JP3888225B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御系の異常時に、車両の退避走行等を確保するためのフェイルセーフ処理として各種のエンジン制御を実行する装置に採用して好適な車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子制御式車載エンジンの普及に伴い、エンジン並びにその周辺機器の制御をマイクロコンピュータを中心とした電子制御によって実現することが多くなってきている。
【0003】
こうした制御としては例えば、燃料噴射弁を通じてエンジンの気筒に噴射供給される燃料の噴射量や噴射時期を調節する制御(燃料噴射制御)や、点火プラグを通じて気筒内の燃料と吸入空気との混合気に対する点火動作を行う時期を調節する制御(点火時期制御)等が挙げられる。また近年、エンジンに吸入される空気の量を調量するスロットルバルブについてもその開度を電気的に制御するシステム、いわゆる電子スロットルシステムが実用されている。そして、このシステムの制御も同様に、上記マイクロコンピュータを中心とした電子制御によって実現されている。
【0004】
ところで、これらの制御が電子制御によって実現されることで、エンジン出力をその都度の運転状態に即した適正な出力に維持するための各種のきめ細かな制御を行うことができるようになる。一方この場合は、上記燃料噴射弁や点火プラグ、スロットルバルブ等の操作子の制御が全てマイクロコンピュータ等、上記電子制御を行う装置、すなわち電子制御装置に委ねられることともなる。このため、この電子制御装置に何らかの異常が生じて、上記各操作子の制御が適正に維持されなくなるようなことがあると、エンジン出力そのものが適正に維持されなくなるおそれもある。
【0005】
そこで一般に、上記電子制御装置に異常が生じたときには、フェイルセーフ処理として、エンジンが出し得る最大出力を規制した上で、車両の退避走行が可能となるような応急的なエンジン制御を行うようにしている。
【0006】
そして従来、こうしたフェイルセーフ機能を持つ制御装置としては、例えば発明協会公開技報の公技番号2000−1910に開示された装置等が知られている。この装置には、上記電子スロットルシステムが搭載されている。そして、電子制御装置に異常が生じたと判断されるときには、機械的に構成される補助機構によってスロットルバルブが所定開度に固定される。これにより、退避走行に最低限必要とされる吸入空気量が確保され、ひいてはエンジンのストールが回避される。また、実際の退避走行に際しては、エンジンを減筒運転したり、点火時期を補正するなど、エンジン出力の制限制御を実行するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置によれば、電子制御装置に異常が生じている場合であっても、車両を退避走行させることは確かにできる。
【0008】
ただしこの装置の場合、車両の退避走行中は、異常が生じていると判断されている電子制御装置を通じて上述した減筒運転や点火時期補正等のエンジン出力の制限制御が行われることとなる。このため、こうしたエンジン出力の制限制御自体、これが適正に実行されているか否かについての懸念も拭いきれず、いまだ改善の余地を残すものとなっている。
【0009】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電子制御装置が異常と判断された後のフェイルセーフ処理をより適切に実行して、車両の退避走行が行われる場合であれ、その信頼性をより高めることのできる車両の制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
先ず、請求項1に記載の発明は、車載エンジンの出力制御に用いられる1乃至複数の操作子の操作態様を同エンジンの運転状態に応じて電子制御する電子制御装置を備え、該電子制御装置に異常が生じていることが判断されるときには、前記エンジンに吸入される空気の量を所定量に固定するとともに前記操作子の少なくとも1つの操作量を制限して当該車両を退避走行させる車両の制御装置において、前記車両の退避走行時に前記エンジンの回転速度が過度に高くなっていることを判定することのできる所定速度よりも高いことに基づいて前記電子制御装置による前記操作子の操作量制限異常を判定する判定手段を備えることをその要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、操作子の操作量が制限された上で車両が退避走行されているにもかかわらずエンジンの回転速度が過度に高くなっていることをもって、電子制御装置による上記操作量の制限を適正に行うことができなくなる異常(操作量制限異常)が生じていることを判定することが可能になる。そして、その異常判定に基づき、例えば操作子の操作量についての制限制御自体を強制的に停止するなど、フェイルセーフ処理の処理態様を上記異常が生じている環境に適した任意の態様に変更することができるようにもなる。従って、電子制御装置が異常と判断された後のフェイルセーフ処理をより適切に実行して、車両の退避走行が行われる場合であれ、その信頼性をより高めることができるようになる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制御装置において、前記車両の退避走行時に前記制限される操作子の操作量を監視する監視手段を更に備え、前記判定手段は、前記監視される操作子の操作量と前記電子制御装置による同操作子の操作量とが一致しないことを条件に、前記操作量制限異常を判定することをその要旨とする。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、車載エンジンの出力制御に用いられる1乃至複数の操作子の操作態様を同エンジンの運転状態に応じて電子制御する電子制御装置を備え、該電子制御装置に異常が生じていることが判断されるときには、前記エンジンに吸入される空気の量を所定量に固定するとともに前記操作子の少なくとも1つの操作量を制限して当該車両を退避走行させる車両の制御装置において、前記車両の退避走行時に前記制限される操作子の操作量を監視する監視手段と、該監視される操作子の操作量と前記電子制御装置による同操作子の操作量とが一致しないこと、及び前記エンジンの回転速度が過度に高くなっていることを判定することのできる所定速度よりも高いことの論理積条件に基づいて前記電子制御装置による前記操作子の操作量制限異常を判定する判定手段とを備えることをその要旨とする。
【0015】
エンジンの回転速度が所定速度よりも高いことのみをもって操作量制限異常を判定する構成では、例えば車両の降板走行に伴ってエンジン回転速度が上昇したときに、その上昇が電子制御装置の異常に起因するものであるといった誤った判断に基づいて上記操作量制限異常の判定がなされるおそれがある。
この点、請求項2または3に記載の発明の構成によれば、エンジン回転速度が所定速度よりも高くなっていることに加えて、操作子の制御が適正に行われていないことをも判断した上で、上記操作量制限異常が判定されるようになる。従って、車両の降板走行時等に誤って操作量制限異常の判定がなされることを好適に抑制することができるようになる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の制御装置において、前記所定速度が、前記エンジンの出力軸から当該車両の車軸までの動力伝達系における動力伝達状態に基づき設定されることをその要旨とする。
【0017】
操作子の実際の操作量や車両の走行状態が同一の条件下にあっても、エンジン回転速度は動力伝達系の動力伝達状態に応じて異なった速度となる。この点、所定速度を動力伝達系の動力伝達状態に基づき設定する上記構成によれば、エンジン回転速度が過度に高くなったことを動力伝達系の動力伝達状態に応じたかたちで好適に判断することができるようになる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の車両の制御装置において、前記所定速度は、前記動力伝達系が伝達状態であるときと非伝達状態であるときとで異なる速度に設定されることをその要旨とする。
