JP2006220012A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子制御装置9は、運転者による機関停止要求がなされてから実際に機関停止が実行されるまでの時間を遅延させる遅延制御を行う。また、電子制御装置9は、遅延制御の非実行時においてアクセル操作量に応じたスロットルバルブ38の開度調整を行い、遅延制御実行中においては、遅延制御の非実行時に比して、アクセル操作量に応じたスロットルバルブ38の開度が小さくなるようにその開度調整を行う。
【選択図】 図1
Description
このような可変バルブ機構としては、機関出力から得られる油圧、あるいは電力等といった動力源を利用してクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変更し、同カムシャフトにて開閉される吸気バルブのバルブタイミングを機関運転状態に応じたものに変更するバルブタイミング可変機構などがある。また、特許文献1に記載されるように、機関出力から得られる動力源を利用して、機関バルブの開弁期間やリフト量などを機関運転状態に応じたものに変更する可変バルブ機構なども提案されている。
請求項1に記載の発明は、運転者による機関停止要求がなされてから実際に機関停止が実行されるまでの時間を遅延させる遅延制御を行う遅延手段と、該遅延制御の実行中に可変バルブ機構を駆動して機関バルブのバルブ特性を予め設定された機関始動時用の特性に変更する変更手段と、運転者の機関操作に応じた機関制御量を設定する設定手段とを備える内燃機関の制御装置において、前記遅延制御実行中に設定される前記機関制御量を、前記遅延制御の非実行時に比して小さくする機関制御量抑制手段を備えることをその要旨とする。
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図7を併せ参照して説明する。
この図1に示されるように、エンジン1は、シリンダブロック2やシリンダヘッド3等を備えて構成されており、そのシリンダブロック2にはシリンダ21が設けられている。このシリンダ21内には、ピストン22が往復動可能に収容されている。また、シリンダ21内には、シリンダ21の内周面、ピストン22の頂面、及びシリンダヘッド3に囲まれた燃焼室23が区画形成されている。
吸気管33の途中にはサージタンク40が設けられており、このサージタンク40よりも吸気上流側には、燃焼室23に吸入される空気の流量を調整するスロットルバルブ38が設けられている。このスロットルバルブ38は電動モータ等のアクチュエータにより開閉動作される電動スロットルバルブとなっており、その開度は運転者のアクセル操作量に応じて調整される。
この電子制御装置9は、エンジン制御にかかる演算処理を実行する中央処理装置(CPU)、エンジン制御に必要なプログラムや各種の情報を記憶するためのメモリ、外部との信号の入出力を行うための入力ポート及び出力ポートを備えている。この入力ポートには機関運転状態を検出する次のような各種センサが接続されている。
本処理が開始されるとまず、IGスイッチ60が「OFF」にされたか否かが判定される(S100)。そして、IGスイッチ60が「ON」である場合には(S100:NO)、本処理は一旦終了される。
以下、本実施形態における機関制御量の抑制処理について、図6を併せ参照して説明する。
目標スロットル開度TAp←アクセル操作量ACCP+ISC開度TAi …(1)
ここで、ISC開度TAiは、いわゆるアイドルスピードコントロール制御にて算出されるスロットル開度、すなわち機関のアイドル運転状態を維持するために必要とされるスロットル開度であり、予め設定されたアイドル回転速度と機関回転速度NEとの偏差に応じて設定される。そして、このISC開度TAiにアクセル操作量ACCPに対応するスロットル開度が加算されることにより目標スロットル開度TApは設定される。このように遅延制御の非実行時である通常運転時においては、目標スロットル開度TApにアクセル操作量及びISC開度が反映される。
一方、S200の処理にて、遅延制御の実行中である旨判断される場合には(S200:YES)、次式(2)に基づいて目標スロットル開度TApが設定され(S220)、本処理は一旦終了される。
目標スロットル開度TAp←ISC開度TAi …(2)
この式(2)に示されるように、遅延制御の実行中においては、目標スロットル開度TApにISC開度のみが反映され、実質的にはアクセル操作量ACCPに応じたスロットルバルブ38の開度設定が禁止される。換言すれば、遅延制御実行中に設定されるスロットル開度は、同遅延制御の非実行時に比して小さくされる。
図7は、上記スロットル開度設定処理が実行されるときのスロットル開度TAの設定態様を示している。
(1)遅延制御の実行中、アクセル操作量ACCPに応じたスロットルバルブ38の開度設定を禁止するようにしている。そのため、遅延制御の実行中において、運転者による不用意なアクセル操作に起因する機関出力や機関回転速度の増大を防止することができるようになり、もって遅延制御実行に際しての機関運転の安全性を高めることができるようになる。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第2の実施形態について、図8を併せ参照して説明する。
