロックを生成して前記送信回路に出力し、前記送信回路は、前記送信用クロックに基づいて差動信号を生成し、前記送信回路が出力する差動信号の同期クロックである差動クロック信号を生成して出力するようにしてもよい。
本発明によれば、タイミングジェネレータは送信用クロックを生成することができるため、別途に送信回路用の発振器を設けることなく送信回路に適した周波数のクロックを送信回路に供給することができる。
また、本発明は、第2の基準クロックを受け、前記第2の基準クロックの周波数をN(1以上の自然数)倍に逓倍したクロックを生成して前記第1の基準クロックとして出力するPLL回路をさらに含むようにしてもよい。
本発明によれば、第2の基準クロックを逓倍して第1の基準クロックを生成することができる。このため、逓倍の倍率を所望の倍率に設定することにより、駆動クロック等の撮像素子の制御に必要なクロックや、A/D変換に必要なクロック等を調整することができる。即ち、本発明にかかるアナログフロントエンド回路は、ユーザーの要求に柔軟に対応でき、汎用性を高めることができる。
また、本発明では、基準クロック用差動信号を受信し、受信した前記基準クロック用差動信号に基づいて、前記第2の基準クロックを生成して前記PLL回路に供給する受信回路をさらに含むようにしてもよい。
これにより、PLL回路は受信回路から第2の基準クロックを受け、第2の基準クロックに基づいて第1の基準クロックを生成することができる。
また、本発明では、前記受信回路は、前記送信回路から出力される画像データを処理する画像処理部が実装されるメイン基板と前記送信回路とを接続する接続ケーブルを介して前記メイン基板から前記基準クロック用差動信号を受信するようにしてもよい。
これにより、アナログフロントエンド回路はメイン基板等から供給される基準クロック用差動信号に基づいて撮像素子を駆動することができる。また、基準クロック用差動信号は差動信号であるため、接続ケーブルを介して基準クロック用差動信号がアナログフロントエンド回路に供給される場合でも、接続ケーブルでの放射ノイズを低減することができる。
また、本発明では、前記タイミングジェネレータは、前記複数のクロックに含まれるクロックとして、前記A/D変換器がA/D変換を行うために用いるA/D変換器用クロックを生成して前記A/D変換器に出力するようにしてもよい。
これにより、A/D変換器はA/D変換器用クロックに基づいてA/D変換を行うことができる。
また、本発明では、前記タイミングジェネレータは、前記複数のクロックに含まれるクロックとして、前記アナログ処理部のタイミング制御クロックを生成して前記アナログ処理部に出力するようにしてもよい。
これにより、アナログ処理部はタイミング制御クロックに基づいて所与の処理を行うことができる。
また、本発明では、前記アナログ処理部は、前記所与の処理として、相関二重サンプリング処理と、増幅処理を行うようにしてもよい。
これにより、アナログ処理部は、撮像素子から出力されるアナログの画像信号に対してノイズ等の除去や後段のA/D変換器に適した信号レベルに調整することができ、画像データを正確に処理することができる。
また、本発明では、前記タイミングジェネレータは、前記複数のクロックのクロックパターンを設定するためのクロックパターン設定レジスタを含み、前記タイミングジェネレータは、前記クロックパターン設定レジスタの設定値に基づいて、前記第1の基準クロックから、クロックパターンの異なる前記複数のクロックを生成するようにしてもよい。
これにより、タイミングジェネレータは、第1の基準クロックから複数のクロックパターンを生成できるので、複数のクロックを生成することができる。また、アナログフロントエンド回路がタイミングジェネレータを含むため、外部から複数のクロックを供給しなくても、アナログフロントエンド回路は撮像素子を駆動することができ、撮像素子22から画像データを取得することができる。
また、本発明では、前記タイミングジェネレータの前記クロックパターン設定レジスタの設定情報は、前記送信回路から出力される画像データを処理する画像処理部が実装されるメイン基板から供給される制御信号に基づいて設定され、前記制御信号は、シリアル通信によって供給されるようにしてもよい。
これにより、クロックパターン設定レジスタの設定情報を任意に設定することができる。また、クロックパターン設定レジスタの設定情報を制御する制御信号はシリアル通信(例えば、CMOSレベル)で送信されるため、メイン基板から信号が供給される接続ケーブルの配線数を減らすことができる。
また、本発明では、前記A/D変換器と前記送信回路との間に、前記A/D変換器から出力される前記デジタルの画像データを時分割に出力するセレクタをさらに含み、前記セレクタは、前記デジタルの画像データを時分割で所定のビット数に分割して、分割されたデータを順次に前記送信回路に出力するようにしてもよい。
これにより、送信回路から出力される信号のビット数を減らすことができるので、接続ケーブルの配線数を減らすことができる。また、撮像素子から複数画素の画像データを取得して各画像データをA/D変換するA/D変換器が複数ある場合、セレクタは画像データを時分割に出力できるため、スムーズに画像データを出力することができる。
本発明は、上記のいずれかのアナログフロントエンド回路と、撮像素子とが実装されるヘッド側基板と、前記アナログフロントエンド回路から出力される画像データを処理する画像処理部が実装されるメイン基板と、前記ヘッド側基板と前記メイン基板とを接続する接続ケーブルと、を含み、前記接続ケーブルは、複数対の差動信号線を含み、前記アナログフロントエンド回路から出力される画像データは、前記接続ケーブルを介して差動信号で伝送される電子機器に関する。
本発明によれば、タイミングジェネレータが駆動クロックを生成できるため、接続ケーブルを介さずに周波数の高い駆動クロックを撮像素子に供給することができる。これにより接続ケーブルで発生する放射ノイズを十分小さくすることができる。また、接続ケーブルは複数対の差動信号線を含むため、差動信号線を介して供給される信号は放射ノイズの発生を低減できるので、接続ケーブルで発生する放射ノイズを小さくすることができる。