【0019】
エンジン回転速度は、動力伝達系が伝達状態にあるときと非伝達状態であるときとで大きく異なる。この点、上記構成によれば、こうしたエンジン回転速度の相違に応じたかたちで所定速度を設定することができるようになり、エンジン回転速度が過度に高くなったことを適切に判断することができるようになる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2または3に記載の車両の制御装置において、前記エンジンは多気筒エンジンであり、前記操作子はそれら各気筒に対応して設けられた燃料噴射弁であるとともに前記電子制御装置は前記操作子の操作量の制限としてそれら燃料噴射弁の駆動数を制限する減筒運転を行うものであり、前記監視手段は、前記駆動が制限されている特定の気筒に対応して設けられた燃料噴射弁に対する噴射指令の有無を監視するものであることをその要旨とする。
【0021】
上記構成によれば、意図しない燃料噴射がなされたことを的確に判断することができるようになる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の車両の制御装置において、前記判定手段により前記操作子の操作量制限異常が判定されることに基づいて前記エンジンの運転を強制的に停止させる強制停止手段を更に備えることをその要旨とする。
【0022】
上記構成によれば、フェイルセーフ処理の信頼性が低下するおそれのあるときに車両の退避走行自体を禁止することができるようになり、同フェイルセーフ処理の信頼性を好適に高めることができるようになる。
【0023】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車両の制御装置において、前記電子制御装置はマイクロコンピュータを備えて構成され、前記強制停止手段は、前記マイクロコンピュータに連続的にリセット信号を出力するものであることをその要旨とする。
【0024】
上記構成によれば、電子制御装置から操作子に対して出力されている全ての操作指令を的確に停止させることができるようになり、ひいてはエンジンの運転を速やかに停止させることができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1および図2に、この発明にかかる車両の制御装置の一実施の形態についてその具体構成を示す。
【0026】
はじめに、図1を参照して、同実施形態にかかる車両の制御装置が適用される車載エンジン、並びにその周辺装置の概略構成について説明する。
図1において、車載エンジン1は、例えば直列4気筒の4サイクルエンジンとして構成されている。このエンジン1の吸気通路2には、上流に図示しないエアクリーナが設けられ、同エアクリーナの下流側には、スロットルバルブ10が設けられている。このスロットルバルブ10は、モータ11によって開閉駆動されるものであり、同スロットルバルブ10の開度に応じてエンジン1に供給される空気量が調量される。
【0027】
上記スロットルバルブ10には、その周辺機器として、同スロットルバルブ10の開度TAを検出するためのスロットル開度センサ22が設けられている。
また、吸気通路2におけるスロットルバルブ10の下流には、同エンジン1への吸入空気量を検出するための吸気圧センサ23が設けられている。
【0028】
更に、吸気通路2は、インテークマニホールド5を介して同エンジン1の各気筒#1〜#4に接続されている。そして、吸気通路2内に吸入された後、上記スロットルバルブ10により調量された空気は、上記インテークマニホールド5を経てエンジン1の各気筒#1〜#4に分配供給されるようになっている。
【0029】
このインテークマニホールド5には、各気筒#1〜#4にそれぞれ対応して燃料噴射弁5a,5b,5c,5dが配設されている。それら燃料噴射弁5a〜5dを通じて噴射供給される燃料は、上記調量され、分配供給される吸気通路2からの吸入空気と混合されて、同エンジン1の各気筒#1〜#4に供給される。
【0030】
エンジン1の各気筒#1〜#4においては、それら供給された混合気がそれぞれ点火プラグ6a,6b,6c,6dの点火動作に基づき各燃焼室にて爆発・燃焼され、図示しない出力軸としてのクランクシャフトに駆動力が付与される。燃焼後の排気ガスは、排気通路3に排出され、更に触媒3aを経て浄化された後、外部に放出される。
【0031】
なお、上記点火プラグ6a〜6dは、イグナイタ61に接続されている。このイグナイタ61は、適宜のタイミングで入力される点火信号を、その内部に設けられた点火コイル62によって、上記各点火プラグ6a〜6dの点火駆動が可能な電力に変換する装置である。そして、点火プラグ6a〜6dは、イグナイタ61により変換された電力により作動し、エンジン1の各気筒#1〜#4内に供給された混合気への点火動作を行う。
【0032】
一方、上記クランクシャフトの近傍には、その回転速度(エンジン回転速度NE)を検出するためのクランク角センサ24が配設されている。
また、上記クランクシャフトに駆動連結されているこれも図示しないカムシャフトの近傍には、カム角センサ25が設けられている。このカム角センサ25は、気筒判別センサとして用いられる。具体的には、カム角センサ25は、例えば第1気筒#1の圧縮上死点(TDC)に対応して適宜のパルス信号を出力する。
【0033】
更に、図示しない車両の車室内にはアクセルペダル51が設けられている。このアクセルペダル51の近傍には、その操作量(アクセル開度PA)を検出するためのアクセルセンサ26が設けられている。
【0034】
また更に、エンジン1には、同エンジン1の冷却に用いられる冷却水の温度THWを検出するための水温センサ27が設けられている。
加えて、エンジン1には、車両の変速態様を切り替える動力伝達系としての自動変速機52が連結されている。そして、この自動変速機52には、そのシフト位置(変速位置)を検出するためのシフト位置センサ53が設けられている。このシフト位置センサ53によっては主に、同自動変速機52のシフト位置がN(ニュートラル)レンジにあるか、あるいはD(ドライブ)レンジにあるかが検出される。なお、上記クランクシャフトから車軸(図示略)までの動力伝達系における動力伝達状態は、自動変速機52のシフト位置がNレンジに操作されているときには非伝達状態に、また同シフト位置がDレンジに操作されているときには伝達状態になる。
【0035】
また、エンジン1には、同エンジン1を始動させたり、その運転を継続させるために運転者によって操作されるイグニッションスイッチ54が設けられている。加えて、エンジン1には、同エンジン1を始動させるためのスタータモータ55が設けられている。そして、運転者によりイグニッションスイッチ54の切換位置が「スタート位置」に操作されることでスタータモータ55が駆動され、エンジン1が始動される。また、始動が完了した後にイグニッションスイッチ54の切換位置が「オン位置」に操作されることでエンジン1の運転が継続される。
【0036】
更に、上記スタータモータ55にはその動作状態を検知するスタータスイッチ56が設けられている。スタータスイッチ56からは、スタータモータ55が作動しているときには「オン」、また停止しているときには「オフ」といった態様でスタータ信号STAが出力される。
【0037】
他方、本実施の形態の装置は、マイクロコンピュータ等からなる電子制御装置(ECU)30を備えている。このECU30は、上記各センサ22〜27の検出信号や、スタータ信号STA等を取り込むとともに、それら信号に基づきエンジン1の運転状態を判断する。そして、ECU30は、エンジン1の運転状態に応じて、各燃料噴射弁5a〜5dの駆動制御(燃料噴射制御)や、各点火プラグ6a〜6dの駆動制御(点火時期制御)、スロットルバルブ10の開閉制御(モータ11の駆動制御)、スタータモータ55の駆動制御等、エンジン制御にかかる各種制御を実行する。なお、本実施の形態では、上記燃料噴射弁5a〜5d、及び点火プラグ6a〜6dが、ECU30により操作される操作子に相当する。