この条件(a)は次のような理由により設定されている。すなわち、機関のクランキングは運転者による機関始動要求がなされることで実施される。そのため、そのようなクランキング中に運転者による機関停止要求がなされる場合には、その機関停止要求が緊急停止要求であると判断することができるためである。なお、機関がクランキング中であるか否かは、例えばスタータモータの動作状態を示すスタータスイッチからの信号に基づいて判断することができる。
この条件(b)は次のような理由により設定されている。すなわち、車両のボンネットが開いているときには、エンジンルーム内の可動部に異物が巻き込まれる可能性がある。そのため、車両のボンネットが開いているときに機関停止要求がなされる場合には、上記可動部への異物巻き込みが生じたために運転者が機関停止を要求しており、その機関停止要求は緊急停止要求である可能性があると判断することができるからである。なお、ボンネットが開状態となっているか否かは、例えば上記エンジン1が搭載された車両のボンネットにその開閉状態を検出するスイッチを設け、そのスイッチの「ON」・「OFF」状態を電子制御装置9にて監視することによりその判定を行うことができる。
このように、機関停止要求がなされたときの機関回転速度NEに基づき、機関停止要求が緊急停止要求であるか否かを判断するのは次の理由による。すなわち、通常の機関運転時において、換言すれば通常の車両走行中において、機関回転速度がある程度高いときに運転者による機関停止要求がなされるという状況は生じにくい。従って、そのような状況(機関回転速度がある程度高いときに運転者による機関停止要求がなされるといった状況)が生じている場合には、機関回転速度が過度に上昇したため、運転者が機関停止させようとしている可能性があると判断することができ、このときの機関停止要求は緊急停止要求であると判断することができるからである。ちなみに、上記判定値としては、通常の機関運転時において機関停止要求がなされるときの機関回転速度、例えばアイドル回転速度や、暖機時などのアイドルアップ時における機関回転速度などを設定することができる。
そして、ステップS300にて、緊急停止条件が成立していない旨判断される場合には(S300:NO)、遅延制御の実行が許可される(S310)。すなわち先の図5に示した遅延処理の実行が許可されて本処理は終了される。
(1)運転者による機関停止要求が、機関運転を速やかに停止させようとする緊急停止要求であるか否かを判断し、緊急停止要求である旨判断される場合には上記遅延制御の実行を禁止するようにしている。従って、運転者による緊急停止要求がなされているときには、遅延制御を実行することなく速やかに機関運転を停止させることができ、もって遅延制御実行に際しての機関運転の安全性を高めることができるようになる。
(第3の実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第3の実施形態について、図9、図10を併せ参照して説明する。
この図9に示されるように、本実施形態における停止機構は、電子制御装置9にて制御されるブレーキ制御装置100、エンジン1が搭載された車両の車輪に取り付けられた油圧式のブレーキ101、このブレーキ101に油圧を供給する2つの油圧系統、それら2つの油圧系統用のブレーキ液が貯留されたリザーブタンク102等から構成されている。
(1)遅延制御の実行中、停止機構にて車輪を停止させるようにしているため、遅延制御が実行されることにより車両が動き出してしまうといった不具合の発生を防止することができ、もって遅延制御実行に際しての機関運転の安全性を高めることができるようになる。
(第4の実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第4の実施形態について、図11、図12を併せ参照して説明する。
(1)運転者による機関停止要求がなされた時点で燃料ポンプ81を停止させるようにしている。そのため、遅延制御による機関運転の継続が終了しない場合、すなわち遅延制御に異常が生じている場合であっても、確実に機関運転を停止させることができ、もって遅延制御実行に際しての機関運転の安全性を高めることができるようになる。
・第1の実施形態では、遅延制御実行中において、アクセル操作量ACCPに応じたスロットルバルブ38の開度設定を禁止することで、遅延制御実行中に設定されるスロットル開度が同遅延制御の非実行時に比して小さくなるようにした。この他にも、先の図6に示したステップS220の処理を、図13に示すステップS600の処理に変更して上記スロットル開度設定処理を実行するようにしてもよい。すなわち、遅延制御の実行中である旨判断される場合には(S200:YES)、次式(3)に基づいて目標スロットル開度TApを設定するようにしてもよい(S600)。
TAp←(アクセル操作量ACCP×抑制係数K)+ISC開度TAi …(3)
上記抑制係数Kは、「0以上1未満」の値として予め設定されている値である。従って式(3)により設定される目標スロットル開度TAp、すなわち遅延制御実行中に設定される目標スロットル開度TApは、遅延制御の非実行時に比して小さくされる。
・第3の実施形態におけるブレーキ101を、電動モータにて作動されるブレーキに変更してもよい。この場合にも、遅延制御の実行中、電動モータを駆動することにより同様な作用効果を得ることができる。
同図14に示す燃料ポンプの停止処理手順は、IGスイッチ60がオフにされたとき、すなわち運転者による機関停止要求がなされたときに電子制御装置9によって実行される。