また、本発明では、前記撮像素子を駆動するための前記複数の駆動クロックは、前記接続ケーブルを介さずに前記アナログフロントエンド回路から前記撮像素子に供給されるようにしてもよい。
本発明によれば、接続ケーブルを介さずに駆動クロックが撮像素子に供給されるため、駆動クロックの周波数が高くても接続ケーブルから発生する放射ノイズには寄与しないため、電子機器に対してEMI対策を行いやすい。
また、本発明では、前記メイン基板は、前記接続ケーブルを介して伝送される差動信号を受信する差動信号受信回路と、前記接続ケーブルを介して前記ヘッド側基板に、差動信号を用いて基準クロックを送信する差動信号送信回路と、を含むようにしてもよい。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.イメージセンサ
図1(A)にイメージセンサ22(広義には撮像素子)の構成例を示す。イメージセンサ22(例えばCCDラインセンサ)は、例えば受光部202、転送ゲート204、転送部(シフトレジスタ)206を含む。また、受光部202は、光電変換を行う複数の受光素子(フォトダイオード、画素)を含む。なお、以下の図において同符号のものは同様の意味を表す。
受光部202の各受光素子(画素)は受光量に応じた電荷を生成して蓄積する。そして電荷蓄積に必要な所定の時間が経過した後にシフト信号SHがアクティブになり、転送ゲート204がオンになる。これにより、アナログの画像データである蓄積電荷が、転送ゲート204を介して転送部206のシフトレジスタ(各受光素子に対応して設けられたシフトレジスタ)に転送される。そして、各シフトレジスタに転送された画像データ(蓄積電荷、広義には画像信号)は2相の駆動クロックであるφ1、φ2に基づいて、隣接するシフトレジスタ間を転送されて行き、イメージセンサ22のCCQ端子からシリアル出力される。
また、イメージセンサ22の構成は図1(A)に限定されない。例えば図1(B)のように、奇数番目の画素用の転送ゲート204−1、転送部206−1と偶数番目の画素用の転送ゲート204−2、転送部206−2を設けることが望ましい。また、図1(A)、図1(B)の構成において、R(赤)、G(緑)、B(青)の画像データの読み取り用の受光部、転送ゲート、転送部を設けることが望ましい。
なお、図1(C)に転送部206のシフトレジスタの構成例を示す。
2.アナログフロントエンド回路
図2に本実施形態にかかるアナログフロントエンド回路24の構成例を示す。アナログフロントエンド回路24は、送信回路100、受信回路200、タイミングジェネレータ300、アナログ処理部400、A/D変換器500、PLL回路600を含むがこれに限定されない。例えばアナログ処理部400やPLL回路600を省略する構成でもよい。
タイミングジェネレータ300は、PLL回路600から基準クロックCLK1を受け、制御信号CS1に基づいて複数のクロックを生成し、イメージセンサ22、送信回路100、アナログ処理部400及びA/D変換器500に対して、それぞれに対応するクロックを供給する。具体的には、タイミングジェネレータ300は、生成した複数のクロックのうち、駆動クロックφ1、φ2をイメージセンサ22に供給し、送信用クロックTXCKを送信回路100に供給し、A/D変換器用クロックADCKをA/D変換器500に供給し、タイミング制御クロックCS2をアナログ処理部400に供給する。
受信回路200は、差動信号RXCKP、RXCKMを受信し、この差動信号RXCKP、RXCKMに基づいて基準クロックCLK2を生成し、PLL回路600に出力する。
PLL回路600は、受信回路200から基準クロックCLK2受け、基準クロックCLK2を所与の倍率で逓倍し基準クロックCLK1(広義には第1の基準クロック)を生成し、タイミングジェネレータ300に出力する。なお、PLL回路600は、例えばレジスタによる設定等で逓倍の倍率を任意に設定できる。例えば、基準クロックCLK2が10MHzであった場合、PLL回路600の逓倍の倍率を例えば12逓倍に設定することで、基準クロックCLK1の周波数を120MHzに設定することができる。また、PLL回路600は、上記の構成に限定されず、逓倍の倍率を固定にするようにしてもよい。
なお、受信回路200を省略して、基準クロックCLK2を生成するクロック生成回路をアナログフロントエンド回路24に設けてもよい。
アナログ処理部400は、イメージセンサ22のCCQ端子からシリアル出力されるアナログの画像データAPD1を受け、例えばタイミングジェネレータからのタイミング制御クロックCS2に基づいて所定のアナログ処理を行い、A/D変換器500に出力する。
A/D変換器500は、タイミングジェネレータ300からのA/D変換器用クロックADCKに基づいて、アナログ処理部400からのアナログの画像データAPD2に対してA/D変換を行い、デジタルの画像データDPDを後段の送信回路100に出力する。このとき、デジタルの画像データDPDはMビット(Mは自然数)のデータとして送信回路100へパラレル出力される。
本実施形態では、例えば、A/D変換器用クロックADCKは10MHzに設定されている。アナログの画像データAPD2は例えばシリアルで出力されるため、A/D変換器500は画像データAPD2を順次A/D変換する。そして、A/D変換器500は、A/D変換したM(Mは自然数、例えば16)個のデータを、クロックADCKに基づいてMビットのデジタルの画像データDPDとして送信回路100にパラレル出力する。
送信回路100は、Mビットの画像データDPDの各信号及び送信用クロックTXCKを受け、各信号から差動信号(Differential-Signals)を生成し、例えば(M+1)対の差動信号QDとして出力する。複数対の差動信号QDは、アナログフロントエンド回路24から例えばメイン基板等に供給される。
また、A/D変換器500と送信回路100の間に、図3に示すセレクタSLを設けるようにしてもよい。セレクタSLは、A/D変換器500から出力される画像データDPDを時分割して出力することができる。ここで、時分割とは、例えば画像データDPDの1クロックの周期を分割し、その分割された周期毎に画像データDPDを分割することを意味する。例えば、画像データDPDが10MHzのクロックで出力された場合、その画像データDPDを処理するセレクタSLは画像データDPDの1クロックの周期を2分割することで、送信回路100にデータを20MHzのクロックで出力することができる。