【0038】
次に、上述したECU30の具体的な構成について、図2を参照して詳述する。
上記ECU30は、上記各種制御を実行する制御マイコン(制御マイクロコンピュータ)31や、同制御マイコン31に異常が発生しているか否かを判断する監視マイコン(監視マイクロコンピュータ)32、それら各マイコン31,32に対してその必要とされる電力を供給する電源IC33等から構成されている。
【0039】
上記制御マイコン31と監視マイコン32とは、相互にシリアル通信可能に接続されている。また、制御マイコン31及び監視マイコン32は、A/D変換器34に接続されている。このA/D変換器34には、上記各センサ22〜27が接続されている。そして、このA/D変換器34は、上記制御マイコン31や監視マイコン32からの要求に応じて、上記各センサ22〜27の検出信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換(A/D変換)した上で、制御マイコン31や監視マイコン32に出力する。
【0040】
また、上記制御マイコン31は、監視マイコン32や電源IC33から任意のタイミングで発せられるリセット信号に基づいて、そのリセットが可能な構成になっている。
【0041】
特に、この制御マイコン31は、所定周期毎に反転するウォッチドックパルスWDを電源IC33に出力している。電源IC33は、このウォッチドックパルスWDを監視し、同パルスWDが定められた波形ではなくなったことをもって、制御マイコン31に異常が生じていると判断する。また、上記監視マイコン32は、上記シリアル通信やA/D変換を監視し、それらが正常に実行されていないことをもって、制御マイコン31に異常が生じていると判断する。
【0042】
一方、上記監視マイコン32は、上記制御マイコン31から特定の燃料噴射弁(本実施の形態では、気筒#1に対応して設けられる燃料噴射弁5a)に対して出力される噴射指令を監視している。なお、この監視マイコン32が監視手段を構成している。
【0043】
このように構成されるECU30にあっては、その制御マイコン31から上記燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dに対する操作指令が適宜のタイミングで出力されることで、上述したエンジン制御にかかる各種制御が実行される。
【0044】
また、本実施の形態の装置では、上記制御マイコン31に異常が生じているとき、あるいはスロットルバルブ10の開度がその制御目標値に収束されなくなったときに(スロットルフェイル時に)、スロットルバルブ10を開閉駆動するモータ11への通電が停止される。更に、スロットルバルブ10には、その周辺構造として、上記モータ11への通電が停止されたときに、同バルブ10を所定開度で固定保持する補助機構が設けられている。すなわち、上記制御マイコン31に異常が生じたときには、この補助機構により、スロットルバルブ10が所定開度で固定されるようになっている。これにより、エンジン1に吸入される空気の量が所定量に固定される。そして、これに併せて、制御マイコン31によって運転気筒数の減筒運転や点火時期の遅角補正といったフェイルセーフ処理を行うことで、車両の退避走行性能が確保されるようになっている。
【0045】
以下、上記補助機構を備えるスロットル制御装置、並びにその周辺構造について、図3を参照して詳細に説明する。
同図3に示されるように、本実施の形態のスロットル制御装置にあっては、モータ11からの動力がスロットルバルブ10に伝達されるとともに、その動力がスロットル開度センサ22にも直接伝達されるようになっている。そして、スロットルバルブ10の開度がこのスロットル開度センサ22に直接反映される。モータ11は、同図3においては図示を割愛したECU30(図1)によってその駆動が制御される。
【0046】
一方、このスロットルバルブ10には、ばね機構を利用した補助機構40が設けられている。そして、上記ECU30の制御マイコン31に異常が生じたときや、スロットルフェイル時には、この補助機構40を通じてスロットルバルブ10が所定開度Wd1に固定される。
【0047】
すなわち、この補助機構40において、スロットルバルブ10に連結されたバルブレバー44には、付勢力F2をもってスロットルバルブ10を開弁方向に付勢する退避走行用スプリング42が設けられている。また、このバルブレバー44とは独立して運動可能なバルブリターンレバー43には、付勢力F1をもってバルブレバー44をスロットルバルブ10の閉弁方向に付勢するバルブリターンスプリング41が設けられている。
【0048】
ここで、上記バルブリターンスプリング41の付勢力F1と上記退避走行用スプリング42の付勢力F2とは、下式に示す関係に設定されている。
F1>F2
ただし、バルブリターンレバー43に対しては中間ストッパ46が設けられている。このため、例えば上記制御マイコン31の異常時など、モータ11に対する通電が停止されているときには、バルブリターンレバー43とバルブレバー44との位置関係、すなわち、スロットルバルブ10の開度は、同図3に示される態様で固定される。この固定されるスロットルバルブ10の開度は、上記所定開度Wd1であり、中間ストッパ46の位置設定を通じて、通常は、エンジン1のアイドル運転時に要求される同スロットルバルブ10の開度よりもやや開き側の開度に設定される。
【0049】
このように、ECU30の制御マイコン31に異常が生じた場合、あるいはスロットルフェイルとなった場合であれ、こうしてスロットルバルブ10の開度が上記所定開度Wd1に固定されることにより、退避走行に最低限必要とされる吸入空気量が確保されるようになっている。
【0050】
一方、制御マイコン31の正常時に、スロットルバルブ10をモータ11を通じて開弁方向に駆動する際には、バルブリターンスプリング41の付勢力F1に抗して、バルブレバー44およびバルブリターンレバー43が図3に矢印F3で示す方向に押し下げられる。そして、バルブリターンレバー43が全開ストッパ47に当接したところでスロットルバルブ10が全開となる。
【0051】
また、制御マイコン31の正常時に、スロットルバルブ10をモータ11を通じて閉弁方向に駆動する際には、退避走行用スプリング42の付勢力F2に抗して、バルブレバー44が図3に矢印F4で示す方向に押し上げられ、バルブレバー44が全閉ストッパ45に当接したところでスロットルバルブ10が全閉となる。
【0052】
ここで、本実施の形態では、前記フェイルセーフ処理の信頼性を向上させるべく、退避走行時におけるエンジン回転速度NEが所定速度Kよりも高くなったときに、上記燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制停止させるようにしている。なお、上記所定速度Kとしては、車両の退避走行に際して実行されるフェイルセーフ処理を通じてエンジン回転速度NEが取り得る最大回転速度よりも若干高い速度が設定される。
【0053】
こうした構成によれば、エンジン回転速度NEが所定速度Kよりも高くなっていることをもって、エンジン回転速度NEが過度に高くなっており、上記フェイルセーフ処理によるエンジン出力の制限を適正に行うことができなくなっていると判定することができるようになる。なお、本実施の形態の装置にあっては、上記監視マイコン32が、そうした異常判定を行う判定手段としての機能も併せ備えている。
【0054】
しかも、こうした異常(制限異常)が判定されたときに、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制的に停止させることで、エンジン1を速やかに停止させることもできる。
【0055】