Claims (13)
- 運転者による機関停止要求がなされてから実際に機関停止が実行されるまでの時間を遅延させる遅延制御を行う遅延手段と、該遅延制御の実行中に可変バルブ機構を駆動して機関バルブのバルブ特性を予め設定された機関始動時用の特性に変更する変更手段と、運転者の機関操作に応じた機関制御量を設定する設定手段とを備える内燃機関の制御装置において、
前記遅延制御の実行中に設定される前記機関制御量を、前記遅延制御の非実行時に比して小さくする機関制御量抑制手段を備える
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記設定手段は、アクセル操作量に応じたスロットルバルブの開度を設定し、
前記機関制御量抑制手段は、前記遅延制御の実行中に設定される前記スロットルバルブの開度を、前記遅延制御の非実行時に比して小さくする
請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記機関制御量抑制手段は、前記遅延制御の実行中、前記アクセル操作量に応じた前記スロットルバルブの開度設定を禁止する
請求項2に記載の内燃機関の制御装置。 - 運転者による機関停止要求がなされてから実際に機関停止が実行されるまでの時間を遅延させる遅延制御を行う遅延手段と、該遅延制御の実行中に可変バルブ機構を駆動して機関バルブのバルブ特性を予め設定された機関始動時用の特性に変更する変更手段とを備える内燃機関の制御装置において、
前記機関停止要求が緊急停止要求であるか否かを判断する判断手段と、
同判断手段にて緊急停止要求である旨判断される場合には前記遅延制御の実行を禁止する禁止手段とを備える
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記判断手段は、機関のクランキング中に前記機関停止要求がなされた場合に、その機関停止要求が前記緊急停止要求である旨判断する
請求項4に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記判断手段は、当該内燃機関の搭載された車両のボンネットが開状態であるときに前記機関停止要求がなされた場合、その機関停止要求が前記緊急停止要求である旨判断する
請求項4に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記判断手段は、前記機関停止要求がなされたときの機関回転速度に基づいて前記機関停止要求が緊急停止要求であるか否かを判断する
請求項4に記載の内燃機関の制御装置。 - 運転者による機関停止要求がなされてから実際に機関停止が実行されるまでの時間を遅延させる遅延制御を行う遅延手段と、該遅延制御の実行中に可変バルブ機構を駆動して機関バルブのバルブ特性を予め設定された機関始動時用の特性に変更する変更手段とを備える内燃機関の制御装置において、
前記遅延制御の実行中には、当該内燃機関の搭載された車両の車輪を停止させる停止機構を作動させる
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記停止機構は、アクチュエータで駆動されるブレーキにて構成される
請求項8に記載の内燃機関の制御装置。 - 運転者による機関停止要求がなされてから燃料噴射が停止されるまでの時間を遅延させる遅延制御を行う遅延手段と、該遅延制御の実行中に可変バルブ機構を駆動して機関バルブのバルブ特性を予め設定された機関始動時用の特性に変更する変更手段とを備える内燃機関の制御装置において、
前記機関停止要求がなされた時点で燃料ポンプを停止させる
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 運転者による機関停止要求がなされてから燃料噴射が停止されるまでの時間を遅延させる遅延制御を行う遅延手段と、該遅延制御の実行中に可変バルブ機構を駆動して機関バルブのバルブ特性を予め設定された機関始動時用の特性に変更する変更手段とを備える内燃機関の制御装置において、
前記遅延制御の実行中にあって前記機関停止要求がなされてから予め設定された時間が経過したときには燃料ポンプを停止させる
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 機関停止スイッチから独立した回路に設けられ、機関制御にかかる電力を供給及び遮断するメインリレーと、前記機関停止スイッチから独立した回路に設けられ、燃料噴射弁及び点火プラグの少なくとも一方の電力を供給及び遮断する個別リレーと、運転者による機関停止要求がなされてから前記個別リレーによる電力遮断が行われるまでの時間を遅延させる遅延制御を行う遅延手段と、該遅延制御の実行中に可変バルブ機構を駆動して機関バルブのバルブ特性を予め設定された機関始動時用の特性に変更する変更手段とを備える内燃機関の制御装置において、
前記メインリレーにて前記個別リレーへの電力供給及び電力遮断を行う
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記メインリレーの接点の下流側に前記個別リレーのコイルが接続されてなる
請求項12に記載の内燃機関の制御装置。
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