A/D変換器500から出力されるMビットの画像データDPDは、セレクタSLによって所定のビット数に時分割され、送信回路100に出力される。具体的には、セレクタSLは、Mビットの画像データDPDを例えばM/2ビットの画像データに時分割して、分割された画像データを順次に送信回路100に出力する。例えば、Mビットの画像データDPDが10MHzのクロックでA/D変換器500から出力される場合、セレクタSLには、10MHz×Mビットのデータが単位秒あたりに入力される。このとき、セレクタSLが画像データDPDを2つの画像データに時分割する場合は、時分割出力する画像データはM/2ビットに設定される。即ち、この場合のセレクタSLは20MHzのクロックでM/2ビットの画像データを出力する。
上記の構成は、送信回路100から出力される画像データに必要な信号線を例えば約半分に減らすことができる。
2.1.送信回路及び受信回路
図4に本実施形態に係る送信回路100の構成例を示す。送信回路100は、複数の差動増幅回路RSDS−TXを含み、そのうちの一つは送信用クロックTXCKを受けて差動クロック信号TXCKP及びTXCKMを出力する。本実施形態において、例えば図3に示すセレクタSLを設け、Mビットの画像データDPDをM/2の画像データに時分割して出力する場合には、図4に示すように送信回路100には送信用クロックTXCKを受ける差動増幅回路RSDS−TXのほかに、(M/2)個の差動増幅回路RSDS−TXが設けられる。
セレクタSLに16ビット(広義にはMビット)の画像データDPDが入力されると、8ビットのデータに時分割して送信回路100に出力される。その8ビットのデータの各ビットのデータDPD0〜DPD7はそれぞれの対応する差動増幅回路RSDS−TXに入力される。各差動増幅回路RSDS−TXは入力されたデータに基づいて差動信号を出力し、例えばデータDPD0が入力される差動増幅回路RSDS−TXは差動信号TDP0、TDM0を出力する。同様にして、各データDPD1〜DPD7は対応する差動増幅回路RSDS−TXによって差動信号TDP1〜TDP7、TDM1〜TDM7として出力される。
また、図3のセレクタSLを設けない場合には、送信用クロックTXCKを受ける差動増幅回路RSDS−TXのほかに、M個の差動増幅回路RSDS−TXを設ければよい。
なお、本実施形態では、一例としてM=16として構成されたアナログフロントエンド回路24が説明されているが、これに限定されない。
なお、本実施形態では、各差動増幅回路RSDS−TXはLVDS(Low-Voltage-Differential-Signals)方式よりも差動信号の電圧の振幅が小さいRSDS(登録商標)(Reduce-Swing-Differential-Signals)方式が用いられている。差動信号の電圧の振幅がLVDS方式よりも小さいため、差動信号の伝送路で発生する不要輻射をより低減できる。また、LVDS方式もEMI対策に効果を有するので、送信回路100は各差動増幅回路RSDS−TXにLVDS方式を用いた構成でもよい。
図5は、本実施形態に係る受信回路200の構成例を示す図である。受信回路200は差動増幅回路RSDS−RXを含む。差動増幅回路RSDS−RXは基準クロック用差動信号RXCKP、RXCKMに基づいて基準クロックCLK2(広義には第2の基準クロック)を生成して出力する。各基準クロック用差動信号RXCKP、RXCKMは、例えば後述するメイン基板50(図11参照)から供給される。
2.2.タイミングジェネレータ
図2のタイミングジェネレータ300はクロックパターン設定レジスタ310を含む。クロックパターン設定レジスタ310には、タイミングジェネレータ300が生成する複数のクロックに関するクロックパターンを示す情報が格納されている。このクロックパターンを示す情報に基づいて、タイミングジェネレータ300は複数のクロックを生成する。クロックパターン設定レジスタ310の内容は、例えば制御信号CS1を用いてプログラマブルに変更可能なため、ユーザーが所望するクロックパターンの情報をクロックパターン設定レジスタ310に格納することが可能である。
クロックパターン設定レジスタ310に格納されるクロックパターンの情報を具体的に説明するため、図6にクロックのパターンテーブルを示す。図6の0x00〜0x0Fは、クロックパターン設定レジスタ310のアドレスを示す。図6のようにパターンテーブルが設定されたときのタイミングジェネレータ300から出力される各クロックの波形を図7に示す。
図6に示す符号CK1、CK2はクロックを示し、例えば図2のアナログ処理部400を駆動するためのクロックとして用いることができる。また、同様に各符号SNCK1A_even〜SNCK1D_odd、SNCK2〜SNCK4はクロックを示し、これらのうちのいずれかを例えば、イメージセンサ22を駆動するための駆動クロックφ1又はφ2に用いることができる。
タイミングジェネレータ300が出力するクロック(例えば駆動クロックφ1、φ2)等の1周期の期間に、内部ステートの値は例えば0〜15までインクリメントされる。次の周期では再度、内部ステートの値は0〜15までインクリメントされる。このように内部ステートは、基準となるクロック(例えば第1の基準クロックCLK1)に基づいて例えば値0〜15の間を循環する。
各クロックは、内部ステート毎に例えば0又は1の値が割り当てられることでクロックパターンが設定される。
タイミングジェネレータ300は、図6に示すように内部ステート毎にそれぞれのクロックに割り当てられている値(例えば0又は1)に基づいて、各クロックの出力レベルを設定する。
具体的には、クロックCK1を例にすると、内部ステートの値が0である場合、例えば図6ではクロックCK1はレジスタの値が1であるので、この間のクロックCK1の出力レベルは図7のB1に示すようにハイレベルとなる。内部ステートの値がその次の値である1になると、図6によるとクロックCK1はレジスタの値が1であるので、この間のクロックCK1の出力レベルはハイレベルに維持される。さらに、内部ステートの値が9になると、図6ではレジスタの値が0に設定されている。即ち、図7のB2に示すようにクロックCK1の出力レベルはローレベルに設定される。