ところで、エンジン回転速度NEは、例えば車両の降板走行時など、フェイルセーフ処理の処理態様によらず高くなることがある。このため、エンジン回転速度NEが所定速度Kよりも高くなったことをもってその過度な上昇を判断すると、実際には車両の降板走行等によってエンジン回転速度NEが高くなっているにもかかわらず、上記制限異常によって同速度NEが過度に高くなっていると誤った判定がなされるおそれがある。
【0056】
本実施の形態の装置では、こうした不都合を回避すべく、アクセル開度PAが低い開度であるときであって、且つエンジン回転速度NEが所定速度Kを超えているときには、少なくとも前記特定の燃料噴射弁5aを含む2つの燃料噴射弁の駆動を停止するといった運転気筒数の減筒運転が実行される。その上で、エンジン回転速度NEが所定速度Kを超えたときの中でも、上記特定の燃料噴射弁5aを動作させる旨の指令(噴射指令)が制御マイコン31から出力されている場合に限って、上記燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制停止するようにしている。すなわち、特定の燃料噴射弁5aを通じて誤った燃料噴射が行われているときに限って、上記燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作が強制停止されるようになり、上記誤判定に基づきエンジン1の運転が停止されることが抑制されるようになる。
【0057】
また、本実施の形態の装置では、自動変速機52のシフト位置がNレンジに操作されているときと、Dレンジに操作されているときとで、上記所定速度Kを異なる速度に設定するようにしている。この所定速度Kは、具体的には、自動変速機52のシフト位置がDレンジに操作されているときよりも、Nレンジに操作されているときのほうが高い速度に設定される。これは、以下の理由による。
【0058】
本実施の形態の装置では、車両の退避走行に際して、エンジン回転速度NEについての上限速度NEmaxと下限速度NEminとが設定される。そして、基本的には、エンジン回転速度NEがそれら上限速度NEmax及び下限速度NEminにより定められる所定速度範囲内の速度となるように、運転気筒数の減筒運転や点火時期の遅角補正といったフェイルセーフ処理が実行される。
【0059】
ここで、上記シフト位置がNレンジに操作されているときには、Dレンジに操作されているときと比べて、前記クランクシャフトにかかる負荷が小さく、点火時期の遅角量に対するエンジン回転速度NEの変化度合いも小さい。従って、このときにエンジン回転速度NEを低下させるべく、点火時期の遅角が行われる場合には、その遅角量が自ずと大きくなる。
【0060】
また、よく知られているように、エンジン回転速度NEが低い運転領域にあって上記遅角量を過度に大きくすると、エンジン1の運転状態が不安定になる。このため、本実施の形態の装置にあっては、上記所定速度範囲が、自動変速機52のシフト位置がDレンジに操作されているときよりも、Nレンジに操作されているときのほうが高い速度側の範囲となるように設定される。これにより、シフト位置の操作態様に応じて、適切にエンジン出力が調節される。
【0061】
そして、所定速度Kは、エンジン回転速度NEが上記上限速度NEmaxを超えて高くなったことをもって、同速度NEが過度に高くなっていることを判定するための値として設定される。このため、自動変速機52のシフト位置がNレンジに操作されているときにおける上記所定速度Kを、Dレンジに操作されているときよりも高い速度に設定することで、シフト位置の操作態様による上限速度NEmaxの相違に応じたかたちで、同所定速度Kを設定することができるようになる。
【0062】
なお、これもよく知られているように、エンジン1は、その温度が低いときほどフリクションが高い。このため、本実施の形態の装置では、こうしたフリクションに抗してエンジン1を安定して運転させるべく、同エンジン1の温度が好適に反映される冷却水温度THWが低いときほど、上記上限速度NEmaxと下限速度NEminとにより定められる所定速度範囲を高い速度側の範囲に設定するようにしている。
【0063】
以下、こうしたフェイルセーフ処理、及び燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制停止する処理の処理手順について、図4〜図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0064】
なお、図4及び図5はフェイルセーフ処理の処理手順を示し、図6及び図7は燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制停止する処理の処理手順を示している。
【0065】
ここでは先ず、フェイルセーフ処理の処理手順について、図4及び図5を参照して説明する。なお、これら図4及び図5のフローチャートに示される一連の処理は、制御マイコン31の異常やスロットルフェイルが生じたときに実行される処理であり、それら異常の確認後、所定時間毎の割り込み処理として、制御マイコン31により周期的に実行される。
【0066】
この処理では先ず、図4に示されるように、退避走行フラグが「オン」操作されているか否かが判断される(ステップS101)。なお、この退避走行フラグは、運転者によってイグニッションスイッチ54が「オン」操作された後に初めて本処理が実行されたときに「オン」操作される一方(ステップS103)、同スイッチ54が「オフ」操作されたときに「オフ」操作されるフラグである。
【0067】
そして、退避走行フラグが「オフ」されていると判断される場合には(ステップS101:NO)、イグニッションスイッチ54が「オン」操作された後に初めて本処理が実行されるとして、冷却水温度THWに基づきマップから要求トルクレベルの初期レベルが決定される(ステップS102)。
【0068】
なお、この要求トルクレベルは、エンジン出力の調節に際して特に点火時期の遅角量を多段階に設定するためのレベルであり、具体的には、レベル1〜レベル16までの段階を有する。上記マップは、そうした要求トルクレベルについての初期レベルを冷却水温度THWに基づき選択・決定するためのマップであり、フリクションに抗してエンジン1を安定運転させることが可能な初期レベルと冷却水温度THWとの関係が実験などにより求められ、予め制御マイコン31に記憶されている。
【0069】
また、エンジン1の出力トルクの調節は、上記要求トルクレベルにより規定される点火時期の遅角補正と、後に詳述する処理(図5のステップS104〜S106)により適宜実行される同じく要求トルクレベルにより規定される運転気筒数の減筒運転とを併せて実行することにより行われる。そして、エンジン1の出力トルクは、上記点火時期の遅角補正及び減筒運転を通じて、要求トルクレベルがレベル16に近づくほど高い出力トルクとなるように調節される。
【0070】
その後、上記退避走行フラグが「オン」操作される(ステップS103)。
そしてその後、上記決定された要求トルクレベルがレベル7よりも大きいか否かが判断される(図5のステップS104)。そして、要求トルクレベルがレベル7よりも大きいと判断される場合には(ステップS104:YES)、全ての燃料噴射弁5a〜5dについての駆動制御が実行される(図5のステップS105)。すなわち、このときには全気筒#1〜#4への燃料噴射が実行される。一方、要求トルクレベルがレベル7以下であると判断される場合には(ステップS104:NO)、2つの燃料噴射弁5a,5cについてのみ、その駆動制御が実行される(図5のステップS106)。すなわち、このときには2つの気筒#1,#3への燃料噴射のみを実行するといった減筒運転が行われる。このように、全気筒運転、若しくは減筒運転が適宜選択された後、本処理が一旦終了される。
【0071】
そして、次回以降、本処理が実行されるときには、上記初期レベルが設定された要求トルクレベルが、そのときどきのエンジン回転速度NEに応じたかたちで更新される。
【0072】