同様にして、クロックCK2を例にすると、例えば内部ステートの値が11である時、図6によるとクロックCK2のレジスタの値は0である。このため、図7のB3に示すようにクロックCK2の出力はローレベルに設定される。さらに、内部ステートの値が12になると、クロックCK2のレジスタの値は図6より1に設定されていることがわかる。即ち、図7のB4に示すようにクロックCK2の出力レベルはハイレベルに設定される。
このようにして、タイミングジェネレータ300は、基準クロックCLK1を基準にして、クロックパターン設定レジスタ310に格納されている値に基づいて各クロックを生成することができる。なお、基準クロックCLK1は上述のしたように受信回路200(図2参照)で受信される基準クロック用差動信号RXCKP、RXCKMに基づいて生成されたクロックである。即ち、タイミングジェネレータから出力されるクロック(例えば駆動クロックφ1、φ2等)の基準となるクロックを、例えばメイン基板50(図11参照)等からアナログフロントエンド回路24に供給することができる。これにより、例えばメイン基板50は、アナログフロントエンド回路24から出力される出力データQDの処理やアナログフロントエンド回路24に対する制御信号CS1の供給等を行いやすくなるので、アナログフロントエンド回路24と接続するメイン基板50等の設計が容易になる。即ち、本実施形態は、設計期間の短縮が可能となり、製造コストの削減を可能にする。
また、タイミングジェネレータ300は基準クロックCLK1に基づいてA/D変換器用クロックADCKを生成し、A/D変換器500に供給する。このとき、タイミングジェネレータ300は、例えば、基準クロックCLK1が120MHzである場合、この基準クロックCLK1を例えば1/12分周して10MHzのクロックをA/D変換器用クロックADCKとして出力することができる。
なお、図6は読み取り画素に単色が割り当てられている場合のパターンテーブルを示しているが、これに限定されない。例えば、読み取り画素に対して3色(R、G、B)が割り当てられている場合には、内部ステートの値を例えば0〜47の48段階に設定すればよい。
2.3.アナログ処理部
図8は、アナログ処理部400のブロック図である。アナログ処理部400は、相関二重サンプリング(Correlated-Double-Sampling)処理部CDSと、増幅処理部PGAを含む。
相関二重サンプリング処理部CDSは、イメージセンサ22からのアナログの画像データAPD1を受け、ベースレベル(光学的黒レベル、参照レベル)のアナログ信号とデータレベル(ビデオレベル、信号レベル)のアナログ信号をサンプリングする。そして、ベースレベルのアナログ信号のサンプリング値とデータレベルのアナログ信号のサンプリング値との差分値を出力する。なお、アナログ信号のサンプリングは、タイミングジェネレータ300から供給されるタイミング制御クロックCS2に基づいて行われる。例えば、サンプリングのタイミングやサンプリング期間等のサンプリングに必要なタイミングは、タイミングジェネレータ300から供給されるタイミング制御クロックCS2に基づいて設定される。なお、タイミングジェネレータ300は前述したようにクロックパターン設定レジスタ310に基づいて様々なクロックパターンを生成できる。このため、クロックパターン設定レジスタ310の値を任意に設定することで相関二重サンプリング処理部CDSに必要なクロックを調整することができる。
増幅処理部PGAは、例えばプログラマブルゲインアンプ等で構成でき、相関二重サンプリング処理部CDSの出力値のゲインを調整し、アナログの画像データAPD2をA/D変換器500に出力する。このようなゲイン調整を行うことで、A/D変換器500での適正なダイナミックレンジを確保できる。なお、ゲイン調整では、ゲインの調整レベルを段階的に設定してレジスタに割り当てることで、ゲイン調整のレベルをプログラムできるようにしてもよい。このレジスタの値を任意に設定することで相関二重サンプリング処理部CDSの出力のゲインを調整することができる。
相関二重サンプリング処理部CDSの出力に対して補正処理を行う補正回路を相関二重サンプリング処理部CDSと増幅処理部PGAの間に設けてもよい。
3.変形例
図9は本実施形態に係る変形例のアナログフロントエンド回路25の構成例を示す図である。アナログフロントエンド回路25は、読み取り画素に対して例えば3色(R、G、B)を割り当てるために、図2のアナログフロントエンド回路24にセレクタSLが追加され、アナログ処理部400、A/D変換器500が図9に示すように変更されたものである。具体的には、アナログフロントエンド回路25のアナログ処理部400は、R用アナログ処理部410、G用アナログ処理部420及びB用アナログ処理部430を含む。また、アナログフロントエンド回路25のA/D変換器500は、R用A/D変換器510、G用A/D変換器520及びB用A/D変換器530を含む。
R用A/D変換器510は、R用アナログ処理部410から出力されたアナログの画像データをA/D変換してMビットの画像データRDとしてセレクタSLに出力する。G用A/D変換器520は、G用アナログ処理部420から出力されたアナログの画像データをA/D変換してMビットの画像データGDとしてセレクタSLに出力する。B用A/D変換器530は、B用アナログ処理部430から出力されたアナログの画像データをA/D変換してMビットの画像データBDとしてセレクタSLに出力する。
タイミングジェネレータ300から出力されるタイミング制御クロックCS2には、R用アナログ処理部410、G用アナログ処理部420及びB用アナログ処理部430のそれぞれに必要なタイミング信号が含まれるが、これに限定されない。例えば、タイミング制御クロックのうち、共通のタイミング信号が各アナログ処理部410〜430に供給されてもよい。
図9のA/D変換器500には、タイミングジェネレータ300からA/D変換器用クロックADCKが供給され、各A/D変換器510〜530に共通のA/D変換器用クロックADCKが供給されるが、これに限定されない。例えば、各A/D変換器510〜530のそれぞれに必要なタイミング信号がタイミングジェネレータ300によって個別に生成され、個別に生成されたクロックを各A/D変換器510〜530のうち、対応するA/D変換器に供給するようにしてもよい。
また、タイミングジェネレータ300はセレクタSLにセレクタ用クロックSCLKを供給するが、これに限定されない。例えばアナログフロントエンド回路25にクロック生成回路(例えば発振器)を別途に設けて、そのクロック生成回路が生成するクロックがセレクタ用クロックSCLKとしてセレクタSLに供給されるようにしてもよい。また、PLL回路600が生成するクロックをセレクタ用クロックSCLKとしてセレクタSLに供給するようにしてもよい。
図9のセレクタSLは、供給された各画像データRD、GD、BDをセレクタ用クロックSCLKに基づいて時分割して送信回路100に出力する。例えばセレクタSLは、図10に示すように、各画像データRD、GD、BDを時分割し、(M/2)ビット毎に画像データを送信回路100に出力する。
本実施形態に係る変形例のアナログフロントエンド回路25では、各画像データRD、GD、BDのそれぞれが、10MHzのクロックでセレクタSLに供給される。この場合、セレクタSLは10MHzの1クロックの周期を各画像データRD、GD、BDの3つのデータのために3分割することで、送信回路100に(M×3)ビットの画像データをMビットずつのデータに時分割で出力できる。
本実施形態に係る変形例のアナログフロントエンド回路25では、セレクタSLは各画像データRD、GD、BDが供給される際のクロック(例えば10MHz)の1クロックを例えば6分割する。これにより、セレクタSLは、送信回路100に(M×3)ビットの画像データを60MHzのクロックで(M/2)ビットずつのデータに時分割で出力できる。
図10のセレクタSLには、10MHz×Mビット×3のデータが単位秒あたりに入力される。送信回路100が画像データを出力する際のビット数が(M/2)ビットに設定される場合は、セレクタSLは60MHzのクロックで(M/2)ビットの画像データを出力すればよい。
4.電子機器
図11は、本実施形態に係るアナログフロントエンド回路(AFE)24(又は25)を含む電子機器10を示す図である。なお電子機器10は、図11の全ての構成要素を含む必要はなく、その一部を省略する構成にしてもよい。
電子機器10(例えばフラットベッド型イメージスキャナ)は読み取り対象物12(例えば原稿)を載せるための載置台14と、載置台14を支持するフレーム15(例えば支持部材、ハウジング)を含む。矩形状の載置台14は光透過性部材であるガラス等により形成され、この光透過性の載置台14の例えば上部に読み取り対象物12が載せられる。
電子機器10はイメージセンサ22及びアナログフロントエンド回路24が搭載されるヘッド側基板(キャリッジ)20を含む。イメージセンサ22としてはCCD(Charge Coupled Device)、CIS(Contact Image Sensor)、又はBBD(Bucket Brigade Device)などを使用できる。ヘッド側基板20には、読み取り対象物12(原稿)を照明するための光源26や、読み取り対象物12で反射された光源26からの光をイメージセンサ22に集光するレンズ28(集光部)などの光学系(光学ヘッド)も搭載される。
電子機器10は、ヘッド側基板20を駆動して移動させる駆動装置30(駆動機構)を含み、駆動装置30は、モータ32(動力源)や、モータ32を駆動するモータドライバ34を含む。イメージセンサ22は、その長手方向が主走査方向と一致するように配置される。そして他方側がプーリ38に掛けられた駆動ベルト36をモータ32により駆動することで、駆動ベルト36に固定されたヘッド側基板20が副走査方向(主走査方向に直交する方向)に移動する。なお、ヘッド側基板20の移動方式としは種々の変形実施が考えられ、例えば駆動ベルト36を用いないでヘッド側基板20を移動したり、リニアモータ機構によりヘッド側基板20を移動してもよい。
電子機器10はメイン基板50を含む。メイン基板50は電子機器10の各ブロックを制御するものである。具体的には、画像データの取得処理の制御や、ヘッド側基板20のサーボ制御や、アナログフロントエンド回路24の制御などを行う。
メイン基板50は画像処理部60を含む。画像処理部60は、差動信号を送受信する送受信回路62を含む。送受信回路62は、図示しないが、差動信号受信回路と差動信号送信回路で構成されるが、これに限定されない。差動信号受信回路と差動信号送信回路を別々の回路ブロックで構成してもよいし、どちらか一方を省略してもよい。送受信回路62がヘッド側基板20からの差動信号を受信して画像データを取得し、画像処理部60は取得した画像データの画像処理を行う。また、画像処理部60は、例えばアナログフロントエンド回路24の制御を行うことができるが、これに限定されない。メイン基板50に搭載された他のブロックにおいてアナログフロントエンド回路24を制御する信号を生成してもよい。
メイン基板50はサーボコントローラ80を含む。サーボコントローラ80は、ヘッド側基板20を駆動(移動)する駆動装置30(モータ32)のサーボ制御(フィードバック制御)を行うものである。メイン基板50はCPU96(プロセッサ)やメモリ98(ROM、RAM)を含む。CPU96はメイン基板50の全体的な制御を行ったり、外部との情報のやり取りをする。またメモリ98は、プログラムや各種データを記憶したり、画像処理部60やサーボコントローラ80やCPU96の作業領域として機能する。
なお、メイン基板50は図11に示す全ての構成要素を含む必要はなく、その一部を省略した構成にしてもよい。例えばCPU96やメモリ98を省略してもよい。またメイン基板50、画像処理部60、サーボコントローラ80の機能は、ハードウェア回路により実現してもよいし、ソフトウェアとハードウェア回路の双方により実現してもよい。またハードウェア回路はゲートアレイなどにより構成されるASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現してもよいし、汎用プロセッサにより実現してもよい。