すなわち、退避走行フラグが「オン」されていると判断されるようになると(図4のステップS101:YES)、先ず前記上限速度NEmaxが算出されるとともに、その上限速度NEmaxよりもエンジン回転速度NEが高い速度になっているか否かが判断される(ステップS107)。なお、この上限速度NEmaxは、冷却水温度THWや自動変速機52のシフト位置に基づき算出される。この上限速度NEmaxとしては、例えば、自動変速機52がNレンジにあるときには最大で1600回転/分といった速度が、またDレンジにあるときには最大で1200回転/分といった速度が算出される。
【0073】
そして、エンジン回転速度NEが上限速度NEmaxよりも高い速度になっていると判断される場合には(ステップS107:YES)、エンジン回転速度NEを低下させる必要があるとして、上記要求トルクレベルがレベル1だけ低いレベルに更新される(ステップS108)。
【0074】
一方、エンジン回転速度NEが上限速度NEmax以下の速度であると判断される場合には(ステップS107:NO)、更に前記下限速度NEminが算出されるとともに、下限速度NEminよりもエンジン回転速度NEが低い速度であるか否かが判断される(ステップS109)。なお、この上限速度NEmaxについても、上限速度NEmaxと同様に、冷却水温度THWや自動変速機52のシフト位置に基づき算出される。この下限速度NEminとしては、例えば、自動変速機52がNレンジにあるときには最低で950回転/分といった速度が算出される一方、Dレンジにあるときには冷却水温度にかかわらず950回転/分といった速度が設定される。
【0075】
そして、エンジン回転速度NEが下限速度NEminよりも低い速度であると判断される場合には(ステップS109:YES)、エンジン回転速度NEを上昇させる必要があるとして、上記要求トルクレベルがレベル1だけ高いレベルに更新される(ステップS110)。
【0076】
他方、エンジン回転速度NEが上限速度NEmaxよりも低い速度であり、且つ下限速度NEmin以上の速度であると判断される場合には(ステップS107:NO、且つステップS109:NO)、エンジン回転速度NEが適切な速度範囲(上記所定速度範囲)内にあるとして、要求トルクレベルは更新されない。
【0077】
そして、本処理にあっては、このように要求トルクレベルがエンジン回転速度NEに応じたかたちで適宜更新された後、以下の(条件a)及び(条件b)が共に満たされるか否かが判断される(ステップS111)。
(条件a)アクセル開度PAが所定開度αより小さいこと。なお、この所定開度αとしては、運転者によりアクセルペダル51が若干踏み込まれているとはいえ、車両を加速させようとするほど踏み込まれてはいないアクセル開度(例えば、10°)が設定される。
(条件b)エンジン回転速度NEが所定速度Kよりも低い速度であること。なお、この所定速度Kは、後に詳述する処理(図6のステップS202〜S204)を通じて設定される。この所定速度Kとしては、大きくは、同所定速度K、下限速度NEmin、及び上限速度NEmaxの関係が「NEmin<NEmax<K」といった関係式を満たす速度が、冷却水温度THWに基づき算出される。
【0078】
上記判断では、これら(条件a)及び(条件b)に基づいて、エンジン1の運転状態が、アクセルペダル51がさほどさほど踏み込まれていないにもかかわらず、エンジン回転速度NEが過度に高くなっているといった異常状態に陥っているか否かが判断される。
【0079】
そして、上記(条件a)及び(条件b)が共に満たされると判断される場合には(ステップS111:YES)、上記異常状態に陥っているとして、要求トルクレベルがレベル7で上限ガードされる(ステップS112)。
【0080】
一方、上記(条件a)及び(条件b)のいずれか一方でも満たされていないと判断される場合には(ステップS111:NO)、以下の処理(図5のステップS113〜S116)を通じて、アクセル開度PAに応じたかたちでの要求トルクレベルの更新が実行される。
【0081】
すなわち先ず、このときのアクセル開度PAが所定開度βよりも高い開度になっているか否かが判断される(ステップS113)。なお、この所定開度βは、上記所定開度αとの関係が「α<β」といった関係式を満たす開度に設定される。そして、この判断では、運転者が車両を加速させる意思をもってアクセルペダル51を踏み込んでいるか否かが判断される。
【0082】
そして、アクセル開度PAが所定開度βよりも高い開度になっていると判断される場合には(ステップS113:YES)、車両を速やかに加速させるべく、上記要求トルクレベルがその最大レベルであるレベル16に更新される(ステップS114)。
【0083】
一方、アクセル開度PAが所定開度β以下の開度であると判断される場合には(ステップS113:NO)、更にアクセル開度PAが上記所定開度αよりも高い開度になっているか否かが判断される(ステップS115)。そして、アクセル開度PAが上記所定開度αよりも高い開度になっていると判断される場合には(ステップS115:YES)、前回更新された「要求トルクレベル’」に基づき下式から、要求トルクレベルが算出され、更新される(ステップS116)。
要求トルクレベル←1/2(レベル16+要求トルクレベル’)
すなわちこの場合には、要求トルクレベルが、本処理が実行される毎に徐々にレベル16に近づくように更新される。
【0084】
他方、アクセル開度PAが上記所定開度α以下の開度であると判断される場合には(ステップS113:NO、且つステップS115:NO)、要求トルクレベルは更新されない。
【0085】
そして、本処理にあっては、このように要求トルクレベルがアクセル開度PAに応じたかたちで適宜更新された後、上述した処理(ステップS104〜S106)を通じ、要求トルクレベルに応じたかたちで全気筒運転、若しくは減筒運転が適宜選択される。そしてその後、本処理が一旦終了される。
【0086】
次に、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制停止する処理の処理手順について、図6及び図7を参照して説明する。なお、これら図6及び図7のフローチャートに示される一連の処理も、上述したフェイルセーフ処理と同様に、制御マイコン31の異常やスロットルフェイルが生じたことが判定されたときに実行される処理である。この処理は所定時間毎(例えば、16ms毎)の割り込み処理として監視マイコン32により周期的に実行される。
【0087】
図6に示されるように、この処理では先ず、上記運転気筒数の減筒運転が行われているか否かが判断される(ステップS201)。
そして、減筒運転が行われていると判断される場合には(ステップS201:YES)、以下の処理(ステップS202〜S204)を通じて、前記所定速度Kが設定される。
【0088】
すなわち先ず、自動変速機52のシフト位置がNレンジであるか否かが判断される(ステップS202)。そして、自動変速機52のシフト位置がNレンジであると判断される場合には(ステップS202:YES)、所定速度Kとして、所定速度NE1(例えば、2000回転/分)が設定される(ステップS203)。
【0089】
一方、自動変速機52のシフト位置がNレンジではないと判断される場合には(ステップS202:NO)、所定速度Kとして、所定速度NE2(例えば、1600回転/分)が設定される(ステップS204)。
【0090】
このように所定速度Kが自動変速機52のシフト位置に応じて設定された後、以下の(条件c)〜(条件e)が全て満たされるか否かが判断される(ステップS205)。
(条件c)アクセル開度PAが所定開度αよりも小さい開度であること。
(条件d)エンジン回転速度NEが所定速度Kよりも高い速度であること。
(条件e)燃料噴射弁5aに噴射指令が出力されていること。
【0091】
そして、これら条件が全て満たされる場合には(ステップS205:YES)、運転者に車両を加速させる意思がないにもかかわらずエンジン回転速度NEが過度に高くなっており、且つ誤った燃料噴射がなされているとして、異常発生カウンタのカウント値がインクリメントされる(ステップS206)。