図12はヘッド側基板20とメイン基板50の接続を示す図である。ヘッド側基板20とメイン基板50は複数の配線で構成された接続ケーブル800によって接続される。ヘッド側基板20から出力される各差動クロック信号TXCKP、TXCKM及び各差動信号TDP0〜TDP7、TDM0〜TDM7は、接続ケーブル800内の配線を介してメイン基板50に供給される。また、メイン基板50から出力される各基準クロック用差動信号RXCKP、RXCKM、制御信号CS1は接続ケーブル800内の他の配線を介してヘッド側基板20に供給される。
高い周波数の信号を伝送する場合、差動信号を用いると不要輻射を押さえることができる。本実施形態において、各差動クロック信号TXCKP、TXCKM、各差動信号TDP0〜TDP7、TDM0〜TDM7、及び各基準クロック用差動信号RXCKP、RXCKMはある程度高い周波数であるが、それらは差動信号であるため、接続ケーブル800で発生する放射ノイズ等の低減が可能である。
ただし、制御信号CS1は周波数が上記の差動信号TXCKP、TXCKM等に比べて遙かに小さいため、差動信号ではなく例えば、CMOSレベルの信号で伝送される。制御信号CS1は例えばシリアル通信で伝送される。これにより、制御信号CS1については、アナログフロントエンド回路24の差動信号を受信するための回路を省略でき、メイン基板50側の差動信号を送信する回路を省略することができる。さらに、シリアル通信によって信号線の数を減らすことができ、接続ケーブル800の製造コストの削減が可能である。なお、制御信号CS1は上記の構成に限定されず、差動信号であってもよい。その場合は、アナログフロントエンド回路24には制御信号CS1用に受信回路を設け、メイン基板50側に制御信号CS1用の送信回路を設ければよい。
また、本実施形態では、メイン基板50から各基準クロック用差動信号RXCKP、RXCKMがヘッド側基板20に供給される。即ち、メイン基板50側で生成した基準クロックに基づいてアナログフロントエンド回路24は所与の駆動を行う。これにより、アナログフロントエンド回路24が出力する各差動信号TXCKM、TXCKP等は、メイン基板50側で生成した基準クロックに基づいて生成された信号となり、メイン基板50がヘッド側基板20を制御しやすくなる。このため、メイン基板50とヘッド側基板20の間において伝送される各信号のタイミング調整等が容易になり、電子機器10を設計する際に要する設計期間の短縮が可能となる。
また、図11に示すようにヘッド側基板20は駆動装置30によって所定の範囲で移動するように駆動されるため、接続ケーブル800はその移動範囲を十分に補えるような長さが必要である。このため、本実施形態においても接続ケーブル800はある程度の長さ(例えば60cm)に設定されている。
一般にケーブルの長さが長くなると、そのケーブルを介して信号を搬送する場合の放射ノイズによるEMIは著しく問題になる。結果としてEMI対策を施すための検査や調整等に日数を要し、製品のコスト削減を妨げる要因となる。これに対して、本実施形態のアナログフロントエンド回路24はメイン基板50とヘッド側基板20との間のデータ転送に差動信号を用いることで、接続ケーブル800から発生する放射ノイズを効果的に抑制することができる。これにより、例えば製品のEMI問題に関する検査や調整等に必要な期間を大幅に短縮することができ、製品のコスト削減を可能にする。
なお、本実施形態では、アナログフロントエンド回路24から出力される出力データQDのうちの画像データは(M/2)ビットであるため、接続ケーブル800には画像データ転送用に(M/2)対の差動信号線が設けられている。このため、アナログフロントエンド回路24から出力される画像データがMビットである場合に比べて、接続ケーブル800に設けられる配線数を減らすことができる。即ち、製造コスト削減が可能となる。
また、クロックの周波数が小さいほど、接続ケーブル800等で発生する放射ノイズの影響は小さくなる。即ち、EMI対策として、接続ケーブル800からの放射ノイズ等をできる限り低減させたい場合は、画像データ転送用の差動信号線の配線数を増やして差動信号の周波数を下げるようにしてアナログフロントエンド回路24を構成してもよい。具体的には、アナログフロントエンド回路24のセレクタSLの出力を8ビットではなく例えば16ビットにすることで、セレクタSLの出力クロックを例えば60MHzよりも周波数の低い30MHzに設定することができる。これにより、接続ケーブル800を介して伝送される信号の周波数が小さくなり、放射ノイズの発生を低減できる。
5.比較例との対比と効果
図13は本実施形態に係る比較例の電子機器710を示す図である。電子機器710はヘッド側基板720を含む。このヘッド側基板720にはイメージセンサ22、光源26、レンズ28などの光学系(光学ヘッド)が搭載される。イメージセンサ22により読み取られたアナログの画像データAPD3はA/D変換器740に入力され、A/D変換器740はこれをデジタルの画像データ(画像信号)に変換して、メイン基板750に出力する。
メイン基板750はイメージセンサコントローラ760を含む。イメージセンサコントローラ760はイメージセンサ22を制御するものであり、各種の制御信号や駆動パターンを生成して、イメージセンサ22に出力する。またイメージセンサコントローラ760は、A/D変換器740からのデジタルの画像データを受け、各種の画像処理(ガンマ変換、シェーディング処理、又は2値化処理等)を行う。イメージセンサコントローラ760が含む駆動コントローラ762は、イメージセンサ22の駆動クロックφ1、φ2を生成してイメージセンサ22に供給する。
電子機器710では、信号経路900において、駆動クロックφ1、φ2による放射ノイズが発生する。また、画像データAPD3も周波数の高いクロックとして出力されるため信号経路910、920においても放射ノイズが発生する。また、ヘッド側基板720が所定の範囲で移動できるように、例えば信号経路900、910、920等が設けられたケーブルはある程度の長さに設定される。そのため、各信号経路900、910、920で発生する放射ノイズはさらに影響力を増す。