【0092】
一方、上記(条件c)〜(条件e)のうちいずれか1つでも満たされないと判断される場合には(ステップS205:NO)、異常発生カウンタをインクリメントすることなく(ステップS206の処理をジャンプして)、次の処理に移行する。
【0093】
他方、減筒運転が行われていないと判断される場合には(ステップS201:NO)、異常発生カウンタのカウント値がクリアされる(ステップS207)。このように異常発生カウンタのカウント値が適宜操作された後、以下の処理(ステップS208〜S212)を通じて、上記「運転者に車両を加速させる意思がないにもかかわらずエンジン回転速度NEが過度に高くなっており、且つ誤った燃料噴射がなされている」といった異常が頻発しているか否かが判断される。
【0094】
すなわち先ず、所定時間T(例えば、500ms前後)毎のタイミングであるか否かが判断される(ステップS208)。
そして、同タイミングであると判断される場合には(ステップS208:YES)、更に上記異常発生カウンタのカウント値が所定値C1(例えば「3」)以上になっているか否かが判断される(ステップS209)。
【0095】
そして、異常発生カウンタのカウント値が所定値C1以上になっていると判断される場合には(ステップS209:YES)、上記異常が頻発しているとして、異常頻発カウンタのカウント値がインクリメントされる(ステップS210)。
【0096】
一方、異常発生カウンタのカウント値が所定値C1未満であると判断される場合には(ステップS209:NO)、異常頻発カウンタのカウント値がクリアされる。そして、このように異常発生カウンタのカウント値に応じて異常頻発カウンタのカウント値が操作された後、上記異常発生カウンタのカウント値がクリアされる(ステップS212)。
【0097】
なお、上記所定時間T毎のタイミングではないと判断される場合には(ステップS208:NO)、上記異常発生カウンタ及び異常頻発カウンタのカウント値を操作することなく(ステップS209〜212の処理をジャンプして)、次の処理に移行する。
【0098】
その後、以下の処理(図7のステップS213〜S215)を通じて、上記異常頻発カウンタのカウント値に応じたかたちで異常判定フラグが操作される。
すなわち先ず、上記異常頻発カウンタのカウント値が所定値C2(例えば、「6」)以上になっているか否かが判断され(ステップS213)、同カウント値が所定値C2以上になっていると判断される場合には(ステップS213:YES)、異常判定フラグが「オン」操作される(ステップS214)。
【0099】
一方、上記異常頻発カウンタのカウント値が所定値C2未満であると判断される場合には(ステップS213:NO)、上記異常判定フラグが「オフ」操作される(ステップS215)。
【0100】
このように異常判定フラグが操作された後、同フラグの操作状態に応じて、強制停止フラグが操作される。
すなわち先ず、上記異常判定フラグが「オン」操作されているか否かが判断され(ステップS216)、同フラグが「オン」操作されていると判断される場合には(ステップS216:YES)、上記強制停止フラグが「オン」操作される(ステップS217)。一方、上記異常判定フラグが「オフ」操作されていると判断される場合には(ステップS216:NO)、強制停止フラグは操作されない(ステップS217の処理をジャンプする)。
【0101】
このように、強制停止フラグが操作された後、以下の処理(ステップS218〜S221)を通じて、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作についての強制停止が適宜実行される。なお、この強制停止は、強制停止手段としての監視マイコン32から制御マイコン31に連続的にリセット信号を出力して、同制御マイコン31を初期化し続けることにより行われる。
【0102】
具体的には先ず、スタータ信号STAが「オン」として検出されているか否かが判断される(ステップS218)。
そして、スタータ信号STAが「オフ」として検出されていると判断される場合には(ステップS218:NO)、次に上記強制停止フラグが「オン」操作されているか否かが判断される(ステップS219)。
【0103】
そして、上記強制停止フラグが「オン」操作されていると判断される場合には(ステップS219:YES)、上記制御マイコン31についての連続リセットが実行される(ステップS220)。すなわち、このときには燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作が強制停止され、その結果エンジン1が強制停止される。
【0104】
一方、上記強制停止フラグが「オフ」操作されていると判断される場合には(ステップS219:NO)、上記制御マイコン31についての連続リセットは実行されない(ステップS220の処理をジャンプする)。すなわち、この場合には、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作が継続され、退避走行性能が維持される。
【0105】
他方、上記スタータ信号STAが「オン」として検出されていると判断される場合には(ステップS218:YES)、上記強制停止フラグが「オフ」操作される(ステップS221)。これにより、一旦強制停止フラグが「オン」操作されてエンジン1が強制停止された後であっても、同エンジン1を再始動することができるようになる。
【0106】
このように、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作についての強制停止を適宜実行した後、本処理は一旦終了される。
以下、上述した強制停止処理がどのように行われるのかを、図8に示すタイミングチャートを参照しつつ説明する。
【0107】
なお、図8は、以下の各条件が満たされている場合における強制停止処理の処理態様の一例を示している。
・要求トルクレベルがレベル7以下のレベルに設定されている。
・自動変速機52のシフト位置がNレンジに操作されている。
・アクセルペダル51が踏み込まれていない。
【0108】
また、図8は、以下に記載する各項目についての推移をそれぞれ示している。
(a)エンジン回転速度NEについて。
(b)燃料噴射弁5aに対して出力される噴射指令の有無について。
(c)異常発生カウンタのカウント値について。
(d)異常頻発カウンタのカウント値について。
(e)異常判定フラグの操作状態について。
(f)強制停止フラグの操作状態について。
(g)スタータ信号STAの検出状態について。
(h)制御マイコン31の動作状態について。
【0109】
さて、図8(a)に示されるように、エンジン回転速度NEが所定速度Kよりも低い速度であるときには(タイミングt1以前)、図8(f)に示されるように、強制停止フラグが「オフ」されている。従って、このときには必要とされる燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作が継続されており、車両の退避走行性能が維持されている。
【0110】
その後、図8(a)に示されるように、エンジン回転速度NEが所定速度Kよりも高い速度になり、且つ図8(b)に示されるように、燃料噴射弁5aに噴射指令が出力されるようになると(タイミングt1)、図8(c)に示されるように、異常発生カウンタのカウント値のインクリメントが開始される。
【0111】
そしてその後、所定時間T毎のタイミングにおいて、異常発生カウンタのカウント値が所定値C1を超えていることをもって、図8(d)に示されるように、異常頻発カウンタのカウント値のインクリメントが繰り返される(タイミングt1〜t2)。
【0112】
その後、異常頻発カウンタのカウント値が所定値C2になると(タイミングt2)、図8(e)及び図8(f)に示されるように、異常判定フラグ及び強制停止フラグが共に「オン」操作される。
【0113】
そして、このとき強制停止フラグが「オン」操作されたことをもって、図8(h)に示されるように、制御マイコン31についての連続リセットが実行される。これにより、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作が強制停止されて、図8(a)に示されるように、その後においてエンジン1が速やかに停止される。
【0114】
その後、イグニッションスイッチ54が前記「スタート位置」に操作され、図8(g)に示されるように、スタータ信号STAが「オン」として検出されるようになると(タイミングt3)、図8(f)に示されるように、このとき強制停止フラグが「オフ」操作される。
【0115】
そして、図8(h)に示されるように、このとき制御マイコン31についての連続リセットが停止されて、以後において燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作が許可されるようになる。これにより、図8(a)に示されるように、その後においてエンジン1が再始動される(タイミングt3以降)。
【0116】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)上記実施の形態では、車両の退避走行中におけるエンジン回転速度NEが所定速度Kよりも高くなったときに、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制停止させるようにした。この構成により、フェイルセーフ制御によってエンジン出力が制限されているにもかかわらずエンジン回転速度NEが過度に高くなっていることをもって、ECU30によるエンジン出力の制限を適正に行うことができなくなる制限異常が生じていることを判定することができるようになる。そして、この異常判定がなされたときに燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作が強制停止させることで、フェイルセーフ処理の信頼性が低下するおそれのあるときにエンジン1の運転を強制停止させることができるようになり、ひいては車両の退避走行自体を禁止することができるようになる。従って、上記フェイルセーフ処理をより適切に実行して、車両の退避走行が行われる場合であれ、その信頼性をより高めることができるようになる。
【0117】
(2)また、上記実施の形態では、アクセル開度PAが所定開度αよりも低い開度であるときであって、且つエンジン回転速度NEが所定速度Kを超えているときに、少なくとも燃料噴射弁5aを含む2つの燃料噴射弁の駆動を停止するといった運転気筒数の減筒運転を実行するようにした。その上で、エンジン回転速度NEが所定速度Kを超えたときの中でも、特に特定の燃料噴射弁5aを動作させる旨の噴射指令が制御マイコン31から出力されている場合に限って、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制停止するようにした。これにより、エンジン回転速度NEが所定速度Kよりも高い速度となっているときの中でも、特定の燃料噴射弁5aを通じて誤った燃料噴射が行われているときに限って、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制停止させることができるようになる。このため、実際には車両の降板走行等によってエンジン回転速度NEが高くなっているにもかかわらず、上記制限異常によってエンジン回転速度NEが過度に高くなっているといった誤った判断がなされることを好適に抑制することができるようになる。
【0118】
(3)上記実施の形態では、所定速度Kを、自動変速機52のシフト位置がDレンジに操作されているときよりも、Nレンジに操作されているときのほうが高い速度となるように設定した。これにより、上記自動変速機52のシフト位置に応じて設定される上限速度NEmaxの相違に応じたかたちで、同所定速度Kを設定することができるようになる。従って、エンジン回転速度NEが過度に高くなっていることを、自動変速機52のシフト位置に応じたかたちで、換言すれば動力伝達系の動力伝達状態に応じたかたちで的確に判断することができるようになる。
【0119】
(4)上記実施の形態では、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作についての強制停止を、ECU30の監視マイコン32から制御マイコン31に連続的にリセット信号を出力して、同制御マイコン31を初期化し続けることにより実行するようにした。制御マイコン31をリセットすることにより、同制御マイコン31に異常が生じている場合であっても、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を確実に且つ速やかに停止させることができるようになる。しかも、そうしたリセットを連続的に実行することで、通常はリセット状態からごく短い時間(例えば、4ms)で復帰する制御マイコン31を同リセット状態に維持させておくことができるようになる。これにより、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を長期にわたって強制停止させることができるようになる。
【0120】
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態では、本発明を、退避走行時におけるフェイルセーフ処理として、運転気筒数の減筒運転や点火時期の遅角補正を行うことでエンジン出力を調節する装置に適用するようにした。本発明は、それら減筒運転や遅角補正に加えて燃料噴射量の減量補正や増量補正を行う装置にも、適用することができる。また、上記遅角補正に代えて、燃料噴射量の減量補正や増量補正を行う装置にも、本発明は適用可能である。
【0121】
・上記実施の形態では、前記(条件c)〜(条件e)が全て満たされることを条件に、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制停止させるようにした。それら(条件c)〜(条件e)のうち、(条件c)を省略するようにしてもよい。こうした構成にあっても、エンジン回転速度NEが過度に高くなっており、且つ誤った燃料噴射がなされていることを判断することはできる。
【0122】
・また、(条件c)〜(条件e)のうち、(条件d)を省略する、若しくは(条件c)及び(条件d)を省略するようにしてもよい。こうした構成によっても、制御マイコン31の意図に反して燃料噴射弁5aが動作していること、換言すれば、フェイルセーフ処理の信頼性の低下を招くおそれがあることを判定して、エンジン1の運転を強制停止させることはできる。また、(条件e)を省略する、若しくは(条件c)及び(条件e)を省略することも可能である。
【0123】
・上記実施の形態では、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制停止させるための一条件として、(条件e)を設定した。この(条件e)は、いずれかの燃料噴射弁により意図しない燃料噴射が行われていることを好適に判断することができさえすれば、適宜変更可能である。
【0124】
・また、こうした(条件e)に代えて、「いずれかの燃料噴射弁から意図した燃料噴射が行われないこと」といった(条件e’)を設定するようにしてもよい。この(条件e’)によっても、燃料噴射弁が適正に制御されていないこと、すなわちフェイルセーフ処理の信頼性の低下を招くおそれがあることを判断することはできる。
【0125】
・上記実施の形態において、所定速度Kを、冷却水温度THWに応じて可変設定するようにしてもよい。上記実施の形態では、上限速度NEmaxが冷却水温度THWに応じて可変設定される。このため、フェイルセーフ処理を通じてエンジン回転速度NEが通常取り得る最大回転速度は、冷却水温度THWによって異なったものとなる。これに対し、所定速度Kを冷却水温度THWに応じて可変設定する上記構成によれば、エンジン回転速度NEが過度に高くなったことを、上記上限速度NEmaxの相違に応じたかたちで的確に判断することができるようになる。