このような放射ノイズを低減するために、ケーブル等にEMI対策となる部品を追加してケーブルをシールドしたりすることでEMI対策を図る必要がある。これは製品の部品数や製品に対する設計期間等を増やし、結果として製造コストの削減を妨げる。
これに対して本実施形態に係るアナログフロントエンド回路24、25は、その出力に差動信号を用いることができ、アナログフロントエンド回路24、25の出力を伝送する際に生じる放射ノイズを低減できる。即ち、アナログフロントエンド回路24、25は、比較例よりも製品の製造コストの削減が可能である。
また、比較例の駆動クロックφ1、φ2の信号経路900を差動信号を用いるように構成した場合も考えられるが、そもそもイメージセンサ22が高解像度であるほど駆動クロックφ1、φ2は周波数が高くなるため、信号経路900が差動信号線で構成されても十分なEMI対策とならない。
これに対して本実施形態に係るアナログフロントエンド回路24、25では、駆動クロックφ1、φ2を生成できるタイミングジェネレータ300を含むため、図12の接続ケーブル800を介さずに駆動クロックφ1、φ2をイメージセンサ22に供給することができる。即ち、比較例の問題点となる信号経路900での駆動クロックφ1、φ2に起因する不要輻射を、本実施形態は防ぐことができる。
また、比較例の電子機器710において、イメージセンサコントローラ760から出力される駆動クロックφ1、φ2に例えばスペクトラム拡散変調を施した場合、駆動クロックφ1、φ2の周波数スペクトラムのピーク値を拡散できる。しかしながら、駆動クロックφ1、φ2は周波数が高いため、この場合ではEMI対策として不十分である可能性がある。さらに駆動クロックφ1、φ2にスペクトラム拡散変調等の周波数変調が施されると、イメージセンサ22から取得する画像データが劣化する可能性もある。
上記のように比較例において駆動クロックφ1、φ2にスペクトラム拡散変調を施した場合に十分なEMI対策を行うためには、スペクトラム拡散変調の変調レンジを大きくする必要がある。ただし、変調レンジを大きくすると、駆動クロックφ1、φ2のパルス幅の変動が大きくなってしまい、イメージセンサ22から出力される画像データが予期せぬ値となる可能性が高まる。これは、著しく画質の劣化につながる。
これに対して、本実施形態では例えば駆動クロックφ1、φ2が接続ケーブル800を介さずにイメージセンサ22に供給されるので、比較例よりも本実施形態の電子機器10はEMI対策に優れていることがわかる。また、本実施形態では駆動クロックφ1、φ2がヘッド側基板20側で生成されるため、駆動クロックφ1、φ2にスペクトラム拡散変調等の周波数変調を施す必要がない。これにより、イメージセンサ22には、パルス幅が一定の駆動クロックφ1、φ2が供給されるため、駆動クロックφ1、φ2にスペクトラム拡散変調が施された場合に比べて、イメージセンサ22から精度の高い画像データが出力される。即ち、アナログフロントエンド回路24を含む電子機器10は、EMI対策に優れ、且つ、高画質な画像読み取りが可能となる。
なお、図14に示すように、アナログフロントエンド回路24は、A/D変換器500のMビットの出力を送信回路100とは別系統で出力する出力端子LQ(例えば、CMOSレベル)を含んでもよい。この場合、出力端子LQを用いることで、例えば製品のテストを行うことができる。出力端子LQはA/D変換器500の出力に接続されるが、これに限定されない。例えば、出力端子LQは図3のセレクタSLの出力と接続するように構成されてもよい。
また、アナログフロントエンド回路24は、A/D変換器500から出力されるMビットのパラレルの出力データをシリアルデータに変換するパラレル・シリアル変換器550をさらに含んでもよい。また、パラレル・シリアル変換器550の出力を受けて差動信号を出力する送信回路110を含んでもよい。このようにすれば、画像データを出力するための信号線を減らすことができ、例えば接続ケーブル800の配線幅を狭くすることができ、電子機器10の製造コストの削減が可能となる。なお、送信回路110は、送信に必要な基準クロックTXCK2をタイミングジェネレータ300から供給されるが、これに限定されない。
なお、上記の構成において、出力端子LQ、送信回路100から出力される複数対の差動信号QD及び送信回路110からの出力のいずれかを、例えばレジスタの設定等を利用して選択するようにしてもよい。この場合、レジスタに設定された情報に基づいてアナログフロントエンド回路24の出力を選択することができるので、様々な用途に対応することができる。
上記のように、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
図1(A)〜図1(C)はイメージセンサの説明図。 本実施形態に係るアナログフロントエンド回路の構成例。 本実施形態に係るセレクタを説明する図。 本実施形態に係る送信回路の構成例。 本実施形態に係る受信回路の構成例。 本実施形態に係るクロックパターン設定レジスタの設定例を示す図。 図6の設定例の基づく複数のクロックの波形図。 本実施形態に係るアナログ処理部の構成例。 本実施形態に係る変形例のアナログフロントエンド回路を示す図。 本実施形態に係るセレクタを説明する他の図。 本実施形態に係る電子機器の構成例。 本実施形態に係る電子機器のヘッド側基板とメイン基板の接続を示す図。 本実施形態に係る比較例を示す図。 本実施形態に係る変形例のアナログフロントエンド回路を示す図。
符号の説明
10 電子機器、20 ヘッド側基板、22 イメージセンサ、
24 アナログフロントエンド回路、25 アナログフロントエンド回路、
50 メイン基板、60 画像処理部、
100 送信回路、200 受信回路、300 タイミングジェネレータ、
310 クロックパターン設定レジスタ、400 アナログ処理部、
500 A/D変換器、600 PLL回路、800 接続ケーブル、
ADCK A/D変換器用クロック、
APD1、APD2、 アナログの画像信号、CDS 相関二重サンプリング処理部、
CLK1 第1の基準クロック、CLK2 第2の基準クロック、