【0126】
・上記実施の形態では、上限速度NEmaxと下限速度NEminとからなる所定速度範囲を、自動変速機52のシフト位置がNレンジに操作されているときとDレンジに操作されているときとで異なる範囲に設定するようにした。これに代えて、若しくはこれに加えて、上記所定速度範囲を、自動変速機52の変速段に応じて可変設定するようにしてもよい。こうした構成にあっても、所定速度Kを自動変速機52の変速段に応じて可変設定することで、エンジン回転速度NEが過度に高くなっていることを好適に判断することはできる。
【0127】
・また、本発明は、自動変速機52が搭載された車両に限らず、手動変速機や無段変速機が搭載された車両にも適用可能である。要は、いかなる変速機が搭載される場合であれ、クランクシャフトから車軸までの動力伝達系における動力伝達状態に応じて上記所定速度範囲や所定速度Kを設定することで、車両の退避走行時におけるエンジン回転速度NEが過度に高くなっていることを好適に判断することはできる。
【0128】
・また、エンジン回転速度NEが過度に高い速度になっていることを適切に判断することが可能であれば、こうした所定速度Kを、動力伝達系における動力伝達状態にかかわらず、一定の値に設定することも可能である。
【0129】
・上記実施の形態では、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作についての強制停止を、ECU30の監視マイコン32から制御マイコン31に連続的にリセット信号を出力して、同制御マイコン31を初期化し続けることにより行うようにしたが、これに限られない。要は、制御マイコン31に異常が生じている場合であっても、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を確実に停止させることが可能であれば、その構成は任意に変更することができる。
【0130】
・上記実施の形態では、フェイルセーフ処理によるエンジン出力の適正な制限ができなくなる制限異常が判定されたときに、燃料噴射弁5a〜5dや点火プラグ6a〜6dの動作を強制停止させるようにしたが、これに限られない。要は、フェイルセーフ処理の信頼性の低下を好適に抑制することが可能であれば、上記制限異常の判定がなされた後における処理は、任意に変更可能である。
【0131】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態には、次のような形態を含むものであることを付記しておく。
・前記所定速度は、前記エンジンの冷却水温度に基づき設定される請求項1または3〜5のいずれかに記載の車両の制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる車両の制御装置の一実施の形態についてそのシステム構成を示すブロック図。
【図2】本実施の形態にかかる電子制御装置についてその具体構成を示すブロック図。
【図3】本実施の形態にかかるスロットル制御装置及びその周辺構造を模式的に示す略図。
【図4】フェイルセーフ処理の処理手順を示すフローチャート。
【図5】フェイルセーフ処理の処理手順を示すフローチャート。
【図6】強制停止処理の処理手順を示すフローチャート。
【図7】強制停止処理の処理手順を示すフローチャート。
【図8】同実施の形態による強制停止処理についてその処理態様の一例を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、2…吸気通路、3…排気通路、3a…触媒、5…インテークマニホールド、5a〜5d…燃料噴射弁、6a〜6d…点火プラグ、10…スロットルバルブ、11…モータ、22…スロットル開度センサ、23…吸気圧センサ、24…クランク角センサ、25…カム角センサ、26…アクセルセンサ、27…水温センサ、30…電子制御装置(ECU)、31…制御マイコン、32…監視マイコン、33…電源IC、34…A/D変換器、40…補助機構、41…バルブリターンスプリング、42…退避走行用スプリング、43…中間ストッパ、44…バルブレバー、45…全閉ストッパ、46…中間ストッパ、47…全開ストッパ、51…アクセルペダル、52…自動変速機、53…シフト位置センサ、54…イグニッションスイッチ、55…スタータモータ、56…スタータスイッチ、61…イグナイタ、62…点火コイル。
Claims (8)
- 車載エンジンの出力制御に用いられる1乃至複数の操作子の操作態様を同エンジンの運転状態に応じて電子制御する電子制御装置を備え、該電子制御装置に異常が生じていることが判断されるときには、前記エンジンに吸入される空気の量を所定量に固定するとともに前記操作子の少なくとも1つの操作量を制限して当該車両を退避走行させる車両の制御装置において、
前記車両の退避走行時に前記エンジンの回転速度が過度に高くなっていることを判定することのできる所定速度よりも高いことに基づいて前記電子制御装置による前記操作子の操作量制限異常を判定する判定手段を備える
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 前記車両の退避走行時に前記制限される操作子の操作量を監視する監視手段を更に備え、前記判定手段は、前記監視される操作子の操作量と前記電子制御装置による同操作子の操作量とが一致しないことを条件に、前記操作量制限異常を判定する 請求項1に記載の車両の制御装置。
- 車載エンジンの出力制御に用いられる1乃至複数の操作子の操作態様を同エンジンの運転状態に応じて電子制御する電子制御装置を備え、該電子制御装置に異常が生じていることが判断されるときには、前記エンジンに吸入される空気の量を所定量に固定するとともに前記操作子の少なくとも1つの操作量を制限して当該車両を退避走行させる車両の制御装置において、
前記車両の退避走行時に前記制限される操作子の操作量を監視する監視手段と、該監視される操作子の操作量と前記電子制御装置による同操作子の操作量とが一致しないこと、及び前記エンジンの回転速度が過度に高くなっていることを判定することのできる所定速度よりも高いことの論理積条件に基づいて前記電子制御装置による前記操作子の操作量制限異常を判定する判定手段とを備える
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の車両の制御装置において、
前記所定速度が、前記エンジンの出力軸から当該車両の車軸までの動力伝達系における動力伝達状態に基づき設定される ことを特徴とする車両の制御装置。 - 前記所定速度は、前記動力伝達系が伝達状態であるときと非伝達状態であるときとで異なる速度に設定される
請求項4に記載の車両の制御装置。 - 請求項2または3に記載の車両の制御装置において、
前記エンジンは多気筒エンジンであり、前記操作子はそれら各気筒に対応して設けられた燃料噴射弁であるとともに前記電子制御装置は前記操作子の操作量の制限としてそれら燃料噴射弁の駆動数を制限する減筒運転を行うものであり、前記監視手段は、前記駆動が制限されている特定の気筒に対応して設けられた燃料噴射弁に対する噴射指令の有無を監視するものである
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の車両の制御装置において、
前記判定手段により前記操作子の操作量制限異常が判定されることに基づいて前記エンジンの運転を強制的に停止させる強制停止手段を更に備える
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 前記電子制御装置はマイクロコンピュータを備えて構成され、前記強制停止手段は、前記マイクロコンピュータに連続的にリセット信号を出力するものである
請求項7に記載の車両の制御装置。
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