CS1 タイミング制御クロック、CS2 タイミング制御クロック、
DPD デジタルの画像データ、φ1、φ2 駆動クロック、
PGA 増幅処理部、RSDS−TX 差動増幅回路、RXCKP、RXCKM 基準クロック用差動信号、TXCK 送信用クロック、TXCKP、TXCKM 差動クロック信号

Claims (14)

  1. 撮像素子を制御して、前記撮像素子から出力されるアナログの画像信号を処理するアナログフロントエンド回路であって、
    前記撮像素子からアナログの画像信号を受け、前記画像信号に対して所与の処理を行い、出力するアナログ処理部と、
    前記アナログ処理部から出力される画像信号をA/D変換するA/D変換器と、
    前記A/D変換器から出力されるデジタルの画像データを受け、前記デジタルの画像データに基づいて差動信号を生成し、出力する送信回路と、
    第1の基準クロックに基づいて、前記撮像素子を駆動するための多相の駆動クロックを含む複数のクロックを生成するタイミングジェネレータと、
    を含み、
    前記送信回路は、
    前記A/D変換器から出力される前記デジタルの画像データに基づいて差動信号を生成する差動増幅回路を含み、前記差動増幅回路で生成された差動信号を出力することを特徴とするアナログフロントエンド回路。
  2. 請求項1において、
    前記タイミングジェネレータは、前記複数のクロックに含まれるクロックとして、送信用クロックを生成して前記送信回路に出力し、
    前記送信回路は、前記送信用クロックに基づいて差動信号を生成し、前記送信回路が出力する前記差動信号の同期クロックである差動クロック信号を生成して出力することを特徴とするアナログフロントエンド回路。
  3. 請求項1又は2において、
    第2の基準クロックを受け、前記第2の基準クロックの周波数をN(1以上の自然数)倍に逓倍したクロックを生成して前記第1の基準クロックとして出力するPLL回路をさらに含むことを特徴とするアナログフロントエンド回路。
  4. 請求項3において、
    基準クロック用差動信号を受信し、受信した前記基準クロック用差動信号に基づいて、前記第2の基準クロックを生成して前記PLL回路に供給する受信回路をさらに含むことを特徴とするアナログフロントエンド回路。
  5. 請求項4において、
    前記受信回路は、前記送信回路から出力される画像データを処理する画像処理部が実装されるメイン基板と前記送信回路とを接続する接続ケーブルを介して前記メイン基板から前記基準クロック用差動信号を受信することを特徴とするアナログフロントエンド回路。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記タイミングジェネレータは、前記複数のクロックに含まれるクロックとして、前記A/D変換器がA/D変換を行うために用いるA/D変換器用クロックを生成して前記A/D変換器に出力することを特徴とするアナログフロントエンド回路。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記タイミングジェネレータは、前記複数のクロックに含まれるクロックとして、前記アナログ処理部のタイミング制御クロックを生成して前記アナログ処理部に出力することを特徴とするアナログフロントエンド回路。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記アナログ処理部は、前記所与の処理として、相関二重サンプリング処理と、増幅処理を行うことを特徴とするアナログフロントエンド回路。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて、
    前記タイミングジェネレータは、前記複数のクロックのクロックパターンを設定するためのクロックパターン設定レジスタを含み、
    前記タイミングジェネレータは、前記クロックパターン設定レジスタの設定値に基づいて、前記第1の基準クロックから、クロックパターンの異なる前記複数のクロックを生成することを特徴とするアナログフロントエンド回路。
  10. 請求項9において、
    前記タイミングジェネレータの前記クロックパターン設定レジスタの設定情報は、前記送信回路から出力される画像データを処理する画像処理部が実装されるメインから供給される制御信号に基づいて設定され、
    前記制御信号は、シリアル通信によって供給されることを特徴とするアナログフロントエンド回路。
  11. 請求項1乃至10のいずれかにおいて、
    前記A/D変換器と前記送信回路との間に、前記A/D変換器から出力される前記デジタルの画像データを時分割に出力するセレクタをさらに含み、
    前記セレクタは、前記デジタルの画像データを時分割で所定のビット数に分割して、分割されたデータを順次に前記送信回路に出力することを特徴とするアナログフロントエンド回路。
  12. 請求項1乃至10のいずれかに記載のアナログフロントエンド回路と、撮像素子とが実装されるヘッド側基板と、
    前記アナログフロントエンド回路から出力される画像データを処理する画像処理部が実装されるメイン基板と、
    前記ヘッド側基板と前記メイン基板とを接続する接続ケーブルと、
    を含み、
    前記接続ケーブルは、複数対の差動信号線を含み、
    前記アナログフロントエンド回路から出力される画像データは、前記接続ケーブルを介して差動信号で伝送されることを特徴とする電子機器。
  13. 請求項12において、
    前記撮像素子を駆動するための前記複数の駆動クロックは、前記接続ケーブルを介さずに前記アナログフロントエンド回路から前記撮像素子に供給されることを特徴とする電子機器。
  14. 請求項12又は13において、
    前記メイン基板は、
    前記接続ケーブルを介して伝送される差動信号を受信する差動信号受信回路と、
    前記接続ケーブルを介して前記ヘッド側基板に、差動信号を用いて基準クロックを送信する差動信号送信回路と、
    を含むことを特徴とする電子機器。
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